運営者 Bitlet 姉妹サービス
使い方 FAQ このサイトについて | login

1959-02-26 第31回国会 衆議院 予算委員会第四分科会 第2号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和三十四年二月二十六日(木曜日)     午前十時二十六分開議  出席分科員    主査 早稻田柳右エ門君       岡本  茂君    北澤 直吉君       田村  元君    井手 以誠君       小松  幹君    島上善五郎君       楯 兼次郎君  出席国務大臣         運 輸 大 臣 永野  護君  出席政府委員         大蔵政務次官  山中 貞則君         運輸事務官         (大臣官房長) 細田 吉藏君         運輸事務官         (海運局長)  朝田 静夫君         運 輸 技 官         (船舶局長)  山下 正雄君         運 輸 技 官         (港湾局長)  中道 峰夫君         運輸事務官         (鉄道監督局         長)      山内 公猷君         運輸事務官         (自動車局長) 國友 弘康君         運輸事務官         (航空局長)  林   坦君         運輸事務官         (観光局長)  岡本  悟君         海上保安庁長官 安西 正道君         高等海難審判庁         長官      長屋 千棟君         建設政務次官  徳安 實藏君  分科員外出席者         大 蔵 技 官         (主計官)   鹿野 義夫君         大蔵事務官         (理財局資金課         長)      鈴木 喜治君         日本国有鉄道総         裁       十河 信二君         日本国有鉄道副         総裁      小倉 俊夫君         日本国有鉄道常         務理事     久保 亀夫君     ————————————— 本日の会議に付した案件  昭和三十四年度一般会計予算運輸省所管  昭和三十四年度特別会計予算運輸省所管  昭和三十四年度政府関係機関予算運輸省所管      ————◇—————
  2. 早稻田柳右エ門

    ○早稻田主査 これより予算委員会第四分科会を開会いたします。  本日は昭和三十四年度一般会計、同じく特別会計及び同じく政府関係機関予算中、運輸省所管について質疑を続行いたします。楯兼次郎君。
  3. 楯兼次郎

    楯分科員 まず最初に昨日上林山分科員が触れられておりました私鉄運賃値上げのことについて、若干質問したいと思います。  昨年の九月九日から十二日の間に、内閣総理大臣官房審議室が行なつた私鉄運賃値上げに対する世論調査の結末を大臣御存じかどうか、お伺いしたい。
  4. 永野護

    永野国務大臣 はなはだ申しわけございませんが、その世論調査の結果を正確に記憶しておりません。
  5. 楯兼次郎

    楯分科員 この政府の行いました世論調査で、当時私鉄運賃値上げが喧伝されておりました問題に対しての結論は、こういうふうに出ておるわけです。大私鉄会社デパート遊園地住宅映画館など数多くの傍系事業投資をしていること、そして大きな利益を上げておる。従って大手私鉄運賃値上げには、一般物価にも影響し家計を圧迫するから反対である、こういう九月九日から十二日の間に行なつた政府——政府といいますか、内閣総理大臣官房審議室世論調査の結果はこういうふうに出ておるわけです。私はその感じがこの私鉄運賃値上げに対する大半国民考え方だと思うわけです。昨日自民党の分科員の御質問に対して大臣は、保安保守完璧輸送の今後の増強のためにあの値上げをやつたのだ、こういうような御答弁ですが、この世論調査にも現われておりますように、傍系事業というか、デパートであるとか、住宅映画館等に、私鉄相当投資をしているわけであります。従ってほんとうに保安増強輸送力増強ということに主眼を置くならば、あえて値上げをしなくても、そちらに投資する金で十分まかなうことができるというふうに私は考えているわけでございますが、大臣の所見を伺いたい。
  6. 永野護

    永野国務大臣 しろうと目というと少し語弊があるかもしれませんが、一般大衆の目から見ますと、今楯委員お話しになりましたような、あんなに余裕の金があるならば、何も値上げをしなくてもやつていけるじゃないかというような声が相当にあることは私も承知いたしております。しかし本格的に事業経営内容に立ち入ってよく検討してみますると、その大衆の印象と実情とはだいぶ違うのでありまして、余裕金がそこにあつて、それでああいう付帯事業をやつているのではないのでありまして、ああいう付帯事業をやるのは、その本体鉄道経営をいたします上にやらなければならないような関係にあつてつておる。つまりその本体経営を堅実にいたしますためには、ああいう一見兼業と見られる、直接関係はないと見られる仕事をやるこが、本体を営業していく上に必要な事業でありまして、決して道楽にやつておるものではないのであります。これは計数上はっきりいたしております。その金もいわゆる遊んだ金があつてやるのよりは、別会社にして、そしてそれの借入金なんかもそれ自体の信用において資金作つてつておるのでありまして、本業の余裕金を回してやつておるという性質のものではないのであります。それ自体経理は、昨日も申し上げましたように決して健全な、正確に申しますると利益を出し得るような経理でないことは、運審委員私鉄十三社について詳しく検討いたしまして出しております報告書にもよく述べておる通りでありまして、非常にもうかつて、金に余裕があるから、ああいう兼業をやつておるというのでは決してないのであります。事実はこの前私が申しまとたように、正確にやれば補修はきわめて不十分だ、とりあえず目先のところはとにかく運転していけますけれども、あのまま放任しておきますと、一度にそのしわ寄せが出てきて、どうにもならぬというような状態になると私は感じたのであります。なおその上に今の積極的の都市人口集中に対応するためのサービス向上、この二つの点を解決するために値上げを認めたのであります。
  7. 楯兼次郎

    楯分科員 傍系事業投資し、あわせて輸送増強保守完璧をはかる方向に持っていくということは、これはどこで境目を引くかということは見解相違だと思うのですが、私どもが過去四年間、二十九年からのこの十三社の営業報告書を見ると、これはわれわれしろうとでありますから間違つておるかもわかりませんけれども、この過去四年間の営業報告書からは、運賃値上げ要素というものが考えられないわけです。たとえば配当率を見ましても、これは相当政策的に決定をされておると思うのですが、大体一三%ないしは一五%、一番悪いところでも一〇%の配当率を示しておるわけです。それからこの各社の総収入を見ましても、毎年五%ないし一〇%程度増加をしております。物価は昨年来、予算委員会においていろいろ論議がありましたが、おおむね横ばいの状態である、こういう点を考えますと、どうしても運賃値上げをして保安確保輸送増強に回すという根拠は生まれてこないわけです。配当率も少くなるでしようけれども、やはりこの利益によってそちらの方に金を回してもいいじゃないか、こういうように考えられるわけですが、この点はどうです。
  8. 永野護

    永野国務大臣 私鉄十三社の配当率の問題については、私自身といたしましても多少の意見はあるのであります。しかし現実の今日の問題といたしまして、いわゆる自己資金をなるたけ豊富に持って事業経営をしなければ、それは本体ではないのだという建前からいたしますと、自己資金はどうしても増資によらなければならぬのでありますけれども増資相当に楽にやれるというために必要な配当率は、ただいまおあげになりましたような率にしませんと、増資がしにくい。今日は非常に一種株式ブーム時代でありますから、一割の程度でも増資が必ずしも不可能でないような状態でありますけれども、過去数年の間は一割の株式増資失権株なしにやれるとは思いませんでした。従いまして一割以上の配当をするということが、理論上こういう公共事業株式配当として適当であるかどうかということにつきましては、先ほども申しましたように私個人には多少の意見があります。ありますが、自己資金経営をしなければならぬという現実の問題を解決いたしますためには、あの程度配当はやむを得なかったかとも考えておるのであります。そうしてその内容が、厳格な意味における経理に基いてあの配当ができたものであるかどうかということについて疑問のあるということは、昨日お答えした通りであります。ある程度の政策的の配当を認めざるを得なかったというのは、先ほど申しました理由に基くものであります。
  9. 楯兼次郎

    楯分科員 それは大臣と私の言う政策的なという意味が違うのです。私はこういう利益の中に、たとえば減価償却費であるとか、退職給与引当金あるいは価格変動準備金あるいは修繕費等相当この利益というものが操作をされて、社内蓄積というようなものがあるのじゃないか、これはどこの会社でもそうだと思うのですが、そういう上に立ってなおかつ二%ないし一五%の配当率を示しておる。従って実態というものは、この表に現われてきたより相当有利なものがあるのじゃないか、こういうふうに私は考える。反対ですか、大臣
  10. 永野護

    永野国務大臣 遺憾ながらそこは非常に私と見解が違うのでありまして、私は、正確な意味における経理と申しますのは、主として損益計算の上に正確な意味における減価計算の率を損勘定に立て、保線理論上、この程度はやらなければならぬということを十分にして、それをみんな損勘定に立てますと、配当する基準として出しております損益計算があるいは非常に数字が違つてくるのではないか、こういうふうに思っておるということを申し上げたのであります。
  11. 楯兼次郎

    楯分科員 私鉄の本来の輸送事業を完遂するために、この傍系事業投資ということもやむを得ない、こういうように大臣はさっきおっしゃったのですが、私はこの表を見ますと、本来の輸送業務遂行のための資本金といいますか、投資と、ほとんどこの傍系事業投資というものが最近拡大をしてきて同じになっておるわけです。これでは一体百貨店経営あるいはその他の事業経営が本来の使命か、あるいは輸送事業を行うことが本来の使命かわからなくなってきておる。もうほとんど同じ規模をもってとにかくやつておるわけです。だから輸送業務を完遂するために、ある程度傍系事業もやむを得ないとおっしゃる大臣答弁実態というものは、非常に連つてきておるというふうに感ずるわけですが、どうですか。
  12. 永野護

    永野国務大臣 これは一般論と特殊の場合とかなり違つた結論が出ると思います。ごく少数の特例には、今楯委員お話しなつたようなものが絶無とは私申しません。しかし一般論といたしますと、たとえばデパート経営というのは、一面において、その私鉄会社自体経営のいわゆる培養施設としてもやりますけれども同時に沿線大衆の利便をはかるという、必ずしも私鉄経理面ばかりなく、この私鉄沿線はみんな新開地でありますから、日用品なんかの買い求めにも非常に不便なところが多いのでありまして、大衆便宜ということも決して軽い要素ではないと思っております。もちろんこの私鉄培養施設としてこさえたには違いございませんけれどもそれが大衆福利増進に無関係だとは言えないと思います。非常に役に立っておると私は考えております。従いましてあまり多いから程度を押えたらいいではないかという議論は成り立つと思いますけれども、かりにあの終点のデパートを全部やめさせたら、一番苦情が起きるのは大衆からだ、こう私は考えておるのであります。そうして盛んになっておりまする百貨店は、大体みんな独立計算でやつておるのでありまして、最初こそ私鉄の出資でやつている場合が非常に多いのでありますけれども、それが、今楯委員が御指摘になりましたような非常に膨大な施設になりますときには、それは非常に繁盛している証拠でありますから、そのときにはその独立資金調達能力ができておるときでありますから、その自分資金調達能力によってその運営をしておる、こう了解しております。
  13. 楯兼次郎

    楯分科員 私は何も今やつておる百貨店をやめさせてどうこうということを言っておるのではないのです。もうこういう状態を野放しにしておけば、たとえば極端な例を引きますと、百貨店をやつた方がもうかるということになれば、列車の運転の間引きをしてもそちらの方へ資本を投入するということになって、傍系事業の方が大きくなって、反対にこの輸送業務というものが顧みられなくなる、そういうことはないでしようけれども、そういう傾向にある。これでは輸送公共性というものがだんだんなくなっていってしまうのではないか、こういうふうに思うわけです。それで片方は運賃値上げをやつて増強すればよろしいという考え方は、いわゆる私鉄業務をやる本来の使命反対傾向になりつつある。そうでありまするから私鉄運賃値上げというものも、そういう傍系事業——全然私は否定はいたしませんけれども、同じような状態に拡大してくるのを抑制したならば、あえて値上げをしなくても十分保安の維持と輸送力増強は行えたのではないか、こういうことを言っておるわけであります。
  14. 永野護

    永野国務大臣 先ほど申しましたように、特殊の事例には、本来培養施設としてこしらえた従たる、たとえば百貨店でございますけれども、それが非常に盛んになってきて、その沿線便宜のために、つまりお客を増すためにはデパートをこしらえて、生活を豊かにしなければお客がこないからという理由デパートをこしらえたのに、結果においてはデパートお客さんの一種のエスカレーターの延長のような形になつたところがないとは申しません。しかしそれは非常な例外でありまして、大多数はいわゆる培養施設の範囲を出ない。そうして培養施設であるとともに、沿線大衆福利増進のために役立っておる施設デパートがあると思います。それで先ほども、繰り返して申すようでありますけれども建設資金補修資金なんかを振り向けてデパート投資しておるというのではございませんので、今ではデパートそれ自体資金調達能力ができておりますから、当然補修しなければならぬ金あるいは増設しなければならぬ資金デパート施設投資したというような例は、ほとんどないと言ってもいいと考えておるのであります。
  15. 楯兼次郎

    楯分科員 この問題はいつまでやつてつても水かけ論で、見解相違だろうと思いますのでやめたいと思いますが、大臣御存じない、先ほど申し上げました昨年の世論調査に、ただいま私が言つたことは大衆の集約した意見としてはっきり出ておるわけです。それを値上げをやろうとおっしゃる、何といいますか、最高責任者のあなたが、全然こういう世論調査の結果を御存じないということがそもそも間違いではないか、こういうふうに思うわけです。だから、これは水かけ論になりますからもうここでやめておきますが、もう少しそういう関係の事項をよく研究をされて、世論動向を十分に一つ考えられて、こういうことに対処していただきたいと思います。これはもうこれでやめておきます。
  16. 永野護

    永野国務大臣 今昨年の九月に行われました世論調査の結果を正確に知らなかったことは、まことに申しわけないと申したのでありますけれども、実はそのもっと身近な世論調査を私は絶えず聞かされておるのであります。それは私の家族がたくさん集まつて、これらが申しますのが一人も残らず運賃値上げ反対であります。おやじ不信任であります。でありますから、ほかの関係世論調査を聞きませんでも、これが一通り大衆の、単に自分が金を出すのが都合が悪いという観点ばかり見ました世論から申しますと、それが非常に反対だということは身にしみておるのであります。しかしながらそういう人たちでも、それでは今のままでよろしいかというと、そういうことは困る、ああいうすし詰めの殺人的な混雑では困るから、あれは放任しておいては困るということ、さらに先ほども申しましたように、目に見えない、しろうとではわからない保線状態——つまり確実な正確な意味における技術的の保安設備が不十分だというようなところは、目に見えぬものでありますから、そういう点は少しも関係なくて、とりあえず自分家計に響くという点だけに重点を置いた議論では、一人も残らず値上げ反対であるということは了承をしておるのであります。しかしながらそれはものの本体をした議論ではないのでありますから、責任者といたしましては、どうしてもある程度値上げを認めて、そうして安全運転確保サービス向上をしなければならぬ、そう決意をした次第でございます。
  17. 楯兼次郎

    楯分科員 あなたの家族が云々とおつしやいますが、大臣家族生活環境一般国民大半生活環境とは違うのです。それから私は何もこの事業実態を全然知らないしろうと立場に立って質問をしておるわけではないのです。私もあなたほど詳しくはないのですが、少しは実態を知っておるつもりで質問をしておるわけですから、大臣立場値上げをした責任者立場から必要以上に値上げ論を強行される必要はないと思うのです。だから心の中では幾分私の説にも賛成をしながら、あえて強弁の答弁をされておると思うのですが、値上げが済んでしまつたので今ここであなたと幾ら論争してももとに返らぬと思いますが、もう少し世論動向事業実態内容を御勘案して、将来は善処していただかなくては射る、こう思うわけです。  それからこの間、予算総会の席でちょっとお聞きしたのでありますが、海運の三国間輸送助成金ですが、行政措置としてやれるということは一応私は了解をします。しますが、あなたの方の説明書を見ましても、この五億円、四億六千万円ですか、四億六千万円の三国間輸送助成金の具体的な使途の方法が明示をされておらないように考えるのですが、これはおつまみで分けてやるのか、具体的にこの四億六千万円が的確に使用をされるという根拠一つお聞かせ願いたいと思います。
  18. 永野護

    永野国務大臣 申すまでもなく日本海運国策は非常に重要なものでありまして、最も重要なる基本国策一つとして取り上げなければならぬ、それには第三国間の運送事業というものに割り込んでいかなければならぬということは、これはだれしも異議のないことだろうと思うのであります。従いましてこれはもうすでにおそ過ぎるくらいの施策だったと思うのであります。従いまして、一年こつきりの行政措置でこれをやりますことは、実は運輸当局といたしましては非常に不本意だったのであります。立法措置で継続的の国策にこれをぜひ取り入れたいと実は念願しておったのであります。ところがこれは現実予算折衝の過程から、とりあえずああいう行政措置でこれをやらなければならなくなつたのでありまして、あれは社会党の質問を傍聴しておりましたが、私はごもっともな御質問だと実は内心拍手を送るというと少し語弊がありますけれども、あるべき御質問だ、こう考えておつたのであります。従いまして行政措置でありますけれども、実質上は立法措置による補助のような運営を今後も続けていきたい、こう考えております。そしてその内容のこまかい資金の割当につきましては、所管局長からお答えさすことにいたします。
  19. 朝田静夫

    朝田政府委員 ただいま大臣から申し上げましたように、この三国間の航海助成につきましては、法律によらないで、補助金等に係る予算の執行の適正化に関する法律に基きまして、私どもとしてはそれに基いた省令を公布する予定にいたしております。的確に補助金が交付されるかどうかという問題のお尋ねでありますが、私どものただいまの考え方といたしましては、基準国間運賃収入額というものを一応定めまして、少し具体的に申し上げますと、昭和二十八年より過去五カ年間の期間におきまする三国間の運賃収入実績、これを基準国間運賃収入総額といたしまして、基準国間運賃収入総額の年間の平均をとりまして、それの二分の一を上回つたものに対しまして、予算額とのある一定の比率をかけたものを助成金として交付する予定にいたしておるのであります。狂いまして省令にもその点について明確にいたしたい、こういうふうに考えておるのであります。
  20. 楯兼次郎

    楯分科員 私海のことはあまり詳しく知りませんが、二十八年から五カ年間の運賃収入実績もととして適用をしていく、こういうお話でありますが、その実績は十分運輸省として実態が把握でき、監督ができる状態にあるかどうか、お聞きしたいと思います。
  21. 朝田静夫

    朝田政府委員 過去の運賃収入額につきましては、私どもは的確に把握できるつもりであります。
  22. 楯兼次郎

    楯分科員 それはそれだけにして次に移りたいと思いますが、この運輸省予算書を見ますと、高速自動車国道経済調査費として二百二十一万円が計上されておるのですが、これは一体どこを調査されるのか。この説明書を見ますと、東京——名古屋間の高速自動車国道というふうになっておるのですが、そういうものはないはずだが、もしあるとすればこれは東海道調査ということになるわけですが、どうですか。
  23. 永野護

    永野国務大臣 こまかいことは自動車局長からお答え申しますが、大体を申しますると、いわゆる東海道新線というものを作りますときに、反対論には、アメリカなんかではもう斜陽産業といわれておる鉄道に今から莫大なる資金を投ずるのは、時代おくれではないかというような議論のあることも事実であります。従いまして、今非常に問題となっておりまする東京——名古屋間を中央道路にするか、あるいは東海道線によるかといういろいろな議論がございますが、どちらにいたしましても、そういう自動車道路を作りますことは、その運営の見通しをいたしますことは、東海道新線を設計し実施いたしますために非常に大切な要素になります。従いまして将来中央自動車道路ができ、さらに東海道線に並行していろいろ自動車道路ができた場合に、それはどのくらいな貨物の輸送量があり、人員の輸送量があるであろうか、すなわち鉄道から転移いたしますその数量を計算いたしますことは東海道新線を設計いたします上の必須の材料でなくてはならぬのであります。従いまして、私はそういう大体論から必要だと、こう認めておるのでありますが、こまかいことは局長からお答えいたさせます。
  24. 楯兼次郎

    楯分科員 大臣のおっしゃることはよくわかるのですが、私のお聞きしたいのは、こういう対象がないのですよ。その名称があるとすれば、今論議されておる東海道ということになるのですが、それを調査されるのかどうか。
  25. 國友弘康

    國友政府委員 私ども運輸省では昭和三十二年、三十三年——三十一年から始めておりますが、予算をいただきまして東京—神戸間におきまする経済鉄道等からの転換量調査開発量調査というようなものを実施して参りまして、この昭和三十四年に要求いたしておりますのは、東京—名古屋間の予定路線案及び基本計画立案に必要な産業開発効果並びに東京—神戸間輸送伸び率、すなわち転換交通量算定等に用いる調査等を実施いたす予定にいたしておりまして、この東京—名古屋間あるいは東京—神戸間と申しますのは、現在中央には道路がございませんのですが、総体的に申しまして東京—神戸間におきまする輸送状況、また東京名古屋間におきまする輸送状況を調べまして、今度の高速自動車国道ができました場合に、これがいかに転換するかということを総体的に経済調査をいたしておるのでございまして、この調査におきましては、たとえば中央道に作られました場合にはこの程度転換東海道につきましてはこの程度転換というような数字も出しておるのでございます。
  26. 楯兼次郎

    楯分科員 これはあげ足とりのようで私もいやなのですけれども運輸省等でこういう字句を使われるから、過日建設省と私と委員会で論議したような事態が起るのです。高速自動車国道経済調査といえば、当然これは東海道自動車道建設をされた場合の経済調査、こういうふうにしか法律的にはならぬのですよ。そういう考えでやつておられるのかどうか。
  27. 國友弘康

    國友政府委員 法律の公布されております状況を申し上げますと、国土開発縦貰自動車道建設法が公布されておりまして、さらにこの国土開発縦貫自動車道を含めまして、自動車専用道を管理していきます法律といたしまして、高速自動車国道法があるわけでございます。     〔主査退席、田村主査代理着席〕 国土開発縦貫自動車道建設いたします場合にも、全体として高速自動車国道という呼び名で呼んでおりますので、これは国土開発縦貫自動車道というような書き方ではございませんで、国土開発縦貫自動車道でありましても、高速自動車国道という名称で呼んでおるのでございます。
  28. 楯兼次郎

    楯分科員 くどいようですが、東京—吹田間になるのですが、小牧—神戸間が今建設されておりまするからこれは論外としても、東京—名古屋間はどうしたつて国土開発縦貫自動車中央道という文字を使つていただかぬと困ると思うのです。これは北海道あるいは東北地方あるいは九州というものが、国土開発縦貫自動車道の別表の中に載つております。私どもが今自動車道で一番論争をしておるのは、この法律に基かなくて自動車道建設のできるという、いわゆる今あなたのおっしゃる高速自動車国道です。だから正確に解釈するなら、高速自動車国道東京—名古屋間というのは、これはまだ国会では現在論議をされておりませんけれども東海道ということになるのです。この名称を使われるということは、東海道自動車道建設をされるための経済調査ということに解釈としてはなるのです。自動車局長中央道東海道かというのできわめて微妙な段階にあり、かつ建設委員会あるいは予算委員会等で論議が戦わされているのですから、やはりこの調査費が東海道中央道の両方ということにまたがつておるなら、正確に高速自動車国道並びに国土開発縦貫自動車道中央道経済調査であると、こういうふうにうたつていただかぬと、あなた方は好んでわれわれの論争に火をつける、こういう状態になると思うのですがどうですか。
  29. 國友弘康

    國友政府委員 この予算におきましては、東京—名古屋間の調査をいたします。調査をいたします場合には現状の調査をいたします。すなわち東海道輸送量調査はぜひいたさなければなりません。それから中央道予定路線に近いところの山梨県あるいは長野県の調査もいたさなければなりませんので、実際に国土開発縦貫自動車道建設法に基きますところの高速自動車国道中央道調査をいたしますにつきましても、東海道調査をするということで、実は総体的に東京—名古屋間の調査というふうに銘を打つたのでございまして、両方を調査するということなのでございます。
  30. 楯兼次郎

    楯分科員 今の日本の財政状態からいって自動車道を二本も作るなんということはできぬのですよ。私は演説する必要もないので簡単に言いますが、中央道自動車道を作つたら、五十年、百年の後は別として、現在ではそんな千五百億も二千億も要するような道路中央道にも作り、あるいは東海道にも作るというようなことはナンセンスです。だからこれは一本でなければ財政的な面からできないと、こう考えているわけです。作るならこれは中央道でなくちやいかぬ。過日予算委員会でも私は申したのですが、中央道というのは東海道に対するいわゆる中仙道であるから、中央道という意味ではないということです。中央道というのは東北、北海道あるいは中国、九州、それらの自動車道に対していわゆるまん中である、背骨である、だから中央道だということです。だからこの中央道というのは裏日本からも表日本からも自動車が入って、そうして北海道なり、九州なり、東北なり、中国へ行く中央道でなくちやならぬ、そのためにはそんな東海道の沿岸に作つたり、東海道だったら裏日本の開発は全然できぬじゃないか、そういうような夢のようなことを言われておりましたが、相当後年度を考えて、ちようど国鉄が今度新しい広軌の複線を作らなければならぬ、そういう轍を踏まないように相当大きな観点から、われわれは中央道建設しなければならない、こういう考えに立っているわけです。  それから東海道は、自動車道なんか作つたつて実際喜ばぬと思うのです。というのは、今度作ろうとする自動車道は有料ということになっているのですが、これは自由に出入できませんから、インターチェンジから入って料金を払つて何十キロと行かぬことには出られないわけです。ところが東海道は都市が隣接をしておりますから、東京—名古屋—大阪というような長距離を走る自動車には、自動車道というものは非常に効果があるのだが、隣の町へ行こうという自動車には、そんな入口から入って料金を払つて出口から出て迂回するというようなばかなことはやらぬのですよ。だから東海道の自動車の交通緩和として作るなら、これは現在の国道一本で間に合わなければ二本で、あるいは現在の国道を拡大ができればまた拡大をする、そういう混淆交通でなければ、これは東海道自動車道としては意味がない。五年来われわれはこんな論議をしてきたわけですが、東海道に対する中仙道であるから中央道ではないのです。だから國友さんも考えてもらわなければいかぬことは、そんな中央道にも自動車道作つて東海道にも千五百億も二千億もする自動車道を二本作る、そのための二百万円の経済調査であるなんということは、少くともこの問題を論議した人たちに笑われますよ。それはできつこないですから、一本ですよ。だから、運輸省が軽々しくこういう字句を使つておるから、また運輸省東海道自動車道を作ろうとしておる、これは国土開発縦貫自動車道をすみやかに調査をして、予定路線の法律を出して建設をしなければならないというわれわれ国会議員の意思を、運輸省は無視しているのじゃないか、こういうふうにとられてしまうのです。どうですか。
  31. 永野護

    永野国務大臣 これは国策の基本に触れる問題だから、私からお答えいたしますが、今考えておりまする東海道新線というものは、実は国家永遠の施設として考えておりますので、ここ五年や十年のことを考えて調査しておるのでありませんから、今のところは楯委員のお説をそのまま百パーセントあれして、自動車道中央線がいいのだといたしましても、日本将来の百年の計といたしますると、決してできないと仰せられますが、経済の伸びを考えますと、さらに東海道にも自動車線をつけなければならない時期が絶無という断定はできぬと思うのであります。しかし繰り返して申しておきますが、運輸省は決して国会の総意を無視して中央線をネグレクトしておるから、そういう文句を使つたというのではございません。ただこの予算を作りますときは、この中央線問題が今日のごとく非常に深刻になることを予想いたしませんので、こういう実質の問題でなくて名称の問題が、楯委員初め皆様方にそのくらい神経にさわるほど深刻な問題となっておるということを実は予想しないままに作つた予算書であります。従いまして内容中央線とか東海道線とかいうことにこだわりませんで、調査だけはまあ両方しておこう、こういう意味でありますので、その点は十分御了承願いたいのでありますけれども、今後この中央線の問題が今日のごとく非常に微妙に深刻になっておるという状態をよく頭に置きまして、字句の使い方を注意いたします。今まで使いました字句が、そういうような実質的にはあなたのおっしゃる通りのことをやつておりながら、字句の使い方が悪かったために、何だか運輸省は国会の総意を無視しておるのではないかというような誤解を招きましたことはまことに遺憾だと存じますから、将来は気をつけます。
  32. 楯兼次郎

    楯分科員 そうあやまつていただかなくてもいいのですが、どうも担当者から答弁を聞いておりますと、過日、交通閣僚会議というのがあるそうですが、その会議を開いて、東海道の広軌複線に養成をしてもらいたい、ところが自動車道建設について東海道中央道かという論議がなされた、そこで運輸省も、広軌複線の建設に賛成をしてもらえば、われわれも東海道自動車道に賛成をしよう、こういう取引といいますか、話し合いがなされた、こういうことを聞いておるのですが、どうもあなた方の答弁を聞いておると、否定をしておりましたが、私はこれがほんとうのような気がしてきたのです。どうですか、そういうことがあったのですか。
  33. 永野護

    永野国務大臣 絶対ございません。決して取引をしておりません。自動車の問題は自動車の問題として切り離して考えておりますので、自動車の路線のきめ方を鉄道の新線敷設の取引には決していたしておりません。これは御承知の通り別に記録があるわけでもございませんが、従って、ないということを証明することはなかなかむずかしいのでありますけれども、これは信用していただきたいのであります。絶対にございません。
  34. 楯兼次郎

    楯分科員 今後ははっきりと中央道という字句を使つたらどうですか。国会の、まあ総員が賛成をして通した、一部官庁でこれに反対があつて、できるだけ東海道の方に持っていこう、率直に言ってそういう空気があることは事実です。しかしわれわれは国会議員として全員が賛成して法律が通過をして、しかもすみやかに調査をして建設をせよと、国土開発縦貫自動車道建設法の第三条にはっきりとうたつてあるわけです。それを推進しないということはけしからぬ、こう思うわけですが、だから運輸省もこういう字句を使われるときには、国土開発縦貫自動車道というような長い字句を使いたくなければ、中央道という字句をはっきり使つておいても、私は何も気がねも遠慮も要らぬと思うのです。そういう字句を使つていただかぬから、より以上に紛議が起つてくる、こう思うのですが、将来こういうことのないようにしていただきたいと思いますが、どうですか。
  35. 永野護

    永野国務大臣 了承いたしました。それは先ほど局長からも申しましたように、実際は中央道調査もしておるのであります。ただ文句の中に、局長の申しましたように運輸省ではもっと総括的の意味で、中央道も当然含む広い言葉を使つておるのでありますから、特に書かなくともそれも含んでおるのだと了承したのでありますけれども、そういう誤解が起るようなことは現実なんでありますから、その点は将来は十分注意いたします。
  36. 國友弘康

    國友政府委員 楯先生のお考えはよく伺いましたのですが、実は運輸省調査先ほどから申し上げておりますような経済調査でございまして、建設に関しまする調査建設省でいたしております。私どもといたしましては現在の輸送の流動状況調査あるいは現在の交通機関から転換いたしまする転換交通量調査及び開発効果の調査というような経済調査をいたしておりまして、この経済調査をいたしますためには、東京—名古屋間、あるいは東京—神戸間の全体にわたりまして調査をしなければなりませんので、実はこういう文句を使つておるのでありますが、先生もおっしゃっていましたように予定線に関する法律も早急に提案の運びにいたさなければなりませんし、これにつきましては建設省と十分に打ち合せまして促進をしたいと考えておる次第でございます。
  37. 楯兼次郎

    楯分科員 それでは次にお聞きしたいと思いますが、きのうも自民党の委員の方から御質問があったのですが、国鉄自動車と民間自動車との振り合いといいますか、考え方ですが、これの基本方針を一ぺんお聞かせ願いたいと思います。どうも民間と国鉄は各所において紛糾しておる。私どもがずっと全国を回りますと、どうしても国鉄自動車を通してもらいたいという声がもう圧倒的なんです。しかし業者の擁護の立場からそれもならぬというのが、運輸省の御意向のように受け取つておるのですが、これは何らか基本方針を確立をされてやつていかぬと、常に紛糾に紛糾を軍ねると思うのですが、考え方一つお伺いしたいと思います。
  38. 國友弘康

    國友政府委員 日本国有鉄道のバス事業につきましては、日本国有鉄道法の第三条に規定いたしております鉄道事業に関連する自動車運送事業を遂行することはできることになっておりまして、鉄道事業に関連する自動車運送事業ということになっております。これを具体的に申しますと、国鉄線の先行、代行、短絡または培養線ということになるわけでございますが、これらに関しまして近来いろいろと申請が多くなりまして、民間企業と競合するような場合も出て参っておるのでございますが、これらに関しまして、その関係が複雑になって参りましたので、昭和二十九年に四月二十六日付でございますが、運輸省自動車局長鉄道監督局長との連名で、国鉄の自動車局長あて及び運輸省自動車局長から日本乗合自動車協会長あてに、「国鉄ハスと民営バスの調整について」という題名で勧告をいたしたのでございますが、その基本理念といたしますところは、両者、すなわち国鉄バスと民営バスの相互関連する地域につきまして、一つは原則として相手の立場を尊重し、融和協調の精神にのつとり、相互に侵さないことというのが第一点でございます。それから第二点といたしまして、利用者の利便を確保増進するため必要である場合は、あらかじめ相互に連絡、打ち合せを行い、公共事業立場から自主的調整に努めることという勧告をいたしたのでございます。その後また事情を見ておりますと、この勧告の趣旨に沿って、両者の事前打ち合せをいたしておったのでございますが、事前の連絡、打ち合せに不十分なような点もありましたので、また一昨年この通牒、この勧告の励行方について指導いたしておりまして最近の実情を見ますと、逐次その効果を上げてきておるのでございますが、日本国有鉄道の申請と民営のバスとの申請が、競合あるいは競願になりました際には、今申しましたような相互の立場を尊重する、及び自主的調整に努めるということで進めておりまして、実際に免許基準の適用の場合には、たとえば競願になりました場合には、両者をよく見るのでございますが、道路運送法の免許基準の適用から申しますと、日本国有鉄道のバスには免許基準の適用はございませんで、民間のバスには免許基準の適用をいたしまして、運輸審議会に諮問をして審査をするわけでございますが、日本国有鉄道につきましては、総体的に考えて鉄道事業に関連する自動車運送事業としてふさわしいものかどうかということをよく見まして、決定をいたしておる次第でございます。
  39. 楯兼次郎

    楯分科員 これは非常にむずかしい問題で、その個所々々によって解決していく以外に手はないと思うのですが、とにかく百パーセント国鉄自動車を通してもらいたいというのが、簡潔に言うと国民の声だと思うのです。一体どうして世論がそれだけ国鉄の方に片寄るかということも十分研究をして、民間業者に注意というか、警告、指導をする要があると思うのです。特に私が割り切れないと思いますのは、団貸しの問題です。団体輸送はこれは季節的なものです。ところが今自動車局長のおつしやいましたようなむずかしい取りきめがあつて、民間は許可するのだけれども、国鉄の方は許可しないという個所が多いわけです。ところが四月ごろになると、団体輸送がぐつと出てくるわけです。ところが民間にどれだけ車があつても足らないわけですね。三月、四月になると、あるいは秋もそうかもしれませんが、季節的に需要がうんと増大してくるわけです。だから民間がいくら総動員して輸送をしてもなお輸送し切れない。そういうときに国鉄のバスが遊んでおりながら、需要があるにもかかわらず輸送することができぬ。私はこの点が非常に不合理だと思うのです。そこで国鉄も、これは年じゆうあるわけではない。民間の車が全部出てしまつて足らないときに国鉄がやるという形でもいいのですが、とにかく季節的なものだから、両者が総動員しても季節的には車が足らぬのだから許可してもいいじゃないか、こういうふうに考えるのですが、さて話を聞いてみると、何キロの地域はできないとか、むずかしい取りきめがあつて許可にならぬわけです。団貸しくらいは両方とも許可をし崖 ていった方がいいと思うのですが、どうですか。
  40. 國友弘康

    國友政府委員 団体貸し切りの自動車につきましては、国鉄のバス事業につきましては先ほど申し上げましたような日本国有鉄道法第三条の上から申しまする鉄道事業に関連する自動車運送事業というような能力的な限定もございますし、日本全国に国鉄が団体貸し切りを全部民間事業者と同じようにやるということについては、問題があると思うのでございますが、他のバス会社の団体貸し切りがないというようなところにおきましては、仰せのごとくに貸し切りの事業許可をしております。それからさらに今仰せになりましたような非常に繁忙期に他のバス会社のバスがございませんような場合、そして国有鉄道のバスが余裕のあります場合には、臨時に団体貸し切りの承認をいたしております。(「うそだ、うそだ」と呼ぶ者あり)これは全国的に制度的にそういう形にいたしておるのでございます。
  41. 楯兼次郎

    楯分科員 局長、こういうことになっている。民間が足らないときに国鉄を使用する、こういう形は、たとえば団体貸し切りなんというのは十日も十五日も一月も前に申し込むわけです。その場合に申し込まれた方の業者は断わらないのです。申し込みのあるときは全部引き受けてしまうわけです。ところが当日あるいは前日になってちょっと都合が悪いから輸送できません。時間の節約上簡単に言いますが、おそらく全国全部こういうふうだと思うのです。だから乗れなかった人たちは、国鉄に余つているから——つていると言ってはなんですが、国鉄に車があるからそれを貸してくれ。ところが私の方はできませんという。だから今局長が言うように申し込みを受けたが、自分のところの車では足りない、そういうときには国鉄の方にいって下さい、こうは言わぬのですよ。言えばけつこうですが、そんなことを言うのはおそらく全国一カ所もない。全部引き受けておる。ところが当日になって車の操配がつかないと、ちょっと工合が悪いからお断わりいたします。一月も前から桜見あるいはハマグリ取りに、特に子供あたりは一月も前から楽しみにしておったのを、ぴしやつとそこで断わつてしまう。この非難が、今井手さんも怒つてつたのですが、きわめて強い。あなたが考えてもそういう場合が考えられないですか。団貸しは何も民営の企業を国鉄が侵食はしない。これは両方が総動員しても足らないのですから、団体貸し切りについては国鉄も民間も同じように許可をしていくのが常識じゃないか、こう思うのですが、そういう考え方になりませんか。
  42. 國友弘康

    國友政府委員 お答え申し上げますが、国鉄の団体貸し切り等につきましては、実は本省の方にそういう今申し上げましたような臨時の承認の場合が全部出てきております。それは実は相当の数で上ってきておるのでございますが、実際に民間企業者が断わるとかいうようなことが実情としてございましたら、私の方でよく調査し、指導し、善処したいと思います。
  43. 楯兼次郎

    楯分科員 あなたは最近ですが、局長は数年来そういうことを言われております。そんなことは、ここであなた考えたつて、常識として考えられますか。まず一カ月も十日も前から申し込みがあるのです。そのときに、みんな引き受けてしまうのです。一ヵ月後を想定してだめですねと断わるようなことはないのですよ。よろしゅうございます、よろしゅうございますと言って全部引き受けてしまう。そして二、三日前になって、とにかく操配がつきませんからごしんぼう願いたい、あるいはその日を繰り延べて次の日、あるいは日にちを変更してもらえませんか、こういうのは、今あなたそこで考えたつて想定できませんか。これは私が業者であったつて、それは当然ですよ。全部引き受けておいて、当日は操配ができぬ、もう少し延ばしていただけませんか、延ばせなければだめです、これは当然ですよ。ところが片方には国鉄のバスが遊んでおる。これはもう全国同じだろうと思うのです。団体貸し切りだけは、両方を総動員したつて、ある個所によっては足らぬのです。だからその許可をしても私はいいと思うのです。そういう状態にあるのだが、なぜ許可できぬのですか。許可したつていいじゃないですか。
  44. 國友弘康

    國友政府委員 実情から申しますと、私が先ほど申し上げたと思いますが、ただバス事業者がそういうことで引き受けておいて、都合が悪いからとか車両がないからお断わりするというようなことは、これは不都合なことなんでございますから、これについては強く取り締りたいと思います。
  45. 楯兼次郎

    楯分科員 これは取り締るとかなんとかいうことではないのですよ。それは国鉄と民間を総動員しても足らなければ、私はやむを得ぬと思うのです。だから、取り締るとかそういうことでなくて、片方にあるのだから、同じように許可していけばいいと思うのです。それは業者は反対をされるかもしれません。しかし現実としては、もうシーズンにはざあつと出るのですからね。これは両方を総動員しても足らない場合が多いわけです。なぜ國友さん、許可できぬのですか。許可したつて、いいじゃないですか。このくらいの小者の抵抗は自動車局としては排すべきですよ。どうですか。
  46. 國友弘康

    國友政府委員 団体貸し切りの許可につきましては、十分実情を審査いたまして、許可すべきところは許可したいと思いますが、今申しました臨時の承認等におきましては、最近の実情もまた十分よく調べまして検討を加えたいと考えております。
  47. 楯兼次郎

    楯分科員 いや、國友さん、それは調査をして取り締るとか検討を加えるという問題ではないのですよ。とにかシーズンになつたら、特に鉄道のないようなところは五倍も六倍も、時によっては十倍も人が出るのです。総動員したつて足らないのです。しかも私が団体貸し切りはそういう場合には国鉄を優先にやれと言うなら、それはあなたの方として困るとおつしやらなくちやならぬと思うのですが、そうじゃない。両方とも許下しておいたつて、大ていの個所が総動員しても足らないか、一ぱい一ぱいなんです。何も既存の業者の常業を国鉄が侵食するなんということはないのです。ただ影におびえるといいますか、そういう点はあるだろうと思うのですが、実情はそうです。だから私の知っておる地域でも、たとえばひどいところは、これは最近でなく二、三年前ですが、その日に修学旅行に行くという約束をしておつて、そうして断わられたので修学旅行に行けなかったという場合があるのです。あなたは話を聞いておられるかどうか知りませんけれども、そういう事態が現実に起きておるのです。はなはだしいときになると、これは昨年あったのですが、行くその日にだめだと言う、そういう事態があるのです。だからあるいは少し抵抗があつても、国鉄自動車も団貸しを許可すべきだと思うのです。どうですか、自動車局長のその答弁では、これは数年前から同じ答弁ばかり聞いておるのです。思い切つて一つ許可される気になりませんか。
  48. 國友弘康

    國友政府委員 前から同じ答弁かもしらぬと存じますのですが、これは実際多客の時期になりますと、私どもとしましては、たとえば団体貸し切りの臨時の場合等におきましては、一般路線からのものをはずして持ってくるようなこともさせたくないと思っておりますし、そういう予定を組んでやりますようなことはぜひ指導してやらせたいと思っておりますので、実はこれはもう少し実情を調べてみたい、これはほんとうに地方の陸運局にもよく調べさせ、今のような御趣旨の点については実際に明らかにしまして、そういう実情を調べました上で、その実情に適した処理をいたしたい、こう考えております。
  49. 楯兼次郎

    楯分科員 國友さん、実情を調べるとかなんとかおつしやいますが、そんなことは調べられなくたつてわかつておるのですよ。日常運行する車両の倍も三倍も余裕車両を持っておるような会社はないのです。ほとんど日常の運行に支障のない程度か、余裕があるのは少しで、予備車くらいのものですよ。だからあなたの考え方でいくと、業者はそのシーズンの需要に応じられるだけの車両を相当保有しておるような考え方に立って答弁をされておるのですが、そうではないのです。これは国鉄でもそうだろうと思うのです。それは日常の運行に支障のない程度、あるいは故障の起きた場合の予備車の程度なんです。まあそれ以上団貸し専用の車はあるかもしれませんけれども、そう余裕車というものはないのです。ところが春秋のシーズンになると、だあつと出てくるわけですね。もう五倍も六倍も出てくるわけです。そんなものをまかない切れるはずがない。今実情を調査するとかなんとかおつしやいますが、そんなことをしなくたつてわかつておることです。だから両方許可されたつていいじゃないですか。何であなた、そう実情調査とか、厳に取締りだとか、その許可に固執されるのですか、どうも私はわからぬですが……。
  50. 國友弘康

    國友政府委員 今まで申し上げておりますのは、実は現に相当数の臨時承認等の実績先ほど申し上げましたようにあるのでありますが、さらに今後、国鉄の申請等もございますし、実情に即して処理いたしたいと思います。
  51. 楯兼次郎

    楯分科員 これはいつまでやつてもだめですが、実情に即せなくても許可して下さい。これは両方ともどういう支障がありますか、ないじゃないですか。二倍も三倍も、その時期になると要るのですから、両方が総動員してもなおかつ足らないというのが現状なんです。なぜ実情調査だとか——國友さん、実情調査しなくても十何年自動車専門でやつておられるのでしよう。そんなものは十分承知しておつて、なおかつ固執をされるという、その裏は何であるかという疑いを持たざるを得ないですよ、こっちは。許可しなさいよ。
  52. 國友弘康

    國友政府委員 裏はございません。裏はございませんが、実は多客期のみを目標にして、たとえば観光バスの設定をいたしますと、閑散期においてはその車両が遊んでしまうことにもなりますので、それらの点につきましてはある一定の、平均レベルのところを考えて、その前後でどの程度の車両がいいかということも考えなければいけません。そういうことが実情であろうと思うのですが、そういう実情に即して処理いたしたいと思います。
  53. 楯兼次郎

    楯分科員 この問題はやめておきます。  次に国鉄新線建設の現状と見通しをちょっとお伺いしたい。     〔田村主査代理退席、主査着席〕
  54. 山内公猷

    ○山内(公)政府委員 新線建設につきましては、現在二十六線建設線の工事を進めておるわけでございます。そのうち本年度開通し得ると思われますのは紀勢線でございまして、大体本年の七月全通の見込みで現在工事をやつております。そのほかの線につきましては、一部営業開始の見込みのあるところもございますが、まだ予算が十分きまつておりませんので、はっきりいたしておりません。大体におきまして現在の建設線は継続工事で三十四年度もやるということになると思います。調査線につきましては、御承知のように十六線ございまして、これにつきましては現在調査中でございます。個々の線につきましては、非常に多いものでございますので、省略をさしていただきたいと思います。
  55. 楯兼次郎

    楯分科員 本年度の新線建設費を見ると、昨年より五億円増加になって九十五億円になっておるわけです。私は東海道の広軌複線建設とからんで、あなた方が五億円増加をしたという意図は何かあるような気がするのです。といいますのは、東海道の広軌複線は工事費が大体二千億円かかるわけですが、あの東海道運輸省建設されるということに決定をしたときに、地方の人たちはどういうことを考えたかというと、今建設をしておるもの、あるいは調査線あるいは予定線いろいろあるのですが、将来は東海道にあの建設費をみんな持っていかれてしまう、これが地方における、議員はもちろんですが、地方民の一番心配の種です。そういうことはないぞよというので、五億円新線建設費をプラスして東海道でやるのだ、そういう意図じゃないかと思うのですが、どうですか、ところが来年からはわからぬぞと……。
  56. 山内公猷

    ○山内(公)政府委員 そういう意図は全然ないわけでございまして、この予算の性質は、われわれの気持としては予算の要求に現われておるわけでございますが、新線建設につきましては国鉄では百七十億要求いたしたわけでございますが、九十五億にとどまつたわけでございます。それから東海道線につきましては百億要求が三十億になつたわけでございまして、将来この新線建設の費用をさいてこちらへ持ってくるということのないのは、東海道新線につきましては、これはいろいろ議論もされておりますが、改良工事といたしまして、東海道線の線路増設費として別ワクで要求いたしておりますので、ただいま御心配になられたようなことは、将来ともないとわれわれ確信しております。
  57. 楯兼次郎

    楯分科員 なぜ私がこういうことを言うかといいますと、最近の国鉄は、幹線へは非常に投資するといって、幹線の改良、拡張、近代化ということは目の色を変えてやつておるわけです。従ってローカル線の近代化というか、改良はあまりやられない。だから国鉄の公共性が非常に薄れてきておる。そういう観点からいって、本年五億円ふえたことはいいですが、将来はこちらを削つて東海道の方へ持っていってしまうのではないか。だから、最近はローカル線等の近代化、改良が非常におくれて、公共性が薄れてきたと思うのですが、どうですか。
  58. 山内公猷

    ○山内(公)政府委員 国鉄はいわゆる幹線重点主義をとつて、ローカル線は見向きもしないということではないわけでございまして、国鉄の性格上、日本全国の交通網を整備し、かつまたこれをよくしなければならない使命があるわけでございます。本年度においても、いわゆる電車化あるいはディーゼル化ということに相当の費用をさいてやつておるわけでございまして、特にディーゼル動車化の要求は、地方の交通の利便化、サービス向上という上においては非常に好評を博し、また輸送実態にも即しておりますので、それらの面につきましても相当予算を計上しておるわけでございます。
  59. 楯兼次郎

    楯分科員 時間がないようでありますから簡潔に質問していきたいと思いますが、この新線建設中のものは別として、調査線あるいは予定線というようなものは、将来、今やつておる白棚線のように自動車専用道路としてやつていった方が、国鉄の経営としてはいいように思うのですが、どうですか。
  60. 山内公猷

    ○山内(公)政府委員 現在建設中のものは、もちろん鉄道として建設することになるのでありますが、調査線も建設審議会の議を経て将来また建設することになっておるわけでございます。ただ一般理論としては、特に敷設法に載つておる線は非常に古い線がございまして、かつまた数も非常に多いので、あるいは交通経済的にそういう専用自動車線に切りかえたらいいということも考えられる線があるかもしれないわけでございますが、これらについては敷設法との関係もあり、もしも適切なものがあるとすれば、建設審議会の議を経て決定されなければならないので、私どもとしてもそういう点については実際問題としては検討いたしておるわけでございます。
  61. 楯兼次郎

    楯分科員 これはその地区によりますが、いわゆる赤字の新線建設をばかの一つ覚えのようにやられるか。これは資源開発等が主となって、相当貨物の出てくるところは別ですが、旅客を主とするような地区においては、工事費も安いし、それから営業成績もわれわれの想定では非常によくなると思うのです。ですから思い切つて専用自動車道という方向に切りかえていかれる方が私はいいと思う。特に国鉄が建設するのですから、その専用自動車道の区域の常業は国鉄がやるとして、通過自動車——乗用車、トラックあるいはバスでもいいですが、その区間を通過する自動車については料金を取つて、今日本道路公団がやつておるように有料道路といいますか、そういう形で営業はやらない、通過するだけは料金を取つて通過させる、こういう形にしていけば、一石二鳥のように思うのですが、こういう点はどうでしょうか。
  62. 山内公猷

    ○山内(公)政府委員 お話は一般自動道を建設して、鉄道線路をそれにかえた方がよろしいのではないかという御意見であろうと思います。ただわれわれとしましても、そういう日本の経済、特に交通投資を有効にするという上から見まして、いろいろそういう点では検討されなければならないこともありますが、現行法上どうなるかという問題もございまして、そういう点につきましては、将来の大きな交通政策的な問題といたしまして検討いたしておるわけでございます。
  63. 楯兼次郎

    楯分科員 おそらく日本道路公団と建設省との関係法律改正をしなければできぬと思うのですが、私は国鉄の経営の面から見ても旅客を主とする場合には、自動車道の方がよろしい。しかも建設をして、ただ国鉄だけが営業しておるということでは、これはもつたいないですから、通過車両については料金を取つてやる。この場合建設省との関係があるのですから、こういうことは相談をされて、そういうことのできるように将来やつていった方がよいと思うのですが、そういう考えは全然ないのですか。
  64. 永野護

    永野国務大臣 これは運輸大臣として申し上げるのではないのですが、私は民間人として今楯委員が仰せられたと同じようなことを発表したこともあるのであります。これは時代の趨勢だと思っております。ただし先ほどから局長がいろいろ申しますように、これにはいろいろな立法措置が要りますのと、それと各種の委員会なんかもございまするので、私が民間人として主張しておりましたことがどの程度国策として取り入れられるかということは、ここでお引き受けできませんけれども、しかし少くも私は楯委員と同じような意見を民間人として持ち、同時にそれを主張したこともありますから、できるだけその御趣意に沿うように努力していきたいと考えております。
  65. 楯兼次郎

    楯分科員 これはあとでほかの委員がまた御質問になると思いますので次に進みたいと思いますが、国鉄のこの予算総括表をきのうちょっと見たのですが、貨物の収入は本年度は対前年度比六四%減ということになっておるのですが、これは印刷の間違いじゃないですか。
  66. 山内公猷

    ○山内(公)政府委員 対前年度といいますのは、予算の対前年度でございまして、実績ではございません。三十四年度は実績の対前年度ではなくて、三十三年度の予算に出しました対前年度の数量に対して四%減ということでございます。
  67. 楯兼次郎

    楯分科員 私の不思議に思いますのは、なぜ本年度は貨物の収入実績が前年度より下回るように予算を組まなければならないかということです。
  68. 山内公猷

    ○山内(公)政府委員 それは今御説明いたしましたように、三十三年度は予界に見積りましたより貨物の出荷が非常ににぶいのでございます。それで予算に対しましては、本年度は実は貨物面におきまして、相当な赤字を出すわけでございますが、そこにありますのは、そのもとの三十三年度の予算で見込みました大体の予定数量に対しましては減ということでございます。もちろん本年度の実績よりは多く見積つておるわけでございます。
  69. 楯兼次郎

    楯分科員 そうしますと、旅客の輸送と比較をしておかしいというのです。だから本年度の貨物輸送実績が、予算編成時と比べて非常に悪い、こういうことは私もわかるのですが、あまりにもこれは減少の比率が多過ぎる、こう思うのです。貨物だけは非常に悪くして、旅客だけは少し増になっておるのですが、この均衡がわれわれには納得できない。なぜかといいますと、時間がないから簡単に申し上げたいと思いますが、そうしますと経済企画庁から出された三十四年度の経済計画の大綱というのは、経済の成長率は五・五%だ、こう言って大みえを切つて宣伝をしておる。それに基いて国内の貨物輸送の想定を見ますと、前年度より九%以上ふえておるわけです。国鉄はおそらく約五割、四割何分になると思うのですが、ほとんど国内貨物輸送の半分を負担しながら、経済企画庁は前年度より国内貨物輸送は九%ふえる、こういうことを言っておりながら、国鉄はなるほど本年度の実績予算編成当時より悪かったにしろ、六・四%減、差引一五%の減少である。だから経済企画庁がうそを言っておるのか、あなた方が間違えておるのか、どつちかだと思うのですが、どうですか。
  70. 久保亀夫

    ○久保説明員 お答えいたします。先ほど申されたことく六・四%の減と申しますのは、三十三年度の予算面から見まして、三十四年度の収入が約百億、六・四%落ちるということでございます。それで三十三年度の実績見込み、大体実績に近くなっておりますが、これが貨物で約百九十億余り減少ということになっております。パーセンテージで申しますと一割をはるかにこえるという数字になっております。これはただいまお示しの経済企画庁の国内貨物輸送の見通しの表でも、三十三年度実績見込みはただいま申し上げたように、三十二年度より六%も減るような数字が出ております。それで今度は三十三年度のただいま申し上げました百九十億減の実績もとにいたしまして、それにはただいまの経済企画庁の貨物輸送の来年度の見通しによりますと、国内貨物輸送全体では九・一%、そのうち国鉄の分担する分野でこれだけふえるかと申しますと、七%ふえるということになりまして、その七%を三十三年度の実績見込みに乗じましたのが三十四年度の予算ということになっておりまして、それから繰り返して申しますが、三十三年度の決算見込みからは七%の増ということになっておるわけでございます。
  71. 楯兼次郎

    楯分科員 そうしますとこの経済企画庁の出した三十三年度の実績と、三十四年度の国鉄の見通しとは数字的には一致しておるわけですか。
  72. 久保亀夫

    ○久保説明員 さようでございます。
  73. 楯兼次郎

    楯分科員 それでは次にお伺いしたいと思いますが、国鉄の人件費のうち、期末手当、奨励手当が二・六五ヵ月ということがうたつてありますが、この比率は公務員と同じですか。
  74. 久保亀夫

    ○久保説明員 二・六五ヵ月分と申しますのは、公務員は二・八ヵ月分と承知いたしております。差額は〇・一五ヵ月分でございます。
  75. 楯兼次郎

    楯分科員 私は七年前から国会に来ておりますが、なぜ公務員と一緒の期末手当、奨励手当が盛れないのですか。現実には同額くらいな支給をされておるというふうに私は記憶しております。それで〇・一五分だけ国鉄労働組合にあなた方が闘争をやらしておるようなものじゃないですか。どうせ大体支給は同じだ。しかし同じでは国鉄労組は闘争をやらぬので、〇・一五分だけ闘争をやれ、それだけ上げてやる。上げてやつてもちようど公務員と同じです。支給の実績というものは私は公務員と同額に渡つておると思う。それから当然同一であるというふうに考えたつていいじゃないですか。私は、公務員の方に聞かれるとしかられるかもしれませんが、仕事の実態からいって、むしろより以上のものを与えてもいいというように考えておる。ところが毎年われわれがやかましいことを言っても、少くとも同額くらいに予算を編成してくれればいいのですが、少いというのは、政府が国鉄労組に闘争を強要しておるのじゃないですか。
  76. 小倉俊夫

    ○小倉説明員 国鉄は公共企業体でありますので、業績手当という制度を設けております。これは予算総則にもございますように、予定よりも収入がふえ、あるいは経費が余つた場合には、それに応じて業績手当を支給するということになっております。その点が公務員と違つております。従いまして公務員の方は二・八を計上いたし、国鉄として二・六五を計上しておる。〇・一五だけは少いように表面的に見えるかもしれませんが、実際は業績手当で、業績がいい場合には二・八をこえても支給ができる。それで業績が伸びませんでしたら二・六五にとどまるかもしれませんが、成績がいい場合には、公務員が二・八でありましても、二・九あるいは二・九五というふうにふやし得るのでありまして、そういう弾力性で、上と下との限界があるわけで、予算としては下の限界を出しておけいに支給できるように努力していきたいと始終考えておる次第であります。
  77. 楯兼次郎

    楯分科員 そうすると、少くとも業績手当というのは〇・一五を下らない、そういうふうに私どもは受け取れるし、それからその業績のいいときには業績手当を出すのだからいいとおっしゃるのですが、すでに貨物は従業員が悪いのじゃないと思うのです。あなた方が貨物収入を二百億も水増ししておいて、これは従業員の罪じゃないと思う。それで実績は二百億も悪い。業績が悪いからやれない、こういうことになるのじゃないですか。
  78. 小倉俊夫

    ○小倉説明員 この期末手当のきめ方は、いろいろむずかしいとかねがね感じておるのでございますが、実際公共企業体として二・六五予算に計上しておりますから、いかに悪くても二・六五は保障されておる、こういう非常な強味がございます。さらに業績さえよければ、二・八以上にも上り得る、こういうような弾力を持っておりまして、今までの考え方では、公共企業体というのは公務員と違うのであるから、やはり業績に給与というものが反映していく方がいいのだ、こういう基本観念に立っておつたのでございますが、もしかりに二・八ということで公務員と同じにきめますと、もうこれは弾力がありませんで、その業績が悪くても二・八は出すのだ、そのかわりに業績が幾らよくても二・八以上は出さぬ、こういうようなくぎづけになります。しかしこれはどちらがいいかということにつきましては、甲論乙駁でございまするが、二・八でくぎつけにした方がいいのではないかという説もなきにしもあらずと聞いておりますので、この点はさらに研究してみたいと思います。
  79. 楯兼次郎

    楯分科員 私は何も二・八にしてもらつたらくぎづけにしてもいいということを言っておるのではないのです。二・八と公務員と同じにして業績いかんによってやつておるのですから、実績が上るということは、別に定員によって縛られておるのですから、そんなに苦労しておるのですから、業績が上つたら業績手当として何がしかを支給する。しかし最低は二・八、公務員と同じだけは支給をする。そういう考え方であつてこそ公共企業体たるゆえんだ、いわゆる公務員と違うゆえんだ、こういうように考えるのです。ところがあなた方の方のお考えでは、少くしておいて業績が上つたら上げてやろう、公共企業体だから当然公務員とは違う。私は線の引き方が違うと思うのです。だから最悪の場合といいますか、普通の場合は公務員と同じでいいのじゃないか。業績が上るということは、それだけ従業員が労働過重をしておるのですから、上つた場合にはそれ以上のものを支給するということは常識だと思う。これも今ここでどうこう言って直るものではないから私はやめておきたいと思いますが、私はそのくらいのことまで考えてやつてもいいと思う。  それからちょっとこまかい問題ですが、受託工事請負費の四十億というのは何ですか。
  80. 久保亀夫

    ○久保説明員 これは部外の工事を受託いたしまして工事いたしまする経費、収入を通すわけでございますが、主たるものは電源開発の工事、只見川その他、これが大部分でございます。小さなものもございますが、大部分は電発工事が主たるものでございまして、その費用として電発会社から受け入れまして、それを経費として支出する。いわば通り抜けの経費でございます。
  81. 楯兼次郎

    楯分科員 そうするとたとえば電源開発で工事をやるという場合に、そこに鉄道専用線を入れる、簡単に言うとそういうような状態の場合ですか。
  82. 久保亀夫

    ○久保説明員 むしろ専用線と申しますよりも、電源開発そのものの工事でございまして、その中にもちろん鉄道の専用線、向うの鉄道の引込線を作る、そういった工事がかなり多いと思うのです。
  83. 楯兼次郎

    楯分科員 それで私は思い出したのですが、この受託工事請負というのは、この予算の費目のできたのは最近でしよう。
  84. 久保亀夫

    ○久保説明員 従来はただいま申されたことく、予算を通さないで、予算外の現金の収入支出として整理いたしておったのでありますが、関係官庁の御意見もありまして、昨年度から収入支出とも予算を通すということに改正をいたしたのでございます。
  85. 楯兼次郎

    楯分科員 それで私は思い出したのですが、過去においてはこういう場合には、たとえば専用線を国鉄が引けというわけで引かしておいて、国鉄から金が一銭もこなかったでしよう。たしかそうだと思う。だから国鉄は赤字だ赤字だといった原因の一つに、総理大臣が任命するかどうか知りませんが、ここに線路を引け、電源開発をやるのだ、ただしその金はやらぬ、国鉄が負担しておけ、過去においてはこういう実績があったのじゃないですか。
  86. 久保亀夫

    ○久保説明員 私どもの方は、たとえば只見川の例にいたしましても、私ども建設線というものははっきりいたしておりまして、それまでは建設線としてはっきりしておるのですが、ここからは会社だけの電発の資材だけを運ぶということで、電発の専用線となるというものにつきましては、扱い方こそ違いますが、会社の金で工事をする。処理方式が変つたことは先ほど申し上げた通りでございますが、先生の申されたような事実はございません。
  87. 楯兼次郎

    楯分科員 それではもう二点ばかり聞きたいと思いますが、鉄道債券のうちの縁故債、これは国鉄が初めて創造した名称か、何だか縁故債というのはおかしいようにとれるのですが、これは何ですか。
  88. 久保亀夫

    ○久保説明員 縁故債と申しますのは、これは俗称でございますが、非公募のものに受益者に引き受けていただくものを利用債、それからその他のものを縁故債と申しまして、これは御承知のように国鉄の場合、共済組合の資金で引き受けていただくということで、これも三十三年度から始めまして、三十四年度もお願いすることになっておりますが、これは鉄道だけでございませんで、以前に、私正確に覚えておりませんが、地方公共団体の起債等につきまして、地方公共団体の共済組合等が引き受けるという例は前からございまして、そういうものを縁故債と一般に称しておるわけでございます。
  89. 楯兼次郎

    楯分科員 私は共済組合の金は多数従業員の集積の金ですから、これはおそらく代表の方などもこの委員会に出て賛成されたのだろうと思いますが、むしろ鉄道の利用債を買うことにおいてこの収益が悪いのじゃないですか。利息が少くなって従業員が損するのじゃないですか。
  90. 久保亀夫

    ○久保説明員 縁故債の利率は今年度から始まつたのでありますが、七分四厘ということになっておりまして、これは性格上応募者の方にもまた発行する方にも全くコストはかかりません。それで共済組合の合計につきましては、長期会計、年金等の整理をいたしますと、長期会計につきましては予定利回りは五分五厘ということでありまして、七分四厘ということでこれは当然心配ない。それから一部貯金経理でいたしておりますのも利払いに必要なものはそれで十分確保できるということでございまして、反面共済組合の資金は国鉄から出ておりますものと、組合員の掛金と両方ありますが、相当程度利回りが確保されれば、これは国鉄五ヵ年計画達成の資金になるということは決して無意味ではないのじゃないかということで、これはもちろん共済組合運営審議会、すなわち組合の方々も参加しております審議会にもかけて、実行上決定して参るわけであります。
  91. 楯兼次郎

    楯分科員 それから最後に帝都高速度交通営団に毎年国鉄は投資しておるのですが、国鉄と帝都高速度交通営団との関係投資をしなければならないというような大きな関係はございますか。
  92. 山内公猷

    ○山内(公)政府委員 帝都高速度交通営団は、現在国鉄と都が投資をいたしております。国鉄及び都というものの性格は、国鉄は全国の鉄道をやつておりますけれども、現状におきましては東京都内の交通の主要な部分を担当いたしておるわけでございます。都電の方は今御質問ございませんが、関連をいたしますが、都内のいわゆる路面電車の運営をやつておるわけでございまして、これらが現在の東京都の交通を今やつておるものでございます。そうしますと国鉄というものは都市、特に東京都の交通におきましては非常に深い関係があるわけでございまして、それらの一つの網をなします地下鉄というものとは非常に密接な関係があるわけでございます。御承知のように帝都高速度交通営団は言葉の通り営団でありまして、私の会社ではございません。この出資者は、現在、先ほど申し上げましたように国鉄と都が、それらの中で非常に密接な関係があるということで、国鉄の出資と都の出資でやつておるわけであります。
  93. 楯兼次郎

    楯分科員 私はこの帝都高速度交通営団の増資五億円を見まして、大臣にお伺いしたいと思うのですが、数日来論議して参りました志免鉱業所ですね。志免鉱業所は、隣接の三菱炭鉱が大体三億円くらいあればあれを買えるということを聞いておるのですが、こういうことができるなら、なぜ三千数白人の人が騒いでおるあの志免鉱業所の隣接鉱区を国鉄が買収して、投資して、そうして今日あのような問題の起きないように国鉄が経営されていかないのか。できぬということならなんですが、現実に志免鉱業所の方が、私はこれより関係が深いと思うのです。なぜそれができないのか。
  94. 永野護

    永野国務大臣 二つの理由があると思います。一つ東京都民の足の問題は、地下鉄がなければほとんどさばきがつかぬような状態になっておると思います。一方石炭の問題は、かつて志免鉱業所の石炭がないと、鉄道の石炭の供給に非常に不便を感じたときには、志免鉱業所の存在の必要性が、ちようどこの東京都における地下鉄におけるがごとき重要性があったと思うのでありますけれども、今日では石炭が自由に得られるというような実情にありますので、その必要性がだいぶ違うというのと、もう一つは志免の方は非常に特殊のローカルの問題でありますので、国全体の交通の国策の基本となる国鉄の費用を他に使うなら、もっと国民全体に影響の多い方へ使うべきであるという趣意と、その二つの理由で地下鉄に出すくらいならば志免に出したらいいじゃないかという議論には、賛成いたしかねるのであります。
  95. 楯兼次郎

    楯分科員 私は地下鉄に出すくらいなら、この金を志免に出せということは言っておらないのです。やろうと思えば、たとえば東海道線建設費が一朝にして三十億ぱつと出てくるという予算の編成の仕方ですから、そのつもりになれば二億や三億の隣接鉱区の三菱炭鉱を買う金なんか出てくると思うのです。それはあなた方があくまでも離してしまおうと思っておるから、買収費というものが出てこないだけであつて、そのつもりになれば二、三億でありますから出てくると私は思う。もうこのことは運輸委員会あるいは過日の予算委員会等でも論議が繰り返されておるので、もう繰り返しませんけれども、国鉄に石炭が要らなければ別ですよ。志免がたといだれの手に入っても、あるいは営団組織になって作業が続けられていっても、とにかく国鉄は石炭を買わなければならぬのです。ただ採算が合わぬというので炭価がうんと上っても、どんな高い金でも、要るものであるから国鉄はどうしても買わなければならぬ。あえてそんな無理をして今日の紛争を起す必要はない。しかも将来性を考えたならば、隣接鉱区の三菱を国鉄が買わなければ将来性がないとおっしゃるなら、このように他の企業にも投資をされておるのだから、そのくらいの金は出てくるじゃないか、こう思ったわけです。
  96. 永野護

    永野国務大臣 志免の問題を話しますとまた少し長くなるものですからなんですが、これは私ども見解も、社会党の見解も、あれは総合開発をしなければいかぬということだけは、ほとんど議論に食い違いはないと思います。総合開発のきわめて一部分が三菱の鉱区を買うということでありまして、あれを基本的に本格的に、あの大きい——私は日本に残されたる一番いい未開発のあれだと思いますが、それの開発は単に三菱の鉱区を買うというだけではございませんので、よほど本格的な工事をしなければならぬ必要があると私は信じておるのであります。従ってその金は二億や三億という金でとうていできない。それには私自身の案があるのでありますけれども、これ話が少し横にそれますから、きよう割愛しておきますが、私はぜひ社会党に御協力を願いたい案を持っておるのであります。
  97. 楯兼次郎

    楯分科員 大臣はばかに含みのある答弁をされたので、私も大臣を信用してこれでやめておきます。
  98. 早稻田柳右エ門

    ○早稻田主査 午前中の審議はこの程度にとどめまして、午後は一時二十分より再開いたします。  暫時休憩いたします。     午後零時二十一分休憩      ————◇—————     午後一時四十三分開議
  99. 早稻田柳右エ門

    ○早稻田主査 休憩前に引き続き会議開きます。小松幹君。
  100. 小松幹

    ○小松(幹)分科員 大臣にお伺いします。第十四次計画造船の問題は済みましたが、今度初めて鉱石船の問題が出ております。第十五次はやはりやりますか。
  101. 永野護

    永野国務大臣 御承知の通り第十四次造船が非常に難航いたしまして、一時はほとんど金融業者との交渉が決裂状態になりましたので、何か新しい構想構を加えませんと十四次造船計画の遂行がむずかしいような状態になつたのであります。そのときにいわば窮策といたしまして、鉱石専用船の問題をあの計画の中に加えたのであります。今度はまだ銀行との交渉が具体化しておりませんから、その模様を申し上げる時期でございませんが、ごくノーマルな造船計画でも話が進むのではないかと思います。そうすればおそらく鉱石専用船の問題は、今度は頭を出さないで済むかもしれません。今のところまだ金融業者との交渉計画の見通しがつきませんから、出すとも出さぬともはっきりしたことは今申し上げかねます。
  102. 小松幹

    ○小松(幹)分科員 造船業界の方ではなかなか張り切つてもちろん運輸大臣も計画造船の六百万総トンについては非常な決意をもってやるという考え方を持っておるようでありますが、静かに造船業界あるいは運輸業界を見ると、一面では企業自体の弱体化——終戦後ゼロから出発したために、手持ちの金というのがただ借入金だけでまかなって、一時はああいう問題も起した今利子補給などもやらないということのために、計画造船を見合したらどうか、そういうような雰囲気もありますが、十五次造船を見通したときに今ははっきり言えない、こうおっしゃったが、一部では八幡製鉄等のメーカーが、今度はいわゆる輸送業者でなく、製造メーカー等が総合的な、さっき話が出たように鉄道デパート経営するという式に、メーカーが運輸も一貫作業としてやろうという空気も出ているが、それについていろいろな意見も出ている。大臣の所見はどうですか。
  103. 永野護

    永野国務大臣 日本基本国策として製品の輸出にたよらなければならぬ問題ですが、その輸出製品のコスト・ダウンの大きな問題としては、鉄鋼の価格を下げて——あらゆる産業の基礎的の物資でありますから、これがよく問題にはされておるのでありますが、その鉄鋼の価格をどうして下げるかということにつきましては、最も大きい原料の輸入に対するコストの切り下げということが、鉄鋼製品のコスト・ダウンの大きな要素になっておりますから、その輸送コストを切り下げる手段の一つといたしまして、各製鉄所が自家用の船をこしらえて、それで自分の使う原料を輸送するというような計画を立てますときには、おそらく運輸省としてはそれをチェックするのは適当でない。具体的の問題が起きましたときには、主としてこれは通産省の問題であります。従いまして通産省と運輸省との間の協議事項になる、こう考えております。
  104. 小松幹

    ○小松(幹)分科員 今の大臣意見を聞いてみますと、計画造船はあくまでも輸送の計画遂行であるために、鉱石船等はことし十四次には臨時にやむを得ず入れたが、十五次には入れない、同時にメーカーのそうした意味の造船計画もこのワクに入れない、そうして二十八万総トンですか、あくまで計画造船を遂行するという御決意を承わりますと、果してその決意通りが現状としていくのかどうか、このままで押し切つていかれるかどうかという疑問が残るわけです。その疑問を解決する策として、今は利子補給の問題等も出ておりますが、あとであげますがそのほかまだあるでしよう。一体今の大臣の、あくまでも計画造船をやっていくのだという御決意を裏づけるのには、計画造船を可能ならしめる一つ要素というものがなければならぬ。その要素というのは一体どういうように考えておられるか。
  105. 永野護

    永野国務大臣 先ほども申しましたように、金融業者との交渉がまだ全く海のものとも山のものともわからない状態のときでありますから、果して私が考えておりますようなトン数を実現し得るかどうかということにつきましては、お説の通り目算が立っておりません。ただ目下懸命にその金融方面の交渉を継続しておるとお答え申し上げる以外に方法がないのであります。しかし大体論といたしまして日本は船をふやさなければならない、これはもう確固不動の私の信念であります。そのためには単に金融業者との交渉ばかりでなくて、もっと基本的の問題を考えなければならぬ。フィリピンから十八ノットの船を作つてくれといってきたら、もう日本海運界がなすところを知らないような騒ぎをしなければならぬ、そういうような弱体なものであつてはいかぬ、こう考えております。従いまして、それに対しましてはまだ具体的に皆様に御相談する時期には達しておりませんけれども、最近に何らかの形で世間に現われるような事態が起るかと存じております。それに見合いまして今の造船計画もやつていかなければならぬと思います。
  106. 小松幹

    ○小松(幹)分科員 決意と熱意とその財政投融資の額が先に出て計画総トン数が出ますと、あくまでも口遂行しなければならぬが、現状としては困る、そこに穴ができてくるということは、造船業界というものがやはり安価な考えでこの計画造船に乗つかる。金融界は、やはりむずかしく言うて、市中銀行は引き受けに対しては遠慮をする向きも出てくる。よければ遠慮しないでしようが、今の状態ではやはり遠慮する向きが出てくる。そうすると必然的に、今年第十四次のように財政投融資の追加が大蔵省から出ましたが、そういうように最終的には国家財政なり財政投融資の方に乗つかつてくる、こういう結果が出てくる。さらに乗つかれば利子補給をしろ、こういうような格好に出てくる。これでは私は日本の造船界というものはいつまでたつても、自分の企業なり自分の業態なりのほんとうの意味の再建というものをはからないで、何か行き詰まつてくればどこかにきめ手がある。そのきめ手は利子補給であり、あるいは財政投融資のワクの拡大であるというような考え方に格好はなっておると思う。だからその思惑と、やろうと思うものの決意とのズレというものがある。これについて大臣はどういうように考えるか、この点をお答え願いたい。
  107. 永野護

    永野国務大臣 お説の通りでありまして、今の利子補給とか財政投融資というものは、病気でたとえれば応急手当のようなやり方であります。そういうことでなくて、日本海運はいかにあるべきかという問題を本質的に考えなければならぬところに追い詰められておる、私はこう了解しております。従いまして、先ほど申しましたようにきわめて最近に、海運造船合理化審議会なんかもその一つでありますけれども、そこらともよく諮りまして、さらに閣僚の同僚諸君にもよく訴えまして、日本海運がどうしたならば世界を相手に戦い得るかという基本国策を考えなければならぬ、こう考えてそれに今移つておるのであります。まだ道程でありまして、具体的にこういうふうにして日本海運基本国策を樹立するということを御報告申し上げる段階には立ち至っておりません。
  108. 小松幹

    ○小松(幹)分科員 輸出造船、造船界の方では、国内船に使用するよりも船そのものを輸出するという率も大きくなって参りました。それにしても、ドル地域の輸出というのはごく限られて、ないといってもいいくらいです。ポンド地域の中南米あるいは中近東あるいは東南アジアという方面のポンド圏内の輸出を考えると思うのですが、決済方式について、ポンドの考えというものはどういうふうに考えておりますか。
  109. 永野護

    永野国務大臣 御承知の通り通貨の自由化という問題が昨年初めて芽を出しまして、今年はさらに具体化してくるのではないかと存じます。なおその上に世界の景気の回復もことしらいからは、はっきりと実際上の効果を現わして、各産業に影響を及ぼしてくると私は見通しておるのであります。右ようのことで、通貨の自由化に伴う注文先の転換というようなことについても、少くとも昨年よりはいろいろな条件がよくなってくると思いますし、世界の景気の回復というようなことと相待ちまして、船の輸出市場は少くとも昨年よりは悪くないと私は了解しております。
  110. 小松幹

    ○小松(幹)分科員 これは大蔵大臣に言うべきでしようが、西欧の通貨の自由化ということが本年になってクローズ・アップしてきて、やはり世界経済、日本の貿易の振興にも安閑としておるわけにはいかない。これは運輸大臣の所管の範囲ではないと思いますが、しかしこの面も考えていかないと、ただ計画造船だ、船の輸出だ、こう言つたとしても、それは国内の操作にとどまると思う。過去がそうであったように、国内操作だったら、利子補給をすればいい、あるいは安い金をうんと出してやればいいということになっていくわけです。国内の問題は、もう少し企業の引き締め、あるいは社内整理、あるいは国内船の公団化ということも考えられると思いますが、やはり事が外国に関連する貿易振興の一つの策とするならば、もう少し国際的な面から通貨の自由化、この問題に関すればポンドの問題になってくると思います。それと延べ払いの問題があるわけですが、頭金を取つてあと五年、頭金も六割くらい取つてつたのではないかと思いますが、最近の傾向を見れば、頭金もぐつと下つて延べ払いも七年以上になるのではないか、こういう面についてただ単に私は延べ払いをいよいよ長期にやれと言うわけではない。このプラント輸出との関係もありますけれども、この面についてどういうふうに運輸省なりあるいは政府は考えておるか、この点についても伺います。
  111. 永野護

    永野国務大臣 今日本が輸出市場として考えておりますところは、みなドルはもちろんポンドも不足しております。従いましてこういう市場を相手に新しい市場を開拓しようといたしますと、延べ払い、何らかの形における購買力をまず日本がつけてやらなければならぬということは、ほとんど共通の現象となっております。これは単に船の問題だけではございません。日本の輸出では万般に通じて起つておるのであります。たとえば運輸省の所管で申しますと、船とか車両とかいう問題が現実に起つておるのであります。ある程度の延べ払いをしてやる。車両でも、現実に今大きな取引が幾つもきておるのでありますけれども、延べ払いの条件が整いませんためにまとまらないような状態になっておるのであります。これはひとり運輸省ばかりではございません。通産省も大蔵省に、日本が輸出貿易の振興をはかるためには、この延べ払いの条件をもう少し寛大にしてくれなければ、どんな輸出振興策もほとんどから念仏に終つてしまうということをしきりに訴えておるのであります。お説の通り、少しずつは好転して参っておりますけれども、まだ各市場が求めております条件にまではなっておりません。現にその条件の交渉中のものが幾つもあるのであります。それが出合わないためにまだ懸案になっておる状態でございますので、その見通しにつきましては今ちょっとここでは申し上げかねるのでありますけれども、私どもは努力は続けております。
  112. 小松幹

    ○小松(幹)分科員 私は貿易振興全体の問題にかかってくると思いますが、やはり造船の一つのケースをとつてみても、こういうところの早期の何らかの施策というものが、どこか詰まつておるところを具体的に解決していかない限りは、計画造船もまた、本年の第十四次のように、十月ごろになってあたふたと、もうだめだというわけでやあやあいってきめなければならぬ、こういう格好になるのじゃないかと思う。それでは私は貿易振興という名にふさわしくない、臨時的な国内の操作の段階にまた振り出しに戻つてくる、手直しみたいなことになる、そうして利子補給に強引に持ってこなければならぬということになると思う。だから、どこかに決意を貿易施策の面から考えるならば、それで厳然と穴をあけていく、こういう立場でやらなければ、堂々めぐりしてしまうのではないか、こういうふうに思います。それから開発銀行の協調融資比率というものは、十四次分はあれは九割くらいだったですか、今までは七割五分くらいだったと思うのですけれども、十四次ははっきりいたしません。それと、十五次を一体どう考えておるか。
  113. 朝田静夫

    朝田政府委員 十四次の開発銀行と市中の融資比率の問題についてお答えをいたしますが、十四次につきましては定期船が九〇%、市中が一〇%、不定期船につきましては八〇%と二〇%、先ほど問題になりました鉱石専用船につきましては五〇%、五〇%、タンカーにつきましては財政比率の方が四九%、市中の方が五一%、こういう形になっておるのであります。ただ先ほどから御指摘になっておりまする非常に重要な点に関連をいたすのでありますけれども、利子補給その他助成措置がこの予算案に盛り込まれておりませんので、十四次において難航をいたしました経緯からかんがみまして、十四次の三十四年度分の市中金融機関の負担をする分について、相当負担を軽減してもらいたいということは、この予算案に出しておりますところの百八十億という財政資金の中から、十四次の三十四年度に繰り越して参りまする分について、それよりも上げてもらいたい、こういうことになっておるのであります。従いまして、百八十億の予算を御承認願いましても、そのうちから、当初六十二億ばかりが財政資金として繰り越す分であったのでございますけれども、ただいま申し上げますような市中金融機関が、助成措置が講じられておらないので、繰り越し分についてもっと財政比率を、百八十億のワクの中で、十四次分について追加をしてもらいたい、こういうことで、この一、二ヵ月、私どもの方と金融機関の方と折衝を続けて参つたことは、その問題なのであります。やつと一両日前に六十二億が大体七十四億程度に財政資金の繰り越しのワクを見る、こういうことに話がまとまりました。従いまして十五次に純粋に使い得る分につきましては、百八十億から七十四億を引きました百六億というものが純粋に十五次に回るということになっておるのでございます。
  114. 小松幹

    ○小松(幹)分科員 それから最近の船は大型化して、タンカーあたりは九万トン、十万トンという大きなものになって参りました。老朽も、戦前のはないけれども戦後でも一応老朽化しておる。これに対して今使えぬことはない、しかし大型化に対する輸送力というような問題からすると考えなくてはならぬ点がある。代船方式といいますか、スクラップにするというような、こういうケースというのは一体どういうように運輸省では考えておられるか、これをちょっとお伺いしたいと思います。
  115. 永野護

    永野国務大臣 お説の通り日本の船質改善のためには、いわゆるスクラップ・アンド・ビルドという方式がぜひ必要だと考えております。しかし先ほどから申しますように、それは日本海運界を改善するいろいろな施策のうちの一つであります。もっと基本的な問題が幾つも考えられなければならぬと考えておりますので、せつかくそれは検討中であります。しかしその中のどういう方策を立てましても、今のスクラップ・アンド・ビルドということは、どの案から見ましても欠くことのできない大きなる一つのテーマだ、こう考えております。
  116. 小松幹

    ○小松(幹)分科員 国内船の公団化ですか、名前は私はよくわかりませんが、公団化とかそういう計画もあるということですが、それはどういう趣向とどういう計画でしょうか、アイデアの範囲かどうかよくわかりませんが、……。
  117. 朝田静夫

    朝田政府委員 お尋ねの点につきましては、国内旅客船公団のことであろうと思うのでございますが、国内におきます離島航路、あるいはそれに準ずる航路、あるいは瀬戸内の通勤通学輸送といったようなものに従事いたしておりまする船舶は、大体十一万トンばかりあるのでございます。一千百ばかりの航路に就航いたしておりますが、これで大体七千五百万人の国民輸送をしておるわけであります。ここでこの業態をながめて見ますと、非常に零細企業が多いということでありますし、第五北川丸事件以来非常に問題は人命の安全の問題にかかって参っております。老朽船が非常に多いのであります。半数以上が個人経営というような非常に零細な規模で、この大事な輸送が行われておりますので、私どもとしてはこれを放置しておけないということでもって、またかたがた衆議院の運輸委員会の全員一致の御決議もありまして、どうしても政府がここに手を差し伸べまして、資金の調達が困難である事業者とこの公団とが共同いたしまして、老朽船を計画的に代替、新造ないし改造して参る、こういうことがこの公団の目的なのであります。ただしそれによって民生安定航路に就航するものということにいたしておりまして、もつぱら遊覧とか観光とかいうものについてはこれは除いておるものなのであります。
  118. 小松幹

    ○小松(幹)分科員 計画造船なりそういう問題については質問を終りますが、ちょっと一言だけ言っておきたいことは、国策だから断じて遂行しなければならぬ、しかし国策という名のもとに、国の助成だけをたよりに、あるいは低利融資の力のみをたよりにしたプランをもって計画造船を押し切つていくだけが能ではない。やはり基本的に、輸出振興の面からならば輸出振興、通貨の面からならば通貨、あるいは海運自体の企業の内に内在しておるところの険路になっておる部分を自主的なり、あるいは行政的なりにすつかりきれいなものに仕上げて、そこに自主的な一つの力というものを持たせない限りは、十四次、十五次、十六次と計画造船をやつていっても、常に最後には国の力にたよる。そして大きな意味は別としまして、利潤においては何ら国民の寄与にはならない。こういう結果がありますから、計画造船を遂行する過程においては、今の計画造船のワク外でしようけれども、国内船の公団の問題にしても、行き詰まつたから、老朽化したからすぐ公団化して、そして国家が助成して、あるいはそこに何らかプール資金を持っていって、老朽化した、力がない、人命だという名のもとに民営というものを安価に育ててはいけない、このことを感ずるので、一応質問を申し上げたわけであります。  その次に、造船でなくして、運輸省関係なのですが、私は去年もこの分科会に出て、箱根の山は天下の険といったあの堤康次郎と五島慶太の争いをここで言いましたが、それに類する争いで運輸省は常にごたごたしておる。運輸省の中に五島派がよけいおるのか堤派がよけいおるのか、ようわからぬが、今度のいわゆる供用約款の問題でも、あれはどうなんですか。認可しておつても、また次官通達を出したりしたあの問題です。しよつちゆうそういう問題でもめておるが、一体どういうわけか、それをちょっと解明してもらいたい。
  119. 永野護

    永野国務大臣 世上いろいろお話のように、いや堤派だとか、五島派だとか申しますけれども、私はそんなことはないと確信いたしております。  それから今の供用約款の問題はかなりごたごたしておりまして、実は私も何べん書類を見ても覚え切れない程度にいろいろな経路があるようでありますから、担当局長からお答えいたします。
  120. 山内公猷

    ○山内(公)政府委員 今担当の自動車局長が参議院に行っておりますから私前任で関係いたしておりましたのでその間の事情を知っておりますので、御説明申し上げたいと思います。これは一般自動車道の供用約款の問題でございまして、供用約款といいますものは、御承知の通り自動車道事業者が個々の事業者に一々契約をするわけにいきませんので、一般的な契約約款を作るわけでございます。性質は保険約款その他のものと同じでございますが、ただこれは個々のものでなくて、大衆を相手に約款を作りますために、運輸省が認可をしておるという性格のものでございます。これは道路運送法上供用約款の規定がございまして、その中に書くべき事項がきまつておつたわけでございますが、問題の発端は、この供用約款の中に自社のバス以外は通させないという約款を作りたいというのが問題でございまして、運輸省立場といたしましては、そういうことは約款で書くべきものではないということを従前から言っておつたわけでございますが、ある陸運局であやまつてそういうものが認可されたという事例がありまして、その件につきましては法制局に、取り消すべき行政上の処置でございますし、法律上これが違法であれば取り消さなければならないので、現在伺つておるわけでございますが、そういった事例が将来起つてはいけないというので、従来の解釈とそういうものは変りがないということをあらためて各陸運局に通達をいたしたわけでございます。
  121. 小松幹

    ○小松(幹)分科員 法制局に問い合せているそうですね。まだ結論は聞いていないでしよう。そうすると、ちょっとおかしいと思うのだが、あなたの方は高知県交通にも、しかもごつい拒絶条項をつけた約款を認可しているじゃないですか。しかも今度群馬県の万座線、あれも認可しておる。認可したとたんに次官通牒を出して取り消しておる。まだ法制局の結論は出ていない。一体運輸省はどう考えておりますか。
  122. 山内公猷

    ○山内(公)政府委員 法制局に聞いておりますのは、それが違法であるかどうかということを聞いておるわけでございます。それでわれわれの解釈では、違法と適法の前に、妥当であるか妥当でないかという判断も行政庁としてはしなければならないわけでございまして、この事案の性質上、供用約款においてそういうものを書くことは妥当でないということは、今の法律解釈上われわれは言えると考えておりますので通達を出したわけでございまして、従前の行政措置は、法制局が違法であるということになれば取り消すつもりであるわけであります。
  123. 小松幹

    ○小松(幹)分科員 新語が出たわけです。違法であるというのと妥当であるというのと、おもしろい言葉が出てくるが、運輸省はそういう違法であるということと妥当であるということで行政措置が違つておるのですね。あとから来るのは約款の拒絶条項を認めない、二月先に出たものはごつい拒絶条項を認めておる。妥当である。一体妥当の境は何ですか。片方は三年も四年も違うのじやなくて、二、三ヵ月くらいしか違わない。それを片方は認めて、片方は認めない。片方は妥当である、片方は妥当でない。違法であるか、違法でないか、法に照らしてどうかということは未定である。そういうような妥当か不妥当か知らないが、運輸省の新語ですね。それは一体行政上どういう境があるのですか。
  124. 山内公猷

    ○山内(公)政府委員 私の言葉が足らないのですが、実はこの供用約款に対します処分官庁は、運輸省ではなくて、陸運局に権限がまかされておるのであります。そうしますとわれわれの方は、下級官庁のやりました処分についてどうするかという問題でございます。下級官庁のやりました処分について、違法であるということであれば、行政上それは取り消し処分が上級監督官庁としてはできるわけでありますが、妥当、不妥当というのは、やはりそれぞれの陸運局において判断してやらなければならないことでございます。法律に違反するという結果がはっきりすれば、上級官庁といたしまして取り消しするわけでございます。ただわれわれが道路運送法上の解釈をいたします場合に一般自動車道というものは何人にも利用されなければならない義務があるわけでございまして、それを自分だけの車を通していいということは、道路運送法上出てこないというふうに解釈いたしておりますことと、それから供用約款の性格上、これは運輸大臣の権限を下級官庁に委任しておりますように、そういう権利義務の関係を規定するのではなくて、一般的な利用関係を規定するものであつて、約款においてそういうものを禁止をするということは、約款の性格上出てこないという論拠からしたわけでございます。それでは、そういう誤まりが出たのをなぜあとすぐやるかと申しますと、誤まつたことがよろしいということではないのでございますが、そのままにしておきますと、またほかの誤まりを生ずるということをおもんばかりまして、取り消しをする前に一応そういうものをやらないように通達をいたしたわけでございます。
  125. 小松幹

    ○小松(幹)分科員 ちょっと大臣に聞きますが、高知県交通の場合は、どこの陸運局か知りませんが、群馬県の万座の場合は東京陸運局でしようね。そういうものの認可責任というものはまかせつきりだからおれは知らぬのだ、こういうような態度で大臣、いいのですか。それでいかれるのですか。部下がやつたのだから、それは仕方がないのだというような言い方は……。
  126. 永野護

    永野国務大臣 実は委任事項になっておりますものは、事前には大臣の耳に入らない、目に触れないで決裁されるのであります。従いましてそういう委任事項になっておりますことの決裁につきましては、もちろん責任はありますけれども、事前にかれこれ指図をすることは実は不可能であります。しかし今御指摘のような事件はもう天下の問題となっておるのでありますから、その私の委任を受けてやつておつた局長の処置が正しくないとすれば、その処置に対して適当な善後措置を講じなければならぬのでありますが、そういう問題になりますと、かなりこれを正確に検討しなければなりませんから、先ほどお話ししておりますように、法制局なんかの意見も聞きまして、果して今局長のやりましたことを取り消すかあるいは何らかの方法で緩和するか、その対策はその本質がはっきり見きわめがつきましたあとに何らかの処置をとるつもりでおります。
  127. 小松幹

    ○小松(幹)分科員 大臣はそれを知らなかったと言えばそれでいいと思いますが、ここに本人を呼び出せばなおよくわかるのですが、運輸省にもたびたび問い合せた、問い合せたけれども返事がない、仕方がないからおれは認可したのだ、自分の金で道を開いて、大きな金を使つておるのだから、供用約款に制限条項をつけてもいいじゃないかというので認可をしておる。その面から見ればそれでいい。ところがそのときは返事をしなかったものが、あとになって次官通達を出してこれはいかぬのだということでとめておる。ここに行政上の—私は東京の陸運局長一つも問い合せぬでやつたわけじゃないと思う。それに対して返事をせぬでごまかしておった、こういうようなことがいいか悪いかという問題、そういうことで責任がとれるかどうか。大臣はそれは知らぬだろうが、少くとも事務次官まではそれがわかつておると思う。それをごまかしておれば知らぬと逃げを打っておいて、きめたあとで今度はまた逆に通達でとめておる、そうして同じケースがたくさんある中に、今言つた高知県交通と万座線だけは特殊なケースとしてそこに存在しおる、これは法を何とかして、法制局でとやかく—裁判となつたら何年とかかります。箱根のあれがそうじゃないですか。そこに運輸省の行政範囲の明確な態度というものが出てこないから、いつでもそういうことになる。一体一般自動車道の権限範囲というものは、どういう考え方に立ってあなた方は行政上ておるのか。これは大臣でもいい、事務当局でもいい。
  128. 山内公猷

    ○山内(公)政府委員 下部機関から連絡があったのに返事をしないということではないわけでございまして、これは下部機関から連絡がありましたように、非常に問題が多いので、その法理的解釈をはっきりと法制局ともしなければならないので、その件については保留して処分をするようにということを言つたわけでございます。その間陸運局といたしまして、開業が迫つておるので、やむを得ず高知県交通の例があるのでやつたということでございます。その結果われわれの方といたしましては、一応各方面と連絡をいたしまして、結論は出ておりませんが、大体そういうことは道路運送法上正しくない処置であるということがはっきりいたしましたので、通牒を出したというわけでございます。
  129. 小松幹

    ○小松(幹)分科員 これは行政上何も法的にどうとかいう問題ではなくて、裁判でやつたら何年とかかりますが、認可の問題は、特にまた供用約款の問題は権利の問題です。他のハス会社を締め出す拒絶条項がある問題ですから、これは権利の問題です。それを認可する場合にそういう拒絶条項をもって認可して、まだ法制的にきまつておらぬからそれを見のがす、あるいは見のがさない、そういうようなことの行政的な責任ですね。私は何も五島の味方をするわけでもない、堤康次郎の味方をするわけでもない、どつちの味方をするわけでもないが、去年から箱根の山ではたびたびなんですよ。このいわゆる争いというものは、権利の争い、血のにじむような争い、宣伝合戦あるいは裁判ざたをやつているが、運輸省は常にそこに結論をつけていかない。同時にバス路線の問題も同じなんです。あつちのバス路線、こっちのバス路線、同じ路線を申請した場合、三年も決をとらない、そしてどつちか勢力の強いところに最後は流れ込んでいく、こういう運輸省の行政的な基本態度というものに私は疑義をはさむ。私は何々交通、何々交通の仲を取り持つとか、あるいはどつちに味方をするのではなくて、運輸省当局のそうした行政上のあいまいさというものが一体どこからきておるのか。特に先ほども楯君が言つたときに、国鉄の問題あるいは民間交通の団体バスの貸し切りの問題にしても、常にあいまいな態度、常に業界から押されればあちらに行く、こちらに来ればこちらへ行く、そうしてある弱い者には剣もほろろにぴしやつとだめだと言うが、強い力に対しては一向口がきけない、そのために争いがますます深まつていくというのが、今の運輸省のこの陸運関係の一番悪いところだと思う。そしてちょっとした陸運関係の、普通の民家の者がいなかから三輪車で稲を運んでやつたところが、もう陸運事務局からやかましゆう言うてくる。そういうことにはきわめて冷厳に、きわめて俊敏に手を下す。しかしながらこういう大きな利権の問題についてはきわめて緩慢に、三年でも五年でも引つぱつて、そうしてあげくの果ては今言つたように約款条項においてきのうは認可し、きようは取り消す、こういう体たらくであるということは、私は運輸省自体が、少くともこの陸運関係に関する限りは、この体たらくになっておるということを示しておると思う。だから世間でとやかくいわれるように、運輸省の中にはいわゆる五島派が多いのか、あるいは堤派のプロレス戦法でやられるのかといわれる。プロレスでやられればころりとひっくり返る、官僚陣から締め上げられればすぐ通達を出す、こういう格好に見られる。こういう格好に見られるということは、そこに根源の問題がある。その点について大臣、少くとも運輸行政の陸運関係の問題について明確なるところの態度、特に今のこの拒絶条項についてはどういう態度をとるのかということを、はっきりここで言明していただきたい。
  130. 國友弘康

    國友政府委員 お答え申し上げます。途中から参りまして、おくれて申しわけありませんが、道路運送法の免許をいたします場合には、私どもといたしましては道路運送法の免許基準に基きまして厳格な審査をいたしておるのでございますが、今もこれにつきましては運輸審議会にも諮問し、できるだけ促進をするつもりでありますが、行政管理庁からも勧告も出ておりまして、今後ともできるだけ早く処理するつもりで事務に当つております。  それから供用約款の点につきましては、あるいはお話が出たかとも思うのでありますが、目下法制局に法律上の問題点につきまして確かめておりますので、法制局の方から確定解釈が得られますればその確定解釈に基きまして措置をいたしたい、こう考えておる次第でございます。
  131. 小松幹

    ○小松(幹)分科員 時間がないということでありますから、それではこの問題はこれで打ち切つて、また運輸委員会あたりでやります。  私はほかに予算のこともちょっと質問したいと思ったのですが、時間がありませんので鉄道の問題で一つここで聞いておきます。私北海道や青森県の方を熟知しているわけではないのですが、最近国鉄の管理局の末端の実情、あるいは幹部のやり方を見ていると、国鉄ほどわいろのきく会社はないというのが通弊になっています。昔は船のボーイが一番わいろがきいた。百円のチップを出せば、隣の者には茶を持っていかなくても、こちらには持ってくるということがあったが、今や国鉄のわいろのきくことは驚くべきことだということは、事実をもって証明してもいいのです。第一に今度高等学校出身者あたりの採用でも、試験場に行かない者が通ったと流言されたり、一人の新採用に数万円の金が要つたということは、もつぱらの常識であります。私立大学ならば金が要るということも聞いていますが、これは民間だから仕方がない。しかしながら国家財政の中に一つのウエートを持っている公営事業としての公社国鉄の末端が今の姿、数万円なければほとんど新採用にならぬなどと世間に流言されてよいものか。またある駅長に至ってはこういうことがあるのです。これは採用じゃないが、駅員として何年か勤めて任官試験を受ける場合、あるいは助役試験を受ける。そのときに一人二万円、三万円ずつ供出させている。その駅から五、六人あった。一体何に使つたのか疑問です。駅長が管理局の幹部にサービスをした、その支払いに充てる金であろうと想像しますが、一人二万円から三万円取つた、今の国鉄の末端の地方幹部なんてでたらめです、ひどい、こういうことがもう世間に広がつているのじゃないですか。国鉄に入ろうと思うならば十万円要る。国鉄はわいろさえ持っていけばどんなことでもできるというのが、今の通り相場でもあります。現に駅長あたりでそういう考えの上で、管理局の某氏に数万円使つたとみずから言っているではありませんか。そういう金を管理局の幹部が使用させている。そして一体何をしているのでしょうか。わずかの栄進のために、あるいは就職のあっせんにこういう体たらくをして金が動いているとすれば、事は重大です。総じて国鉄内部は、適当にちやらんぽらんでやるというのが、今の悪い印象であるようです。こういうようなことが国鉄において許されるかどうか。ことに最近ははなはだしいのです。この点について大臣、あるいは国鉄総裁が来られておれば、国鉄総裁にお尋ねいたしたい。あなたは非常に努力して国鉄再建を心身ともにやつておられる。しかしその努力が一体末端にどれだけ響いておるのか。これは私だけでなくだれにでも聞いてもらえばわかる。国鉄のいわゆる中央幹部採用は別にしても、任官試験あるいは新採用試験、あまりにもいいかげんさを思わせる体たらくをしています。このようなことを聞いたときに、全く残念なことではありませんか。私の知っているある課長のところに正月に行ってみると、奥さんがいばりたくつて、私の方ではこれだけみつぎものがあると言って、床の間の各駅長から、助役から、あるいは任官をしようとする者から持ってきたみつぎものを示すのであります。これはわずかな一例かもしれません。しかし現実に出ている実態です。今にしてこの悪弊を総裁が厳然と改めない限りは、私は国鉄の幹部というものは、末端幹部か知りませんが、世間の非難を買うでありましょう。今でも相当なものなんです。この点について総裁の厳然たる態度と今後に対する処置を私は承わりたい。
  132. 十河信二

    ○十河説明員 綱紀の粛正につきましては、私は絶えず懸命の努力をいたしております。今お話のありましたようなことは今初めて伺うのでありますが、そういうことはないと私は確信しております。大ぜいの職員でありますから、なおこの上にも注意いたしまして、そういうものが万一あったら厳然たる処分をいたしまして、今後そういうことのないように、絶滅するように努力いたしたいと考えております。
  133. 小松幹

    ○小松(幹)分科員 その御決意でけつこうであります。私は何もここで汚職や何かのことを言おうというのではなくて、国鉄をほんとうにかわいがろうとする総裁の最後の御決意がそこにあるならば、それを末端まで徹底させてほしい。国鉄は中央においても過去に批判があった。利権にまつわる弘済会あるいは日本食堂とか、鉄道会館の問題とか、上には上の大きな問題があったのです。下は上にならつて、下でもそういうような体たらくをしているのが実態なんです。ですから私はないと信ずるあなたの気持をそんたくします。ないことはこの上ないわけです。しかしこの私の意見を他山の石としてしつかり聞いて、今後各支社の幹部を呼んで、末端管理局に徹底させるべきでしよう。ある組合の幹部はこう言っている。何をおれたちに文句が言えるか、一つ押せばああいう幹部はひっくり返るのだ。それは何かというと、痛いところがあるから、ほじくられたら困るからだと言っていることも耳にしました。末端幹部の不正はいろいろな形で現われているが。少くとも管理局あたりの何々課長、何々主任というような連中からもう少し引き締めない限り、私は国鉄の合理化なんと言つたつて、なっていないと思う。実際問題として綱紀粛正というような単なる鳴りもの入りでは済まされないと考えます。これは一々例をあげて言うわけではありませんから、ないことと信ずるという総裁の言葉通りでいいですから、予算からはずれておりますけれども、内面指導をしつかりしていただかなければいけないということを申し上げておきます。どうか一つ総裁に、国鉄の幹部もそうですが、末端の幹部までちゃんとその意図が徹底するように引き締めてもらいたい。しかも何度もこんなことを言わせないうちに、早く指導向上さしていただきたい。どうか一つお願いいたします。
  134. 早稻田柳右エ門

    ○早稻田主査 お諮りいたします。本会議が開かれましたので、この際暫時休憩したいと思いますが、御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  135. 早稻田柳右エ門

    ○早稻田主査 御異議なしと認めます。  暫時休憩いたします。     午後二時四十分休憩      ————◇—————     午後四時二十九分開議
  136. 早稻田柳右エ門

    ○早稻田主査 休憩前に引き続き会議を開きます。  井手以誠君。
  137. 井手以誠

    ○井手分科員 私は予算委員会の総括質問におきまして、海運政策全般についてお伺いをしたがつたのでありますが、時間がないために若干だけ大臣にお伺いをいたしましたが、なおその若干の質問に対して答弁も漏れておりますので、この機会にお伺いをいたしたいと思うのであります。  第一に計画造船に対する利子補給、この私の質問に対して大臣はお答えになりませんでした。大蔵大臣は、私としては今後も造船に対しては利子補給をする考えはございませんと言明をされたのであります。そこで運輸大臣の所信をお伺いしたいのでありますが、所信をお伺いする前に一つ参考までに申し述べておきたいのは、ここに二十八国会におきまする予算委員会の質疑応答で、前の中村運輸大臣が私の利子補給に対する質問に対して次のように述べられておるのであります。これは国務大臣としての言明であります。こういうふうに申されております。「○中村国務大臣 予算において事実上利子補給をしなければ、それで私はいいと思います。あの法律は死火山だと思うのですが、決してそれを私は今復活するという考えは持っておりません。」こういう明確な答弁をなさつておるのであります。岸内閣の国務大臣が断つしやつたこ毛ありますからおそらく今の永野運輸大臣はさようなお考えは毛頭なかろうとは考えますけれども、新聞に時たま利子補給などということが載りますし、そういう風評に対して非難の論評も新聞で見るのであります。この際明朗な政治を打ち立てるために、一つ運輸大臣の明確なる御答弁をいただきたいのであります。
  138. 永野護

    永野国務大臣 先ほど質問に対しましてもお答えいたしました通り日本海運政策を根本的に考え直さなければならない時期に達したと私は了解しておるのであります。従いまして、いかにして日本海運が世界の激しい競争場裏に立って自立してやつていけるかということは、あらゆる面にわたって考えなければならぬと存じておるのであります。もちろん海運自体運営状態について、自粛、自戒を要する点もたくさんございますし、また運営実態にある程度の組織を持たせなければならぬというようなこと、たとえば系列化というようなこと、いろいろなことが考えられるのでありますが、政府といたしましても、この海運界の内部的の自粛、自戒に待ちまして、できるだけのことはしなければならないものであると考えております。目下研究中であります。
  139. 井手以誠

    ○井手分科員 私のお聞きするのは、海運政策全般については再検討の時期にきておるでありましょう。その点はあとでお尋ねもいたしますが、これほど明確に前の大臣が言明なさったことですから、今の永野運輸大臣もはっきり確認してもらいたい。とかくの風評のある利子補給、これを私もやりませんという言明をしてもらいたい。当然だと思いますけれども、念のために私はお聞きしておるわけであります。
  140. 永野護

    永野国務大臣 実は今、今度は政府が何をやるかということの説明をする途中であったのであります。政府がやらなければならない施策の中の一つに、利子補給ということも考えられる一つの項目だと考えておるのであります。これは私が今各界の学識経験者に依頼いたしまして、日本海運策をいかに決定したらいいかということを考究しているのでありますから、今直ちに利子補給をやるとかやらないとかいうふうに限定したくないのであります。少くも先般の予算編成に当りましては、二十一億という利子補給をすべきものであるという原案を一応作つたのであります。しかしながらこれは諸般の情勢を考えまして実現の運びには参っておりません。今さら井手委員に御説明申し上げるまでもなく、二千億に近い金利負担が日本海運界の基盤を非常に弱体化しているということは、疑うべからざる事実であります。しかしながらそれが必ず利子補給という方法によってのみ救済されるものとも思いませんから、そのほかいろいろな方法を考えなければなりません。これは諸外国の多数の立法例も参照いたしまして、その基本策を立てるつもりでおるのであります。ただその案の立ちます前に、利子補給ということはその案の中に入らないのだということをここで言明いたしますことは、対策を考えます幅を非常に狭くいたしますので、いろいろな案を立ててみまして、そのあとに利子補給ということを入れるか入れないかを考えて参りたいと思っておるのであります。
  141. 井手以誠

    ○井手分科員 私は国務大臣の言明は、きわめて権威のあるものだと信じておるのであります。一年前、ちようど同じ日にちごろだろうと思いますが、一年前に運輸大臣が言明されたことと違つた答弁が出るとは、私はどうしても了解しにくいのであります。そういうことでは私はとても政府答弁なんか信用できません。去年の二月の末には前の運輸大臣は、これは死火山だ。—休火山ではございません、もう死んでおる、こういうことをおっしゃった。そして半年後になりますと第十四次計画造船のために二十一億の利子補給を持ち出される。そんなにぐるぐる変つて政府の言明が信用がなくなっていいものですか。私はこの大臣の言明というものは非常に大事だと思うのです。この大臣の言明によって、国民が政治に信頼して政府に施策をまかせる。政府の考えや大臣の考えがぐるぐる変つたのでは、どうしようもありませんよ。ここにはっきり書いてあるのです。
  142. 永野護

    永野国務大臣 立法措置によってきまつたことはいたし方はございませんけれども行政措置といたしましては、そのときどきの事情によりまして、そのときの責任者が最も適切だと思う政策をとる余地はあると私は解しております。一年前、すなわち海運界の情勢が非常にいい悪いという大きな波を打つたときであります。その波の動きによって、そして他の政治上のいろいろな変化によって、最も適切だと思う方策をとるべきだと私は思うのでありまして、私も利子補給を必ず将来日本海運政策の基本の中に取り入れるということを申しておるのではないのであります。日本海運の基本の政策を考えますときには、幅広く考えたいということを申しておるだけであります。
  143. 井手以誠

    ○井手分科員 幅広くお考えになるという意味はわかります。わかりますけれども、前の大臣が、これは死火山だ、利子補給はいたしませんと言明したこと、それが今日一ヵ年後に、そう海運界の事態が急激に百八十度転換するような情勢の変化ではないと思いますが、そんなに変化しておりますか。
  144. 永野護

    永野国務大臣 非常に急激に変化したと私は考えております。三年前の運賃がわずか一、二年の間に三分の一に急落したのは、非常な急変だと私は考えております。
  145. 井手以誠

    ○井手分科員 それでは、海運界のいわゆる経営内容が悪くなれば、国民の税金で穴埋めをする、そうするのがほんとうだとお考えですか。
  146. 永野護

    永野国務大臣 私はそれに限るとは決して申しておらないのであります。考え方の中の一つにはそういうこともあり得ると申すのでありまして、今そういう考え方は取り入れないということをあらかじめ申し上げておくことはいかがかと、こう考えておるということを申し上げたのであります。
  147. 井手以誠

    ○井手分科員 従来の海運界との関係から、困つた質問で、大臣がお答えにくいとは私も十分承知しております。だから、私はここであまり突つ込んで質問したくはなかったのでありますけれども、利子補給というのは、たとい金額は二十億前後のものでありましても、政治上に及ぼす——国民の政治に対する信頼からいえば、これは非常に重要な問題であるから、私は強く述べておるわけであります。これはなお大蔵省の方から見えますので、一時たな上げしておきます。  次に、三国間の輸送の助成、これは先日私関連質問でお伺いしたのでありますが、私は質問の前に、基本的問題の前に、法律論議の前に、五億円に上るこの助成費、もちろんこの中には海員の厚生施設補助費も四千万円ございますので、差し引きますと、四億六千万円、この内訳、積算の基礎をお伺いいたします。
  148. 朝田静夫

    朝田政府委員 私どもが積算をいたしまして大蔵省に要求をいたしましたのは、この数字と違うのであります。私どもの当初の要求額は十五億円というのが要求の額でございます。そういうものに対しまして、財政上の理由からその通りの額が通るものでもありませんが、ただこの要求額に対しましては、一応の算出の基礎は持っております。従いまして四億六千万円、船員の厚生施設を含めまして五億円というもので三分の一に削られた、こういったことの方が、率直に申し上げて御答弁になるかと思います。
  149. 井手以誠

    ○井手分科員 それはもちろんあなたの方の大蔵省に対する予算の要求と国会に対する要求とはまた違います。私がお伺いしておるのは、国会に議決を求められたこの予算の内訳、積算の基礎をお伺いしたい。三国間のいわゆる実績ですね。三十二年度、三年度のどことどこの三角形の航路に対する助成、実績に応じてと、こう書いてありますが、その基礎になる実績を承わりたい。
  150. 朝田静夫

    朝田政府委員 私どもの考えました三国間の輸送の年度別の実績を申し上げますと、運賃収入実績は、昭和二十八年度が八十六億三千八百万円、二十九年度が百三十六億二千九百万円、三十年度が百七十六億六千七百万円、三十一年度が二百三十二億六千九百万円、三十二年度が二百三十九億五千六百万円の運賃収入を三国間の各航路並びに航路は一定しておりませんが、不定期船及びタンカーによって上げられた運賃収入実績でございます。これに対しまして、八百七十一億の大体五ヵ年間を平均いたしますとこの五分の一でありますが、その五ヵ年間の平均の二分の一程度のものよりもさらに努力をいたしまして上回つた実績を上げたものに対して、私どもは大体二ないし三%の額をかけたものを助成金と、こう考えておるのであります。
  151. 井手以誠

    ○井手分科員 二十八年以降五ヵ年間の五分の一平均は幾らですか。
  152. 朝田静夫

    朝田政府委員 約百七十四億であります。
  153. 井手以誠

    ○井手分科員 百七十四億に対してどのいうふうになりますか。
  154. 朝田静夫

    朝田政府委員 百七十四億に対しましては五・八%くらいに当ります。先ほど申し上げました二分の一に対しましては二・九%くらいに当るわけであります。
  155. 井手以誠

    ○井手分科員 これはその運賃のどういうふうなものに対して五・八%を助成しようというお考えでございますか。
  156. 朝田静夫

    朝田政府委員 定期と不定期と非常に違うのであります。御承知のように三国間におきましては、運航採算が非常に悪いということでありますが、その中を分析いたしてみますと、集貨費あるいは港費、船員費、修繕費、こういったようなものが、日本を中心といたします貿易の輸送量よりも割高になっておりますと同時に、他方において運賃収入が空船回航等の問題もございまして、日本中心よりも少い、こういうようなことから見ますと、日本中心の貿易と比べます。と、大体二〇%ないし二五%くらい採算上不利益をこうむる、大体二〇%といたしまするならば、四分の一程度に助成をする、これは必ずしも科学的な算出根拠があるわけではございませんが、財政上の理由その他の関係からこういうふうに相なつたのであります。
  157. 井手以誠

    ○井手分科員 三国間はいろいろありましようけれども、おもなる航路はどういう方面でありますか。
  158. 朝田静夫

    朝田政府委員 大体アメリカとヨーロッパをつなぐ航路が、世界海運界の運賃市況の非常に大きな要素になっておりますが、日本海運の三国間輸送におきましても、いわゆる大西洋横断——大きな消費と大きな生産をつなぎますところの大西洋をはさんだ航路というものが一番多いと存じます。また中南米—ガルフあるいは地中海—アメリカ、アメリカ—アフリカ、こういったものが大体において定航化された三国間の代表的な航路である、こういうふうに申し上げられると思います。ただ定期船につきましては、欧州航路のごとく各寄航地がございまして、地中海あるいは。パナマ経由の世界一周航路等におきましても、今申し上げたような航路が重複いたすこともあるということでございます。
  159. 井手以誠

    ○井手分科員 定期と不定期の割合はどうでございますか。
  160. 朝田静夫

    朝田政府委員 定期が大体七、不定期が二、タンカーが一、こういうような比率になっております。
  161. 井手以誠

    ○井手分科員 大蔵省の山中政務次官が見えましたので、話を戻しますが、問題は船舶の利子補給です。山中政務次官はかねがねなかなか正論を吐かれることで私も敬意を表しておりますが、昨年の予算委員会の当分科会におきまして、前の運輸大臣の中村さんは、「利子補給法は死火山でございます、休火山でもない死火山だ、死んだものである、私は復活する意思はございません」とはっきり言明をなさった。私は大臣の言明というものはきわめて権威のあるものであると考えておりますし、また政治的にはあの疑獄事件を起した問題の利子補給であり、また山中政務次官は大蔵省にあつて、そういった方面に信念を持って活動されておるように承わつておりますので、この機会に大蔵省の利子補給に対する見解を承わつておきたいと思います。昨年は岸内閣の国務大臣が言明をなさつておりますので、おそらくこの通りだと私は信じておりますけれども、念のため山中政務次、官の御答弁を願いたいと思います。
  162. 山中貞則

    ○山中政府委員 海運政策としての造船利子の補給諭ということでありますると、未来にわたっての問題も議論の中にあるいはお含めになって今日まで議論してこられたのかもわかりませんが、私自身が担当いたしまして、大臣もとにありまして手がけました本年度予算の編成過程並びにその結果におきましては、予算が明らかにこれを示しておりまする通り、利子補給というものは行わないということをはっきりいたしておるわけであります。
  163. 井手以誠

    ○井手分科員 それでよろしゅうございます。それからもう一点お伺いしたいのは、先日利子補給にかわる開銀の利子引き下げ、一分五厘の引き下げで十八億程度だと思っておりますが、これについて佐藤大蔵大臣は、私は利下げをいたす考えは持っておりません、こういうことをはっきりおっしゃったが、政府としてはみなその通りだと思いますが、念のためにもう一ぺん山中政務次官から政府としての見解を承わつておきたい。
  164. 山中貞則

    ○山中政府委員 佐藤大蔵大臣の明言せられましたものを私がさらに確認することは僭越かと思いますが、私は大蔵大臣のその言明は正しい、しかも財政金融担当の主管省としての大蔵大臣の言明としてしかるべきだと思いまするし、また事実その通りだと思います。今回の過程におきましても、当初そのような措置を要求いたしまする声も、関係者もしくは党との間等にあったのでございます。しかしそれは利子補給をやてもらいたい、もしそれができなければ過去のたな上げをしてもらいたい、あるいはさらにそれができなければ、今後の利子の引き下げをしてもらいたいというような議論でありましたが、つい最近になって議論されておりますものは、フィリピンに出しまする造船輸出問題に関連いたしまして、わが国の外航船舶、なかんずくニューヨーク航路が非常な影響を受けるから、それに見返りの措置としての希望を表明しておられる。でありますから、結論として求められるところは同じでありましても、私どもが受け取つております国の政策としてのあり方からいいますと、近日時の間に転々とその要求される根拠が変つて参るということにつきましては、私ども釈然といたすことができませんので、従って大蔵大臣の明言せられるような結論を私どもとしては持っておるわけであります。
  165. 井手以誠

    ○井手分科員 山中政務次官はなかなか信念があつて、私は敬意を表します。  そこで運輸大臣にお尋ねをいたしますが、例のフィリピン向けの高速船のことです。あるいは仮契約ができたといわれておりますが、その通りでございますか。
  166. 永野護

    永野国務大臣 仮契約はできておると聞いております。
  167. 井手以誠

    ○井手分科員 仮契約の概要をお示し願いたい。
  168. 朝田静夫

    朝田政府委員 仮契約の概要を申し上げます。受注者は浦賀船渠が六隻、三菱造船関係の三社が三隻、木下商店が三隻。発注をいたしておりまする船舶の性能を申し上げますと、九千五百総トン、一万二千馬力、速力は十八・二ノットであります。発注価格は一隻三百六十万ドル。支払い条件につきましては一五%が頭金でありまして、八五%が七年年賦、金利は五分、納期は二年以内、こういうことでありまして、フィリピン政府の保証がついておるわけであります。そういうことが仮契約の内容であります。
  169. 井手以誠

    ○井手分科員 この支払いの保証は、フィリピンの政府の保証でございますか。日本についてのなにはございませんか。
  170. 朝田静夫

    朝田政府委員 フィリピン政府は本件に関しまして閣議決定を行いまして、中央銀行に対しまして外貨支払い上の準備を命じまして、この発注者でありますところのいわゆるNDCという開発会社でありますが、これの振り出す約束手形を保証するということが条件になっておると聞いております。
  171. 井手以誠

    ○井手分科員 きようは法制局が見えておりませんので、三国間の助成費を法律根拠なくして助成されることについての違法性については、後日に譲りたいと思っております。  そこでお伺いいたしますが、これは大臣にあとでまとめてお答えを願いますが、その前に事務当局でけつこうですが、今までの計画造船における借入金の総額、これは三十三年度末見込み残額でよろしゅうございます。それからさらに財政資金の三月末における残額の見込み、これをお伺いします。
  172. 朝田静夫

    朝田政府委員 昭和三十三年三月末におきまする期末残高を申し上げますと、二千八十三億五十万四千円、その内訳は財政資金が千二百八十億三千七百十四万三千円、市中資金が八百二億六千三百三十六万一千円に相なっております。
  173. 井手以誠

    ○井手分科員 従来開銀の融資については計画造船に特別の措置をはかつておられますが、元金の猶予額と利息の猶予額並びに三十三年度における回収の計画と見込み額、それをお示しいただきたいと思います。
  174. 朝田静夫

    朝田政府委員 三十三年の三月末におきます、要するに三十二年度下期のその当期におきます期末の延滞を申し上げますと、百八十三億九千五百万円であります。
  175. 井手以誠

    ○井手分科員 内訳は。
  176. 朝田静夫

    朝田政府委員 利息の延滞額が約四十億であります。
  177. 井手以誠

    ○井手分科員 別ですか、そのうちですか。
  178. 朝田静夫

    朝田政府委員 別でございます。
  179. 井手以誠

    ○井手分科員 それでは三十三年度だけの回収の計画金額と見込み額をお示し願いたい。
  180. 朝田静夫

    朝田政府委員 三十三年度の貸付額は百九十億でありますが、回収の見込みは今ちょっと申し上げる資料を持ち合せておりません。後刻調べまして御報告いたします。
  181. 井手以誠

    ○井手分科員 幸いに私の手元にありますので申し上げておきますが、これはあなたの方から先日出された資料でございます。三十三年度の回収の計画は七十八億、回収の見込み額は二十億と出ております。  それから現在海運界における償却不足というものはどのくらいになっておりますか。
  182. 朝田静夫

    朝田政府委員 三十三年度の上期におきまして、償却不足の累計になりますが、五百十五億四百万円であります。
  183. 井手以誠

    ○井手分科員 最近海運界の不況から係船がだんだんふえていっているようでありますが、一月末でもけつこうであります、どのくらいございますか。
  184. 朝田静夫

    朝田政府委員 十九万六千トン程度であります。
  185. 井手以誠

    ○井手分科員 何ぞう。
  186. 朝田静夫

    朝田政府委員 三十一隻。本年の一月末現在におきまして十九万六千トン、デッド・ウエートであります。
  187. 井手以誠

    ○井手分科員 最近の運賃傾向はどういうふうであるか、非常に悪くなっておると聞いておりますが。
  188. 朝田静夫

    朝田政府委員 昨年の昭和三十三年の一月ころから非常に悪くなりまして、御承知のように一九五七年、三十二年におきましてはスエズ運河の開通以後低落を続けておるのでございますが、今申し上げましたように昭和三十二年の一月ころから特に悪くなりまして、最もいい時代の、いわゆるスエズ・ブームを謳歌した時代の約三分の一程度に下つて参りました。今申し上げました三分の一というのは、指数で申し上げますと、一九五二年を一〇〇といたしますると、昭和三十三年の一月におきましては六四・九、それが逐次なお低落をいたしまして、昨年の十二月におきましては七四・六、こういうことになっております。いささか取り戻した感じがございますけれども、これは欧州におきまする不作その他によって穀物の荷動きが相当増加して参りました理由一つであろうと思うのでありますが、この一月に入りましてさらに七〇%にまた下つて参り、非常に軟調を示しておるということは、全世界におきまして約一千百万トン程度の係船船腹がございますので、将来市況が上向いて参りましてもこれを抑制する材料が一方においてある、こういうように考えておるのであります。
  189. 井手以誠

    ○井手分科員 六五%程度の指数で、定期船とか不定期船いろいろありましょうが、船は動かしても赤字だというふうに承わつておりますが、どういう状態ですか。
  190. 朝田静夫

    朝田政府委員 ただいまの市況におきましては、動かしても赤字だというものが不定期船については相当多いと思います。ただ係船をいたしまする場合の採算と、動かしておいてこうむるところの損失の差が、係船をするか、なお運航を続けるかということの境目になるものであります。
  191. 井手以誠

    ○井手分科員 もちろんそうでしよう。それはいわゆる出血というような言葉が使われておるものですな。遊んでおるよりも幾ら安くても注文をとつた方がいいとか動かした方がいい、それは当然だと思う。そこで係船の場合は、トン当り月にどのくらいの費用がかかるのですか。ものにもよりましよう、トン数にもよりましようが。
  192. 朝田静夫

    朝田政府委員 戦時標準型の大体改A型というような船の例をとりますと、係船のときの費用は、デッド・ウエート当り七十セントから一ドルという見当でございます。
  193. 井手以誠

    ○井手分科員 最近は、ただいま申された標準で動かした場合は、どのくらいの運賃収入になっておるようですか。同じ重量トンですか、いろいろありましょうが、小麦だとか物資にもよりましようが、標準のような場合……。
  194. 朝田静夫

    朝田政府委員 今のような船で申し上げますと、大体デッド・ウエート、重量トン当り一ドルから一ドル二十という程度であろうかと存じます。
  195. 井手以誠

    ○井手分科員 それではやはり赤字になるようですな。そこで大体資料はそろったようですが、大臣も今までの数字をお聞きだと思います。最近政府資金は八〇%、九〇%に達しておる。—その前にちょっと忘れましたが、この元金とか利息の猶予は法的根拠はどれでございますか。これは大蔵政務次官いかがですか。
  196. 山中貞則

    ○山中政府委員 開銀の取扱いで、別段法的根拠なく判断をして取り扱つておるのでありますが、もちろんその措置については関係省との事前の—認可ではありませんが、事前の相談があるそうであります。なお元金につきましては、これは普通の滞納という状況のままに推移しておるということであります。
  197. 井手以誠

    ○井手分科員 山中政務次官にしてはおかしな答弁です。かねがね財政通をもって自他ともに許しておる山中政務次官でしよう。開銀は政府機関ですから、財政法の適用を受けます。当然法的根拠がなくてはやれないはずです。行政措置ではやれないはずです。あったら大へんです。よく研究してごらんなさい。  大臣にお伺いいたしますが、ただいままでお聞き及びのように、計画造船が非常に重要であることは私も承知をいたしております。しかしあまりにも借金で苦しんでおられる。大事な国民の税金なり預貯金から回されたものを百八十三億九千五百万円と利子が四十億円延滞になっておる。今年は七十八億の回収予定に対して二十億しか払う見込みがない。財政資金の三月末における残額は一千二百八十億円だ。もう借金詰まりで—日本の金利の高いことのよしあしは別です。借入金でにっちもさつちもいかなくなっておる。私はそういう事業はあり得ないと思うのです。しかも大体船腹というのは戦前の標準に達しておることは、海運白書でも発表された通りであります。金を借りて、しかも血の出るような政府資金を借りて作つた船が、新船そのものではありませんけれども海運界の不況のために十九万六千トンも係船しなければならぬような状況である。船を動かしても赤字だ、係船してもなお赤字になっておる、こういう状態にある海運界としては、根本的に考え直すときがきたと私は思っております。造船はもちろん必要である、代替も必要であります。必要でありますけれども、こういう借金ばかりで船を作つて、作れば船をつながなければならぬ。動かせば損、つないでも損、こういう状態です。しかも世界には一千万トン以上の係船がある、運賃は上る見通しはないと権威ある経済雑誌、あるいは新聞は報道いたしておりますが、この見込みのない計画造船を、私は先般の委員会でも申しましたけれども、一応ここでストップをして、そしてやはり根本的に立て直す時期だと私は痛感をいたしております。ここにいろいろ資料も、経営者の談話も持っておりますが、海運界のある会長もそういうことを業界でもおっしゃっておられる。その点についての大臣のお考えを承わつておきたい。ただもう一つ私はつけ加えておきますが、それはいろいろの御関係もありましようけれども、こういう事態に対してやはり根本的に一つ考えなくちやならぬという、その高いところから一つお答えを願いたいと思うのです。
  198. 永野護

    永野国務大臣 先ほど日本海運界を根本的に考え直さなければならぬ時期になつたので、今その面の練達たんのうの士をわずらわして、根本的に考える準備を今いたしておるのであります。せつぱ詰まつた状態まで押しつけられておるという観測は、井手委員の観測と同様であります。であればこそ今そういうことを考えておると申し上げたわけであります。ちようど今国会でほとんど手が離せませんので、その会合をいつやろうかとしきりに催促を受けておるのを延ばしておるのが状態であります。ただ一つ、でありますから私はどうしたらよいかという結論は今は出しませんけれども、私が今まで井手委員のお話を聞いておつて、途中で私の私見を申しますと、多少そこにニュアンスに違いがあるのであります。と申しますのは、御承知の通り世界の海運界の見通しについては、いろいろな見通しがあります。一千万トンも係船があるのだから、もう当分どろ沼に落ちたようなものだ、上る見込みはないのだという見込みの人もあります。けれども同時にもういわゆるなべ底はふちまで上ってきておつて、これからはやや明るい状況になるという観測をしておる人もあるのであります。現に今広島湾にはついこの間NBCが作りました十万八千トンの船が二そう係船されておるのであります。にもかかわらず、またその大きい船を新しくここで着工しております。そこで私その責任者に聞いたのであります。非常に膨大な——三千トンや五千トンの船ではありません。十万トン以上の船を二そうも係船しておいて、同じ型の船をなぜ作るのだということをその責任者に聞きましたところ、その人たちが言いますのには、自分たちの見込みは今年が底だと思う。これからはだんだん上ると思うのが一つ。もう一つは昨年に比べましてわずか一年の間に三割も造船単価が下つております。従いまして買いならしということをよく商人はするのであります。高値で買つたものは安値のものを入れて、その自分の持っている船の平均単価を下げようということをするのであります。そういうような理由で現に係船しておりながら、同じ会社が新しい同じ型の船を現に作つておるところもあるのであります。そういうふうでありますから造船業あるいは海運業者のようなものは、何ぼ理屈がよくても運転がつきませんから、やむを得ずほんとうにあした要るものでもきよう売らなければならぬというようなことをしなければなりませんけれども海運国策というものは、一年や二年の波に驚いて変えてはいかぬと思います。一体日本人が海運界をどう取り扱うべきかということは、三年、五年の波を越えて、ロングランに考えなければならぬと思うのでありまして、私が今これから斯界の学識経験者に尽力を仰いでやろうというのも、そういう意味においての基本国策を考えたいと思っておるからであります。従いまして、当分海運界は立ち上る見込みはないのだということを絶対的の前提としての処置は考えたくない。いろいろな方面の資料を豊富にそろえて、そうして将来の海運界の見通しと現在の運営とをにらみ合せて考えていきたい、公考えております。
  199. 井手以誠

    ○井手分科員 海運界の将来の見通しについては、それは個人々々の見方があると思う。私は大臣とは意見を異にするのであります。最近のフィリピンの高速船の問題にいたしましても、各国ともやはり外貨獲得という建前から、自国中心になっておる。アメリカは強力に五〇%を自国船で運ぼうとするのは御承知の通りであります。そういう状態に加えて船舶過剰、いろいろと考えて参りますと、私はなるほど一部の波はあるかもしれません。あるいはどこが飢饉にあったとか、どこが不作だったとか、あるいは物資の不足だということで、一時の波はあるかもしれませんけれども、大きな流れとして、さほど全部がおっしゃるように明るいとは私は考え得られないのであります。私の聞いたところでは、世界の経済成長率が一〇%の成長率でなくては、今の造船の状態ではとてもだめだ。世界の経済成長率はそんなにはございません。日本は五・五%とか六・五%とか、その程度であります。そういうことを考えますると、今の造船の模様をずっと、海運界の計画造船を考えますると、一〇%以上の経済の成長ということは世界各国に見られないのであります。中国あるいはソ連は知りませんけれども資本主義の国では私はとても困難だと思う。そういうことをいろいろ考えて参りますと、あなたがおっしゃるように、波があるからその先のこともいろいろ考えなくちやならぬということは、私は当らぬと思う。かりに見方の相違であるといっても、それは自由企業ならば許せますよ。それは個人の責任においてやれば、会社の責任においてやあればいいことでありますけれども、この計画造船は、九〇%、八〇%というのは国家資金です。財政資金なんです。財政資金がこれほど多額に上っておりまするならば、これは国民の納得を得る政策でなくてはならぬと思う。そこが一番大事なんです。海運界がどれほど船をつなごうと、国民の税金に、預貯金に関係がなければ、私はこんなところで言う必要はありません。それは自由でけつこうです。しかしかつては五〇%とか四〇%といっておつたものが、最近はだんだん海運界の要望にこたえて、九〇%にまで財政資金がなっておるということを考えれば、まず国民が納得するやり方、作つては係船、動かしては損だという状態では、私は計画造船などというものは、この際十五次造船などをストップしてしまつて、そうして早急に根本的対策を立て直すべきだと思っておりますが、そういう意味で、一つその国民の納得という点をー将来の見通しはよろしゅうございますから、見解相違になりますから、国民の納得という点から一つ答弁を願いたいのであります。
  200. 永野護

    永野国務大臣 それは誤解のないように申し上げておきますけれども、私は将来が明るいと断言したのではございません。あるいは明るくなるかもしれない公算もあると申し上げたのでありまして、明るいからといって、しばらくしんぼうしたらいいというようなことを申し上げたのではないのです。私が自分にはっきりした見通しがついておれば、これからあらためて斯界の練達たんのうの人を集めて、基本国策を練るようなことはいたさないのでありあす。今すぐ適当ば運輸省限りの政策は立てるのでありますけれども、今私の手元には、いかにすべきかということについて、十五次造船をやめたらいいではないかというような議論も、相当傾聴すべき議論だとして、それは承知しておるのであります。しかしながらそれをすぐ取つてもって日本国策にするのには材料が足りませんから、責任者としても材料が足りませんから、それを今早急に—少くもこの国会が山を越しましたら早急にやりまして、勉強いたしまして、私の確信のつき次第に何らかの方針をとるつもりでございます。
  201. 井手以誠

    ○井手分科員 それではこの際一つあなたの構想をお漏らしを願いたい。こういうときに、さすがに永野運輸大臣は考えておるというようなことで一つ発表してもらいたいと思うのですが、いつごろどういう構想でなにされるか。内容によっては、その構想いかんでは国民もしばらく待つでございましょう。そういう意味一つ……。
  202. 永野護

    永野国務大臣 その構想を作る資料を今集めておるというわけでございます。ただ私の希望——希望と申しますか、あるいはそれはお前の夢だと言われるかもしれませんけれども、私は日本の経済の実勢に合うようにするためには、いつも申すのでありますけれども、六百万トンの船は作りたい、これは絶えず考えております。それに相応するような造船計画を立てていきたいという私の希望は持っております。しかしその希望をそのまま実行に移すがいいか、これは何とかしばらく希望は希望として預けておいて、ストップした方がいいかというようなことにつきまする私の最後の決断をする資料を集に、今のような手段をとつているのであります。
  203. 井手以誠

    ○井手分科員 そういたしますと、非常に重大な時期だから、場合によっては十五次造船も延期するか、中止するか、その判断の資料を今集めておるということでございますか。
  204. 永野護

    永野国務大臣 大体の私の希望といたしましては、十五次造船はやはり継続していきたいという気持のあることは事実であります。しかしながらそれを延ばした方がいいじゃないかという議論も、相当傾聴すべき議論だと思いますから、今のようないろいろな方にお集まり願つて研究を開始するのでありますから、今はその会合に臨みます前は白紙の態度で臨みたい、こう考えております。
  205. 井手以誠

    ○井手分科員 その右にするか左にするかという基本的態度は、いつごろまでに結論を得られる見込みでありますか。三月中でございますか。
  206. 永野護

    永野国務大臣 国会の様子次第でありまして、私がこうやつて朝から晩まで国会を出られないような状態がいつまで続きますか、わかりませんから、私のからだがあきましたならばすぐそれをやりたい、こう考えております。
  207. 井手以誠

    ○井手分科員 そうしますと、国会のなには政府の信頼ある答弁いかんにかかっておると思っておりますが、大体わかりました。それではどういう方面の方のお知恵を借りたいとお考えになっておりますか、あるいは別に審議会でもお作りになる考えでございますか。
  208. 永野護

    永野国務大臣 大体御承知の海運造船合理化審議会、あの方々を中心に懇談することにしておるのでありますけれども、特に問題によりましては、これは正式に委員にするとかなんとかいうのではございません、私の心がまえをきめるための参考資料でありますから、そういう正式の名前のない方の意見もいろいろ承わつてなるたけ広く材料を集めまして最後の決断をいたしたい、こう考えております。
  209. 井手以誠

    ○井手分科員 既存の審議会ではなくして、広く各界の有識、有力者を集めて、懇談会のようなもので知恵を拝借される、こういうようなことでございますか。
  210. 永野護

    永野国務大臣 必ずしも集めてやりますか……。集める団体といたしましては今の審議会ができております。けれども来てもらうのでなくて、私の方から親しく参りまして教えを請うような人もあると思います。その人によってあるいは来てもらう人もございましょう。
  211. 井手以誠

    ○井手分科員 私が特に申し上げたいのは、従来審議会の顔ぶれを一々覚えておりませんけれども、とかく関係各省の審議会の顔ぶれというものは、業者代表、関係代表というのがおもなんです。それではその人の答えだけでは、やはり国民の納得は得られにくいわけです。その点についての御配慮はあるでしような。
  212. 永野護

    永野国務大臣 その通りに考えております。
  213. 井手以誠

    ○井手分科員 それでは活動を開始されてから大体どのくらいしたらあなたの腹が固まるでしょうか。半月くらいでしょうか。
  214. 永野護

    永野国務大臣 それは私の頭のよさ悪さにももちろん関係するのでございますが、皆さんの意見を十分に私が消化いたしまして、そしてこの程度ならばもう私の腹をきめてもいいということになつたときに、これは非常に重要な、日本海運に関する限りは一生一代の重大な問題だと思いますから、軽率な態度はとれません。まずもって私は私だけの意見を固めまして、その次には私の省内に非常な長い間の練達たんのうの人もあるのでありますから、私の腹がきまりましても独断専行をしないつもりであります。民主的に広く省内の意見を聞くつもりでありますから、それがいつごろになつたらできるかということはちょっと今お答えいたしかねますが、しかし事態がそう漫然と放任しておけない程度に差し迫つておるということは、井手委員の御観測と全く同様であります。ことに十五次造船の問題にも触れるといたしますと、事はなおさら急ぐのでありますから、決してそんなに漫然とじんぜん日を送るというようなことはいたしません。
  215. 井手以誠

    ○井手分科員 それでは十五次造船というものはここで中止とか打ち切るということは言われない。けれども大臣結論を得られるまでは事務的にはそう進められない、こう了解してよろしゅうございますか。
  216. 永野護

    永野国務大臣 事務当局は一応今度の予算の中に計上しておりますから、事務的にはおそらくそれを進めていくだろうと思います。しかし大体の方針をきめるのは私の責任であります。従いまして腹がきまらぬときにやめろということは言えませんから、事務はそのまま進んでいくと思います。
  217. 井手以誠

    ○井手分科員 それは大体わかりました。事務が進んでいくけれども、あなたが最高責任者であありますから、腹がきまるまでは第十五次造船はきめない、こういうわけでございますな。
  218. 永野護

    永野国務大臣 私の腹がきまらない、こういうことを申し上げておるのであります。
  219. 井手以誠

    ○井手分科員 先刻申し上げましたように、政府資金が元金のうちで百八十三億九千五百万の滞納、利息四十億円の滞納、これだけ滞納をしておる。滞納の親分でしよう。これが一等で、二等、三等はないでしよう。なお三月末には一千二百八十億円の残額がある。こういう状態に対して、なるほど計画造船は必要かもしれません。船を作るということについては、私は今の計画造船のやり方は反対でありますけれども日本に船が必要であることは私は認めます。しかしこれだけ国が援助しておる海運界に対して、この海運界のあり方が今まで通りでいいのかどうか。スエズ運河でうんともうけて成金になつたときにはどんちやん騒ぎをする。今でもごらんなさい。赤坂なんか海運界の自家用車がずっと並んでおるのですよ。これは前の三木経企長官お話ししておられましたが、私は海運界自身に自粛の実績がないと考える。これほど船が大事だという、錦の御旗と申しますか、それをいいことにしてこれほどの財政援助を受けながら、それではもうけたときにどれだけ自粛したか。私はこれを放任するわけにはいかないと思っております。九〇%も国家の資金を使うならば、船が必要であるなら、本来ならば国営にすべきですよ。あるいは国有民営でもかまいませんけれども経営は変えるべきですよ。その点についての御見解はいかがですか。
  220. 永野護

    永野国務大臣 私が根本的に日本海運政策を考えなければならぬと言う中には、お説のようなことも一つの案としては考えなければならぬと思っております。それから海運業者の目に余る—これは私行上の問題にも入るのでありますけれども、そういうことが非難されておるということはよく承知いたしております。従って海運業者を集めて話をいたしますときには、実はほとんど毎回、日本海運国策国民に訴えて、いろいろ援助でも求めようというときには、まずもってあなた方の私生活の改善までなさらなければ、国民はついていきませんよということをいつも申しまして、現にキャデラックを売つて電車に乗つている人もあるし、あるいは小さなトヨペットにかえた人も現にあるのであります。これは事実あるのであります。そういうことまで実は申しておるのであります。まあつまらぬ話でありますけれども先ほど赤坂なんかでたくさん自動車がついておると言われました。そこらも確かに何がしかの影響が起きております。これはこういう席で申し上げる話ではないかもしれませんけれども、ああいう席で、近ごろ不景気になつたのは、あなたが海運会社の社長を集めて、あんなところであまり飲み食いしちやいかぬと言われたから、大へん迷惑をしますということを、冗談にいたしましても言うくらい、実はよく申しておるのであります。
  221. 井手以誠

    ○井手分科員 運輸大臣の自動車の話ですが、これはいろいろ申し上げません。運輸大臣も先般問題になって、おそらくもうお返しになっておるだろう、奥さんの方もお使いにならぬだろうと思っております。やはり下これにならうで、これは大臣が率先してやらなくてはならない問題だと私は思うのです。しかし笑いごとじゃない。これほど財政資金の援助を受けながら—国のまるがかえですよ。飲み食いは腹いつぱい自分たちがやつて、そうして金の方はまるがかえ。ここで私は端的にお伺いしたいのは、この業者の自粛です。これは業界内部でも非常に強調されておる。先般の新聞によりますと、ある船会社が一割の交際費か何かを節約したところが二千万円浮いたと書いてありましたが、ものすごいものなのですよ。あなたはどういうふうに自粛をさせようとお考えになっておりますか。公開状を見て検討して、お前の方はこうだというふうにまであなたの方はお考えになっておりますか。私は現在のままの経理状態では計画造船は許しませんよ。
  222. 永野護

    永野国務大臣 先ほども申しましたように、かなりこまかいことにまで、干渉がましいと申しますと何でありますけれども助言をいたしておるのでありまして、各社みな個々に自粛する計画を具体的に立てさして出さしております。その実行をわれわれは監視しておるのであります。
  223. 井手以誠

    ○井手分科員 業界の自粛、私はこれが前提でなくちやならぬと思うのです。それはバスにでも乗つていいのですよ。自転車だつていい。国からこれほどお世話になっている会社が、赤坂なんかに行って飲み食いをして何です。それは一つあなたのツルの一声で、あしたからでもやめさして下さい。あなたは海運界を集めて、それだけの訓示をなさる御勇気があるでしょうか。一つその点をお伺いしたい。
  224. 永野護

    永野国務大臣 それはたびたびやつておりますので、先ほど申しました笑い話のような話もあったのであります。
  225. 井手以誠

    ○井手分科員 たびたびやつて聞かないというのは、これはあなたの権威に関することです。永野運輸大臣なめられたり。  それではあなたがせつかく根本的に再建をなさろうという、そういうものの中には、やはり今後作られるものは、公団方式であるとか、あるいはそれに似たようなものもお考えになっておるわけでありますか。
  226. 永野護

    永野国務大臣 もちろんであります。広く今の現状にはかかわりませんで、どうすることがほんとうであるかということを根本的に考えたいと考えております。
  227. 井手以誠

    ○井手分科員 私はここに資料も持っておりますが、ある大きな会社は一社で何十億という滞納があるようです。天下に有名な、一、二、三を争うような会社ですが、もちろんこれは計画造船も多かったでしようけれども、こういうものが何十億という滞納がある。会社別にこの滞納をどう整理するか、その具体案をお持ちございませんか。経理内容を監査して、お前のはもっと節約して返せという、これは大蔵省に聞くのがほんとうかもしれませんが、あなたが海運界、その方に関係がある権威ある人ですから大臣に聞きますが、個々の問題について、やはり七十八億に対して二十億しか今年度は返せない。こんなべらぼうな話はございませんよ。幾ら赤字だといっても、それを督促なさる何か工夫はございませんか。
  228. 永野護

    永野国務大臣 それにはどうしても今井手委員のおっしゃったような経費の節減と、それ以上の大きい問題は経営の合理化でございます。それで各社にその経営の合理化の具体的方策を立てさしておるのであります。そこである程度はその経営の合理化を実現に移しつつあります。
  229. 井手以誠

    ○井手分科員 山中政務次官にお伺いいたしますが、こういう状態、大蔵省はどうなさるのですか。大蔵省というのは財政法をたてに、金利である融資であるとかに非常に厳格なところでございますが、こういう海運界の滞納状態に対してどういうお考えでございましょうか。
  230. 山中貞則

    ○山中政府委員 先ほどの造船利子補給を私どもがやらないという財政法上の結論を出しました過程におきましても、海運業界自体においても、また運輸省の所管としての構想等におきましても、経営の合理化、自粛その他のことをいろいろと口頭では言われたのでありますが、しかし私ども大蔵省が調べましたところによりますと、スエズ・ブームと申しますか、昨年の二月ごろから本年の二月ごろにかけましての各会社大体大よその平均水準で判断をいたしましても、重役の給与において四〇数%ふえ、あるいはまた交際費において同じく四〇数%の増加があり、一方においてまた船員の給与においても四〇%は切りますが三八%くらいの増加を見ております。私どもといたしましては、合理化とか経費節約とかいいましても、そういうブームから非常に業界自体が苦しいといわれるような現状に推移いたします際には、必ず経営内容にそういうものが見られなければなりません。もちろん給与費等の切り下げは困難でありましょうが、自粛できる範囲の自粛はあつてしかるべきだと思ったのですが、実際にはそのような逆の数字が出て参りました。私どもといたしましては、造船利子補給に関しましてはそのような現状から見て、あまり甲論乙駁なくこれはやるべきものでないという結論を打ち出すことが、そういうことによって比較的結論を得るのに早かったわけであります。従いまして私どもが財政当局の立場から、今後海運界の問題等について関与し得る範囲内におきましては、どしどしその立場からの意見は述べなくちやならない。省議等におきましても、第十四次の後半の造船とかあるいは十五次造船等につきましては、運輸当局がもちろん責任を持ってやられるのでありますが、大蔵省としても今日までのような船主公募でありますか、あるいはその他のやり方について、一方においては係船が増加し、そういう経費においては反比例するような現状があるならば、少しく再検討を加えて、根本的に変えたらどうかという議論等も出ました。先ほどから聞いておりますと、この際運輸大臣におきましては非常に慎重なる熟慮をして、新しい方針をきめようという気持があるようでありますので、私ども横車にならない程度に、財政当局としてのやるべきことは運輸当局に向つて申し上げるつもりでおります。
  231. 井手以誠

    ○井手分科員 御答弁は当然のことだと思います。運輸大臣もお聞きのように、あなたの意思に反した大蔵省の見解のようであります。ある人はこういうふうなことを申しました。日本海運界は、それは道楽息子に金をやるようなものだ。私は案外当つているかもしれないと思うのです。道楽息子であるならこれをたたき直さなくちやならぬ。金をやるよりもまずたたき直すことが大事だと思う。  そこで非常にいい答弁を得ましたので、重ねてその上でここで山中政務次官にお尋ねいたします。この七十八億の回収計画——回収計画を立てる以上は、これは当然見込みがあるとしてお立てになつただろうと思う。それがたつた二十億しか見込まれない。今あなたの方で立案なさった債権管理法というのもできております。いろいろな債権の法律がございますが、債権管理、融資、回収、大事な国の金を扱つている大蔵省としては、そういう回収状態でいいのでしょうか。民間にはリヤカーのやみ売りにもやかましいし、わずかの滞納にも差し押えがくる。海連界だからこれが見のがされていいというものではないはずであります。政治は公平でなくてはなりませんが、どうですか。こういう回収不能の会社に向つて少し断固たる処置をとつては……。
  232. 山中貞則

    ○山中政府委員 御指摘の通りだと思うのですが、さしあたり来年度三十四年度予算を編成いたしまして、財政投融資の償還計画等を見込みます際には、ことしは三十六億にふやしました。不況であるといっても、ただいまおっしゃる通り国家の金でありますから、当初の運輸省当局と話し合いをいたしました数字よりもたしか二十億ほどふやしまして、回収を強化するということにおいて予算を組んでおります。
  233. 井手以誠

    ○井手分科員 その点は私は、この債権の取り立てには非常にやかましい大蔵省ですから、公平を期する意味でもっとお聞きしたいのですけれどもも、時間がありませんので、あなたの答弁の誠意に対しては私はこの程度でとどめておきたいと思います。  そこで先刻の問題に移りますが、利子補給——利子補給ばかりではありません。元金と利息を猶予された根拠、財政法第八条によりますと、私が読み上げるまでもなく「国の債権の全部若しくは一部を免除し又はその効力を変喜更するには、法律に基くことを要する。」という条文があることは、政務次官も御承知でありましょう。それではどこに根拠を求められておりますか。
  234. 鈴木喜治

    ○鈴木説明員 ただいまの御質問の中で財政法に基いてというお話がございましたが、開発銀行は単独法に基いて設立されました公法上の法人でございまして、国そのものと違いまして財政法の適用は受けておりません。従いましてまた別個に日本開発銀行法に基いて運営されておるわけでございますが、開発銀行は国策機関としての性格と、同時に金融機関としての銀行の運営の仕方と両方ございまして、先ほど来の内入れ猶予あるいは徴収猶予等につきましては、国策としての海運政策に順応すると同時に、金融機関としての長期的な観点に立ちました債権管理の立場上、やむを得ずそういう措置を行なっておるわけであります。
  235. 井手以誠

    ○井手分科員 それはおかしいですよ。日本開発銀行というのは政府機関ですよ。政府機関でありますならば、法律に基かなくては、勝手に行政措置でできるはずはございません。それでは日本開発銀行のどの条文で猶予なさつておりますか。
  236. 鈴木喜治

    ○鈴木説明員 ちょっと長くなりますが、法律を読ませていただきますと、日本開発銀行法の第一条によりまして、「日本開発銀行は、長期資金の供給を行うことにより経済の再建及び産業の開発を促進するため、一般の金融機関が行う金融を補完し、又は奨励することを目的とする。」第二条に「日本開発銀行は、公法上の法人とする。あと政府関係の金融機関としての規制が現行法に出ておりまして、それに基きまして、御承知のように業務方法書によりまして貸付その他の事業を行なっておるわけでございますが、ほかの公庫その他と違いまして、開発銀行並びに輸出入銀行は、銀行としての性格上自主的な性格を非常に強くしておりまして、大体法律あるいは業務方法書等にきめますものは基準だけをきめておりまして、その他の運営につきましては、事実上政府と協議して自主的にやつておるような建前になっております。
  237. 井手以誠

    ○井手分科員 金融機関ではありますけれども政府機関ですよ。国会に議案を提案するじやございませんか。当然それは財政法によるものですよ。あるいは別の法律をもってやる場合はありましょう。しかし何らかの法的根拠がなくては、勝手にそんなことができるはずはございません。あなたの方が御存じなければ、私突然でございましたから、それは後日でもよろしゅうございます。私は別にあなた方をいじめようと思っておりません。それぞれ勉強なさつておりますので、ここではもっと大きな問題ですから、別の機会にお尋ねをいたします。
  238. 鈴木喜治

    ○鈴木説明員 説明が非常に不十分で申しわけございませんでしたが、また別な機会に銀行局の担当官をして説明していただくようにいたします。私理財局の担当官でございまして、直接専門でございませんので……。
  239. 井手以誠

    ○井手分科員 この問題は保留をいたします。勝手に国の財政資金を二百億以上も猶予するなどということは、行政措置でできるものじやございません。とくと御勉強を願いたいと思います。  それからもう時間がありませんから最後でありますが、運輸大臣も根本的に海運政策を立て直すということでありますから、私はその言明を信頼いたしまして、しばらくあなたの根本的な立て直し方針のきまるのを見守つていきたいと思います。しかしこの海運界の自粛ということはあとからでもできることですから、五月の二日まで会期はあることでありますし、私はその間にまたお尋ねする機会を持ちたいと思っております。いかに自粛されていくかということについては、なおこの点も後日に譲つておきたいと思います。  私はもっと聞きたいのですが、時間がありませんので、以上で海運問題の質問は打ち切ります。なお予定しておりましたせつかく建設省の政務次官徳安さんがお見えになっておりますが、これは建設省の関係もありますので、大臣でなくてけつこうですから、明日でも運輸省関係局長あたりに来てもらつて、そちらの方でお尋ねをいたしたいと思います。これで私は質問を終ります。
  240. 早稻田柳右エ門

    ○早稻田主査 これにて運輸省所管に対する質疑は一応終了いたしました。  明日は午前十時より建設省所管について質疑を行うことといたしまして、本日はこれにて散会いたします。     午後五時五十六分散会