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説明員(
藤木正雄君) それでは、ごく簡単に御
説明申し上げます。
ハイティは、御
承知のように、カリビアン・シーにございまして、キューバの東方にありますサントドミンゴという島の西半分を占めております。
人口は三百四十万であります。
面積は、一万
平方マイル強でございまして、大体
日本の
四国よりはちょっと大きいという
程度でございます。
人種は、九〇%が
黒人でございまして、あとの一〇%が
黒人並びに白人の混血ということになっております。
言語は、
フランスが一七〇〇年代から一八〇〇年代にかけまして同地を
植民地としておりました
関係上、現在
フランス語でございます。
同国の
歴史は、一五〇〇年ごろにコロンブスの第一回
アメリカ大陸発見当時に
同国が発見されまして、それから約二百
年間スペインの
統治下にありまして、その後
フランスと
スペインとの
戦争によりまして、
フランスに割譲されまして、約百
年間フランスの
統治下にございました。一八〇四年に独立をしまして、今日に至っております。
政情は、憲法上は
立憲共和制をしいておりまして、
二院制でございますけれども、
上院の
議員数が二十一名、下悦の
議員数が三十七名というような、ざわめて小さい国会でございまして、事実上大統領の
独裁制というのが実情でございます。過去非常に内乱の継続という
歴史を持っておりますけれども、現在では、どうやら
政情は安定しておるというふうに見られております。次は
経済情勢でございますが、
同国はほとんど
工業的なものはございません。
産物もほとんど
農林産物、コーヒーを主
産物としまして、
サイザル淋、綿花、ココア、果実、木材といったようなものを産出しておりまして、同時にこれらのものを
輸出しております。
対外貿易について申し上げますと、大体
年間片道四、五千万ドル、年によって多少増減もございますけれども、四、五千万ドルくらいの
貿易をいたしております。その最大の
相手国は
アメリカでございまして、
輸出入とも約二五%くらいは
アメリカが占めております。それから
輸出の面ではヨーロッパに
輸出しておりまして、ベルギー、
フランス、イタリーといったような国に主として
輸出をしております。
輸入の面ではカナダ、ドイツ、英国といったような国からの
輸入が大きな
部分を占めております。
輸出品につきましては、先ほど申し上げましたような
農林産物でございますが、
輸入品は主として
繊維製品、
食料品、
金属製舶、
機械というような品種があげられ、おります。次は、
日本との
貿易でございますか、
戦前は、かなり
わが国の
繊維品が伸びておりまして、一九三一年ごろだこ思いますが、
最盛期には八十万ドル
程度の
わが国の
繊維品が出ておりましたけれども、その後一九三五年に至りまして、
ハイティが
求償主義に基きまして
複関税制度をしき、
日本に対しましても高率な
最高関税を課するようになりまして、それ以後、
貿易はかなり低調となって参りまして、
戦争の勃発前後の一九四一年で、
同国との
貿易はストップをいたしまして、戦後は
貿易が再開されましたけれども、
わが国が
ガットに入りました際に三十五条を援用いたしました
関係上、やはり引き続いて
最高関税が課せられまして、すこぶる
貿易は低調でございまして、戦後の一番大きな
数字を示しました一九五六年の
数字を見ますと、
わが国からの
輸出は、わずか十万ドル
程度、これに対しまして
輸入が百七万ドルで、
輸入の大
部分は
砂糖でございます。それからわが方から出しております品物の大
部分は、
ミシンでございます。翌年の一九五七年におきましても大体同じ傾向でございまして、わが方の
輸出が五万ドル、それから
向うから入れましたものが九十万ドル、こういう趨勢でもって参った次第でございます。大体以上が
ハイティに関する概況でございます。