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1959-03-04 第31回国会 衆議院 建設委員会 第14号
公式Web版
会議録情報
0
昭和
三十四年三月四日(水曜日) 午前十時三十五分
開議
出席委員
委員長
堀川
恭平君
理事
木村 守江君
理事
佐藤虎次郎
君
理事
瀬戸山三男
君
理事
二階堂 進君
理事
南 好雄君
理事
中島 巖君
理事
三鍋 義三君 逢澤 寛君 井原
岸高
君
大久保武雄
君 川崎末五郎君 砂原 格君
田中
角榮
君
橋本
正之
君 服部 安司君 村瀬
宣親
君 石川 次夫君 兒玉 末男君 東海林 稔君 塚本 三郎君 武藤
武雄
君
山中
吾郎君
山中日露史
君
出席政府委員
建設政務次官
徳安
實藏
君
建設事務官
(
大臣官房長
) 鬼丸 勝之君
建設事務官
(
計画局長
) 美馬 郁夫君
建設事務官
(
道路局次長
)
関盛
吉雄君 建 設 技 官 (
住宅局長
)
稗田
治君
委員外
の
出席者
建設事務官
(
計画局都市計
画課長
) 小林 忠雄君 専 門 員 山口
乾治
君
—————————————
三月四日
委員橋本正之
君
辞任
につき、その
補欠
として大
森玉木
君が
議長
の
指名
で
委員
に選任された。 同日
委員大森玉木
君
辞任
につき、その
補欠
として橋 本
正之
君が
議長
の
指名
で
委員
に選任された。
—————————————
三月三日
関門国道トンネル
の
通行料引下げ
に関する
請願
(
亀山孝一
君
紹介
)(第一八四八号)
境橋本橋
の架設に関する
請願
(
川島正次郎
君外 一名
紹介
)(第一九八一号)
中央自動車道予定路線
の
法定化等
に関する
請願
外十二件(
増田甲子
七君
紹介
)(第一九八二 号)
古川筋上部
の
高速道路計画反対
に関する
請願
(
田中榮一
君
紹介
)(第二〇五四号) は本
委員会
に付託された。
—————————————
本日の
会議
に付した案件
参考人出頭要求
に関する件
首都高速道路公団法案
(
内閣提出
第一〇四号)
建築基準法
の一部を
改正
する
法律案
(
内閣提出
第一二五号)(予)
公共工事
の
前払金保証事業
に関する
法律
の一部 を
改正
する
法律案
(
内閣提出
第一四五号)( 予)
土地区画整理法
の一部を
改正
する
法律案
(
内閣
提出
第一四六号)(予) ————◇—————
堀川恭平
1
○
堀川委員長
これより
会議
を開きます。 まず
建築基準法
の一部を
改正
する
法律案
を
議題
といたしまして、
提案理由
の
説明
を聴取いたします。
徳安政務次官
。
—————————————
—————————————
徳安實藏
2
○
徳安
政府
委員
ただいま
議題
となりました
建築基準法
の一部を
改正
する
法律案
の
提案理由
とその
要旨
を御
説明
申し上げます。 御承知の
通り
、
建築基準法
は、
建築物
の
敷地
、
構造
、
設備
及び
用途
に関する最低の
基準
を定めて、国民の生命、健康及び財産の保護をはかり、もって
公共
の福祉の増進に資することを
目的
として
昭和
二十五年に制定され、今日に至っておりますが、この間
社会情勢
の変化、諸
技術
の
進歩等
に伴い、種々
実情
に沿わない面も生じて参りましたので、今回同
法施行
の
実績
に徴して慎重なる検討を加え、
所要
の
改正
をはかろうとするものであります。今回の
改正
は、相当広範な範囲にわたっておりますが、そのおもなる点は次の
通り
であります。 第一に、
防火
に関する
規定
を
強化整備
したことであります。まず、
建築物
の
防火性能
上の種別といたしましては、従来
主要構造部
が
耐火構造
の
建築物
と
木造
の
防火構造
の
建築物
との二種類でありましたが、最近の
建築材料等
の
進歩
に伴いこの中間の
防火性能
を有するものとして、新たに
簡易耐火建築物
を設けることが適当と考えられますので、これらに関する
規定
を整備し、これにより
特殊建築物
及び
防火地域等
における
建築物
の
防火
に関する
構造制限
を
強化
、整備することといたしました。 次に、最近
増加
の
傾向
にあります
地下建築物
、無
窓工場等
につきましても、
消火
、
避難等
の点から放置し得ない状態にありますので、
避難施設
、
消火施設
、無窓の
居室
の
構造等
について
所要
の
規制
を行い、あわせて、
映画館等
の
特殊建築物
、
地下建築物等
の室内の仕上げを
防火
上
支障
がないようにしなければならないことといたしました。 第二に、
都市
における
建築物
に関する
制限
を整備したことであります。まず
建築物
の
敷地
が接しなければならない
道路
の
幅員
は、従来は四メートルを原則とし、一部
既存
の
道路
について
緩和
しておりましたが、
実情
として厳に過ぎる場合もありますので、
土地
の
状況
によっては、これらを
緩和
することができる道を開きました。次に、
住居地域
、
工業地域等
の
用途地域
内の
建築制限
につきまして、
産業
の
発達
と
除害装置
の
進歩等
に伴い、新しく
制限
を必要とする
業態
の
建築物
を追加するとともに、公害の少くなった
建築物
について
制限
をはずすことといたしました。なお、
特別用途地域制
をさらに活用し得るようにするため、必要と認める場合には、
用途地域
の
制限
を一部
緩和
することができる道を開くとともに、
用途地域等
の
目的
を全うするため、
用途
の
制限
のほかに
建築設備等
の
規制
をも行うことができることといたしました。さらに、
敷地面積
による
建築面積
の
制限
については、
過小宅地
が多い
市街地等
については、厳に過ぎると認められる場合もありますので、
土地
の
状況
により、やむを得ない場合には、その一部を
緩和
する
区域
を
指定
できる
制度
を設けるとともに、
建築物
の高さについても、
周囲
の
状況等
により、
緩和
することができることといたしました。第三は、
違反是正
の
措置
を
強化
したことであります。すなわち、
違反
することが明らかな
工事
中の
建築物
について、緊急の必要がある場合には、
聴聞等
の
手続
を経ないで直ちに
工事
の
施工
の
停止
を命じ得ることとする等、
違反是正
の
措置
を
強化
することといたしました。 最後に、
手続等
に関する
規定
を整備したことであります。まず従来の
災害発生
の
実情
にかんがみ、
映画館等
の
特殊建築物
の
所有者
は、その
維持保全
の
状況
を、
定期
に
特定行政庁
に
報告
すべきものとするとともに、
昇降機等
の
建築設備
についてはその
安全性
を確保するため、
定期
に
維持保全
の
状況
につき、
検査
する
制度
を設けました。 次に、
昇降機等
の
建築設備
及び
飛行塔
その他の
工作物
の
設置
についても、
確認申請等
の
手続
及び
構造耐力等
の
規定
を準用することとし、さらに、
確認申請手数料
を物価の変動に伴い、ある程度引き上げることといたしました。 以上述べましたように、今回の
改正
は、
法施行
の
実績
にかんがみ、
強化
すべきところは
強化
し、厳に過ぎると認められる面はこれを
緩和
し、
制度
全体の
合理化
をはかったものでありまして、これにより今後とも法の一そうの適切な運営を期して参りたいと考えております。 以上がこの
法律案
の
提案理由
及びその
要旨
でございますが、何とぞ慎重御
審議
の上、すみやかに御可決あらんことをお願いする次第であります。
堀川恭平
3
○
堀川委員長
続いて
補足説明
を聴取いたします。
住宅局長
。
稗田治
4
○
稗田政府委員
ただいま
議題
となりました
建築基準法
の一部を
改正
する
法律案
について逐条的に御
説明
申し上げます。 なお、今回の
改正
は、この
法律
の全般にわたります
関係
上、単なる
字句
の
修正
とか、表現の不明確であった
条文
を明確にいたしました点もかなりございますが、これにつきましては、
説明
を省略させていただきます。 目次の
改正
につきましては、
法律
全体を見やすくするために、その立て方を一部改めたものであります。 第二条、これは用語の
定義
に関する
規定
でございますが、これの
改正
につきましては、
防火規定
を整備するため、
耐火建築物
及び
簡易耐火建築物
の
定義
を追加したものであります。このうち
簡易耐火建築物
は、
耐火構造
と
防火構造
との中間的な
防火性能
を有する
構造
として、新たに追加した
構造
でありますが、これは、
外壁
が
耐火構造
で
屋根
を
不燃材料
でふいたものと、
鉄骨造
のように
主要構造部
を
不燃材料
で作ったものとに大別されます。 第三条、これは
適用
の
除外
に関する
規定
でございますが、これの
改正
につきましては、
災害等
で滅失しました国宝、
重要文化財等
を再建いたします場合にも、
本法
の
適用
を
除外
できるように改めたものであります。なお
既存
の
建築物
に対する
緩和規定
につきましても、従来、明確を欠く点もございましたので、これを整備したものであります。 第六条、これは、
確認
及び
申請
に関する
規定
でございますが、これの
改正
につきましては、
手数料
の額が、
昭和
二十五年に
本法
が施行された当時のまま据え置かれておりますので、
実情
に沿うようその
限度
を増額したものであります。 第九条、これは
違反建築物
に対する
措置
の
規定
でございますが、これの
改正
につきましては、明らかに
違反
する
工事
中の
建築物
について、緊急の必要がある場合は、
聴聞等
の
手続
を経ずに、直ちに、
工事
の
施工
の
停止命令
を出すことができるように改め、また
違反
した者を確知することができず、
違反
を放置しておくことが公益上
支障
がある場合には、一定の
手続
を経て公示した後、
行政庁
みずからその
措置
を行うことができるように改めたものであります。 第九条から第十一条までの
是正措置
の
改正
につきましては、
建築物
の
敷地
に関しても必要な
措置
がとれるよう改め、
字句
を
修正
したものであります。 第十二条、これは
報告
、
検査等
に関する
規定
でございますが、これの
改正
につきましては、
病院
、
学校
、
映画館等
、第六条第一項第一号に掲げる
特殊建築物
で、
特定行政庁
が
指定
するものの
所有者
または
管理者
に対しまして、
定期
に、その
状況
に関する
報告
を
特定行政庁
に
提出
するよう義務づけ、
技術
的に必要な
事項
に関しては、
建築士
の
調査報告
を添えさせることとしたものであります。さらに
昇降機等
の
建築設備
で
特定行政庁
の
指定
するものにつきましても、
定期
に、
建築主事
の
検査
を受けるよう新たな
規定
を加えたものであります。 第十五条、届出に関する
規定
でございますが、これの
改正
につきましては、
着工届
は、
工事施行者
が
義務者
となっておりますのを、
建築主
に変えることとし、
確定申請
と同時に
着工届
が済ませるよう
手続
を簡略化し、
除却届
に対しましては、
事後通知
を
事前通知
に変えることとしたものであります。 第十八条、これは
国等
の
建築物
に対する
手続
の特例の
規定
でございますが、これの
改正
につきましては第九条の
改正等
にあわせて
字句
の
修正
をしたものであります。 第十九条、
敷地
に関する
規定
でございますが、これの
改正
につきましては、第四項におきまして、
がけ地等
に対する安全上の
措置
の
規定
を明確にしたものであります。 第二十二条、これは
屋根
の
防火措置
を要する
区域
についての
規定
でございますが、これの
改正
につきましては、
区域指定
に際して、
関係市町村
の
同意
を要することとなっておりますのを、
都市計画区域
内では、
都市計画審議会
の意見を聞くことに改めたものであります。 第二十四条第二項、これは
木造
の
特殊建築物
の
内装制限
に関する
規定
でございますが、これの
改正
につきましては、第三十五条の二で、
内装制限
について一括
規定
することとしましたので、本項を削除したものであります。 第二十七条、これは
特殊建築物
の
構造制限
に関する
規定
でございますが、これの
改正
につきましては、
耐火構造
としなければならないものの一部を
簡易耐火建築物
でもよいことにし、
木造
で
建築
できたものの一部を
簡易耐火建築物
としなければならないこととして、
防火制限
を整備したものであります。具体的な
制限
につきましては、表を作って見やすいように改め、
別表
第一としたものであります。
現行法
と変った点を大略御
説明
いたしますと、
用途
として追加しましたものは、
別表
第一(二)項のホテル、旅館、
養老院
と(三)項の
体育館
でありますが、頻発する
災害
に対処するため、これらの
構造制限
を
強化
したものであります。百貨店、マーケット、
遊技場
の類につきましては、従来二階
部分
が二百平方メートルをこえるものは、
耐火構造
としなければならないことになっておりますが、これを
強化
しまして、三階以上の階をこれらの
用途
に供するもの及び
延べ面積
が三千平方メートル以上のものは、
耐火建築物
としなければならないこととし、さらに二階
部分
が五百平方メートル以上のものは、
簡易耐火建築物
としなければならないこととしたものであります。
病院
、
共同住宅
の類につきましては、
現行法
で二階
部分
が四百平方メートルをこえるものは、
耐火構造
としなければならないこととなっておりますが、二階
部分
が三百平方メートル以上のものは、
耐火建築物
または
簡易耐火建築物
としなければならないこととしたものであります。
学校
または
体育館
では二千平方メートル以上、倉庫では、千五百平方メートル以上のものについて、
簡易耐火建築物
としなければならないこととしたものであります。
自動車車庫
につきましては、従来三百平方メートルをこえるものにつき、
耐火構造
としなければならないこととなっておりましたが、今回、百五十平方メートル以上のものを、
簡易耐火建築物
としなければならないこととして、
強化整備
をはかったものであります。 第二十八条、これは採光、換気に関する
規定
でございますが、これの
改正
につきましては、
ただし書き
に、最近
増加
の
傾向
にある無
窓工場等
を加えて、取扱いを明確にしたものであります。 第三十条、これは地階における
住居
の
居室
の禁止に関する
規定
でございますが、これの
改正
につきましては
学校
の教室、
病院
の病室または寄宿舎の寝室を加えたものであります。 第三十三条、これは避雷針の
設置
に関する
規定
でございますが、これの
改正
につきましては、
周囲
の
状況
により、安全上
支障
のない場合の
除外規定
を加えたものであります。 第三十五条、これは
特殊建築物等
の
避難
及び消化に関する
技術的基準
に関する
規定
でございます。これの
改正
につきましては、頻発する
災害
に対処するため、三階以上の
建築物
及び第二十八条第一項
ただし書き
に
規定
する
居室
を有する
建築物
、すなわち、無窓の
建築物
、
地下建築物
についても、
避難施設
、
消火施設等
を整備すべきものとしたものであります。 第三十五条の二、これは
特殊建築物
の
内装
に関する
規定
でございますが、これにつきましては、最近の火災の例にかんがみまして、
現行
の第二十四条第二項に
規定
する
木造
の
特殊建築物
に限らず、
耐火建築物
、
簡易耐火建築物
で
特殊用途
に供するもの及び第二十八条第一項
ただし書き
に
規定
する
居室
についても
内装制限
を
強化
したものであります。なお必要な
技術的基準
は、
政令
で定めることとしたものであります。 第三十五条の三、これは無窓の
居室等
の
主要構造部
についての
規定
でございますが、これにつきましては、第二十八条第一項
ただし書き
に
規定
する
居室
、すなわち無
窓建築物
、
地下建築物等
の
居室
を区画する
主要構造部
を
耐火構造
とし、または
不燃材料
で作ることとして、
災害
の場合の
危害防止
に備えようとするものであります。 第三十六条の
改正
につきましては給水、排水のための
配管設備
の工法をその
設置
及び
構造
に改める等の
改正
をしたものであります。 第四十二条、これは
道路
の
定義
についての
規定
でございますが、これの
改正
につきましては、従来は、
幅員
四メートル以上のものを
道路
として取り扱っており、さらに
緩和措置
としまして、現に、
建築物
が立ち並んでいる道で
幅員
が四メートル
未満
のもののうち、一・八メートル以上のものは、その道の
中心線
から二メートル後退した線を
道路
の
境界線
とみなして、
道路
として取り扱っておったのでありますが、最近、
町村合併
により
都市計画区域
が広範囲にわたって広がりました
関係
上、一・八メートル
未満
の道がかなりの数に上りますので、第二項を改めまして、これらの道も
特定行政庁
の
指定
によって
道路
と認める道を開いたものであります。
道路
の
幅員
に関しましては、片側が
がけ地
、
川等
に沿っております場合とか、その他
土地
の
状況
によりやむを得ない場合には四メートルの
幅員
を確保することが無理な点がございますので、第三項におきまして、これらの場合には、
特定行政庁
の
指定
により、
幅員
を二・七メートルまで
緩和
できるよう改めたものであります。ただしこれらの
緩和措置
につきましては、乱に流れないよう、第四項において、
建築審査会
の
同意
を要することとしたものであります。 第四十三条、これは
敷地
と
道路
との
関係
の
規定
でございますが、これの
改正
につきましては、
自動車専用道路
は
一般
の歩行を禁止しておりましてふだんの使用上から見ても、
災害
時の
避難通路
としても
適用
でないので、これを
道路
とみなさないこととしたものであります。同条第二項につきましては、
映画館等
の
特殊建築物
及び
自動車車庫
の
敷地
と
道路
との
関係
について、必要な
事項
を
地方条例
で定めることを
規定
したものでありますが、
自動車修理工場
は
自動車車庫
と同様の
条件
にありますので、これを追加したものであります。 第四十七条これは
壁面線
による
建築制限
の
規定
でございますが、これの
改正
につきましては従来、
建築物
の壁またはこれにかわる柱は、
壁面線
から突き出してはならないこととなっておりますが、今回、
構造
上必要な歩廊の柱などは、
壁面線
を越えて
建築
ができるよう改めたものであります。 第四十九条これは
用途地域
内の
建築制限
に関する
規定
でございますが、これの
改正
につきましては、
産業
の
発達
のため、新たな
業態
を加える必要が生じた反面、
除害装置等
の
進止
により
制限緩和
の必要もありますので、これらを整理いたしたものであります。すなわち新たに追加したものの大略といたしましては、
住居地域
におきましては魚肉の練製品の
製造
、
金属
のつち打ち
加工
、プレスまたは切断、
印刷用平板
の研磨、
糖衣機
を使用する菓子の
製造
、
セメント製品
の
製造
、撚線、金網の
製造
、
製粉等
であります。
商業地域
におきましては、魚粉の
製造
、レデイ・ミクスド・コンクリートの
製造
、
金属
の溶射、砂吹き、鉄板の
波付加工
、
ドラムカン
の洗浄または再生、パルプの
製造等
であります。 準
工業地域
におきましては、木材を
原料
とする活性炭の
製造
、動力つちを使用する
金属
の鍛造、動物の
排泄物
を
原料
とする医薬品の
製造等
であります。次に
緩和
いたすものとしましては、
商業地域
におきまして、塗料の吹きつけの
馬力数
をゆるめましたのと、準
工業地域
におきまして、
化粧品
の
製造
、石けんの
製造
、
手すき紙
の
製造
、少量の
金属
の溶融、出力の合計が四キロワット以下の
金属
の
圧延等
であります。なお、これらは、準
工業地域
において
緩和
しましたものを、
商業地域
で禁止するようにしたものであります。さらに、従来
危険物
の貯蔵、処理につきましては、
工業地域
以外の
用途地域
では一律に禁止されていましたが、準
工業地域等
では多少厳に過ぎる面も見られますので、
危険物
の質、
量等
により、
地域別
に差をつけて
制限
をするようにしたものであります。 第五十一条、これは
既存建築物
に対する
緩和
の
規定
でございますが、これの
改正
につきましては、
現行
の
内容
は第八十六条の二で一括
規定
することとしましたので、
現行
の第五十四条に相当する
内容
をここに
規定
したものであります。 第五十二条、これは
特別用途地域
の
規定
でございますが、これの
改正
につきましては、地方的な
特殊産業等
に対して、
特別用途地区制
をさらに活用できるように、第四項におきまして、
建設大臣
の
承認
を得て、
条例
で、
用途地域
、
専用地区
の
基本的制限
の一部を
緩和
できるよう改めたものであります。 第五十三条につきましては、
現行
の第五十三条に相当する
内容
、次の条に送りまして、
本条
では、
現行
の
地域制
が
建築物
の
用途
のみを
制限
しておりますが、
建築物
の
構造
、
建築設備
についても、これを
規制
することにより、
用途地域
の
持定
の
目的
を達成できるよう
条例
を制定する
根拠条文
を
規定
したものであります。 第五十四条、これは
卸売市場等
の
用途
に供する
特殊建築物
の位置に関する
規定
でございますが、これの
改正
につきましては、
都市計画
の
施設
として決定しているものを除きまして、
現行法
では、公開による
聴聞
を行い、
建築審査会
の
同意
を得て、
特定行政庁
が
許可
することになっていますが、この
許可
は、広域的な
都市計画
として検討するのが適当でありますので、
都市
計当
審議会
の議を経ることに改めたものであります。また
政令
で定める軽微なものの新築、増築については、
許可
を要しないものとしております。 第五十五条、これは
敷地面積
に対する
建築面積
の割合に関する
規定
でございますが、これの
改正
につきましては、第一項に第三号を追加して、
公園
、
道路
、
川等
のうちに建つものについては、この
制限
をはずすこととし、第二項において、
現行
の
敷地面積
から三十平方メートルを差し引く
制限
は、
実情
に沿わない面もありますので、
過小宅地
が多い等、
土地条件
によりやむを得ない場合は、
特定行政庁
が
建設大臣
の
承認
を得て、第二十二条第一項の
市街地
について
指定
する
区域
につきましては、
敷地面積
の六割まで
建築
できるように改めたものであります。 第五十六条、これは
空地地区
の
規定
でございますが、これの
改正
につきましては、第四項において
隣地
に
公園等
がある場合、その他
政令
で定める場合には、
建築物
の
外壁等
と
隣地境界線
との
保有距離
の
制限
をはずしたものであります。 第五十七条、これは高さの
限度
についての
規定
でございますが、これの
改正
につきましては、
現行法
の
ただし書き
と
同等程度
の効果を有し、
都市計画
上
支障
のないものについても、
例外規定
を
適用
できるよう改めたものであります。 第五十八条、これは
道路
の
幅員
と
建築物
の高さの
関係
の
規定
でございますが、これの
改正
につきましては、第五十七条第一項各号の一に該当する場合には、
建築審査会
の
同意
を得て
特定行政庁
の
許可
によりこの
制限
を
緩和
できるように改めたものであります。この場合第五十七条に
規定
する高さを越えるものについては、第五十七条
ただし書き
の
許可
と
同一
の観点から審査することになりますので、どちらか一方の
許可
でよいことに調整したものであります。 第五十八条の二、これは高架の
工作物
内に設ける
建築物等
の高さの
制限
の
緩和
についての
規定
でございますが、これにつきましては、事柄の性質上、
一般
の
建築物
と
同一
に
規制
するのは不合理と思われますので、
特定行政庁
が、交通上、安全上、
防火
上及び衛生上
支障
がないと認めるものについては、第五十七条及び第五十八条の
規定
を
適用
しないこととしたものであります。 第六十一条、これは
防火地域
内の
建築物
の
規定
でございますが、これの
改正
につきましては、
耐火建築物
または
簡易耐火建築物
を
定義
づけたことにより
字句
を
修正
をするとともに、
階数
が三以上のものは
耐火建築物
としなければならないこととしたものであります。 第六十一条の二、これは
防火地域
内における
既存
の
建築物
に対する
制限
の
緩和
の
規定
でございますが、これの
改正
につきましては、これを第八十六条の二で一括
規定
することとしましたので、
本条
を削除したものであります。 第六十二条、これは準
防火地域
内の
建築物
の
規定
でございますが、これの
改正
につきましては、
現行法
で
階数
が三以上であるか、または
延べ面積
が五百平方メートルをこえる
建築物
は
耐火構造
とすることになっておりますが、これを
簡易耐火建築物
でもよいことにし、四階以上または
延べ面積
が千五百平方メートルをこえる
建築物
は、
耐火建築物
としなければならないことに改めまして、
都市
のすみやかな
不燃化
をはかったものであります。 第六十四条、これは
開口部
の
防火戸
の
規定
でございますが、これの
改正
につきましては、
耐火建築物
及び
簡易耐火建築物
の
定義
を設けたことにより、
字句
の
修正
をしたものであります。 第七十九条、これは
建築審査会
の組織の
規定
でございますが、これの
改正
につきましては、第三項で
市町村
の
委員
と都道府県の
委員
との兼任を禁じておりましたが、
実情
にかんがみましてこれを除くことにしたものであります。 第八十条、これは
委員
の任期の
規定
でございますが、これの
改正
につきましては、
現行法
では
委員
の任期が満了した場合、議会等の
関係
で後任の
委員
の任命がおくれ、法運営上
支障
を生ずることがありましたので、第三項におきまして、任期の満了した
委員
は、後任の
委員
が任命されるまでその職務を行うこととしたものであります。 第八十条の二及び第八十条の三につきましては、従来
建築審査会
の
委員
の欠格条項や解任事由に関する
規定
が全く欠けておりましたので、この際他の
審議会
等の
委員
並みに整備したものであります。 第八十五条、これは仮設
建築物
に対する
制限
の
緩和
の
規定
でございますが、これの
改正
につきましては、仮設
建築物
について
適用
を
除外
する条項及び期間を整理したものであります。 第八十六条、これは総合的設計による一団地の
建築物
の取扱いの
規定
でございますが、これの
改正
につきましては、
耐火建築物
または
簡易耐火建築物
を相当数計画配置して
建築
する場合には、
木造
密集
市街地
の火災と
状況
が異なり、特に
外壁
の
開口部
の
防火戸
を設ける必要がないと思われますので、
特定行政庁
がその位置及び
構造
について
防火
上
支障
がないと認めるものについては、
防火戸
の
設置
を
緩和
できる
規定
を設けたものであります。 第八十六条の二、これは
既存
の
建築物
に対する
制限
の
緩和
の
規定
でございますが、これにつきましては、法
適用
前から存する
建築物
については、第三条第二項により、増、改築等をする場合を除いて、
本法
を
適用
しないこととされていますが、増、改築等をいたします場合には、
本法
の
規定
が全面的に
適用
されることとなりまして、
構造
全体に影響を及ぼすような
規定
、すなわち、第二十六条(
防火
壁の
設置
)、第二十七条(
特殊建築物
の
構造制限
)、第四十九条、第五十条(
用途地域等
の
建築制限
)、第六十一条、第六十二条第一項(
防火地域
、準
防火地域
内の
構造制限
)につきましては、経済上無理と思われる場合も出て参りますので、
政令
で定める範囲内で
適用
を
緩和
しようとするものであります。なお、
本条
と同趣旨の第五十一条及び第六十一条の二の
規定
を
本条
に吸収したものであります。 第八十七条、これは
用途
の変更に対するこの
法律
の
適用
の
規定
でございますが、これの
改正
につきましては、従来、明確を欠いた点もありましたので、これを全面的に改めて、その
関係
を明らかにしたものであります。 第八十七条の二、これは
建築設備
への準用についての
規定
でございますが、これにつきましては、昇降機その他の
建築設備
を設ける場合にも、これらの
建築設備
の重要性にかんがみ、
建築主事
の
確認
を要することとし、この場合、一つの
建築設備
について、千円以内の
手数料
を納めるべきものとしたものであります。 第八十八条、これは
工作物
への準用の
規定
でございますが、これの
改正
につきましては、ウォーターシュート、
飛行塔
等の遊技
施設
につきましても、
構造
耐力の
規定
を準用することとしたものであります。 第九十条、これは
建築
工事
現場の危害の防止の
規定
でございますが、これの
改正
につきましては、
危害防止
措置
に
違反
がある場合に、
建築物
に対すると同様
是正措置
をとれるように明確にしたものであります。 第九十一条、これは
建築物
の
敷地
が
区域
、地域または地区の内外にわたる場合の
措置
の
規定
でございますが、これの
改正
につきましては、
建築物
は、その
敷地
の過半が占める
区域
、地域または地区の
制限
の
規定
を受けることになっておりますが、高度地区に関しましては、
指定
された
部分
だけ高さに関する
制限
を課すれば
目的
を達成できるものでありますから、
本条
から除いたものであります。 第九十三条、これは
許可
又は
確認
に関する消防長の
同意
等の
規定
でございますが、これの
改正
につきましては、今回の
改正
により、
設備
だけ
設置
する場合にも
手続
を要することとしたことに付随しまして、消防及び衛生方面との連絡を整備したものであります。 第九十四条、これは異議の申立についての
規定
でございますが、これの
改正
につきましては、第三項において
建築審査会
の裁
定期
間を、公聴会の事務処理等から見て、従来の二十日から一カ月に延期したものであります。 第九十八条、これは罰則についての
規定
でございますが、これの
改正
につきましては、第九条第一項の
違反是正
命令に従わない者に対して、
現行法
の罰金刑のほか、六月以下の懲役刑を課することができるように改めたものであります。なお、第九条第十項に
規定
する緊急の場合の
工事
施工
停止命令
に
違反
するものに対しても同じ刑が課せられることとしたものであります。 第九十九条から第百二条までの罰則
関係
は、実体
規定
の
改正
に伴って整備したものであります。 附則
関係
につきましては、施行期日を公布の日から起算して八カ月をこえない範囲で各
規定
につき
政令
で定めることとしたものであります。なお、住宅金融公庫法の簡易
耐火構造
に
関係
する
部分
の
改正
は、貸付
条件
等の
関係
から、
昭和
三十五年四月一日から施行することとしたものであります。
関係
法律
の一部
改正
につきましては、
防火規定
の整備に伴いまして、
防火
地区内借地権処理法、住宅金融公庫法、官公庁
施設
の建設等に関する
法律
、耐火
建築
促進法の用語を整備いたしましたことと、
手続
関係
で消防法、住宅金融公庫法、清掃法、日本住宅公団法を整備いたしたものであります。 以上、
本法
案の概要を御
説明
いたしましたが、何とぞ慎重御
審議
の上、すみやかに御可決下さるようお願いいたします。
—————————————
堀川恭平
5
○
堀川委員長
次に、
公共工事
の
前払金保証事業
に関する
法律
の一部を
改正
する
法律案
を
議題
といたしまして、
提案理由
の
説明
を聴取いたします。
徳安政務次官
。
—————————————
—————————————
徳安實藏
6
○
徳安
政府
委員
ただいま
議題
となりました
公共工事
の
前払金保証事業
に関する
法律
の一部を
改正
する
法律案
につきまして、その提案の理由及びその
要旨
を御
説明
申し上げます。 東南アジア、中近東、中南米等の諸国における開発計画に対し、わが国が協力いたしますことは、国際経済協力あるいは輸出振興の上からきわめて重要でありますが、
昭和
二十九年以来、これら諸国から建設事業に関する引き合い等が漸次
増加
して参りましたにもかかわらず、これらの引き合い等のうち実際に契約いたしましたものは僅少の数にとどまり、わが国業者の海外における活動
状況
は、必ずしも活発とは言い得ない現状にあります。 この原因といたしましては、現地情報の早期入手が困難であること、海外建設
工事
に関する知識経験に乏しいこと等が考えられますが、特に建設業者または建設
工事
の設計、監理等を行ういわゆる建設コンサルタントの担保能力の不足のため、事業活動に必要な資金の融通を受けることがきわめて困難であり、これがわが国業者の海外における事業活動のふるわない大きな原因となっているであります。 ところで、最近フィリピンにおけるマリキナ・ダムの建設計画が具体化されようとし、引き続いて東南アジア、中近東等の諸国においても大規模な建設
工事
についてわが国の協力が期待されております。 このような現状にかんがみ、わが国の海外建設協力を促進するため、建設業者または建設コンサルタントの海外における事業活動に必要な入札保証金、契約保証金、建設機械購入資金等の多額の事業資金の調達につきまして、これらの者の担保能力を増強し、金融の円滑化をはかる必要性が痛感されるのでありますが、これに対処する
措置
といたしましては、現在、
公共工事
の
前払金保証事業
に関する
法律
の
規定
に基き、保証事業会社が建設業に関する金融のための保証事業を営み、その
実績
を上げておりますので、今回同法の一部を
改正
して、保証事業会社が海外における建設事業に必要な資金の金融に関する保証業務をも営むことができることとすることが適当であると考えた次第であります。 以上がこの
法律案
の提案の理由でありますが、次に、この
法律案
の
要旨
を御
説明
申し上げます。 前払い金保証事業会社は、その本来の業務である前払い金保証事業のほか、従来より
公共工事
に関する資金についての金融保証事業及び建設
工事
の用に供する重要な機械類の取得に関する資金についての金融保証事業を兼業として行なっておりますが、このたび新たに兼業の業務として、建設業者または建設コンサルタントが金融機関から国外における事業活動に必要な資金について融資を受け、あるいは信用状の開設等を得た場合に、それによってこれらの業者が当該金融機関に対して負担する債務についても、その保証を行うことができることといたしたのであります。 なお、かかる海外建設事業に関する金融保証事業を行う場合におきましても、その事業の重要性にかんがみまして、他の保証事業と同様、
建設大臣
の
承認
を受けた約款により保証契約を締結させることといたしたのであります。 以上がこの
法律案
の提案の理由及びその
要旨
でありますが、何とぞ慎重御
審議
の上、すみやかに御可決あらんことをお願いする次第であります。
—————————————
堀川恭平
7
○
堀川委員長
次に、
土地区画整理法
の一部を
改正
する
法律案
を
議題
といたしまして、
提案理由
の
説明
を聴取いたします。
徳安政務次官
。
—————————————
—————————————
徳安實藏
8
○
徳安
政府
委員
ただいま
議題
となりました
土地区画整理法
の一部を
改正
する
法律案
につきまして、提案の理由及びその
要旨
を御
説明
申し上げます。 御承知のように、健全な
市街地
の造成を
目的
とする
土地
区画整
理事
業の基
本法
であります
土地区画整理法
が
昭和
三十年に施行されまして以来すでに四年を経過し、その間
土地
区画整
理事
業を全国的に実施して
都市
における
公共
施設
を整備改善し、宅地の利用を増進して参ったのでありますが、その運用の
実績
にかんがみまして、今回同法に
所要
の
改正
をはかろうとするものであります。 以下今回の
改正
の
要旨
を申し上げます。 まず第一に、宅地の立体化に関する
規定
を整備したことであります。最近における
都市
の人口増大と
産業
施設
集中の
傾向
は特に著しく、
市街地
における
土地
利用の高度化を促進しなければわが国の
都市
問題は解決できない現状であります。
土地区画整理法
は、その解決の手法として、宅地の立体化の
制度
を設けておりますが、
現行法
は、このようないわゆる立体換地ができるのは、面積の小さな宅地を整理する場合と、すべての権利者の
同意
がある場合に限っておりますので、今回、立体換地のできる場合を広げ、
市街地
における
土地
の合理的利用と
災害
防止のため特に必要がある場合においては、
防火地域
内であって、高度地区内の宅地について権利者の代表機関であります
土地
区画整理
審議会
の
同意
を得た上で宅地の立体化ができるようにし、
市街地
の高度化の促進に寄与せしめようとするものであります。 次に
公共
施設
管理者
の負担金に関する
規定
を設けたことであります。 最近、
道路
、河
川等
の大規模な
公共
施設
の用地の確保が困難となってきておりますが、
土地
区画整
理事
業によってこれらの用地を造成するようにいたしますと、これがきわめて円滑に進捗するのみならず、付近の
土地
の利用の増進に貢献するところが多いので、これらの用地を確保するため、
土地
区画整
理事
業を施行するという事例が全国的に多くなっております。 かかる場合において、従来からも本来の
公共
施設
の
管理者
から
土地
区画整
理事
業の施行者にその用地費相当分を支出していたのでありますが、この
関係
を明確にするために、今回このような重要な
公共
施設
の用地を造成することを主たる
目的
とする
土地
区画整
理事
業につきましては、施行者は本来の
公共
施設
の
管理者
にその用地の取得費に相当する金額の範囲内の事業費を負担させることができるようにしようとするものであります。 第三は、
土地
区画整理
審議会
の
委員
等の任期を延長することであります。
現行法
では、
土地
区画整理
審議会
の
委員
並びに
土地
区画整理組合の役員及び総代の任期は、三年をこえない範囲内で施行規程または定款で定めることになっておりますが、
土地
区画整
理事
業の実態は、その期間が相当長期にわたるものであり、また事業の
内容
及び
手続
が非常に複雑である等の点にかんがみまして、今回任期の最高年限を五年に改めまして事業の円滑な施行をはかろうとするものであります。 以上が
改正
のおもな点でありますが、このほか
土地
区画整
理事
業の適正かつ円滑な施行をはかるため、事業計画の決定及び変更、権利の申告、保留地の処分方法並びに
土地
区画整
理事
業と農地等の
関係
の調整に関する
手続
を整備するほか、予備
委員
の数の特例、
公共
施設
の用に供されている宅地に関する特例及び清算金の延滞金徴収の
規定
を設けるとともに、仮換地
指定
後における
公共
施設
予定地等に関する管理責任を明確にしようとするものであります。 以上がこの
法律案
の提案の理由及びその
要旨
でありますが、何とぞ慎重御
審議
の上、すみやかに御可決あらんことをお願いいたす次第であります。
—————————————
堀川恭平
9
○
堀川委員長
次に、
首都高速道路公団法案
を
議題
といたしまして審査を進めます。昨日に引き続き質疑を行います。中島
委員
。
中島巖
10
○中島(巖)
委員
だいぶ質問者があるようでありますので、ごく簡単にお伺いいたしますが、政府で
説明
されました
道路
整備五カ年計画、すなわちあと四カ年間におきまして多分五百九十二億という予算になっておりましたが、そういたしますと、事業量は首都高速
道路
公団参考資料によりますと、八路線と二支線、計十路線になっておりまして、七万一千三十メートルということになっておりますが、この事業を全部完了できるのか、もし完了できないとすれば、どの程度できるのであるか、この点についてお尋ねいたしたい。
美馬郁夫
11
○美馬政府
委員
首部高速
道路
公団の全体計画では、八路線につきましての事業費といたしまして、高速
道路
関係
が八百五十二億、関連街路
関係
が六十一億、合計九百十四億、これが事業費として予定されておりますが、ただいまの私どもの予定では、この八路線は
昭和
四十年前後におきまして、いろいろな資料から申しまして、都内の交通が主要地点において満度に達するという計算のもとに、これを目標にして八路線を完成していきたいというめどは持っておりますが、具体的な問題といたしましては、そのうち今般いろいろ問題になっております
道路
整備五カ年計画に入る具体的な数字といたしましては、その参考資料にもありますように、事業費といたしましては、五路線について五百四十三億九千万というのが事業費になっておりまして、公団の収支といたしましては、このほかに建設利息等が入って参りますから、多少これよりはふくらみますが、事業計画はそういうふうにしまして、五年間で五路線、あとはみ出す分につきましては、また今後の問題でありますが、できるだけ早い機会にやっていきたい、こういうふうに考えております。
中島巖
12
○中島(巖)
委員
五路線というと、どの線とどの線か、ごく大ざっぱでいいのですが、御
説明
願いたい。
美馬郁夫
13
○美馬政府
委員
五路線は、一号線、三号線、三号線、四号線、八号線、こういうことになっておりまして、一号線は、羽田を起点といたしまして、兜町を経由して仲御徒町に至る線でございます。それから二号線は、西戸越一丁目から出発いたしまして、一ノ橋を経由いたしまして麻布谷町、芝浦海岸に至る区間でございます。三号線につきましては、麻布谷町から隼町—三宅坂、ここに至る線であります。四号線につきましては、幡ケ谷から常盤橋を経まして兜町、あるいは有楽橋、これに至る区間であります。八号線につきましては、汐留から銀座一丁目、この区間になっております。
中島巖
14
○中島(巖)
委員
それから僕らの非常に疑問に思うのは、現在もそうなんですが、
都市
交通が非常に輻湊してきてこういう事業をやられるわけなんですが、結局高速
道路
の性格から言いましても、こういうように、人口が非常に稠密になってきてからこういう事業をやることは、金が非常にかかるわけなんです。それで、首都だけでなしに、いわゆる首都圏と申しますか、近郊まで、さらに現在の人口があまり稠密にならないうちに延ばすべきが当りまえだと思う。つまり現在計画したところより乗り入れというか、もっと
道路
を延長することによって、機動性の発揮もできる。また将来人口が稠密になってからでは
工事
がむずかしくなり、用地の買収がむずかしくなり、多額の費用が要ることは明らかなんですが、こういうようにわずか東京都内だけを高速公団でやるというようにお考えになったのはどういうわけか、その点についてお伺いしたい。
徳安實藏
15
○
徳安
政府
委員
ただいま計画いたしておりますものは、都心部に乗り入れのことを考慮してやっているわけでありますが、差し迫って一番混雑しておりますところをとりあえず手をつけまして、次いで、今お話しの方になるべく早い機会に、人口が稠密になって手をつけるのに困難だということのない時期に、お説の点をよく考えまして延長する考えでございます。
中島巖
16
○中島(巖)
委員
たとえば、現在
道路
公団が京葉国道なんかをやっているのですが、結局私の考えとすれば、この公団を設立されるとすれば、いわゆる首都圏を作るには、この公団でやることが適当じゃないか、たとえば現在の公団がやっている首都内の事業も受け継ぐのであるから、首都圏全体の事業を受け継いで、あとで乗り入れる
道路
も、この際わずかな金でできるのだから、すべきじゃないか、こういうように考えるわけで、首都だけに限ってしまって、首都圏全体の計画を国で策定している今日において、首都内だけの事業計画を立てるということは、国の大きな方針とも食い違いを生じてくるし、それから第二点としては、ただいま申し上げましたような首都へ乗り入れの、首都周辺がますますこれから人口が稠密してくるような
関係
で
工事
も困難になる。従って、少くとも首都圏くらいは一括して、公団で現在の
道路
公団の事業を引き継いでやるべきだ、こういうように考えるのですが、首都だけを区切ってこの公団を設立したその趣旨を承わりたいと思うわけであります。
美馬郁夫
17
○美馬政府
委員
この公団は、設立のいろいろないきさつもありまして、法案の方にも第一の
目的
のところに、「東京都の区の存する
区域
及びその周辺の地域」、こういうふうに限定しております。理想から申しますと、もちろん首都圏全般を
区域
といたしまして、そういう大構想も必要とは存じますが、しかしながら、とりあえず今非常に問題になっているところは、この副都心、いわゆる新宿、渋谷、五反田等から東京都心部に乗り入れてくるところが、非常に混雑をしておるのでありまして、これを解決することが非常に問題になっておる点でございます。もちろん
道路
公団がやっております、たとえば京葉
道路
等との
関係
は、この計画におきましても、七号路線によりまして連接するようにはなっております。ただこの公団の事業をどこまで広げていくかということにつきましては、いろいろ問題もあるとは思いますが、私どもただいまの気持では、主として首都圏の
関係
から申しますと、既成
市街地
というふうな
関係
でやっております地区を対象として、とりあえずはやっていった方がいいのではないか。将来の問題といたしましては、もちろん首都圏全般の問題も考えなければならない問題ではあると思いますが、ただいまは、既成
市街地
を中心として、その辺を
区域
に考えております、ただ現実に、
道路
公団なり、そういうところで京葉国道等もやっておりますから、こういうところは有機的に連接をいたしまして、一環として機能がスムーズになるようにいたしたい、こういうふうに考えております。
中島巖
18
○中島(巖)
委員
どうもその辺が、大へん役所のいろいろな
関係
もあるだろうけれども、われわれにはすっきりしないのです。いやしくもこれだけの大きな公団を設立して、そして
都市
の交通
緩和
をはからんという
目的
、それから国といたしましては、首都圏整備
委員会
ができて、首都圏という大きなワクでもって今後いろいろな施策をしていこう、こういう場合に、その都内の交通
緩和
というようなことでなしに、都内の交通
緩和
ももちろんでありますけれども、やはり首都圏くらいはこの公団でやることにして、そして現在の
道路
公団でやっておる事業を引き継いでやるべきが当然じゃないか。つまり、これは高速
道路
なんて名前をつけてありますけれども、昨日も私討論で申し上げましたけれども、七万一千三十メートル、つまり幹線八路線に支線二路線、その十路線で七万一千メートルばかりのものです。一路線の平均にすれば七千メートルくらいのもので、あなたの方で、時速六十キロという数字がここに出ておるのですが、それでいけば、平均一路線は、始点から終点まで十一分で走って、それでおしまいになってしまう。こんなのは高速
道路
と言えぬですよ。十一分走ってすぐ外に出れば、行き詰まってしまう。それで、自動車が出ていくのに十分かかるというのは、これは全くの
都市
内の代替線としか思えぬと思う。少くとも首都圏くらいはこの公団の手でもってやる。そして現在、まだこの中心地をはずれるものは、人家はあるにしても、取り除いたりするのは簡単だから、そういう構想のもとに出発する、いやしくも公団を設立するんだから、出発すべきものじゃないか、こういうように考えるわけなんです。これは、次官もお見えだし、一つ大臣と御協議願って、少くとも首都圏ぐらいは、やはりこの公団の手でやるべきものだ。これは、もうだれが考えてもそうと思います。 それから次にお伺いいたしますのは、実は私、昨日東京都の方からも来てもらい、それから首都圏整備
委員会
にも来てもらいましたので、この点、こまかくお聞きしたいと思ったのです。つまり現在の
都市計画
の街路事業、これと
道路
事業とどうなっておるかという
関係
を見ないと、ただいま申し上げたような
審議
が進められぬのじゃないか、こういうように考えておるわけです。それで、私の考えとしては、首都圏整備
委員会
の西畑君の方へも、資料その他の
提出
をきのう頼んでおきましたし、その資料によって首都圏の方からも
説明
願い、それから東京都からも、そういう資料によって
説明
願って、街路事業と、それから今度の高速
道路
の
関係
がどうなっておるか。さらに、街路事業そのものも今中途半端になって、ヘビが卵をのんだような格好でやっているわけなんですが、これらが整備できるとすれば、この中の一本や二本はあるいははずされるようなことにもなるかもしれぬし、そういうようなことも検討したい、こう考えておったのですが、自民党の方からこの法案の成立を非常に急がれて、そういうような時間もないわけです。それで、概要でもけっこうなんですが、御
説明
できたら御
説明
願いたいし、御
説明
願えぬとすれば、あと図面か何かで、資料の御
提出
を早急にお願いしたい、こういうふうに考えるわけです。
徳安實藏
19
○
徳安
政府
委員
ただいま中島
委員
の御説のように、なるべく首都圏内は一元化して、こういう首都公団ができた以上はそれにやらせるべきじゃないかという御意見に対しましては、私も同感であります。従って、
道路
公団でやることになっておりました一号線、二号線は、今度できます首都公団の方に引き継ぐわけでありますが、ただいまお話しの京葉
道路
につきましては、すでにもう
工事
が九分
通り
進捗いたしまして、来年度には全部開通するというような段階にまでなっておりますために、一応それは、従来の
関係
もございますので、
道路
公団にやらせるという方針にしておるわけございます。しかし将来におきましては、なるべく首都圏内におけるこうしたものにつきましては、一元的に運営されるような行き方が望ましいと思いますから、これは十分大臣とも相談いたしまして、善処するようにいたします。 なお、街路事業と本公団との
関係
につきましては、大体概略は事務当局でわかっておるそうでございますから、
計画局長
から御
説明
をいたします。
美馬郁夫
20
○美馬政府
委員
東京都の
都市計画
の街路事業とか、あるいは戦災復興の区画整
理事
業で街路事業をやっておりますから、こういう問題の概略を御
説明
いたしまして、これと高速
道路
との
関係
はどうなるかということを、私から簡単に申し上げますが、東京都の
都市計画
の街路事業が、いろいろ現在の進み方が悪くて、しり切れトンボになっているじゃないか、場所によっては非常にちょん切られておるようじゃないか、区画整
理事
業がなかなか進んでおらぬじゃないかということでございますが、東京都の
都市計画
事業につきましては、
昭和
二十一年にこの基本計画を決定いたしております。この基本計画は、焼けた直後の相当膨大な計画でありましたので、その後いろいろ再検討を加えております。これは、実は
昭和
二十一年に国といたしましても、戦災復興の街路事業なり、戦災復興の焼け跡地の区画整
理事
業として、いろいろ大きい計画をきめておったのでありますが、その後園の財政事情、あるいは事業の進捗等もにらみ合せまして、
昭和
二十四年にこの計画の再改定を行なっておるのであります。この国のきめた改定に従いまして、東京都の方におきましても、計画を、具体的に申しますと、縮小いたしております。そのときに事業個所が整備されましたし、また当初計画では
幅員
五十メートルの街路が、
幅員
三十メートルなり四十メートルに縮小いたしております。こういう事情のもとに、現在きまっておりますのは、
昭和
二十四年にきめました街路計画が根本になっておるのでありまして、それによりますと、幹線街路は約四十三路線をやる、補助街路は百四十九路線をやる、そのほかいろいろこまかい計画を立てておりますが、これが、その後国の
道路
整備計画に照応してどんなふうに進んで参っておるかということを概略申しますと、幹線につきましては——これは、都心から外に向って走っております、放射線と申しておりますが、そのほかに、環状線と申しまして、ぐるぐる周辺を回っておる路線がございます。この放射路線と環状路線について申し上げますと、三十二年度までに完了したものが、当初計画に比べまして、放射線では二八%、環状線では一三・六%と、こういう数字になっておりまして、きめております計画から見ますと、まだまだなかなか大へんな数字でございまして、私どもの予定しております五カ年計画でやりましても、放射線については二八%が約三八%、一〇%の進捗率になりますし、環状線で申しますと、一三%が二七%、こういうふうな
状況
になっておりまして、私どもも
都市計画
の立場から、この首都圏には相当集中的に経費を投入しておりますが、まだ現状を見ますと、なかなか各地区に、計画に対しまして相当中途半端なような現象が出ておるのであります。これはまあ全般論でございますが、私どもも、できるだけすみやかにこの戦災復興事業なり
都市計画
街路事業を、事情の許す限り早い機会におきまして、この計画の
目的
に沿ってやれるようには努力したいと思いますが、経費の
関係
等いろいろございまして、今のところの見通しはそういう事情でございます。 いろいろ問題になっております首都高速
道路
の各路線につきましては、これは専門家がいろいろ長年にわたって研究いたしまして、あの路線が最も被害が少くて、最も摩擦が少く、能率的な線路であるということできめた路線でございます。もちろん地区によりましては、現在の街路を拡張した方がいいではないかというような御意見もあるとは思いますが、しかし、もともとこの首都高速
道路
は、先ほど先生もおっしゃいましたように、平面街路とは別個の自動車だけの、
停止
しない
道路
を作るのでございまして、従来
都市計画
で予定しております路線は、やはりその区間々々の通過、交通のためにはぜひとも必要な路線でありまして、この平面街路の方の完成だけで、高速
道路
が要らないという理由には決してならないのでございます。 高速
道路
といっても六十キロしか出ないじゃないかということでございますが、これは、遠距離を結ぶ高速通路とは、もともと成り立ちから違っておりまして、都心部と副都心部をノン・ストップで走っていく、
停止
なしいで走っていくというふうな立場をとっておりまして、もちろん時速は六十キロで、
一般
のいなかの道を走る立場から申しますと、非常に低いのでございますが、何と申しましても、現在都心部では平均約二十キロというスピードしか出ませんから、このスピードからいたしますと、三倍のスピードで走るというふうなことになっておりまして、そういう意味の高速
道路
でございます。 以上簡単でございますが……。
中島巖
21
○中島(巖)
委員
私の言わんとするところは、六十キロがスピードが低いというのではないのです。六十キロで走っても、一路線当り十一分走ったらおしまいになってしまうではないか、こういうことを申し上げているのです。 それから
都市計画
の方は、昨日建設局長の話でも、約一兆かかるのだ、
昭和
四十年までかかるのだ、そのうち整理して通せるものは早く通すように、三年くらいでした方がいいではないかというお話なんです。それから
道路
のあるところはよけて、あなたの方でやる事業を早くやった方がいいではないかという、こういう
関係
で、
都市計画
とにらみ合せて、僕らも資料をほしい、こういうわけであります。一つ早急に、あすにもそういうような資料をお配り願いたいと思うのです。 それから先ほど建設次官は、公団がやっていて、京葉国道は九割近くできておるのだ、こういうお話でありましたけれども、この公団の事業費というものは、この五カ年計画の予算で見てもわかるように、一千六百億幾らというのは、ほとんど政府の保証した借入金である。それから
一般
財源から三百何十億出て、これは全額が政府の金であるのだから、借入金にしても政府が保証しておるのだから、何も日本
道路
公団に気がねする必要がないのだから、従いまして、現在の日本
道路
公団の事業を引き継いで、その職員も今度の首都高速
道路
公団に入れて、少くとも首都圏内くらいの整備事業を目標として行うべきである、こういうふうに考えるのです。これは、あなたの方から首都高速
道路
公団参考資料
昭和
三十四年二月というのが、皆さん、どなたにもきておると思いますが、この中の百十二ページをあけてみて下さい。この百十二ページには、各国首都高速
道路
網計画図というのがあるでしょう。それからパリ、ワシントン、ベルリン、ロンドンとあるでしょう、まん中に東京というのが、円の中に日の丸の旗みたいにちょこっとあって、ロンドン、ワシントンなんかの高速
道路
はこうでしょう。これはだれが見たって、ここで新しく公団を設立するというのに、首都圏くらいの計画は、公団がやるのは当りまえではないですか。この図面を見たってわかる。役所のなわ張りだけで勝手ばらばらに政策を立てては、大へん困るのではないか。これはもう一度案を練り直していただきたい、こういうふうに希望しておくわけです。これに対する答弁は要りません。 まだだいぶあとに質問者があるそうでありますから私はこれでやめます。
堀川恭平
22
○
堀川委員長
次に、
山中
吾郎君。
山中吾郎
23
○
山中
(吾)
委員
私も私見としては首都圏を対象とした高速
道路
公団の方が現実に合い、その
目的
にも合うと思うのですが、今の
関係
からいくと、法案に沿って、首都圏整備計画とこの首都高速
道路
公団との
関係
についてまずお聞きいたしたいと思いますが、将来、今次官も言われましたように、首都圏に事業計画を新しく追加をしてこれを実施する場合、東京都内の事業計画というのは、さらに第二、第三の事業計画を追加して、そして首都圏に及ぼした新しい高速
道路
建設計画が立てられたときに、この公団で行うことができるように
法律
ができておりますか、できていないですか。
美馬郁夫
24
○美馬政府
委員
首都圏と申しましても、首都圏の一番広い範囲は、相当各府県を含みました遠方を含めております。この
法律
でそこに該当いたしますのは、第一条の「首都高速
道路
公団は、東京都の区に存する
区域
及びその周辺の地域」こういうことになっております。ですから、この周辺の地域をどういうふうに解釈するかという問題であると思いますが、私ども立法の考え方といたしましては、先ほどからも問題になっておりますように、この周辺とは、おおむね既成
市街地
——首都圏で申しますと、人口が稠密いたしておりまする既成
市街地
、それを考えの中に置いて立案いたしておるのでありまして、遠き将来の問題は別といたしまして、目下のところは、そういう程度を頭の中に置いてこの周辺という
字句
を使っております。
山中吾郎
25
○
山中
(吾)
委員
そうしますと、この公団では首都圏の高速
道路
計画は立てられないのであって、首都圏全体の高速
道路
計画を立ててそれを実施する段になると、別な公団を作らなければできないのですか。
徳安實藏
26
○
徳安
政府
委員
ただいま
計画局長
が
説明
いたしましたように、この
法律
では、首都圏整備法にいう既成
市街地
を大体考えてこの
法律
を作っておるわけでございますが、もし将来そうした場合が生じましたときには、この第一条の文句を変更することにおいて可能ではないかと考えておりますが、ただいまの段階では、大体において首都圏整備法にいう既成
市街地
というものを目標に置いてやっておりますから、東京都の区の存する
区域
及びその周辺という意味で、大体一応
目的
は達せられるのではないかと考えておるのであります。しかし、将来にわたっての大きな構想につきましては、今申しましたように、あるいはこの第一条の
目的
の条項を多少
修正
せねばならぬ事態になるかもしれません。
山中吾郎
27
○
山中
(吾)
委員
第一条は、この公団の本質的な性格を現わしておるのでありますから、これを
修正
することは、この公団を解散をして新しい公団によらなければできないのであって、私はこの公団法の一部
改正
によって首都圏全体の高速
道路
計画を推進することはできないのじゃないかと思う。立法の趣旨は、やはり東京都の高速
道路
を建設、管理することを
目的
としてできたのであって、今局長が言われたように、その周辺の
市街地
に限っておるのですから、東京都の高速
道路
に関連して必要な
部分
をやるというだけの意味であって、次官のおっしゃるように、現在首都圏整備計画の構想として高速
道路
計画を実施する実施団体としての公団を作る場合には、私は別な公団を作らなければできないんじゃないかと思う。そしてこの
法律
そのものがそういうふうになっておるのだと思うのですが、いかがでありますか。
美馬郁夫
28
○美馬政府
委員
この公団は、首都高速
道路
公団でありまして、首都圏という言葉は使っておりません。ですから、そういう意味で、設立のいきさつなり——これは抽象論でなく具体論で申しますと、たとえば出資の問題が
条件
になっておりますが、具体的にこの問題について出資の話があるのは、現在は東京都だけの問題でありまして、将来神奈川県なり、あるいはその他の県でこれは起り得るかもわかりませんが、現実の問題としては、まだそこまで具体的に話がいっておりません。それで、できたいきさつから申しましても、首都圏の第一次の高速
道路
の勧告が八路線についてなされておりまして、これを受けてこの
法律
が出ておるわけであります。従って、首都圏の高速
道路
ではなくして首都の高速
道路
ですから、申し上げましたように、既成
市街地
を中心として、それ以上にも延びることはありますが、目下のところは、そういうふうな第一段階の構想でやっております。将来の問題につきましては、必要性が生じた場合に、あるいはただいま政務次官が答弁いたしましたように、この
法律
を適当に
改正
してでもその
関係
はできるのでありますが、具体的にそういう話がまだ全然起って参っておりませんので、今後そういう事態が起りますと、これは路線の基本計画の問題とか、それから地方
公共
団体が出資する問題とか、そういう具体的な問題が出てこないとなかなかぴったり参りませんから、そういう問題が出て参ったときに、この
目的
でいいかどうか、あるいは
改正
の問題が起るかどうかということで検討したいと思います。
山中吾郎
29
○
山中
(吾)
委員
私の問いの回答になっていないのです。この首都高速
道路
公団によって行える事業というものは、東京都の高速
道路
事業である、首都圏全体の高速
道路
事業を引き受けてやる公団ならば、新しく公団を作らなければできないのじゃないか。そういうことなんで、これは現在できている首都高速
道路
公団の構想というものは、たとえば必要に応じては大阪市高速
道路
公団法というものを作る、あるいは横浜に必要なら横浜市の高速
道路
公団法を作る、これをすなおに見ますと、その同じ構想の一環であると思う。そういう場合でも、たとえば大阪市の高速
道路
公団法をお作りになる場合に、大阪市の区の存する
区域
及びその周辺の地域と書かなければできないわけです。周辺を含むならば、私ははっきりお伺いしなければならないという意味で聞いているのでありまして、お答えによりますと、これは将来第二次、第三次の事業計画を立てることによって、この公団自体で、そのまま一部の
改正
だけで、新しく公団というものを作らないで、関東地方を含むような首都圏全体の高速
道路
公団の事業はできるのだというふうにお答えになっておるのです。そうでしょう。その点はっきりしていただかないと、お答えは、将来できるんだ、この公団だけでできるというならば、首都圏高速
道路
公団の性格を帯びておるけれども、名称は首都高速
道路
公団ということなんで、はっきりしていただきたいと思います。
徳安實藏
30
○
徳安
政府
委員
私どもは、将来のことを予想してただいまこの法案を作ったわけではないのでございますけれども、「東京都の区の存する
区域
及びその周辺の地域において、」という文字は、先ほどから局長が御
説明
申し上げておる
通り
でございまして、もしこれ以上に及ぶような場合がございますれば、またそういう必要性が生じました場合には、別個の公団を作ることもあるいは不可能ではございますまい。しかし、この文字を
改正
することにおいて、その周辺という意味もございますし、またこの法案を作りました真の
目的
が、東京都、いわゆる首都というものを中心にしてはございますけれども、やはり副都心部から都心部に来る交通の
緩和
ということがおもなる
目的
でございますから、その範囲等につきましては、時勢の変化と
進歩
によりましては、文字の書きかえ、
修正
あるいは
改正
によりまして、もしこの公団にやらすべきだという結論が出ますならば、必ずしも不可能ではない。かように考えておるのでありますが、しかし絶対に限られた範囲外には、この首都高速
道路
公団は出てはいけないのだということは考えておりませんので、将来必要がありますれば、
法律
改正
によってできるのじゃないか。しかしそれよりも別なものをこしらえるべきじゃないかという御議論がありますれば、これもやはりまた一つの考え方だと思います。
山中吾郎
31
○
山中
(吾)
委員
私は、この
法律
内容
そのものを忠実に
法律
的に考えて申し上げておるので、首都圏全体の高速
道路
計画の実施は、この公団はできないように
法律
ができておると思う。そこで、もし首都圏全体の高速
道路
計画を作られるについては、この公団と別に新しい公団を作って——この公団で行う外側の首都圏の各県の事業を行うには、別な公団を作るか、この公団を解散して、首都圏高速
道路
公団を作ってやらすか、法的にはそれしかないじゃないか、そういう仕組みになっておると思う。次官はそうでないように解釈されておりますが、これは
法律
的な解釈ですから、次官のお考えは間違っておると思う。法制局でお調べになっても私の方が正しいと思うのですが、よく御相談願いたいと思います。
徳安實藏
32
○
徳安
政府
委員
お説をよく検討いたしまして、いずれ専門家の意見を聞いてお答えいたしますが、文字の上からは、ただいまお説の
通り
でございますけれども、これを
改正
すればできるのじゃないかという考え方を持っておるわけであります。これは法制局とも相談いたしまして、あらためて御返事いたします。
山中吾郎
33
○
山中
(吾)
委員
それをなぜ私がお尋ねしておるかといいますと、中島
委員
は、こういう十分か十二分で通過してしまうような短かい高速
道路
公団という概念はおかしい、そして首都圏整備計画というものを立てるための
委員会
もできておるのですから、作るならば、首都圏全体を対象とした高速
道路
公団を作ったら賛成だという御意見を述べられたと思うのです。それに対してのお答えは、いや将来第二次、第三次計画を立てることによって、この公団でやれるというふうなお答えをされておったのです。それならば何ら論議は要らない。私も首都圏全体を対象とした高速
道路
公団でないと、計画が断片的になって、総合性が欠けてくる。そこで、これではできないから別な公団を作らなければならないと思うのです。中島
委員
の質問には、これでやれるとお答えになったが、私はやれないのだ、やれないならやれないで、はっきり将来について、そのときにはこれを解散して、首都圏高速
道路
公団を作ってやるということを考えるならばわかるのですが、その点、はっきりしていただきたい。
瀬戸山三男
34
○瀬戸山
委員
関連して。お答えの前に申し上げておきますが、先ほど中島
委員
から、いわゆる既成
市街地
、あるいはその周辺の、諸外国の例まで引いてお話しになりましたが、中島
委員
のお話は実にごもっともだと思います。 〔
委員長
退席、二階堂
委員長
代理着席〕 その点について
建設政務次官
も、それはごもっともだというお答えをされたと思うのです。 そこで、現在ここに提案されております
法律
自体は、先ほど
計画局長
もお答えになりましたが、まさにいわゆる東京都の既成の区及びその周辺、その首都圏全体の
道路
——これは
道路
に関することでありますから、ほかのことは申し上げませんが、
道路
の整備計画の一
部分
であるこの既成の区あるいはその周辺の
道路
の建設を、この首都高速
道路
公団が行う。それは第二十九条第一項の、
都市計画
として決定された有料の自動車
道路
の建設及び管理を行う、これが主たる
目的
であります。そこでその計画は、第三十条の基本計画で、首都圏整備計画に基いて定めたうちの第二十九条の第一号の計画を、この公団がやるんだ、こういうふうな趣旨の
法律
でありますので、先ほど中島
委員
が論議をされました全体の計画の一部をやるんだ。ですから、この公団自身がそこまでやるという
法律
の目標ではないと思います。でありますから、先ほど政務次官もお答えになりましたように、そういう御趣旨はもっともである、その点についてやるかやらないか、どこまでやるべきかということは将来の検討に待つべきものだと思います。日本
道路
公団は、日本全国のこういう趣旨の
道路
を建設する一応の責務を持っておりますから、いわゆる首都圏全体のこういう
道路
網について計画が進められておるわけでありますが、その計画のうちのどこをやるかという担当の部面になってくる。従って、そこまでこの首都高速
道路
公団でやるべきだという場合には、多少性格が変ってきますから、先ほど申し上げましたように、第一条もそうでありますが、第二十九条及び第三十条のそういう関連の
法律
を全部
改正
しなければならない。そういうことで、将来そこまでやるのが事業の遂行上いいんだという結論になれば、別に公団を作らないでもけっこうでありますけれども、一体としてやる必要がある、それがいいということになれば、そういう面をすべて
改正
をして、そうして性格が多少変って参ります。そういうことでいいんじゃないかと私は思いますが、あわせてお答えを願いたいと思います。
徳安實藏
35
○
徳安
政府
委員
ただいまお話がございましたように私どもも考えておるのでございまして、将来のことにつきましては、先ほどちょっと
道路
公団のことも出ておりましたが、
道路
公団が日本の有料
道路
全部を持ってやるというような建前でできておることは、御承知の
通り
であります。ただ東京都、しかもこの首都圏におけるところの既成
市街地
を結ぶ中心部に至るところの交通が非常に複雑いたしておりますので、全国的にやれる
道路
公団ではちょっと手が回りかねるということから、東京都とも了解の上で、そちらの方の出資等も仰ぎまして、こうした特殊な機関を設けるという趣旨でこれができたわけであります。従って、周辺という文字はございますが、この周辺というものをどこまで解釈するかということには疑義はあると思いますけれども、周辺というものを非常に大きく解釈する場合と、それからほんとうに小さく解釈する場合と二つあろうと思います。それは、そのときの皆さんのお考えによりまして大体その規模がきまるとは思いますが、私どもの考え方では、やはり全国的な公団はあるわけでありますから、そういう公団がやることが適当であると考える場合には、この首都圏の大きな範囲におきましては、必ずしも全部が全部この公団でなくてもいいではなかろうかと思いまするし、しかし一貫性を持たせるためには、どうしてもこれにやらすべきだという結論が出ましたら、今お話しのように法の
改正
を行いまして、そうしてこの周辺というものに対する一つの
定義
ももちろん置かなくちゃならぬと思いますが、その場合には、東京都と同様に、地方の
公共
団体の了解を得まして、そうしてやはり東京都が賛成し協力しておりまするような点に対する協力を得ませんと、この実現は不可能なことでございます。従って、そういう方面とももちろん話をせねばならぬと思います。そういう時期になりましたら、
改正
によってやれるんだという考え方でございますが、先ほどの御意見もございましたので、一応法制局ともよく相談いたしまして、
法律
家のほんとうの専門的な見解というものは、あとから御
報告
することにいたします。
山中吾郎
36
○
山中
(吾)
委員
私これ以上御質問しませんけれども、明らかだと思う。首都高速
道路
公団では、法の
改正
ではできないのだ。はっきり私ここで申し上げてもいいのです。ただお話がどうもずらされていってしまったものですから、私意地悪い質問をしておるわけでも何でもないのでありまして、これはあくまでも東京都高速
道路
公団というものですから、従って首都圏全体の高速
道路
を行う公団ならば、日本
道路
公団から事業その他を全部引き継ぎを受けてやる問題ですから、別な公団を作らなければ私はできないと思うのです。まず大体の構想をお聞きしたのですが、ただ一つ、こういう公団をお作りになった場合、必要によって、大
都市
にはおのおのその
都市
と政府の出資によって同じような公団が幾つも作れる構想になっておると思うのです。これはほんとうを言えば、大阪にもできる、名古屋にもできる、そういうふうな危険がありますので、私は日本
道路
公団があり、さらに特殊な首都圏という一つの構想がある場合には、首都圏に専心するような高速
道路
公団、それ以上はあちらこちらに作るべきものじゃないということも確かめたいと思いまして、御質問申し上げたのです。
徳安實藏
37
○
徳安
政府
委員
ただいまのお説の
通り
私どもも考えておりまして、東京都は首都でございまするから、特別なそうしたものを考えたわけでありまして、大阪や名古屋等については、ただいま何らそういうことは考えておりません。
中島巖
38
○中島(巖)
委員
関連して。今政務次官は、こういう
法律
ができておるから、政府
委員
としてどうしてもこれをやらねばならぬという答弁をせねばならぬ立場にある、これは、よく私ども了解します。けれどもあなたの今までの答弁を通じてみると、首都圏
道路
公団にするのが当りまえだ、当然だということが、いろいろの答弁の端からよくわかるのです。それからもう一つの点は、他の
都市
との話し合いをせんならぬ、こう言われるけれども、これは、あとの話でいいと思うのです。それで、
所要
の
法律
改正
をして、首都圏高速
道路
公団にして、この資料の百十二ページの五十キロ以内のこれですが、今
山中
委員
からもお話のありましたように、これは、
法律
上の
所要
の
改正
をすればいいことなんですから、これに政府は踏み切るべきだと私は思うのです。私、
委員長
に要求しますが、これは、大臣に直ちに出席をしてもらって、大臣に対して要望しまして、あすにも
所要
の
法律
改正
をして、そうして日本
道路
公団がやっておる事業なんかは、即座に引き継げばいいのです。これは政府出資のものですから。そして日本
道路
公団は
道路
公団としてやるべき事業があるのですから、そういうようにしていただきたいと思う。そうすれば、われわれも早急に
法律
が成立するように御協力したいと思います。(「そう言ったって金がないんだよ。」と呼ぶ者あり)いや、日本
道路
公団でやろうと、首都高速
道路
公団でやろうと、金は同じなんだ。結局一貫性のある仕事をやるべきだ、こういうように思うのです。
美馬郁夫
39
○美馬政府
委員
将来の問題としてはいろいろ御議論がありますが、私どもが現在提案いたしております
法律
は東京都を中心といたしまして、これに出資せしめて、この八本の勧告のある路線をやっていくということが直接の提案になっておるわけでございます。そういう事情でございまして、将来の理想論はよくわかりますが、ただいまは、私どもはこれが最もいい方法だというふうに考えております。
中島巖
40
○中島(巖)
委員
今
計画局長
は将来の理想論というが、将来じゃないのですよ。現実にすでに首都圏整備
委員会
ができて、発足しておるじゃないですか。きょうの問題じゃないですか。将来の問題じゃありませんよ。そうして首都圏内で、現に日本
道路
公団が、京葉国道を初め
工事
をやっておるじゃないですか。従いまして、今度の新しい首都高速
道路
公団という名前を改めて、日本
道路
公団のやっておる事業を引き継いで、そうして首都圏整備の構想のもとに
道路
整備計画を進めよう、こういうように申し上げるわけで、これはだれも異議がないと思うのです。
美馬郁夫
41
○美馬政府
委員
首都圏整備
委員会
として具体的にはっきり決定いたしております計画は、この八路線が具体的な計画でございまして、そのほかにはいろいろありますが、首都圏百キロ全般を通じた高速
道路
の計画といたしましては、まだ直ちにこれを取り入れまして予算化するというふうな段階には参っておりません。従って私が申し上げたのは、将来の問題としてはそういう根本的な研究をして、どういう路線が東京都を中心とした首都圏全般の高速
道路
として必要かという問題は、今後なかなか研究をしてやらなければならぬ問題でございまして、すぐにこれを公団に取り入れてやっていくというふうな段階には、ただいまは参っておりません。
中島巖
42
○中島(巖)
委員
どうも話がわからぬですね。その研究を、いろいろ首都圏高速
道路
公団として、これからやればいいじゃないですか。それがために、東京都
道路
公団でなしに、東京都周辺までの計画を立てたりいろいろするその仕事を、首都圏高速
道路
公団で行えばいいじゃないですか。従って、これは現実の問題ですよ。
美馬郁夫
43
○美馬政府
委員
お説はよくわかりますが、これには出資の問題もからんでおりますし、ただいまの問題としては、これで御了承願いたいと思います。
山中吾郎
44
○
山中
(吾)
委員
もうくどくは質問いたしませんけれども、首都圏整備
委員会
とこの公団との
関係
で、先ほど瀬戸山
委員
が言われたように、第三十条に「
建設大臣
は首都圏整備法第二十一条第三項の整備計画に基き、
政令
で定めるところにより、前条第一項第一号の業務につき基本計画を定め、これを公団に指示する」。それで、この公団の事業計画に至るまでは、整備
委員会
の整備計画と、
建設大臣
の基本計画と、都の
都市計画
と、そういうもののあとに公団の事業計画ができる、こういう構想になっておるわけですね。それで、私はその計画の多元性について、根本的に異議があるのです。この点については今論議をしても、また一週間くらいかかるだろうと思うのですが、まずそれはそれとして、今局長が、首都圏の整備計画に八路線があるとおっしゃいましたけれども、私はこの
道路
公団参考資料を見ますと、首都圏整備
委員会
の整備計画として発表されておるのは、二ページの(B)というところで、もっと抽象的な原則的なものを発表しておる。これに基いて
建設大臣
が立てた基本計画の中に、八路線その他のものがあるので、こういう八路線その他の計画は、整備
委員会
が立てたのではなくて、
建設大臣
が立てたのじゃないのですか。
美馬郁夫
45
○美馬政府
委員
これは、
建設大臣
ももちろん参画はいたしておりますが、首都圏整備
委員会
という
委員会
が立てた計画でございます。
山中吾郎
46
○
山中
(吾)
委員
道路
公団参考資料の二ページの(B) 既成
市街地
における
都市
高速
道路
整備計画、そして首都圏整備
委員会
、
昭和
三十三年四月、これがここにいっておるところの整備法に基いた整備計画の
内容
で、これに基いて、三十条により
建設大臣
が立てた首都高速
道路
に関する基本方針、建設省
昭和
三十二年七月二十日、この中に、四ページで、計画路線というのが入っておるので、整備
委員会
の整備計画は、こういう首都圏全体の高速
道路
の具体的計画も入っていない。これがあれば、首都圏全体の高速
道路
計画の矛盾がなく、
適用
範囲が東京都だけであっても、私は高速
道路
計画は、多元的に断片的な計画にはならないと思うのですが、そうでないでしょう。整備計画と東京都の
道路
公団との間に
建設大臣
がはさまって、そして具体計画を立てる。そこに私は、屋上屋を架して流れていく計画になると思う。だから首都圏全体の高速
道路
公団ならば、こういう矛盾はないと思うのですが、今の御
説明
は、整備計画の中にもうすでにこういう具体的計画も入っているように
説明
されておるが、これは、そういうふうになっていないのです。
美馬郁夫
47
○美馬政府
委員
資料の
説明
は課長からいたします。
小林忠雄
48
○小林
説明
員 参考資料の二ページに、
昭和
三十三年四月に首都圏整備
委員会
が決定いたしました、既成
市街地
における
都市
高速
道路
整備計画というのが文章でできておりますが、これの添付資料といたしまして、具体的な計画線が入っております。それは、お配りしました参考資料の九十六ページの96’、96”という、一つ入っておるのがございますが、これが、四月の整備計画に具体的に添付されております計画案の
内容
でございます。これは、全長九十一キロでございまして、ただいま首都公団が計画しております事業計画六十九キロよりもやや
内容
が多いものでございます。その図面が、九十六ページのダッシュのところの(A)にございますが、これは首都公団で考えております計画では、一号線というのが羽田空港のところでとまっておりますが、首都圏の勧告では、これをさらに延長いたしまして、川崎市内を経て横浜港に至るような計画になっております。それで、このうちさらに各路線につきまして、点線が延びておりますが、これは、将来調査をいたしまして、さらに周辺部まで延長の調査をする必要があるという勧告
内容
でございます。
山中吾郎
49
○
山中
(吾)
委員
御
説明
は間違っておるのじゃないですか。九十六ページは、首都建設
委員会
案なのであります。首都建設
委員会
は、東京都だけで作った首都建設
委員会
で、その勧告は、一ページの(A)にあるわけです。そうじゃないですか。そういうふうに書いてあるのです、首都建設
委員会
案と。
小林忠雄
50
○小林
説明
員 実はこのページは落ちておりまして、あとから追加いたしましたので、それを添付してお配りしたつもりでございますが、あるいは一ページ落ちておるかもしれません。落ちていれば失礼いたしましたが、もう一枚入っておるわけであります。
山中吾郎
51
○
山中
(吾)
委員
御意見を聞いておるのではなくて、今は事実だけ、実際の経過を聞いておるのです。東京都の中に首都建設
委員会
ができて、その中における計画として、九十六ページの案が書かれておるわけです。それで、整備
委員会
の方の整備計画というのは、三ページの3、「路線の選定」というところに「本路線の選定に当っては、用地確保の難易を考慮して、河川、運河、広
幅員
」云々という原則的なことだけが記されておって、整備
委員会
は、そういう具体的計画まで立てるところでないようになっておる。そこのところに、私は御
説明
が実際と合っていないと思うので、御質問しておるのですが、そうでありませんか。
美馬郁夫
52
○美馬政府
委員
首都圏整備
委員会
と申しますのは、首都圏整備法に基きまして、首都閥の
公共
施設
、たとえば
道路
、河川、その他いろいろございますが、こういう問題について基本計画を立てて、
関係
各省大臣に勧告する、こういうのが首都圏整備
委員会
でございまして、この勧告に基いて、
建設大臣
は、これに当面する街路なら街路の問題についてやっていくという体制になっております。
建設大臣
がやっていく場合におきまして、東京都内の問題であれば、これを
建設大臣
が、東京
都市計画審議会
に付議いたしまして、そこでいろいろ案を討議して検討してきめていく、こういうふうな建前になっておりまして、これは、決して三者の間に矛盾した案でもございませんし、法の建前がそういうふうになっておるのでございます。
山中吾郎
53
○
山中
(吾)
委員
その建前を聞いておるのではなしに、整備計画という全体の計画があって、その中の高速度
道路
計画という具体的な路線決定までは、整備
委員会
でしていないで、
建設大臣
が計画を立てて、公団に指示をされておるように書いてあるから、整備
委員会
の整備計画で路線を決定しているのではないのではないか。この問題について、
一般
的なあり方でなしに……。
美馬郁夫
54
○美馬政府
委員
誤解があるようでございますが、この二ページの既成
市街地
における
都市
高速
道路
整備計画、これは、そこに方針とか要領とか、いろいろ抽象的な方針がありまして、その添付資料として、具体的な計画まで首都圏できめております。この二ページの方には、それが落ちておりますが、資料のミスでありまして、具体的には、こういう
一般
論のほかに、どういう路線をやりなさいという具体的な路線の勧告まであるわけでございます。
山中吾郎
55
○
山中
(吾)
委員
何か抜けておって、今見ますとくっついておるようですから、わかりました。 あと少し法案の
内容
で、具体的なことですが、私にとっては重要なことで、疑問に思うのでお聞きしたいのですが、前の
委員会
のときに、大臣に私はちょっとお聞きして、お答えを受けたのですけれども、この公団の管理
委員会
が、日本
道路
公団にはないけれども、この公団に管理
委員会
を置いたという点について、事業計画その他いろいろとむずかしい問題があるので、公正を期するために
委員会
を置いたという御
説明
であったわけです。ところがこの構成を見ますと、
委員
五人で、
理事
長を含んで管理
委員会
の構成ができておるわけですが、もしそういう趣旨ならば、役員を除いて管理
委員会
ができて、初めて任務を果せるのではないかと思うのですが、その点は、どういうお考えでこういう構成を作られたか、お聞きしたい。
美馬郁夫
56
○美馬政府
委員
道路
公団との比較論からよく言われますが、管理
委員会
は、地方
公共
団体が出資しております住宅公団、あるいは帝都高速度交通営団、こういう例にならいまして、管理
委員会
という
制度
を設けたのであります。従ってそういう出資者が、代表していろいろ意見を述べたいというふうな建前の
制度
でございまして、その構成は五人ということになっております。五人のうちの二人は、地方
公共
団体の長が推薦した者のうちから任命するというふうにいたしまして、その意見を十分に反映さしていきたいという
制度
になっております。
山中吾郎
57
○
山中
(吾)
委員
そうすると、出資者が役職員を監督するために、
理事
長を
委員会
の組織の中に入れて構成されたのですか。
美馬郁夫
58
○美馬政府
委員
理事
長をこの
委員会
へ入れたのは、どういう理由かということでありますが、これは、率直に申しますと、各公団なり営団の例にならって、そう考えておったのでありますが、具体的には、やはり管理
委員会
に
理事
長が出まして、公団の立場からいろいろ意見の疎通をはかるという趣旨で、公団の
理事
長を入れておるのだ、こういうふうに解釈いたします。
山中吾郎
59
○
山中
(吾)
委員
第十六条に「
委員会
は、公団の役員又は職員をその
会議
に出席させて、必要な
説明
を求めることができる。」という監督的機能をもって
委員会
ができておるのですね。ところが、役員の代表である
理事
長が
委員会
の構成員であって、そういうふうにしておいて十六条では、
委員会
は、役員、職員を呼んで必要な
説明
をさせることができるとある。この辺にあいまいもこたるものがあって、私は、こういう
委員会
がボスの温床になるのだという心配を申し上げたのですが、構成そのものの中に、非常にわけのわからぬものができておると思うのです。そういうふうに出席させることになっている、
理事
長は、呼ばれて
説明
をする立場にあるのではないですか。
美馬郁夫
60
○美馬政府
委員
「
委員会
は、公団の役員又は職員をその
会議
に出席させて、必要な
説明
を求めることができる。」ということの私どもの解釈は、
理事
長は、
委員会
の方に入っておりますから、当然その立場からいろいろやりまして、それ以外の
一般
の公団の役員または職員に、問題によりまして
委員会
に出てもらって、いろいろ
説明
させる、こういう趣旨だと思います。
山中吾郎
61
○
山中
(吾)
委員
それじゃ何の意味もなさないじゃないですか。役員の最高の責任者である
理事
長を出席させて、あとの副
理事
長とか
理事
を呼んで
説明
をさせる、管理
委員会
として何の機能を果すのですか。 それからもう一つ申し上げますと、十三条に
委員
の欠格条項が入っております。「次の各号の一に該当する者は、
委員
となることができない。」そうして最後に四号で、「公団の役員又は職員」を排除してある。それは、管理
委員会
の任務を果すためだ、公団の公正を期するためだと思うのですが、ここで排除しておいて、その役員である最高の
理事
長を今度は
委員会
の構成員にしておる。非常な矛盾がそこにあるのですが、これはどういうことです。
美馬郁夫
62
○美馬政府
委員
非常にむずかしい御議論でありますが、
委員長
は、管理
委員会
の
委員
ではありませんが、管理
委員会
を円滑に運営する意味におきまして、やはり
委員長
も
理事
長も管理
委員会
に入っておりまして、いろいろ管理
委員会
で、事業計画の問題なりその他付議案について意見が出る場合に、意見を交換して公団の運営を最もよくやっていきたいという趣旨で、これは、
法律
で
理事
長が入っておるわけでありまして、それ以外の役員または職員につきましては、付議案によりまして、現在各公団がやっておりますが、随次その担当の
理事
なり職員を出席せしめまして、事情をよく聴取する、
理事
長だけではなかなかこまかい問題まではわかりませんから、随時役員なり部長を呼んでやっております。こういう趣旨でございまして、非常に
委員会
が行き過ぎるとか、あるいはまたボス化するということは、私どもが現在の
道路
公団の運営を見ておりますと、決してその御心配はございません。
山中吾郎
63
○
山中
(吾)
委員
理事
長が
理事
長の資格で
委員会
を構成しているのではなくて、議決権を持って構成されていることになっているでしょう。そういうあいまいなものは作らない方がよい。しかも十六条を見ますと、
委員会
は
委員長
または
委員長
を代理する者のほか、
委員
及び
理事
長のうち二人以上が出席しなければ、
会議
を開き、議決をすることができない。そうすると、
委員
一人と
理事
長一人おれば、議決してもよい、そんな管理
委員会
は何のために作るのか、私はわからない。公団の性格について、みないろいろ建設
委員会
で心配しておるのは、いろいろな情実がそこに入らないためですから、こういう
委員会
を作ることによって、
建設大臣
から
理事
長から、みなずっと責任の分散体系をとって、そして作った管理
委員会
でちゃんときめたとしても、管理
委員会
の
委員
となってはならないという条項がわざわざ書いてあるのですが、役員の最高の者を入れて、議事に参画できるが、議決をすることはできないというならまだよいが、その
委員会
で最も発言権を持ち、さらに役職員の任期は四年、
委員
は二年で交代して、その
委員会
を構成する
理事
長が四年ですから、
理事
長の思う
通り
になるでしょう。そんなロボット的な管理
委員会
をなぜ作ったか。私は、どこからつっついていってもおかしな構成だと思うのです。いかがですか。
美馬郁夫
64
○美馬政府
委員
管理
委員会
につきましては、非常に悲観すべき面の見方ばかりが強調されておるのでありますが、私どもこの
法律
の建前によりまして、これは、あくまでも
建設大臣
及び公団の
理事
長及び執行機関を通じてやる建前になっております。管理
委員会
は、それらの公団にまかせられた問題の中で、限られた問題についていろいろ議決をするという建前になっておりまして、その点は、今後の運営によりまして、決して御心配のような点は、私どもはあり得ないというふうに考えております。
山中吾郎
65
○
山中
(吾)
委員
そこで、
理事
長にはどなたを予定しておるのか、
委員
にはどなたを予定しておるのかということをほんとうは聞かないと、私は、公団法に対してすっきりと賛成できない。局長の御答弁は、私は少しも答弁になっていないと思うのです。ほんとうは、論理的に合わないのです。そこで、この法案自身がすっきりしていない法案で、これは、むしろこの
委員会
で
修正
をするようなことは権威にかかわるのですか。私は、公団を作ることに絶対反対だという論議じゃないのです。この公団というものを、最もすっきりしたよいものにするためですから、こういうものは、自民党の
委員
の人でも、すっきりとここで直すような、そういう善意がなければならぬと私は思う。 それから、私はなぜ申し上げますかというと、管理
委員会
の性格は、完全なる合議体になっておるわけです。
委員
一人々々に何の権限もない。かりに
委員会
を構成するということによって、管理の権限をここに持ってきている。従って、
理事
長もここに入るということは、
委員会
の構成員として入るわけですから、役職員は
委員
として資格がない。欠格
条件
に、公団の役職員は
委員
になってはならないと書いておって、その
理事
長を
委員会
の構成員に入れておるということは、十三条と十条というものは、初めから支離滅裂、合わないんじゃないか。
法律
的には成り立たない。これは直さなくちゃいけない。
美馬郁夫
66
○美馬政府
委員
これはいろいろ前提がありまして、管理
委員会
が非常に全権を持つじゃないかというふうな御懸念から、いろいろ議論が出ておりますが、この
法律
の体系をずっと読んでおりますと、決してそういう管理
委員会
ではございません。これは、
建設大臣
、
理事
長、すべてがこの運営につきまして責任を持つ体制になっておりまして、管理
委員会
は、もちろん諮問機関ではございません。議決機関にはなっておりますが、その公団の基本的な問題について議決をやっていくという形をとっておりまして、ただいま御指摘の
条文
についても、私どもは、これは法制局とも十分打ち合せておりますし、構成については、全然矛盾がない、こういうふうに考えておるわけでございます。役員等の問題につきましては、ただいま御意見がありましたが、まだ全然そういうことは私ども聞いておりません。
山中吾郎
67
○
山中
(吾)
委員
それは、私了解して質問を打ち切りますが、なおよくその点を皆さんの中で論議をして、あとでなお聞かしていただきたいと思います。それから参考にお聞きしますが、
委員
の欠格
事項
の中に、
委員
となることができないという中に、「国
会議
員若しくは地方
公共
団体の議会の議員」が書いてありますが、日本
道路
公団というような全国にわたる場合においては、国
会議
員というものはあらゆる利害
関係
があるので、何ですが、東京都を対象とした
道路
公団の場合には、東京都選出以外の国
会議
員というものは、利害
関係
は何もない。それを不適格だと書く根拠は、一体どこにありますか。
美馬郁夫
68
○美馬政府
委員
この
委員
の欠格条項に、「国
会議
員若しくは地方
公共
団体の議会の議員又は政党の役員」というのが入っておりますのは、これは、普通、公団はこういう形をおおむねとっておりまして、その例文でございます。
山中吾郎
69
○
山中
(吾)
委員
例文で国
会議
員を削除するようなことは、とんでもない侮辱だと思うのですが、なぜ国
会議
員が入ってはいけないのか。国
会議
員が入れば、この事業が間違って、利害によって政治的に動くからいけないんだというお答えならわかる。ところが、そうならば、東京都選出の国
会議
員ならば、東京都の都議
会議
員なら確かにあるのですが、建設
委員
でもしておって、
関係
のない人が厳正にするのなら、むしろ入れた方がいいとさえ私は思うので、前例にならってというようなことは、この席上では言えないと思うが、どうですか。
徳安實藏
70
○
徳安
政府
委員
ただいま局長がお話し申し上げましたように、一応事務的には、例文でそういうことになったのだとは思いますが、政府の方針で、国
会議
員等がこういうような団体の役員になることは、適当でないということの基本方針がきまっておるのでありますので、こうなっております。
中島巖
71
○中島(巖)
委員
今、
計画局長
は前例がないとか、あるいは次官は、そういう方針がきまっておるということですけれども、例の縦貫道
審議会
は、衆議院で五名、参議院で三名として、ちゃんと国
会議
員でなければならぬことにきめて構成しておるじゃありませんか、そうでしょう。ところが、これがまたやかましいのです。ほかの連中は黙っているけれども、国
会議
員はびしびしやっつける。従って、国
会議
員はやかましいから
除外
した方がいい。(笑声)こういうことだと思うのですが、あなた方のお考えはどうですか。
徳安實藏
72
○
徳安
政府
委員
縦貫道の
審議会
とこれとは、性格が違うと思います。
中島巖
73
○中島(巖)
委員
違いはしませんよ。縦貫道の
法律
を見てごらんなさい。第三条で、整備計画、基本計画、全部
審議会
できめるのです。従って、これは違っておりはしません。この点、いかがですか。
美馬郁夫
74
○美馬政府
委員
私が例文と申しましたのは、こういう公団の
委員会
でございまして、政府の
委員会
とか、そういうことではございませんで、公団付属のちょっと格が低いと申しますか、こういう
委員会
に国
会議
員は入っておらぬ、こういうことでございます、
中島巖
75
○中島(巖)
委員
しかし、その上の
委員会
がないわけなんですから。それは別としまして、基本的の問題としまして、そこに建設省六法があると思いますが、首都圏整備法を一つ読んでいただきたいと思います。首都圏整備法は、第一条で「この
法律
は、首都圏の整備に関する総合的な計画を策定し、その実施を推進することにより、わが国の政治、経済、文化等の中心としてふさわしい首都圏の建設とその秩序ある発展を図ることを
目的
とする。」この首都圏整備法において、その
目的
が第一条においてはっきりしておる。その第二条の二項においては、「この
法律
で「首都圏整備計画」とは、首都圏の建設とその秩序ある発展を図るため必要な首都圏の整備に関する計画をいう。」こういうことで、とにかく東京都だけのことではだめなんだ。首都圏というものを、いわゆる五十キロの円周でもってきめて、そのうちの総合計画を実施せねばいけないのだ、こういうように、
法律
でもって国の基本方針が決定しているのです。さらにあなたの方からの資料において、一ページの(A)の「首都建設
委員会
の勧告」というものがあり、さらに二ページにおいて「既成
市街地
における
都市
高速
道路
整備計画」というものを、先ほども話がありましたが、首都圏整備
委員会
で
昭和
三十三年四月に決定しておるのです。これらの決定を受けて、(C)において、「首都高速
道路
に関する基本方針」というものは、建設省で
昭和
三十二年七月三十日に出しておる。この性格はどういう性格かということを1において述べ、2において、路線はどういう路線かということを述べておる。これは、読んだ方がはっきりすると思いますので、簡単なものだから読みますが、路線は「東京
都市
高速
道路
の路線は都心部とおおむね環状6号線とを結ぶ放射路とするが、そのうち臨海地帯を通過する路線は京葉
道路
を受けて
都市
部に至り羽田空港を経由し、横浜に至るものとし、各路線は一体として、総合的な高速
道路
網を構成するものとする。」こういうように、首都圏整備
委員会
並びに建設省としましても、はっきりとうたってある。従って、今首都高速
道路
公団をこしらえるとすれば、この基本方針によって高速
道路
網を整備していくのは当然である。そうしますれば、東京都だけの高速
道路
網をこしらえても、何ら意味がない。さらに、これはくどくなるようでありますが、高速
道路
というものは、相当の長距離でなければその機能は発揮できぬ。首都圏だけでも、私はまだ不十分だと思う。半径五十キロだけでも、まだ不十分だと思う。いわんや、二キロや三キロのここだけこしらえておっても、問題にならぬ。国の基本方針は、
法律
でかように意思決定がなされ、建設省の
道路
計画がこういうようになされて、これが東京都をはずれて、京葉国道から横浜までを、高速
道路
をこういう線でなければならぬと、こういうようにうたってある。かくのごとく国の方針が決定して、そうして高速
道路
の性格から考え、あらゆる点から考えまして、これは、首都高速
道路
公団ではなくして、首都圏高速
道路
公団に現在直ちに直すべきである、こういうふうに考えるのであります。これは、
所要
の
法律
改正
の
手続
はいろいろ要るだろうと思いますけれども、まだ案として、現在ここで提案されておるのでありますから、
法律
改正
をして訂正をして、また埼玉県から離すとか、神奈川県から離すなんということは、あとの仕事でいいから、少くとも首都圏高速
道路
公団ということにして出発していただきたい。これは、先ほどから何回か先輩の瀬戸山
委員
その他の
委員
の諸君と政府とで話をして、わたり合っておりまして、また堂々めぐりとなると思いますし、時間もありませんので、答弁は要りませんけれども、これは全
委員
、また政府
委員
も、腹の中でもっともだと思っている明々白々たる問題であると思いますので、お帰りになって大臣と御相談され、出直していただきたい、こういうことを希望いたします。
山中吾郎
76
○
山中
(吾)
委員
時間がないので、きょうはこれで質問を打ち切りますが、疑問の点は、なお御研究を願いたいと思うのです。なおこまかいことですが、日本住宅公団の場合にも、管理
委員会
がありますね。そのときに、
委員
の欠格条項に政府の職員というのを入れているわけです。政府の職員が
委員
にはならない。こちらは抜いておるわけです。それで、建設省の方が管理
委員
になる予定をされて、抜かれておるのかどうか。日本住宅公団は欠格条項に入れてあるのです。政府の職員は
委員
となることはない。ここは抜いておる。そういうふうな疑問があります。私は、政府が出資しておるのですから、それでほんとうに管理するのでしたら、やはり政府の代表の者が
委員
になり、東京都推薦の者二名を
建設大臣
が任命するのですから、その監視をするという面で、出す必要があると思うのですが、そういうことを十分検討されてお作りになったか。今までのように、ただ前例にならったというだけでは、いろいろな人事その他の問題についても問題があろう。それなら
委員
は、
建設大臣
はどういうものを予定しておるのか、あるいは
理事
長にだれを予定しておるかというところまで突っ込まないと、この法構成そのものの中にあいまいもこたるものがあって、なれ合いの構成になっておるものですから、私はお聞きしておるのですが、きょうはこれで打ち切ります。なおその点、よくすっきりするように御
説明
願わなければならないし、
法律
に欠陥があれば欠陥があることにして、あとに禍根を残さぬようにしていただくのが、私は国民に対する責任だと思いますから、大いに御検討願いたいと思います。
三鍋義三
77
○三鍋
委員
ただいまの
山中
吾郎
委員
の質疑でありますが、私たちは、そう長く
委員
等をやっておるのではないのですけれども、どうしてもマンネリズムといいますか、一つの慣行といったものにいつしか溶け込んでしまっておるのであります。今
山中
委員
の御質問を通じて感じますことは、清新な息吹きといいますか、そういった観点から、何ら今までにとらわれない、そういう立場からこれを見られたときに、いろいろと疑問が出てきておることをただしておられると思うのです。こういうことは、私たちは非常にこの法案
審議
の過程において、尊重していかなければならぬ、こう思うのです。今までの惰性でいくと、まあまあこの辺のところでいいんじゃないかで済んでしまうところを、今ついておられるわけですから、これは、十分当局も慎重に考慮してもらわなければならぬ、こう思うのです。それがために、これをすぐ
修正
するかどうかという問題は、なお十分に検討しなければならぬと思いますが、この点について、政務次官の心がまえをお聞きしておきたい、こう思うのです。
徳安實藏
78
○
徳安
政府
委員
ただいまのお話は、ごもっともでありまして、私どもは、十二分に御
審議
をいただきたいと考えております。従って、この法の
内容
につきましては、もちろん不明朗な点がありましたり、矛盾等がありますれば、御指摘願いまして、当該
関係
者から御答弁申し上げると同時に、なおかつ明快に御答弁できないものがございましたら、これは、その専門家の方に一応ただしまして御答弁するようにいたしたいと考えておりますが、現在の
規定
におきましては、そう矛盾がないように立案したつもりでございますけれども、私ども専門家ではございませんから、必ずしも
法律
の
字句
なり、あるいは立て方について万全だという答弁ができないかとも思います。それらにつきましては、十分一つ研究いたしまして御答弁するようにいたします。なお、わかっておることだけはどんどん答弁させていただきますから、事務当局もおりますし、一つ御質問いただきます。 なお役員の問題につきまして、何か不明朗な端々があるとのことでございますが、まだ法案も通っていないわけでありますし、世間ではいろいろ揣摩憶測しておるようでありますが、私も大臣も、そういう問題についてはいささかも心に曇りを持ったような考えはいたしておりませんので、法案が通って設立される段階に至りましたならば、あらためて考慮したいと思っております。決してなれ合いで役員をこしらえて、悪いことをしようというような不心得千万なことは考えておりませんから、これを一つ御了承いただきたいと思います。
小林忠雄
79
○小林
説明
員 ただいまの管理
委員
の欠格条項に、政府職員及び地方
公共
団体の職員が落ちておりますが、他の
法律
の例を申し上げますと、現在ございます各種公団の中で、政府と地方
公共
団体が共同出資いたしておりますものは、日本住宅公団と帝都高速度交通営団、この二つであります。従いまして、管理
委員会
が置かれておりますのも、日本住宅公団法及び帝都高速度交通営団法の二つであります。その例を見ますと、帝都高速度交通営団法におきましては、その第十四条の六、第三号におきまして、「政府職員又は地方
公共
団体ノ職員ニシテ
審議会
其ノ他之二準ズルモノノ構成員タル非常勤ノ者以外ノモノ」すなわち常勤の政府職員及び地方
公共
団体の職員が、すべて欠格条項に該当するように
規定
されております。それから日本住宅公団法におきましては、第十五条の第一号におきまして、「政府職員(人事院が
指定
する非常勤の者を除く。)」とありまして、常勤の政府職員を欠格条項にいたしております。現実には、住宅公団の管理
委員
のうち、地方
公共
団体の常勤の職員といたしまして、大阪府知事及び東京都の副知事が管理
委員
に入っております。これは、出資をいたしております出資者の立場を代表するものといたしまして、常勤の
公共
団体の
理事
者が入るのが適当であるという趣旨で、さように立法をされております。この公団におきましては、同じ出資者という立場からいたしまして、
公共
団体の常勤職員のみ
委員
にいたしまして、政府職員がなれないということは不均衡でございますので、これも欠格条項にいたさなかったわけであります。ただ第二十二条の第二号におきましては、役員につきましては、国家公務員及び地方
公共
団体の長もしくは常勤の職員を欠格条項にしております。
二階堂進
80
○二階堂
委員長
代理 武藤
武雄
君。
武藤武雄
81
○武藤
委員
最初に、くどいようですけれども、次からずっと質問していくのに関連がありますから、先ほど
山中
委員
が質疑をいたしましたように、新しい公団の運営に対して非常に重要な、実際運営と管理の立場双方に大きな権限を使う立場にある
理事
長を、
建設大臣
が任命をするということになっておるわけであります。先ほど次官の御答弁ですと、今は考えていない、その
法律
が通ったら一つ考えましょうということですが、これは、大へん危ない答弁なんです。あのときは考えてなかったが、あとから考えたという理由がつくわけであります。この際私は、われわれがこの法案に賛成するか反対するかわかりませんが、採決する前に、一つ任命する責任者である大臣の方から、今だいぶうわさになっているのです、これは、われわれたくさんうわさを聞くのですけれども、今名前を出して悪ければ、速記から省いてもらっていいのですが、安井
理事
長という声が出ておるということが、非常にうわさされておる。しかも先ほどから、首都圏高速
道路
公団であれば非常にすっきりするのだけれども、ことごとく東京都の性格を持った公団でなければならないということに執着をしておられる。そういうことから考えると、どうもうわさが、単なる煙ではないような気がするのであります。ですから、それは考えてないならば考えていないということを、一つ採決する前に、
建設大臣
から明確に
委員会
で所信を明らかにしておいていただきたい。これは、まず冒頭にお願いしておきます。 そういう前提に立って考えてみますると、今度の新高速
道路
公団の果す役割の中で、われわれがどうしてもまだ納得ができないのは、数寄屋橋にできておりまする東京高速
道路
株式会社、これについてきのうも、大体これは会社にやらせるのだ。会社の方もやるのだということを言っておるようでございますけれども、これはまた聞きでありますから、私間違っておればあやまりますけれども、何か
徳安
次官は、その事業は会社にやらせるのだけれども、資金の方は、これは新しい公団が出さずばなるまいというようなことを漏らしたという話があるのでありまして、それはとんでもないことなんで、その点を一つお聞きいたします。
徳安實藏
82
○
徳安
政府
委員
えらいとんでもないうわさが飛ぶものでして、まことにそれは、私ども迷惑いたしますが、最初にお話しになりました公団の
理事
長の問題にいたしましても、安井さんの名前がちょっと出ましたが、おそらくそんなことは荒唐無稽のことだろうと思いますし、かりに衆議院で
通り
ましても、本案の成立には、参議院の可決も必要でございますから、一方の院議だけできまりましても、一方がきまらない先に人の名前などが浮び出るはずもございませんし、またいかに大臣でも総理大臣でも、たとい腹に何ということを考えておりましても、できるはずはないと思います。ですから、これは法案が成立いたしまして、設立
委員会
でもできましたら、いずれそのときに御相談をする時期がこようと思いますけれども、明日でも大臣が出ますれば、そうした点についてははっきりしたお話ができると思いますが、これは全くのデマでございまして、私どもはいまだかつて、大臣もそうした話をしたこともございませんし、大臣もただいま白紙であることは、しばしば私どもに話しておりますから、どうぞ御懸念のないようにお願いいたしたいと思います。 それからただいまの数寄屋橋のあの高速
道路
会社の問題でございますが、これも全くのデマでございまして、さような事実はございません。あくまでもこれは会社の責任において、ガラス張りで、今度は世間から誤解を受けないような建設をなすべきだということを、私どもは強調しまして、先般本
委員会
の
理事
会の申し合せ等もございますので、私が都の
関係
者も呼び、都の
関係
者が会社側も呼びまして、話ではいけない、こういうことは、もし政府において誤解があったり、また皆さんにうそをりついたりなんということがあってはいけないから、公文書で返事をしてくれということで、昨日御答弁申し上げましたような公文書をとりまして、それによって御答弁申し上げておるわけでございますから、その点には、一切疑う余地がありませんので、どうぞ誤解のないように、すなおな気持で私どもの気持をおくみ取りいただきたいと思います。
武藤武雄
83
○武藤
委員
大臣がその趣旨を話されるそうですから、了解いたします。そうしますと、今の次官の御
説明
で、完全に納得いたしました。ただ納得したということになると、やはり納得した場合の対策があるわけでありまして、結局そういうことで、大臣が明確に話されたように、またきのう高速
道路
会社の社長が話しましたように、会社の方でやるということであれば、なおかつその疑惑を明確にするために、どうですか、今度かりにこの法案が通って、首都高速
道路
公団が発足した場合は、その実施計画の八路線の中のあの
部分
だけは、一つ明確に計画からはずしておく、こうすればなおかつ明確なんです。将来疑惑は一切ないわけですから、一つあの点だけは、別個に公団としてははずしておく、どういうふうにするかは別として、はずしておくということで、明確にしておいてもらいたいと思います。
徳安實藏
84
○
徳安
政府
委員
完全にはずしてございます。
武藤武雄
85
○武藤
委員
昭和
通までですよ。あの間は、はずしてございますか。
徳安實藏
86
○
徳安
政府
委員
はずしてございます。
石川次夫
87
○石川
委員
関連して。次官の答弁を疑うわけではないが、念には念を入れて伺いたい。と申しますことは、向うから公文書でもって確かに取りつけておる。八路線を向うの責任においてやるという答弁があって、信頼をしてよろしいわけでありますけれども、そうなると、東京都知事に対して事業計画の変更をやらなければいかぬと思います。それから占用埋立地の使用
許可
、そういったものについても、完全にやらせるという約束があるかどうかということを、一応伺いたいと思います。
徳安實藏
88
○
徳安
政府
委員
お説の
通り
に、完全な了解をさせてございまして、向うの方ですみやかにその処置をとるということを約束させてございますから、万間違いはないと思います。
石川次夫
89
○石川
委員
さらにまた、非常にくどいようでありますけれども、実はあれは、株式会社という営利会社ですね。そうしますと、株式会社の社長が大臣に対して、事業計画を変更いたします、占用埋立地の使用
許可
をやりますと契約したとしても、すべてを決定する権限は、社長個人にはないわけです。株式会社ですから、株主総会というものがあって、株主総会の決定には、社長といえども従わなければならぬ。その決定に対しては、大臣といえどもくつがえすことは不可能です。
法律
的に言っても不可能なわけです。その場合の
措置
は、一体どこまで考えておられるのか。そうなった場合には、どうにも方法がないじゃないかという感じがするわけでありますが、念のために伺います。
徳安實藏
90
○
徳安
政府
委員
速急な場合でありましたから、株主総会を開いて決議をとるわけには参りませんでしたけれども、重役会を開きまして、満場一致で都の方の申し入れを受け入れたそうでございます。なお今未完成になっておるこの
部分
につきましては、私もちょうどあの付近に住んでおりまして、前から関心を持っておるわけでありますが、東京都があの路線について、今の会社に
許可
いたしますということについて、あの会社が非常に疑惑の中心になっておるものでありますから、そこで、会社は希望しておりましても、都側で、そういう疑惑に包まれておるのに、このまま約束してはいかぬという考え方から、競願もありまして、実はちゅうちょしておったというのが、現実の姿のようでございます。幸いにして
委員会
等におかれましても、この会社にやらしていい、やらすべきだという御議論が圧倒的に多数でございますので、私どももその意思を伝えて、そこで都の方でも踏み切って、これまで競願が出ておりますのを下げて、そしてその方にやらせるという決意をしておるわけでございまして、そうした情勢を判断いたしますれば、おそらくは、重役会で決定したことでもございますし、これまでもやりたいという申し入れを受けておる事実もございますから、まさか途中で意思を曲げるようなことは、万あるまいと考えております。
石川次夫
91
○石川
委員
非常に明確になって参って、非常にうれしいと思いますが、念のために、蛇足ではございますけれども、
計画局長
は、先ほどから首都高速
道路
公団に対する計画路線として、八路線という言葉を再々使っておられる。今後は七路線という言葉で、ぜひ呼び方を変えてもらいたい。そうしないと、八路線ということを言いますと、まだこの第八号線に対しては、それがあるような印象を受けますので、念のために申し上げておきます。
美馬郁夫
92
○美馬政府
委員
私ども八路線と申しますのは、
昭和
通までに公団の路線として取りつける路線が両方走っておりますから、これを八路線と言っているわけでございます。御了承を願います。
武藤武雄
93
○武藤
委員
それで、先ほどの首都圏という圏にこだわるわけじゃないのですけれども、やはりわれわれは、どうも最近の
傾向
として、うまい道を見つけると公団を作って、役員をたくさん作って、人件費なり事務費なりをたくさん使う機関を作りたがる
傾向
がある。そういう意味で、東京都を中心とした
道路
公団というものができると、この次は、大阪だとか神戸だとかと作ってくる心配があるのです。それで、首都圏ということであれば、これは、日本に二つも三つも首都圏はないので、事業の
内容
も非常に大きくなってくる。そういう非常に建設的な意義もあるので、首都圏にこだわっておるのですけれども、大臣がいないのは、はなはだなにですけれども、次官、どうですか、そういう考えはありませんか。将来、またあっちにもこっちにもどしどし作ってくるなんというような……。
徳安實藏
94
○
徳安
政府
委員
先ほどから御答弁申し上げましたように、東京都が首都でありますがために、特別な処置を講じてあるわけでございまして、他の方の
都市
にこうした例を持っていこうという考え方は、持っておりません。
武藤武雄
95
○武藤
委員
わかりました。 次に、数寄屋橋の問題とからんで、路下の利用が問題になったのですけれども、質問をいたしますと、
道路
局長あたりは、それは建設省の周知せざるところだということで、大へん助け舟を出されるわけですけれども、今度新しい首都高速
道路
公団ができまして、今のところ八本の路線を考えておるようですけれども、その下に、やはりいろいろの利用の問題が出てくると思うのであります。この間は
公共
的立場で使う以外は、大体
道路
を作ることによっていわゆる疎開をさせられる人を収容するということも、決定していると言われておったようでありますけれども、なかなか実際には、そうはうまくいかないのでありまして、またある
委員
の中には、利用してもよいじゃないかという議論も強かったようであります。例の国鉄の省線なんかの下の利用に関しては、たびたび新聞やあるいはその他の週刊誌等において指摘をされておるように、これをめぐって悪質なブローカー等が介在をして、しかもそれが、国鉄の旧職員、高級職員なんかが入ったりなんかということがよく報道されるのですけれども、そういうことが、今度の場合にもないとは断言できないのであります。従いまして、そういうことをやったのでは、これからこういう計画をする場合に、ますます市民や付近の人の疑惑を買うばかりで、不明朗になってくると思いますので、そういうことに対する監督というものはこの場合には明確にして、そういう疑惑を起さないように、そういう路下の利用は、建設省としては仕方がないのだということが今後はないように、これに対する相当明確な監督のことを考えていかなければならぬと思う。そういうことに対して、どういうお考えでおられるか。
徳安實藏
96
○
徳安
政府
委員
御心配は、ごもっともだと思います。実は数寄屋橋の問題につきましては、残念ながら私ども建設省自身に、それを阻止したり、あるいはまた変更を命じたりするような、
道路
関係
にはございますが、その下の使用については、私どもに権限がなかったというような点もございまして、いろいろな世間のうわさも聞きながら、手の下しようがなかったわけであります。これは、特に東京都と会社側の契約に基いてやったことでありまして、私どもにはその権限がなかったということで、いろいろな疑惑を生みながらも、一次的に私どもが発動して調査して参れぬような状態でありました。ところが今度の公団は、御承知のように、
建設大臣
が全部監督することになっておりますし、また監理官も建設省の中に置きまして、そうしたことにつきましては、十二分に監督することになっておりますから、国会の皆様の御趣旨に反対するようなことは、おそらくあるはずもございません。もし、かようなことが一度でもございましたら、もちろんこれは当然この
委員会
等においても、もう権利としてお呼び出し願って、十二分におしかりを受けることは当りまえのことでございますから、さようなことは、行政官庁の長としても耐え忍ふところではございませんから、十二分に御趣旨を体しまして厳重な監督をして、そういうことのないように努力をいたします。
武藤武雄
97
○武藤
委員
それと、もう一つの問題は、今度の八路線の計画の中にも、また築地
川等
の水面利用の
道路
も入っておるようでありますが、東京都内にあります川も、あるいは排水、あるいは不時の洪水というようないろいろな場合があって、そういう必要があって作ったものだと思うのであります。今度の新しい計画によりますと、川は川として流す、そしてまん中に
道路
だけ作っていくのだという御
説明
があったようですけれども、数寄屋橋の場合も、初めはそういうことで始まったのだけれども、途中で何か計画上、交通量のことを考えると、九メートルでは狭いから十五メートルにしろ、そうすると、結局余裕がないので、埋め立てざるを得なかったというような答弁がされておるのであります。それが埋め立てた唯一の足がかりにされておるようでありますけれども、また新しい
工事
をやる場合に、実際に設計をしてやってみたけれども、どうもうまくない。だから、やはり埋めてしまった方がいいというようなことで、簡単にそういうことをやらないとは保証できない。今度は首都高速
道路
公団という立場で、建設省の直接発言が入るから大丈夫だというふうに、あるいは逃げられるかもしれませんけれども、一つそういうことのないように、それからまた、今の東京都内のこの広大な状態から見て、河川をそういうふうにした場合の排水対策、特に予想し得ないような台風、洪水等があった場合に、とんでもないことになるので、特に数寄屋橋の例などを見ても、二十二号台風で、日比谷交差点付近でも、一時は一メートル近くも
道路
が水で埋まったということを聞いておるのでありますけれども、多分にあれを埋め立てたことに
関係
があるのではないかという疑問を抱かざるを得ないわけです。ですから、そういう排水計画、不時の洪水という場合に、十分心配のないように計画されておるのかどうかということを一つ聞きたい。
徳安實藏
98
○
徳安
政府
委員
先ほど来、あの数寄屋橋の問題を中心としての御不安、私どもごもっともだと思います。あの場合におきまして、都議会の
承認
を得て、都知事が契約をしたというのとは今度は違いまして、
建設大臣
みずから監督をし、そうしてまた、基本的な計画の変更につきましては、
建設大臣
の認可を受けなければできぬことになっておりますから、従って、この
委員会
の皆さん方の強い御要諸等に対しまして、これに目をおおうて、計画変更などに、将来の大臣におきましても、調印するはずはないと思います。そういう点は、御信任をしていただきたいと思います。 また、河
川等
に対する治水の影響はどうかということでございますが、これも、今の私どもの方に示されております計画では、断じて不安のないようにするということを申しておるようでございますが、詳細なことは、
計画局長
から御
説明
いたします。
美馬郁夫
99
○美馬政府
委員
この計画によりまして、川の上を走る地域が、全般として約三割近くございます。こういう川の上を走る場合におきましては、東京都内の河川が、ある程度治水河川の役目を持っている場合が多いのでございまして、こういう場合におきましては河積には全然影響しないように——河積を狭めますと、洪水の危険性がございますから、現在の河積は全然触れないように、特にそのために経費はよけいかかりますが、これは忍びまして、上に建てて、水が多少あふれてもいいというようにしてやっておりますし、その他、これはほんとうに一
部分
でございますが、どうしても
部分
的には埋め立てなければならぬ場所もございますが、そういう場所につきましては、先般東京都内に相当雨が降って、水が出ましたが、こういう場合の調査資料をよく調査いたしまして、この場合に降った雨の
量等
も計算いたしまして、これを上回っても大丈夫だというふうな排水の設計をいたすことにしておりまして、この点につきましては、私どもも将来十分気をつけていきたい、こういうふうに考えております。
武藤武雄
100
○武藤
委員
時間がないようですから、私はこれで終りますけれども、私は
道路
政策の基本について、大臣がおられないのですけれども、次官に一つ所信をお聞きしたいのであります。首都高速
道路
公団が、どうしても集中する東京都の交通を何らかの形で
緩和
しなければならぬという焦眉の急に迫られて、やらざるを得ない、これはよくわかります。今の東京の内部を見ていると、よくわかりますけれども、しかし、どうも日本の
道路
問題が、ややもすると
都市
中心になりがちである。たとえば今東京都が、非常な自動車の洪水に悩んでおるというけれども、自動車の洪水になっておるその
内容
はどうかといえば、どうも日本人というのは、ちょっと工合がよくなってくるとまねをしたいのでありまして、自家用車族が非常に急速に増大したことが、この東京都の交通の極端にひどくなった最大の原因だと思うのです。そういうことを考えてみると、そういうものを中心とした考え方で、交通
緩和
いうことに莫大な金が投入される。そして一面においては、今度の
道路
五カ年計画を見てみまして、かりに一つ私は、この四号国道の例をとってみても、おそらく私の今見る範囲では、東京から福島県の久之浜までは、五カ年間に完全な舗装が完了すると思うのです。これは完全に完了すると思います。これは、一ぺんも土の上を歩かない
道路
ができると思います。しかし、それから翻って仙台まではどうかということを考えてみると、それから先の改良
工事
だけでも九十五億かかる。舗装をしますと、おそらく百四十億くらいかかるのじゃないかと思う。これは、今の予算のとり方から見ていっても、五カ年間でやれるなんというのは、ほんのわずかのものだと思うのです。そうしますと、結局都会から離れた方に参りますと、単に交通量が少いということだけの面を見て、
道路
整備というものは非常におくらされている。ところが逆に、今言ったように、自家用車がたくさんふえてきて、それによって相当の洪水になったというので、
都市
では莫大な金が投入される。そして一方の方は、ますます
工事
がおくらされていくということでは、これはやはり国として、そういう
都市
重点の
道路
政策であってはいけない。東京の交通の状態が急速にこうなったという原因も、やはり人口の集中化に対する政府の施策というものが的確でなかったから、こういうことになった。あるいはそういった自動車のはんらんに対する
内容
というものを、的確につかんで対策を立てなかったところから、こういう状態にきておると思うのです。そういうことを考えた場合に、私は今度の
道路
五カ年計画で、一応これはわれわれがどうしようと、今度の国会は通ると思うのでありますから、予算はそのまま実行されていくと思うのでありますけれども、そうしますと、結局あとに残ったこの地方的な
道路
というものが置いてけぼりにされる。これは今言ったように、五カ年計画では十分にできないのですから、全部置いてけぼりにされる。そういうことでありましては、これは
道路
政策という名をなさないのでありまして、偏重をした
道路
政策であります。従いまして、この点政府は、五カ年計画ででき得ない都心から離れる
道路
に対しては、やはり今後積極的な継続した
道路
政策というものを考えていかなければならぬと思うのですけれども、所信を一つ聞いておきたい。
徳安實藏
101
○
徳安
政府
委員
自動車のはんらん、あるいは自動車に関する交通
関係
、あるいは
製造
、日本の全体の交通政策、あるいは自動車の需給
関係
等につきましては、これは少し問題が大き過ぎまして、総理大臣か国務大臣でなければ御答弁できないかと思いますが、運輸省並びに通産省等との
関係
もございますので、こうした問題については、私が答弁することは不可能だと思います。しかしいずれにいたしましても建設省としましては、現在交通事情の非常に逼迫しております情勢に応ずるための対策を立てることに専念しておるわけでございますが、ただいまお話しのように、私も地方出身でございまして、中央中心の
道路
政策というものに対しては、もし過去において誤まった点がございますれば、これを是正せねばならぬと思っております。 それから東京都のごときにおきましても、ひとり国の方の施策、国の方の資金を入れるばかりでなしに、
公共
団体からも応分の出資をいたさせまして特別な立法をしておるわけでございますが、地方の方の国道等につきましても、ただいまお話しのように、五カ年たってもあるいは相当な数が未改良のままで、未舗装のままでほったらかしになるのではないかという御意見も、私どもも非常に心配いたしておる点でございます。ただ今の計画によりますと、五カ年で大体七五%くらいは、一級国道だけは舗装までもできるという案を立てまして推進しておるわけでございますが、ただいまの年度割の配分によりますと、まだ十年も二十年もかかるのではないかという御疑念が生ずることは、無理がないと思います。しかし建設省の方の基本的な考え方、予算の配分等から勘案いたしまして、もうすでにある県のごときは、一級国道は完成に近づきまして、これまで相当大きな金額がいっておりましたところが、いかなくてもいいという事態がもうここ近いうちにある県もございます。そういうところに振り向けられたものが、今度は地方の手をつけなかったところに相当大幅に年を追うて導入されて参りますから、計画
通り
には参らぬといたしましても、やはり山陰の方でありますとか、東北の方につきましても、相当の金額が三十四年、三十五年、三十六年——(「九州は」と呼ぶ者あり)九州ももちろんです。北海道もそうでしょう。そういう方面に伸びると思います。これは、一つ皆さんと相協力いたしまして、ひとり
都市
中心の政策ではなくて、地方のあまねく辺土の地域にも
道路
行政が普遍的に参りますように私ども専念いたしたいと思いますから、この上とも御協力いただきたいと思います。
塚本三郎
102
○塚本
委員
後日にしようと思っておりましたが、きょうでもう終りだということでありますので、関連してお伺いしたいと思います。きょうの皆さん方の質疑を聞いておりまして、やはりこの
法律
の
内容
は、非常に一貫していないということで、もっとこれを具体的にお聞きしたいと思いますが、第一条の
目的
の中に、「東京都の区の存する
区域
及びその周辺の地域」こういうふうに出ておりますが、この周辺の地域というのは、立案者の方では、大体どことどこを予定しておいでになるのか、これを承わりたい。
美馬郁夫
103
○美馬政府
委員
東京都の区の存する
区域
は、二十三区でございますが、その周辺の地域と申しますのは、その
条文
の最後の方にあります「首都の機能の維持及び増進に資する」ということでしぼっておりまして、現実の問題としては、首都圏整備計画でやっておりますいわゆる既成
市街地
区域
でございます。首都圏整備計画で、首都圏内の計画としては、いわゆる既成
市街地
区域
という
区域
があります。これは、東京都を中心として人口が非常に連檐した地域でございますが、具体的に申しますと品川方面、横浜までは既成
市街地
区域
になっております。それから北の方で申しますと川口。それから中央線は三鷹、武蔵野が既成
市街地
でございます。一応ここを目標にいたしまして「その周辺の地域」というふうに私どもは今のところは想定しております。
塚本三郎
104
○塚本
委員
そういたしますと、十一条に出て参ります「
委員
は
建設大臣
が任命する。」こういうことで、「前項の
委員
のうち二人は、公団に出資した地方
公共
団体の長が(公団に出資した地方
公共
団体が二以上あるときは、」ということは、たとえば神奈川県であるとか、あるいは埼玉県であるとか、こういうものも当然構想の中に入っておるというふうに解釈していいものなのかどうか。
徳安實藏
105
○
徳安
政府
委員
法律
的にはお説の
通り
でございます。現実の問題として、今の計画には、これが東京都だけに今なっておるということでございまして、法の精神からいいますと、川崎も入りますし、あるいはそのほかの今申し上げました既成
市街地
ということを想定しておりますから、その間にありまする地方
公共
団体は、この中に含まれるわけでございます。
塚本三郎
106
○塚本
委員
何かおかしくなってきました。東京都々片々ということで、その首都圏ということに対しては、今の場合は考えておらないというふうなことであくまで話を進めておいでになったようですが、この話を聞いて参りますと、当然首都圏ということでなければおかしい。今の事業計画としては、これはもちろん東京都だけに限定しておりますけれども、しかし地域を限定する
法律
としては、首都圏まででき得るようになっておると見るのですけれども、その点、どうでしょうか。
美馬郁夫
107
○美馬政府
委員
誤解があるようでございますが、首都圏の勧告が高速
道路
についてありましたが、あれは八路線の勧告でありまして、その勧告におきましても、現在私どもの方で考えておる勧告以上のものは、羽田までが横浜までに延びるだけのことでございます。従って首都圏全般の高速
道路
は、勧告いたしておりません。また具体的には現在なっておりません。ただ首都圏で現在きまっておりますのは、一号線が羽田までではなくて、横浜まで延びる計画にしております。ですからこの趣旨は、この
法律
にありますように、二十三区及びその周辺の地域というところで十分読まれていきまして、もし横浜まで延ばす場合におきましては、これは、近い将来に可能性があるかと思いますが、
法律
におきまして「地方
公共
団体の長」こういうふうにはっきりいたしておきませんと、これを東京都というふうにしぼっておきますと、そこにすぐに問題が出てきます。首都圏整備計画におきましても、具体的に横浜までは問題が出てきておりますから、それとの関連におきまして、こういう体制をとったわけでございます。
塚本三郎
108
○塚本
委員
先ほど
山中
委員
から、これは、どう考えても東京都ということに限定する公団であって、首都圏
関係
の地域を含むということに対しては、もしそういうような交通難
緩和
のための公団を予想する場合においては、この
法律
の中では、全くこれはできないことだという意見に対して、当局の方では、あいまいな御答弁がありましたが、これは
法律
を
改正
するだけで、首都圏の高速
道路
公団ということにでき得るという見通しを持っておると理解してよろしゅうございますか。
美馬郁夫
109
○美馬政府
委員
これは、
法律
の第一条の
目的
が、東京都の区の存する
区域
とその周辺、しかも「首都の機能の維持」ということで結んでおりますから、あくまでもこれに限定した、首都のために設けるという建前になっております。従って将来、首都を中心として考えるのじゃなくして、現在の首都圏の範囲は半径百キロになっております、この百キロまで延ばすというふうな事態が起りました場合には、これはすでにこの
目的
ではやっていくわけには参りません。そのときには、これはそのときの事情によると思いますが、
法律
を
改正
するのか、あるいはまた別な組織にやらすのか、この第一条の
目的
ではおそらくやっていけないだろう、こういうふうに考えております。
塚本三郎
110
○塚本
委員
そうしますと、その点、まだ当局においても、第一条の法
改正
をすることによってできるか、また別個のものを作らなければならないかということについては、現在の首都圏の交通難
緩和
を実現するためにはどういうふうにするのかということについては、いまだ見通しは立たない、こういうことで、
法律
を
改正
してそのままでできるということで、はっきりと当局の方では腹をきめておいでになるわけじゃないのですね。
徳安實藏
111
○
徳安
政府
委員
先ほどからお答え申し上げますように、ただいまのところでは、この
法律
によってこの八路線をやりたいという計画でやっておるわけでありますが、将来あるいは五年先になりますか、八年先になりますか、そしたときにおいて、もっと周辺という字を非常に狭く解釈して——もっと広く解釈するためには、この第一条ではいけないという事態になりますれば、私どもの考えでは、今のところは、そういう質問に答えては、この第一条を
改正
すべきではないか、かように考えておりますが、先ほどお話しのように、これは根本的に
改正
をして、他にかわるべきものをこしらえなければならないんだというお説もあるようでございますから、そういうことを想定しては、実はまだ省内で意見を一致さしておるわけでもございませんので、先ほどの御質問に対して私の考え方を申し上げた次第でございますけれども、これは一つ
法律
の専門家に聞きまして、誤まりのない御答弁を後ほどさしていただくようにいたしますから、それで御了承を願いたいと思います。
塚本三郎
112
○塚本
委員
この問題は、次会に御答弁をいただくことにいたしまして、次に人事の問題になりますが、役員の任命は、
建設大臣
が任命することになっておりまして、それからあとの方に恩給とか、そういうふうな
規定
があったと思いますが、そういたしますと、下級といいますか、
一般
職員の人事交流は、建設省との間にあるというふうに予想せられて、こういうものができたのですが、その点はどうですか。
徳安實藏
113
○
徳安
政府
委員
その
通り
でございます。
塚本三郎
114
○塚本
委員
幹部の方は、そういう点、他の公団を見てみると、一度出たら出っぱなしというふうな状態のように見受けるのですけれども、この公団においても、やはりそんなような状態が——幹部も人事交流なさるつもりか、この点、どうでございましょうか。
徳安實藏
115
○
徳安
政府
委員
役員として一たん出ました者を、取り返している例はございませんけれども、普通の職員としましては、やはり本人の希望なり役所の
関係
によりまして、話し合ってまた本省に返して、それぞれの職務に当らせておる例はたくさんございます。
塚本三郎
116
○塚本
委員
蒸し返しになりますが、今日、日本に存在いたします公団なりあるいは公社というものに一たん出たら、もうこれで終りなんだ、そういうところに、いわゆる仕事に対する活発性といいますか、清新はつらつたるものがあらゆる公団を見てみるときにないわけです。特に新聞紙上におきましても、公団というのは役人の墓場なんだ、こういうことはいやというほど聞かされておることは、当局も御承知だと思います。せっかくこういう機能を真剣になってお考えになるとするならば、しかしそれが終着駅だということになると、御身大切ということに首脳部の人たちがなってしまいやしないか。この点、もっと清新はつらつとした、そしてまた戻ってきて建設省の中でいろいろなことをやれる、あるいはまたよそへもかわっていかれるのだ、こういうふうな形で、うんと手腕を発揮して、他に認められて、そしてまたより大きな仕事をなさるというふうな形にして、公団の幹部の方々も、終着駅というような考え方をこの際払拭することが、事業をうんともっとりっぱにし、もっと生き生きとさせるゆえんではなかろうか、こういうふうに考えております。あらゆる公団が、今日そこがもうしまいであり、悪く言うならば、墓場である、こういうふうなことを世上でいわれておりますが、この点、今度の公団も、同じような例の中に追い込んでしまいたくないと思いますが、次官の御所見を承わりたいと思います。
徳安實藏
117
○
徳安
政府
委員
御説ごもっともでございます。私どももそう思っておりまして、今後の人事につきましては、必ずそういう方針でいきたいと思います。 ただ、非常に困難な問題は、私は今度の数寄屋橋の問題でも考えたわけなんですが、東京都というものは、一種特別な性格を持っておりまして、建設省との人事交流等につきましても、ほかの地方の県庁と違いまして、なかなか行き来ができない。私は入りまして驚いたのであります。従って、これまでは建設省の意思というものが通わないのです。それで、先般も知事に会いまして、とにかくこういう形ではいけないから、やはり建設行政に対しましては、建設省と都と血が通うようにしなければいけない。今度のああした問題が起りましたのも、全く血が通っていない、都がやったことは何もわからない、皆さんから指摘されて、問題になって初めて建設省も知ったというようなことでありまして、血の通う人が行っていない。しからば人事の交流をどうするか。都の方は非常に給料が高い、そして役所の方は給料が安い。ですから、こっちの方から行くのは望んで行きますけれども、向うから来る者がない。こういう点がございますので、先般も知事に話をしまして、ぜひ一つその隘路を切り開いて、そして何か特別な処置によって、人事の交流も都と本省としようじゃないか。同時にまた、今度できます公団につきましても、今お話しのように、都から行きました者も、あるいは国に帰ってこれるようにしよう、またこっちから行きます者も、都にも行けるようにしよう、ある程度まで生きた人事行政ができるように、そうした隘路を切り開こうじゃないか。都がもしそういう問題について、相変らずモンロー主義で、門戸を開放せずに立てこもっておるならば、私はこっちの方からやる補助金も一時とめて、そうしてはっきりとしなければやらないということにしてもいいじゃないか。先般知事が、都議会でもやかましくて困ると言いますから、それなら、一時私の方でとめてみるから、とめてみた結果、こういうわけで国の方からやったんだ、これは一つ納得してもらわなければならないということを議会にも話して下さい。そうせぬと、一人の人事の問題にいたしましても、やはり都の者だけを上に上げてきて、そうして建設省面からの人事交流をはばむということでは、血が通っていないのですから、こうした大きな問題を随所に起すおそれがあります。今後なお都と協力して仕事をやる上においては、やはり政府の考え方、国会の考え方が直ちに建設省にも映ることは当りまえですが、同時に、その気持が都議会にも、都の行政にも映らなくちゃいけない。今は都政というものは、国の考え方より都議会の考え方で——もちろんこれは自治体ですから、当りまえですけれども、その都議会だけの考え方で動いてしまって、そうして国の方の方針が案外軽視されるおそれがございますので、そうしたことのないように努めたいと思って、今相談中でございます。今のお話はごもっともでございますので、極力そういう方針にのってとってやることにいたします。
塚本三郎
118
○塚本
委員
最後にちょっとお伺いいたします。
二階堂進
119
○二階堂
委員長
代理 もう時間もだいぶ過ぎておるようでございますから、簡単にお願いいたします。
塚本三郎
120
○塚本
委員
次官の強い決意で貫いていただきたいというふうに思うのですが、たとえば、
委員
は都の推薦する——都とは書いておりませんけれども、推薦した者のうちから二人を出さなければならない、こういうことがありますると、御承知のように、五人の
委員
の中で二人出して、さらにまた
理事
長が都から出るような形になりましたら、全く都に牛耳られてしまうような形になりかねないのがこの公団の性格だというふうに、危険な見方をするわけです、その点、任命に当りましては、
理事
長が都側から出て、そしてまた都と言はいませんけれども、出資した
公共
団体から二人、こういうことになりますると、五人の
委員
の中で圧倒的な力を持つ可能性が、先ほど中島
委員
も主張しておられましたようにある。しかも
理事
長の任期は四年であり、
委員
は二年だ。こういう形になると、次官がそこで一生懸命力説せられても、人事構成の面で、そのことが危なくなることがあります。しかし、任命権はあくまで
建設大臣
が持っておりますから、この点、その任命に当っては、慎重を期していただきたいということと、それから先ほどお話しのように、公団の役員が、そこが墓場にならないように、若返ってまた出てくるような若い人を出してもらいたい。そして、ほんとうにほかの公団とは違った機能を活発に出してもらうことを要望いたしまして、私の質問を終ります。
石川次夫
121
○石川
委員
大へん時間がおくれておるようですから、簡単に申し上げます。 先ほどからの今度の首都高速
道路
事業についての意見の大
部分
は、首都圏にすべきか、あるいは首都に限定すべきかという点だと思うのですけれども、首都に限定したということを前提として、今度の八路線がきめられて、諸外国の、たとえばワシントン、ロンドン、ニューヨーク、パリというようなところとはだいぶ範囲が違って、特に東京の中心部が交通が輻湊しておるので、それを
緩和
する対策として、今度の高速
道路
事業計画というものが立てられたというふうに考える。そうしますと、この図面を見ますと、一ノ橋から麻布、三宅坂、竹平橋、兜町というふうにぐるっと回っておりますけれども、肝心の一番輻湊しておるどまん中は、避けておるわけです。これは極端に言いますと、皇居がこの中に二里四方にわたって広い地域を占めておって、これを突き抜けていくことは、現在のところ考えられない。それで、現在の東京で一番問題になりますのは、
道路
の面積が狭いということ、あるいは緑地が非常に少いということで、これは、諸外国に比べても非常に比率が少いということは言うまでもないことなんです。この緑地が少いということと
道路
が狭いということの二つと、皇居というものにぶつかっていますから、いわゆる皇居の開放論、皇居の疎開論というものまで出てくるのであります。ところで、私はそこまで言わないで、この
道路
ということだけに限定をして、この前も計画局
関係
の質問を申し上げたのでございますけれども、
道路
というものだけ切って関連をして考えてみましても、ここに一番輻湊しておるところ、一秒間に三台も通るという一番混雑しておるところをのけておるということになりますと、根本的な
道路
緩和
対策の中核に触れておらないというふうな感じがするわけですが、この点は、御意見いかがですか。
美馬郁夫
122
○美馬政府
委員
この路線につきましては、従来首都圏整備
委員会
なり、東京都の
都市計画審議会
で専門家を集めまして、現在の交通事情に対処するための案をいろいろ検討しておるのでありまして、その結果、こういう路線が生まれてきたわけであります。もちろんこの路線の環状線につきましては、お話しのように、最も輻湊する地域については触れておりませんが、そういう地域につきましては、この対策と並行して、都心部の
都市計画
街路の対策をいろいろやっております。これは、町の幅を広げるだけの問題では解決できませんで、あるいは駐車場を作ったり、あるいは路面電車の問題を検討したり、その他いろいろ根本対策をやりませんと、御承知のように、東京都の都心部につきましては、今家屋が密集して建っておりまして、そういう前提に立ってやっていきますと、いろいろこういう方策を総合的にやりませんと、なかなか解決いたさないのであります。従って、路線は、この路線を
設置
した
目的
にありますように、できるだけ川の上であるとか、あるいは抵抗の少いところを選びまして、しかも混雑しております副都心部である新宿とか、あるいは渋谷、五反田、池袋と都心との交通をどういうふうに早く結ぶか。早くそういうところから来て、しかも便宜に都心の各主要部に乗り込むためには、どういう線路がいいのかというふうな
目的
のもとに検討したのが、こういう案になっておるわけでございます。もちろんこれだけでは解決しませんで、これからいろいろ旧来の街路なり、あるいは
道路
を通って
目的
地に行くという方策が、同時に並行して進められることになっております。
石川次夫
123
○石川
委員
いろいろ駐車場その他でもって、都心部についても苦労されていることは、よくわかってはいるのですが、何といってもあの膨大なロータリーがあったのでは、根本的な解決は非常に困難だというふうに思うわけです。別に皇室に開放とかなんとかいうところまでわれわれ考えているわけではありませんけれども、せっかくことし御成婚もあって、民主化されたという国民の祝福する声もちまたにあふれておるわけでありますけれども、この交通難打開ということを根本的にやらないと、このガンはどうしても皇居にあるということは、当然怨嗟の的になるのじゃないかという議論もむしろ考えられるので、どうしても皇居の——これは
技術
的にいろいろ問題はありましょう、しろうとのわれわれにはわかりませんけれども、どうしてもその点を根本的に考え直していただかないと、根本的な対策ができないということで、突っ込んだ考え方を持っておるわけであります。ここでは皇室
審議会
というものがあって、皇室のことについては御答弁ができないということが予測されるので、これ以上質問申し上げませんけれども、国民のすべての声が、そういうところに集中されているというふうに考えられます。ぜひとも積極的に、その点の打開について意を用いていただきたいということを申し上げておきます。
山中日露史
124
○
山中
(日)
委員
だいぶ時間もおそくなりましたので、簡潔に要点だけお尋ねしたいと思います。 まず公団の解散の点についてお尋ねしたい。四十七条の
規定
によりますと、「公団の解散については、別に
法律
で定める。」こういうふうに
規定
されておるわけです。同じような
条文
が日本
道路
公団にもあるわけです。おそらく政府の方では、先ほどのように、例文でとおっしゃるかもしれませんけれども、今後別に定める
法律
というのは、実際はできておるのですか、どうですか。この点、まずお聞きいたします。
美馬郁夫
125
○美馬政府
委員
この公団の解散の時期は、ただいまから申しますと三、四十年先の、たとえば現在予定されておる路線につきましても、順調にいきまして、建設までには、八路線についても相当十年近くかかりますし、またいろいろこれを延長したらどうかというふうな御意見もありまして、建設だけにつきましても、相当な年限がかかりますし、この建設が終りまして、償還の時代に入ってきますが、償還につきましては、おそらく三十年程度償還がかかるのじゃないかというふうなことになりますと、相当半世紀先の問題になりまして、現在この解散の
法律
をどういうふうにするのかというふうな案は持っておりませんが、それはいろいろ例文といってはしかられますが、そういう例もございますから、慎重に検討していきたいというふうに考えております。
山中日露史
126
○
山中
(日)
委員
事業の性質上、公団というものが長期に存続するということは、私どももわかると思います。そこで、これは先般の
建設大臣
のお答えとも関連するのですけれども、この公団が
道路
の建設をいたしまして、そうしてその減価償却のできたときに、この公団の作った
道路
というものは、都の管理に移るんだ、こういうような
説明
であったのです。一方政府
委員
の方では、そうではなくて、
道路
の所有権だとか、そういうものは作った公団に属する。しかし都がこの公団の作った
道路
を都道と認定した場合には、その管理権というものは、そのときに都に発生をして、その都の管理権を公団が代行するのだ、従って公団が解散するまでは、その
道路
の管理権あるいは帰属する所有権というものは、都にはいかない、こういうようにお答えが二つに変っておった。どちらが正しい考えなのか、まだはっきりしておらぬわけですが、おそらく私は
説明
員のお答えになった方が正しいのじゃないかと思うのです。そこで、問題はずいぶん先のことでありますけれども、もしもこの高速
道路
公団が解散をした場合において、それは年限のことは長くてもやむを得ないのですが、償却をしたとかいうときにこれが解散をするという考え方でいいものかどうか、その辺を聞いておきたい。公団ができますと、これは、ほとんど永久的なもののように誤解をする人もあるようでありますが、公団というのは、その性質上、公けの仕事をやるのが性格でありまして、その仕事が終れば、大体公団というものはなくなってもいいわけです。 そこで、お聞きしたい要点は、その公団が作った
道路
の償却が終ったときに、公団というものは解散をするのだというように考えていいものかどうか、その点、一つお聞きしたい。
美馬郁夫
127
○美馬政府
委員
公団の解散は、公団の建設に要した経費の償却が終ったときに解散するというふうに考えて、さしつかえないと思います。
山中日露史
128
○
山中
(日)
委員
ところがこの
法律
によりますと、主たる
目的
は、結局高速
道路
を作るということでありますけれども、付帯事業としていろいろな仕事をされるようです。他の
公共
団体から委託を受けて
道路
の設計等をやる。あるいはこの下には事務所を設ける、あるいは店舗を設ける、こういうようないろいろの付帯事業というものが行われるわけです。ところがその
道路
の建設に要した原価が償却されましても、なお付帯事業というものが残っておる。店舗を作って貸すのですから、家賃をとる、要するにそういった事務所の貸し賃、あるいは店舗の貸し賃、委託の仕事、つまり公団本来の仕事は終ってしまっても、こういった一つの営利的な付帯事業というものがやはり残る。そうしますと、そういう付帯事業だけが残っていく。そして公団の主たる
目的
がなくなって、公団の本質から離れた一つの営利事業的な仕事を引き続いてやっていく、しかも、それが減価償却がまだ済まないという口実のもとに、そういう付帯的な営利事業というものが、公団の仕事としてずっと残っていくということになりますと、その
道路
の建設等に要した減価償却が済んでも、公団本来の
目的
からはずれた仕事がずっと継続していくということになりはしないかということを、私どもは非常に懸念するわけであります。そういう点については、どういうふうにお考えでありますか。
徳安實藏
129
○
徳安
政府
委員
何しろ先のことでございますから、はっきりした答弁はできませんが、ただいまの解釈では、大体主たる
目的
が達成せられましたならば解散すべきだ、付帯事業等につきましての財産の処分等につきましては、議論があると思いますが、それはそのときの国会で、皆さんの良識によって、
法律
できめていただくことになろうかと思います。
—————————————
二階堂進
130
○二階堂
委員長
代理 この際お諮りいたします。明後六日の
委員会
におきまして、
都市計画
に関する件につき、東京電力株式会社常務取締役吉田確太君、取締役水野久男君の両君を参考人として当
委員会
に出席を願い、意見を聴取いたしたいと存じますが、これに御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
二階堂進
131
○二階堂
委員長
代理 御異議なきものと認め、さよう決します。 本日は、この程度にとどめ、次会は明後六日午前十時より開会することとし、散会いたします。 午後二時一分散会