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1959-06-08 第31回国会 衆議院 農林水産委員会 第33号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和三十四年六月八日(月曜日)     午前十一時五十分開議  出席委員    委員長 松浦周太郎君    理事 大野 市郎君 理事 丹羽 兵助君    理事 赤路 友藏君 理事 石田 宥全君    理事 芳賀  貢君       秋山 利恭君    今井  耕君       大森 玉木君    金丸  信君       川野 芳滿君    笹山茂太郎君       田口長治郎君    高石幸三郎君       綱島 正興君    中村 寅太君       内藤  隆君    永田 亮一君       濱地 文平君    松岡嘉兵衛君       三和 精一君    八木 徹雄君       足鹿  覺君    角屋堅次郎君       神田 大作君    栗林 三郎君       實川 清之君    高田 富之君       中澤 茂一君    中村 時雄君       日野 吉夫君    松浦 定義君  委員外出席者         農林政務次官  石坂  繁君         農林事務官         (農林経済局農         政課長)    小林 誠一君         農林事務官         (農林経済局統         計調査部長)  立川 宗保君         食糧庁長官   渡部 伍良君         農林事務官         (食糧庁総務部 大和田啓気君         企画課長)         専  門  員 岩隈  博君     ————————————— 六月八日  委員大森玉木君、金丸信君及び松浦定義君辞任  につき、その補欠として中村寅太君、川野芳滿  君及び高田富之君が議長指名委員選任さ  れた。 同日  委員川野芳滿君、中村寅太君及び高田富之君辞  任につき、その補欠として金丸信君、大森玉木  君及び松浦定義君が議長指名委員選任さ  れた。     ————————————— 本日の会議に付した案件  委員派遣承認申請に関する件  農林水産業の振興に関する件(米価問題)  農林漁業災害に関する件(雹害問題)      ————◇—————
  2. 松浦周太郎

    松浦委員長 これより会議を開きます。  農林漁業災害に関する件について調査を進めます。  去る四日茨城県等を襲った降ひょうによる農作物被害状況並びに対策につき、まず農林省当局より説明を求めます。立川統計調査部長
  3. 立川宗保

    立川説明員 六月の三日及び六月の四日にかけまして各県にひょう害がごさいました。北は福島茨城栃木、群馬、埼玉等の関東の諸県から、山梨、長野、それから静岡あるいは北陸の新潟等にかけまして各県に降ひょうがありまして、現在までに、きわめて概略調査でありますが、私どものわかっておりますところを御報告をいたします。  茨城県では、六月四日午後零時半ぐらいからピンポンの玉の大きさくらいのひょうが降りまして、西茨城郡が最も被害激甚と考えられますが、その他東茨城、那珂、久慈、稲敷、新治、鹿島、結城の各郡に被害がございました。被害の見込みは、現在なお調査中でございますが、さしあたりの概略調査で申しますと、三〇%以上の被害があったと思われますものは、小麦の六百四十町歩大麦の三百町歩裸麦の十町歩菜種の五十町歩バレイショの二十町歩。三〇%未満の被害をも合せますと、小麦が二千百四十町歩大麦が五百三十町歩裸麦が十町歩菜種が七十町歩バレイショが七十町歩というような被害になりまして、収穫期直前の麦がかなり被害を受けておるようであります。それから、最も大きな被害考えられますのはタバコでありまして、これは千二百町歩に及ぶ被害があり、タバコ中心地帯でありますので、被害量としては相当なものに上りはしないかと思いますが、調査中でありまして、その正確な被害量は、まだ若干の時日をかしていただきたいと思います。水稲についても、若干の被害が出ておりまして、植えかえの必要なところもあるように思われます。  それから、お隣の栃木県でありますが、これは六月の三日、四日の二日にかなり被害がありまして、芳賀郡、塩谷郡、那須郡、河内郡、上都賀、下都賀両部など、全県下にわたりまして被害がございました。小麦被害面積五百二十町歩大麦四百七十町歩、裸も合せまして三麦が千町歩に上る被害があります。そのほか、やはりタバコ被害もかなりある模様であります。それから、果樹、おもに日本ナシでありますが、それに麻、カンピョウ、野菜バレイショ菜種というようないろいろな作物の種類に及んで被害がございます。  そのほか、先ほど述べましたような諸県に被害がそれぞれ発生をしておりますが、いずれも、麦類、それからところによりましてはタバコ、それからバレイショ菜種果樹あるいは水稲の苗しろ、こういうようないろいろな品種について各種の被害が出ておるようであります。  現在なお詳細な被害量調査をいたしておりますので、さらに若干の時日をいただきますと、その被害量の詳細を御報告できると存じます。
  4. 松浦周太郎

    松浦委員長 次に質疑に入ります。質疑の通告がありますので、これを許します。神田大作君。
  5. 神田大作

    神田委員 ひょう害に関する当局からの報告がありましたが、非常に概略なものでありまして、栃木県におきましては、五月二十八日に一回ありました。その後六月三日、四日と二度のひょう害を受けたのでありますけれども現地に私たちが行ってみますと、農家人たちがあまりの被害にぼう然自失をいたしまして仕事も手につかないというような状態になっております。特にひょう害の特徴は、一カ所が徹底的にたたかれるというのでございまして、ほかの災害のように幅広く災害がないかわりに、狭く深く災害を受けるので、ほとんどの自分の作物全滅するというような農家がたくさん出てきておる。こういう問題に対して、私は、特別な対策を立てなければ、それらの農家は再起できないというような状態になっていく、こう思われますので、こういう問題につきまして、ほかの災害と区別いたしまして、ひょう害に対する特別な対策というものを農林省では考えてもらわなくちゃならぬ、こういうように考えております。  さしあたって、私は、一番問題になるのは、あすの生活に困っておるのでありますからして、安い低利資金を早く貸し出してやることが大事だと思うのでございますが、この問題について農林省当局はどうお考えになっておりますか、お尋ねいたします。
  6. 石坂繁

    石坂説明員 お答えいたします。  ただいま神田委員からのお話のように、ひょう害につきましては、トータルとしては少いといいますか、霜雪害ほどの重要性を持たないのでございますが、偶々の農家につきましてはほとんどの作物全滅するということで、個別農家被害あるいは打撃というものは非常に大きいこと、御説の通りでございます。  先ほど統計調査部長から御説明がありましたように、被害金額等については目下調査中でございます。詳細なものがまだ出ておりませんので、その対策について今からお答え申し上げるということは少し早過ぎるのではないかと思いますが、従来の天災との関係におきまして、個別農家に対する被害対策というものは非常にむずかしい問題でございます。  一例をあげますと、天災融資法でございますが、この天災融資法は、御存じのように、政令によってその天災を指定しなければならぬわけでございます。その指定します場合の条件と申しますか、これはいわめる国民経済に大きな影響を与える天災を指定しなければならぬということになっておりまして、天災融資法建前から言いますと、その地域社会あるいは県での対策だけでは間に合わない、それほど国民経済に及ぼす影響が大きい天災でないと指定できないということになっておるわけであります。法の建前がそうでございますので、ひょう害の場合に、今回の場合はわかりませんけれども、一般に天災法の指定が非常にむずかしいというのが実情になっておるわけでございます。  しからば個別災害対策はどういうなにがあるかということになるわけでございますが、この個別災害につきましては、御存じ自作農維持創設資金融通法がございます。これは天災その他やむを得ない事由によりまして農家が非常な打撃を受けた、その結果農地を手放すと農業経営に非常に支障を来たす場合には、自作農維持資金が貸し出されるということになっておるわけでございます。これは、ひょう害だけに限らず、たとえば火災を受けたというような場合もありますけれども、個々の災害個別農家災害対策というのは、現在のところ自作農維持資金以外に現行の対策としましてはございません。  そのような事情でございますので、まだ対策というほどでありませんけれども、これまでの取扱いについての概略を御説明したわけでございます。
  7. 神田大作

    神田委員 問題は、やはり天災融資法の対象になるかならぬかがさしあたっての大きな問題であろうと私は思う。これは今調査中であって、天災融資法に当てはまるかどうかわからないというようなことでありますけれども、聞くところによると、四億五千万以上の災害がある場合はこれに当てはまった場合があるようでございますからして、今日茨城県、栃木県、福島県その他の災害等を見ますると、茨城県が三億からの被害をこうむっておるように聞いておりますし、栃木県も二億からの被害を受けておる。そのほかの県を合せますれば優に四億五千万円をこす今度のひょう害であろうと思う。特に最近にない——私たちひょう害というものに対して一部的には相当鶏卵大ひょうが降ったことは聞いておりますけれども、今回のように比較的広範に鶏卵大あるいはピンポン大ひょうが三十分間にわたって降り注いだというようなこういう事例は、相当の古老の人でも今までに経験がないと言われているような、ひょう害といたしましては私は今度は最大級災害であると思いますからして、当局においてはよく御調査の上、災害に泣いておる農家に対しまして力づけをする意味合いにおきまして、速急にこれを調査いたしまして、天災融資法に基く低利資金融資方法をぜひ考えてもらいたいということを私は強く要望いたします。  と同時に、自作農創設資金の問題でありますけれども、これも災害のために自作農創設資金は余分に見ておられると私は思うのでございますからして、この際、この自作農創設資金をこれら災害の府県に貸し出す方法をすみやかにとってもらいたい。特に、自作農創設資金は手続が非常にめんどうであって、貸し出しまでに三月も半年もかかっておったのでは農民は飢え死ぬほかなくなってしまうのでございまして、あす熟れる麦がもう全然とれなくなってしまった、秋に用意しておったところのナシが全然とれなくなった、そういうふうに、さしあたってのあしたの食糧に困るような状態農家がたくさんあるのでございますから、これらに対する応急処置一つ考えてもらいたい、こう考えるわけでございます。  特に、栃木県の芳賀郡はナシの主産地でございますが、このナシがほとんど全滅をいたしました。このナシは、多角経営農業奨励というような形におきまして果樹野菜奨励を県はいたしておりまして、最近非常に成績のいい結果を来たしておったのでありますが、今度のひょう害でもって一挙に壊滅したという状態でございます。特に、ナシの場合は、一年だけの不作ではない、来年もなる芽がもぎられておりますから、二年ナシは全然ならぬということでありますと、二年不作になってくる。しかも木によりますと全然芽が出なくなりますので、今度はなる木の幹を切って新しく芽を作ってやらなければ、いいナシができない。そういうことになりますと、ひょう害のために五、六年せっかく育てたナシが役立たない、こういう状態になってくる。御承知のように、ナシ産地におきましては、田畑は二、三反歩しか作っておらないで、ナシの畑を七、八反ないし一町歩作って、それでもって一家の経営をなしておるのでありますから、今回のひょう害におきましては、これは非常な痛手であります。こういうように局部的に強くこうむっておるところの災害の特質をよくお考えになりまして、これらに対する特別な対策を考慮してもらいたい、私はこう考えておるのでございます。  天災融資法に対する適用の問題は、いろいろと法律的に問題はあるだろうけれども、この際一つできるだけ広範囲に解釈をいたしましてこれが適用をすると同時に、自作農創設資金の大幅な利用並びにこれら全滅を来たした農家に対する飯米の問題、あるいはあと作の問題とか、営農技術の指導の問題、そういう問題等につきましても特別な御考慮を願わなければ、これら全滅に瀕した農家はどうにもならぬ、こういう結果になるのです。もちろん県当局におきましても懸命な努力をしておりますけれども県当局だけでは手の届かないことでございますので、これに対しまして、農林省当局はあたたかい気持をもって万全な策を施してもらいたいということを私は強く要望いたすのであります。この天災融資法適用の問題その他の施策の問題等につきまして、当局が今考えておられる問題等につきましてお尋ねをいたしたいと思います。
  8. 石坂繁

    石坂説明員 ただいま神田委員から重ねての御発言でありましたが、先ほど統計調査部長からお答え申し上げました通り、今日までの段階におきましては、まだ被害実態が十分につかまれていないわけであります。従いまして、農林省といたしましては、被害実態を明確にしながらこれに対する対策を速急に立てるように検討いたしております。先ほど農政課長から天災融資法及び自作農創設資金の過去の災害に対しましての運用についてはお答えいたしましたが、今回のひょう害という特殊の災害に対しましても、対策等十分に検討いたしたいと考えております。
  9. 神田大作

    神田委員 特に、私は、今までの災害に非常に効果のあった問題は、やはり現金収入というものがとたんになくなってしまうのでございますからして、救農公共事業を特別にこの災害地に作って、農民現金収入の道を与えることは非常に大事なことであり、また効果がてきめんであると思いますので、今度の場合におきましても、比較的小範囲でありますけれども、深刻な災害でありますからして、この点を特に考慮してもらいたいと思うのであります。  なお、タバコ被害が非常に甚大であります。タバコはもちろん大蔵省管轄で、専売公社がこれを担当しておるのでございますけれども専売公社の今までのやり方というと、単に共済制度によってこれを補う程度でございまして、大蔵当局専売公社当局とよく連絡の上、これらタバコ耕作者災害に対しましても、病虫害防除のための薬剤の補助、あるいはその他非常な災害を受けましたために労力を要するのでございますからして、これらに対する適切なる助成補助をやるべきであろうと思うのであります。専売公社は膨大な専売益金をあげておきながら、これら災害に対しましては比較的冷淡でありますが、これは農業経営上まことに遺憾であると思いますからして、農林当局といたしましても、大蔵省並びに専売公社連絡の上これに善処してもらいたいということを重ねて強く要望いたす次第であります。なお、公共事業や今の私の質問に対して次官の答弁をお願いします。
  10. 石坂繁

    石坂説明員 救農土木事業の問題は天災融資法建前からいたしましてよほど困難ではないかと思っておりますが、被害農家に対する現金収入の道を開くためには、これまた検討をいたしたいと思っております。  なお、タバコ被害でありますが、これは直接の関係専売公社かと思いますが、タバコ全滅いたしました場合は四割の補償をすることになっております。御注意がありましたので、専売公社ないしは大蔵省にも、われわれの方からもよく連絡をいたしたいと思います。
  11. 神田大作

    神田委員 最後に一言。今までの災害に対する農林省当局その他のあと対策を見ますると、非常に対策がおくれて、農家災害にあったときに、とにかく少しでも早く措置を講じてもらえればありがたいのでありますけれども、しばらくたってから、忘れたころにそういう処置を講ぜられても、大へんにありがたくないというような状態でありますので、災害に当りましてはもっと敏速に措置をすることが大事であると同時に、いろいろ災害視察調査はしますけれども、そういう視察調査をしただけで、どうもかえって地元はわずらわしいものとなり、その後における対策が微温でもって、かえって迷惑をこうむったというような状態も見られる。たとえば病虫害防除補助金にいたしましても、蚊の涙のような補助を忘れたころよこして、いつの何の助成金であったか考えてみなければわからなかったというような場合もあるわけでありまして、私は、農民の一年かかって作り上げた農作物災害に対しましては、もっと厚く、しかもあたたかい効果的な措置をとってもらいたい。今回の災害に対しましては、特に深刻な農家がおるのでありますから、これらに対しては特別な措置を講じてもらいたいということを強く要望いたします。  なお、当局のその後の詳細な調査の結果に基いて、あとでまた御質問申し上げさせていただくことにして、本日はこの程度にしたいと思います。
  12. 石坂繁

    石坂説明員 従来の災害に対する農林省措置が非常におくれる、あるいはまた微温的であったという御批判でありますが、私は必ずしもさように思っておりません。現に、昨年の旱害対策のごとき、あるいはまた伊豆地方災害対策のごときは、皆さん方の御協力もございましたが、比較的に適期にかつ迅速にやったと私は理解いたしております。しかしながら、これはなるべくすみやかにまた十分にやらなければならぬということはお説の通りでございますから、できるだけ御非難のないような方法で進めたいと思っております。
  13. 松浦周太郎

  14. 角屋堅次郎

    角屋委員 ただいまの茨城県等を中心にいたしましたひょう害対策の問題に関連いたしまして、二点お伺いをいたしておきたいと思います。  この問題については、先ほど理事会現地調査を明日行うことになりましたから、その結果を待ってさらに委員会でいろいろ適切な措置検討がなされると思います。御承知のように、日本農業についての災害が非常に多いということが言われておるわけでありますけれども、さらに台風シーズンになりますと、例年どこかで災害が起るという状況になるわけですが、このひょう害等の問題を機会に、農林省といたしまして、災害農業気象という関係の問題について根本的に一つ検討してもらう必要があるのではないかと考えるわけです。たとえばひょう害の問題についても、事前ひょう害等発生ということがある程度直前にでも予知できるという状況になりますれば、被害最小限に食いとめることができる。あるいは旱害、凍霜害等についても、事前にそういうものが予知できるということになれば、それに対する適切な措置を講ずることもできる。やはり、災害の多い日本としては、災害農業気象という関係について、科学的な、しかも体系的な整備をするということを基本的に考えないと、例年災害が起ってから、跡始末をどうするか、災害復旧をどうするか、あるいは災害を受けた農家に対してどうするかということに忙殺されてしまう。やはり基本的に災害最小限に食いとめる。あるいは凍霜害なり、ひょう害なり、あるいは台風等が起ることが予知される状況にありますから、それに対して、事前に予知し、最小限被害を少からしめる努力をすることについて農林省として抜本的に検討する段階に来ておるのではないか。ややもすると、気象関係というものは、中央気象台その他末端の気象観測体制整備等から見ても、きわめて不十分だと思う。こういう方面に金を投ずるということは、ややもいたしますと災害のないときにはむだなように聞えますけれども、しかし、災害被害総額というものとの対比を考えますと、これは決してむだではなくて、むしろそれが十分な効果を発揮するということになると私は思う。その点を私は災害が生ずるごとに痛感させられるわけですけれども、この農業気象災害、いわゆる災害防災対策としての農業気象体制整備を根本的に検討する意思があるかどうかということについて、これから災害シーズンを迎えようとしておりますので、政務次官のお考えを承わりたいと思います。
  15. 石坂繁

    石坂説明員 ただいまの角屋委員の御質問はまことに適切な御質問でございまして、災害の多い日本農業に対して、あらかじめ予知し、もしくは防除する方法を講ずるということは、きわめて適切であると思います。農林省といたしましては、従来、これははなはだ不十分でありますけれども、たとえば桑に対する霜害等に対しては、あらかじめ予知いたしまして、これが防除方法を現に講じております。ところが、気象全体についての施設というものは、たしか気象関係は文部省の所管になっておると承知いたしておりますが、しかし、農林省といたしましても、この点については十分今後対策を立てることが適切であろうと思います。抜本的の対策を講ずる意思ありやなしやという御質問でございますが、これはまた事務当局とも十分相談いたしまして、さようなことに前進すべきだと考えております。
  16. 角屋堅次郎

    角屋委員 政務次官は非常に温厚な人ですから、こちらの意見については全面的に賛成されたようですけれども、ただ単に委員会だけの答弁じゃなしに、実際問題の状況からいたしまして、私ども常に痛感するのですが、やはり、農業関係の問題を取り扱う場合、漁業関係の問題を取り扱う場合に、災害というものに毎年直面をしておる。この災害をいかにして最小限被害に食いとめるかという問題の中に、やはり農業気象という問題を軽視することはできない、こういうことを痛感いたしますので、これは何省の縄張りであるということは抜きにして、台風シーズンを迎えますだけに、根本的に検討していただきたい、そして速急に必要な整備をしていただきたいということを要望いたしておきます。  第二点は、災害の場合、先ほど統計調査部長から被害報告等がありましたが、今度の場合は、茨城とか埼玉とかいう局部的な、いわば数県にわたる被害でありますけれども、大きな台風シーズンになっての災害被害状況はどうかという場合に、被害実態調査による農林省調査資料というものは常に時期的におくれるという関係にある。これはやはり人員、予算その他いろいろな問題がからむのですけれども、私は、災害が生じたあとの適切な処置を講ずる場合には、被害実態はどうかということをすみやかに明らかにすることが先決条件だと思う。そこで、この被害状況の問題については、大体統計調査部の第一線の事務所の方でやられるわけですけれども、そういう異常な災害の場合においては、農林省統計調査部中心として、食糧といわず農地といわず、場合によっては現地に直接調査網を作ってでも速急に実態を明らかにする、こういう融通性といいますか、機動性といいますか、そういうものを検討する必要があるのじゃないか。被害関係統計調査部所管である、こういうふうな従来のいわゆる行政機構考え方に必ずしもこだわらぬで、異常事態に直面したならばやはり異常な措置をして、機動性運用性を発揮してい、こういう考え方が必要じゃないかと私は思う。場合によっては、地方自治体の応援を仰いで、いわゆる特別調査等をやって速急に実態を明らかにする、こういうことが必要じゃなかろうかと私は思う。特に全国的に発生するような台風シーズン等の場合において、私たち委員会被害状況を御報告願う場合に、常に実際の精密な被害実態というものは相当期間おくれてから明らかになるという状況が多いわけですけれども、こういう被害調査の問題については、特別にやはり調査体制というものについて農林省自体において検討する意思があるかどうか。また、これは実際に検討する必要が、そういう異常な事態においてはあるのじゃないかと思うのですが、いかがですか。
  17. 立川宗保

    立川説明員 ただいまの角屋委員の御指摘の点は、私ども問題点一つだと考えております。調査やり方をさらに前進させるために、ただいまいろいろ御指摘をいただきました点について十分に研究いたしたいと思います。
  18. 角屋堅次郎

    角屋委員 本日は、農業気象災害災害の場合における調査機動性運用の問題、こういう二点についてお伺いしたわけですけれども、これは今後予想される災害等の問題に関連をいたしますので、十分一つ検討願うことを要望して、私の質問を終ります。
  19. 松浦周太郎

    松浦委員長 午前中の会議はこの程度にとどめ、午後一時三十分より再開することとし、暫時休憩いたします。     午後零時二十六分休憩      ————◇—————     午後二時二十一分開議
  20. 松浦周太郎

    松浦委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。  農林水産業の振興に関する件、特に米価問題について調査を進めます。  本日は、まず、目下農林省当局において作業を進めておられる米価算定についての当局説明を求めます。大和田企画課長
  21. 大和田啓気

    ○大和田説明員 それでは、お配りいたしております資料に基きまして御説明を申し上げます。  お配りいたしてあります資料の荒筋を申し上げますと、大きな表は「米生産費分析資料I」で、これは昭和三十一年と三十二年の生産費についての詳細な分析がございます。  それから、「米生産費分析資料II」というのがございますが、これは大きな資料の補足でございます。  それから、「生産者米価算定方式資料(II)」とございますのは、「生産費及び所得補償方式に関する資料」で、三十三年の米価審議会に至るまでの過程といたしまして、昭和三十年の米価の専門委員会において提案された方式でありますとか、食糧庁が米価審議会に参酌事項として提出いたしておりますところの生産費及び所得補償方式の算定の方法でございますとか、農業団体と農林省との算定の相違でありますとか、そういうものが資料に出ております。  それから、「生産者米価算定方式資料(III)とございますのが、「米価と農家経済及び家計」で、主として昭和二十六年を基準として米価の伸び、家計の伸び、あるいは農家経済の内容の変化がございます。  その次に、「生産者米価算定方式資料(IV)」とございますのは、「パリティ米価算定方式に関する資料」でございます。  それから、さらに、白い表紙がございませんものは、「農業パリティ指数の改正について」というものでございます。これは、昭和二十五、六年を基準として、昭和二十五、六年のウエートで品目と等級を選んでパリティ指数を従来作っておりましたのを、基準が古過ぎる、あるいは品目、項目のウエートが古過ぎるという御意見が米価審議会等でしばしばございましたので、幸いに昭和三十二年から農家経済調査農家の選定がえが行われましたことを契機にいたしまして、昭和二十五、六年を基準として指数を一〇〇に置くことは従前と変りございませんけれども農家経済の内容、家計と消費と両方の面において最近における農家経済の内容をよりよく反映するために、三十二年のウエートで品目項目を新しく再検討いたしまして、パリティ指数に組み入れる品目もふやしましたし、またウエートも三十二年にとりまして、三十二年に連鎖さして二十五、六年の基準のパリティを新しく組み直すことを考えておりますが、数値もごく最近において出ましたものですから、新旧のパリティの比較をいたしながら取りまとめてございます。  以上が資料についての概略説明でございます。  そこで、「米生産費分析資料I」この方から御説明をいたします。生産費の調査は、農林省で昭和三十一年から農家の選定の方法を組みかえております。これは、四ページをごらんいただきますと、「調査農家の選定方法」というところに詳しくございますが、米価を決定する場合に、生産費の調査がいよいよ重要になりましたことを契機といたしまして、昭和三十一年から直接に米を売っている農家の生産費を主体として調べるように組みかわりておるわけでございます。米を一俵以上販売する農家というものを二千六百戸とりまして、その二千六百戸が全体として販売農家の平均の生産費を代表するようにいたしておるわけでございます。四ページ以下、五ページ、六ページに選定の方式が書いてございますが、五ページをちょっとお開きをいただきますと、まず(2)に「府県へのサンプル配当」というのがございますが、県ごとの米の販売農家数に応じて総数二千六百戸を各統計事務所へまず配当をするわけでございます。その次に「第一次抽出法」というのがございます。各統計事務所内における第一次抽出単位は、臨時農業基本調査における標本農業集落、——部落の性格によってまず第一次選定をいたすわけでございます。その部落の選定の方法は(b)に書いてございますが、「各統計事務所において次のような方法で管下の臨時農業基本調査における標本集落の一覧表を作成した。」「まず臨時農業基本調査の集落階層」——集落というのは部落と大体お考えいただいて誤まりございませんが、「集落階層を次のように細み合わせて生産費調査選定替のための集落階層を作った。以下これを生産費階層という。」というふうにいたします。右の表を見ていただきますと、普通農村で商業的穀作商品農業、これの中には平地農村と穀作商品農業と農山村が入るわけでございます。さらに、普通農村で商業的農業、普通農村で商品的農業、普通農村で自給的農村、普通農村で勤労者の多い集落、それから、山村、その他の農村。その他の農村の中には、漁村でありますとか、開拓部落でありますとか、都市におけるいわば農村地帯でありますとか、そういう七種類にまずあらゆる部落をわけるわけでございます。そうしてこの部落をこの七種類に県ごとにわげましてから、生産費階層ができたら、六ページにいきますが、次に生産費階層の配列をきめる。部落の順序をきのる。七つの種類に部落を区切るわけでございますが、その区切った七種類の部落の集まりの順序をきめるわけでございます。この部落の集まりの順序をきめる方法といたしましては、ここに書いてございますように、販売農家の割合で順序をきめるわけでございす。生産費階層ごとに、その主産費階層に属する標本農業集落の農家数の合計を分母に置きまして、分子にその生産費階層に属する標本農業集落の米販売農家数の合計。全体の農家の中で米を販売する農家の数が幾らかということを調べまして、各事務所ごとにこの販売農家数の割合の大小順に生産費階層に第一から第七までの番号をつけるわけでございます。前のページにお戻りいただきますと、たとえば普通農村で穀作商品農業地帯で、米販売農家の割合が七〇%であり、以下それよりも全部少いものといたしますと、七〇、六五、六〇、五五というふうにそれぞれの販売農家の割合がきまるといたしますと、その販売農家の割合でまず順序をきめるわけでございます。そして、そのグループでくくってからそのグループに順番をつけるわけですが、今度はその中で集落一覧表を次の順序で作成をいたします。まず、第一生産費階層、これは販売農家の割合が一番多い階層でございますが、この第一生産費階層に属する臨時農業基本調査における個々の標本集落の水稲平均反収の大なるものから順に表に記入する。部落ごとでは水稲の平均反収の順に並べるわけでございます。第一生産費階層に属する標本集落の記入が終ったら、次に第二生産費階層に属する標本集落を上と同様にして記入していく。そのようにして順次第三生産費階層、第四等々に及んで、第七生産費階層に至るわけでございます。この際、集落水稲平均反収というのは、部落の平均反収というのは出ておりませんから、その集落が所属する旧町村の水稲の平均反収を使っております。具体的には昭和二十七年産米の水稲の平均反収を用いているわけでございます。とにかく、まず部落の性格によって部落を大ぐくりして、そのくくられた部落の中では、部落の米の生産反収の順序に従って部落に順番をつけるわけでございます。  そして、上のようにして標本集落の記入が終ったら、各集落ごとに、米の販売農家数を、A部落三十戸、B部落四十戸というふうに記入するわけでございます。そして、その上で、上の集落一覧表を用いて次の方法により抽出単位区を設定する。抽出単位区は、府県に配当された標本集落数、標本農家の五分の一でございます。一つの部落から生産費調査農家というのは五戸選ぶわけでございますから、二千六百を五で割った数だけ部落ができるわけですが、その抽出する部落の数にひとしいだけの数に部落をくくり直すわけでございます。集落一覧表を用いて上から順に標本集落数にひとしい抽出単位区を作る。その場合、各抽出単位区に含まれる米の販売農家数はひとしくなるようにする。要するに、二千六百を五で割りますと五百二十でありますが、五百二十部落をくくるわけであります。第一の生産費階層から第七の生産費階層にかけて一つのくくりの中に入るところの農家の数が同じようになるように全体を五百二十というグループにくくるわけであります。そうしてその中から部落を一つ選ぶわけであります。この抽出単位区から一つの標本集落を確率比例抽出する。この確率比例抽出というのは、たとえば、全部番号を一番からずっとつけまして、二番、それからその次は機械的に選ばれるようにいたす。そこにおいては人の個人的なあるいはいかなる意思もまじらないような形で機械的に抽出をするわけであります。この部落を機械的に選びましたあとで、どの農家の生産費を調査するかという標本農家を選び出すわけであります。  まず、そのようにして選ばれた部落全販売農家水稲作付面積の大小の順に従って配列をいたします。まず部落を機械的に選んで、その機械的に選んだ部落から、今度はその部落に属するところの農家を二十戸なりあるいは三十戸なりに番号をつけまして、たとえば五十戸の部落といたしますと、一番、十一番、二十一番、三十一番というふうに選んでいくわけでございます。このようにして選ばれた二千六百戸の生産費を平均することによって、販売農家の全体の生産費が代表されるというふうな仕組みになっておるわけでございます。  そこで、まず統計調査部の生産費でございますが、今のようにして選ばれました農家について生産費を調査いたすわけでございますが、工業の生産費と違いまして、農業の生産費の場合は自給部門が五割以上に上っております。要するに、原料を買い、労働者を雇って肥料、鉄等を作るのと違いまして、家族労力を使い、また自給肥料を使って生産を営むわけでありますから、買わない品物なり、買わない労働力が相当たくさんあるわけでございます。従って、米価と直接結びつけませんでも、生産費調査調査におきましても、その自給部分の評価というものが相当厄介な問題になって、昭和の初めから生産費調査をやっておりますけれども、なかなかきまらない問題がまだ幾つかあるわけであります。  そこで、生産費の構成項目について多少の注を申し上げますと、二ページをごらんいただきたいと思います。肥料その他のものは買った値段で評価いたしますから、これは問題はございませんが、自給肥料の評価につきましては、過去の生産費調査におきましては、市価のあるものは市価をとり、市価のないものについては、自給肥料でいきますと、窒素が幾ら、燐酸分が幾らというふうに成分価格によって評価を出しておるわけでございますけれども、この調査におきましては、自給肥料の生産に要した材料費、建物費、農具費、労働費等の総費用を計算して総生産量で除して一貫当りの単価を求め、それに調査作物への施用量を乗じて算出するという、いわば自給物の生産費方式をとっておるわけでございます。自給畜力についても、同様に、現在におきましては、牛なり馬なりの飼育費を計算をして、実際の役畜の使用の一時間当りの費用単価を出して、米とか麦とかにいろいろ牛や馬を使っておりますが、調査作物である米への役畜の使用時間を出して計算する。自家労賃の評価につきましては、これはその時代あるいはその時期における農業日雇い賃金で評価をいたしておりますのが統計調査部考え方で、それを、米価について生産費及び所得補償方式という考え方をとるという場合には、都市の製造業の平均労賃に均衡するような労賃でこの自家労賃を評価するということが、いわゆる生産費及び所得補償方式の中核になるわけでございます。それから、さらに、三ページに参りますと、地代の計算では、統計調査部調査といたしましては、小作地につきましては、支払い小作料、自作地については近所の似たような小作地の例をとっておるわけであります。  大体、これが、三十一年以降の統計調査部の生産費調査、また私たちが米価算定に生産費を取り入れる場合の基礎になりますところの生産費調査の内容なり性格なりでございます。  そこで、三十一年と三十二年についてこまかな分析がございますが、一々申し述べることは略しまして、要点だけこの資料について申し上げますと、まず十五ページを一つお開きをいただきたいと思います。これは三十二年の米の統計調査部の生産費でございます。この大きな生産費の分析資料の十五ページで、横にとじ込んでおりますところの資料でございます。「昭和三十二年産米の生産費高低別戸数分布(販売農家)」、先ほど説明をいたしました二千六百戸の農家で、災害をひどく受けたとかあるいは記入漏れがありまして統計調査部として資料として使えないものを除きましては、二千四百三十五戸の生産費を、安い方から高い方にかけて並べております。戸数の平均で言いますと、六千百二十七円が一石当りの生産費でございます。これは都市の均衡労賃で評価がえをする前のなまの生産費でございます。これは全体の数量について生産量でウエートをつけますと五千八百六十二円になります。戸数の平均でやりますと六千百二十七円、生産費でウエートをつけますと五千八百六十二円ですから、多少は生産費の安いところで多くの米が作られている、平均よりも生産費の高いところで作っている農家の数はやや少いということになるわけでございます。  そこで、この表をごらんになりますれば、戸数の平均が六千百二十七円でございますが、それが、凡例と書いてありますところの右の肩の表の、標本の平均値というところでございます。これは戸数でウエートをつけてございます。平均は六千百二十七円でございますけれども、一番安い生産費農家というのは、これは二百円刻みで図に表わしておりますが、二千四百円ないし二千六百円のところに一戸ございます。以下、山がだんだん高くなりまして、一石当り五千円ないし六千六、七百円あたりのところまでに生産費が集中して、あとはまたずっと背が低くなります。これは戸数がふえてまた減るわけでございますが、五千八百円あるいは六千百円が平均生産費という場合に、一番安い生産費は二千四百円程度、一番高い生産費は、ここにもございますように、一万四千四百円程度ということで、その幅は非常に大きいわけでございます。凡例の標本の平均値に対しまするところの標準偏差は千五百四十一円でございます。     〔委員長退席、大野(市)委員長代理着席〕  それから、平均に対するそれぞれの生産費の分布の状態といいますか、離れ工合を示すところの変異係数は二五・一五%で、これは生産費の広がりといいますか、分布といいますか、平均に比べて相当離れているところを示しておるわけでございます。そして、一番数の多いところを探しますと五千九百八円、これが最頻値でございます。それから中位数を拾いますと五千八百三十九円、総和平均というものは生産量でウエートをかけますと五千八百六十二円、いわゆるバルク・ラインと申しますか、七五%に該当するところは六千九百五十五円、八〇%に該当するところと、だんだん戸数が生産費の安い方から高い方に行きまして、一番下の欄にございますが、たとえば八千八百円ないし九千円というところをごらんいただきますと、戸数の累積度が九五・二%ということになっております。ここまでで生産費をカバーする農家が九六・二%という意味でございます。バルク・ラインというふうにお考えいただいても同じであります。いずれにしろ、統計調査部の生産費が五千八百円という場合にも、二千四百円から一万四千四百円までの幅があるということでございます。  それから、十八ページをちょっとごらんをいただきます。今申し上げましたのは石当りの生産費でございます。石当りの生産費はなるほどピンからキリまであるけれども、反当の生産費はそれほどの違いがないかもしれないというお考えもあるわけでございますが、十八ページの数字は昭和三十二年の産米の販売農家で反当生産費別の戸数分布でございます。同様になっております。反当にして一万四千円あるいは一万五千円程度のところに多く集まっておりますけれども、それでも反当にして一番安いところは六千六百円、一番高いところは三万一千円というところがあるわけであります。石当り生産費ばかりでなしに、反当生産費においても分布の幅は相当あるということでございます。  それから、バルク・ラインの生産費の説明を簡単に申し上げます。五十九ページの表を一つごらんいただきます。これは、異常な二十八年の大凶作でありますとか、あるいは三十年の豊作でありますとかという年を除きまして、二十七年と二十九年、三十一年、三十二年について生産費のカーブを描いてございます。一番下の八〇%というところを見ていただきますと、三十二年と三十一年とをごらんいただきますと、三十一年の方がバルク・ライン生産費は七千四百円のところに近いところにございますが、三十二年のところでは八〇%バルク・ラインというのは、七千二百円のところにございます。しかし、この表でこのカーブをごらんいただきますと、三十一年と三十二年とをお比べいただきますと、平均生産費でエックス・パー——Xの上に—が書いてございますが、三十一年の平均生産費は五千七百八十四円、三十二年のところが五千八百六十二円で、平均生産費でいきますと、三十一年と三十二年とを比べますと、三十一年の方が平均生産費は三十二年より安いけれども、八〇%バルク・ラインの生産費は三十二年の方が三十一年より高いというふうに、平均生産費の動きとは逆になることを示しております。これはあとからも御説明いたしますけれども、平均の生産費をいう場合とバルク・ラインの生産費をいう場合とは分散の幅が問題でございます。平均生産費が上っても、要するに高いところと低いところ、最高、最低の分散の幅が詰まりますと、八〇%バルク・ラインというのが低くなることは当然でございます。だから、平均生産費が上ってもバルク・ライン生産費が下ったり、平均生産費が下ってもバルク・ラインが上ったりすることはあり得ることで、バルク・ライン生産費の動きというのは平均生産費と逆の動きをすることがあり得るわけでございます。  さらに、六十ページをちょっとごらんいただきますと、平均生産費の振れについては先ほど申し上げましたが、六十ページには「三十二年産米バルク・ライン生産費並びに農家の概況」というのがございます。七〇%、七五%、八〇%、八五%、九〇%、九五%というふうに、相当幾つものバルク・ライン生産費の内容が分析されております。これは厳密にバルク・ライン生産費を問題にいたしますと、バルク・ラインの線でございますから、二千六百戸のうちで八〇%目に当る農家というのは一戸か二戸でございます。線の上に乗っかる農家というのは一戸か二戸か三戸で、とにかく少い農家でございます。それだけで生産費を言うのはきわめて不安定でございますから、便法として、従来から農林省もまた団体の方も、八〇%バルク・ラインという場合は、七七・五%から八二・五%で、上下の幅五%のところでバルク・ライン生産費ということを議論しております。従って、七〇%バルク・ラインというのは六七・五%から七二・五%までのものの平均でございます。従って、集計の戸数はそれぞれ百二十六戸ございますが、二千六百戸の中で多少落ちるものがございますから、その五%として百二十六戸が出てくるわけでございます。これで七〇、七五、八〇、八五、九〇というのをそれぞれ反当の費用と石当りの生産費と一戸当りの経営の内容と労働時間あるいは一戸当りの収入の構成というものを調べてございますが、これらはいずれも百二十六戸の平均の数字でございます。それを見ますと、まず反当の収量でごらんをいただきますと、まん中からちょっと下の方、反当というワクの一番下に反当収量がございますが、七〇%バルク・ラインで二石四斗八升、七五%バルク・ラインで二石四斗八升、八〇%バルク・ラインで二石五斗一升、八五%バルク・ラインで二石三斗三升、以下少し収量が下っております。八〇%バルク・ラインというのは、七五%あるいは七〇%バルク・ラインの農家より反当収量はかえって高いということを示しているわけでございます。それから、販売関係をごらんに入れますと、一戸当りの販売関係で(B)分の(A)というのは、作った米の中でどれだけを売るかという数字でございます。七〇%が五五%から始まって、七五%が五八%。七〇と七五では、七五%の方が、すなわち生産費が高い方が販売率が高くなっております。八〇%バルク・ラインでは五四%で下っておりますけれども、八五%バルク・ラインでは五八%というふうにまた販売率が高くなっております。さらに、経営作付面積、水田の作付面積でございますが、一戸当りという欄の一番下の作付面積をごらんいただきますと、七〇%バルク・ラインは八反九畝、七五%が九反三畝二、八〇%が八反四畝五というふうに下っておりますが、また八五%バルク・ラインで九反二畝というふうに作付面積が上っております。さらに、反当の労働時間の男女計というところをごらんいただきますと、七〇%バルク・ラインでは一八七時間、七五%では一九〇時間、八〇%では一九九時間と、バルク・ラインが高くなるに従って反当時間がふえていくようですけれども、八五%バルク・ラインを見ますと、一九〇・四時間というふうに反当労働時間がかえって少くなっていることになります。一々こまかいことは申し上げませんけれども、平均としてバルク・ライン生産費を観察する限り、七〇と七五と八〇と八五と、取り立てて性格上の違いがないように考えるわけでございます。  それでは八〇%バルク・ラインに限らずどこのバルク・ラインでもそうですけれども、八〇%バルク・ラインの生産費を形成する農家の内容はどういうものかということは六十六ページにございます。  六十七ページをごらんいただきますと、反当生産費でございますが、これも詳細は省略いたしますが、八〇%バルク・ラインのところをごらんいただきますと、反当一万一千円程度から二万六千五百円程度に反当生産費が分散をいたしております。  六十八ページをごらんいただきますと、八〇%バルク・ラインで反当費、これは副産物収入を引かない前でございますが、それも一万三千円程度から二万六千円ぐらいに分散をいたしております。  さらに、六十九ページに反当収量がございますが、八〇%バルク・ラインのところをごらんいただきますと、一石五斗から三石七斗ぐらいに収量が分散をいたしております。八〇%バルク・ラインというのは限界地における平均生産費を代表するものだという御意見がございますけれども、八〇%バルク・ラインの収量の三石七斗とか三石五斗とかいうのを見ますと、限界地における平均生産費を現わしているというふうには考えられないわけでございます。  七十ページをごらんいただきますと、水稲の作付面積がございます。八〇%バルク・ラインのところは、二反八畝から始まって、大きいのは三町をこえるところがございます。八〇%バルク・ラインは零細農を代表するという御意見があるわけでありますけれども、生産費の内容を一つ一つについて当ってみますと、必ずしも零細経営を代表しないで、大きな経営も相当入っておるわけでございます。  それと同じように、七十一ページをごらんいただきますと、販売量率で、米の生産量の中で売る率の割合でございますが、一〇%程度から八五%程度まで、これも分散をいたしております。  さらに、七十二ページをごらんいただきますと、八〇%バルク・ラインのところは、石当りの労働時間で、三十五時間から百二十八時間ぐらいまで分散をいたしております。非常に能率的な経営から非常に人手を食う経営まで、いろいろなものが中に含まれておるわけでございます。  さらに、七十三ページをごらんいただきますと、反当の労働時間でございますが、反当九十二時間から三百五十時間ぐらいまで分散をいたしております。  以下、米作の依存率でありますとか、作柄の頻度でありますとか、いろいろございますけれども、詳細は略します。  七十八ページをごらんいただきます。これは、三十一年と三十二年とを比較をいたしまして、販売農家全部と非災害農家——この非災害農家といいますのは、農家単位で二〇%の被害を受けている農家を除いた残りでございます。それと両方並べてございますが、バルク・ラインの高いところの農家、たとえば八〇%バルク・ラインに属する農家というのは近畿あるいは中国地方に相当あることは事実であります。三十一年、三十二年をちょっとごらんいただきますと、八〇%バルク・ラインというところの三十一年の縦をごらんいただきますと、八〇%バルク・ラインの百二十六戸というのを地方別に当てはめてみますと、東北が二・五%、関東が一三・六%、東山北陸が一一%、東海が一二・七%、近畿が二一・三%、中国が一四・四%、四国が一一・八%、九州は一二・七%というふうに分散しておりますけれども、三十二年を見ますと、今度は近畿が一二・一%というふうに小さくなって、東山北陸が二二・四%というふうに変っております。経営面積からいって小さいところにバルク・ラインの農家が集中しているわけでもございませんし、地域別にいってバルク・ライン農家が一カ所に集中しているわけでもないわけでございます。  それから、さらに、七十九ページをごらんいただきます。これが、三十一年と三十二年の生産費を比較いたしまして、三十一年に八〇%バルク・ラインに位していた農家が三十二年にどこへ移ったかということの追跡でございます。もしも三十一年と三十二年と同じような農家が八〇%バルク・ラインにいるとすれば、それは八〇%バルク・ライン農家というのに何か固有の法則性があるというふうにも考えられるわけでございますが、五〇%からずっと一〇〇%までのそれぞれの翌年における運命をたどって孝ますと、三十一年に八〇%バルク・ラインにいた百十八戸の農家の中で、平均生産費以下になっている農家が二十五戸、それから以下ずうっとちらばりまして、三十一年も八〇%バルク・ライン、三十二年も八〇%バルク・ラインという農家は十六戸でございます。百十八戸のうちの十六戸で、一五%には足らないわけでございます。それでは、こういうような出入りは災害関係であって、災害を除けばどうかというのが右の表でございますけれども、八〇%バルク・ライン百九戸の中で、三十二年も八〇%バルク・ラインに乗っている農家は十五戸にすぎない、これも一五%に達しない状況でございます。  以下、三十一年に八〇%バルク・ライン農家が、三十二年に生産費が上ったり下ったりする場合には、どういう理由で上るだろうか、下るだろうかというこまかい追跡がございます。遺憾ながら、私たちが分析した限りでは、なかなか法則性がつかまらない状態でございます。  そこでこの大きな表の説明は終らせていただきます。  次に、「米生産費分析資料II」の方を一つごらんを願います。これはIとIIと対でごらんいただく性質のものでございます。  一ページをおあけいただきますと、生産費及び反収の分散度というものがございます。これは、三十二年で変異係数が二五・一五%ということを申し上げましたけれども、三十一年の生産費調査では二八・四%で、非常に大きいわけでございます。平均に対する分散が二八・四%ということになっております。そうして、石当りの生産費の分散度は高くても反当の生産費は大体同じようではないかというふうに予感はいたしますけれども、実際調べてみますと、三十一年では二三%、三十二年で二一・七%というふうに、これも相当高いことが示されております。  二ページをおあげいただきます。これは、前にありましたのは三十二年の生産費で、これは三十一年の販売農家の石当りの生産費の高低別で、分布の型は三十一年度のときと同じでございます。  それから、五ページを一つおあけいただきます。五ページはいろいろなバルク・ラインにおける生産費及び諸項目の分散度を示すものでございます。これは、バルク・ラインを並べてみますと、平均の数値としては農家の性格から言って、八〇%とか七五%とかいって、とりわけ七〇、七五、八〇、八五と並べてみましても、それぞれの特色が平均としてなく、また個別に当ってみますと非常にピンからキリまであるということを先ほども申し上げましたけれども、それを統計的に処理した表でございます。石当り生産費は、これは分散度があまりないことは当りまえでございます。石当り生産費の順に並べてあるわけでございますから、これは当りまえでございますが、反当生産費をかりに八〇%のところでごらんいただきますと、平均が一万八千三百八十円で、標準偏差が三千三百九円で、分散度が一八%でございます。反当費用の合計で分散度が一六・四%、反当収量でも、先ほどもごらんに入れましたけれども、一八・四%、作付面積に至っては五八・五%、販売量率では二七%、労働時間では石当りにして二〇・二%、反当にして二〇%という大きな変異係数を示しております。  そこで、十ページをお開き願います。先ほど、バルク・ライン生産費が、三十一年と三十二年と、ある農家がどこのバルク・ラインに属するかということは、結果的にいわば偶然的にきまることで、非常に浮動をしているということを申し上げましたけれども、それでは、念のために、都市均衡労賃で評価がえをしたいわゆる生産費及び所得補償方式による生産費でもう一度検証をしてみますとどうかといいますと、これも全く同様の結果でございます。三十一年のときに八〇%バルク・ラインに属していた農家が百八戸で、その中で十四戸しか三十二年もまた八〇%バルク・ラインに属しておりません。これは生産費・所得補償方式的な生産費でありましても、あるいは純粋な意味での生産費でありましても、傾向としては同様であります。  さらに、十三ページをおあけいただきますと、石当り生産費ではバルク・ラインが動揺しているけれども、反当生産費ではバルク・ラインはもっと安定しないであろうかという感じを持つわけであります。多少安定いたすと思いますけれども、反当生産費で三十一年に八〇%バルク・ラインにいた農家百八戸の中で、三十二年も同様に八〇%バル・クラインにいる農家は十四戸であります。これは、石当り生産費についても、反当生産費についてやっても、また賃金を評価がえしてやってもやらなくても、傾向としては同じだということでございます。  なお、その関係をさらに詰めてみますと、——十五ページをおあけ願います。これは三十一年に八〇%バルク・ラインにいた農家百二十六戸が三十二年ではどういう数値を示しているかということの一つの検証でございます。総労働時間で言いますと、三十一年は二百十六時間でございましたが、三十二年ではそれが二百六時間に減っている。それから、第二次生産費をとりましても、三十一年は反当にして一万八千六百八十円で、三十二年は一万八千百六十円で、反当は五百円程度の違いでありますけれども、石当りにいたしますと、三十一年は七千六百五十五円が、三十二年は七千四十二円というふうに、同じ農家が三十一年と三十二年で七千数百円の生産費の中で六百円くらい違うわけでございます。これは評価がえを用いないでなまの生産費でございます。同様に、八五%バルク・ラインで検証をいたしますと、三十一年には石当り八千二百十一円であった同じ百二十六戸の農家が、三十二年では七千三百十二円というふうに、千円減っているわけでございます。平均生産費としては多少高くなってもバルク・ライン生産費としては落ちるということを先ほど申し上げましたが、これが一つの証左でございます。  そこで、生産費について、十七ページをごらんいただきますと、これは生産費の高低を左右するところの項目というのは一体何であろうかということの追跡であります。まず(1)が石当り生産費対反当収量、——石当り生産費と反当収量とはどの程度の相関関係があるであろうかということでございます。これは当然、非常に高いということを予想いたしますが、ここでごらんいただいておわかりになりますように、縦が反当収量、横が生産費で、石五千円刻みになっておりますが、一番上の一石五斗米満のところをごらんいただきますと、収量は一石五斗に達しない農家で、生産費は五千円くらいのところから一万二千円くらいのところまで分散をいたしております。それから、さらに、どこでも同じ程度の分散をいたしておりますが、一石五斗ないし一石七斗のところを押えますと、生産費は、これも石五千円から一万二千円以上のところに非常に幅広く分散をいたしております。一石九斗ないし二石一斗としますとさらに幅は広くなるわけで、私たちが常識として考えるよりは相関関係は大きくない。相関関係はでございますが、〇・五五。これはマイナスの〇・五五であります。反当収量がふえれば石当り生産費は減るという意味で、マイナスの〇・五五であります。ほんとうは〇・八とか〇・九とかいうものが予想されますけれども、これは生産費を規定するものは必ずしも反当収量だけではないということになるわけでございます。  それから、同様に、十八ページをごらんいただきますと、反当の肥料費と石当りの生産費ですが、これはコリレーションが〇・一〇でございます。関係が多少はあるという程度で、ほとんど問題にならない程度でございます。  それから、十九ページが反当の物財費と石当り生産費の関係ですが、これも相関係数が〇・三八。相関係数で〇・五ないし〇・六以上なければ関係が深いというふうにはなかなか言い切れないわけでございますが、肥料にいたしましても、反当の物財費にいたしましても、二十ページの反当畜力費にいたしましても、ほとんど問題はないといいますか、相関関係が非常に薄いというふうに言えるわけでございます。  二十一ページを見ますと、石当り生産費と反当労働費で、これは〇・五八で、反当労働費がたくさんかかれば石当り生産費も高くなるというその割合が〇・五八であって、これは相当の相関関係があるわけでございます。  それから、二十二ページにいきますと、相関係数は〇・三七、これは反当労働時間と石当り生産費で、反当労働時間よりは反当労働費の方が相関度が高いわけでございます。これは評価がえをする前の生産費でございますから、家族労賃を評価するのは、その地方、そのときにおける雇用労賃で評価いたしますから、雇用労賃が高い地帯の生産費というのは、安い地帯の生産費よりは石当り生産費に相当な大きな影響がある。当りまえのことでございますけれども、その度合いを示しておるわけでございます。  それから、石当り生産費対反当費用の合計が二十三ページにございます。これも、先ほどの、反当収量が高ければ石当り生産費が安いということは当りまえだということを申し上げましたが、そのうらはらで、反当費用が高ければ石当りの生産費が高いのも当りまえでございますが、その相関度が〇・六四。これも相当撹乱をされていて、相関度が非常に高いというふうには考えられないわけでございます。  二十四ページが石当り生産費対反当第二次生産費で、これが〇・六三。これも同様でございます。  二十五ページをお開きいただきますと、石当り生産費対販売量でございます。販売量が多ければ石当り生産費が下るということは、前にこの大きな分析資料で、説明は省略してございますが、そういう関係が平均としてはございます。平均としては、販売量が多ければ石当り生産費が安いという関係がございますけれども、それは平均の数字であって、一戸々々に入って相関度を調べてみますと、二石を売っていない農家の生産費では三千五百円から一万二千円以上に分散をいたしております。こうういように分散が非常に広いものでございますから、石当り生産費と販売量というものの関係ば、相関係数はマイナスの〇・二七で、マイナスの〇・三に足らないごくわずかだということになるわけでございます。  さらに、二十六ページにいきますと、これは米麦——畑、水田を全部含めての経営面積と石当り生産費の関係でございますが、経営面積が大きければ米の石当り生産費が低いということはほんのわずか言える。しかし、統計上はマイナス〇・〇四でありますから、問題にならない。相関度は非常に低いものでございます。  それから、二十七ページは、今度は水稲の作付実面積と行当り生産費の関係で、通常は、石当り生産費というのは、水稲の作付面積が大きくなるに従って下っていくという常識がございますが、それは平均として見ればそうでございますけれども、一枚々々、生産費調査農家一戸々々を分析いたしますと、三反歩未満の農家でも三千五百円程度から一万円程度まで生産費は分散をいたしております。三反ないし六反の農家で、二千五百円から一万二千円以上に分散をいたしております。従って、水稲の作付実面積と石当り生産費との関係はマイナスで〇・〇七でございます。  以上が生産費関係の分析でございます。  それで、生産費及び所得補償方式に関する資料というのを一つおあけを願います。「生産者米価算定方式資料(II)」でございます。これはまずIが、昭和三十年米価算定専門委員会において提案された方式でございます。生産費及び所得補償方式A案、同B案と、限界生産費方式というのがございます。内容を多少要約してございますが、説明は省略をいたします。それから、IIが、食糧庁が米価決定の参酌事項として算定する生産費及び所得補償方式の内容。それからIIIが、生産費及び所得補償方式による米価で、農林省方式と農業団体方式の三十三年米価の比較でございます。さらに、それに参考といたしまして、農林省農業団体の生産費調査の比較がいたしてございます。     〔大野(市)委員長代理退席、委員長着席〕 これはまだ三十四年の問題は今せっかく勉強中でございますので、この三十二ページを一つごらんいただきます。従来の方式の御説明をいたします。  生産費及び所得補償方式による方式のそれぞれの前提条件といたしますか、均衡の労賃をどういうふうにして求めるか、地代をどういうふうにして求めるかということは、実は農業団体とここ一月、二月相談をいたして、あるものは大体まとまり、あるものはまだまとまらない状態でございますが、その従来の経過とあわせて多少申し上げますと、三十二ページにございますが、一つは評価方法の違いがあるわけでございます。  それは、家族労働費を、私の方は製造業の全規模の平均賃金をとっておりますことに対して、最近農業団体で発表いたしましたものを見ますと、一人ないし四人以下の規模の労働者の賃金を除いて、五人以上の規模のものではじいております。これは都市の製造業の賃金に均衡するような賃金を家族労働に当てはめるという立場からの議論でございますが、三十二年の七月から、毎年七月に、一人ないし四人の規模の労務者の賃金と五人以上の事業場の労務者の賃金との格差を検討する資料がこまかいものができておりますこともありまして、都市の製造業の平均賃金を私の方はとりたいということでございます。  地代は、これはなかなかむずかしい問題でございます。従来も農林省は統制小作料をとり、団体ば勧銀調査による実納小作料をとっております。これも団体の方は勧銀調査の方の実納小作料をとることにほぼきめているようでございますが、建前といたしましては現在の統制小作料というのは、都市の生産費に都市の平均賃金を代入して、小作農が自作農とほぼ同じような生活程度あるいは農業所得を得るようにという考慮で統制小作料をはじいておりますことと、それから、統制小作料をこえてやみ小作料を農家が払っておる場合に、そのやみ小作料を米価の中に算入いたしますことは、いわばやみ小作料の追認になることでございますから、建前としては統制小作料をとらざるを得ないというふうに考えております。  さらに、資本利子は、従来農林省といたしましては、ここに書いてありますように、農業に投下している資金を安全確実に運用する場合の利回りということで年利四分をとっておるのに対しまして、農業団体は、農業経営が全部資本をよそから借りて農業を営むという前提に立ちまして、固定資本は一割一分——農協貸出利率で、流動資本は、農手のあるものは九分一厘、農手の適用のないものは一割一分というふうにいたしておるところが非常に大きな違いでございます。額の違いは、前の三十ページ、三十一ページをごらんいただけばおわかりになるだろうと思いますが、農業団体でも、ことしは多少やり方を変えまして、自己資本と他人資本の割合を九対一で割りまして、他人資本につきましては農手の利子、自己資本につきましては農協の定期六分一厘ということで評価をいたしておるようでございます。私の方は、年利四分ということに必ずしも固執をしないで、実態に即するように現在検討中でございます。  以上で、団体と私たちの方の違いは、主として家族労働費と地代と資本利子に、評価の面ではあったわけでありますが、もとの調査そのものに相当の食い違いがあることは事実でございます。調査の設計からいたしまして、ここにも書いてございますが、私どもは販売農家二千六百戸をランダム・サンプリングの上で選んでいるのでございます。いろいろな農家がくるけれども、全体としては販売農家の平均を代表するように設計されておりますが、農業団体はランダム・サンプリングではございません。有意選択で、中庸農家というものをねらっておるのでございましょうが、数が、全中は千五百戸で、農業会議所が四百七十五戸、そうして、実際集計されますのはその全部ではございませんが、三十三年産米では全中の調査の分と農業会議所の調査の分を合計されておるようでございます。調査の設計が違う二つの統計を一緒に合計することの意義については、私どもは疑問を持っております。  それで、あまり時間が長くなりまして恐縮でございますが、一番最後の三十六ページをおあけいただきますと、三十一年産米生産費結果の比較を農林省農業会議所と全国中央会とでやってございます。これでありますと、農林省の二千八百十三戸というのは、実は販売農家ばかりでなしに全体の農家を含まれておりますが、五千九百四十四円、——第二次生産費、資本利子、地代算入という右から三行目をごらんいただきますと、反当で五千九百四十九円、それから全国農業会議所の六千八百二十八円、全国中央会の方は七千八百円。農林省が六千円に対して、全国農業会議所はそれに大体千円プラス、中央会はまたそれに千円プラスというのが実情でございます。  それで、もとの生産費調査でこれだけの食い違いがあり、そうして評価のところで労賃、地代、資本利子等について若干の食い違いがございますので、実際の米価算定方式として出て参ります結果は、昨年で言えば一万一千四百八十円と九千三百三十五円ということになったわけでありますが、その一つの相当大きな理由といたしますところの農村と都市との物価差、これは、私の方は昨年は八二・一四だと思いますが、農業団体の方は八七くらいで、都市の製造業の労賃を農村の労賃に持ってくる場合に物価差でディスカウントするわけでありまして、そのときに八七であるか八二であるかという相当大きな違いがありましたが、ことしは、私の方は農業団体と話し合いまして、同じ数値を使うように努力をいたしまして、八七という数値を新しく積み上げて作ってございます。農業団体で最近発表いたしました要求米価は、私たちが使おうといたしております物価差と同じものを使っておるわけでございます。その他、なおいろいろ評価の問題については今後も話し合いを続行いたすつもりでございます。  そこで、最後に、農業パリティ指数の改正について御説明を申し上げます。「農業パリティ指数の改正について」、六月六日付夫定稿となっておりますが、読みながら御説明をいたします。  「現行農業パリティ指数は、昭和二五、二六年(四月—三月)の二カ年平均を基準年次とし、同年の農林省農家経済調査による項目、品目、ウエート及び物価賃金調査による品目、価格をもって、ラスパイレス式によって算出している。」、ラスパイレス式というのは、御説明するまでもないと思いますが、二十五、六年のときの項目のウェートで価格の変化を見るわけでございます。それと逆に、たとえば三十二年のときのウェートを使ってやりますと、それがパーシェになる。二十五、六年のときの品目、ウエートをとってございます。それは、ごらんをいただきますと、二十八ページ以下に、資料Vとして、「旧パリティ品目別ウエイト表」というのがございまして、項目名で「種苗、動物、肥料、飼料」等とございます。それから、品目名で「大根種子、玉葱種子、れんげ種子、馬鈴薯種子」等々とございます。その右にありますところの「ウエイト」というのは千分の一のウエートでございます。これは二十五、六年のときの農家経済調査によっております。これによりますと、三十ページをごらんいただきますと、経営がこれだけの項目、品目で、ウェートが千分の三百三十になっております。同様に、三十一ページ以下「主食、副食」等々、三十五ページをごらんいただきますと家計のウエートが六百七十で、合計して千ということになっております。ここに書いてございますところのウエートをとって、毎月の物価の変化を見て、パリティ指数一二二とか一二三とかいうものを毎月出しておるわけでございます。  また一ページに戻ります。「しかし最近の農業経済の動向から、農家の生産、消費の構造は二五、二六年当時とは著しく変化したので、最近の正常な農家経済の実態をよりよく反映するような指数を算定するため、現行農業パリティ指数について所要の改正を行うこととしたい。」、この点につきましては、昨年の米価審議会でも早くやれという御意見があったわけでございます。  そこで、改正の方法と算式。「農業パリティ指数の基準年次は、従来通り二五、二六年とする。」とございます。二十五、二十六年を一〇〇とすることは変更はございません。「ただし、三三年四月以降の指数については、その指数の算定方式を従来の二五、二六年のウエイトによるラスパイレス式の直接法による指数を改め、連鎖方式によって算定した指数とする。」、三十二年を一〇〇と置いて式を直すわけでございます。「これは三二年(四月—三月)を連鎖時点とし、従来の方式による三二年の指数に三二年の農林省農家経済調査を基として新しい項目、品目、ウエイトによって三二年を基準年として算定したラスパイレス式による新指数とを乗じた連鎖指数によるものである。したがって、三三年以降の新農業パリティ指数の算式は、次の通りである。」、P・イコール・Σ……で式がかけ合せてございますが、左の式は二十五、六年基準で三十二年のときのパリティ指数でございます。右の指数は三十二年基準で三十三年以降の指数でございます。その両者をかけ合せて、二十五、二十六年基準一〇〇とする指数が出るわけでございます。  三ページでございますが、麦価の算定方式は、従ってこの新しい指数で二十五、六年を一〇〇としてやるわけでございます。読みますと、「麦価の算定方式は、食糧管理法第四条ノ二により昭和二五、二六年産麦の政府買入価格の平均に農業パリティ指数を乗じて得た額を下らないように定めることになっているので、従来通り、昭和二五、二六年を基準とした新農業パリティ指数によって算出する。算式は次の通りである。」というふうに出ております。今申し上げました二ページの指数とちょっと違いますのは、従来から麦につきましては分母が二十五、二十六年の三月ないし二月のパリティ指数をとっておるから、式がそれだけ複雑になるわけであります。理屈は同様でございます。  五ページに参ります。「農業パリティ指数の構造変化」。今までのパリティ指数は改めた方がよくはないかという理由でございます。「農業。パリティ指数は農家の購入品価格指数であるが、全体として正確な物価変動をあらわすためには、品目に何を選ぶか、又品目、項目のウエイトのとりかたが最も重要となる。現在二五、二六年基準に採用されている品目、項目、ウエイトは最近は著しく変化していると思われ、したがって、それによっては農家購入品価格の変動を正確に示すことはできない。そこで二五、二六年当時と最近時について種々検討してみると次の通りである。」  そこで、(イ)は「採用品目のカバレージの算出」でありますが、パリティ指数を作るのに使うところの品目で農家経済の内容をどの程度カバーしているのかというのがカバレージでございます。「代表的な項目として肥料、農薬の二項目についてみれば次の通りである。」  まず肥料について申し上げますと、二十五、二十六年のときは一年平均で一戸当りの総支出金額が一万六千五百八十九円でございます。指数に採用している品目の合計額というのは一万四千二百六十円。従いまして、指数に採用している品目で肥料の全体を代表させても、その割合は八六をカバーいたしておりますから、これはまずまずいいわけでございます。ところが、その後、指数に採用していない、たとえば化成肥料などがどんどんふえましたこともありまして、三十一年で見ますと三万三百三十九円の肥料代で、一万六千二百九十六円しかカバーする力がなくなって、カバレージは五三・七%に下ったわけでございます。同様に、農薬は、最初は四三一%。農薬というのは非常にごみごみ小さいものがございますから拾い切れないわけで、最初からカバレージは四二・一%でございましたが、三十一年ではそれが二三%に落ちておるわけです。  七ページに参りますと、「上の表で明らかなように採用品目のカバレージは著しく減少し、指数採用品目の総支出金額中に占める割合も、肥料では基準年次では八六%であったが、最近三一年では五四%程度まで落ち、又農薬も四二%から二三%と、いずれも著しく変化している。これはこの間に新しい肥料や農薬が出てきており、しかもこれらの品目の購入が著しく増大したためである。」、たとえば肥料の支出金額中、当時は支出金額が小さいことから指数に採用しなかった化成肥料について見ますと、二十五、二十六年のときは三百十四円しか化成肥料がございません。肥料代一万六千五百八十九円、これは現金支出分でござごいまして、比率は一・九%でございましたが、三十一年ではこれが一七・五%にふえております。しかし、化成肥料というのは、パリティ指数の品目の中には入っておらないわけでございます。二十五、二十六年当時わずかに一・九%を占めていたにすぎないのが、三十一年には一七・五%と著しくその比重が増大したことがわかります。さらに、同様、農薬について、2・4D及びパラチオン剤について見れば、これも初めはほとんど問題にならない数が、三十一年では相当な量になっておりますが、基準年次にほとんど存在していなかったという事情から指数品目として採用していなかったが、最近は相当量購入することとなっている。あとからも説明いたしますが、パリティ指数品目のとるかとらないかという判断は機械的で、ウエートが千分の一以上で価格を調べているものを全部とってございます。当時はそういうものでなかったのでございます。  (ロ)は「二五、二六年に対する項目ウエイトの標準偏差」で、これは二十五、二十六年のときのある項目のウエートと二十七年ないし三十一年、その年々のウエートの変化の標準偏差をとりますと、その標準偏差が年を追って多くなるわけでございます。これはウエートがその後だんだん変ってきたということを示すわけでございます。項目ウエートの標準偏差は次第に大きくなってきており、二十五、二十六年当時に比して生産構造、消費構造が変化してきていることがわかる。  (ハ)は「ラスパイレス式、パーシェ式による指数の開差」で、これはちょっとめんどうくさいのですが、内容を申し上げますと、ラスパイレスでやって、ラスパイレスでやっていることがいいかどうかということを判断するために、ときどきパーシェでチェックして、ラスパイレスの指数とパーシェの指数と相当隔りがあれば、そのパリティ指数は組みかえた方がいいということになるわけでございますが、それをやりますと、十ページのまん中ごろにございますが、「ラスパイレス指数に対してパーシェ指数の開きは、傾向的には年々大きくなってきている。したがってラスパイレス指数のもつ信頼性は次第にうすれてきているといえよう。」  そこで、「農業パリティ指数における基準とウエート」、これも理屈の部分でございますから略しますが、要するに、長いこと二十五、二十六年を一〇〇とやっておりますから、これを動かすことは適当でないので、ただ農家経済の実際の動きが二十五、二十六年と最近と変化しているので、品目、項目のウエートをできるだけ新しくとって、ちょうど幸いに三十二年から農家経済調査が直っておりますから、その三十二年をとって、そしてその三十二年でリンクをさせてパリティ指数の若返りをやることがよいではないかということが書いてあるのであります。  そこで、十二ページの「新パリティ指数の構成」ですが、「三二年四月—三三年三月をリンク時点とする二五、二六年基準の新パリティ指数は、次のように構成する。」  (イ)「指定品目」としては、「パリティ指数の算定に使用する品目については、農家の現金支出の対象となる物及び役務について」——役務というのはサービスで、大工の賃金その他いろいろなものが含まれております。賃借料もそうであります。その役務について「昭和三二年の農家経済調査、農村物価賃金調査の資料により、採用し得るだけ多数の品目をとった。」品目数、項目及び品目のウェートは別添資料にございます。「品目選定の規準は次による。」すなわち、一は、農家経済調査物財統計で採用している品目であること。これは、「何を調べるかということは物財統計でとるわけでございます。物財統計にないようなものは調べられないわけでございます。二は、農村物価賃金調査で採用している品目であること。物賃で価格を調べていないものは、残念ながら採用できないわけであります。そして三は、品目のウエートが〇・一、千分の一以上ある品目であること。  (ロ)「品目の価格」については、農村物価賃金調査による月別の価格とする。ただし、公定価格があるものは公定価格により、マル公に準ずるもの、電力料とか運賃も、その規定の価格または料金による。  (ハ)「項目、品目のウエート」、項目ウエートについては農家経済調査価値統計により、品目ウェートについては農家経済調査物財統計の現金支出額により、従来と同様な方法によりそれぞれ算出した代表項目は、経営が十一、家計が十、計二十一項目でございます。従来は一十三項目でありました。それは、かっこの中にありますように、家計中の副食費と調味料を別々にとっておりましたことと、住居、家具、家財を別々にとっておりましたが、農家経済調査で今度は一緒にいたしました経過から、これを項目として大きくくくってございます。従って、旧パリティでは項目二十三、新パリティでは項目が二十一でございます。また、品目については、新パリティで百九十九品目、従来は百六十九品目、三十品目ふえたわけでございます。どういうものがふえたかは、十八ページをおあけいただきますと、新旧パリティのウェート及び品目数比較表というのがございます。種苗と動物は変っておりませんが、肥料について言いますと、ウェートは旧パリティが百十二で新パリティが七十九でございます。肥料代はふえたけれども、家計及び経営の全体のふえ方が多いために、肥料のウェートは減っております。品目は旧パリティでは十一で新パリティでは十四でございます。千分の一以下になってしまったものが、二十五、二十六年では載っていたけれども今度落ちたものがあり、硝安が減、そのかわり新しくふえたものは塩安、熔成燐肥、化成肥料、配合肥料、四つふえて一つ減り、三つの増加でございます。以下ここに書いてございますように、相当たくさんの品目がふえて、百六十九が百九十九になっているのでございます。  十四ページをごらんいただきます。七、「新旧パリティ指数の比較をすれば、おおむね次のとおりである。」  (イ)「経営部門のウエートが新パリティにおいて多少高くなっている。即ち旧パリティでは経営部門のウェイト三三〇、家計部門のウエイト六七〇であるが、新パリティでは経営三四〇、家計六六〇である。」——これも資料のIIにございます。  (ロ)「新旧パリティ指数でウエイトの相当異なる項目は、おおむね次のとおりである。」そこにあるのが二十五、二十六年と三十三年との農家経営及び家計の内容の変遷でございます。経営で申し上げますと、肥料が、旧ウエートが百十二で新ウエートが七十九、そのかわり、之さが三十二から五十二にふえておるのでございます。農薬が七から十一にふえ、農機具が五十一から四十七に減り、労賃が二十一が十五に減り、賃借料が八が十五にふえ、家計で申しますと、被服が百七十三が百三十に減り、そのかわり住居家具が百十八から百三十三にふえ、教育が二十九から三十五にふえ、修養が二十八から三十九にふえております。その他はそれほど項目のウェートの変化はございません。「肥料、農機具等のウエイトが減少しているのは、農家の支出金額の増大ほどにはこれらの項目の支出が増大していないことによるものである。農家支出金額とこれら項目の支出金額につき二五、六年と三二年を対比すれば次のとおりである。」すなわち、二十五、六年のときの農家支出は、現金支出が二十五、六年は十七万三千円、うち、経営部門が五万七千円、家計部門が十一万五千円と、三三〇と六七〇ということになっておったわけですが、三十二年は、農家の支出がほとんど倍になって三十四万円になっております。経営部門が十一万六千円、家計部門が二十二万五千円で、経営部門が一四〇、家計部門が六六〇になっておるわけでございます。肥料のウエートが減っておると申し上げましたが、二十五、六年は一万七千円が、三十二年は二万四千円にふえておりますけれども、全体のふえ方に比べれば小さいわけでございます。以下、農器具、被服等々、同様でございます。  そこで、十六ページの(ハ)にいきますと、「三三年四月以降の新旧パリティ指数を対比すれば、その差はきわめてわずかである。」すなわち、十七ページをごらんいただきます。新旧パりティ指数対比表、四月のパリティまで出してございます。五月はまだ出ないわけでございます。この左に書いてございますところの総平均が経営と家計とを一緒にしたものでございます。経営部門だけ、家計部門だけ、新旧それぞれの比較がしてございます。総合指数で見れば、三十三年においては新パリティ指数が旧パリティ指数より多少高めに推移し、三十四年二月以降はわずかであるが低目に推移しておる。しかし、全体的には、新旧パリティの指数を比較してみますと、新パリティ指数の場合は上り下りするときの幅はきわめて少いということである。今後の推移を想定すれば、長期的に見れば、新パリティ指数は、品目数が増加しておるため、一六九と一九九でございますから、いろいろなものを数多く調べるので、旧パリティ指数よりも新パリティ指数の方が安定的に推移するのではないかと考えられます。五月のパリティがどうなるかわかりませんけれども、大体新パリティも旧パリティも数値としてはほとんど変らないくらいでございます。ただ、新パリティの方が、先ほど来申し上げておるような事情で、農家経済の内容はよく反映しておると考えるわけでございます。  以上でございます。
  22. 松浦周太郎

    松浦委員長 以上をもって当局説明は終りました。  質疑は次に譲ることといたします。     —————————————
  23. 松浦周太郎

    松浦委員長 この際委員派遣承認申請に関する件につきましてお諮りいたします。すなわち、先般の降ひょうによりまして各地の農作物に相当の被害が生じておりますようでありますから、つきましては、これらの被害調査のため現地委員を派遣いたしたいと存じますが、これに御異議はございませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  24. 松浦周太郎

    松浦委員長 御異議なしと認め、さよう決定いたします。  なお、派遣委員及び派遣地等の議長に対する承認申請につきましては委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  25. 松浦周太郎

    松浦委員長 御異議なしと認め、さよう決定いたします。  次会は来たる十日に開会することとし、これにて散会いたします。     午後二時五十四分散会