○佐々木
政府委員 放射線障害防止法が一昨年の五月でありましたか
国会で御
審議をいただきました際に、当時の社会党の志村議員から、この
法案を上げるに際しましても、あるいは
法案の
審議の過程におきましても、ぜひこの
審議会の
委員には、いわゆる経験者あるいは実際に働きました従業員の方からも
委員を選定してもらいたいという強い御希望がございまして、そのときの最後の答弁といたしまして、当時は宇田
国務大臣でございましたが、御趣旨は非常によくわかりますけれ
ども、何しろ放射線の障害防止、このときにはこの
法案は同位元素による障害防止のみに限っておりましたので、同位元素による障害防止という問題は、非常に新しい問題でもあり、経験者もほとんど皆無というような
状況でありますので、幸いただいま申し上げましたこの
法案によりまして、国家試験として放射線取扱主任者
——これはもちろん労働者といわず経営者いわず、だれでも国家試験を受けてパスした者は取扱主任者になり得るわけでございますので、そういう取扱主任者ができました暁には、その中から、この学識経験者として適当な人があれば選択いたしたい。言いかえますと、御趣旨は決して否定しているわけではないのでありますけれ
ども、それに相応する適当な方がなかなか見当らない。しかしそれができました暁には御趣旨に沿います、こういう答弁をして、
法案を通していただいたわけであります。そこでこの
法案が
通りまして、すぐ
審議会の
委員の選定に移ったわけでございます。その際いろいろ御推薦等もございましたが、何せこの放射線に対する、特に同位元素に対する経験者がいないものですから、そのときの
考え方といたしましては、ちょうど労働省から財団法人労働科学研究所にいろいろ補助金をお出しになって、放射線による労働者側に対する障害の防止等に関する研究をお願いしてあった
関係もございますので、それではいっそ労研の経験者の方に代表して出ていただいた方が、趣旨に沿うのではなかろうか、こういうことで、勝木新次といいまして、当時は副所長でございますが、ただいま所長になっている方に
委員になってもらいまして、主として放射線が従事員に対してどういう影響を持つであろうか、それに対してどういう配慮が必要かといったようなことに対する
意見をちょうだいしたい、こういうことで勝木さんを一人お入れしたわけでございます。
そこで昨年になりますが、昨年になりまして、放射性同位元素に基く障害防止のみならず、もっと広
範囲に、たとえますと病院等で使っておりますエキス光線等によるものまで含めて、そうしてこれは実施を各省でやっておる
関係上、その技術的な基準を作る法律を昨年、おととしと引き続きまして提出したのでございますが、その際には、社会党からもこれに対して別に強い要望もございませんし、おそらくはその前に作りました
審議会のメンバーで大体よろしいのではなかろうか、実はそういうふうに
考えておった次第でございます。ところが最近になりまして、この基準法に基いて作った
審議会は、従来科学技術庁にありましたものを
総理府に移したのでございますけれ
ども、その際には、ただいま御説明したような経過もございましたので、前の
委員の方にそのまま
委員になっていただきまして、そうして業務を引き継いでそのまま発足したという経過になっております。
そこで最近になりまして、ぜひ
一つ従事者側の経験者を入れてもらいたいという強いお話が再々ございまして、高碕
国務大臣も私も、その点はよく
承知してございます。そこで、さっき申しました宇田
国務大臣が答えましたように、国家試験も施行され、放射線取扱主任者という方がおよそ数百名もうできてございます。近く又引き続いて国家試験を行いますので、だんだんふえて参りますから、おそらく適任者の方もたくさん出てきているだろう。そこで適任の方がありますれば御推薦をちょうだいして
委員にするのは、決して拒否するものでも何でもないという御答弁を申し上げたのでございますが、さてただいまの
委員がどういう工合になっておるかと申しますと、三十人のうち二十九人が従来のままきまっておりまして、ただ一人欠けておりますけれ
ども、その欠けておりますのは、人事院側からの官庁側の
委員が、御
承知のように人事院の事務総長の方はこういういかなる
審議会等も兼務してはいかぬという
規定があるそうでございまして、
委員にはなれない。そこでその下の方に
一つこの際なっていただこうというのでただいま交渉中でございまして、まだ最終的にははっきりした発令をするところまでいってないのでございますが、そういう
関係で人事院側ともはっきり話をつけませんと、その一人を埋めるというのもにわかにできかねますので、来年の六月でございますか、改選期になりました際には、十分客観
情勢等も、そういう学識経験者もふえて参りましたので、適当な方がございますれば御推薦をいただいて、
委員にいたしたいというふうな経過になっておるのでございます。