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武藤委員 だいぶ自民党さんの
考え方と違うようですから……。結局
大臣の非常な進歩だというのは、
政府が
住宅政策に使う金が少くて済むようになるから非常な進歩だ、結論はそういうことになるのです。ですから私どもは、そういう
意味にはとってないのであります。やはり現状において、きのうあたりも回ってみましたけれども、確かに六百円、あるいは木造、もちろん四戸建ですけれども、八百八十円などという
家賃で入っている人もありますけれども、その
人たちの
収入を聞いてみますと、確かに入ったときより上っていますと言っています。しかし、上っていますからあなたはここを出ていかなければならぬ、今度は公団
住宅に入って、六千円なり八千円なり
家賃を払ってもらわなければならぬ。とんでもない、そんなことをしたら一体どうなるか、これからそんなことになったらばとんでないことになる。それが、やはり偽わらざる今の
生活の環境だと思うのです。日本のエンゲル係数のあり方を見ても、まだまだ食糧費に四〇%以上も使っておる現状では、決してそう社会的に余裕があるものではないと思うのです。ただ
現実に建っておる公団
住宅が、そういう高い
家賃を払っても入るからいいじゃないか——現状では、しかしこれは住む家が絶対量がないというので、やむにやまれず入っていると思うのです。決して余裕があって、楽々出せるから入っておるのではなくて、もう借りようにも住みようもなくて、絶対量が足りないために、仕方なく入っているのが今日の現状だと思うのです。もう少しそういうことを真剣に
考えて
住宅を建てられる必要があると思うのです。見解の相違もだいぶあるようでありますから、
意見を申し上げておきます。
それから
管理制度の問題について、ちょっと
大臣に
質問したいのでありますけれども、きのうもいろいろ回ってみましたけれども、東京都の建築局長さんのお話を聞きますと、監理員というものが絶対必要だ、こういうことで
答弁をいたしております。確かにこの
公営住宅法の中にも、二十三条に「
事業主体は、
公営住宅及び共同施設の管理に関する事務をつかさどり、
公営住宅及びその環境を良好な状態に維持するよう入居者に必要な指導を与えるために
公営住宅監理員を置かなければならない。」と書いてあります。「
公営住宅監理員は、
事業主体の長がその職員のうちから命ずる。」こう書いてあります。ところが実際に回ってみると、こういう
法律に定められたような監理員の仕事をしているところは、ほとんどないといっていいんじゃないかと思うのです、聞いてみると。また住民の方も、
管理人というものは、そんなことをしてくれるものだとは思っていないようであります。これは、
行政に対する
一つの信頼感の問題だと思うのです。そういう中で、東京都だけでも、きのうの向う側の
答弁だけでありますから、その数字が正しいかどうかわかりませんが、とにかく東京都の職員で、千六百九十九名の監理員が今
住宅に入っておる。それからやめた者は百七十名、そのうち百名は出たけれども、七十名はまだ残っておる。こういうのがきのうの都の建築局長の答えであったわけでありますけれども、結局
公営住宅に対してこういう二千名に近い
管理人を各団地ごとに置いて、これには優先的に入居権を与えておる。きのうの説明でも、やはり都の職員の中で
生活に困っておる者が殺到して、だいぶ
競争率が激しいのだということを言っておりますけれども、これはどうもそのまま受け取りかねるのであります。しかも、その監理員は、
ほんとうの監理員の業務をやっていない、これが
現実だと思うのであります。調べた結果はそうであります。それで私は管理員制度はこの際根本的に
考える必要があるのではないか、優先入居をさせることはやめるべきだと思うのであります。公団の場合は、はっきりと
管理人は別な事務所を作らなければならぬということを運営としてきめておるようでありますけれども、別にこの
法案の
内容にも、監理員を優先的に入居させなければならないということは、どこにも書いてありません。これは、
法律に便乗して入れておるのだと思うのであります。従いまして、こういう
管理人制度というものは、今のような格好の
管理人制度をこの際やめて、実際何もやってない、
家賃もちゃんと通帳によって本人が持っていって、それをただ都に運ぶだけの仕事になっておるようであります。でありますから、
管理人制度を根本的に改めて、やはり方法としていろいろあると思いますが、
一つの思いつきでありますけれども、二百戸なら二百戸の
一つの
住宅地帯があれば——都の説明によりますと、常に顔見知りになっていないと、不正入居を押えることができないということに
理由をつけておるようでありますから、そこに管
理事務所を別個に置いて、そこに事務員を置いて、その者が全体の
住宅を見張っておるということにすれば、こういう膨大な数の人が優先入居をしたり、
居住者側からそういう批判を浴びたりすることがなくなるのではないか。そういう監理員制度について、
建設省はもう少し
考えてみる必要があるのではないかと思うのですが、いかがですか。