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岩武政府委員 スーパー・マーケットというのはこれは字が示しますようにアメリカで行われている
言葉であります。日本でいわゆるスーパー・マーケットというのは一体何だろうという問題が
一つあるわけであります。いろいろ商業
関係の専門家、その他の
意見によりますと、スーパー・マーケットというのは、少くとも以下あげまするようなものがその概念の概要になるのじゃないかと思っております。第一点としましてやはり食料品を中心にして扱っておる店。その次には、これはやや技術的な問題がありまするが、陳列の
方法その他でやはりデパート式に品目別に陳列している売場を持っておる。それから第三点としましてはセルフ・サービス方式を、全部の売り場とは申しませんが、少くとも大部分の売り場に採用していることが
一つの要件です。それから第四点としましては、かなりの売り上げの規模があるということが
一つの要件になりはせんか、これは一日の売り上げ等のいろんな考え方もあるかと思いますが、アメリカでは大体一日五万ドル以上売り上げがある、こういうものを大体スーパー・マーケットといっておるようであります。これにもう一点、一般の店舗より
値段等において若干の差があるということも要件のうちに数えておる人もあります。要するに今申し上げましたような販売
方法、店舗の構造等を持っておりますことが、日本でいうスーパー・マーケットという概念に当るものじゃないかというふうに考えております。
それから今
百貨店の変形ではないかという
お話がございましたが、これは実は全国各地にありまする以上申し上げましたようなスーパー・マーケットを調べてみますといろいろな形態があります。
百貨店の系統に属する大
資本で
経営しているスーパー・マーケット方式の店も若干あります。また他方場所によりましては従来ありました
小売商が共同出資で自分の店舗を提供してやっておる、あるいは数人の
小売商が集まって一緒に出資してやっておる、それから中には
消費者が出資してやっておるというふうなものもございます。いろいろございますので、必ずしも
百貨店の変形だというふうに見るのは、これはちょっと実態に合わないのではないかと思っております。従ってわれわれの方としましては、問題はそういうふうな大
資本系統のスーパー・マーケットが各地にできて、付近の
小売商に被害を与えるということは困るわけであります。それから一
がいにスーパー・マーケットを押えるということは、これは
消費者の利便の問題もありましょうし、またその
企業形態の問題もございますから適切でないので、むしろ先ほど申し上げましたように、問題になるものをそのつど解決していくということで、これは都道府県知事の
あっせん調整の対象にしたいと考えております。