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1959-03-31 第31回国会 参議院 外務委員会 第14号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和三十四年三月三十一日(火曜日)    午前十一時十一分開会   —————————————   委員の異動 三月二十六日委員野村吉三郎辞任に つき、その補欠として苫米地義三君を 議長において指名した。 三月二十七日委員井上清一君及び苫米 地義三辞任につき、その補欠として 青木一男君及び野村吉三郎君を議長に おいて指名した。 三月二十八日委員青木一男辞任につ き、その補欠として井上清一君を議長 において指名した。   —————————————  出席者は左の通り。    委員長     杉原 荒太君    理事            井上 清一君            鶴見 祐輔君            苫米地英俊君            森 元治郎君    委員            青柳 秀夫君            重宗 雄三君            鹿島守之助君            笹森 順造君            野村吉三郎君            石黒 忠篤君            高良 とみ君   政府委員    外務政務次官  竹内 俊吉君   事務局側    常任委員会専門    員       渡辺 信雄君   —————————————   本日の会議に付した案件 ○理事補欠互選核実験禁止等に関する請願(第七  号)(第一三四号)(第二一七号)  (第五二九号)(第七四二号) ○原水爆実験禁止等に関する請願(第  三三八号) ○在日朝鮮人集団帰国に関する請願  (第三五二号)(第三五六号) ○ILO条約批准促進に関する請願  (第五四〇号) ○在日朝鮮人帰国促進に関する請願  (第五六七号)(第六一四号)(第  七一二号) ○沿海州公海機船底びき網漁業に関す  る請願(第一一〇二号) ○日韓漁業問題解決促進に関する請願  (第一一〇六号)   —————————————
  2. 杉原荒太

    委員長杉原荒太君) ただいまから外務委員会開会いたします。  まず、理事補欠互選についてお諮りいたします。去る二十七日に理事井上清一君が委員辞任されましたので理事に一名欠員を生じておりましたところ、翌二十八日再び委員になられました。よって井上清一君を理事に指名いたしたいと存じますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  3. 杉原荒太

    委員長杉原荒太君) 御異議ないと認め、さよう決定いたしました。   —————————————
  4. 杉原荒太

    委員長杉原荒太君) 次に、請願第七号、核実験禁止等に関する請願外十三件を一括して議題といたします。  お手元に配付いたしました一覧表の順序に従いまして審査を行うことにいたします。  まず、請願第七号から第三百三十八号までの核実験禁止等関係六件について、専門員から内容説明を聴取いたします。
  5. 渡辺信雄

    専門員渡辺信雄君) ただいま委員長から御報告がございました七号から三百三十八号、これには核実験禁止等に関するとございますが、この内容について多少趣きを異にしておるものがございますから、それについて申し上げます。  最初は七号の原水爆禁止協議会からの請願でございますが、これは内容核実験禁止国際協定を締結するよう努力してもらいたい、それから次には、日本本土、沖縄への核兵器持ち込みミサイル基地化中止米国核兵器持ち込み禁止協定を締結する、それから三には、自衛隊の核武装に反対いたしまして、核非武装決意を内外に政府において声明すると同時に、国会においても核非武装宣言を行なってもらいたいというのが初めの趣旨でございます。  それから次の百三十四のものは、やはり原水爆禁止地方協議会から出ておるものでございまして、一は、やはり核兵器実験の停止を求めておる、それから次は、日本国内における核武装禁止、それから日本への持ち込み禁止ということを求めておる、それから次には、核武装を誘発する安保条約改定交渉を直ちに打ち切って、同条約を廃棄する、こういうことを求めておるものでございます。  次のものも大体やはり原水爆禁止協議会地方支部の方から出ておりまして、これも趣旨は同じでございます。  それから次の五百二十九号、これは先ほど申し上げましたのと同じように、実験禁止協定を求めているのと、それから核非武装について、米国から持ち込まぬようにしてくれということを求めているもの、それからそれになお加えまして、この請願者核武装に連なるところの安保条約を廃棄すること、それから核武装に関連を持ちやすいところの警職法改悪防諜法制定の企図を捨てるというほかに、なお原爆被害者及びその遺族の生活保障の法令を作ってもらいたいということ、それから遺伝、原水爆症に関連しまして原爆症医学調査研究機関を設けるように国連米ソ等に折衝する、それから原爆被害調査白書を作ってもらいたい、それからまた南太平洋の住民の原水爆実験によるところの放射能被害調査政府から国連に提出するようにしてもらいたい、こういうような原水爆被害に関するところの救済の方法をこれにはつけ加えております。  それから七百四十二号のものは、清瀬の病院の方から出ておるものでございまして、これもやはりこの実験禁止に関するものと、それから核非武装国内へ打ち込まぬことのほかに、日本核武装に連なるあらゆる条約を廃棄してもらいたいということ、それから核武装へ道を切り開くところの警職法改悪防諜法制定をやめてもらいたいということでございまして、前のと大体同じでございますが、ただこれには、被害者救済には触れておりません。  それから三百三十八号は、これは前と少し趣きを異にいたしまして、この国会において原水爆実験禁止及び核武装禁止について決議をしてもらいたい、こういう国会に対しての要請でございます。  以上が原水爆に関するところのものでございます。
  6. 杉原荒太

    委員長杉原荒太君) それでは、ただいま説明を聴取いたしました六件について、御質疑、御意見のおありの方は御発言を願います。
  7. 高良とみ

    高良とみ君 いろいろこまかなことをあげておられるのでありますが、これは国民要望であり、ことに地方におられる、あるいは病院におられる方方の、人の幸福を思っての要望だろうと思うのでありますから、こういうものは、大意において御採択願って、政府に御送付願った方がいいのではないかと、私は、婦人あるいは病弱者立場から欄間に行くと、そういうことを特に痛感させられますので、そういうふうなことにお取り計らい願うことを私は希望いたします。
  8. 森元治郎

    森元治郎君 私も専門員の御説明を伺って、われわれがかねて主張している内容そのままのようでありまするから、内閣送付をされて、しっかりしたその結果の確認を得るくらいの努力をしてもらいたいと思います。紹介議員が、書いてありますように社会党の力がほとんどの中に、紅露みつさんという自民党の方も同じく趣旨に御賛成になり、紹介をされているところから見ると、この請願は妥当と見て、国会委員会の方へ持ち込んだものと思うので、まことに両党とも意見が合致したものと思うので、御採択を願えたらと思います。
  9. 石黒忠篤

    石黒忠篤君 私も大体参考送付がよろしいと思いますが、ただ三百三十八号のなにには、今、専門員説明だと、議会に決議をしてくれという要求でありますから、これを政府参考送付するということはどうかと思うのですが、これはどういうお取扱いになりますか。国会自体がきめるべきことを政府送付することはどうかと思うのですが。専門員何かこれの処理についての意見はないですか。
  10. 渡辺信雄

    専門員渡辺信雄君) 大体従来のあれを見ましても、請願は、内閣送付して、内閣のこれに対する措置を求めておるものでございますから、一応その内閣送付という建前から、本件はちょっと異色なものだと思っております。
  11. 高良とみ

    高良とみ君 三百三十八号の請願は、しかしながらその読み出しとして、別に国会決議をまずせよという請願ではなくて、やはり原水爆実験禁止に関する請願にそれをつけ加えて、今の国会決議ということをつけ加えておられるのでありますから、その一点のために、この趣旨を殺してしまうことは、まことにこの趣旨に反するのではないかと思うのであります。それからもう一つの点は、政府におられる力もやはり国会議員である方が各大臣としておられるのでありますから、これをあえて削ったり抹殺したりしないでそのまま送られる力が請願者の多数の人たち——百三十七名の署名があるのでありますから——趣旨ではないかと思うのであります。そういう意味で、ただいま石黒委員から御注意がありましたけれでも、やはり政府国会と必ずしもせつ然と切り離された人たちではないと思いますので、あまりこまかい点にこだわらないで、したらいかがかと、こう思うのでございますが。
  12. 石黒忠篤

    石黒忠篤君 私は、別にこまかい点にこだわっているわけじゃないのであります。ただ、国会がすべきことを要望された点に対して、国会自体がきめべきことがあるのならば、これは外務委員会としてこれに対する態度についてきめべきじゃないかと、こう思うだけなのであります。   請願内容を、私不勉強でよく見ておりませんが、どういうことになっておりますか。
  13. 渡辺信雄

    専門員渡辺信雄君) 「原水爆実験禁止核武装禁止は、原水爆の唯一の被災国であるわが国の非願であるが、いまだこれが徹底を欠いているのが世界の現状であるから、国会において、原水爆実験禁止並びに核武装禁止について満場一致決議をせられたい」。
  14. 石黒忠篤

    石黒忠篤君 そうすると、政府要望するのじゃなくして、全部の目的が国会に対する要望なんですね。こういうものの処理はどういうふうにするのでございましょう。
  15. 杉原荒太

    委員長杉原荒太君) ただいまの石黒委員の御発言は、むしろ委員長からどうということでなく、この委員会としてきめべきことでありまするから、これからの皆さんの御意見によって一つきめたいと思います。
  16. 高良とみ

    高良とみ君 これはただいま三百三十八号を読んでいただいてよくわかったのでありますが、やはりこれを紹介されるときに、原水爆実験禁止に関する国会満場一致決議を要求する請願というふうに書いて下すったら、それが間違わなくてよかったと思うのでありますが、もしただいまのような請願でございましたならば、ただいま委員長の御注意にありました通り、ここで皆さんの御意見をあわせて、そうしてこの委員会として決議に関することを御相談いただいたら、請願者趣旨に間違いないと思います。私の一番初め申し上げました、これはこの請願の一部であるように思いましたことは誤解でございましたので、さよう御承知願います。
  17. 苫米地英俊

    苫米地英俊君 私はこの原水爆禁止という方向に世界が向うことは、人道的の立場から賛成であります。また、できるだけこれを推進することに努力することも、これはよいことだと考えております。しかし、この陳情せられておる内容並びに陳情をしておられる人々の過去の活動を見るというと、これは相当政策的、イデオロギー的のものを含んであって、われわれの祈願しておるところの人道的立場世界をしてやめさせようというのではなく、日本を独自に縛ってしまおうというねらいが大いにあるようにかねてから感じておったのであります。ことに、この今請願に出ておる内容を見るというと、現政府外交方針、また国際関係等に対して、重大なる影響を及ぼすものがすこぶる多いように兄かける次第であります。で、これはおのおのの立場に立って主張せられることは御自由でございますが、それと同時に、われわれもこれに対して慎重に取り計らわなければ、日本政治がますます混乱するということが考えられます上に、日本政治を混乱させて世界の人道的の、原水爆実験廃止、製造、貯蔵等を、またその使用を禁止するのには、何ら貢献するものではないということを私は信じますがゆえに、これらの請願は一括して拒否すべきものと私は信じます。
  18. 森元治郎

    森元治郎君 今の苫米地さんのお話は、何か紹介者が札つきというような……紹介者なのか、陳情者なのか。
  19. 苫米地英俊

    苫米地英俊君 紹介者じゃなくて提出者です。提出した人の過去の動きを見ていると……。紹介者じゃなくて提出した人々です。請願書を出した人々です。
  20. 森元治郎

    森元治郎君 さっきの国会に対する請願三百三十八号の従来の取扱いはどんなふうに……。こんなものがあったと思うのですが、どういうふうになっておるか、専門員に伺いたいことが一つと、それから請願の文章とか内容というものは、これは法律家に頼んで書いたのじゃなくて、少しものを知っている人がおれが書いてやろうというようなことで書いたんでしょうから、いろいろ足りないところもたくさんあると思うのですが、請願趣旨は一般の国民の方々の気持を表わしておるのですから、大意において御賛同ならば、内閣送付の方に持っていった方が筋ではないかと思うので、第一点のまず専門員の御説明を伺っておきます。
  21. 渡辺信雄

    専門員渡辺信雄君) ただいまの森先生の御質問に対しまして、当委員会としては、国会に対するものについては取り上げたということはないのでございまして、審議未了ということになっております。
  22. 杉原荒太

    委員長杉原荒太君) 今の専門員同等回答というか答弁、どういうことですって。国会において措置すべきことの請願があった場合、その取り計らいがどうなっておるか、過去の先例はどうなっておるかという質問に対する答弁として、どうなんですか。
  23. 渡辺信雄

    専門員渡辺信雄君) 過去のここの委員会においては、ほかの委員会は存じませんが、この委員会における過去の取扱いは、国会に対する措置請願は、ここにおいては不採択ということでなくて、審議未了にこの前のときにもいたしました。(「おしまいの方が聞えない」と呼ぶ者あり)不採択とはいたさずに、審議未了といたしました、この前のときは。
  24. 杉原荒太

    委員長杉原荒太君) それは内容を見てそうしたのじゃないのかな。過去の取扱いそれ自体がどうか、採択するとかせぬとかいうことは別として。
  25. 渡辺信雄

    専門員渡辺信雄君) やはり内容を見まして、そうしてその国会取扱い権限というより、内容から国会の議決にすることが適当であるかどうかということを審議されたのです。
  26. 杉原荒太

    委員長杉原荒太君) しかしこの委員会で、要するにそういうことをどうするということをきめるべきですね。
  27. 森元治郎

    森元治郎君 同じ請願の中で前段は大へんよろしい、後段はどうもうまくないという場合には、過去においてはどういうふうに取り扱っておるのですか。前は生かしてうしろを切るとかいうことは請願というものにはあるのですか、私は過去の知識はないけれども。どうなんですか。
  28. 杉原荒太

    委員長杉原荒太君) ちょっと速記をとめて。    午前十一時三十七分速記中止    ——————————    午前十一時五十五分速記開始
  29. 杉原荒太

    委員長杉原荒太君) 委員長から申し上げますが、今の六件につきましては、なお審議を続けることにして、次回に続行することといたします。  次に他の請願事項に移ります。
  30. 渡辺信雄

    専門員渡辺信雄君) 次に出ておりますところの五件は、在日朝鮮人帰国促進でございますが、これは請願者県会議長でございますが、地方で彼らが困っておる状況をあげまして、そうして人道的見地から、すみやかに帰国させるようにしたらどうかという趣旨でありまして、ただいま政府のとっている措置を大体プッシュしているものと存じます。
  31. 杉原荒太

    委員長杉原荒太君) ちょっと申し上げますが、今本会議が始まりましたので、ここで五分間休憩にいたしたいと思います。    午前十一時五十七分休憩    ——————————    午後零時十八分開会
  32. 杉原荒太

    委員長杉原荒太君) 休憩前に引き続きまして委員会を再開いたします。  専門員から請願説明を聴取いたします。
  33. 渡辺信雄

    専門員渡辺信雄君) 休憩前の、朝鮮人帰国促進に関する請願に引き続きまして、第千百六号の日韓漁業問題解決促進に関する件を申し上げます。  要するに、韓国が一方的に不法なる李ラインを設定し、日本漁船を拿捕、抑留しておることは遺憾である。日本水産業界においては、あらゆる手続を尽してこれが解決に当っているが、今なお、抑留船員全部の送還さえおぼつかない状態であるから、政府においては、この際、漁業協定の締結、全海における安全操業の確保、抑留漁船船員送還について強硬なる態度をもって日韓会談交渉に当られたいという趣旨のものでございます。
  34. 杉原荒太

    委員長杉原荒太君) 御質疑、御意見のおありの方は御発言願います。  ただいまの専門員説明しましたのと、さきに説明いたしました在日朝鮮人帰国関係五件を、一括して御審議願っておりますので、それらについても御質疑、御意見のおありの方は、御発言願います。
  35. 森元治郎

    森元治郎君 これは全部賛成です。
  36. 杉原荒太

    委員長杉原荒太君) 在日朝鮮人帰国関係五件並びに日韓漁業問題解決促進に関する件、以上六件につきまして、これを採択し、妥当と認めて内閣送付すべきものと決することに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  37. 杉原荒太

    委員長杉原荒太君) 御異議ないと認め、さよう決しました。  本日は、これにて散会いたします。    午後零時二十一分散会