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森説明員 小林工場の従業員が現在百十二名でございます。過去において何回か工場の払い下げをやって参ったのでありますが、この直前の場合には従業員もそうひどい
反対をしないで円満に、払い下げを受けた事業の方に移っていったのでございます。今回は従業員の方で相当強い
反対をいたしておりますが、政府としては払い下げ工場を
決定する場合、その条件の
一つとしまして、その工場の在籍の政府職員につきましてはその生活の安定と
技術の活用のために工場買受人にこれを承継させるなどの所要の措置を講ずるということになっておりますが、この際に労働条件が従来よりも少くとも悪くならないように、できれば従来よりもよくなるようにというふうに、新しく払い下げを受けた者と話をきめたいというふうに
考えております。また工場を買い受けた者に対しては政府の承諾なくして、その工場の施設を解体したり処分したりして事業をやめるということのないように、これも払い下げのときにはっきりきめておきたいと
考えております。そのようにしてわれわれといたしましては、現在の従業員が新しい払い下げを受けた事
業者のもとに移っていって、従来よりもより幸福に暮らしていけるようになることを希望しているのでございます。またそのようにいたしたいと、できるだけの
努力をする所存でございます。従来のところ、この工場の買受人がどうも特定の
一つにきまっておるかのような
前提で、この払い下げをした結果従業員の待遇が従来よりも悪くなるという
前提で、ものことを
考えておられる方が多いようでございますけれども、しかしこれはまだ早計でございまして、先ほども申し上げたように払い下げを切望している工場が二つあるわけでございまして、そのいずれにつくかはまだきまっていない。しかも私の方としてはいずれのほうについても、少くとも従来の労働条件よりも悪い条件下で従業員が働くということはないというふうに確信をいたしておるのでございます。
それから組合側が従来
反対をいたしております一番大きい根拠は、やはり払い下げをされた後において労働条件が従来よりも悪くなりはしないか、そういう心配がまず
前提になっているように思うのであります。そうして、従って払い下げはやめてもらいたいということを言っておるのでございます。代案としましては、払い下げをしなくとも、いろいろ合理化をやれば、こういうようにして、一万円近くもコストが下るのじゃないかという
資料も作っております。しかし、われわれの見るところでは、その
やり方をやっていきましそも、そんなにコストが下るとは思いません。そういうわけで、やはりわれわれとしてはこの払い下げを進めていくということが、国営、官営の工場の操業をもっと合理化する効果的な
方法である、これを中心にしてさらにいろんな合理化措置を進めていくということが、この際アルコール専売制度の合理化をはかっていく上において、一番有効な措置であるというふうに
考えておるのでございます。