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長谷川(保)
委員 私は、何も遠慮してやれというわけじゃない。率直に申しますと、私は
橋本大臣に対しましては非常に敬意を払っておる。それはあなたがこの前厚生大臣として、例の遺族の弔慰金の問題について、職をなげうってお戦いになったということについて、事のよしあしはとにかくとして、あれだけの腹を持っていらっしゃるあなたに対して、私は非常な敬意を表しております。また
文部大臣になられましてからのあなたのいろいろな御説明、御答弁等に対しましても、さっきもここで、なかなか頭のいい人だなとささやいたのでありますが、私は大いに敬意を表しております。これはおだてるのでも何でもありません。ただ
法律に従ってやってもらいたい。
指導、助言、
援助というのが、
文部省の
法律にきめられた
立場です。支配をするというようなことではありません。統制をするというようなことではありません。
法律に従ってやってもらいたい。その点においてはあくまでも努力して、先ほど来のわずかな
質問においても明らかにされておりますように、今日の
教育の諸条件というものは問題にならぬほど不
整備である。これに全力をあげてもらいたい。ただ問題は、
教育委員の問題で
考えてみると、都道府県の
教育委員会——今大臣は、これは非常に不熱心だったというお話がありましたが、私
どもの地方などでは
教育委員を選ぶのに非常に熱心でした。少くとも直接選挙におきましては、労働者の諸君も自分たちの代表にふさわしい人を選ぶことができた。けれ
ども先ほど来のお話のように、職業別に見ていくと、いわゆる労働者代表というものは一人もいないじゃないか、こういうのは国民としてもいただけないのじゃないか。そうして一々
文部省のやって参りますことが
指導、助言、
援助の
範囲を逸脱して支配をしようとしておる。教科書の法案にいたしましても、この
教育委員会の問題にいたしましても、あるいは今度の勤評の問題にいたしましても、その他万般のことがそういうにおいが一ぱいする。私はにおいのするのは当りまえだと思うのです。
文部省の企図しているところは、これは大臣の発言の一斑にもうかがうことができますけれ
ども、要するに日教組によって日本の
教育のいろいろな方針というものがきめられるような情勢にある、これを事実においてそういう形になっていくような情勢にあると判断なさっている。私はこの判断は間違っていると思いますけれ
ども、判断なさって、それをもう一度
文部省に取り返そうというのが大きな目的であり、また事実そういうような
意味において日本の
教育を
文部省が支配するようにしよう、もっと露骨に言えば、今日の政権を握っている自民党が支配しようとしていなさる。そこに今日の
教育の現場の混乱の根本の
原因があるというように
考えられるのであります。だからそういうにおいのするのは当りまえで、事実それをねらっておる、やろうとしておる。——それはともかくとして、次に地方行政の
委員会があるそうで、一時までにここをあけろという今あれがきておりますから、私も徳義を重んじて、まだ私の
質問は四分の一にも達しておりませんけれ
ども次会に譲りますが、少くとも任命制になった結果、都道府県の
教育委員会の
委員の中に労働者の代表というものが入っておらぬ。何と抗弁しましょうとも、直接選挙によります
教育委員の選挙に対して国民の関心が薄かったからこうしたのだとおっしゃっても、国民の五
〇%以上を占めておる、いなおそらく、六〇%も七〇%も占めるといってもよろしかろう、この農民及び労働者——農民を入れますと九〇%以上になると思いますが、少くとも五〇%以上を占めます労働者の代表が入っておらない今日の日本の
教育委員制度の態勢というものが不備だということは、これは何と抗弁しましょうとも言えるわけであります。だから
文部省が
指導、助言を一生懸命になさる、ことに
教育委員会に対しては、なかなか力強い
指導、助言をなさる。私
どもはこれは
指導、助言じゃないと
考えるのだが、きのうの新聞を見ましても、勤評問題その他についてなかなか強い御指示をなさっていらっしゃる。特別昇給から任免権の強化から教組の専従員の対策まで、なかなか強い御指示をなさるように思われる。そういうほどの
指導、助言、
援助をなさるならば、少くとも県の
教育委員には労働者の代表を二分の一以上入れろ、こういうような
指導、助言をなさるべきだと思うのです、国民の数から申しまして。そこまで私は今日言おうとは思いませんが、少くとも都道府県の
教育委員の任命に当っては、労働者代表を相当数入れることが望ましいというくらいの
指導、助言は当然なさるべきだと思うのです。これをなさらないならば、
文部省が
教育を支配しようとしておるのだと言われても、これは言いわけ立ちますまい。国民の大多数である母語%以上のものの代表が入っておらないというこの事実、こういう重要な欠陥というものは、職業別に調べてみればすぐわかる。
教育長の問題でも私は言わなければなりませんが、これはこの次にいたしますけれ
ども、少くともそれだけの
指導、助言はなさるべきだと思う。労働者の代表を都道府県の
教育委員に入れるべし、入れることが望ましいというだけの少くとも
指導、助言をなさる御意思があるかどうか、それを承わっておきたい。