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稗田政府委員 収入増がどのくらいになるかという類推でございますが、これは三年後のことでございますので、正確には申し上げにくいわけでございますが、三年後にもし今日の
状態で一種の方に一割、二種の方に三割というような形で進んでおる、それで出ていかないという
状態であれば、全国に分布しております各
事業主体の
公営住宅全部を集計いたしますと、年間四億四千五百万円ほどの増収が
考えられるのではないかということでございます。
なお先ほど、三万二千円という
収入と
公団家賃の負担状況の
比率の問題が出ておったわけでございますが、現行法で三万二千円と言っておりますけれ
ども、現行法によりますと、扶養親族について千円ずつを控除することになっておるわけであります。
公営住宅の平均の家族構成は四人前後でございます。ですから、扶養親族が三人あると
考えられるわけであります。なお現行におきましては、入居するときに、六カ月の
収入を月割りにする、臨時
収入は含まないということになっておるのであります。そういうような臨時
収入をFIES等の
調査によって集計してみますと、一六%くらいが
考えられる。そういうことを入れますと、平均家族構成では月額四万一千六百六十六円という
収入の方を限度としておるわけでございます。これは、FIESの
調査によりますと、勤労
世帯数の八三%に当っておるわけでございます。
なお今回の改正案が成立いたしますれば、政令の段階になるわけでございますが、現在
考えておりますのは、やはり扶養親族につきましては控除額が同じように一千円とする、それから勤労控除額というものを
考えようということにしておるわけでございます。そのかわり臨時
収入も加える、年総額から勤労控除額を
考えるということにするわけでございます。そうしますと、今申し上げましたような同じ
世帯構成のものでは、月額にしますと、実際は四万一千八百円という
月収の者が限度になる、こういうわけでございます。これも同じく勤労
世帯数の約八三%に該当するわけでございます。従いまして、勤労
世帯の八三%というところまで
公営住宅で救済されることになっておるわけでございます。上の方の一七%が今
明け渡しの
努力義務を課せられるかどうかという問題でございます。それで、先ほどの
明け渡しの
努力義務と割増し賃料の
関係は不即不離でございまして、これは一諸に読んでいただきたいのでございます。別々にこちらが効果がある、こちらが効果があるということではなしに、同じ条文に一号、二号というように分けて
考えてございますので、これは不即不離でございまして、どちらも非常に
意味を持っておるわけでございます。それで実効のことでございますが、たとえば、現在
公団住宅が
自分の勤務
場所に非常に便利なところにできた、学校も子供にはその方が都合がいい、申し込んだけれ
ども当らない、行きたくても行けないという方があるわけでございます。今度こういうように
努力義務を課することによって、一方におきまして、
公団住宅の入居等についての
建設省令の改正を
考えておるわけです。そうして
公団住宅も、そういうような入居の入れかえが円滑に行くように省令を改正しようというように
考えておるわけでございますので、実効は、そういうところでかなり上ってくるというように
考えておるわけでございます。われわれこういった
努力義務を課し、割増し賃料を入れましたのも、要するに
政府の
施策住宅は、
公営、
公庫、
公団という三つの大きな柱があるわけでございますけれ
ども、この三者のバランスというものを
重点に
考えなくちゃいかぬ。その中で、
公営住宅がどういうような位置を占めておるか、そこを明確にしたいというので、明確にするためには
明け渡しの
努力義務、あるいは割増し賃料ということも入れなければいけないというように
考えたわけでございます。