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高橋(禎)
委員 どうも
長官の御
答弁は実に冷静な、あっさりとした事務的なような
お話のように私には受け取れて仕方ないのです。これは私の
現地に対する
状況の認識の問題にかかるのか、そこはわかりませんが、いろいろ新聞に出ており、
雑誌に出ており、しかも
責任ある
人たちが名前をあげて
報告書を作っておられるそれらを見、また
関係当局方面の
報告等を総合してみまして、決して
苫小牧市は
ほんとうに平和を取り戻しておるという印象を受けないのです。まだまだ
暗黒の面が非常に多い、こう
考えておるのです。そこで、あの町は、御存じのように、
苫小牧工場で持っておるような町なんですね。大
部分苫小牧工場関係者と言っていいのです。そういう町でやることであって、しかも
警察方面に
ほんとうに情報を提供し、申告してくれないとなかなか仕事はやりにくいのだという
お話、これも一応もっとものようですけれ
ども、先ほ
ども申し上げたように、ほとんど町が二つに分れて争っておるのです。そういうときに
警察なら
警察、
検察庁なら
検察庁というものが、少くも犯罪に
関係しての問題について、
ほんとうにたよりになると思えば、それは申告もするのですよ。ところが、たよりにならないことを見せつけられておると私は思うのです。たとえば、第二
組合員の就業時等における問題、例の仮処分執行に関連したあの騒ぎ、
警察当局の
報告にもありますが、もうたくさんの
警察官が出て、中には
警察官が
暴行、傷害を受けるというような
事態があって、なかなか
警察官も来て、いろいろやってくれるけれ
ども、さっぱり効果が上らない。むしろ押されぎみのようなところ、そして
暴行事件にしても
脅迫事件にしても、
警察官には当然わかっておると思えるようなことでも、さっぱりどうもうまく処理されないというようなところから、そしてまた一面、それらのことを親告すれば
後難のおそれがある。そういう心理
状態になることは、お認めになると思うのです。だから、そういうときに親告をしないからどうもうまくいかないなんというので投げておいたのでは、私はいかぬと思う。それこそ積極的に緻密にこれを
調査、検討して処理する。親告しようとしてもすることができないような
状態に
被害者が追い込まれているのだというその
事態を見て、それに対処して問題を
解決するのでなければ、
ほんとうの熱意ある
職責の遂行の
方法じゃないと私は思うわけなんです。ですから、先ほ
どもお尋ねいたしました問題に関連するのですが、われわれはたくさんの人数でやっておるのだから、どうせ
北海道の
警察力というものは大したものじゃない、それ以上のものでやれば何事をやってもいいのだ、こういうことで、
組合運動として、
労働争議としては程度を越えた、すなわち、暴力、
暴行は許されないというのにもかかわらず、非常に
暴行事件が起った。そして、しかもそれを慫慂するがごとき事柄も若干見受けられる。そういうときに、
警察の力はもう限度がある。しかもそれは無力である。
自分たちの目の前で
警察の無力ということが証明されたような
事態を見ておる者としては、もう動きがとれないのです。どうにもならない。それを
警察の方でも冷静に見ておるというようなことでは、どうも私はこの五万人の
苫小牧の町の
治安の問題、そして、そこに住んでおる人々の
人権の問題というものを
考えれば、どうもこれをこのまま放置することができないという
考えなんです。言ってこないのだからないのだ、こう言われても、そういうふうではないと私は思います。新聞等にも出ておるのです。連日そういうことが行われておるような
事態である、こういう言葉をもって表現しておられるような人もあるくらいですから、そこを少し熱意を持って
一つ解決する
考えになっていただきたい。何もなかったらまことにけっこうなことなんですが、そういうふうなけじめがはっきりついていきませんと、私は
労働争議の問題について特別な専門家でもないのでありますが、しかし、
一つの
組合が、そのやり方に対し満足しないで、その後別の
考えを持った
人たちがその
組合から脱退をして、別な
組合、第二
組合を作って、そして
自分たちの
考えに基いて
組合を運営していくというような運動も、これはまあ
組合運動、労働運動の問題として
考えれば、いろいろの批判もあり、研究すべき問題ではあるでありましょうけれ
ども、やはり同じ
組合におる者だからといって、力をもって、後には暴力をもって脅迫をもって、その
人たちを引きずっていくというようなことは、これはまた法律の精神からいっても、許すべきじゃないのじゃないか。そういうことになりますると、第二
組合を作ることの可否等にも
関係しますし、第二
組合ができた、できることを是認するものとして、その第二
組合が生まれた、その
人たちの権利擁護の問題等に関連して、私はひとり
苫小牧の問題だけでなく、そういう
争議に暴力が伴うた場合における将来起るいろいろな問題にも、今度の問題の
解決いかんということは、私は大きな影響があると思うのです。それを
一つ、悪い影響を与えて将来収拾のつかないというようなことにならないようにやるには、どうすべきであるかということを
考えて対処していただきたいと思うのですが、これはまだ
解決のついた問題でないのでございますね。現存する問題として、さらに
調査を徹底してやられるお
考えがあるかどうか。もう
あっせん案の出る前の
事態は、それは取り下げをして
解決をつけるのだ、その後の問題も親告しないからどうもわれわれにはわからぬというようなことでは、どうでしょう。あれだけの大騒ぎがあり、世間の人も大へんだと思っているその
事態が、あばれ回った者はもう当然で、それが最後の勝利を得たのだというような結果にもなる、そういう印象を与えるということはよろしくないと思うのです。それらについての何かお
考えがありましたら、
一つお伺いいたしたい。