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櫻井委員 地盤沈下の問題につきましては大体以上をもって私の
質問を終りますけれ
ども、再々申し上げますように、これは各省にまたがっております。建設、運輸、特に根本原因は私は通産にあると思う。従って、これは各省が個々に
考えられても解決点は見出せないのであります。おそらく新潟地区だけでなく、東京の江東あるいは大阪、尼崎等においても、地盤沈下現象に対する
政府の総合的な政策
——地下水のくみ上げであるということならそれを禁止する、禁止した場合に起きてくるガス化学工業をどうするか。こういう問題を総合的な
立場に立って一つ十分に御
研究願う。その場合、私はやはり大蔵
大臣の
考え方というものがこれを非常に左右すると思うのであって、たとえばかりに補助率を上げるというようなことが
考えられても、大蔵
大臣の方で反対されれば、こういうことはできない。特にこの地元の非常に悲惨な現状というものを十分御認識下さいまして、一月本早く総合的政策の上に立った対策を立てられんことを私は心からお願いをいたしまして、この地盤沈下の問題についての質疑を終了します。
次に、私は文部
大臣と、それから藤山さんに来ていただいたのは、外務
大臣としてではなく、私が今から
質問をいたします財団法人オリンピック後援会の
会長として御出席をお願いしたわけであります。
このオリンピック後援会の問題は、これはもう新聞紙等にもしばしば報ぜられておりまして、事新しくここに取り上げるほど目新しい問題ではございません。しかしながら、私はやはりこの
責任の追及というものは今日ゆるめてはならない。こういう確信のもとに、今日特にスポーツ振興を唱えておられる文部
大臣に、オリンピック後援会がもし任意団体だというなら、体育協会の監督的
立場にある文部
大臣の御所見を伺いたいのであります。
この財団法人オリンピック後援会というものは、御
承知の
通り、四年目ごとに開かれますところのオリンピック競技大会に選手を送る、あるいはアジア競技大会、各種の世界選手権大会に出場する選手を送るための資金を集める、こういう
趣旨のもとに設立されたところの団体でございます。これは今東京都知事に立候補しておられます東竜太郎氏が
会長であったところの、日本体育協会の外郭団体です。
昭和二十九年十一月に発足をいたしまして、
会長は今そこにおられる
藤山愛一郎さん、
理事長は平山孝、事務局長は佐藤昇、こういうふうな陣容でやってこられたのです。そして二十九年から大体三年くらいの期間に二億七千万円という金を募金しておられます。この募金の内容を見ますと、大口として特別競輪の寄付によるものが一億六千七百万円、オリンピック後援会地方支部の拠出が四千三百万円、それから一般募金が二千七百万円、
事業募金が二千七百万円、こういうものが大体大口の寄付のようでございます。そしてこれは資金集めでございますから、この団体は赤字が出るはずはない。ところがよく調べてみますと、この後援会は事実上四百万円の赤字を出しておる。こういうことで非常に問題になりまして、ついに三十三年の七月三十一日に、このオリンピック後援会なる団体は解散いたしておるのであります。しかもこの間において、この後援会の経理が乱脈をきわめておる。不正なる使い込みがある。こういうような世評が騒然といたしまして、このオリンピック後援会の内容を
検討するために、体協の田畑専務
理事、東専務
理事、それから松沢、保坂両
理事、監事高島、桜田、これら八人の方が清算人となりまして、二億七千万に上るところの、オリンピック後援会が集めた資金についていろいろと調査をなさってきたのでございます。そうしてこの清算人八人による調査の結果、昨年の十月の十二日でございますが、清算人会というものを開きまして、この募金運動費の項目のうちの五百五十万円のうちに受領証のないものが四百五十八万五千円、交際費の二千三百万の中で同じく受領証のないものが六百八十三万円、計千百四十一万五千円というものが使途不明のままどこかに消えておる。こういうことをこの清算人会は確認いたしました。そうしてこの三カ月にわたる調査の結果、昨年の十月三十日、評議員会を開いてそこにこのことを
報告いたしておるのであります。このことは、藤山
会長は十分御
承知だと思います。ところが、この評議員会においてこのことが非常に問題となりまして、いろいろこの後援会の規約等を
検討して参りますと、このオリンピック後援会の役員の任期というものは、規約によればすでに二年前に切れておる。現在の役員というのは架室の規約によるところの、正規の役員ではない。二年前にすでに任期が切れておる。こういうことが確認されておる。それから先ほどの八人の清算人の顔ぶれというものは、オリンピック後援会の
理事であり、監事であって、内部
関係者であるからして、ここに発表された千百四十一万という不正の使用額は、かりに正しく支出されたものであるとしても、同じ内部の人が清算をしておるのであるから、これは世人の誤解を受けやすい。こういうようなことが非常に問題になったわけであります。そうして役員の資格を
検討いたしました結果、先ほど申しました三十三年七月三十一日のオリンピック後援会の解散決議というものが法的に無効である、こういうことが確認をされたわけであります。しかも、このような事実が表面に出ましたために、やはりこのオリンピック後援会の不正事実は徹底的に追及しなければならない、こういうことで世間の納得のいく第三者によるところの調査
委員会を作って、これによって徹底的に一つ調査をしよう、こういうことで日本オリンピック後援会経理会計緊急調査
委員会、こういうものを作りまして早大総長の大浜さんを
委員長といたしまして、八人の
委員会によってこれが構成をされた。この
委員会が前後八回にわたる秘密会を開きまして調査を行いました。そうしてその結果三十三年の十二月二十二日に後援
会長あてにこの緊急調査
委員会は
報告書を提出をいたしておるのであります。この
報告書は、おそらく私は文部
大臣も目を通しておられることと思います。藤山
会長ももちろんこれは目を通されたことだと思うのでありますが、ここに私が非常に問題点とせざるを得ないのは、この緊急調査会が調査してそこで確認したという使途不明の不正な使い込みというものの額と、それから前のいわゆる内部
関係者だけによる清算人会が発表しましたところの金額とが全く一致しておるという事実であります。このことはこの
報告書の「第一調査
委員会の任務とその限界」というところに明記してあります。その調査
委員会の任務と限界はどのようなものであるかと申しますと、第一は、この緊急調査
委員会の「調査の対象となるべき資料についていえば、後援会備付の帳簿、受取証、諸伝票その他の文書と、
理事長、事務局長の
説明及び調査
委員の質疑に対する解答等を基礎としてこの調査が行われた」ということ、それ以外のことは手を伸ばしていない。「第二に、収支の費目の建て方、これに対応する計数の整理等会計の技術面については、ひとえに公認会計士の職業的良心と専門的能力を信頼し、その作成にかかる計算書類を基礎として調査を進めたということである。これ以上に調査の手を広げることは、この調査
委員会の性格上不可能のことである」こういうことをはっきりと前提といたしておるのであります。従って私は、この大浜さんを
会長とするところの緊急調査
委員会が確認したところの、一千九十二万六千四百十二円というこの不正使用、こういうものが果して正しいものであるかどうか。こういうふうに限界の中において調査されたのでありますから、これは氷山の一角であり、もっと大きなものがこの中に隠されておるのではないかということを、非常な疑念といたすものであります。そのことは、
あとで私はオリンピック後援会収支計算書を御
説明を申し上げますが、これは先ほど申しました公正認会計士の職業的良心と専門的能力によって作られたと称されておるものでありますが、この中にも実にでたらめの作成が多い。こういうことで、やはりこの緊急調査
委員会の調査
報告というものも、全面的にこれを信頼していいかどうか、こういう点についても私
どもは多分の疑念を有せざるを得ない。大体二億七千万円という募金に対しまして、膨大な八千六百万円の募金費、事務費が使われておる。これは藤山さんも御
承知の
通り。この点については、この八千六百万という膨大な募金費、事務費というものについては、一言もこの大浜さんの調査
委員会では触れていない。これは計理士がここに並べたままにこれを信頼して、その報借に基いてこの緊急調査
委員会というものは調査しておる。大体そのような八千六百万円のうち、先ほど言った千百万円が不正であって、残りの七千五百万円は正当である、こういうことを裏づける何らの根拠がない、こういうふうに判断せざるを得ない。たとえばこの後援会の収支計算書を見ますと、これはメルボン大会とアジア大会と
二つに分けてございますが、時間の
関係で、私はこの
二つを総合した合計額を申し上げます。街頭募金は両者を合せまして四百八十五万九千円何がしであります。これは街頭募金であります。ところが街頭募金の手数料はどうなっておるかというと百七十八万一千百八十一円、四百八十五万円の街頭募金をやるのに、街頭募金の手数料は百七十八万というから二百万です。ほとんど半分というものは街頭募金の手数料に使っておる。街頭募金というものは、大体一割が相場ときまっておる。これは五割でしょう。こういう収支計算書を、一体常識的に正当な収支計算書であるというふうに判断できるかどうか。こういうでたらめな
報告が、この収支計算書に基いて緊急
委員会が調査されておる。そういう点は幾つもございます。私は従って、この緊急
委員会が調査したところの収支計算書というものは、やはり会計士によって
あとで組み立てられたところの調査書であって、もっとそれは調査を進めていくならば、一千万円以上の不正な使途不明の支出があることは、これは今日世間の常識になっておると思うのであります。そこで私は、このようなでたらめのことをやっておるこの後援会の監督の
責任は、一体どこにあるのか、こういうことを文部
大臣にお聞きしたいわけでございます。あるいは文部
大臣は、これは任意団体であって、文部省の直接の監督下にない、こういうことを御
答弁なさるかと思うのでありますが、一応このオリンピック後援会の監督の
責任はどこにございますか。