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1959-03-04 第31回国会 衆議院 建設委員会 第14号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和三十四年三月四日(水曜日)     午前十時三十五分開議  出席委員    委員長 堀川 恭平君    理事 木村 守江君 理事 佐藤虎次郎君    理事 瀬戸山三男君 理事 二階堂 進君    理事 南  好雄君 理事 中島  巖君    理事 三鍋 義三君       逢澤  寛君    井原 岸高君       大久保武雄君    川崎末五郎君       砂原  格君    田中 角榮君       橋本 正之君    服部 安司君       村瀬 宣親君    石川 次夫君       兒玉 末男君    東海林 稔君       塚本 三郎君    武藤 武雄君       山中 吾郎君    山中日露史君  出席政府委員         建設政務次官  徳安 實藏君         建設事務官         (大臣官房長) 鬼丸 勝之君         建設事務官         (計画局長)  美馬 郁夫君         建設事務官         (道路局次長) 関盛 吉雄君         建 設 技 官         (住宅局長)  稗田  治君  委員外出席者         建設事務官         (計画局都市計         画課長)    小林 忠雄君         専  門  員 山口 乾治君     ————————————— 三月四日  委員橋本正之辞任につき、その補欠として大  森玉木君が議長指名委員に選任された。 同日  委員大森玉木辞任につき、その補欠として橋  本正之君が議長指名委員に選任された。     ————————————— 三月三日  関門国道トンネル通行料引下げに関する請願  (亀山孝一紹介)(第一八四八号)  境橋本橋の架設に関する請願川島正次郎君外  一名紹介)(第一九八一号)  中央自動車道予定路線法定化等に関する請願  外十二件(増田甲子七君紹介)(第一九八二  号)  古川筋上部高速道路計画反対に関する請願  (田中榮一紹介)(第二〇五四号) は本委員会に付託された。     ————————————— 本日の会議に付した案件  参考人出頭要求に関する件  首都高速道路公団法案内閣提出第一〇四号)  建築基準法の一部を改正する法律案内閣提出  第一二五号)(予)  公共工事前払金保証事業に関する法律の一部  を改正する法律案内閣提出第一四五号)(  予)  土地区画整理法の一部を改正する法律案内閣  提出第一四六号)(予)      ————◇—————
  2. 堀川恭平

    堀川委員長 これより会議を開きます。  まず建築基準法の一部を改正する法律案議題といたしまして、提案理由説明を聴取いたします。徳安政務次官。     —————————————     —————————————
  3. 徳安實藏

    徳安政府委員 ただいま議題となりました建築基準法の一部を改正する法律案提案理由とその要旨を御説明申し上げます。  御承知の通り建築基準法は、建築物敷地構造設備及び用途に関する最低の基準を定めて、国民の生命、健康及び財産の保護をはかり、もって公共の福祉の増進に資することを目的として昭和二十五年に制定され、今日に至っておりますが、この間社会情勢の変化、諸技術進歩等に伴い、種々実情に沿わない面も生じて参りましたので、今回同法施行実績に徴して慎重なる検討を加え、所要改正をはかろうとするものであります。今回の改正は、相当広範な範囲にわたっておりますが、そのおもなる点は次の通りであります。  第一に、防火に関する規定強化整備したことであります。まず、建築物防火性能上の種別といたしましては、従来主要構造部耐火構造建築物木造防火構造建築物との二種類でありましたが、最近の建築材料等進歩に伴いこの中間の防火性能を有するものとして、新たに簡易耐火建築物を設けることが適当と考えられますので、これらに関する規定を整備し、これにより特殊建築物及び防火地域等における建築物防火に関する構造制限強化、整備することといたしました。  次に、最近増加傾向にあります地下建築物、無窓工場等につきましても、消火避難等の点から放置し得ない状態にありますので、避難施設消火施設、無窓の居室構造等について所要規制を行い、あわせて、映画館等特殊建築物地下建築物等の室内の仕上げを防火支障がないようにしなければならないことといたしました。  第二に、都市における建築物に関する制限を整備したことであります。まず建築物敷地が接しなければならない道路幅員は、従来は四メートルを原則とし、一部既存道路について緩和しておりましたが、実情として厳に過ぎる場合もありますので、土地状況によっては、これらを緩和することができる道を開きました。次に、住居地域工業地域等用途地域内の建築制限につきまして、産業発達除害装置進歩等に伴い、新しく制限を必要とする業態建築物を追加するとともに、公害の少くなった建築物について制限をはずすことといたしました。なお、特別用途地域制をさらに活用し得るようにするため、必要と認める場合には、用途地域制限を一部緩和することができる道を開くとともに、用途地域等目的を全うするため、用途制限のほかに建築設備等規制をも行うことができることといたしました。さらに、敷地面積による建築面積制限については、過小宅地が多い市街地等については、厳に過ぎると認められる場合もありますので、土地状況により、やむを得ない場合には、その一部を緩和する区域指定できる制度を設けるとともに、建築物の高さについても、周囲状況等により、緩和することができることといたしました。第三は、違反是正措置強化したことであります。すなわち、違反することが明らかな工事中の建築物について、緊急の必要がある場合には、聴聞等手続を経ないで直ちに工事施工停止を命じ得ることとする等、違反是正措置強化することといたしました。  最後に、手続等に関する規定を整備したことであります。まず従来の災害発生実情にかんがみ、映画館等特殊建築物所有者は、その維持保全状況を、定期特定行政庁報告すべきものとするとともに、昇降機等建築設備についてはその安全性を確保するため、定期維持保全状況につき、検査する制度を設けました。  次に、昇降機等建築設備及び飛行塔その他の工作物設置についても、確認申請等手続及び構造耐力等規定を準用することとし、さらに、確認申請手数料を物価の変動に伴い、ある程度引き上げることといたしました。  以上述べましたように、今回の改正は、法施行実績にかんがみ、強化すべきところは強化し、厳に過ぎると認められる面はこれを緩和し、制度全体の合理化をはかったものでありまして、これにより今後とも法の一そうの適切な運営を期して参りたいと考えております。  以上がこの法律案提案理由及びその要旨でございますが、何とぞ慎重御審議の上、すみやかに御可決あらんことをお願いする次第であります。
  4. 堀川恭平

    堀川委員長 続いて補足説明を聴取いたします。住宅局長
  5. 稗田治

    稗田政府委員 ただいま議題となりました建築基準法の一部を改正する法律案について逐条的に御説明申し上げます。  なお、今回の改正は、この法律の全般にわたります関係上、単なる字句修正とか、表現の不明確であった条文を明確にいたしました点もかなりございますが、これにつきましては、説明を省略させていただきます。  目次の改正につきましては、法律全体を見やすくするために、その立て方を一部改めたものであります。  第二条、これは用語の定義に関する規定でございますが、これの改正につきましては、防火規定を整備するため、耐火建築物及び簡易耐火建築物定義を追加したものであります。このうち簡易耐火建築物は、耐火構造防火構造との中間的な防火性能を有する構造として、新たに追加した構造でありますが、これは、外壁耐火構造屋根不燃材料でふいたものと、鉄骨造のように主要構造部不燃材料で作ったものとに大別されます。  第三条、これは適用除外に関する規定でございますが、これの改正につきましては、災害等で滅失しました国宝、重要文化財等を再建いたします場合にも、本法適用除外できるように改めたものであります。なお既存建築物に対する緩和規定につきましても、従来、明確を欠く点もございましたので、これを整備したものであります。  第六条、これは、確認及び申請に関する規定でございますが、これの改正につきましては、手数料の額が、昭和二十五年に本法が施行された当時のまま据え置かれておりますので、実情に沿うようその限度を増額したものであります。  第九条、これは違反建築物に対する措置規定でございますが、これの改正につきましては、明らかに違反する工事中の建築物について、緊急の必要がある場合は、聴聞等手続を経ずに、直ちに、工事施工停止命令を出すことができるように改め、また違反した者を確知することができず、違反を放置しておくことが公益上支障がある場合には、一定の手続を経て公示した後、行政庁みずからその措置を行うことができるように改めたものであります。  第九条から第十一条までの是正措置改正につきましては、建築物敷地に関しても必要な措置がとれるよう改め、字句修正したものであります。  第十二条、これは報告検査等に関する規定でございますが、これの改正につきましては、病院学校映画館等、第六条第一項第一号に掲げる特殊建築物で、特定行政庁指定するものの所有者または管理者に対しまして、定期に、その状況に関する報告特定行政庁提出するよう義務づけ、技術的に必要な事項に関しては、建築士調査報告を添えさせることとしたものであります。さらに昇降機等建築設備特定行政庁指定するものにつきましても、定期に、建築主事検査を受けるよう新たな規定を加えたものであります。  第十五条、届出に関する規定でございますが、これの改正につきましては、着工届は、工事施行者義務者となっておりますのを、建築主に変えることとし、確定申請と同時に着工届が済ませるよう手続を簡略化し、除却届に対しましては、事後通知事前通知に変えることとしたものであります。  第十八条、これは国等建築物に対する手続の特例の規定でございますが、これの改正につきましては第九条の改正等にあわせて字句修正をしたものであります。  第十九条、敷地に関する規定でございますが、これの改正につきましては、第四項におきまして、がけ地等に対する安全上の措置規定を明確にしたものであります。  第二十二条、これは屋根防火措置を要する区域についての規定でございますが、これの改正につきましては、区域指定に際して、関係市町村同意を要することとなっておりますのを、都市計画区域内では、都市計画審議会の意見を聞くことに改めたものであります。  第二十四条第二項、これは木造特殊建築物内装制限に関する規定でございますが、これの改正につきましては、第三十五条の二で、内装制限について一括規定することとしましたので、本項を削除したものであります。  第二十七条、これは特殊建築物構造制限に関する規定でございますが、これの改正につきましては、耐火構造としなければならないものの一部を簡易耐火建築物でもよいことにし、木造建築できたものの一部を簡易耐火建築物としなければならないこととして、防火制限を整備したものであります。具体的な制限につきましては、表を作って見やすいように改め、別表第一としたものであります。  現行法と変った点を大略御説明いたしますと、用途として追加しましたものは、別表第一(二)項のホテル、旅館、養老院と(三)項の体育館でありますが、頻発する災害に対処するため、これらの構造制限強化したものであります。百貨店、マーケット、遊技場の類につきましては、従来二階部分が二百平方メートルをこえるものは、耐火構造としなければならないことになっておりますが、これを強化しまして、三階以上の階をこれらの用途に供するもの及び延べ面積が三千平方メートル以上のものは、耐火建築物としなければならないこととし、さらに二階部分が五百平方メートル以上のものは、簡易耐火建築物としなければならないこととしたものであります。病院共同住宅の類につきましては、現行法で二階部分が四百平方メートルをこえるものは、耐火構造としなければならないこととなっておりますが、二階部分が三百平方メートル以上のものは、耐火建築物または簡易耐火建築物としなければならないこととしたものであります。学校または体育館では二千平方メートル以上、倉庫では、千五百平方メートル以上のものについて、簡易耐火建築物としなければならないこととしたものであります。自動車車庫につきましては、従来三百平方メートルをこえるものにつき、耐火構造としなければならないこととなっておりましたが、今回、百五十平方メートル以上のものを、簡易耐火建築物としなければならないこととして、強化整備をはかったものであります。  第二十八条、これは採光、換気に関する規定でございますが、これの改正につきましては、ただし書きに、最近増加傾向にある無窓工場等を加えて、取扱いを明確にしたものであります。  第三十条、これは地階における住居居室の禁止に関する規定でございますが、これの改正につきましては学校の教室、病院の病室または寄宿舎の寝室を加えたものであります。  第三十三条、これは避雷針の設置に関する規定でございますが、これの改正につきましては、周囲状況により、安全上支障のない場合の除外規定を加えたものであります。  第三十五条、これは特殊建築物等避難及び消化に関する技術的基準に関する規定でございます。これの改正につきましては、頻発する災害に対処するため、三階以上の建築物及び第二十八条第一項ただし書き規定する居室を有する建築物、すなわち、無窓の建築物地下建築物についても、避難施設消火施設等を整備すべきものとしたものであります。  第三十五条の二、これは特殊建築物内装に関する規定でございますが、これにつきましては、最近の火災の例にかんがみまして、現行の第二十四条第二項に規定する木造特殊建築物に限らず、耐火建築物簡易耐火建築物特殊用途に供するもの及び第二十八条第一項ただし書き規定する居室についても内装制限強化したものであります。なお必要な技術的基準は、政令で定めることとしたものであります。  第三十五条の三、これは無窓の居室等主要構造部についての規定でございますが、これにつきましては、第二十八条第一項ただし書き規定する居室、すなわち無窓建築物地下建築物等居室を区画する主要構造部耐火構造とし、または不燃材料で作ることとして、災害の場合の危害防止に備えようとするものであります。  第三十六条の改正につきましては給水、排水のための配管設備の工法をその設置及び構造に改める等の改正をしたものであります。  第四十二条、これは道路定義についての規定でございますが、これの改正につきましては、従来は、幅員四メートル以上のものを道路として取り扱っており、さらに緩和措置としまして、現に、建築物が立ち並んでいる道で幅員が四メートル未満のもののうち、一・八メートル以上のものは、その道の中心線から二メートル後退した線を道路境界線とみなして、道路として取り扱っておったのでありますが、最近、町村合併により都市計画区域が広範囲にわたって広がりました関係上、一・八メートル未満の道がかなりの数に上りますので、第二項を改めまして、これらの道も特定行政庁指定によって道路と認める道を開いたものであります。道路幅員に関しましては、片側ががけ地川等に沿っております場合とか、その他土地状況によりやむを得ない場合には四メートルの幅員を確保することが無理な点がございますので、第三項におきまして、これらの場合には、特定行政庁指定により、幅員を二・七メートルまで緩和できるよう改めたものであります。ただしこれらの緩和措置につきましては、乱に流れないよう、第四項において、建築審査会同意を要することとしたものであります。  第四十三条、これは敷地道路との関係規定でございますが、これの改正につきましては、自動車専用道路一般の歩行を禁止しておりましてふだんの使用上から見ても、災害時の避難通路としても適用でないので、これを道路とみなさないこととしたものであります。同条第二項につきましては、映画館等特殊建築物及び自動車車庫敷地道路との関係について、必要な事項地方条例で定めることを規定したものでありますが、自動車修理工場自動車車庫と同様の条件にありますので、これを追加したものであります。  第四十七条これは壁面線による建築制限規定でございますが、これの改正につきましては従来、建築物の壁またはこれにかわる柱は、壁面線から突き出してはならないこととなっておりますが、今回、構造上必要な歩廊の柱などは、壁面線を越えて建築ができるよう改めたものであります。  第四十九条これは用途地域内の建築制限に関する規定でございますが、これの改正につきましては、産業発達のため、新たな業態を加える必要が生じた反面、除害装置等進止により制限緩和の必要もありますので、これらを整理いたしたものであります。すなわち新たに追加したものの大略といたしましては、住居地域におきましては魚肉の練製品の製造金属のつち打ち加工、プレスまたは切断、印刷用平板の研磨、糖衣機を使用する菓子の製造セメント製品製造、撚線、金網の製造製粉等であります。商業地域におきましては、魚粉の製造、レデイ・ミクスド・コンクリートの製造金属の溶射、砂吹き、鉄板の波付加工ドラムカンの洗浄または再生、パルプの製造等であります。  準工業地域におきましては、木材を原料とする活性炭の製造、動力つちを使用する金属の鍛造、動物の排泄物原料とする医薬品の製造等であります。次に緩和いたすものとしましては、商業地域におきまして、塗料の吹きつけの馬力数をゆるめましたのと、準工業地域におきまして、化粧品製造、石けんの製造手すき紙製造、少量の金属の溶融、出力の合計が四キロワット以下の金属圧延等であります。なお、これらは、準工業地域において緩和しましたものを、商業地域で禁止するようにしたものであります。さらに、従来危険物の貯蔵、処理につきましては、工業地域以外の用途地域では一律に禁止されていましたが、準工業地域等では多少厳に過ぎる面も見られますので、危険物の質、量等により、地域別に差をつけて制限をするようにしたものであります。  第五十一条、これは既存建築物に対する緩和規定でございますが、これの改正につきましては、現行内容は第八十六条の二で一括規定することとしましたので、現行の第五十四条に相当する内容をここに規定したものであります。  第五十二条、これは特別用途地域規定でございますが、これの改正につきましては、地方的な特殊産業等に対して、特別用途地区制をさらに活用できるように、第四項におきまして、建設大臣承認を得て、条例で、用途地域専用地区基本的制限の一部を緩和できるよう改めたものであります。  第五十三条につきましては、現行の第五十三条に相当する内容、次の条に送りまして、本条では、現行地域制建築物用途のみを制限しておりますが、建築物構造建築設備についても、これを規制することにより、用途地域持定目的を達成できるよう条例を制定する根拠条文規定したものであります。  第五十四条、これは卸売市場等用途に供する特殊建築物の位置に関する規定でございますが、これの改正につきましては、都市計画施設として決定しているものを除きまして、現行法では、公開による聴聞を行い、建築審査会同意を得て、特定行政庁許可することになっていますが、この許可は、広域的な都市計画として検討するのが適当でありますので、都市計当審議会の議を経ることに改めたものであります。また政令で定める軽微なものの新築、増築については、許可を要しないものとしております。  第五十五条、これは敷地面積に対する建築面積の割合に関する規定でございますが、これの改正につきましては、第一項に第三号を追加して、公園道路川等のうちに建つものについては、この制限をはずすこととし、第二項において、現行敷地面積から三十平方メートルを差し引く制限は、実情に沿わない面もありますので、過小宅地が多い等、土地条件によりやむを得ない場合は、特定行政庁建設大臣承認を得て、第二十二条第一項の市街地について指定する区域につきましては、敷地面積の六割まで建築できるように改めたものであります。  第五十六条、これは空地地区規定でございますが、これの改正につきましては、第四項において隣地公園等がある場合、その他政令で定める場合には、建築物外壁等隣地境界線との保有距離制限をはずしたものであります。  第五十七条、これは高さの限度についての規定でございますが、これの改正につきましては、現行法ただし書き同等程度の効果を有し、都市計画支障のないものについても、例外規定適用できるよう改めたものであります。  第五十八条、これは道路幅員建築物の高さの関係規定でございますが、これの改正につきましては、第五十七条第一項各号の一に該当する場合には、建築審査会同意を得て特定行政庁許可によりこの制限緩和できるように改めたものであります。この場合第五十七条に規定する高さを越えるものについては、第五十七条ただし書き許可同一の観点から審査することになりますので、どちらか一方の許可でよいことに調整したものであります。  第五十八条の二、これは高架の工作物内に設ける建築物等の高さの制限緩和についての規定でございますが、これにつきましては、事柄の性質上、一般建築物同一規制するのは不合理と思われますので、特定行政庁が、交通上、安全上、防火上及び衛生上支障がないと認めるものについては、第五十七条及び第五十八条の規定適用しないこととしたものであります。  第六十一条、これは防火地域内の建築物規定でございますが、これの改正につきましては、耐火建築物または簡易耐火建築物定義づけたことにより字句修正をするとともに、階数が三以上のものは耐火建築物としなければならないこととしたものであります。  第六十一条の二、これは防火地域内における既存建築物に対する制限緩和規定でございますが、これの改正につきましては、これを第八十六条の二で一括規定することとしましたので、本条を削除したものであります。  第六十二条、これは準防火地域内の建築物規定でございますが、これの改正につきましては、現行法階数が三以上であるか、または延べ面積が五百平方メートルをこえる建築物耐火構造とすることになっておりますが、これを簡易耐火建築物でもよいことにし、四階以上または延べ面積が千五百平方メートルをこえる建築物は、耐火建築物としなければならないことに改めまして、都市のすみやかな不燃化をはかったものであります。  第六十四条、これは開口部防火戸規定でございますが、これの改正につきましては、耐火建築物及び簡易耐火建築物定義を設けたことにより、字句修正をしたものであります。  第七十九条、これは建築審査会の組織の規定でございますが、これの改正につきましては、第三項で市町村委員と都道府県の委員との兼任を禁じておりましたが、実情にかんがみましてこれを除くことにしたものであります。  第八十条、これは委員の任期の規定でございますが、これの改正につきましては、現行法では委員の任期が満了した場合、議会等の関係で後任の委員の任命がおくれ、法運営上支障を生ずることがありましたので、第三項におきまして、任期の満了した委員は、後任の委員が任命されるまでその職務を行うこととしたものであります。  第八十条の二及び第八十条の三につきましては、従来建築審査会委員の欠格条項や解任事由に関する規定が全く欠けておりましたので、この際他の審議会等の委員並みに整備したものであります。  第八十五条、これは仮設建築物に対する制限緩和規定でございますが、これの改正につきましては、仮設建築物について適用除外する条項及び期間を整理したものであります。  第八十六条、これは総合的設計による一団地の建築物の取扱いの規定でございますが、これの改正につきましては、耐火建築物または簡易耐火建築物を相当数計画配置して建築する場合には、木造密集市街地の火災と状況が異なり、特に外壁開口部防火戸を設ける必要がないと思われますので、特定行政庁がその位置及び構造について防火支障がないと認めるものについては、防火戸設置緩和できる規定を設けたものであります。  第八十六条の二、これは既存建築物に対する制限緩和規定でございますが、これにつきましては、法適用前から存する建築物については、第三条第二項により、増、改築等をする場合を除いて、本法適用しないこととされていますが、増、改築等をいたします場合には、本法規定が全面的に適用されることとなりまして、構造全体に影響を及ぼすような規定、すなわち、第二十六条(防火壁の設置)、第二十七条(特殊建築物構造制限)、第四十九条、第五十条(用途地域等建築制限)、第六十一条、第六十二条第一項(防火地域、準防火地域内の構造制限)につきましては、経済上無理と思われる場合も出て参りますので、政令で定める範囲内で適用緩和しようとするものであります。なお、本条と同趣旨の第五十一条及び第六十一条の二の規定本条に吸収したものであります。  第八十七条、これは用途の変更に対するこの法律適用規定でございますが、これの改正につきましては、従来、明確を欠いた点もありましたので、これを全面的に改めて、その関係を明らかにしたものであります。  第八十七条の二、これは建築設備への準用についての規定でございますが、これにつきましては、昇降機その他の建築設備を設ける場合にも、これらの建築設備の重要性にかんがみ、建築主事確認を要することとし、この場合、一つの建築設備について、千円以内の手数料を納めるべきものとしたものであります。  第八十八条、これは工作物への準用の規定でございますが、これの改正につきましては、ウォーターシュート、飛行塔等の遊技施設につきましても、構造耐力の規定を準用することとしたものであります。  第九十条、これは建築工事現場の危害の防止の規定でございますが、これの改正につきましては、危害防止措置違反がある場合に、建築物に対すると同様是正措置をとれるように明確にしたものであります。  第九十一条、これは建築物敷地区域、地域または地区の内外にわたる場合の措置規定でございますが、これの改正につきましては、建築物は、その敷地の過半が占める区域、地域または地区の制限規定を受けることになっておりますが、高度地区に関しましては、指定された部分だけ高さに関する制限を課すれば目的を達成できるものでありますから、本条から除いたものであります。  第九十三条、これは許可又は確認に関する消防長の同意等の規定でございますが、これの改正につきましては、今回の改正により、設備だけ設置する場合にも手続を要することとしたことに付随しまして、消防及び衛生方面との連絡を整備したものであります。  第九十四条、これは異議の申立についての規定でございますが、これの改正につきましては、第三項において建築審査会の裁定期間を、公聴会の事務処理等から見て、従来の二十日から一カ月に延期したものであります。  第九十八条、これは罰則についての規定でございますが、これの改正につきましては、第九条第一項の違反是正命令に従わない者に対して、現行法の罰金刑のほか、六月以下の懲役刑を課することができるように改めたものであります。なお、第九条第十項に規定する緊急の場合の工事施工停止命令違反するものに対しても同じ刑が課せられることとしたものであります。  第九十九条から第百二条までの罰則関係は、実体規定改正に伴って整備したものであります。  附則関係につきましては、施行期日を公布の日から起算して八カ月をこえない範囲で各規定につき政令で定めることとしたものであります。なお、住宅金融公庫法の簡易耐火構造関係する部分改正は、貸付条件等の関係から、昭和三十五年四月一日から施行することとしたものであります。  関係法律の一部改正につきましては、防火規定の整備に伴いまして、防火地区内借地権処理法、住宅金融公庫法、官公庁施設の建設等に関する法律、耐火建築促進法の用語を整備いたしましたことと、手続関係で消防法、住宅金融公庫法、清掃法、日本住宅公団法を整備いたしたものであります。  以上、本法案の概要を御説明いたしましたが、何とぞ慎重御審議の上、すみやかに御可決下さるようお願いいたします。     —————————————
  6. 堀川恭平

    堀川委員長 次に、公共工事前払金保証事業に関する法律の一部を改正する法律案議題といたしまして、提案理由説明を聴取いたします。徳安政務次官。     —————————————     —————————————
  7. 徳安實藏

    徳安政府委員 ただいま議題となりました公共工事前払金保証事業に関する法律の一部を改正する法律案につきまして、その提案の理由及びその要旨を御説明申し上げます。  東南アジア、中近東、中南米等の諸国における開発計画に対し、わが国が協力いたしますことは、国際経済協力あるいは輸出振興の上からきわめて重要でありますが、昭和二十九年以来、これら諸国から建設事業に関する引き合い等が漸次増加して参りましたにもかかわらず、これらの引き合い等のうち実際に契約いたしましたものは僅少の数にとどまり、わが国業者の海外における活動状況は、必ずしも活発とは言い得ない現状にあります。  この原因といたしましては、現地情報の早期入手が困難であること、海外建設工事に関する知識経験に乏しいこと等が考えられますが、特に建設業者または建設工事の設計、監理等を行ういわゆる建設コンサルタントの担保能力の不足のため、事業活動に必要な資金の融通を受けることがきわめて困難であり、これがわが国業者の海外における事業活動のふるわない大きな原因となっているであります。  ところで、最近フィリピンにおけるマリキナ・ダムの建設計画が具体化されようとし、引き続いて東南アジア、中近東等の諸国においても大規模な建設工事についてわが国の協力が期待されております。  このような現状にかんがみ、わが国の海外建設協力を促進するため、建設業者または建設コンサルタントの海外における事業活動に必要な入札保証金、契約保証金、建設機械購入資金等の多額の事業資金の調達につきまして、これらの者の担保能力を増強し、金融の円滑化をはかる必要性が痛感されるのでありますが、これに対処する措置といたしましては、現在、公共工事前払金保証事業に関する法律規定に基き、保証事業会社が建設業に関する金融のための保証事業を営み、その実績を上げておりますので、今回同法の一部を改正して、保証事業会社が海外における建設事業に必要な資金の金融に関する保証業務をも営むことができることとすることが適当であると考えた次第であります。  以上がこの法律案の提案の理由でありますが、次に、この法律案要旨を御説明申し上げます。  前払い金保証事業会社は、その本来の業務である前払い金保証事業のほか、従来より公共工事に関する資金についての金融保証事業及び建設工事の用に供する重要な機械類の取得に関する資金についての金融保証事業を兼業として行なっておりますが、このたび新たに兼業の業務として、建設業者または建設コンサルタントが金融機関から国外における事業活動に必要な資金について融資を受け、あるいは信用状の開設等を得た場合に、それによってこれらの業者が当該金融機関に対して負担する債務についても、その保証を行うことができることといたしたのであります。  なお、かかる海外建設事業に関する金融保証事業を行う場合におきましても、その事業の重要性にかんがみまして、他の保証事業と同様、建設大臣承認を受けた約款により保証契約を締結させることといたしたのであります。  以上がこの法律案の提案の理由及びその要旨でありますが、何とぞ慎重御審議の上、すみやかに御可決あらんことをお願いする次第であります。     —————————————
  8. 堀川恭平

    堀川委員長 次に、土地区画整理法の一部を改正する法律案議題といたしまして、提案理由説明を聴取いたします。徳安政務次官。     —————————————     —————————————
  9. 徳安實藏

    徳安政府委員 ただいま議題となりました土地区画整理法の一部を改正する法律案につきまして、提案の理由及びその要旨を御説明申し上げます。  御承知のように、健全な市街地の造成を目的とする土地区画整理事業の基本法であります土地区画整理法昭和三十年に施行されまして以来すでに四年を経過し、その間土地区画整理事業を全国的に実施して都市における公共施設を整備改善し、宅地の利用を増進して参ったのでありますが、その運用の実績にかんがみまして、今回同法に所要改正をはかろうとするものであります。  以下今回の改正要旨を申し上げます。  まず第一に、宅地の立体化に関する規定を整備したことであります。最近における都市の人口増大と産業施設集中の傾向は特に著しく、市街地における土地利用の高度化を促進しなければわが国の都市問題は解決できない現状であります。土地区画整理法は、その解決の手法として、宅地の立体化の制度を設けておりますが、現行法は、このようないわゆる立体換地ができるのは、面積の小さな宅地を整理する場合と、すべての権利者の同意がある場合に限っておりますので、今回、立体換地のできる場合を広げ、市街地における土地の合理的利用と災害防止のため特に必要がある場合においては、防火地域内であって、高度地区内の宅地について権利者の代表機関であります土地区画整理審議会同意を得た上で宅地の立体化ができるようにし、市街地の高度化の促進に寄与せしめようとするものであります。  次に公共施設管理者の負担金に関する規定を設けたことであります。  最近、道路、河川等の大規模な公共施設の用地の確保が困難となってきておりますが、土地区画整理事業によってこれらの用地を造成するようにいたしますと、これがきわめて円滑に進捗するのみならず、付近の土地の利用の増進に貢献するところが多いので、これらの用地を確保するため、土地区画整理事業を施行するという事例が全国的に多くなっております。  かかる場合において、従来からも本来の公共施設管理者から土地区画整理事業の施行者にその用地費相当分を支出していたのでありますが、この関係を明確にするために、今回このような重要な公共施設の用地を造成することを主たる目的とする土地区画整理事業につきましては、施行者は本来の公共施設管理者にその用地の取得費に相当する金額の範囲内の事業費を負担させることができるようにしようとするものであります。  第三は、土地区画整理審議会委員等の任期を延長することであります。  現行法では、土地区画整理審議会委員並びに土地区画整理組合の役員及び総代の任期は、三年をこえない範囲内で施行規程または定款で定めることになっておりますが、土地区画整理事業の実態は、その期間が相当長期にわたるものであり、また事業の内容及び手続が非常に複雑である等の点にかんがみまして、今回任期の最高年限を五年に改めまして事業の円滑な施行をはかろうとするものであります。  以上が改正のおもな点でありますが、このほか土地区画整理事業の適正かつ円滑な施行をはかるため、事業計画の決定及び変更、権利の申告、保留地の処分方法並びに土地区画整理事業と農地等の関係の調整に関する手続を整備するほか、予備委員の数の特例、公共施設の用に供されている宅地に関する特例及び清算金の延滞金徴収の規定を設けるとともに、仮換地指定後における公共施設予定地等に関する管理責任を明確にしようとするものであります。  以上がこの法律案の提案の理由及びその要旨でありますが、何とぞ慎重御審議の上、すみやかに御可決あらんことをお願いいたす次第であります。     —————————————
  10. 堀川恭平

    堀川委員長 次に、首都高速道路公団法案議題といたしまして審査を進めます。昨日に引き続き質疑を行います。中島委員
  11. 中島巖

    ○中島(巖)委員 だいぶ質問者があるようでありますので、ごく簡単にお伺いいたしますが、政府で説明されました道路整備五カ年計画、すなわちあと四カ年間におきまして多分五百九十二億という予算になっておりましたが、そういたしますと、事業量は首都高速道路公団参考資料によりますと、八路線と二支線、計十路線になっておりまして、七万一千三十メートルということになっておりますが、この事業を全部完了できるのか、もし完了できないとすれば、どの程度できるのであるか、この点についてお尋ねいたしたい。
  12. 美馬郁夫

    ○美馬政府委員 首部高速道路公団の全体計画では、八路線につきましての事業費といたしまして、高速道路関係が八百五十二億、関連街路関係が六十一億、合計九百十四億、これが事業費として予定されておりますが、ただいまの私どもの予定では、この八路線は昭和四十年前後におきまして、いろいろな資料から申しまして、都内の交通が主要地点において満度に達するという計算のもとに、これを目標にして八路線を完成していきたいというめどは持っておりますが、具体的な問題といたしましては、そのうち今般いろいろ問題になっております道路整備五カ年計画に入る具体的な数字といたしましては、その参考資料にもありますように、事業費といたしましては、五路線について五百四十三億九千万というのが事業費になっておりまして、公団の収支といたしましては、このほかに建設利息等が入って参りますから、多少これよりはふくらみますが、事業計画はそういうふうにしまして、五年間で五路線、あとはみ出す分につきましては、また今後の問題でありますが、できるだけ早い機会にやっていきたい、こういうふうに考えております。
  13. 中島巖

    ○中島(巖)委員 五路線というと、どの線とどの線か、ごく大ざっぱでいいのですが、御説明願いたい。
  14. 美馬郁夫

    ○美馬政府委員 五路線は、一号線、三号線、三号線、四号線、八号線、こういうことになっておりまして、一号線は、羽田を起点といたしまして、兜町を経由して仲御徒町に至る線でございます。それから二号線は、西戸越一丁目から出発いたしまして、一ノ橋を経由いたしまして麻布谷町、芝浦海岸に至る区間でございます。三号線につきましては、麻布谷町から隼町—三宅坂、ここに至る線であります。四号線につきましては、幡ケ谷から常盤橋を経まして兜町、あるいは有楽橋、これに至る区間であります。八号線につきましては、汐留から銀座一丁目、この区間になっております。
  15. 中島巖

    ○中島(巖)委員 それから僕らの非常に疑問に思うのは、現在もそうなんですが、都市交通が非常に輻湊してきてこういう事業をやられるわけなんですが、結局高速道路の性格から言いましても、こういうように、人口が非常に稠密になってきてからこういう事業をやることは、金が非常にかかるわけなんです。それで、首都だけでなしに、いわゆる首都圏と申しますか、近郊まで、さらに現在の人口があまり稠密にならないうちに延ばすべきが当りまえだと思う。つまり現在計画したところより乗り入れというか、もっと道路を延長することによって、機動性の発揮もできる。また将来人口が稠密になってからでは工事がむずかしくなり、用地の買収がむずかしくなり、多額の費用が要ることは明らかなんですが、こういうようにわずか東京都内だけを高速公団でやるというようにお考えになったのはどういうわけか、その点についてお伺いしたい。
  16. 徳安實藏

    徳安政府委員 ただいま計画いたしておりますものは、都心部に乗り入れのことを考慮してやっているわけでありますが、差し迫って一番混雑しておりますところをとりあえず手をつけまして、次いで、今お話しの方になるべく早い機会に、人口が稠密になって手をつけるのに困難だということのない時期に、お説の点をよく考えまして延長する考えでございます。
  17. 中島巖

    ○中島(巖)委員 たとえば、現在道路公団が京葉国道なんかをやっているのですが、結局私の考えとすれば、この公団を設立されるとすれば、いわゆる首都圏を作るには、この公団でやることが適当じゃないか、たとえば現在の公団がやっている首都内の事業も受け継ぐのであるから、首都圏全体の事業を受け継いで、あとで乗り入れる道路も、この際わずかな金でできるのだから、すべきじゃないか、こういうように考えるわけで、首都だけに限ってしまって、首都圏全体の計画を国で策定している今日において、首都内だけの事業計画を立てるということは、国の大きな方針とも食い違いを生じてくるし、それから第二点としては、ただいま申し上げましたような首都へ乗り入れの、首都周辺がますますこれから人口が稠密してくるような関係工事も困難になる。従って、少くとも首都圏くらいは一括して、公団で現在の道路公団の事業を引き継いでやるべきだ、こういうように考えるのですが、首都だけを区切ってこの公団を設立したその趣旨を承わりたいと思うわけであります。
  18. 美馬郁夫

    ○美馬政府委員 この公団は、設立のいろいろないきさつもありまして、法案の方にも第一の目的のところに、「東京都の区の存する区域及びその周辺の地域」、こういうふうに限定しております。理想から申しますと、もちろん首都圏全般を区域といたしまして、そういう大構想も必要とは存じますが、しかしながら、とりあえず今非常に問題になっているところは、この副都心、いわゆる新宿、渋谷、五反田等から東京都心部に乗り入れてくるところが、非常に混雑をしておるのでありまして、これを解決することが非常に問題になっておる点でございます。もちろん道路公団がやっております、たとえば京葉道路等との関係は、この計画におきましても、七号路線によりまして連接するようにはなっております。ただこの公団の事業をどこまで広げていくかということにつきましては、いろいろ問題もあるとは思いますが、私どもただいまの気持では、主として首都圏の関係から申しますと、既成市街地というふうな関係でやっております地区を対象として、とりあえずはやっていった方がいいのではないか。将来の問題といたしましては、もちろん首都圏全般の問題も考えなければならない問題ではあると思いますが、ただいまは、既成市街地を中心として、その辺を区域に考えております、ただ現実に、道路公団なり、そういうところで京葉国道等もやっておりますから、こういうところは有機的に連接をいたしまして、一環として機能がスムーズになるようにいたしたい、こういうふうに考えております。
  19. 中島巖

    ○中島(巖)委員 どうもその辺が、大へん役所のいろいろな関係もあるだろうけれども、われわれにはすっきりしないのです。いやしくもこれだけの大きな公団を設立して、そして都市の交通緩和をはからんという目的、それから国といたしましては、首都圏整備委員会ができて、首都圏という大きなワクでもって今後いろいろな施策をしていこう、こういう場合に、その都内の交通緩和というようなことでなしに、都内の交通緩和ももちろんでありますけれども、やはり首都圏くらいはこの公団でやることにして、そして現在の道路公団でやっておる事業を引き継いでやるべきが当然じゃないか。つまり、これは高速道路なんて名前をつけてありますけれども、昨日も私討論で申し上げましたけれども、七万一千三十メートル、つまり幹線八路線に支線二路線、その十路線で七万一千メートルばかりのものです。一路線の平均にすれば七千メートルくらいのもので、あなたの方で、時速六十キロという数字がここに出ておるのですが、それでいけば、平均一路線は、始点から終点まで十一分で走って、それでおしまいになってしまう。こんなのは高速道路と言えぬですよ。十一分走ってすぐ外に出れば、行き詰まってしまう。それで、自動車が出ていくのに十分かかるというのは、これは全くの都市内の代替線としか思えぬと思う。少くとも首都圏くらいはこの公団の手でもってやる。そして現在、まだこの中心地をはずれるものは、人家はあるにしても、取り除いたりするのは簡単だから、そういう構想のもとに出発する、いやしくも公団を設立するんだから、出発すべきものじゃないか、こういうように考えるわけなんです。これは、次官もお見えだし、一つ大臣と御協議願って、少くとも首都圏ぐらいは、やはりこの公団の手でやるべきものだ。これは、もうだれが考えてもそうと思います。  それから次にお伺いいたしますのは、実は私、昨日東京都の方からも来てもらい、それから首都圏整備委員会にも来てもらいましたので、この点、こまかくお聞きしたいと思ったのです。つまり現在の都市計画の街路事業、これと道路事業とどうなっておるかという関係を見ないと、ただいま申し上げたような審議が進められぬのじゃないか、こういうように考えておるわけです。それで、私の考えとしては、首都圏整備委員会の西畑君の方へも、資料その他の提出をきのう頼んでおきましたし、その資料によって首都圏の方からも説明願い、それから東京都からも、そういう資料によって説明願って、街路事業と、それから今度の高速道路関係がどうなっておるか。さらに、街路事業そのものも今中途半端になって、ヘビが卵をのんだような格好でやっているわけなんですが、これらが整備できるとすれば、この中の一本や二本はあるいははずされるようなことにもなるかもしれぬし、そういうようなことも検討したい、こう考えておったのですが、自民党の方からこの法案の成立を非常に急がれて、そういうような時間もないわけです。それで、概要でもけっこうなんですが、御説明できたら御説明願いたいし、御説明願えぬとすれば、あと図面か何かで、資料の御提出を早急にお願いしたい、こういうふうに考えるわけです。
  20. 徳安實藏

    徳安政府委員 ただいま中島委員の御説のように、なるべく首都圏内は一元化して、こういう首都公団ができた以上はそれにやらせるべきじゃないかという御意見に対しましては、私も同感であります。従って、道路公団でやることになっておりました一号線、二号線は、今度できます首都公団の方に引き継ぐわけでありますが、ただいまお話しの京葉道路につきましては、すでにもう工事が九分通り進捗いたしまして、来年度には全部開通するというような段階にまでなっておりますために、一応それは、従来の関係もございますので、道路公団にやらせるという方針にしておるわけございます。しかし将来におきましては、なるべく首都圏内におけるこうしたものにつきましては、一元的に運営されるような行き方が望ましいと思いますから、これは十分大臣とも相談いたしまして、善処するようにいたします。  なお、街路事業と本公団との関係につきましては、大体概略は事務当局でわかっておるそうでございますから、計画局長から御説明をいたします。
  21. 美馬郁夫

    ○美馬政府委員 東京都の都市計画の街路事業とか、あるいは戦災復興の区画整理事業で街路事業をやっておりますから、こういう問題の概略を御説明いたしまして、これと高速道路との関係はどうなるかということを、私から簡単に申し上げますが、東京都の都市計画の街路事業が、いろいろ現在の進み方が悪くて、しり切れトンボになっているじゃないか、場所によっては非常にちょん切られておるようじゃないか、区画整理事業がなかなか進んでおらぬじゃないかということでございますが、東京都の都市計画事業につきましては、昭和二十一年にこの基本計画を決定いたしております。この基本計画は、焼けた直後の相当膨大な計画でありましたので、その後いろいろ再検討を加えております。これは、実は昭和二十一年に国といたしましても、戦災復興の街路事業なり、戦災復興の焼け跡地の区画整理事業として、いろいろ大きい計画をきめておったのでありますが、その後園の財政事情、あるいは事業の進捗等もにらみ合せまして、昭和二十四年にこの計画の再改定を行なっておるのであります。この国のきめた改定に従いまして、東京都の方におきましても、計画を、具体的に申しますと、縮小いたしております。そのときに事業個所が整備されましたし、また当初計画では幅員五十メートルの街路が、幅員三十メートルなり四十メートルに縮小いたしております。こういう事情のもとに、現在きまっておりますのは、昭和二十四年にきめました街路計画が根本になっておるのでありまして、それによりますと、幹線街路は約四十三路線をやる、補助街路は百四十九路線をやる、そのほかいろいろこまかい計画を立てておりますが、これが、その後国の道路整備計画に照応してどんなふうに進んで参っておるかということを概略申しますと、幹線につきましては——これは、都心から外に向って走っております、放射線と申しておりますが、そのほかに、環状線と申しまして、ぐるぐる周辺を回っておる路線がございます。この放射路線と環状路線について申し上げますと、三十二年度までに完了したものが、当初計画に比べまして、放射線では二八%、環状線では一三・六%と、こういう数字になっておりまして、きめております計画から見ますと、まだまだなかなか大へんな数字でございまして、私どもの予定しております五カ年計画でやりましても、放射線については二八%が約三八%、一〇%の進捗率になりますし、環状線で申しますと、一三%が二七%、こういうふうな状況になっておりまして、私どもも都市計画の立場から、この首都圏には相当集中的に経費を投入しておりますが、まだ現状を見ますと、なかなか各地区に、計画に対しまして相当中途半端なような現象が出ておるのであります。これはまあ全般論でございますが、私どもも、できるだけすみやかにこの戦災復興事業なり都市計画街路事業を、事情の許す限り早い機会におきまして、この計画の目的に沿ってやれるようには努力したいと思いますが、経費の関係等いろいろございまして、今のところの見通しはそういう事情でございます。  いろいろ問題になっております首都高速道路の各路線につきましては、これは専門家がいろいろ長年にわたって研究いたしまして、あの路線が最も被害が少くて、最も摩擦が少く、能率的な線路であるということできめた路線でございます。もちろん地区によりましては、現在の街路を拡張した方がいいではないかというような御意見もあるとは思いますが、しかし、もともとこの首都高速道路は、先ほど先生もおっしゃいましたように、平面街路とは別個の自動車だけの、停止しない道路を作るのでございまして、従来都市計画で予定しております路線は、やはりその区間々々の通過、交通のためにはぜひとも必要な路線でありまして、この平面街路の方の完成だけで、高速道路が要らないという理由には決してならないのでございます。  高速道路といっても六十キロしか出ないじゃないかということでございますが、これは、遠距離を結ぶ高速通路とは、もともと成り立ちから違っておりまして、都心部と副都心部をノン・ストップで走っていく、停止なしいで走っていくというふうな立場をとっておりまして、もちろん時速は六十キロで、一般のいなかの道を走る立場から申しますと、非常に低いのでございますが、何と申しましても、現在都心部では平均約二十キロというスピードしか出ませんから、このスピードからいたしますと、三倍のスピードで走るというふうなことになっておりまして、そういう意味の高速道路でございます。  以上簡単でございますが……。
  22. 中島巖

    ○中島(巖)委員 私の言わんとするところは、六十キロがスピードが低いというのではないのです。六十キロで走っても、一路線当り十一分走ったらおしまいになってしまうではないか、こういうことを申し上げているのです。  それから都市計画の方は、昨日建設局長の話でも、約一兆かかるのだ、昭和四十年までかかるのだ、そのうち整理して通せるものは早く通すように、三年くらいでした方がいいではないかというお話なんです。それから道路のあるところはよけて、あなたの方でやる事業を早くやった方がいいではないかという、こういう関係で、都市計画とにらみ合せて、僕らも資料をほしい、こういうわけであります。一つ早急に、あすにもそういうような資料をお配り願いたいと思うのです。  それから先ほど建設次官は、公団がやっていて、京葉国道は九割近くできておるのだ、こういうお話でありましたけれども、この公団の事業費というものは、この五カ年計画の予算で見てもわかるように、一千六百億幾らというのは、ほとんど政府の保証した借入金である。それから一般財源から三百何十億出て、これは全額が政府の金であるのだから、借入金にしても政府が保証しておるのだから、何も日本道路公団に気がねする必要がないのだから、従いまして、現在の日本道路公団の事業を引き継いで、その職員も今度の首都高速道路公団に入れて、少くとも首都圏内くらいの整備事業を目標として行うべきである、こういうふうに考えるのです。これは、あなたの方から首都高速道路公団参考資料 昭和三十四年二月というのが、皆さん、どなたにもきておると思いますが、この中の百十二ページをあけてみて下さい。この百十二ページには、各国首都高速道路網計画図というのがあるでしょう。それからパリ、ワシントン、ベルリン、ロンドンとあるでしょう、まん中に東京というのが、円の中に日の丸の旗みたいにちょこっとあって、ロンドン、ワシントンなんかの高速道路はこうでしょう。これはだれが見たって、ここで新しく公団を設立するというのに、首都圏くらいの計画は、公団がやるのは当りまえではないですか。この図面を見たってわかる。役所のなわ張りだけで勝手ばらばらに政策を立てては、大へん困るのではないか。これはもう一度案を練り直していただきたい、こういうふうに希望しておくわけです。これに対する答弁は要りません。  まだだいぶあとに質問者があるそうでありますから私はこれでやめます。
  23. 堀川恭平

    堀川委員長 次に、山中吾郎君。
  24. 山中吾郎

    山中(吾)委員 私も私見としては首都圏を対象とした高速道路公団の方が現実に合い、その目的にも合うと思うのですが、今の関係からいくと、法案に沿って、首都圏整備計画とこの首都高速道路公団との関係についてまずお聞きいたしたいと思いますが、将来、今次官も言われましたように、首都圏に事業計画を新しく追加をしてこれを実施する場合、東京都内の事業計画というのは、さらに第二、第三の事業計画を追加して、そして首都圏に及ぼした新しい高速道路建設計画が立てられたときに、この公団で行うことができるように法律ができておりますか、できていないですか。
  25. 美馬郁夫

    ○美馬政府委員 首都圏と申しましても、首都圏の一番広い範囲は、相当各府県を含みました遠方を含めております。この法律でそこに該当いたしますのは、第一条の「首都高速道路公団は、東京都の区に存する区域及びその周辺の地域」こういうことになっております。ですから、この周辺の地域をどういうふうに解釈するかという問題であると思いますが、私ども立法の考え方といたしましては、先ほどからも問題になっておりますように、この周辺とは、おおむね既成市街地——首都圏で申しますと、人口が稠密いたしておりまする既成市街地、それを考えの中に置いて立案いたしておるのでありまして、遠き将来の問題は別といたしまして、目下のところは、そういう程度を頭の中に置いてこの周辺という字句を使っております。
  26. 山中吾郎

    山中(吾)委員 そうしますと、この公団では首都圏の高速道路計画は立てられないのであって、首都圏全体の高速道路計画を立ててそれを実施する段になると、別な公団を作らなければできないのですか。
  27. 徳安實藏

    徳安政府委員 ただいま計画局長説明いたしましたように、この法律では、首都圏整備法にいう既成市街地を大体考えてこの法律を作っておるわけでございますが、もし将来そうした場合が生じましたときには、この第一条の文句を変更することにおいて可能ではないかと考えておりますが、ただいまの段階では、大体において首都圏整備法にいう既成市街地というものを目標に置いてやっておりますから、東京都の区の存する区域及びその周辺という意味で、大体一応目的は達せられるのではないかと考えておるのであります。しかし、将来にわたっての大きな構想につきましては、今申しましたように、あるいはこの第一条の目的の条項を多少修正せねばならぬ事態になるかもしれません。
  28. 山中吾郎

    山中(吾)委員 第一条は、この公団の本質的な性格を現わしておるのでありますから、これを修正することは、この公団を解散をして新しい公団によらなければできないのであって、私はこの公団法の一部改正によって首都圏全体の高速道路計画を推進することはできないのじゃないかと思う。立法の趣旨は、やはり東京都の高速道路を建設、管理することを目的としてできたのであって、今局長が言われたように、その周辺の市街地に限っておるのですから、東京都の高速道路に関連して必要な部分をやるというだけの意味であって、次官のおっしゃるように、現在首都圏整備計画の構想として高速道路計画を実施する実施団体としての公団を作る場合には、私は別な公団を作らなければできないんじゃないかと思う。そしてこの法律そのものがそういうふうになっておるのだと思うのですが、いかがでありますか。
  29. 美馬郁夫

    ○美馬政府委員 この公団は、首都高速道路公団でありまして、首都圏という言葉は使っておりません。ですから、そういう意味で、設立のいきさつなり——これは抽象論でなく具体論で申しますと、たとえば出資の問題が条件になっておりますが、具体的にこの問題について出資の話があるのは、現在は東京都だけの問題でありまして、将来神奈川県なり、あるいはその他の県でこれは起り得るかもわかりませんが、現実の問題としては、まだそこまで具体的に話がいっておりません。それで、できたいきさつから申しましても、首都圏の第一次の高速道路の勧告が八路線についてなされておりまして、これを受けてこの法律が出ておるわけであります。従って、首都圏の高速道路ではなくして首都の高速道路ですから、申し上げましたように、既成市街地を中心として、それ以上にも延びることはありますが、目下のところは、そういうふうな第一段階の構想でやっております。将来の問題につきましては、必要性が生じた場合に、あるいはただいま政務次官が答弁いたしましたように、この法律を適当に改正してでもその関係はできるのでありますが、具体的にそういう話がまだ全然起って参っておりませんので、今後そういう事態が起りますと、これは路線の基本計画の問題とか、それから地方公共団体が出資する問題とか、そういう具体的な問題が出てこないとなかなかぴったり参りませんから、そういう問題が出て参ったときに、この目的でいいかどうか、あるいは改正の問題が起るかどうかということで検討したいと思います。
  30. 山中吾郎

    山中(吾)委員 私の問いの回答になっていないのです。この首都高速道路公団によって行える事業というものは、東京都の高速道路事業である、首都圏全体の高速道路事業を引き受けてやる公団ならば、新しく公団を作らなければできないのじゃないか。そういうことなんで、これは現在できている首都高速道路公団の構想というものは、たとえば必要に応じては大阪市高速道路公団法というものを作る、あるいは横浜に必要なら横浜市の高速道路公団法を作る、これをすなおに見ますと、その同じ構想の一環であると思う。そういう場合でも、たとえば大阪市の高速道路公団法をお作りになる場合に、大阪市の区の存する区域及びその周辺の地域と書かなければできないわけです。周辺を含むならば、私ははっきりお伺いしなければならないという意味で聞いているのでありまして、お答えによりますと、これは将来第二次、第三次の事業計画を立てることによって、この公団自体で、そのまま一部の改正だけで、新しく公団というものを作らないで、関東地方を含むような首都圏全体の高速道路公団の事業はできるのだというふうにお答えになっておるのです。そうでしょう。その点はっきりしていただかないと、お答えは、将来できるんだ、この公団だけでできるというならば、首都圏高速道路公団の性格を帯びておるけれども、名称は首都高速道路公団ということなんで、はっきりしていただきたいと思います。
  31. 徳安實藏

    徳安政府委員 私どもは、将来のことを予想してただいまこの法案を作ったわけではないのでございますけれども、「東京都の区の存する区域及びその周辺の地域において、」という文字は、先ほどから局長が御説明申し上げておる通りでございまして、もしこれ以上に及ぶような場合がございますれば、またそういう必要性が生じました場合には、別個の公団を作ることもあるいは不可能ではございますまい。しかし、この文字を改正することにおいて、その周辺という意味もございますし、またこの法案を作りました真の目的が、東京都、いわゆる首都というものを中心にしてはございますけれども、やはり副都心部から都心部に来る交通の緩和ということがおもなる目的でございますから、その範囲等につきましては、時勢の変化と進歩によりましては、文字の書きかえ、修正あるいは改正によりまして、もしこの公団にやらすべきだという結論が出ますならば、必ずしも不可能ではない。かように考えておるのでありますが、しかし絶対に限られた範囲外には、この首都高速道路公団は出てはいけないのだということは考えておりませんので、将来必要がありますれば、法律改正によってできるのじゃないか。しかしそれよりも別なものをこしらえるべきじゃないかという御議論がありますれば、これもやはりまた一つの考え方だと思います。
  32. 山中吾郎

    山中(吾)委員 私は、この法律内容そのものを忠実に法律的に考えて申し上げておるので、首都圏全体の高速道路計画の実施は、この公団はできないように法律ができておると思う。そこで、もし首都圏全体の高速道路計画を作られるについては、この公団と別に新しい公団を作って——この公団で行う外側の首都圏の各県の事業を行うには、別な公団を作るか、この公団を解散して、首都圏高速道路公団を作ってやらすか、法的にはそれしかないじゃないか、そういう仕組みになっておると思う。次官はそうでないように解釈されておりますが、これは法律的な解釈ですから、次官のお考えは間違っておると思う。法制局でお調べになっても私の方が正しいと思うのですが、よく御相談願いたいと思います。
  33. 徳安實藏

    徳安政府委員 お説をよく検討いたしまして、いずれ専門家の意見を聞いてお答えいたしますが、文字の上からは、ただいまお説の通りでございますけれども、これを改正すればできるのじゃないかという考え方を持っておるわけであります。これは法制局とも相談いたしまして、あらためて御返事いたします。
  34. 山中吾郎

    山中(吾)委員 それをなぜ私がお尋ねしておるかといいますと、中島委員は、こういう十分か十二分で通過してしまうような短かい高速道路公団という概念はおかしい、そして首都圏整備計画というものを立てるための委員会もできておるのですから、作るならば、首都圏全体を対象とした高速道路公団を作ったら賛成だという御意見を述べられたと思うのです。それに対してのお答えは、いや将来第二次、第三次計画を立てることによって、この公団でやれるというふうなお答えをされておったのです。それならば何ら論議は要らない。私も首都圏全体を対象とした高速道路公団でないと、計画が断片的になって、総合性が欠けてくる。そこで、これではできないから別な公団を作らなければならないと思うのです。中島委員の質問には、これでやれるとお答えになったが、私はやれないのだ、やれないならやれないで、はっきり将来について、そのときにはこれを解散して、首都圏高速道路公団を作ってやるということを考えるならばわかるのですが、その点、はっきりしていただきたい。
  35. 瀬戸山三男

    ○瀬戸山委員 関連して。お答えの前に申し上げておきますが、先ほど中島委員から、いわゆる既成市街地、あるいはその周辺の、諸外国の例まで引いてお話しになりましたが、中島委員のお話は実にごもっともだと思います。     〔委員長退席、二階堂委員長代理着席〕 その点について建設政務次官も、それはごもっともだというお答えをされたと思うのです。  そこで、現在ここに提案されております法律自体は、先ほど計画局長もお答えになりましたが、まさにいわゆる東京都の既成の区及びその周辺、その首都圏全体の道路——これは道路に関することでありますから、ほかのことは申し上げませんが、道路の整備計画の一部分であるこの既成の区あるいはその周辺の道路の建設を、この首都高速道路公団が行う。それは第二十九条第一項の、都市計画として決定された有料の自動車道路の建設及び管理を行う、これが主たる目的であります。そこでその計画は、第三十条の基本計画で、首都圏整備計画に基いて定めたうちの第二十九条の第一号の計画を、この公団がやるんだ、こういうふうな趣旨の法律でありますので、先ほど中島委員が論議をされました全体の計画の一部をやるんだ。ですから、この公団自身がそこまでやるという法律の目標ではないと思います。でありますから、先ほど政務次官もお答えになりましたように、そういう御趣旨はもっともである、その点についてやるかやらないか、どこまでやるべきかということは将来の検討に待つべきものだと思います。日本道路公団は、日本全国のこういう趣旨の道路を建設する一応の責務を持っておりますから、いわゆる首都圏全体のこういう道路網について計画が進められておるわけでありますが、その計画のうちのどこをやるかという担当の部面になってくる。従って、そこまでこの首都高速道路公団でやるべきだという場合には、多少性格が変ってきますから、先ほど申し上げましたように、第一条もそうでありますが、第二十九条及び第三十条のそういう関連の法律を全部改正しなければならない。そういうことで、将来そこまでやるのが事業の遂行上いいんだという結論になれば、別に公団を作らないでもけっこうでありますけれども、一体としてやる必要がある、それがいいということになれば、そういう面をすべて改正をして、そうして性格が多少変って参ります。そういうことでいいんじゃないかと私は思いますが、あわせてお答えを願いたいと思います。
  36. 徳安實藏

    徳安政府委員 ただいまお話がございましたように私どもも考えておるのでございまして、将来のことにつきましては、先ほどちょっと道路公団のことも出ておりましたが、道路公団が日本の有料道路全部を持ってやるというような建前でできておることは、御承知の通りであります。ただ東京都、しかもこの首都圏におけるところの既成市街地を結ぶ中心部に至るところの交通が非常に複雑いたしておりますので、全国的にやれる道路公団ではちょっと手が回りかねるということから、東京都とも了解の上で、そちらの方の出資等も仰ぎまして、こうした特殊な機関を設けるという趣旨でこれができたわけであります。従って、周辺という文字はございますが、この周辺というものをどこまで解釈するかということには疑義はあると思いますけれども、周辺というものを非常に大きく解釈する場合と、それからほんとうに小さく解釈する場合と二つあろうと思います。それは、そのときの皆さんのお考えによりまして大体その規模がきまるとは思いますが、私どもの考え方では、やはり全国的な公団はあるわけでありますから、そういう公団がやることが適当であると考える場合には、この首都圏の大きな範囲におきましては、必ずしも全部が全部この公団でなくてもいいではなかろうかと思いまするし、しかし一貫性を持たせるためには、どうしてもこれにやらすべきだという結論が出ましたら、今お話しのように法の改正を行いまして、そうしてこの周辺というものに対する一つの定義ももちろん置かなくちゃならぬと思いますが、その場合には、東京都と同様に、地方の公共団体の了解を得まして、そうしてやはり東京都が賛成し協力しておりまするような点に対する協力を得ませんと、この実現は不可能なことでございます。従って、そういう方面とももちろん話をせねばならぬと思います。そういう時期になりましたら、改正によってやれるんだという考え方でございますが、先ほどの御意見もございましたので、一応法制局ともよく相談いたしまして、法律家のほんとうの専門的な見解というものは、あとから御報告することにいたします。
  37. 山中吾郎

    山中(吾)委員 私これ以上御質問しませんけれども、明らかだと思う。首都高速道路公団では、法の改正ではできないのだ。はっきり私ここで申し上げてもいいのです。ただお話がどうもずらされていってしまったものですから、私意地悪い質問をしておるわけでも何でもないのでありまして、これはあくまでも東京都高速道路公団というものですから、従って首都圏全体の高速道路を行う公団ならば、日本道路公団から事業その他を全部引き継ぎを受けてやる問題ですから、別な公団を作らなければ私はできないと思うのです。まず大体の構想をお聞きしたのですが、ただ一つ、こういう公団をお作りになった場合、必要によって、大都市にはおのおのその都市と政府の出資によって同じような公団が幾つも作れる構想になっておると思うのです。これはほんとうを言えば、大阪にもできる、名古屋にもできる、そういうふうな危険がありますので、私は日本道路公団があり、さらに特殊な首都圏という一つの構想がある場合には、首都圏に専心するような高速道路公団、それ以上はあちらこちらに作るべきものじゃないということも確かめたいと思いまして、御質問申し上げたのです。
  38. 徳安實藏

    徳安政府委員 ただいまのお説の通り私どもも考えておりまして、東京都は首都でございまするから、特別なそうしたものを考えたわけでありまして、大阪や名古屋等については、ただいま何らそういうことは考えておりません。
  39. 中島巖

    ○中島(巖)委員 関連して。今政務次官は、こういう法律ができておるから、政府委員としてどうしてもこれをやらねばならぬという答弁をせねばならぬ立場にある、これは、よく私ども了解します。けれどもあなたの今までの答弁を通じてみると、首都圏道路公団にするのが当りまえだ、当然だということが、いろいろの答弁の端からよくわかるのです。それからもう一つの点は、他の都市との話し合いをせんならぬ、こう言われるけれども、これは、あとの話でいいと思うのです。それで、所要法律改正をして、首都圏高速道路公団にして、この資料の百十二ページの五十キロ以内のこれですが、今山中委員からもお話のありましたように、これは、法律上の所要改正をすればいいことなんですから、これに政府は踏み切るべきだと私は思うのです。私、委員長に要求しますが、これは、大臣に直ちに出席をしてもらって、大臣に対して要望しまして、あすにも所要法律改正をして、そうして日本道路公団がやっておる事業なんかは、即座に引き継げばいいのです。これは政府出資のものですから。そして日本道路公団は道路公団としてやるべき事業があるのですから、そういうようにしていただきたいと思う。そうすれば、われわれも早急に法律が成立するように御協力したいと思います。(「そう言ったって金がないんだよ。」と呼ぶ者あり)いや、日本道路公団でやろうと、首都高速道路公団でやろうと、金は同じなんだ。結局一貫性のある仕事をやるべきだ、こういうように思うのです。
  40. 美馬郁夫

    ○美馬政府委員 将来の問題としてはいろいろ御議論がありますが、私どもが現在提案いたしております法律は東京都を中心といたしまして、これに出資せしめて、この八本の勧告のある路線をやっていくということが直接の提案になっておるわけでございます。そういう事情でございまして、将来の理想論はよくわかりますが、ただいまは、私どもはこれが最もいい方法だというふうに考えております。
  41. 中島巖

    ○中島(巖)委員 今計画局長は将来の理想論というが、将来じゃないのですよ。現実にすでに首都圏整備委員会ができて、発足しておるじゃないですか。きょうの問題じゃないですか。将来の問題じゃありませんよ。そうして首都圏内で、現に日本道路公団が、京葉国道を初め工事をやっておるじゃないですか。従いまして、今度の新しい首都高速道路公団という名前を改めて、日本道路公団のやっておる事業を引き継いで、そうして首都圏整備の構想のもとに道路整備計画を進めよう、こういうように申し上げるわけで、これはだれも異議がないと思うのです。
  42. 美馬郁夫

    ○美馬政府委員 首都圏整備委員会として具体的にはっきり決定いたしております計画は、この八路線が具体的な計画でございまして、そのほかにはいろいろありますが、首都圏百キロ全般を通じた高速道路の計画といたしましては、まだ直ちにこれを取り入れまして予算化するというふうな段階には参っておりません。従って私が申し上げたのは、将来の問題としてはそういう根本的な研究をして、どういう路線が東京都を中心とした首都圏全般の高速道路として必要かという問題は、今後なかなか研究をしてやらなければならぬ問題でございまして、すぐにこれを公団に取り入れてやっていくというふうな段階には、ただいまは参っておりません。
  43. 中島巖

    ○中島(巖)委員 どうも話がわからぬですね。その研究を、いろいろ首都圏高速道路公団として、これからやればいいじゃないですか。それがために、東京都道路公団でなしに、東京都周辺までの計画を立てたりいろいろするその仕事を、首都圏高速道路公団で行えばいいじゃないですか。従って、これは現実の問題ですよ。
  44. 美馬郁夫

    ○美馬政府委員 お説はよくわかりますが、これには出資の問題もからんでおりますし、ただいまの問題としては、これで御了承願いたいと思います。
  45. 山中吾郎

    山中(吾)委員 もうくどくは質問いたしませんけれども、首都圏整備委員会とこの公団との関係で、先ほど瀬戸山委員が言われたように、第三十条に「建設大臣は首都圏整備法第二十一条第三項の整備計画に基き、政令で定めるところにより、前条第一項第一号の業務につき基本計画を定め、これを公団に指示する」。それで、この公団の事業計画に至るまでは、整備委員会の整備計画と、建設大臣の基本計画と、都の都市計画と、そういうもののあとに公団の事業計画ができる、こういう構想になっておるわけですね。それで、私はその計画の多元性について、根本的に異議があるのです。この点については今論議をしても、また一週間くらいかかるだろうと思うのですが、まずそれはそれとして、今局長が、首都圏の整備計画に八路線があるとおっしゃいましたけれども、私はこの道路公団参考資料を見ますと、首都圏整備委員会の整備計画として発表されておるのは、二ページの(B)というところで、もっと抽象的な原則的なものを発表しておる。これに基いて建設大臣が立てた基本計画の中に、八路線その他のものがあるので、こういう八路線その他の計画は、整備委員会が立てたのではなくて、建設大臣が立てたのじゃないのですか。
  46. 美馬郁夫

    ○美馬政府委員 これは、建設大臣ももちろん参画はいたしておりますが、首都圏整備委員会という委員会が立てた計画でございます。
  47. 山中吾郎

    山中(吾)委員 道路公団参考資料の二ページの(B) 既成市街地における都市高速道路整備計画、そして首都圏整備委員会昭和三十三年四月、これがここにいっておるところの整備法に基いた整備計画の内容で、これに基いて、三十条により建設大臣が立てた首都高速道路に関する基本方針、建設省 昭和三十二年七月二十日、この中に、四ページで、計画路線というのが入っておるので、整備委員会の整備計画は、こういう首都圏全体の高速道路の具体的計画も入っていない。これがあれば、首都圏全体の高速道路計画の矛盾がなく、適用範囲が東京都だけであっても、私は高速道路計画は、多元的に断片的な計画にはならないと思うのですが、そうでないでしょう。整備計画と東京都の道路公団との間に建設大臣がはさまって、そして具体計画を立てる。そこに私は、屋上屋を架して流れていく計画になると思う。だから首都圏全体の高速道路公団ならば、こういう矛盾はないと思うのですが、今の御説明は、整備計画の中にもうすでにこういう具体的計画も入っているように説明されておるが、これは、そういうふうになっていないのです。
  48. 美馬郁夫

    ○美馬政府委員 資料の説明は課長からいたします。
  49. 小林忠雄

    ○小林説明員 参考資料の二ページに、昭和三十三年四月に首都圏整備委員会が決定いたしました、既成市街地における都市高速道路整備計画というのが文章でできておりますが、これの添付資料といたしまして、具体的な計画線が入っております。それは、お配りしました参考資料の九十六ページの96’、96”という、一つ入っておるのがございますが、これが、四月の整備計画に具体的に添付されております計画案の内容でございます。これは、全長九十一キロでございまして、ただいま首都公団が計画しております事業計画六十九キロよりもやや内容が多いものでございます。その図面が、九十六ページのダッシュのところの(A)にございますが、これは首都公団で考えております計画では、一号線というのが羽田空港のところでとまっておりますが、首都圏の勧告では、これをさらに延長いたしまして、川崎市内を経て横浜港に至るような計画になっております。それで、このうちさらに各路線につきまして、点線が延びておりますが、これは、将来調査をいたしまして、さらに周辺部まで延長の調査をする必要があるという勧告内容でございます。
  50. 山中吾郎

    山中(吾)委員 御説明は間違っておるのじゃないですか。九十六ページは、首都建設委員会案なのであります。首都建設委員会は、東京都だけで作った首都建設委員会で、その勧告は、一ページの(A)にあるわけです。そうじゃないですか。そういうふうに書いてあるのです、首都建設委員会案と。
  51. 小林忠雄

    ○小林説明員 実はこのページは落ちておりまして、あとから追加いたしましたので、それを添付してお配りしたつもりでございますが、あるいは一ページ落ちておるかもしれません。落ちていれば失礼いたしましたが、もう一枚入っておるわけであります。
  52. 山中吾郎

    山中(吾)委員 御意見を聞いておるのではなくて、今は事実だけ、実際の経過を聞いておるのです。東京都の中に首都建設委員会ができて、その中における計画として、九十六ページの案が書かれておるわけです。それで、整備委員会の方の整備計画というのは、三ページの3、「路線の選定」というところに「本路線の選定に当っては、用地確保の難易を考慮して、河川、運河、広幅員」云々という原則的なことだけが記されておって、整備委員会は、そういう具体的計画まで立てるところでないようになっておる。そこのところに、私は御説明が実際と合っていないと思うので、御質問しておるのですが、そうでありませんか。
  53. 美馬郁夫

    ○美馬政府委員 首都圏整備委員会と申しますのは、首都圏整備法に基きまして、首都閥の公共施設、たとえば道路、河川、その他いろいろございますが、こういう問題について基本計画を立てて、関係各省大臣に勧告する、こういうのが首都圏整備委員会でございまして、この勧告に基いて、建設大臣は、これに当面する街路なら街路の問題についてやっていくという体制になっております。建設大臣がやっていく場合におきまして、東京都内の問題であれば、これを建設大臣が、東京都市計画審議会に付議いたしまして、そこでいろいろ案を討議して検討してきめていく、こういうふうな建前になっておりまして、これは、決して三者の間に矛盾した案でもございませんし、法の建前がそういうふうになっておるのでございます。
  54. 山中吾郎

    山中(吾)委員 その建前を聞いておるのではなしに、整備計画という全体の計画があって、その中の高速度道路計画という具体的な路線決定までは、整備委員会でしていないで、建設大臣が計画を立てて、公団に指示をされておるように書いてあるから、整備委員会の整備計画で路線を決定しているのではないのではないか。この問題について、一般的なあり方でなしに……。
  55. 美馬郁夫

    ○美馬政府委員 誤解があるようでございますが、この二ページの既成市街地における都市高速道路整備計画、これは、そこに方針とか要領とか、いろいろ抽象的な方針がありまして、その添付資料として、具体的な計画まで首都圏できめております。この二ページの方には、それが落ちておりますが、資料のミスでありまして、具体的には、こういう一般論のほかに、どういう路線をやりなさいという具体的な路線の勧告まであるわけでございます。
  56. 山中吾郎

    山中(吾)委員 何か抜けておって、今見ますとくっついておるようですから、わかりました。  あと少し法案の内容で、具体的なことですが、私にとっては重要なことで、疑問に思うのでお聞きしたいのですが、前の委員会のときに、大臣に私はちょっとお聞きして、お答えを受けたのですけれども、この公団の管理委員会が、日本道路公団にはないけれども、この公団に管理委員会を置いたという点について、事業計画その他いろいろとむずかしい問題があるので、公正を期するために委員会を置いたという御説明であったわけです。ところがこの構成を見ますと、委員五人で、理事長を含んで管理委員会の構成ができておるわけですが、もしそういう趣旨ならば、役員を除いて管理委員会ができて、初めて任務を果せるのではないかと思うのですが、その点は、どういうお考えでこういう構成を作られたか、お聞きしたい。
  57. 美馬郁夫

    ○美馬政府委員 道路公団との比較論からよく言われますが、管理委員会は、地方公共団体が出資しております住宅公団、あるいは帝都高速度交通営団、こういう例にならいまして、管理委員会という制度を設けたのであります。従ってそういう出資者が、代表していろいろ意見を述べたいというふうな建前の制度でございまして、その構成は五人ということになっております。五人のうちの二人は、地方公共団体の長が推薦した者のうちから任命するというふうにいたしまして、その意見を十分に反映さしていきたいという制度になっております。
  58. 山中吾郎

    山中(吾)委員 そうすると、出資者が役職員を監督するために、理事長を委員会の組織の中に入れて構成されたのですか。
  59. 美馬郁夫

    ○美馬政府委員 理事長をこの委員会へ入れたのは、どういう理由かということでありますが、これは、率直に申しますと、各公団なり営団の例にならって、そう考えておったのでありますが、具体的には、やはり管理委員会理事長が出まして、公団の立場からいろいろ意見の疎通をはかるという趣旨で、公団の理事長を入れておるのだ、こういうふうに解釈いたします。
  60. 山中吾郎

    山中(吾)委員 第十六条に「委員会は、公団の役員又は職員をその会議に出席させて、必要な説明を求めることができる。」という監督的機能をもって委員会ができておるのですね。ところが、役員の代表である理事長が委員会の構成員であって、そういうふうにしておいて十六条では、委員会は、役員、職員を呼んで必要な説明をさせることができるとある。この辺にあいまいもこたるものがあって、私は、こういう委員会がボスの温床になるのだという心配を申し上げたのですが、構成そのものの中に、非常にわけのわからぬものができておると思うのです。そういうふうに出席させることになっている、理事長は、呼ばれて説明をする立場にあるのではないですか。
  61. 美馬郁夫

    ○美馬政府委員 「委員会は、公団の役員又は職員をその会議に出席させて、必要な説明を求めることができる。」ということの私どもの解釈は、理事長は、委員会の方に入っておりますから、当然その立場からいろいろやりまして、それ以外の一般の公団の役員または職員に、問題によりまして委員会に出てもらって、いろいろ説明させる、こういう趣旨だと思います。
  62. 山中吾郎

    山中(吾)委員 それじゃ何の意味もなさないじゃないですか。役員の最高の責任者である理事長を出席させて、あとの副理事長とか理事を呼んで説明をさせる、管理委員会として何の機能を果すのですか。  それからもう一つ申し上げますと、十三条に委員の欠格条項が入っております。「次の各号の一に該当する者は、委員となることができない。」そうして最後に四号で、「公団の役員又は職員」を排除してある。それは、管理委員会の任務を果すためだ、公団の公正を期するためだと思うのですが、ここで排除しておいて、その役員である最高の理事長を今度は委員会の構成員にしておる。非常な矛盾がそこにあるのですが、これはどういうことです。
  63. 美馬郁夫

    ○美馬政府委員 非常にむずかしい御議論でありますが、委員長は、管理委員会委員ではありませんが、管理委員会を円滑に運営する意味におきまして、やはり委員長理事長も管理委員会に入っておりまして、いろいろ管理委員会で、事業計画の問題なりその他付議案について意見が出る場合に、意見を交換して公団の運営を最もよくやっていきたいという趣旨で、これは、法律理事長が入っておるわけでありまして、それ以外の役員または職員につきましては、付議案によりまして、現在各公団がやっておりますが、随次その担当の理事なり職員を出席せしめまして、事情をよく聴取する、理事長だけではなかなかこまかい問題まではわかりませんから、随時役員なり部長を呼んでやっております。こういう趣旨でございまして、非常に委員会が行き過ぎるとか、あるいはまたボス化するということは、私どもが現在の道路公団の運営を見ておりますと、決してその御心配はございません。
  64. 山中吾郎

    山中(吾)委員 理事長が理事長の資格で委員会を構成しているのではなくて、議決権を持って構成されていることになっているでしょう。そういうあいまいなものは作らない方がよい。しかも十六条を見ますと、委員会委員長または委員長を代理する者のほか、委員及び理事長のうち二人以上が出席しなければ、会議を開き、議決をすることができない。そうすると、委員一人と理事長一人おれば、議決してもよい、そんな管理委員会は何のために作るのか、私はわからない。公団の性格について、みないろいろ建設委員会で心配しておるのは、いろいろな情実がそこに入らないためですから、こういう委員会を作ることによって、建設大臣から理事長から、みなずっと責任の分散体系をとって、そして作った管理委員会でちゃんときめたとしても、管理委員会委員となってはならないという条項がわざわざ書いてあるのですが、役員の最高の者を入れて、議事に参画できるが、議決をすることはできないというならまだよいが、その委員会で最も発言権を持ち、さらに役職員の任期は四年、委員は二年で交代して、その委員会を構成する理事長が四年ですから、理事長の思う通りになるでしょう。そんなロボット的な管理委員会をなぜ作ったか。私は、どこからつっついていってもおかしな構成だと思うのです。いかがですか。
  65. 美馬郁夫

    ○美馬政府委員 管理委員会につきましては、非常に悲観すべき面の見方ばかりが強調されておるのでありますが、私どもこの法律の建前によりまして、これは、あくまでも建設大臣及び公団の理事長及び執行機関を通じてやる建前になっております。管理委員会は、それらの公団にまかせられた問題の中で、限られた問題についていろいろ議決をするという建前になっておりまして、その点は、今後の運営によりまして、決して御心配のような点は、私どもはあり得ないというふうに考えております。
  66. 山中吾郎

    山中(吾)委員 そこで、理事長にはどなたを予定しておるのか、委員にはどなたを予定しておるのかということをほんとうは聞かないと、私は、公団法に対してすっきりと賛成できない。局長の御答弁は、私は少しも答弁になっていないと思うのです。ほんとうは、論理的に合わないのです。そこで、この法案自身がすっきりしていない法案で、これは、むしろこの委員会修正をするようなことは権威にかかわるのですか。私は、公団を作ることに絶対反対だという論議じゃないのです。この公団というものを、最もすっきりしたよいものにするためですから、こういうものは、自民党の委員の人でも、すっきりとここで直すような、そういう善意がなければならぬと私は思う。  それから、私はなぜ申し上げますかというと、管理委員会の性格は、完全なる合議体になっておるわけです。委員一人々々に何の権限もない。かりに委員会を構成するということによって、管理の権限をここに持ってきている。従って、理事長もここに入るということは、委員会の構成員として入るわけですから、役職員は委員として資格がない。欠格条件に、公団の役職員は委員になってはならないと書いておって、その理事長を委員会の構成員に入れておるということは、十三条と十条というものは、初めから支離滅裂、合わないんじゃないか。法律的には成り立たない。これは直さなくちゃいけない。
  67. 美馬郁夫

    ○美馬政府委員 これはいろいろ前提がありまして、管理委員会が非常に全権を持つじゃないかというふうな御懸念から、いろいろ議論が出ておりますが、この法律の体系をずっと読んでおりますと、決してそういう管理委員会ではございません。これは、建設大臣理事長、すべてがこの運営につきまして責任を持つ体制になっておりまして、管理委員会は、もちろん諮問機関ではございません。議決機関にはなっておりますが、その公団の基本的な問題について議決をやっていくという形をとっておりまして、ただいま御指摘の条文についても、私どもは、これは法制局とも十分打ち合せておりますし、構成については、全然矛盾がない、こういうふうに考えておるわけでございます。役員等の問題につきましては、ただいま御意見がありましたが、まだ全然そういうことは私ども聞いておりません。
  68. 山中吾郎

    山中(吾)委員 それは、私了解して質問を打ち切りますが、なおよくその点を皆さんの中で論議をして、あとでなお聞かしていただきたいと思います。それから参考にお聞きしますが、委員の欠格事項の中に、委員となることができないという中に、「国会議員若しくは地方公共団体の議会の議員」が書いてありますが、日本道路公団というような全国にわたる場合においては、国会議員というものはあらゆる利害関係があるので、何ですが、東京都を対象とした道路公団の場合には、東京都選出以外の国会議員というものは、利害関係は何もない。それを不適格だと書く根拠は、一体どこにありますか。
  69. 美馬郁夫

    ○美馬政府委員 この委員の欠格条項に、「国会議員若しくは地方公共団体の議会の議員又は政党の役員」というのが入っておりますのは、これは、普通、公団はこういう形をおおむねとっておりまして、その例文でございます。
  70. 山中吾郎

    山中(吾)委員 例文で国会議員を削除するようなことは、とんでもない侮辱だと思うのですが、なぜ国会議員が入ってはいけないのか。国会議員が入れば、この事業が間違って、利害によって政治的に動くからいけないんだというお答えならわかる。ところが、そうならば、東京都選出の国会議員ならば、東京都の都議会議員なら確かにあるのですが、建設委員でもしておって、関係のない人が厳正にするのなら、むしろ入れた方がいいとさえ私は思うので、前例にならってというようなことは、この席上では言えないと思うが、どうですか。
  71. 徳安實藏

    徳安政府委員 ただいま局長がお話し申し上げましたように、一応事務的には、例文でそういうことになったのだとは思いますが、政府の方針で、国会議員等がこういうような団体の役員になることは、適当でないということの基本方針がきまっておるのでありますので、こうなっております。
  72. 中島巖

    ○中島(巖)委員 今、計画局長は前例がないとか、あるいは次官は、そういう方針がきまっておるということですけれども、例の縦貫道審議会は、衆議院で五名、参議院で三名として、ちゃんと国会議員でなければならぬことにきめて構成しておるじゃありませんか、そうでしょう。ところが、これがまたやかましいのです。ほかの連中は黙っているけれども、国会議員はびしびしやっつける。従って、国会議員はやかましいから除外した方がいい。(笑声)こういうことだと思うのですが、あなた方のお考えはどうですか。
  73. 徳安實藏

    徳安政府委員 縦貫道の審議会とこれとは、性格が違うと思います。
  74. 中島巖

    ○中島(巖)委員 違いはしませんよ。縦貫道の法律を見てごらんなさい。第三条で、整備計画、基本計画、全部審議会できめるのです。従って、これは違っておりはしません。この点、いかがですか。
  75. 美馬郁夫

    ○美馬政府委員 私が例文と申しましたのは、こういう公団の委員会でございまして、政府の委員会とか、そういうことではございませんで、公団付属のちょっと格が低いと申しますか、こういう委員会に国会議員は入っておらぬ、こういうことでございます、
  76. 中島巖

    ○中島(巖)委員 しかし、その上の委員会がないわけなんですから。それは別としまして、基本的の問題としまして、そこに建設省六法があると思いますが、首都圏整備法を一つ読んでいただきたいと思います。首都圏整備法は、第一条で「この法律は、首都圏の整備に関する総合的な計画を策定し、その実施を推進することにより、わが国の政治、経済、文化等の中心としてふさわしい首都圏の建設とその秩序ある発展を図ることを目的とする。」この首都圏整備法において、その目的が第一条においてはっきりしておる。その第二条の二項においては、「この法律で「首都圏整備計画」とは、首都圏の建設とその秩序ある発展を図るため必要な首都圏の整備に関する計画をいう。」こういうことで、とにかく東京都だけのことではだめなんだ。首都圏というものを、いわゆる五十キロの円周でもってきめて、そのうちの総合計画を実施せねばいけないのだ、こういうように、法律でもって国の基本方針が決定しているのです。さらにあなたの方からの資料において、一ページの(A)の「首都建設委員会の勧告」というものがあり、さらに二ページにおいて「既成市街地における都市高速道路整備計画」というものを、先ほども話がありましたが、首都圏整備委員会昭和三十三年四月に決定しておるのです。これらの決定を受けて、(C)において、「首都高速道路に関する基本方針」というものは、建設省で昭和三十二年七月三十日に出しておる。この性格はどういう性格かということを1において述べ、2において、路線はどういう路線かということを述べておる。これは、読んだ方がはっきりすると思いますので、簡単なものだから読みますが、路線は「東京都市高速道路の路線は都心部とおおむね環状6号線とを結ぶ放射路とするが、そのうち臨海地帯を通過する路線は京葉道路を受けて都市部に至り羽田空港を経由し、横浜に至るものとし、各路線は一体として、総合的な高速道路網を構成するものとする。」こういうように、首都圏整備委員会並びに建設省としましても、はっきりとうたってある。従って、今首都高速道路公団をこしらえるとすれば、この基本方針によって高速道路網を整備していくのは当然である。そうしますれば、東京都だけの高速道路網をこしらえても、何ら意味がない。さらに、これはくどくなるようでありますが、高速道路というものは、相当の長距離でなければその機能は発揮できぬ。首都圏だけでも、私はまだ不十分だと思う。半径五十キロだけでも、まだ不十分だと思う。いわんや、二キロや三キロのここだけこしらえておっても、問題にならぬ。国の基本方針は、法律でかように意思決定がなされ、建設省の道路計画がこういうようになされて、これが東京都をはずれて、京葉国道から横浜までを、高速道路をこういう線でなければならぬと、こういうようにうたってある。かくのごとく国の方針が決定して、そうして高速道路の性格から考え、あらゆる点から考えまして、これは、首都高速道路公団ではなくして、首都圏高速道路公団に現在直ちに直すべきである、こういうふうに考えるのであります。これは、所要法律改正手続はいろいろ要るだろうと思いますけれども、まだ案として、現在ここで提案されておるのでありますから、法律改正をして訂正をして、また埼玉県から離すとか、神奈川県から離すなんということは、あとの仕事でいいから、少くとも首都圏高速道路公団ということにして出発していただきたい。これは、先ほどから何回か先輩の瀬戸山委員その他の委員の諸君と政府とで話をして、わたり合っておりまして、また堂々めぐりとなると思いますし、時間もありませんので、答弁は要りませんけれども、これは全委員、また政府委員も、腹の中でもっともだと思っている明々白々たる問題であると思いますので、お帰りになって大臣と御相談され、出直していただきたい、こういうことを希望いたします。
  77. 山中吾郎

    山中(吾)委員 時間がないので、きょうはこれで質問を打ち切りますが、疑問の点は、なお御研究を願いたいと思うのです。なおこまかいことですが、日本住宅公団の場合にも、管理委員会がありますね。そのときに、委員の欠格条項に政府の職員というのを入れているわけです。政府の職員が委員にはならない。こちらは抜いておるわけです。それで、建設省の方が管理委員になる予定をされて、抜かれておるのかどうか。日本住宅公団は欠格条項に入れてあるのです。政府の職員は委員となることはない。ここは抜いておる。そういうふうな疑問があります。私は、政府が出資しておるのですから、それでほんとうに管理するのでしたら、やはり政府の代表の者が委員になり、東京都推薦の者二名を建設大臣が任命するのですから、その監視をするという面で、出す必要があると思うのですが、そういうことを十分検討されてお作りになったか。今までのように、ただ前例にならったというだけでは、いろいろな人事その他の問題についても問題があろう。それなら委員は、建設大臣はどういうものを予定しておるのか、あるいは理事長にだれを予定しておるかというところまで突っ込まないと、この法構成そのものの中にあいまいもこたるものがあって、なれ合いの構成になっておるものですから、私はお聞きしておるのですが、きょうはこれで打ち切ります。なおその点、よくすっきりするように御説明願わなければならないし、法律に欠陥があれば欠陥があることにして、あとに禍根を残さぬようにしていただくのが、私は国民に対する責任だと思いますから、大いに御検討願いたいと思います。
  78. 三鍋義三

    ○三鍋委員 ただいまの山中吾郎委員の質疑でありますが、私たちは、そう長く委員等をやっておるのではないのですけれども、どうしてもマンネリズムといいますか、一つの慣行といったものにいつしか溶け込んでしまっておるのであります。今山中委員の御質問を通じて感じますことは、清新な息吹きといいますか、そういった観点から、何ら今までにとらわれない、そういう立場からこれを見られたときに、いろいろと疑問が出てきておることをただしておられると思うのです。こういうことは、私たちは非常にこの法案審議の過程において、尊重していかなければならぬ、こう思うのです。今までの惰性でいくと、まあまあこの辺のところでいいんじゃないかで済んでしまうところを、今ついておられるわけですから、これは、十分当局も慎重に考慮してもらわなければならぬ、こう思うのです。それがために、これをすぐ修正するかどうかという問題は、なお十分に検討しなければならぬと思いますが、この点について、政務次官の心がまえをお聞きしておきたい、こう思うのです。
  79. 徳安實藏

    徳安政府委員 ただいまのお話は、ごもっともでありまして、私どもは、十二分に御審議をいただきたいと考えております。従って、この法の内容につきましては、もちろん不明朗な点がありましたり、矛盾等がありますれば、御指摘願いまして、当該関係者から御答弁申し上げると同時に、なおかつ明快に御答弁できないものがございましたら、これは、その専門家の方に一応ただしまして御答弁するようにいたしたいと考えておりますが、現在の規定におきましては、そう矛盾がないように立案したつもりでございますけれども、私ども専門家ではございませんから、必ずしも法律字句なり、あるいは立て方について万全だという答弁ができないかとも思います。それらにつきましては、十分一つ研究いたしまして御答弁するようにいたします。なお、わかっておることだけはどんどん答弁させていただきますから、事務当局もおりますし、一つ御質問いただきます。  なお役員の問題につきまして、何か不明朗な端々があるとのことでございますが、まだ法案も通っていないわけでありますし、世間ではいろいろ揣摩憶測しておるようでありますが、私も大臣も、そういう問題についてはいささかも心に曇りを持ったような考えはいたしておりませんので、法案が通って設立される段階に至りましたならば、あらためて考慮したいと思っております。決してなれ合いで役員をこしらえて、悪いことをしようというような不心得千万なことは考えておりませんから、これを一つ御了承いただきたいと思います。
  80. 小林忠雄

    ○小林説明員 ただいまの管理委員の欠格条項に、政府職員及び地方公共団体の職員が落ちておりますが、他の法律の例を申し上げますと、現在ございます各種公団の中で、政府と地方公共団体が共同出資いたしておりますものは、日本住宅公団と帝都高速度交通営団、この二つであります。従いまして、管理委員会が置かれておりますのも、日本住宅公団法及び帝都高速度交通営団法の二つであります。その例を見ますと、帝都高速度交通営団法におきましては、その第十四条の六、第三号におきまして、「政府職員又は地方公共団体ノ職員ニシテ審議会其ノ他之二準ズルモノノ構成員タル非常勤ノ者以外ノモノ」すなわち常勤の政府職員及び地方公共団体の職員が、すべて欠格条項に該当するように規定されております。それから日本住宅公団法におきましては、第十五条の第一号におきまして、「政府職員(人事院が指定する非常勤の者を除く。)」とありまして、常勤の政府職員を欠格条項にいたしております。現実には、住宅公団の管理委員のうち、地方公共団体の常勤の職員といたしまして、大阪府知事及び東京都の副知事が管理委員に入っております。これは、出資をいたしております出資者の立場を代表するものといたしまして、常勤の公共団体の理事者が入るのが適当であるという趣旨で、さように立法をされております。この公団におきましては、同じ出資者という立場からいたしまして、公共団体の常勤職員のみ委員にいたしまして、政府職員がなれないということは不均衡でございますので、これも欠格条項にいたさなかったわけであります。ただ第二十二条の第二号におきましては、役員につきましては、国家公務員及び地方公共団体の長もしくは常勤の職員を欠格条項にしております。
  81. 二階堂進

    ○二階堂委員長代理 武藤武雄君。
  82. 武藤武雄

    ○武藤委員 最初に、くどいようですけれども、次からずっと質問していくのに関連がありますから、先ほど山中委員が質疑をいたしましたように、新しい公団の運営に対して非常に重要な、実際運営と管理の立場双方に大きな権限を使う立場にある理事長を、建設大臣が任命をするということになっておるわけであります。先ほど次官の御答弁ですと、今は考えていない、その法律が通ったら一つ考えましょうということですが、これは、大へん危ない答弁なんです。あのときは考えてなかったが、あとから考えたという理由がつくわけであります。この際私は、われわれがこの法案に賛成するか反対するかわかりませんが、採決する前に、一つ任命する責任者である大臣の方から、今だいぶうわさになっているのです、これは、われわれたくさんうわさを聞くのですけれども、今名前を出して悪ければ、速記から省いてもらっていいのですが、安井理事長という声が出ておるということが、非常にうわさされておる。しかも先ほどから、首都圏高速道路公団であれば非常にすっきりするのだけれども、ことごとく東京都の性格を持った公団でなければならないということに執着をしておられる。そういうことから考えると、どうもうわさが、単なる煙ではないような気がするのであります。ですから、それは考えてないならば考えていないということを、一つ採決する前に、建設大臣から明確に委員会で所信を明らかにしておいていただきたい。これは、まず冒頭にお願いしておきます。  そういう前提に立って考えてみますると、今度の新高速道路公団の果す役割の中で、われわれがどうしてもまだ納得ができないのは、数寄屋橋にできておりまする東京高速道路株式会社、これについてきのうも、大体これは会社にやらせるのだ。会社の方もやるのだということを言っておるようでございますけれども、これはまた聞きでありますから、私間違っておればあやまりますけれども、何か徳安次官は、その事業は会社にやらせるのだけれども、資金の方は、これは新しい公団が出さずばなるまいというようなことを漏らしたという話があるのでありまして、それはとんでもないことなんで、その点を一つお聞きいたします。
  83. 徳安實藏

    徳安政府委員 えらいとんでもないうわさが飛ぶものでして、まことにそれは、私ども迷惑いたしますが、最初にお話しになりました公団の理事長の問題にいたしましても、安井さんの名前がちょっと出ましたが、おそらくそんなことは荒唐無稽のことだろうと思いますし、かりに衆議院で通りましても、本案の成立には、参議院の可決も必要でございますから、一方の院議だけできまりましても、一方がきまらない先に人の名前などが浮び出るはずもございませんし、またいかに大臣でも総理大臣でも、たとい腹に何ということを考えておりましても、できるはずはないと思います。ですから、これは法案が成立いたしまして、設立委員会でもできましたら、いずれそのときに御相談をする時期がこようと思いますけれども、明日でも大臣が出ますれば、そうした点についてははっきりしたお話ができると思いますが、これは全くのデマでございまして、私どもはいまだかつて、大臣もそうした話をしたこともございませんし、大臣もただいま白紙であることは、しばしば私どもに話しておりますから、どうぞ御懸念のないようにお願いいたしたいと思います。  それからただいまの数寄屋橋のあの高速道路会社の問題でございますが、これも全くのデマでございまして、さような事実はございません。あくまでもこれは会社の責任において、ガラス張りで、今度は世間から誤解を受けないような建設をなすべきだということを、私どもは強調しまして、先般本委員会理事会の申し合せ等もございますので、私が都の関係者も呼び、都の関係者が会社側も呼びまして、話ではいけない、こういうことは、もし政府において誤解があったり、また皆さんにうそをりついたりなんということがあってはいけないから、公文書で返事をしてくれということで、昨日御答弁申し上げましたような公文書をとりまして、それによって御答弁申し上げておるわけでございますから、その点には、一切疑う余地がありませんので、どうぞ誤解のないように、すなおな気持で私どもの気持をおくみ取りいただきたいと思います。
  84. 武藤武雄

    ○武藤委員 大臣がその趣旨を話されるそうですから、了解いたします。そうしますと、今の次官の御説明で、完全に納得いたしました。ただ納得したということになると、やはり納得した場合の対策があるわけでありまして、結局そういうことで、大臣が明確に話されたように、またきのう高速道路会社の社長が話しましたように、会社の方でやるということであれば、なおかつその疑惑を明確にするために、どうですか、今度かりにこの法案が通って、首都高速道路公団が発足した場合は、その実施計画の八路線の中のあの部分だけは、一つ明確に計画からはずしておく、こうすればなおかつ明確なんです。将来疑惑は一切ないわけですから、一つあの点だけは、別個に公団としてははずしておく、どういうふうにするかは別として、はずしておくということで、明確にしておいてもらいたいと思います。
  85. 徳安實藏

    徳安政府委員 完全にはずしてございます。
  86. 武藤武雄

    ○武藤委員 昭和通までですよ。あの間は、はずしてございますか。
  87. 徳安實藏

    徳安政府委員 はずしてございます。
  88. 石川次夫

    ○石川委員 関連して。次官の答弁を疑うわけではないが、念には念を入れて伺いたい。と申しますことは、向うから公文書でもって確かに取りつけておる。八路線を向うの責任においてやるという答弁があって、信頼をしてよろしいわけでありますけれども、そうなると、東京都知事に対して事業計画の変更をやらなければいかぬと思います。それから占用埋立地の使用許可、そういったものについても、完全にやらせるという約束があるかどうかということを、一応伺いたいと思います。
  89. 徳安實藏

    徳安政府委員 お説の通りに、完全な了解をさせてございまして、向うの方ですみやかにその処置をとるということを約束させてございますから、万間違いはないと思います。
  90. 石川次夫

    ○石川委員 さらにまた、非常にくどいようでありますけれども、実はあれは、株式会社という営利会社ですね。そうしますと、株式会社の社長が大臣に対して、事業計画を変更いたします、占用埋立地の使用許可をやりますと契約したとしても、すべてを決定する権限は、社長個人にはないわけです。株式会社ですから、株主総会というものがあって、株主総会の決定には、社長といえども従わなければならぬ。その決定に対しては、大臣といえどもくつがえすことは不可能です。法律的に言っても不可能なわけです。その場合の措置は、一体どこまで考えておられるのか。そうなった場合には、どうにも方法がないじゃないかという感じがするわけでありますが、念のために伺います。
  91. 徳安實藏

    徳安政府委員 速急な場合でありましたから、株主総会を開いて決議をとるわけには参りませんでしたけれども、重役会を開きまして、満場一致で都の方の申し入れを受け入れたそうでございます。なお今未完成になっておるこの部分につきましては、私もちょうどあの付近に住んでおりまして、前から関心を持っておるわけでありますが、東京都があの路線について、今の会社に許可いたしますということについて、あの会社が非常に疑惑の中心になっておるものでありますから、そこで、会社は希望しておりましても、都側で、そういう疑惑に包まれておるのに、このまま約束してはいかぬという考え方から、競願もありまして、実はちゅうちょしておったというのが、現実の姿のようでございます。幸いにして委員会等におかれましても、この会社にやらしていい、やらすべきだという御議論が圧倒的に多数でございますので、私どももその意思を伝えて、そこで都の方でも踏み切って、これまで競願が出ておりますのを下げて、そしてその方にやらせるという決意をしておるわけでございまして、そうした情勢を判断いたしますれば、おそらくは、重役会で決定したことでもございますし、これまでもやりたいという申し入れを受けておる事実もございますから、まさか途中で意思を曲げるようなことは、万あるまいと考えております。
  92. 石川次夫

    ○石川委員 非常に明確になって参って、非常にうれしいと思いますが、念のために、蛇足ではございますけれども、計画局長は、先ほどから首都高速道路公団に対する計画路線として、八路線という言葉を再々使っておられる。今後は七路線という言葉で、ぜひ呼び方を変えてもらいたい。そうしないと、八路線ということを言いますと、まだこの第八号線に対しては、それがあるような印象を受けますので、念のために申し上げておきます。
  93. 美馬郁夫

    ○美馬政府委員 私ども八路線と申しますのは、昭和通までに公団の路線として取りつける路線が両方走っておりますから、これを八路線と言っているわけでございます。御了承を願います。
  94. 武藤武雄

    ○武藤委員 それで、先ほどの首都圏という圏にこだわるわけじゃないのですけれども、やはりわれわれは、どうも最近の傾向として、うまい道を見つけると公団を作って、役員をたくさん作って、人件費なり事務費なりをたくさん使う機関を作りたがる傾向がある。そういう意味で、東京都を中心とした道路公団というものができると、この次は、大阪だとか神戸だとかと作ってくる心配があるのです。それで、首都圏ということであれば、これは、日本に二つも三つも首都圏はないので、事業の内容も非常に大きくなってくる。そういう非常に建設的な意義もあるので、首都圏にこだわっておるのですけれども、大臣がいないのは、はなはだなにですけれども、次官、どうですか、そういう考えはありませんか。将来、またあっちにもこっちにもどしどし作ってくるなんというような……。
  95. 徳安實藏

    徳安政府委員 先ほどから御答弁申し上げましたように、東京都が首都でありますがために、特別な処置を講じてあるわけでございまして、他の方の都市にこうした例を持っていこうという考え方は、持っておりません。
  96. 武藤武雄

    ○武藤委員 わかりました。  次に、数寄屋橋の問題とからんで、路下の利用が問題になったのですけれども、質問をいたしますと、道路局長あたりは、それは建設省の周知せざるところだということで、大へん助け舟を出されるわけですけれども、今度新しい首都高速道路公団ができまして、今のところ八本の路線を考えておるようですけれども、その下に、やはりいろいろの利用の問題が出てくると思うのであります。この間は公共的立場で使う以外は、大体道路を作ることによっていわゆる疎開をさせられる人を収容するということも、決定していると言われておったようでありますけれども、なかなか実際には、そうはうまくいかないのでありまして、またある委員の中には、利用してもよいじゃないかという議論も強かったようであります。例の国鉄の省線なんかの下の利用に関しては、たびたび新聞やあるいはその他の週刊誌等において指摘をされておるように、これをめぐって悪質なブローカー等が介在をして、しかもそれが、国鉄の旧職員、高級職員なんかが入ったりなんかということがよく報道されるのですけれども、そういうことが、今度の場合にもないとは断言できないのであります。従いまして、そういうことをやったのでは、これからこういう計画をする場合に、ますます市民や付近の人の疑惑を買うばかりで、不明朗になってくると思いますので、そういうことに対する監督というものはこの場合には明確にして、そういう疑惑を起さないように、そういう路下の利用は、建設省としては仕方がないのだということが今後はないように、これに対する相当明確な監督のことを考えていかなければならぬと思う。そういうことに対して、どういうお考えでおられるか。
  97. 徳安實藏

    徳安政府委員 御心配は、ごもっともだと思います。実は数寄屋橋の問題につきましては、残念ながら私ども建設省自身に、それを阻止したり、あるいはまた変更を命じたりするような、道路関係にはございますが、その下の使用については、私どもに権限がなかったというような点もございまして、いろいろな世間のうわさも聞きながら、手の下しようがなかったわけであります。これは、特に東京都と会社側の契約に基いてやったことでありまして、私どもにはその権限がなかったということで、いろいろな疑惑を生みながらも、一次的に私どもが発動して調査して参れぬような状態でありました。ところが今度の公団は、御承知のように、建設大臣が全部監督することになっておりますし、また監理官も建設省の中に置きまして、そうしたことにつきましては、十二分に監督することになっておりますから、国会の皆様の御趣旨に反対するようなことは、おそらくあるはずもございません。もし、かようなことが一度でもございましたら、もちろんこれは当然この委員会等においても、もう権利としてお呼び出し願って、十二分におしかりを受けることは当りまえのことでございますから、さようなことは、行政官庁の長としても耐え忍ふところではございませんから、十二分に御趣旨を体しまして厳重な監督をして、そういうことのないように努力をいたします。
  98. 武藤武雄

    ○武藤委員 それと、もう一つの問題は、今度の八路線の計画の中にも、また築地川等の水面利用の道路も入っておるようでありますが、東京都内にあります川も、あるいは排水、あるいは不時の洪水というようないろいろな場合があって、そういう必要があって作ったものだと思うのであります。今度の新しい計画によりますと、川は川として流す、そしてまん中に道路だけ作っていくのだという御説明があったようですけれども、数寄屋橋の場合も、初めはそういうことで始まったのだけれども、途中で何か計画上、交通量のことを考えると、九メートルでは狭いから十五メートルにしろ、そうすると、結局余裕がないので、埋め立てざるを得なかったというような答弁がされておるのであります。それが埋め立てた唯一の足がかりにされておるようでありますけれども、また新しい工事をやる場合に、実際に設計をしてやってみたけれども、どうもうまくない。だから、やはり埋めてしまった方がいいというようなことで、簡単にそういうことをやらないとは保証できない。今度は首都高速道路公団という立場で、建設省の直接発言が入るから大丈夫だというふうに、あるいは逃げられるかもしれませんけれども、一つそういうことのないように、それからまた、今の東京都内のこの広大な状態から見て、河川をそういうふうにした場合の排水対策、特に予想し得ないような台風、洪水等があった場合に、とんでもないことになるので、特に数寄屋橋の例などを見ても、二十二号台風で、日比谷交差点付近でも、一時は一メートル近くも道路が水で埋まったということを聞いておるのでありますけれども、多分にあれを埋め立てたことに関係があるのではないかという疑問を抱かざるを得ないわけです。ですから、そういう排水計画、不時の洪水という場合に、十分心配のないように計画されておるのかどうかということを一つ聞きたい。
  99. 徳安實藏

    徳安政府委員 先ほど来、あの数寄屋橋の問題を中心としての御不安、私どもごもっともだと思います。あの場合におきまして、都議会の承認を得て、都知事が契約をしたというのとは今度は違いまして、建設大臣みずから監督をし、そうしてまた、基本的な計画の変更につきましては、建設大臣の認可を受けなければできぬことになっておりますから、従って、この委員会の皆さん方の強い御要諸等に対しまして、これに目をおおうて、計画変更などに、将来の大臣におきましても、調印するはずはないと思います。そういう点は、御信任をしていただきたいと思います。  また、河川等に対する治水の影響はどうかということでございますが、これも、今の私どもの方に示されております計画では、断じて不安のないようにするということを申しておるようでございますが、詳細なことは、計画局長から御説明いたします。
  100. 美馬郁夫

    ○美馬政府委員 この計画によりまして、川の上を走る地域が、全般として約三割近くございます。こういう川の上を走る場合におきましては、東京都内の河川が、ある程度治水河川の役目を持っている場合が多いのでございまして、こういう場合におきましては河積には全然影響しないように——河積を狭めますと、洪水の危険性がございますから、現在の河積は全然触れないように、特にそのために経費はよけいかかりますが、これは忍びまして、上に建てて、水が多少あふれてもいいというようにしてやっておりますし、その他、これはほんとうに一部分でございますが、どうしても部分的には埋め立てなければならぬ場所もございますが、そういう場所につきましては、先般東京都内に相当雨が降って、水が出ましたが、こういう場合の調査資料をよく調査いたしまして、この場合に降った雨の量等も計算いたしまして、これを上回っても大丈夫だというふうな排水の設計をいたすことにしておりまして、この点につきましては、私どもも将来十分気をつけていきたい、こういうふうに考えております。
  101. 武藤武雄

    ○武藤委員 時間がないようですから、私はこれで終りますけれども、私は道路政策の基本について、大臣がおられないのですけれども、次官に一つ所信をお聞きしたいのであります。首都高速道路公団が、どうしても集中する東京都の交通を何らかの形で緩和しなければならぬという焦眉の急に迫られて、やらざるを得ない、これはよくわかります。今の東京の内部を見ていると、よくわかりますけれども、しかし、どうも日本の道路問題が、ややもすると都市中心になりがちである。たとえば今東京都が、非常な自動車の洪水に悩んでおるというけれども、自動車の洪水になっておるその内容はどうかといえば、どうも日本人というのは、ちょっと工合がよくなってくるとまねをしたいのでありまして、自家用車族が非常に急速に増大したことが、この東京都の交通の極端にひどくなった最大の原因だと思うのです。そういうことを考えてみると、そういうものを中心とした考え方で、交通緩和いうことに莫大な金が投入される。そして一面においては、今度の道路五カ年計画を見てみまして、かりに一つ私は、この四号国道の例をとってみても、おそらく私の今見る範囲では、東京から福島県の久之浜までは、五カ年間に完全な舗装が完了すると思うのです。これは完全に完了すると思います。これは、一ぺんも土の上を歩かない道路ができると思います。しかし、それから翻って仙台まではどうかということを考えてみると、それから先の改良工事だけでも九十五億かかる。舗装をしますと、おそらく百四十億くらいかかるのじゃないかと思う。これは、今の予算のとり方から見ていっても、五カ年間でやれるなんというのは、ほんのわずかのものだと思うのです。そうしますと、結局都会から離れた方に参りますと、単に交通量が少いということだけの面を見て、道路整備というものは非常におくらされている。ところが逆に、今言ったように、自家用車がたくさんふえてきて、それによって相当の洪水になったというので、都市では莫大な金が投入される。そして一方の方は、ますます工事がおくらされていくということでは、これはやはり国として、そういう都市重点の道路政策であってはいけない。東京の交通の状態が急速にこうなったという原因も、やはり人口の集中化に対する政府の施策というものが的確でなかったから、こういうことになった。あるいはそういった自動車のはんらんに対する内容というものを、的確につかんで対策を立てなかったところから、こういう状態にきておると思うのです。そういうことを考えた場合に、私は今度の道路五カ年計画で、一応これはわれわれがどうしようと、今度の国会は通ると思うのでありますから、予算はそのまま実行されていくと思うのでありますけれども、そうしますと、結局あとに残ったこの地方的な道路というものが置いてけぼりにされる。これは今言ったように、五カ年計画では十分にできないのですから、全部置いてけぼりにされる。そういうことでありましては、これは道路政策という名をなさないのでありまして、偏重をした道路政策であります。従いまして、この点政府は、五カ年計画ででき得ない都心から離れる道路に対しては、やはり今後積極的な継続した道路政策というものを考えていかなければならぬと思うのですけれども、所信を一つ聞いておきたい。
  102. 徳安實藏

    徳安政府委員 自動車のはんらん、あるいは自動車に関する交通関係、あるいは製造、日本の全体の交通政策、あるいは自動車の需給関係等につきましては、これは少し問題が大き過ぎまして、総理大臣か国務大臣でなければ御答弁できないかと思いますが、運輸省並びに通産省等との関係もございますので、こうした問題については、私が答弁することは不可能だと思います。しかしいずれにいたしましても建設省としましては、現在交通事情の非常に逼迫しております情勢に応ずるための対策を立てることに専念しておるわけでございますが、ただいまお話しのように、私も地方出身でございまして、中央中心の道路政策というものに対しては、もし過去において誤まった点がございますれば、これを是正せねばならぬと思っております。  それから東京都のごときにおきましても、ひとり国の方の施策、国の方の資金を入れるばかりでなしに、公共団体からも応分の出資をいたさせまして特別な立法をしておるわけでございますが、地方の方の国道等につきましても、ただいまお話しのように、五カ年たってもあるいは相当な数が未改良のままで、未舗装のままでほったらかしになるのではないかという御意見も、私どもも非常に心配いたしておる点でございます。ただ今の計画によりますと、五カ年で大体七五%くらいは、一級国道だけは舗装までもできるという案を立てまして推進しておるわけでございますが、ただいまの年度割の配分によりますと、まだ十年も二十年もかかるのではないかという御疑念が生ずることは、無理がないと思います。しかし建設省の方の基本的な考え方、予算の配分等から勘案いたしまして、もうすでにある県のごときは、一級国道は完成に近づきまして、これまで相当大きな金額がいっておりましたところが、いかなくてもいいという事態がもうここ近いうちにある県もございます。そういうところに振り向けられたものが、今度は地方の手をつけなかったところに相当大幅に年を追うて導入されて参りますから、計画通りには参らぬといたしましても、やはり山陰の方でありますとか、東北の方につきましても、相当の金額が三十四年、三十五年、三十六年——(「九州は」と呼ぶ者あり)九州ももちろんです。北海道もそうでしょう。そういう方面に伸びると思います。これは、一つ皆さんと相協力いたしまして、ひとり都市中心の政策ではなくて、地方のあまねく辺土の地域にも道路行政が普遍的に参りますように私ども専念いたしたいと思いますから、この上とも御協力いただきたいと思います。
  103. 塚本三郎

    ○塚本委員 後日にしようと思っておりましたが、きょうでもう終りだということでありますので、関連してお伺いしたいと思います。きょうの皆さん方の質疑を聞いておりまして、やはりこの法律内容は、非常に一貫していないということで、もっとこれを具体的にお聞きしたいと思いますが、第一条の目的の中に、「東京都の区の存する区域及びその周辺の地域」こういうふうに出ておりますが、この周辺の地域というのは、立案者の方では、大体どことどこを予定しておいでになるのか、これを承わりたい。
  104. 美馬郁夫

    ○美馬政府委員 東京都の区の存する区域は、二十三区でございますが、その周辺の地域と申しますのは、その条文の最後の方にあります「首都の機能の維持及び増進に資する」ということでしぼっておりまして、現実の問題としては、首都圏整備計画でやっておりますいわゆる既成市街地区域でございます。首都圏整備計画で、首都圏内の計画としては、いわゆる既成市街地区域という区域があります。これは、東京都を中心として人口が非常に連檐した地域でございますが、具体的に申しますと品川方面、横浜までは既成市街地区域になっております。それから北の方で申しますと川口。それから中央線は三鷹、武蔵野が既成市街地でございます。一応ここを目標にいたしまして「その周辺の地域」というふうに私どもは今のところは想定しております。
  105. 塚本三郎

    ○塚本委員 そういたしますと、十一条に出て参ります「委員建設大臣が任命する。」こういうことで、「前項の委員のうち二人は、公団に出資した地方公共団体の長が(公団に出資した地方公共団体が二以上あるときは、」ということは、たとえば神奈川県であるとか、あるいは埼玉県であるとか、こういうものも当然構想の中に入っておるというふうに解釈していいものなのかどうか。
  106. 徳安實藏

    徳安政府委員 法律的にはお説の通りでございます。現実の問題として、今の計画には、これが東京都だけに今なっておるということでございまして、法の精神からいいますと、川崎も入りますし、あるいはそのほかの今申し上げました既成市街地ということを想定しておりますから、その間にありまする地方公共団体は、この中に含まれるわけでございます。
  107. 塚本三郎

    ○塚本委員 何かおかしくなってきました。東京都々片々ということで、その首都圏ということに対しては、今の場合は考えておらないというふうなことであくまで話を進めておいでになったようですが、この話を聞いて参りますと、当然首都圏ということでなければおかしい。今の事業計画としては、これはもちろん東京都だけに限定しておりますけれども、しかし地域を限定する法律としては、首都圏まででき得るようになっておると見るのですけれども、その点、どうでしょうか。
  108. 美馬郁夫

    ○美馬政府委員 誤解があるようでございますが、首都圏の勧告が高速道路についてありましたが、あれは八路線の勧告でありまして、その勧告におきましても、現在私どもの方で考えておる勧告以上のものは、羽田までが横浜までに延びるだけのことでございます。従って首都圏全般の高速道路は、勧告いたしておりません。また具体的には現在なっておりません。ただ首都圏で現在きまっておりますのは、一号線が羽田までではなくて、横浜まで延びる計画にしております。ですからこの趣旨は、この法律にありますように、二十三区及びその周辺の地域というところで十分読まれていきまして、もし横浜まで延ばす場合におきましては、これは、近い将来に可能性があるかと思いますが、法律におきまして「地方公共団体の長」こういうふうにはっきりいたしておきませんと、これを東京都というふうにしぼっておきますと、そこにすぐに問題が出てきます。首都圏整備計画におきましても、具体的に横浜までは問題が出てきておりますから、それとの関連におきまして、こういう体制をとったわけでございます。
  109. 塚本三郎

    ○塚本委員 先ほど山中委員から、これは、どう考えても東京都ということに限定する公団であって、首都圏関係の地域を含むということに対しては、もしそういうような交通難緩和のための公団を予想する場合においては、この法律の中では、全くこれはできないことだという意見に対して、当局の方では、あいまいな御答弁がありましたが、これは法律改正するだけで、首都圏の高速道路公団ということにでき得るという見通しを持っておると理解してよろしゅうございますか。
  110. 美馬郁夫

    ○美馬政府委員 これは、法律の第一条の目的が、東京都の区の存する区域とその周辺、しかも「首都の機能の維持」ということで結んでおりますから、あくまでもこれに限定した、首都のために設けるという建前になっております。従って将来、首都を中心として考えるのじゃなくして、現在の首都圏の範囲は半径百キロになっております、この百キロまで延ばすというふうな事態が起りました場合には、これはすでにこの目的ではやっていくわけには参りません。そのときには、これはそのときの事情によると思いますが、法律改正するのか、あるいはまた別な組織にやらすのか、この第一条の目的ではおそらくやっていけないだろう、こういうふうに考えております。
  111. 塚本三郎

    ○塚本委員 そうしますと、その点、まだ当局においても、第一条の法改正をすることによってできるか、また別個のものを作らなければならないかということについては、現在の首都圏の交通難緩和を実現するためにはどういうふうにするのかということについては、いまだ見通しは立たない、こういうことで、法律改正してそのままでできるということで、はっきりと当局の方では腹をきめておいでになるわけじゃないのですね。
  112. 徳安實藏

    徳安政府委員 先ほどからお答え申し上げますように、ただいまのところでは、この法律によってこの八路線をやりたいという計画でやっておるわけでありますが、将来あるいは五年先になりますか、八年先になりますか、そしたときにおいて、もっと周辺という字を非常に狭く解釈して——もっと広く解釈するためには、この第一条ではいけないという事態になりますれば、私どもの考えでは、今のところは、そういう質問に答えては、この第一条を改正すべきではないか、かように考えておりますが、先ほどお話しのように、これは根本的に改正をして、他にかわるべきものをこしらえなければならないんだというお説もあるようでございますから、そういうことを想定しては、実はまだ省内で意見を一致さしておるわけでもございませんので、先ほどの御質問に対して私の考え方を申し上げた次第でございますけれども、これは一つ法律の専門家に聞きまして、誤まりのない御答弁を後ほどさしていただくようにいたしますから、それで御了承を願いたいと思います。
  113. 塚本三郎

    ○塚本委員 この問題は、次会に御答弁をいただくことにいたしまして、次に人事の問題になりますが、役員の任命は、建設大臣が任命することになっておりまして、それからあとの方に恩給とか、そういうふうな規定があったと思いますが、そういたしますと、下級といいますか、一般職員の人事交流は、建設省との間にあるというふうに予想せられて、こういうものができたのですが、その点はどうですか。
  114. 徳安實藏

    徳安政府委員 その通りでございます。
  115. 塚本三郎

    ○塚本委員 幹部の方は、そういう点、他の公団を見てみると、一度出たら出っぱなしというふうな状態のように見受けるのですけれども、この公団においても、やはりそんなような状態が——幹部も人事交流なさるつもりか、この点、どうでございましょうか。
  116. 徳安實藏

    徳安政府委員 役員として一たん出ました者を、取り返している例はございませんけれども、普通の職員としましては、やはり本人の希望なり役所の関係によりまして、話し合ってまた本省に返して、それぞれの職務に当らせておる例はたくさんございます。
  117. 塚本三郎

    ○塚本委員 蒸し返しになりますが、今日、日本に存在いたします公団なりあるいは公社というものに一たん出たら、もうこれで終りなんだ、そういうところに、いわゆる仕事に対する活発性といいますか、清新はつらつたるものがあらゆる公団を見てみるときにないわけです。特に新聞紙上におきましても、公団というのは役人の墓場なんだ、こういうことはいやというほど聞かされておることは、当局も御承知だと思います。せっかくこういう機能を真剣になってお考えになるとするならば、しかしそれが終着駅だということになると、御身大切ということに首脳部の人たちがなってしまいやしないか。この点、もっと清新はつらつとした、そしてまた戻ってきて建設省の中でいろいろなことをやれる、あるいはまたよそへもかわっていかれるのだ、こういうふうな形で、うんと手腕を発揮して、他に認められて、そしてまたより大きな仕事をなさるというふうな形にして、公団の幹部の方々も、終着駅というような考え方をこの際払拭することが、事業をうんともっとりっぱにし、もっと生き生きとさせるゆえんではなかろうか、こういうふうに考えております。あらゆる公団が、今日そこがもうしまいであり、悪く言うならば、墓場である、こういうふうなことを世上でいわれておりますが、この点、今度の公団も、同じような例の中に追い込んでしまいたくないと思いますが、次官の御所見を承わりたいと思います。
  118. 徳安實藏

    徳安政府委員 御説ごもっともでございます。私どももそう思っておりまして、今後の人事につきましては、必ずそういう方針でいきたいと思います。  ただ、非常に困難な問題は、私は今度の数寄屋橋の問題でも考えたわけなんですが、東京都というものは、一種特別な性格を持っておりまして、建設省との人事交流等につきましても、ほかの地方の県庁と違いまして、なかなか行き来ができない。私は入りまして驚いたのであります。従って、これまでは建設省の意思というものが通わないのです。それで、先般も知事に会いまして、とにかくこういう形ではいけないから、やはり建設行政に対しましては、建設省と都と血が通うようにしなければいけない。今度のああした問題が起りましたのも、全く血が通っていない、都がやったことは何もわからない、皆さんから指摘されて、問題になって初めて建設省も知ったというようなことでありまして、血の通う人が行っていない。しからば人事の交流をどうするか。都の方は非常に給料が高い、そして役所の方は給料が安い。ですから、こっちの方から行くのは望んで行きますけれども、向うから来る者がない。こういう点がございますので、先般も知事に話をしまして、ぜひ一つその隘路を切り開いて、そして何か特別な処置によって、人事の交流も都と本省としようじゃないか。同時にまた、今度できます公団につきましても、今お話しのように、都から行きました者も、あるいは国に帰ってこれるようにしよう、またこっちから行きます者も、都にも行けるようにしよう、ある程度まで生きた人事行政ができるように、そうした隘路を切り開こうじゃないか。都がもしそういう問題について、相変らずモンロー主義で、門戸を開放せずに立てこもっておるならば、私はこっちの方からやる補助金も一時とめて、そうしてはっきりとしなければやらないということにしてもいいじゃないか。先般知事が、都議会でもやかましくて困ると言いますから、それなら、一時私の方でとめてみるから、とめてみた結果、こういうわけで国の方からやったんだ、これは一つ納得してもらわなければならないということを議会にも話して下さい。そうせぬと、一人の人事の問題にいたしましても、やはり都の者だけを上に上げてきて、そうして建設省面からの人事交流をはばむということでは、血が通っていないのですから、こうした大きな問題を随所に起すおそれがあります。今後なお都と協力して仕事をやる上においては、やはり政府の考え方、国会の考え方が直ちに建設省にも映ることは当りまえですが、同時に、その気持が都議会にも、都の行政にも映らなくちゃいけない。今は都政というものは、国の考え方より都議会の考え方で——もちろんこれは自治体ですから、当りまえですけれども、その都議会だけの考え方で動いてしまって、そうして国の方の方針が案外軽視されるおそれがございますので、そうしたことのないように努めたいと思って、今相談中でございます。今のお話はごもっともでございますので、極力そういう方針にのってとってやることにいたします。
  119. 塚本三郎

    ○塚本委員 最後にちょっとお伺いいたします。
  120. 二階堂進

    ○二階堂委員長代理 もう時間もだいぶ過ぎておるようでございますから、簡単にお願いいたします。
  121. 塚本三郎

    ○塚本委員 次官の強い決意で貫いていただきたいというふうに思うのですが、たとえば、委員は都の推薦する——都とは書いておりませんけれども、推薦した者のうちから二人を出さなければならない、こういうことがありますると、御承知のように、五人の委員の中で二人出して、さらにまた理事長が都から出るような形になりましたら、全く都に牛耳られてしまうような形になりかねないのがこの公団の性格だというふうに、危険な見方をするわけです、その点、任命に当りましては、理事長が都側から出て、そしてまた都と言はいませんけれども、出資した公共団体から二人、こういうことになりますると、五人の委員の中で圧倒的な力を持つ可能性が、先ほど中島委員も主張しておられましたようにある。しかも理事長の任期は四年であり、委員は二年だ。こういう形になると、次官がそこで一生懸命力説せられても、人事構成の面で、そのことが危なくなることがあります。しかし、任命権はあくまで建設大臣が持っておりますから、この点、その任命に当っては、慎重を期していただきたいということと、それから先ほどお話しのように、公団の役員が、そこが墓場にならないように、若返ってまた出てくるような若い人を出してもらいたい。そして、ほんとうにほかの公団とは違った機能を活発に出してもらうことを要望いたしまして、私の質問を終ります。
  122. 石川次夫

    ○石川委員 大へん時間がおくれておるようですから、簡単に申し上げます。  先ほどからの今度の首都高速道路事業についての意見の大部分は、首都圏にすべきか、あるいは首都に限定すべきかという点だと思うのですけれども、首都に限定したということを前提として、今度の八路線がきめられて、諸外国の、たとえばワシントン、ロンドン、ニューヨーク、パリというようなところとはだいぶ範囲が違って、特に東京の中心部が交通が輻湊しておるので、それを緩和する対策として、今度の高速道路事業計画というものが立てられたというふうに考える。そうしますと、この図面を見ますと、一ノ橋から麻布、三宅坂、竹平橋、兜町というふうにぐるっと回っておりますけれども、肝心の一番輻湊しておるどまん中は、避けておるわけです。これは極端に言いますと、皇居がこの中に二里四方にわたって広い地域を占めておって、これを突き抜けていくことは、現在のところ考えられない。それで、現在の東京で一番問題になりますのは、道路の面積が狭いということ、あるいは緑地が非常に少いということで、これは、諸外国に比べても非常に比率が少いということは言うまでもないことなんです。この緑地が少いということと道路が狭いということの二つと、皇居というものにぶつかっていますから、いわゆる皇居の開放論、皇居の疎開論というものまで出てくるのであります。ところで、私はそこまで言わないで、この道路ということだけに限定をして、この前も計画局関係の質問を申し上げたのでございますけれども、道路というものだけ切って関連をして考えてみましても、ここに一番輻湊しておるところ、一秒間に三台も通るという一番混雑しておるところをのけておるということになりますと、根本的な道路緩和対策の中核に触れておらないというふうな感じがするわけですが、この点は、御意見いかがですか。
  123. 美馬郁夫

    ○美馬政府委員 この路線につきましては、従来首都圏整備委員会なり、東京都の都市計画審議会で専門家を集めまして、現在の交通事情に対処するための案をいろいろ検討しておるのでありまして、その結果、こういう路線が生まれてきたわけであります。もちろんこの路線の環状線につきましては、お話しのように、最も輻湊する地域については触れておりませんが、そういう地域につきましては、この対策と並行して、都心部の都市計画街路の対策をいろいろやっております。これは、町の幅を広げるだけの問題では解決できませんで、あるいは駐車場を作ったり、あるいは路面電車の問題を検討したり、その他いろいろ根本対策をやりませんと、御承知のように、東京都の都心部につきましては、今家屋が密集して建っておりまして、そういう前提に立ってやっていきますと、いろいろこういう方策を総合的にやりませんと、なかなか解決いたさないのであります。従って、路線は、この路線を設置した目的にありますように、できるだけ川の上であるとか、あるいは抵抗の少いところを選びまして、しかも混雑しております副都心部である新宿とか、あるいは渋谷、五反田、池袋と都心との交通をどういうふうに早く結ぶか。早くそういうところから来て、しかも便宜に都心の各主要部に乗り込むためには、どういう線路がいいのかというふうな目的のもとに検討したのが、こういう案になっておるわけでございます。もちろんこれだけでは解決しませんで、これからいろいろ旧来の街路なり、あるいは道路を通って目的地に行くという方策が、同時に並行して進められることになっております。
  124. 石川次夫

    ○石川委員 いろいろ駐車場その他でもって、都心部についても苦労されていることは、よくわかってはいるのですが、何といってもあの膨大なロータリーがあったのでは、根本的な解決は非常に困難だというふうに思うわけです。別に皇室に開放とかなんとかいうところまでわれわれ考えているわけではありませんけれども、せっかくことし御成婚もあって、民主化されたという国民の祝福する声もちまたにあふれておるわけでありますけれども、この交通難打開ということを根本的にやらないと、このガンはどうしても皇居にあるということは、当然怨嗟の的になるのじゃないかという議論もむしろ考えられるので、どうしても皇居の——これは技術的にいろいろ問題はありましょう、しろうとのわれわれにはわかりませんけれども、どうしてもその点を根本的に考え直していただかないと、根本的な対策ができないということで、突っ込んだ考え方を持っておるわけであります。ここでは皇室審議会というものがあって、皇室のことについては御答弁ができないということが予測されるので、これ以上質問申し上げませんけれども、国民のすべての声が、そういうところに集中されているというふうに考えられます。ぜひとも積極的に、その点の打開について意を用いていただきたいということを申し上げておきます。
  125. 山中日露史

    山中(日)委員 だいぶ時間もおそくなりましたので、簡潔に要点だけお尋ねしたいと思います。  まず公団の解散の点についてお尋ねしたい。四十七条の規定によりますと、「公団の解散については、別に法律で定める。」こういうふうに規定されておるわけです。同じような条文が日本道路公団にもあるわけです。おそらく政府の方では、先ほどのように、例文でとおっしゃるかもしれませんけれども、今後別に定める法律というのは、実際はできておるのですか、どうですか。この点、まずお聞きいたします。
  126. 美馬郁夫

    ○美馬政府委員 この公団の解散の時期は、ただいまから申しますと三、四十年先の、たとえば現在予定されておる路線につきましても、順調にいきまして、建設までには、八路線についても相当十年近くかかりますし、またいろいろこれを延長したらどうかというふうな御意見もありまして、建設だけにつきましても、相当な年限がかかりますし、この建設が終りまして、償還の時代に入ってきますが、償還につきましては、おそらく三十年程度償還がかかるのじゃないかというふうなことになりますと、相当半世紀先の問題になりまして、現在この解散の法律をどういうふうにするのかというふうな案は持っておりませんが、それはいろいろ例文といってはしかられますが、そういう例もございますから、慎重に検討していきたいというふうに考えております。
  127. 山中日露史

    山中(日)委員 事業の性質上、公団というものが長期に存続するということは、私どももわかると思います。そこで、これは先般の建設大臣のお答えとも関連するのですけれども、この公団が道路の建設をいたしまして、そうしてその減価償却のできたときに、この公団の作った道路というものは、都の管理に移るんだ、こういうような説明であったのです。一方政府委員の方では、そうではなくて、道路の所有権だとか、そういうものは作った公団に属する。しかし都がこの公団の作った道路を都道と認定した場合には、その管理権というものは、そのときに都に発生をして、その都の管理権を公団が代行するのだ、従って公団が解散するまでは、その道路の管理権あるいは帰属する所有権というものは、都にはいかない、こういうようにお答えが二つに変っておった。どちらが正しい考えなのか、まだはっきりしておらぬわけですが、おそらく私は説明員のお答えになった方が正しいのじゃないかと思うのです。そこで、問題はずいぶん先のことでありますけれども、もしもこの高速道路公団が解散をした場合において、それは年限のことは長くてもやむを得ないのですが、償却をしたとかいうときにこれが解散をするという考え方でいいものかどうか、その辺を聞いておきたい。公団ができますと、これは、ほとんど永久的なもののように誤解をする人もあるようでありますが、公団というのは、その性質上、公けの仕事をやるのが性格でありまして、その仕事が終れば、大体公団というものはなくなってもいいわけです。  そこで、お聞きしたい要点は、その公団が作った道路の償却が終ったときに、公団というものは解散をするのだというように考えていいものかどうか、その点、一つお聞きしたい。
  128. 美馬郁夫

    ○美馬政府委員 公団の解散は、公団の建設に要した経費の償却が終ったときに解散するというふうに考えて、さしつかえないと思います。
  129. 山中日露史

    山中(日)委員 ところがこの法律によりますと、主たる目的は、結局高速道路を作るということでありますけれども、付帯事業としていろいろな仕事をされるようです。他の公共団体から委託を受けて道路の設計等をやる。あるいはこの下には事務所を設ける、あるいは店舗を設ける、こういうようないろいろの付帯事業というものが行われるわけです。ところがその道路の建設に要した原価が償却されましても、なお付帯事業というものが残っておる。店舗を作って貸すのですから、家賃をとる、要するにそういった事務所の貸し賃、あるいは店舗の貸し賃、委託の仕事、つまり公団本来の仕事は終ってしまっても、こういった一つの営利的な付帯事業というものがやはり残る。そうしますと、そういう付帯事業だけが残っていく。そして公団の主たる目的がなくなって、公団の本質から離れた一つの営利事業的な仕事を引き続いてやっていく、しかも、それが減価償却がまだ済まないという口実のもとに、そういう付帯的な営利事業というものが、公団の仕事としてずっと残っていくということになりますと、その道路の建設等に要した減価償却が済んでも、公団本来の目的からはずれた仕事がずっと継続していくということになりはしないかということを、私どもは非常に懸念するわけであります。そういう点については、どういうふうにお考えでありますか。
  130. 徳安實藏

    徳安政府委員 何しろ先のことでございますから、はっきりした答弁はできませんが、ただいまの解釈では、大体主たる目的が達成せられましたならば解散すべきだ、付帯事業等につきましての財産の処分等につきましては、議論があると思いますが、それはそのときの国会で、皆さんの良識によって、法律できめていただくことになろうかと思います。     —————————————
  131. 二階堂進

    ○二階堂委員長代理 この際お諮りいたします。明後六日の委員会におきまして、都市計画に関する件につき、東京電力株式会社常務取締役吉田確太君、取締役水野久男君の両君を参考人として当委員会に出席を願い、意見を聴取いたしたいと存じますが、これに御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  132. 二階堂進

    ○二階堂委員長代理 御異議なきものと認め、さよう決します。  本日は、この程度にとどめ、次会は明後六日午前十時より開会することとし、散会いたします。     午後二時一分散会