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1959-03-31 第31回国会 衆議院 本会議 第33号
公式Web版
会議録情報
0
昭和
三十四年三月三十一日(火曜日)
—————————————
昭和
三十四年三月三十一日 午後三時 本
会議
—————————————
○本日の
会議
に付した
案件
米価審議会委員任命
につき
国会法
第三十九条
但書
の
規定
により
議決
を求めるの件
わが国
の
安全保障
と
憲法
問題に関する
緊急質問
(
清瀬一郎
君
提出
)
米軍
駐留
違憲
問題に関する
緊急質問
(
加藤勘
十君
提出
)
農林漁業基本問題調査会設置法案
(
内閣提出
)
厚生省設置法
の一部を改正する
法律案
(
内閣提出
)
社会福祉事業法
の一部を改正する
法律案
(
内閣提出
、
参議院送付
) へい
獣処理場等
に関する
法律
の一部を改正する
法律案
(
社会労働委員長提出
)
公共工事
の
前払金保証事業
に関する
法律
の一部を改正する
法律案
(
内閣提出
、
参議院送付
) 午後六時六分
開議
加藤鐐五郎
1
○
議長
(
加藤鐐五郎
君) これより
会議
を開きます。 ————◇—————
加藤鐐五郎
2
○
議長
(
加藤鐐五郎
君) お諮りいたします。
内閣
から、
米価審議会委員
に本
院議員赤路友藏
君、
国内田常雄
君、同
笹山茂太郎
君、同
八木一郎
君、
参議院議員堀本
宜実君及び同森八三一君を任命するため、
国会法
第三十九条
但書
の
規定
により本院の
議決
を得たいとの
申し出
があります。
右申し出
の
通り
決するに御
異議
ありませんか。 〔「
異議
なし」と呼ぶ者あり〕
加藤鐐五郎
3
○
議長
(
加藤鐐五郎
君) 御
異議
なしと認めます。よって、その
通り
決しました。 ————◇—————
松澤雄藏
4
○
松澤雄藏
君
緊急質問
に関する
動議
を
提出
いたします。すなわち、この際、
清瀬一郎
君
提出
、
わが国
の
安全保障
と
憲法
問題に関する
緊急質問
を許可されんことを望みます。
加藤鐐五郎
5
○
議長
(
加藤鐐五郎
君)
松澤
君の
動議
に御
異議
ありませんか。 〔「
異議
なし」と呼ぶ者あり〕
加藤鐐五郎
6
○
議長
(
加藤鐐五郎
君) 御
異議
なしと認めます。
わが国
の
安全保障
と
憲法
問題に関する
緊急質問
を許可いたします。
清瀬一郎
君。 〔
清瀬一郎
君
登壇
〕
清瀬一郎
7
○
清瀬一郎
君 私は、ここに、自由民主党を代表いたしまして、
憲法
第九条の
自衛権並び
に
安全保障条約
の
効力
に関する二、三の
質問
を試みたいと存じます。
憲法
第九条の
解釈
としましては、
わが国
に
自衛権
を認めたものであるか、また、
自衛
のためには
戦力
が持てるのかどうか、この問題は
吉田内閣
以来、たびたびの
国会
で、すでに問題と相なっております。過去約十年間の院内、院外の論争並びに種々なる
研究
の結果は、ここ数年来は、大体、国論の帰趨は統一されたように感ずるのであります。(
拍手
)すなわち、当時は
自衛
のための
戦力保持
に絶対に反対しておられた論者も、今日では
自衛隊
の全廃は唱えないで、その規模の縮小をなすべしという
議論
に変っておるのであります。しかるに、本日ここに
政府
に向ってこの問題を提起してその信念を問う必要が起りましたのは、きのう、
東京地方裁判所
の
刑事
第十三部におきまして、
わが国
が
自衛
のための
戦力
を持ち得ることを否認して、また、
わが国防衛
の
目的
で
外国軍隊
の
わが国
に
駐留
することを許すところの
条約
は
憲法
第九条第二項において
わが国
に
戦力保持
を禁じた
規定
に反する旨の
判決
をしたのであります。この
情勢
にかんがみまして、ここに
政府
の
所信
を明らかにして
国民
の疑惑を除く必要があると感じ、この問題を提起したのであります。(
拍手
)
わが国
の
憲法組織
は、言うまでもなく、三権分立でございます。しかして、
司法裁判所
にありましても、各
審級
の
裁判官
は、おのおの
独立
した
立場
で
担当事件
を
審理
、
判決
するのであります。それ
ゆえ
に、第一審の
裁判官
がいかなる
裁判
をしようとも、これに対する上訴の道もあります。また、
憲法
解釈
問題については、
最高裁判所
がこれを
決定
する権限を持った
終審裁判所
でございます。かような次第でございまするから、私は、ここで、
東京地方裁判所
の
判決理由
につき、あまり深く批評はいたしません。後日きまることであります。ただ、この
判決理由
なるものを、少しくここで分析してみたいと思います。 この
判決理由
は、大
よそ二つ
の
考え
から組み立てられておるのであります。その
一つ
は、次のような
理論
であります。すなわち、
憲法
第九条の
解釈
は、
憲法
の
前文
にありまする文字、すなわち、
政府
の行為によって再び
戦争
の
惨禍
が起ることのないようにしたい、この
前文
からきておるというのであります。しかしながら、
自衛
の
目的
のために
兵力
を持たないということが、果して
戦争
の
惨禍
をなくする効果がありましょうか。(
拍手
)将来の理想的な
平和世界
が成立した暁は別でございますが、現実の今の
世の中
において、
防備
の少いこと、また、
防備
を欠除しておるということは、かえって
外国
よりの
侵略
を誘致する原因となるのでございます。(
拍手
)その実例は、ほとんど枚挙にいとまがございません。この条理を
裁判官諸公
は一体
考え
た上で
裁判
をなさったのかどうか。これが私の
疑い
の
一つ
でございます。(
拍手
) この
裁判
のもう
一つ
の
理論
は、こういうのであります、もし
わが国
が
外部
から
武力攻撃
を受けた際には、
合衆国
は
日本
の要請に応じて
日本国内
に
駐留
する
軍隊
を使用する
可能性
がすこぶる大きい、これは
判決
の文章でございます。このことは
行政協定
の第二十四条でもわかる。
行政協定
二十四条は、
米軍
と、出動の際に、
共同措置
をとる場合に協議をしろという条文であります。このように、
わが国
に対する
外部
からの
武力攻撃
に対して、
自衛
のために
米国軍隊
を使用するつもりでその
軍隊
の
国内駐留
を認めるということは、実質的に
日本
が
陸海空軍
その他の
戦力
を保持するという
意味
になる、こういうことを言っておるのであります。それ
ゆえ
に、この
駐留
を許す
条約
は、わが
憲法
上、
存在
を許すべからざるものである、これが
裁判所
の理屈であります。 しかし、
東京地方裁判所
がみずから引用する
憲法
の
前文
にどうありますか。
憲法
の
前文
には、
わが国
の
生存保持
、すなわち、
自衛活動
について
規定
しておるのであります。「平和を愛する諸
国民
の公正と信義に信頼して、われらの安全と
生存
を保持しようと決意した。」と宣言しておる。
日本
の
独立
と安全を保持するために、
他国
が国費を使用し、子弟を送り、
わが国
に兵を
駐留
させるということは、この精神でございまして、
現行安保条約
第一条においても、この趣旨が明白にうたわれております。(
拍手
)すなわち、
駐留
した
兵力
は
日本
の
安全保障
のために使用するけれども、これを保持するのは
米国自身
でございます。
日本
ではございません。このくらいきわめて明白な道理がわからないのでありましょうか。(
拍手
)
東京地方裁判所
の諸君は、今の
世の中
で、自国の
防衛力
を持たず、
他国
の援助もからず、徒手空拳、裸一貫で
独立
と平和を保っていけると思っておられるのでありましょうか。(
拍手
)まことに不思議なことであります。(
拍手
)かく論じますると、
裁判官
の
諸公
は、
政策論
であって
法理解釈論
でないといわれるかもわかりません。しかし、問題の
憲法
も、
安全保障条約
も、現在の
世の中
の
情勢
中にあって成立したものであります。(
拍手
)現在の
世の中
を見ないでは
解釈
はできません。 元来、
憲法
第九条第一項は、
不戦条約
の
規定
と同じく、
侵略戦争
の発生を防止するために設けられたのでございます。
わが国
を
侵略
してきた
他国
がある場合に、
自己
を
防衛
してはならぬというような
規定
は、
憲法
には少しも含まれておりませんよ。(
拍手
)それ
ゆえ
に、
憲法
の
規定
は、
侵略戦争
に対抗するために
自衛
をする、この
目的
で
兵力
を保持しておるということは、当然認めておることでございます。(
拍手
、発言する者あり)
東京地方裁判所
は、このような根本的な問題には何も触れず、ただ、前述のご
とく
、狭い
見解
を立てて
判決
をいたしておるのでございます。それ
ゆえ
に、
政府
は、この際、
わが国
の
自衛権
の
存在
、
自衛
のための
戦力保持
及び
安全保障条約
の
憲法
上の
効力
に関して明確なる意思を表明せられ、
世の中
の
疑い
を解かれんことを望みます。(
拍手
) 次に、
さき
に述べましたご
とく
、きのうの
東京地方裁判所
の
判決
は多数ある
日本
の
裁判所
の
一つ
で出した
判決
でございます。
昭和
二十七年から
昭和
三十三年に至るこの七年間に、
刑事特別法
の違反で起訴された
案件
は約五百件でございます。そのうちのほとんどすべては、
地方裁判所
で
有罪
の宣告を受けております。また、うち三件は、
高等裁判所
でも
有罪
の
判決
を受けております。(
拍手
)これらの
判決
は、すべて、
刑事特別法
が
違憲
ではないということを
前提
として出た
判決
でございます。(
拍手
)また、
社会党
の方にも御
研究
を願いたいのでありますが、最も参考となるのは
昭和
三十年三月三日に、
最高裁判所
が、
日米安全保障条約
第三条に基く
行政協定
第十七条にいう
公務執行
中というのは、
公務執行
の
過程
におけるという
意味
であって、これは
安全保障条約
なり
行政協定
を、
憲法
上有効であるという
前提
のもとに出した
判決
でございます。(
拍手
)また、近くは、本年二月六日に、
最高裁判所
第三小
法廷
においても、
安全保障条約
第三条に基く
行政協定
の第十七条九項(f)の有効なることを認めた
判例
が出ておるのであります。それ
ゆえ
に、このたびの
判決
は必ず
上級審
において是正される
運命
を持っているものでございます。 しかしながら、
国内
の
情勢
を見ますると、
防衛
問題、わけても基地問題について、いろいろな運動や宣伝が行われておりまするから、前記の
判決
は、すみやかにこれを是正する必要があるのでございます。かような
判決
で
国民
が幾分でも動揺することがあってはなりませんから、すみやかに
確定
せしめる
方法
といたしましては、
刑事訴訟規則
二百五十四条によって、
控訴審
の
審理
を省いて、直ちに
最高裁判所
に
上告
するのがよかろうと思います。(
拍手
)世間ではこれを
跳躍上告
と申しておりまするが、
跳躍上告
を受けましたら、
最高裁判所
はほかの
事件
に優先してこれを審判するのでありまするから、比較的早く解決すると思います。
法務大臣
はどうか、すみやかにこの
方法
を
研究
し、採用せられんことを求めます。この点に関する
法務大臣
の御
見解
を伺います。 終りに、以上のご
とく
、
東京地方裁判所
のきのうの
判決
は、はなはだ
理由
薄弱であり、また、従前の
最高裁判所
の
判例
にも違反しております。だから、結局は是正さるる
運命
を持っておりますが、しかし、一部の者は、この未
確定
の
判決
をもって政争の具に供せんとするきざしを見せておるのであります。(
拍手
、発言する者あり)現在
政府
が
交渉
中の
安全保障条約
の
改定交渉
を休めといったようなことは、やはり、これはどうもこの
判決
を
政治
に利用するという下心としか見えません。(
拍手
)このたびの
判決
が
日米交渉
やその他
一般政治
の運営に害を及ぼすようなことがあっては、まことに国のために不幸でございまするから、
政府
はかたき決心を持って
日米交渉
を進行すべきものであると存じます。(
拍手
)決してひるんではなりません。この点に関する
政府
の所見を求める次第でございます。(
拍手
) 〔
国務大臣岸信介
君
登壇
〕
岸信介
8
○
国務大臣
(
岸信介
君)
お答え
をいたします。 第一点は、
憲法
九条の
解釈
に関する問題であります。この点につきましては、すでに、
国会
を通じて、
政府
の
解釈
は終始一貫して明瞭にされております。すなわち、
憲法
九条のいわゆる
戦力放棄
の
規定
は、
独立国
が、他からの
侵略
に対して、みずからこれを排除して
自衛
を全うするという、
自衛権
を否定したものではないという
解釈
に立って、この
自衛
のために必要な
最小限度
の実力を持つことは、いわゆる九条第二項において禁止しておるこの
戦力
の問題には触れないのである、こういう
解釈
を一貫して持っております。この
解釈
に基いて、今日、
自衛隊法
が作られ、
自衛隊
が設けられ、また、
日本
の安全を確保するために
日米
の間に
安保条約
が締結され、それに基くところの
行政協定
並びにその
規定
に基いて
刑事特別法
が出ておるのであります。これらの
一連
の
条約
、
協定
、
法律
はいずれも当然有効であるという
確信
に立っておるものでございます。(
拍手
) 昨日、
東京地方裁判所
において行われました
判決
は、言うまでもなく、第一審の
判決
でございまして、これに対しては、
控訴
、また
跳躍上告
と称せられる
上告
の
方法
がございます。
最後
の
決定
は、
最高裁判所
の
決定
によってきまるものであることは、言うを待ちません。私は、
政府
は、この
判決
とは違った
見解
を、先ほど申し上げましたように、従来もとってきておりますし、今日も
確信
を持ってとっておるわけでございますから、この第一審の
判決
に対しましては、さらに二審、三
審等
の
措置
が講ぜられることは当然でございまするが、今御
質問
にありました
跳躍上告
の
方法
によるか、普通の
控訴
の
方法
によるかにつきましては、至急に、慎重に検討をした後に、これを
決定
したいと存じます。
最後
に、この
最後的決定
がされるまでの間は
安保条約
の
改定等
は差し控えろというような
議論
があるが、
政府
はどう
考え
るかということであります。私どもは、先ほど来申し上げておる
通り
の
確信
に立っておりますので、一切そういうふうな
安保条約
の
改定等
を停止するというような
考え
は持っておりません。従来の既定方針
通り
進むつもりでございます。(
拍手
) 〔
国務大臣愛知揆一君登壇
〕
愛知揆一
9
○
国務大臣
(
愛知揆一君
) ただいま
総理
から
お答え
をいたしましたように、
政府
は、従来から、
安全保障条約
、
行政協定
、
刑事特別法
は
憲法
に違反するものではない、
合憲
であると
確信
してきたものでございます。ただいま御指摘のございましたように、数百に上る
裁判例
もこれと全く同一
見解
に立つものと私は信じます。今回の
東京地方裁判所
の
判決
は、こうした観点から、
政府
の
見解
と全く異なるものでございまして、絶対に承服することはできません。(
拍手
)
検察官
におきましては、従来の多数の
判例
と同じく、これらの
条約
、法令は
合憲
であると
主張
して参ったものでございまするし、今回の
砂川事件
の
法廷
におきましても同様の
主張
をして参っておるのでございます。従って、本問題について
政府
と
検察官
の
主張
は全く一致しておるわけでございます。本
判決
に対する
措置
をいかにするかということにつきましては、
判決
を十分に検討いたしました上、早急に
決定
いたしたい所存でございます。 なお、ただいまお尋ねがございました
通り
、
検察官
としての不服の申し立ての
方法
は、通常の
控訴
と、いわゆる
飛躍上告
の
二つ
の
方法
がございます。そのいずれをとるかにつきましても、すみやかにきめたいと
考え
ております。本問題の性質にもかんがみまして、ただいますみやかに
最高裁
の判断を仰いで法的安定をはかれという御説は、まことに傾聴すべき御意見と存じます。(
拍手
)十分考慮いたしまして善処いたしたいと存じます。(
拍手
) 〔
国務大臣藤山愛一郎
君
登壇
〕
藤山愛一郎
10
○
国務大臣
(
藤山愛一郎
君)
総理大臣
並びに
法務大臣
の御
答弁
されました
通り
の
見解
に立っておりますので、私といたしましては、
外交交渉
を中絶することは
考え
ておりません。(
拍手
) ————◇—————
米軍
駐留
違憲
問題に関する
緊急質問
(
加藤勘
十君
提出
)
松澤雄藏
11
○
松澤雄藏
君
緊急質問
に関する
動議
を
提出
いたします。すなわち、この際、
加藤勘
十君
提出
、
米軍
駐留
違憲
問題に関する
緊急質問
を許可されんことを望みます。
加藤鐐五郎
12
○
議長
(
加藤鐐五郎
君)
松澤
君の
動議
に御
異議
ありませんか。 〔「
異議
なし」と呼ぶ者あり〕
加藤鐐五郎
13
○
議長
(
加藤鐐五郎
君) 御
異議
なしと認めます。
米軍
駐留
違憲
問題に関する
緊急質問
を許可いたします。
加藤勘
十君。 〔
加藤勘
十君
登壇
〕
加藤勘十
14
○
加藤勘
十君 私は、
日本社会党
を代表して、このたび
東京地方裁判所
において
砂川事件
に関する
刑事特別法被疑事件
に対して
無罪
の
判決
を言い渡したことに関し、この
判決
が
政治
的に及ぼす
影響
の重大なことについて
政府
はどのように
考え
ておられるのか、
政府
の
所信
をお尋ねいたしたいと存じます。(
拍手
) この
判決
は、言うまでもなく、第一
審裁判所
の
判決
であって、
最高裁判所
における
確定判決
ではないが、同時に、また、学者の単なる論文ではなく、
政治家
の
政治論
でもない。たとい第一審とはいえども、
立法権
、
行政権
とは完全に
独立
している
司法権
によって、明確なる
法理論的立場
に立った断定であります。(
拍手
)しかして、この
判決
は、
憲法
第九条に関する
政府
のこれまでの
解釈
を根底からくつがえす重大なる
性格
を持ったものであります。(
拍手
)
政府
は、これまで、ほしいままに、独善的に
憲法
第九条を
解釈
して、
自衛
のためならば
戦力
を保持しても
違憲
でないと強弁して、
違憲論
を
主張
する正論を、
国会
の多数横暴の力で横車を押してきたのであります。しかして、
政府
は、最近において、おそるべき核兵器を持つことすら
合憲
的であるかのご
とく
に強弁しているのであります。
政府
によれば、
憲法
第九条の
規定
はあれどもなきにひとしく撹乱されているのであります。
憲法
は、言うまでもなく、国の骨格をなし、国の
性格
を
規定
する
根本法
であります。
言葉
をかえていえば、国の
生命
ともいうべき
法律
である。この国家の
基本法
を、時の
政府
が、与党の多数を頼んで自分勝手な
解釈
をし、
違憲
をほしいままにして、
法秩序
をみずから乱しているようなことでは、
国民
の間に
法秩序
を軽視する
風潮
を生ずるのは当然であります。この点に対しても、
政府
の
責任
は重大であるといわなければなりません。悪盛んにして天に勝つという
言葉
がありまするが、
岸内閣
の
憲法
第九条を意識して曲解しているありさまは、まさに、この
言葉
にふさわしいものがある。(
拍手
)しかし、結局は、邪は正に勝てずであります。このたびの
東京地裁
の
判決
は、悪をほしいままにしている
岸内閣
に対して、まさに
一大鉄槌
を下したものであるといわなければなりません。(
拍手
)もし、この
判決
が
確定
したとすれば、今まで
政府
がほしいままに行なってきた、
憲法
第九条から生まれた一切の
施策
、すなわち、
防衛
庁も、
自衛隊
も、また、
日米安全保障条約
及びこの
条約
から生まれたすべての
施策
は、抹消されなければならないのであります。(
拍手
)このような重大な
影響
を持つ、このたびの
判決
に対して、
政府
はどのように
考え
、どのように対処せんとするのか、
政府
の
所信
を明らかにしてもらいたいと思います。(
拍手
) おそらく、
政府
は、今の
清瀬
君の
質問
に対する
答弁
でも言われましたように、この
判決
は、第一審の
判決
で、
最高裁
による
確定判決
ではない、まだ
裁判
の進行中であるといって、ほおか
ぶり
をして逃げるつもりであるかもしれません。また、
政府
は、過去において
刑事特別法
に関する
被疑事件
は数十件の多きを数えているが、いずれも
刑事特別法
の
合憲性
を是認していると言いのがれようとするかもしれない。なるほど、
政府
の言う
通り
、
刑事特別法被疑事件
は数多く発生しているが、過去のものは、この
基本
に触れることをおそれるかのご
とく
、単に
事犯
の現象のみを論じていたものであって、今回のご
とく
、
憲法
の
本質
に触れて深く掘り下げて
判決
されたものではなかったのであります。(
拍手
)今回の
判決
は、過去の同様な
事犯
についての
審理
を十分考慮した上で、厳粛に
憲法
の
本質
を究明して行われた
判決
であります。(
拍手
) ことに、
砂川事件
についてこの
判決
が行われたことは、一そう意義深いものがあるのであります。すなわち、砂川問題は、数多い基地問題の中でも最も代表的なもので、今日なお係争中のものであります。そして、相当
長期
にわたって戦われてきたために、しばしば流血の惨事をさえ演じ、天下の耳目を集めた
事件
であることは、今日なお
人々
の記憶に新たなるところであります。その
長期
の争いの
過程
において、幾つかの
刑事
、民事の
裁判
問題を発生せしめたことも、周知の事実であります。中でも、このたび
無罪
の
判決
を言い渡された
刑事特別法被疑事件
は、
米軍
の
基地施設
内に侵入したという点において、一そう
人々
の視聴を集めたものであります。こうした社会的に注目された
事件
に対する
判決
である。私は、
裁判官
の見識と勇気とに敬意を払うと同時に、この
判決
が何人によっても尊重さるべきものであることを
確信
するものであります。(
拍手
)
岸首相
は、
参議院
の
予算委員会
における
質問
に答えて、
安保条約改定交渉
について従来の方針を変える必要がないと答えているようだが、もし、そうとするならば、
政府
は、みずから
司法権
の
権威
を軽んずるものであるという非難を甘受しなければなりません。(
拍手
)また、もしこれを尊重するというならば、当然に、この
判決
の示すところによって、
最終判決
の出るまで、一時的にもしろ、
安保条約改定交渉
の中止、
防衛分担金支出
の
保留——
この
防衛分担金
の
保留
は当然に
予算執行
上に重大な
影響
を及ぼすのでありまするから、
予算
の補正問題が起ってくることは当然であります。この点に対しても、私は
大蔵大臣
からその
所信
をお伺いいたしたい。(
拍手
) さらに、今
国会
で
審議
中の
防衛
二
法案
の
撤回等
の
具体的措置
が講じられなければならないわけである。
政府
は、
司法権
を尊重して、
法秩序
を守って、
国民
の
順法
に対する範を示すか、もしくは、
自己
の曲解を強調して
司法権
を軽視し、
国民
の
順法
に対する軽視の
風潮
を助長するか、
政府
はそのいずれの道を選ぼうとするか、明確に答えてもらいたいのであります。(
拍手
) これらの問題は、どの
一つ
を取り上げても、
政府
にとっては致命傷となるものであって、
政府
の心情は察するに余りあるものがありまするが、
憲法
の
正当性
を守るために、
内閣
の
一つ
や
二つ
倒れてもやむを得ないのであります。(
拍手
)
憲法
は、
さき
にも言うがご
とく
、国の
生命
にもひとしい
法律
である。今日まで、
憲法
第九条の
解釈
をめぐって、明らかに
違憲論
と思われる
論議
が数の暴力を背景として横行し、あたかも
違憲論
が
合憲論
のご
とく
にさえ扱われ、
国民
をして錯覚を起させるようなことも少くなかったのであります。もちろん、わが
社会党
は、
憲法
を守り、
平和日本
、
民主主義日本
を建設するために、みじんの容赦もなく戦ってきたのであります。
安保条約
、
MSA協定
の締結に対してはもとより、
安保条約
から生まれた
行政協定
及び
行政協定
から生まれた
刑事特別法
、
MSA協定
から生まれた
秘密保護法等
、
一連
の
関係法律
、並びに
自衛
のためと称して
日本
を再軍備せんとする
保安隊
、
自衛隊法等
に対しては、断固として戦ってきたのであります。ときには
司法権
の
裁判
を求めんとして提訴したのであったが、
日本
には
憲法裁判所
の
規定
がないからという
理由
で、この
目的
を達することができなかったのであります。しかるにこのたび、ようやくにして、
砂川事件
の
刑事特別法被疑事件
という具体的問題の
審理
に当って、
地方裁判所
でもって
憲法
の
本質
に触れる
審理
が行われて、初めて
憲法
第九条の
本質
が
司法権
によって
国民
の前に解明されたのであります。(
拍手
) しかも、
判決
は、
国民
に一点の疑念を起さしめないよう、「単に文言の
形式的把握
にとどまったり、
合衆国軍隊
の
駐留
は
わが国
が
軍事的真空状態
になることを防ぐためにやむを得ない手段であるとする
政策論
によって左右されてはならないことはもちろんである」と明確に断定しているのであります。(
拍手
)さらに、
判決文
は、これまで結論を得られなかった
憲法
第九条の
戦力保持
についての
合憲
、
違憲
の
論議
に対しても、一点の疑義を差しはさむ余地のないまでに論断をしているのであります。しかして、この
判決文
の明示するところは、
ひとり地方裁判所
の
判決
というばかりでなく、一たびこの
判決
が伝わるや、疾風のご
とく
に
一大反響
を呼び起し、
国民
の非常な共感、同調するところとなったのであります。(
拍手
)少しく声を大にして言うならば、
国民
は、この
判決
を聞いて、ほっと安堵の胸をなでおろしたのであります。(
拍手
)
岸内閣
の
自衛
の名による
無軌道ぶり
の再
軍備増進策
は、心ある
国民
を非常な不安に陥れていたのであります。それ
ゆえ
にこそ、この
判決
が一そうの
権威
を有し、価値を高めるのであります。
政府
は、このように
国民
多数の共鳴を得た
判決
に対し、依然として、
自己
の
政治責任
をおそれるあまり、
司法権
の
権威
を軽んじようとするのか、この点、明白なる
答弁
を願いたいのであります。(
拍手
) かって、
アメリカ
の
大統領ルーズヴェルト
は、一九三二年、
フーヴアー大統領
の跡を受けて就任したのであったが、当時の
アメリカ
は極端な
世界的恐慌
のどん底に沈淪し、非常な社会不安に襲われていたのであった。そのとき、彼は、恐慌克服策として新たにニュー・ディール政策を採用して大いに社会政策を行い、失業者問題を初め、社会不安の一掃に努めた。彼の業績は相当の効果を上げたのであったが、一九三五年に至って、そのうちのある種の
法律
が
違憲
に問われ、
最高裁判所
で
違憲
の
判決
を受けたのであった。このとき、ルーズヴェルト大統領は、未練げもなく、いさぎよく法に服して、その中心政策であったニュー・ディール政策を変更したのでありました。(
拍手
)このことは、かえって大衆の大きな信頼と支持をかち得たのであった。
大統領ルーズヴェルト
が、四選という、
アメリカ
の歴史上類例のない信頼を博し得たのは、法の
権威
に服する率直性があったが
ゆえ
ではありませんか。私は、
岸首相
に対し、ルーズヴェルト大統領のまねをせよと言うものではないが、
行政権
の首班に立つ者として、三権分立の国権を重んずる上からも、当然に
司法権
の
権威
を尊重し、それにふさわしい態度をとるべきではないかと思う。(
拍手
)すなわち、もしこの一審
判決
が
最高裁
で是認されたとしたならば、その場合において、いかにして
責任
をとるか、その点についても明確なる
答弁
を願いたいのであります。(
拍手
)
政府
の
憲法
第九条に関するもろもろの
施策
に対し、
司法権
によって、これまで例を見ない明確さをもって
違憲
の
判決
がなされたのであるから、たとい
最高裁
の最終
決定
がなされるまでの過渡的な
措置
とはいえ、
違憲
を
決定
された諸般の
施策
を一時中止すべきことが、最も
憲法
に忠実なる
ゆえ
んであると思うが、
政府
はこの点に対してどのように
考え
ておるか、はっきり答えてもらいたい。 あるいは、
政府
は、
憲法
第九十八条二項を持ち出して、
条約
を順守しなければならないことを強調するかもしれない。もちろん、われわれといえども、正常に、対等に締結された
条約
であるならば、国際信義の上から、当然にこれを順守するにやぶさかなものではないのであります。しかし、
安保条約
は、たれが見ても不平等きわまるものであり、
日本
の
憲法
に明らかに相反するものである。それ
ゆえ
にこそ、この
判決
となって現われたのであります。われわれは、同じく
憲法
九十八条一項の精神からと、第九条の正当なる
解釈
から
安保条約
の違法性を
主張
するもので、相手国の
アメリカ
に対する
政治
的
責任
と、
国民
を著しく混乱に陥れた重大なる
責任
、当然に
岸内閣
が負うべきものである。(
拍手
) 今、
政府
は、
国民
多数の反対を押し切って、具体的に
安保条約
の改定について
アメリカ
側と
交渉
を進めつつある最中である。そのさなかに、この
判決
がなされたのであります。偶然というにはあまりにも皮肉で、かつ合理的である。天は
岸内閣
に適当な逃げる機会を与えてくれたものである。(
拍手
)
政府
は、再軍備への妄執を断ち切り、いさぎよくその地位を退くべきであると思うが、
岸首相
の
所信
はいかん。率直に答えてもらいたいのであります。(
拍手
) 〔
国務大臣岸信介
君
登壇
〕
岸信介
15
○
国務大臣
(
岸信介
君)
お答え
をいたします。 第一に、昨日下されたこの
東京地方裁判所
の
判決
の
政治
的
影響
いかんという点に対する御
質問
であります。従来、同様に、この
刑事特別法
に関する
事件
は多数起訴されておりまして、これを有効としての
前提
のもとに幾つかの
判決
がされ、また、それが
確定
したのがあります。すでに、この
砂川事件
につきましても、昨年も、
東京地方裁判所
におきましては、やはり
行政協定
に基くところの土地等の使用等に関する特別
措置
法の有効を
前提
として
判決
したものもございます。従ってそういう際に、それらの
判決
と違った
判決
が
一つ
出たからといって、また、それは第一審の
判決
でありまして、
日本
の司法制度をよく御承知の皆様もおわかりのように、それが
確定
したものではないのでありまして、それをもって今日非常な
政治
的
影響
があるがご
とく
考え
ることの方が、私は、間違いである、まだそういうことを論ずべき時期ではないと思います。 次に、この
判決
に対する
政府
の
所信
いかんということの御
質問
であります。先ほど来申し上げておる
通り
、
憲法
九条に対する
解釈
は従来、
政府
が
国会
を通じて明確に申し上げており、先ほど
清瀬
君に対して私が
お答え
をした
通り
であります。私どもは、そういう
解釈
に立っておりますから、この
判決
に対しましては、なお、一審の
判決
として、これに対する不服の申し立ての
方法
等について、十分に、慎重に
研究
して、その処置をとる
考え
でございます。 次に、少くとも、これが最終的に
最高裁
できまるまでの間は、あるいは
安保条約
の改定の問題であるとか、いろいろな
憲法
九条に関係したところの問題は、これを差し控えるべきじゃないか、これをしないことは
司法権
の軽視ではないかという御
質問
であります。しかしながら、先ほど来申し上げておる
通り
、この
判決
はただ単に一審の
判決
ということにとどまっておりまして、もちろん、これらの
憲法
の
解釈
に関しましては、いろいろな学説であるとか、いろいろな人の説であるとか、あるいは
裁判所
の
判決
等も、
政府
としては十分に、慎重に検討し、
研究
すべきことは当然でございます。しかしながら、そういう
研究
の上に立って、われわれは依然として
政府
の
所信
が正しいという
確信
に立っておりますから、
政府
としてやるべき
安保条約
の改定やその他の問題につきましては、われわれは、これを停止するとか差し控えるというような
考え
は持っておりません。それが決して
司法権
の軽視ということにはならないのであります。(
拍手
) また、この点に関して
大蔵大臣
に御
質問
がございましたが、
大蔵大臣
がこの席におりませんから、かわって私から
お答え
をいたします。 それは、
防衛分担金
の支払いをやめて、これに対して、この
予算
を修正するとか、あるいは補正
予算
を出すべきではないかという御
質問
でございますが、
政府
としては、そういう
考え
は持っておりません。(
拍手
) それから、さらに、
アメリカ
のルーズヴェルトの例をお引きになりまして、三権分立の建前から、やはり行
政府
は
司法権
の
決定
に対してこれを尊重しなければならぬというお話でありましたが、お話の
通り
、これも
アメリカ
において
最高裁
の
判決
があり、
憲法
の
解釈
としての最高の
決定
的な
判決
がありましたから、行
政府
としても、それに従って
法律
の廃止その他の手続をとったのであります。当然、三権分立の建前といい、また、
日本
の
憲法
の建前からいいまして、
憲法
の
解釈
について
最後
の
決定
をするものは
最高裁
でありまして、それにおいてきまったことは、もちろん、行
政府
におきましても、これを尊重して、適当な
措置
をとることは当然であります。しかし、現在はまだ第一審の
判決
があったばかりである。それも、従来問題になっておる
刑事特別法
、また、その
前提
である
行政協定
や
安保条約
というようなものは当然有効としてやられたものが非常にたくさんありまして、ただ
一つ
、こういう、それに反した例が出ておるということでございますから、これをもって、直ちに、
政府
が従来の方針を変えるとか、あるいは
政府
として当然やらなければならぬことを差し控えるというようなことは、これはもちろん
責任
上すべきものじゃないことは言うを待たないのであります。(
拍手
) 〔
国務大臣愛知揆一君登壇
〕
愛知揆一
16
○
国務大臣
(
愛知揆一君
) 特に私に対する御
質問
というものはなかったようでございます。先ほど、
清瀬
議員の御質疑に対しまして、私の所見は明白にいたしましたので、御了承願いたいと思います。(
拍手
) ————◇—————
松澤雄藏
17
○
松澤雄藏
君 議案上程に関する緊急
動議
を
提出
いたします。すなわち、この際、
内閣提出
、
農林漁業基本問題調査会設置法案
、
厚生省設置法
の一部を改正する
法律案
、右両案を一括議題となし、委員長の報告を求め、その
審議
を進められんことを望みます。
加藤鐐五郎
18
○
議長
(
加藤鐐五郎
君)
松澤
君の
動議
に御
異議
ありませんか。 〔「
異議
なし」と呼ぶ者あり〕
加藤鐐五郎
19
○
議長
(
加藤鐐五郎
君) 御
異議
なしと認めます。
農林漁業基本問題調査会設置法案
、
厚生省設置法
の一部を改正する
法律案
、右両案を一括して議題といたします。委員長の報告を求めます。
内閣
委員会理事高橋禎一君。 ………………………………… ………………………………… 〔高橋禎一君
登壇
〕
高橋禎一
20
○高橋禎一君 ただいま議題となりました両
法案
につきまして、
内閣
委員会における審査の経過並びに結果を御報告申し上げます。 まず、
農林漁業基本問題調査会設置法案
について申し上げます。 本案の要旨は、農林漁業の生産力が戦後著しく増大したのにもかかわらず、他の産業との間の所得の格差がなお相当の開きを示している実情にかんがみ、農林漁業と他産業との均衡ある発展を確保し、農林漁業における生産性の向上と所得の増大をはかるため、
内閣
総理大臣
の諮問に応じ農林漁業に関する
基本
問題を調査
審議
することを任務とする農林漁業
基本
問題調査会を
総理
府の付属機関として二年間設置しようとするものであります。 この調査会は、委員三十人以内で組織し、特別の事項を調査
審議
するため必要があるときは臨時委員二十人以内を置くことができ、これらの委員はいずれも学識経験者のうちから
内閣
総理大臣
がこれを任命することといたしております。 本案は、一月三十一
日本
委員会に付託され、二月三日
政府
より提案
理由
の説明を聴取し、自来、慎重
審議
の結果、本日質疑を終了いたしましたところ、高橋委員より、四月一日の施行期日を公布の日と改める自、社両党の共同修正案が
提出
され、討論を行わず採決の結果、全会一致をもって修正案の
通り
修正
議決
すべきものと
決定
いたしました。 なお、本案に対しまして、岡崎委員より自、社両党共同の附帯決議案が
提出
され、全会一致の
議決
を見たのであります。 次に、これを朗読いたします。 附帯決議 本調査会の使命の重大性に鑑み
政府
は本法実施に当って特に左記事項に関して遺憾無きを期すべきである。 記 一、調査会委員の選任に当っては広く学識経験者の衆知を集約し得る様慎重に配慮し、荀しくも特定の
政治
的
立場
に偏するが如き構成を厳に排すること。 一、本法の有効期間内に
政府
において農林漁業に関する
基本
政策を立法化することを目図として、これに必要な答申を可及的短期間内に為し得る様作業を進めること。 一、
政府
は調査会の答申を尊重して、これを立法化すると共に必要な財政
措置
を講ずること。 右決議する。 次に、
厚生省設置法
の一部を改正する
法律案
について申し上げます。 本案の要旨は、第一に、
国民
年金制度の実施に伴う事務機構を整備するため、新たに厚生省に年金局を設置するとともに、
国民
年金事業に関する重要事項を調査
審議
する機関として
国民
年金
審議
会を設置することであり、第二に、医療に関する制度及びこれに関連する
基本
的事項を調査
審議
する機関として、臨時に、その存続期間を二年間とする医療制度調査会を設置することであり、第三に、大臣官房の所掌事務に千鳥ヶ淵戦没者墓苑の維持管理を加えることであり、第四に、優生保護法の施行に関する事務のうち、受胎調節に関する事務を公衆衛生局から児童局に移管することであり、第五に、復員関係事務量の漸減に伴い、地方復員部を廃止することであります。 なお、施行期日は年金局及び
国民
年金
審議
会の設置は本年五月一日、地方復員部の廃止は本年十一月十六日、その他は本年四月一日としておるのであります。 本案は、二月七
日本
委員会に付託となり、二月十日
政府
より説明を聞き、慎重
審議
を行い、本日質疑を終了いたしましたところ、受田委員より、施行期日について「
昭和
三十四年四月一日」を「公布の日」に改める旨の自、社共同提案にかかる修正案が
提出
され、討論を行わず採決の結果、全会一致をもって修正案の
通り
修正
議決
すべきものと決した次第であります。 以上、御報告申し上げます。(
拍手
)
加藤鐐五郎
21
○
議長
(
加藤鐐五郎
君) 両案を一括して採決いたします。両案の委員長の報告はいずれも修正であります。両案は委員長報告の
通り
決するに御
異議
ありませんか。 〔「
異議
なし」と呼ぶ者あり〕
加藤鐐五郎
22
○
議長
(
加藤鐐五郎
君) 御
異議
なしと認めます。よって、両案は委員長報告の
通り
決しました。 ————◇—————
松澤雄藏
23
○
松澤雄藏
君 議案上程に関する緊急
動議
を
提出
いたします。すなわち、この際、
内閣提出
、
参議院送付
、
社会福祉事業法
の一部を改正する
法律案
とともに、
社会労働委員長提出
、へい
獣処理場等
に関する
法律
の一部を改正する
法律案
は、委員会の審査を省略し、一括議題として、委員長の報告及び趣旨弁明を求め、その
審議
を進められんことを望みます。
加藤鐐五郎
24
○
議長
(
加藤鐐五郎
君)
松澤
君の
動議
に御
異議
ありませんか。 〔「
異議
なし」と呼ぶ者あり〕
加藤鐐五郎
25
○
議長
(
加藤鐐五郎
君) 御
異議
なしと認めます。
社会福祉事業法
の一部を改正する
法律案
、へい
獣処理場等
に関する
法律
の一部を改正する
法律案
、右両案を一括して議題といたします。委員長の報告及び趣旨弁明を求めます。社会労働委員会理事八田貞義君。 ………………………………… ………………………………… 〔八田貞義君
登壇
〕
八田貞義
26
○八田貞義君 ただいま議題となりました
社会福祉事業法
の一部を改正する
法律案
につきまして、社会労働委員会における審査の経過並びに結果を御報告申し上げます。 従来、十八才未満の精神薄弱児童については、児童福祉法により収容施設及び通園施設を設置して、その保護と更生を行なってきたのでありますが、今回、新たに十八才以上の精神薄弱者を対象とする公立施設に対しても国庫補助を行うこととなった機会において、すでに第一種社会福祉事業として経営されている精神薄弱児施設を経営する事業、精神薄弱児通園施設事業と並行して、十八才以上の精神薄弱者を収容し、その保護と更生援護を行う精神薄弱者援護施設を経営する事業をも第一種社会福祉事業に加え、これを法の規制のもとに置いて、成人の精神薄弱者に対する福祉
施策
を強力に推進しようとするものであります。 本
法案
は、三月四
日本
委員会に付託せられ、同二十五日厚生大臣より提案
理由
の説明を聴取した後、
審議
に入りましたが、本日の委員会において質疑を終了し、直ちに採決を行いましたところ、本案は全会一致原案の
通り
可決すべきものと
議決
いたした次第であります。 次に、へい
獣処理場等
に関する
法律
の一部を改正する
法律案
の趣旨弁明を申し上げます。 家畜、家禽の飼育増加に伴いまして、都会地並びに人家密集地域等において畜舎の設置が増加して参りましたので、第二十四回
国会
において本法の一部改正が行われ、畜舎の構造設備の基準を設けるとともに、届出制とし、なお、牛、豚、鶏等を一定数以上飼育する場合は都道府県知事に届け出なければならないことといたしたのであります。しかしながら、その後における本法の実施状況を見まするに、畜舎等について、単なる届出制ではその実態把握が困難であるばかりでなく、すでにでき上っている畜舎の構造、設備を改めさせる場合等にも困難が伴いまして、結局、都市における畜舎に対する適切な指導と
措置
が行いがたいため、ひいては付近住民に対する環境衛生上の弊害を惹起している実情であります。よって今回これを許可制度に改めることにより環境衛生の向上をはかろうとするのが、本
法案
提出
の
理由
であります。 次に、本
法案
のおもなる内容について申し上げます。 その第一は、清掃法における特別清掃地域内において都道府県知事が指定する区域において牛、馬、豚、綿羊、ヤギ、犬、鶏もしくはアヒルを一定数以上飼養し、または収容しようとする者について、従来の届出制を改めて、その施設所在地の都道府県知事の許可を受けなければならぬことといたしたことであります。なお、その指定する区域の基準は現行法
通り
でございます。 第二は、これら飼養収容施設の構造設備が政令で定める公衆衛生上の基準に適合していると認めるときは知事は許可を与えなければならぬことといたしたほか、関係
規定
の整備をはかっておるのであります。 以上が本
法律案
の趣旨の概要であります。何とぞ、慎重御
審議
の上、すみやかに御可決あらんことをお願い申し上げます。(
拍手
)
加藤鐐五郎
27
○
議長
(
加藤鐐五郎
君) これより採決に入ります。 まず、
社会福祉事業法
の一部を改正する
法律案
につき採決いたします。本案は委員長報告の
通り
決するに御
異議
ありませんか。 〔「
異議
なし」と呼ぶ者あり〕
加藤鐐五郎
28
○
議長
(
加藤鐐五郎
君) 御
異議
なしと認めます。よって、本案は委員長報告の
通り
可決いたしました。 次に、へい
獣処理場等
に関する
法律
の一部を改正する
法律案
につき採決いたします。本案を可決するに御
異議
ありませんか。 〔「
異議
なし」と呼ぶ者あり〕
加藤鐐五郎
29
○
議長
(
加藤鐐五郎
君) 御
異議
なしと認めます。よって、本案は可決いたしました。 ————◇—————
松澤雄藏
30
○
松澤雄藏
君 議案上程に関する緊急
動議
を
提出
いたします。すなわち、この際、
内閣提出
、
参議院送付
、
公共工事
の
前払金保証事業
に関する
法律
の一部を改正する
法律案
を議題となし、委員長の報告を求め、その
審議
を進められんことを望みます。
加藤鐐五郎
31
○
議長
(
加藤鐐五郎
君)
松澤
君の
動議
に御
異議
ありませんか。 〔「
異議
なし」と呼ぶ者あり〕
加藤鐐五郎
32
○
議長
(
加藤鐐五郎
君) 御
異議
なしと認めます。
公共工事
の
前払金保証事業
に関する
法律
の一部を改正する
法律案
を議題といたします。委員長の報告を求めます。建設委員長堀川恭平君。 ………………………………… 〔堀川恭平君
登壇
〕
堀川恭平
33
○堀川恭平君 ただいま議題となりました
公共工事
の
前払金保証事業
に関する
法律
の一部を改正する
法律案
につきまして、建設委員会における審査の経過並びに結果を御報告申し上げます。 近年、東南アジア、中近東、中南米等の諸
外国
から建設事業に関する引き合い等が漸次増加しておりますが、これらの引き合い等のうち、実際に契約が成立したものは僅少の数にとどまり、
わが国
建設業者の海外における活動状況は必ずしも活発とは言えない現状にあります。これがおもなる原因といたしましては、
わが国
の建設業者または建設工事の設計、監理等を行ういわゆる建設コンサルタントの担保能力が不足なため、事業活動に必要な資金の融通を受けることがきわめて困難であるということであります。このような現状にかんがみ、
わが国
の海外建設協力を促進するため、建設業者または建設コンサルタントの海外における事業活動に必要な入札保証金、契約保証金、建設機械購入資金等の多額の事業資金の調達につきまして、これらのものの担保能力を増強し、金融の円滑化をはかる必要がありますので、これに対処する
措置
として本
法律案
が提案されたのであります。 本
法律案
は、
参議院
先議でありまして、本委員会に付託されたのは三月二十七日でありますが、審査の内容は
会議
録を御参照願いたいと存じます。 かくて、討論を省略して直ちに採決いたしましたところ、本案は全会一致をもって原案の
通り
可決すべきものと
決定
した次第であります。 以上、御報告申し上げます。
加藤鐐五郎
34
○
議長
(
加藤鐐五郎
君) 採決いたします。本案は委員長報告の
通り
決するに御
異議
ありませんか。 〔「
異議
なし」と呼ぶ者あり〕
加藤鐐五郎
35
○
議長
(
加藤鐐五郎
君) 御
異議
なしと認めます。よって、本案は委員長報告の
通り
可決いたしました。 ————◇—————
加藤鐐五郎
36
○
議長
(
加藤鐐五郎
君) 本日は、これにて散会いたします。 午後七時十七分散会