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1959-03-31 第31回国会 衆議院 本会議 第33号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和三十四年三月三十一日(火曜日)     —————————————   昭和三十四年三月三十一日     午後三時 本会議     ————————————— ○本日の会議に付した案件  米価審議会委員任命につき国会法第三十九条但書規定により議決を求めるの件  わが国安全保障憲法問題に関する緊急質問清瀬一郎提出)  米軍駐留違憲問題に関する緊急質問加藤勘十君提出)  農林漁業基本問題調査会設置法案内閣提出)  厚生省設置法の一部を改正する法律案内閣提出)  社会福祉事業法の一部を改正する法律案内閣提出参議院送付)  へい獣処理場等に関する法律の一部を改正する法律案社会労働委員長提出)  公共工事前払金保証事業に関する法律の一部を改正する法律案内閣提出参議院送付)     午後六時六分開議
  2. 加藤鐐五郎

    議長加藤鐐五郎君) これより会議を開きます。      ————◇—————
  3. 加藤鐐五郎

    議長加藤鐐五郎君) お諮りいたします。内閣から、米価審議会委員に本院議員赤路友藏君、国内田常雄君、同笹山茂太郎君、同八木一郎君、参議院議員堀本宜実君及び同森八三一君を任命するため、国会法第三十九条但書規定により本院の議決を得たいとの申し出があります。右申し出通り決するに御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  4. 加藤鐐五郎

    議長加藤鐐五郎君) 御異議なしと認めます。よって、その通り決しました。      ————◇—————
  5. 松澤雄藏

    松澤雄藏君 緊急質問に関する動議提出いたします。すなわち、この際、清瀬一郎提出わが国安全保障憲法問題に関する緊急質問を許可されんことを望みます。
  6. 加藤鐐五郎

    議長加藤鐐五郎君) 松澤君の動議に御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  7. 加藤鐐五郎

    議長加藤鐐五郎君) 御異議なしと認めます。  わが国安全保障憲法問題に関する緊急質問を許可いたします。清瀬一郎君。     〔清瀬一郎登壇
  8. 清瀬一郎

    清瀬一郎君 私は、ここに、自由民主党を代表いたしまして、憲法第九条の自衛権並び安全保障条約効力に関する二、三の質問を試みたいと存じます。  憲法第九条の解釈としましては、わが国自衛権を認めたものであるか、また、自衛のためには戦力が持てるのかどうか、この問題は吉田内閣以来、たびたびの国会で、すでに問題と相なっております。過去約十年間の院内、院外の論争並びに種々なる研究の結果は、ここ数年来は、大体、国論の帰趨は統一されたように感ずるのであります。(拍手)すなわち、当時は自衛のための戦力保持に絶対に反対しておられた論者も、今日では自衛隊の全廃は唱えないで、その規模の縮小をなすべしという議論に変っておるのであります。しかるに、本日ここに政府に向ってこの問題を提起してその信念を問う必要が起りましたのは、きのう、東京地方裁判所刑事第十三部におきまして、わが国自衛のための戦力を持ち得ることを否認して、また、わが国防衛目的外国軍隊わが国駐留することを許すところの条約憲法第九条第二項においてわが国戦力保持を禁じた規定に反する旨の判決をしたのであります。この情勢にかんがみまして、ここに政府所信を明らかにして国民の疑惑を除く必要があると感じ、この問題を提起したのであります。(拍手)  わが国憲法組織は、言うまでもなく、三権分立でございます。しかして、司法裁判所にありましても、各審級裁判官は、おのおの独立した立場担当事件審理判決するのであります。それゆえに、第一審の裁判官がいかなる裁判をしようとも、これに対する上訴の道もあります。また、憲法解釈問題については、最高裁判所がこれを決定する権限を持った終審裁判所でございます。かような次第でございまするから、私は、ここで、東京地方裁判所判決理由につき、あまり深く批評はいたしません。後日きまることであります。ただ、この判決理由なるものを、少しくここで分析してみたいと思います。  この判決理由は、大よそ二つ考えから組み立てられておるのであります。その一つは、次のような理論であります。すなわち、憲法第九条の解釈は、憲法前文にありまする文字、すなわち、政府の行為によって再び戦争惨禍が起ることのないようにしたい、この前文からきておるというのであります。しかしながら、自衛目的のために兵力を持たないということが、果して戦争惨禍をなくする効果がありましょうか。(拍手)将来の理想的な平和世界が成立した暁は別でございますが、現実の今の世の中において、防備の少いこと、また、防備を欠除しておるということは、かえって外国よりの侵略を誘致する原因となるのでございます。(拍手)その実例は、ほとんど枚挙にいとまがございません。この条理を裁判官諸公は一体考えた上で裁判をなさったのかどうか。これが私の疑い一つでございます。(拍手)  この裁判のもう一つ理論は、こういうのであります、もしわが国外部から武力攻撃を受けた際には、合衆国日本の要請に応じて日本国内駐留する軍隊を使用する可能性がすこぶる大きい、これは判決の文章でございます。このことは行政協定の第二十四条でもわかる。行政協定二十四条は、米軍と、出動の際に、共同措置をとる場合に協議をしろという条文であります。このように、わが国に対する外部からの武力攻撃に対して、自衛のために米国軍隊を使用するつもりでその軍隊国内駐留を認めるということは、実質的に日本陸海空軍その他の戦力を保持するという意味になる、こういうことを言っておるのであります。それゆえに、この駐留を許す条約は、わが憲法上、存在を許すべからざるものである、これが裁判所の理屈であります。  しかし、東京地方裁判所がみずから引用する憲法前文にどうありますか。憲法前文には、わが国生存保持、すなわち、自衛活動について規定しておるのであります。「平和を愛する諸国民の公正と信義に信頼して、われらの安全と生存を保持しようと決意した。」と宣言しておる。日本独立と安全を保持するために、他国が国費を使用し、子弟を送り、わが国に兵を駐留させるということは、この精神でございまして、現行安保条約第一条においても、この趣旨が明白にうたわれております。(拍手)すなわち、駐留した兵力日本安全保障のために使用するけれども、これを保持するのは米国自身でございます。日本ではございません。このくらいきわめて明白な道理がわからないのでありましょうか。(拍手)  東京地方裁判所の諸君は、今の世の中で、自国の防衛力を持たず、他国の援助もからず、徒手空拳、裸一貫で独立と平和を保っていけると思っておられるのでありましょうか。(拍手)まことに不思議なことであります。(拍手)かく論じますると、裁判官諸公は、政策論であって法理解釈論でないといわれるかもわかりません。しかし、問題の憲法も、安全保障条約も、現在の世の中情勢中にあって成立したものであります。(拍手)現在の世の中を見ないでは解釈はできません。  元来、憲法第九条第一項は、不戦条約規定と同じく、侵略戦争の発生を防止するために設けられたのでございます。わが国侵略してきた他国がある場合に、自己防衛してはならぬというような規定は、憲法には少しも含まれておりませんよ。(拍手)それゆえに、憲法規定は、侵略戦争に対抗するために自衛をする、この目的兵力を保持しておるということは、当然認めておることでございます。(拍手、発言する者あり)東京地方裁判所は、このような根本的な問題には何も触れず、ただ、前述のごとく、狭い見解を立てて判決をいたしておるのでございます。それゆえに、政府は、この際、わが国自衛権存在自衛のための戦力保持及び安全保障条約憲法上の効力に関して明確なる意思を表明せられ、世の中疑いを解かれんことを望みます。(拍手)  次に、さきに述べましたごとく、きのうの東京地方裁判所判決は多数ある日本裁判所一つで出した判決でございます。昭和二十七年から昭和三十三年に至るこの七年間に、刑事特別法の違反で起訴された案件は約五百件でございます。そのうちのほとんどすべては、地方裁判所有罪の宣告を受けております。また、うち三件は、高等裁判所でも有罪判決を受けております。(拍手)これらの判決は、すべて、刑事特別法違憲ではないということを前提として出た判決でございます。(拍手)また、社会党の方にも御研究を願いたいのでありますが、最も参考となるのは昭和三十年三月三日に、最高裁判所が、日米安全保障条約第三条に基く行政協定第十七条にいう公務執行中というのは、公務執行過程におけるという意味であって、これは安全保障条約なり行政協定を、憲法上有効であるという前提のもとに出した判決でございます。(拍手)また、近くは、本年二月六日に、最高裁判所第三小法廷においても、安全保障条約第三条に基く行政協定の第十七条九項(f)の有効なることを認めた判例が出ておるのであります。それゆえに、このたびの判決は必ず上級審において是正される運命を持っているものでございます。  しかしながら、国内情勢を見ますると、防衛問題、わけても基地問題について、いろいろな運動や宣伝が行われておりまするから、前記の判決は、すみやかにこれを是正する必要があるのでございます。かような判決国民が幾分でも動揺することがあってはなりませんから、すみやかに確定せしめる方法といたしましては、刑事訴訟規則二百五十四条によって、控訴審審理を省いて、直ちに最高裁判所上告するのがよかろうと思います。(拍手)世間ではこれを跳躍上告と申しておりまするが、跳躍上告を受けましたら、最高裁判所はほかの事件に優先してこれを審判するのでありまするから、比較的早く解決すると思います。法務大臣はどうか、すみやかにこの方法研究し、採用せられんことを求めます。この点に関する法務大臣の御見解を伺います。  終りに、以上のごとく東京地方裁判所のきのうの判決は、はなはだ理由薄弱であり、また、従前の最高裁判所判例にも違反しております。だから、結局は是正さるる運命を持っておりますが、しかし、一部の者は、この未確定判決をもって政争の具に供せんとするきざしを見せておるのであります。(拍手、発言する者あり)現在政府交渉中の安全保障条約改定交渉を休めといったようなことは、やはり、これはどうもこの判決政治に利用するという下心としか見えません。(拍手)このたびの判決日米交渉やその他一般政治の運営に害を及ぼすようなことがあっては、まことに国のために不幸でございまするから、政府はかたき決心を持って日米交渉を進行すべきものであると存じます。(拍手)決してひるんではなりません。この点に関する政府の所見を求める次第でございます。(拍手)     〔国務大臣岸信介登壇
  9. 岸信介

    国務大臣岸信介君) お答えをいたします。  第一点は、憲法九条の解釈に関する問題であります。この点につきましては、すでに、国会を通じて、政府解釈は終始一貫して明瞭にされております。すなわち、憲法九条のいわゆる戦力放棄規定は、独立国が、他からの侵略に対して、みずからこれを排除して自衛を全うするという、自衛権を否定したものではないという解釈に立って、この自衛のために必要な最小限度の実力を持つことは、いわゆる九条第二項において禁止しておるこの戦力の問題には触れないのである、こういう解釈を一貫して持っております。この解釈に基いて、今日、自衛隊法が作られ、自衛隊が設けられ、また、日本の安全を確保するために日米の間に安保条約が締結され、それに基くところの行政協定並びにその規定に基いて刑事特別法が出ておるのであります。これらの一連条約協定法律はいずれも当然有効であるという確信に立っておるものでございます。(拍手)  昨日、東京地方裁判所において行われました判決は、言うまでもなく、第一審の判決でございまして、これに対しては、控訴、また跳躍上告と称せられる上告方法がございます。最後決定は、最高裁判所決定によってきまるものであることは、言うを待ちません。私は、政府は、この判決とは違った見解を、先ほど申し上げましたように、従来もとってきておりますし、今日も確信を持ってとっておるわけでございますから、この第一審の判決に対しましては、さらに二審、三審等措置が講ぜられることは当然でございまするが、今御質問にありました跳躍上告方法によるか、普通の控訴方法によるかにつきましては、至急に、慎重に検討をした後に、これを決定したいと存じます。  最後に、この最後的決定がされるまでの間は安保条約改定等は差し控えろというような議論があるが、政府はどう考えるかということであります。私どもは、先ほど来申し上げておる通り確信に立っておりますので、一切そういうふうな安保条約改定等を停止するというような考えは持っておりません。従来の既定方針通り進むつもりでございます。(拍手)     〔国務大臣愛知揆一君登壇
  10. 愛知揆一

    国務大臣愛知揆一君) ただいま総理からお答えをいたしましたように、政府は、従来から、安全保障条約行政協定刑事特別法憲法に違反するものではない、合憲であると確信してきたものでございます。ただいま御指摘のございましたように、数百に上る裁判例もこれと全く同一見解に立つものと私は信じます。今回の東京地方裁判所判決は、こうした観点から、政府見解と全く異なるものでございまして、絶対に承服することはできません。(拍手検察官におきましては、従来の多数の判例と同じく、これらの条約、法令は合憲であると主張して参ったものでございまするし、今回の砂川事件法廷におきましても同様の主張をして参っておるのでございます。従って、本問題について政府検察官主張は全く一致しておるわけでございます。本判決に対する措置をいかにするかということにつきましては、判決を十分に検討いたしました上、早急に決定いたしたい所存でございます。  なお、ただいまお尋ねがございました通り検察官としての不服の申し立ての方法は、通常の控訴と、いわゆる飛躍上告二つ方法がございます。そのいずれをとるかにつきましても、すみやかにきめたいと考えております。本問題の性質にもかんがみまして、ただいますみやかに最高裁の判断を仰いで法的安定をはかれという御説は、まことに傾聴すべき御意見と存じます。(拍手)十分考慮いたしまして善処いたしたいと存じます。(拍手)     〔国務大臣藤山愛一郎登壇
  11. 藤山愛一郎

    国務大臣藤山愛一郎君) 総理大臣並びに法務大臣の御答弁されました通り見解に立っておりますので、私といたしましては、外交交渉を中絶することは考えておりません。(拍手)      ————◇—————  米軍駐留違憲問題に関する緊急質問加藤勘十君提出
  12. 松澤雄藏

    松澤雄藏君 緊急質問に関する動議提出いたします。すなわち、この際、加藤勘十君提出米軍駐留違憲問題に関する緊急質問を許可されんことを望みます。
  13. 加藤鐐五郎

    議長加藤鐐五郎君) 松澤君の動議に御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  14. 加藤鐐五郎

    議長加藤鐐五郎君) 御異議なしと認めます。  米軍駐留違憲問題に関する緊急質問を許可いたします。加藤勘十君。     〔加藤勘十君登壇
  15. 加藤勘十

    加藤勘十君 私は、日本社会党を代表して、このたび東京地方裁判所において砂川事件に関する刑事特別法被疑事件に対して無罪判決を言い渡したことに関し、この判決政治的に及ぼす影響の重大なことについて政府はどのように考えておられるのか、政府所信をお尋ねいたしたいと存じます。(拍手)  この判決は、言うまでもなく、第一審裁判所判決であって、最高裁判所における確定判決ではないが、同時に、また、学者の単なる論文ではなく、政治家政治論でもない。たとい第一審とはいえども、立法権行政権とは完全に独立している司法権によって、明確なる法理論的立場に立った断定であります。(拍手)しかして、この判決は、憲法第九条に関する政府のこれまでの解釈を根底からくつがえす重大なる性格を持ったものであります。(拍手)  政府は、これまで、ほしいままに、独善的に憲法第九条を解釈して、自衛のためならば戦力を保持しても違憲でないと強弁して、違憲論主張する正論を、国会の多数横暴の力で横車を押してきたのであります。しかして、政府は、最近において、おそるべき核兵器を持つことすら合憲的であるかのごとくに強弁しているのであります。政府によれば、憲法第九条の規定はあれどもなきにひとしく撹乱されているのであります。  憲法は、言うまでもなく、国の骨格をなし、国の性格規定する根本法であります。言葉をかえていえば、国の生命ともいうべき法律である。この国家の基本法を、時の政府が、与党の多数を頼んで自分勝手な解釈をし、違憲をほしいままにして、法秩序をみずから乱しているようなことでは、国民の間に法秩序を軽視する風潮を生ずるのは当然であります。この点に対しても、政府責任は重大であるといわなければなりません。悪盛んにして天に勝つという言葉がありまするが、岸内閣憲法第九条を意識して曲解しているありさまは、まさに、この言葉にふさわしいものがある。(拍手)しかし、結局は、邪は正に勝てずであります。このたびの東京地裁判決は、悪をほしいままにしている岸内閣に対して、まさに一大鉄槌を下したものであるといわなければなりません。(拍手)もし、この判決確定したとすれば、今まで政府がほしいままに行なってきた、憲法第九条から生まれた一切の施策、すなわち、防衛庁も、自衛隊も、また、日米安全保障条約及びこの条約から生まれたすべての施策は、抹消されなければならないのであります。(拍手)このような重大な影響を持つ、このたびの判決に対して、政府はどのように考え、どのように対処せんとするのか、政府所信を明らかにしてもらいたいと思います。(拍手)  おそらく、政府は、今の清瀬君の質問に対する答弁でも言われましたように、この判決は、第一審の判決で、最高裁による確定判決ではない、まだ裁判の進行中であるといって、ほおかぶりをして逃げるつもりであるかもしれません。また、政府は、過去において刑事特別法に関する被疑事件は数十件の多きを数えているが、いずれも刑事特別法合憲性を是認していると言いのがれようとするかもしれない。なるほど、政府の言う通り刑事特別法被疑事件は数多く発生しているが、過去のものは、この基本に触れることをおそれるかのごとく、単に事犯の現象のみを論じていたものであって、今回のごとく憲法本質に触れて深く掘り下げて判決されたものではなかったのであります。(拍手)今回の判決は、過去の同様な事犯についての審理を十分考慮した上で、厳粛に憲法本質を究明して行われた判決であります。(拍手)  ことに、砂川事件についてこの判決が行われたことは、一そう意義深いものがあるのであります。すなわち、砂川問題は、数多い基地問題の中でも最も代表的なもので、今日なお係争中のものであります。そして、相当長期にわたって戦われてきたために、しばしば流血の惨事をさえ演じ、天下の耳目を集めた事件であることは、今日なお人々の記憶に新たなるところであります。その長期の争いの過程において、幾つかの刑事、民事の裁判問題を発生せしめたことも、周知の事実であります。中でも、このたび無罪判決を言い渡された刑事特別法被疑事件は、米軍基地施設内に侵入したという点において、一そう人々の視聴を集めたものであります。こうした社会的に注目された事件に対する判決である。私は、裁判官の見識と勇気とに敬意を払うと同時に、この判決が何人によっても尊重さるべきものであることを確信するものであります。(拍手)  岸首相は、参議院予算委員会における質問に答えて、安保条約改定交渉について従来の方針を変える必要がないと答えているようだが、もし、そうとするならば、政府は、みずから司法権権威を軽んずるものであるという非難を甘受しなければなりません。(拍手)また、もしこれを尊重するというならば、当然に、この判決の示すところによって、最終判決の出るまで、一時的にもしろ、安保条約改定交渉の中止、防衛分担金支出保留——この防衛分担金保留は当然に予算執行上に重大な影響を及ぼすのでありまするから、予算の補正問題が起ってくることは当然であります。この点に対しても、私は大蔵大臣からその所信をお伺いいたしたい。(拍手)  さらに、今国会審議中の防衛法案撤回等具体的措置が講じられなければならないわけである。政府は、司法権を尊重して、法秩序を守って、国民順法に対する範を示すか、もしくは、自己の曲解を強調して司法権を軽視し、国民順法に対する軽視の風潮を助長するか、政府はそのいずれの道を選ぼうとするか、明確に答えてもらいたいのであります。(拍手)  これらの問題は、どの一つを取り上げても、政府にとっては致命傷となるものであって、政府の心情は察するに余りあるものがありまするが、憲法正当性を守るために、内閣一つ二つ倒れてもやむを得ないのであります。(拍手)  憲法は、さきにも言うがごとく、国の生命にもひとしい法律である。今日まで、憲法第九条の解釈をめぐって、明らかに違憲論と思われる論議が数の暴力を背景として横行し、あたかも違憲論合憲論のごとくにさえ扱われ、国民をして錯覚を起させるようなことも少くなかったのであります。もちろん、わが社会党は、憲法を守り、平和日本民主主義日本を建設するために、みじんの容赦もなく戦ってきたのであります。安保条約MSA協定の締結に対してはもとより、安保条約から生まれた行政協定及び行政協定から生まれた刑事特別法MSA協定から生まれた秘密保護法等一連関係法律、並びに自衛のためと称して日本を再軍備せんとする保安隊自衛隊法等に対しては、断固として戦ってきたのであります。ときには司法権裁判を求めんとして提訴したのであったが、日本には憲法裁判所規定がないからという理由で、この目的を達することができなかったのであります。しかるにこのたび、ようやくにして、砂川事件刑事特別法被疑事件という具体的問題の審理に当って、地方裁判所でもって憲法本質に触れる審理が行われて、初めて憲法第九条の本質司法権によって国民の前に解明されたのであります。(拍手)  しかも、判決は、国民に一点の疑念を起さしめないよう、「単に文言の形式的把握にとどまったり、合衆国軍隊駐留わが国軍事的真空状態になることを防ぐためにやむを得ない手段であるとする政策論によって左右されてはならないことはもちろんである」と明確に断定しているのであります。(拍手)さらに、判決文は、これまで結論を得られなかった憲法第九条の戦力保持についての合憲違憲論議に対しても、一点の疑義を差しはさむ余地のないまでに論断をしているのであります。しかして、この判決文の明示するところは、ひとり地方裁判所判決というばかりでなく、一たびこの判決が伝わるや、疾風のごとく一大反響を呼び起し、国民の非常な共感、同調するところとなったのであります。(拍手)少しく声を大にして言うならば、国民は、この判決を聞いて、ほっと安堵の胸をなでおろしたのであります。(拍手岸内閣自衛の名による無軌道ぶりの再軍備増進策は、心ある国民を非常な不安に陥れていたのであります。それゆえにこそ、この判決が一そうの権威を有し、価値を高めるのであります。政府は、このように国民多数の共鳴を得た判決に対し、依然として、自己政治責任をおそれるあまり、司法権権威を軽んじようとするのか、この点、明白なる答弁を願いたいのであります。(拍手)  かって、アメリカ大統領ルーズヴェルトは、一九三二年、フーヴアー大統領の跡を受けて就任したのであったが、当時のアメリカは極端な世界的恐慌のどん底に沈淪し、非常な社会不安に襲われていたのであった。そのとき、彼は、恐慌克服策として新たにニュー・ディール政策を採用して大いに社会政策を行い、失業者問題を初め、社会不安の一掃に努めた。彼の業績は相当の効果を上げたのであったが、一九三五年に至って、そのうちのある種の法律違憲に問われ、最高裁判所違憲判決を受けたのであった。このとき、ルーズヴェルト大統領は、未練げもなく、いさぎよく法に服して、その中心政策であったニュー・ディール政策を変更したのでありました。(拍手)このことは、かえって大衆の大きな信頼と支持をかち得たのであった。大統領ルーズヴェルトが、四選という、アメリカの歴史上類例のない信頼を博し得たのは、法の権威に服する率直性があったがゆえではありませんか。私は、岸首相に対し、ルーズヴェルト大統領のまねをせよと言うものではないが、行政権の首班に立つ者として、三権分立の国権を重んずる上からも、当然に司法権権威を尊重し、それにふさわしい態度をとるべきではないかと思う。(拍手)すなわち、もしこの一審判決最高裁で是認されたとしたならば、その場合において、いかにして責任をとるか、その点についても明確なる答弁を願いたいのであります。(拍手)  政府憲法第九条に関するもろもろの施策に対し、司法権によって、これまで例を見ない明確さをもって違憲判決がなされたのであるから、たとい最高裁の最終決定がなされるまでの過渡的な措置とはいえ、違憲決定された諸般の施策を一時中止すべきことが、最も憲法に忠実なるゆえんであると思うが、政府はこの点に対してどのように考えておるか、はっきり答えてもらいたい。  あるいは、政府は、憲法第九十八条二項を持ち出して、条約を順守しなければならないことを強調するかもしれない。もちろん、われわれといえども、正常に、対等に締結された条約であるならば、国際信義の上から、当然にこれを順守するにやぶさかなものではないのであります。しかし、安保条約は、たれが見ても不平等きわまるものであり、日本憲法に明らかに相反するものである。それゆえにこそ、この判決となって現われたのであります。われわれは、同じく憲法九十八条一項の精神からと、第九条の正当なる解釈から安保条約の違法性を主張するもので、相手国のアメリカに対する政治責任と、国民を著しく混乱に陥れた重大なる責任、当然に岸内閣が負うべきものである。(拍手)  今、政府は、国民多数の反対を押し切って、具体的に安保条約の改定についてアメリカ側と交渉を進めつつある最中である。そのさなかに、この判決がなされたのであります。偶然というにはあまりにも皮肉で、かつ合理的である。天は岸内閣に適当な逃げる機会を与えてくれたものである。(拍手政府は、再軍備への妄執を断ち切り、いさぎよくその地位を退くべきであると思うが、岸首相所信はいかん。率直に答えてもらいたいのであります。(拍手)     〔国務大臣岸信介登壇
  16. 岸信介

    国務大臣岸信介君) お答えをいたします。  第一に、昨日下されたこの東京地方裁判所判決政治影響いかんという点に対する御質問であります。従来、同様に、この刑事特別法に関する事件は多数起訴されておりまして、これを有効としての前提のもとに幾つかの判決がされ、また、それが確定したのがあります。すでに、この砂川事件につきましても、昨年も、東京地方裁判所におきましては、やはり行政協定に基くところの土地等の使用等に関する特別措置法の有効を前提として判決したものもございます。従ってそういう際に、それらの判決と違った判決一つ出たからといって、また、それは第一審の判決でありまして、日本の司法制度をよく御承知の皆様もおわかりのように、それが確定したものではないのでありまして、それをもって今日非常な政治影響があるがごとく考えることの方が、私は、間違いである、まだそういうことを論ずべき時期ではないと思います。  次に、この判決に対する政府所信いかんということの御質問であります。先ほど来申し上げておる通り憲法九条に対する解釈は従来、政府国会を通じて明確に申し上げており、先ほど清瀬君に対して私がお答えをした通りであります。私どもは、そういう解釈に立っておりますから、この判決に対しましては、なお、一審の判決として、これに対する不服の申し立ての方法等について、十分に、慎重に研究して、その処置をとる考えでございます。  次に、少くとも、これが最終的に最高裁できまるまでの間は、あるいは安保条約の改定の問題であるとか、いろいろな憲法九条に関係したところの問題は、これを差し控えるべきじゃないか、これをしないことは司法権の軽視ではないかという御質問であります。しかしながら、先ほど来申し上げておる通り、この判決はただ単に一審の判決ということにとどまっておりまして、もちろん、これらの憲法解釈に関しましては、いろいろな学説であるとか、いろいろな人の説であるとか、あるいは裁判所判決等も、政府としては十分に、慎重に検討し、研究すべきことは当然でございます。しかしながら、そういう研究の上に立って、われわれは依然として政府所信が正しいという確信に立っておりますから、政府としてやるべき安保条約の改定やその他の問題につきましては、われわれは、これを停止するとか差し控えるというような考えは持っておりません。それが決して司法権の軽視ということにはならないのであります。(拍手)  また、この点に関して大蔵大臣に御質問がございましたが、大蔵大臣がこの席におりませんから、かわって私からお答えをいたします。  それは、防衛分担金の支払いをやめて、これに対して、この予算を修正するとか、あるいは補正予算を出すべきではないかという御質問でございますが、政府としては、そういう考えは持っておりません。(拍手)  それから、さらに、アメリカのルーズヴェルトの例をお引きになりまして、三権分立の建前から、やはり行政府司法権決定に対してこれを尊重しなければならぬというお話でありましたが、お話の通り、これもアメリカにおいて最高裁判決があり、憲法解釈としての最高の決定的な判決がありましたから、行政府としても、それに従って法律の廃止その他の手続をとったのであります。当然、三権分立の建前といい、また、日本憲法の建前からいいまして、憲法解釈について最後決定をするものは最高裁でありまして、それにおいてきまったことは、もちろん、行政府におきましても、これを尊重して、適当な措置をとることは当然であります。しかし、現在はまだ第一審の判決があったばかりである。それも、従来問題になっておる刑事特別法、また、その前提である行政協定安保条約というようなものは当然有効としてやられたものが非常にたくさんありまして、ただ一つ、こういう、それに反した例が出ておるということでございますから、これをもって、直ちに、政府が従来の方針を変えるとか、あるいは政府として当然やらなければならぬことを差し控えるというようなことは、これはもちろん責任上すべきものじゃないことは言うを待たないのであります。(拍手)     〔国務大臣愛知揆一君登壇
  17. 愛知揆一

    国務大臣愛知揆一君) 特に私に対する御質問というものはなかったようでございます。先ほど、清瀬議員の御質疑に対しまして、私の所見は明白にいたしましたので、御了承願いたいと思います。(拍手)      ————◇—————
  18. 松澤雄藏

    松澤雄藏君 議案上程に関する緊急動議提出いたします。すなわち、この際、内閣提出農林漁業基本問題調査会設置法案厚生省設置法の一部を改正する法律案、右両案を一括議題となし、委員長の報告を求め、その審議を進められんことを望みます。
  19. 加藤鐐五郎

    議長加藤鐐五郎君) 松澤君の動議に御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  20. 加藤鐐五郎

    議長加藤鐐五郎君) 御異議なしと認めます。  農林漁業基本問題調査会設置法案厚生省設置法の一部を改正する法律案、右両案を一括して議題といたします。委員長の報告を求めます。内閣委員会理事高橋禎一君。     …………………………………     …………………………………     〔高橋禎一君登壇
  21. 高橋禎一

    ○高橋禎一君 ただいま議題となりました両法案につきまして、内閣委員会における審査の経過並びに結果を御報告申し上げます。  まず、農林漁業基本問題調査会設置法案について申し上げます。  本案の要旨は、農林漁業の生産力が戦後著しく増大したのにもかかわらず、他の産業との間の所得の格差がなお相当の開きを示している実情にかんがみ、農林漁業と他産業との均衡ある発展を確保し、農林漁業における生産性の向上と所得の増大をはかるため、内閣総理大臣の諮問に応じ農林漁業に関する基本問題を調査審議することを任務とする農林漁業基本問題調査会を総理府の付属機関として二年間設置しようとするものであります。  この調査会は、委員三十人以内で組織し、特別の事項を調査審議するため必要があるときは臨時委員二十人以内を置くことができ、これらの委員はいずれも学識経験者のうちから内閣総理大臣がこれを任命することといたしております。  本案は、一月三十一日本委員会に付託され、二月三日政府より提案理由の説明を聴取し、自来、慎重審議の結果、本日質疑を終了いたしましたところ、高橋委員より、四月一日の施行期日を公布の日と改める自、社両党の共同修正案が提出され、討論を行わず採決の結果、全会一致をもって修正案の通り修正議決すべきものと決定いたしました。  なお、本案に対しまして、岡崎委員より自、社両党共同の附帯決議案が提出され、全会一致の議決を見たのであります。  次に、これを朗読いたします。    附帯決議  本調査会の使命の重大性に鑑み政府は本法実施に当って特に左記事項に関して遺憾無きを期すべきである。    記  一、調査会委員の選任に当っては広く学識経験者の衆知を集約し得る様慎重に配慮し、荀しくも特定の政治立場に偏するが如き構成を厳に排すること。  一、本法の有効期間内に政府において農林漁業に関する基本政策を立法化することを目図として、これに必要な答申を可及的短期間内に為し得る様作業を進めること。  一、政府は調査会の答申を尊重して、これを立法化すると共に必要な財政措置を講ずること。  右決議する。  次に、厚生省設置法の一部を改正する法律案について申し上げます。  本案の要旨は、第一に、国民年金制度の実施に伴う事務機構を整備するため、新たに厚生省に年金局を設置するとともに、国民年金事業に関する重要事項を調査審議する機関として国民年金審議会を設置することであり、第二に、医療に関する制度及びこれに関連する基本的事項を調査審議する機関として、臨時に、その存続期間を二年間とする医療制度調査会を設置することであり、第三に、大臣官房の所掌事務に千鳥ヶ淵戦没者墓苑の維持管理を加えることであり、第四に、優生保護法の施行に関する事務のうち、受胎調節に関する事務を公衆衛生局から児童局に移管することであり、第五に、復員関係事務量の漸減に伴い、地方復員部を廃止することであります。  なお、施行期日は年金局及び国民年金審議会の設置は本年五月一日、地方復員部の廃止は本年十一月十六日、その他は本年四月一日としておるのであります。  本案は、二月七日本委員会に付託となり、二月十日政府より説明を聞き、慎重審議を行い、本日質疑を終了いたしましたところ、受田委員より、施行期日について「昭和三十四年四月一日」を「公布の日」に改める旨の自、社共同提案にかかる修正案が提出され、討論を行わず採決の結果、全会一致をもって修正案の通り修正議決すべきものと決した次第であります。  以上、御報告申し上げます。(拍手
  22. 加藤鐐五郎

    議長加藤鐐五郎君) 両案を一括して採決いたします。両案の委員長の報告はいずれも修正であります。両案は委員長報告の通り決するに御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  23. 加藤鐐五郎

    議長加藤鐐五郎君) 御異議なしと認めます。よって、両案は委員長報告の通り決しました。      ————◇—————
  24. 松澤雄藏

    松澤雄藏君 議案上程に関する緊急動議提出いたします。すなわち、この際、内閣提出参議院送付社会福祉事業法の一部を改正する法律案とともに、社会労働委員長提出、へい獣処理場等に関する法律の一部を改正する法律案は、委員会の審査を省略し、一括議題として、委員長の報告及び趣旨弁明を求め、その審議を進められんことを望みます。
  25. 加藤鐐五郎

    議長加藤鐐五郎君) 松澤君の動議に御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  26. 加藤鐐五郎

    議長加藤鐐五郎君) 御異議なしと認めます。  社会福祉事業法の一部を改正する法律案、へい獣処理場等に関する法律の一部を改正する法律案、右両案を一括して議題といたします。委員長の報告及び趣旨弁明を求めます。社会労働委員会理事八田貞義君。     …………………………………     …………………………………     〔八田貞義君登壇
  27. 八田貞義

    ○八田貞義君 ただいま議題となりました社会福祉事業法の一部を改正する法律案につきまして、社会労働委員会における審査の経過並びに結果を御報告申し上げます。  従来、十八才未満の精神薄弱児童については、児童福祉法により収容施設及び通園施設を設置して、その保護と更生を行なってきたのでありますが、今回、新たに十八才以上の精神薄弱者を対象とする公立施設に対しても国庫補助を行うこととなった機会において、すでに第一種社会福祉事業として経営されている精神薄弱児施設を経営する事業、精神薄弱児通園施設事業と並行して、十八才以上の精神薄弱者を収容し、その保護と更生援護を行う精神薄弱者援護施設を経営する事業をも第一種社会福祉事業に加え、これを法の規制のもとに置いて、成人の精神薄弱者に対する福祉施策を強力に推進しようとするものであります。  本法案は、三月四日本委員会に付託せられ、同二十五日厚生大臣より提案理由の説明を聴取した後、審議に入りましたが、本日の委員会において質疑を終了し、直ちに採決を行いましたところ、本案は全会一致原案の通り可決すべきものと議決いたした次第であります。  次に、へい獣処理場等に関する法律の一部を改正する法律案の趣旨弁明を申し上げます。  家畜、家禽の飼育増加に伴いまして、都会地並びに人家密集地域等において畜舎の設置が増加して参りましたので、第二十四回国会において本法の一部改正が行われ、畜舎の構造設備の基準を設けるとともに、届出制とし、なお、牛、豚、鶏等を一定数以上飼育する場合は都道府県知事に届け出なければならないことといたしたのであります。しかしながら、その後における本法の実施状況を見まするに、畜舎等について、単なる届出制ではその実態把握が困難であるばかりでなく、すでにでき上っている畜舎の構造、設備を改めさせる場合等にも困難が伴いまして、結局、都市における畜舎に対する適切な指導と措置が行いがたいため、ひいては付近住民に対する環境衛生上の弊害を惹起している実情であります。よって今回これを許可制度に改めることにより環境衛生の向上をはかろうとするのが、本法案提出理由であります。  次に、本法案のおもなる内容について申し上げます。  その第一は、清掃法における特別清掃地域内において都道府県知事が指定する区域において牛、馬、豚、綿羊、ヤギ、犬、鶏もしくはアヒルを一定数以上飼養し、または収容しようとする者について、従来の届出制を改めて、その施設所在地の都道府県知事の許可を受けなければならぬことといたしたことであります。なお、その指定する区域の基準は現行法通りでございます。  第二は、これら飼養収容施設の構造設備が政令で定める公衆衛生上の基準に適合していると認めるときは知事は許可を与えなければならぬことといたしたほか、関係規定の整備をはかっておるのであります。  以上が本法律案の趣旨の概要であります。何とぞ、慎重御審議の上、すみやかに御可決あらんことをお願い申し上げます。(拍手
  28. 加藤鐐五郎

    議長加藤鐐五郎君) これより採決に入ります。  まず、社会福祉事業法の一部を改正する法律案につき採決いたします。本案は委員長報告の通り決するに御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  29. 加藤鐐五郎

    議長加藤鐐五郎君) 御異議なしと認めます。よって、本案は委員長報告の通り可決いたしました。  次に、へい獣処理場等に関する法律の一部を改正する法律案につき採決いたします。本案を可決するに御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  30. 加藤鐐五郎

    議長加藤鐐五郎君) 御異議なしと認めます。よって、本案は可決いたしました。      ————◇—————
  31. 松澤雄藏

    松澤雄藏君 議案上程に関する緊急動議提出いたします。すなわち、この際、内閣提出参議院送付公共工事前払金保証事業に関する法律の一部を改正する法律案を議題となし、委員長の報告を求め、その審議を進められんことを望みます。
  32. 加藤鐐五郎

    議長加藤鐐五郎君) 松澤君の動議に御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  33. 加藤鐐五郎

    議長加藤鐐五郎君) 御異議なしと認めます。  公共工事前払金保証事業に関する法律の一部を改正する法律案を議題といたします。委員長の報告を求めます。建設委員長堀川恭平君。     …………………………………     〔堀川恭平君登壇
  34. 堀川恭平

    ○堀川恭平君 ただいま議題となりました公共工事前払金保証事業に関する法律の一部を改正する法律案につきまして、建設委員会における審査の経過並びに結果を御報告申し上げます。  近年、東南アジア、中近東、中南米等の諸外国から建設事業に関する引き合い等が漸次増加しておりますが、これらの引き合い等のうち、実際に契約が成立したものは僅少の数にとどまり、わが国建設業者の海外における活動状況は必ずしも活発とは言えない現状にあります。これがおもなる原因といたしましては、わが国の建設業者または建設工事の設計、監理等を行ういわゆる建設コンサルタントの担保能力が不足なため、事業活動に必要な資金の融通を受けることがきわめて困難であるということであります。このような現状にかんがみ、わが国の海外建設協力を促進するため、建設業者または建設コンサルタントの海外における事業活動に必要な入札保証金、契約保証金、建設機械購入資金等の多額の事業資金の調達につきまして、これらのものの担保能力を増強し、金融の円滑化をはかる必要がありますので、これに対処する措置として本法律案が提案されたのであります。  本法律案は、参議院先議でありまして、本委員会に付託されたのは三月二十七日でありますが、審査の内容は会議録を御参照願いたいと存じます。  かくて、討論を省略して直ちに採決いたしましたところ、本案は全会一致をもって原案の通り可決すべきものと決定した次第であります。  以上、御報告申し上げます。
  35. 加藤鐐五郎

    議長加藤鐐五郎君) 採決いたします。本案は委員長報告の通り決するに御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  36. 加藤鐐五郎

    議長加藤鐐五郎君) 御異議なしと認めます。よって、本案は委員長報告の通り可決いたしました。      ————◇—————
  37. 加藤鐐五郎

    議長加藤鐐五郎君) 本日は、これにて散会いたします。     午後七時十七分散会