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岩武政府委員 一日に体質
改善と申しましてもいろいろございますから、御
質問があるわけだと思いますが、第一点はやはり経営の近代化といいますか、合理化だろうと思います。ことに経営管理面におきます各種の合理化
措置だと思います。御承知のように
中小企業ではそういう経営の組織自体も近代化され、分化されておりませんので、こういう近代的な経営のあり方に即して、中小は中小なりに組織を固める必要があると思っております。ことに個人経常的な色彩の強い
企業がございますが、やはりこれはそういう一人の人で動いている
企業ということでは工合が悪いわけでございますから、そういう経営の組織と、それから具体的なやり方としましては、やはり各種の財務管理、労務管理、生産管理あるいは
事務の管理といったものを、もう少し近代化する必要があると思っております。それについてはわれわれの方でやっております
企業診断の仕事が手始めであります。最近
企業診断の申し込みが非常に多くなっております。これはやはり
中小企業が何とかして経営を近代化したいという
一つの努力の現われだろうと思っております。われわれのやっておりますいわば公けの
企業診断だけでは不十分でございますから、他方各種のコンサルタントもいろいろ活動しておるようでおります。またわれわれもできますれば、こういうふうな
中小企業の診断を行う人の資格あるいは業務等をはっきりさせたいと思って、若干の案も
考えておる次第でございます。その次は先ほど来申し上げました設備ないし技術面の近代化でございます。これは特別な御
説明の要はないかと思っております。以上、要しまするに、いわゆる体質
改善のねらいとしますところは、やはり経営全体を合理化し、大
企業との較差を少くし、国際競争に耐えるような
企業にするということだろうと思っております。
そこで、その結果増産になるじゃないかという御
質問でございますが、これはいろいろあると思います。生産能率が上って増産になるものがございましょうし、あるいは設備がふえて増産になるものがございましょうが、設備の面は、これは単純なる増設であってはならないと思っておりまして、われわれの
考えております設備近代化等の補助金
制度におきましては、やはり旧設備はこれを廃棄あるいは格納するというふうな手を講じたいと思っております。しかしながら全体としてはやはり能率向上上その他の結果、生産能力としては上り、コストとしては下るということが事柄の結果だろうと思っております。
そこで、ではマーケットのない場合どうするのだという御
質問でございますが、マーケットの問題はいろいろ国の内外にわたりまして、また商品ごとに非常に複雑な問題でございます。実はマーケット・リサーチそのものが経営管理の
一つのあり方でございまして、もちろん各
企業ともマーケット・リサーチには今後力を入れて、
中小企業は
中小企業なりに、自分一個であるいは共同で新市場の開拓、新製品の普及あるいは新しい宣伝、販売の
方法に努めることは当然でございますが、全体として今オーバー・プロダクションになるような場合にはどうなるのかっというお話、これは現在あります各種の
調整措置を使わざるを得ないだろうと思います。これは国内市場も同様でございますし、また
輸出市場も同様だと思います。その結果はむしろ合理化前に比べましてコストも下っておるはずでございますから、いわば生産なり出荷の量を減らしても手取りは減らないようにする、あるいは労働者の賃金その他には
影響ないようにするということはできるはずだし、またすべきだと思っております。