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1959-02-28 第31回国会 衆議院 建設委員会 第12号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和三十四年二月二十八日(土曜日)     午前十一時十八分開議  出席委員    委員長 堀川 恭平君    理事 木村 守江君 理事 瀬戸山三男君    理事 二階堂 進君 理事 南  好雄君    理事 上林與市郎君 理事 中島  巖君    理事 三鍋 義三君       井原 岸高君    川崎五郎君       砂原  格君    橋本 正之君       村瀬 宣親君    兒玉 末男君       塚本 三郎君    武藤 武雄君       山中 吾郎君    山中日露史君  出席国務大臣         建 設 大 臣 遠藤 三郎君  出席政府委員         建設政務次官  徳安 實藏君         建設事務官         (計画局長)  美馬 郁夫君         建 設 技 官         (道路局長)  佐藤 寛政君         建設事務官         (道路局次長) 關盛 吉雄君  委員外出席者         建設事務官         (計画局都市計         画課長)    小林 忠雄君         専  門  員 山口 乾治君     ————————————— 二月二十六日  委員川崎五郎辞任につき、その補欠として  大橋武夫君が議長指名委員に選任された。 同日  委員大橋武夫辞任につき、その補欠として川  崎末五郎君が議長指名委員に選任された。     ————————————— 二月二十五日  首都圏既成市街地における工業等の制限に関  する法律案内閣提出第二三号)(参議院送  付) は本委員会に付託された。     ————————————— 本日の会議に付した案件  参考人出頭要求に関する件  首都高速道路公団法案内閣提出第一〇四号)  道路法の一部を改正する法律案内閣提出第一  ○五号)  道路整備緊急措置法の一部を改正する法律案(  内閣提出第一〇六号)  日本道路公団法の一部を改正する法律案内閣  提出第一四〇号)      ————◇—————
  2. 堀川恭平

    堀川委員長 これより会議を開きます。  首都高速道路公団法案道路法の一部を改正する法律案道路整備緊急措置法の一部を改正する法律案日本道路公団法の一部を改正する法律案、この各案を一括して議題とし審議を進めます。  前会に引き続きまして質疑を行うことにいたします。瀬戸山三男君。
  3. 瀬戸山三男

    瀬戸山委員 大臣にお尋ねしておきますが、前回の委員会で、ただいま審議中の首都高速道路公団法案関連して問題になっております、東京高速道路株式会社がやっております例の高速道路建設工事について、法的には、現在道路運送法によって運輸大臣及び建設大臣認可を得た区間をやっておるわけでありますが、しかし道路行政上からいうと、いわゆる高速道路としての形態をなしておらない。今回東京都の道路交通緩和政策一環として、首都高速道路公団法案を提案して、その高速道路計画を進めようという段階になっております際に、そういう妙ちくりんな、いわゆる高速道路なるものが途中にはさまっておる。これを、今後計画を進められる首都高速道路にどういうふうに接続させるかということが問題になっておる。そこで、道路行政といいますか、道路政策からいうと、少くとも東京高速道路株式会社は、いわゆる高速道路を作るという建前のもとに認可を受けておりますので、今回計画されておる首都高速道路との関連において、そこまで東京高速道路株式会社がいわゆる高速道路としての一環整備すべきだ、これが会社設立趣旨に合致するんじゃないかという意味のことを前回確かめておきました。そういう処置がとれるかとれないか、あるいは東京高速道路株式会社がそういう考え方を持っておるかどうか、その点を明確にしてもらいたい。それが、今度のいわゆる公団法の成否に関係があるということを私は申し上げております。その際に建設当局としては、政務次官でありましたが、その問題についての明確な処置をとりたい、こういうお話でありましたが、その後の状況一つ委員会に明らかにしてもらいたい、こういうことであります。
  4. 遠藤三郎

    遠藤国務大臣 ただいま東京高速道路株式会社が建設しております紺屋橋から土橋までの区間道路の問題でございますが、紺屋橋のところから土橋まで一応できましたけれども、その前後がまだ最終的なところまでいっておりません。従って、あの道路がいまだに供用開始にならないのははなはだ遺憾であります。しかしあの道路を建設する趣旨は、東京都の都内の自動車交通の輻湊を緩和するために進めておるものでありまして、一日も早く供用開始ができるようにしなければならぬと思いまして、建設当局としてもその促進をはかっておったような次第であります。今回首都圏高速道路公団ができることになりまして、そして首都圏高速道路の全体的な整備計画を立てて進んでいく場合に、この道路との関連がどういうことになるかと申しますと、ただいまこちら側では、土橋のところで切れたような格好になっておりますが、これを難波橋のところまで伸ばしまして、そして昭和通りに接続さして、それから先は高速道路につながる、こういう計画であり、一方紺屋橋の方は、さらにあれを延長いたしまして、そして新京橋のところで昭和通りにつながる、ここも、首都高速道路公団計画しておるところの道路に接続する、こういうことになれば、あの道路も非常に有効に活用されることになりますし、所期の目的が達成されることになりますので、そういう計画のもとに工事を急がせる考えでおります。なお今回新たに計画しておりますところの首都圏高速道路公団と今までやっておる東京高速道路株式会社との関係は、一切吸収するとかなんとかいうことをいたしませんで、別の建前で進んで参る考えでございます。そういう方針で進めておりますから、一つ御了承いただきたいと思います。
  5. 瀬戸山三男

    瀬戸山委員 建設省考え方はそういう御方針かもしれませんが、東京高速道路株式会社、これは前の委員会のときにも、私は東京高速道路株式会社責任者に特に会ったわけでも何でもありませんから、これは伝え聞きでありますが、必ずしも今大臣がお答えになったような、土橋から、あるいは今大臣難波橋と言われましたが、蓬莱橋のことかと思いますが、昭和通りまで、それから紺屋橋から京橋まで、こういうふうな、いわゆる延長して高速道路としての機能を発揮せしめたいという熱意がないというようにも伝え聞いております。と同時に、東京都の管理しておる埋め立て関係もありますので、東京都自体がどういう考えを持っておるかということも不明確であります。そういう点について、伝え聞くところによると、両者の意見も一致したということを聞いておるのですが、その点を御説明願えると非常にいいのではないか、こういうふうに思っております。
  6. 遠藤三郎

    遠藤国務大臣 その点については、東京都の当局を招致いたしまして、そうして方針を明らかにさしたのであります。東京都は、東京高速道路株式会社責任者を呼びまして、いろいろ打ち合せた結果、建設省考えておる通りにやりますと、東京高速道路株式会社もはっきりその趣旨に沿ってやりますということを申し出まして、その点は完全に意見が一致しておるわけであります。そのことを申し上げておきます。     —————————————
  7. 堀川恭平

    堀川委員長 それでは、建設大臣道路五カ年計画説明を一応していただきたいと存じます。建設大臣
  8. 遠藤三郎

    遠藤国務大臣 昭和三十三年度を起点にいたしまして、三十七年度に至る五カ年間に日本の重要な道路を飛躍的に整備しようという考えで、五カ年計画を策定しておったのでありますが、ようやくこのほど閣議決定を見まして、正式にこの五カ年計画決定されたような次第でございます。その考え方といたしましては、五カ年間に一兆億円の道路投資をする。その一兆億円計画のうち千九百億円を地方単独事業に充てるわけであります。そして残りの八千百億円、その八千百億円のうち二千億円を有料道路計画として充当いたします。他の六千百億円を一般公共事業に充当する、大まかに申し上げましてこういう計画を立てたのでございます。有料道路の二千億円は、日本道路公団事業首都圏高速道路事業との二つに分れます。六千百億円の一般道路につきましては、一級国道重点を置いて整備すると同時に、二級国道重要地方道等にも相当力を入れて参ります。さらに一般道府県道に対しても、一定の計画のもとにやって参ることになっておるのでありますが、これらの詳細につきまして、道路局長から説明させたいと思います。
  9. 佐藤寛政

    佐藤(寛)政府委員 私から道路整備五カ年計画をやや詳細にわたって御説明申し上げます。この道路整備計画を立てますに当って、基本的な考えとして貫いております方針をまず申し上げてみたいと思います。ただいま大臣から御説明がございましたように、政府昭和三十三年から五カ年間に総額一兆円にわたる道路投資をやる、これが第一前提でございます。この大きな分け方、内訳につきましては、ただいま大臣から御説明がございました。そういうような基本的な規模に立っておるという点が第一点でございます。  それから第二点といたしましては、積雪寒冷特別地域における道路交通の確保に関する特別措置法、こういうものがございます。雪寒地交通を確保するために、除雪あるいは路盤改良等事業実施するという計画でございますが、これは、御承知のように昭和三十二年から六カ年計画ということになっておりまして、ちょうどこの道路整備五カ年計画と比べますというと、年度が一年早く始まって六カ年ということになっておる。これも先般三十日に閣議決定をいただいたわけでございますが、この計画も、結局は道路事業でございますので、事業そのものといたしましては、道路整備五カ年計画の中に含めて取り入れて計画してある、こういうことでございます。  それから第三点といたしましては、この五カ年計画に要する事業費財源について、一応財源的な裏づけが考えられておる。  それから第四点につきましては、この事業実施するのに、国と地方との経費の負担関係でございますが、これにつきましては、道路整備緊急措置法の一部改正で、ただいま法律改正案の御審議をお願いしてあるのでございますが、その点で御承知のように、昭和三十四年度以降におきましても、現在、すなわち昭和三十二年度におきますと同様の国の負担率補助率を続けて参る、これは地方財政上、非常に関係の深いことでございますので、法律の一部改正をお願いいたしまして、本年度におけると同様の負担率補助率をもって、この五カ年間の事業をやっていきたい、こういうことに相なっておるわけでございます。そういうふうな考えに立ちまして、道路整備五カ年計画といたしましては総額八千百億円の事業を見ておるわけでございます。この内訳は、一般道路が六千百億円、有料道路において二千億円、こういう規模でございます。道路整備緊急措置法によりますと、五カ年計画閣議決定を求めるに当りましては、事業整備目標と、それから事業の量について閣議決定を求めるということに相なっております。従いまして、先般御決定を願いました道路整備五カ年計画は、第一は、道路整備目標、第二といたしまして、道路整備事業の量、こういうふうな内容になっておるのでございます。道路整備目標と申しますと、申すまでもございませんが、この計画実施いたします基本方針とか、あるいは事業重点を置いて参ります点を明らかにしておきたいというふうに考えて、そういうふうな内容に相なっておるわけでございます。  そこで整備目標の基本的な規模につきましては、大臣から御説明ございましたので省略いたしまして、道路種別ごと方針を、この閣議決定について申し上げてみますと、まず第一には、高速自動車国道高速自動車国道といたしましては、御承知のように、ただいま名神高速自動車道路日本道路公団によって実施いたしております。詳しく申しますと、高速自動車国道中央自動車道、これが小牧——吹田市間、それから高速自動車国道吹田——神戸線、これは吹田——西宮間でございますが、この事業につきましては、この計画最終年度昭和三十七年度には供用開始ができるように、そういうことを目途といたしましてこの計画の中に見込んでございます。そのほか東京都から小牧に至る区間でございますが、これはただいま調査中でございます。この区間につきましても、できるだけ早く調査を取りまとめまして、その調査の結果を待って、順に着手できるようにこの計画の中には見込んである次第でございます。次に一級国道でございますが、一級国道につきましては、この昭和三十三年度以降七カ年間に、一級国道の全路線整備をおおむね完了させる、こういうことを目途としてこの計画を組んでございます。昭和三十三年度以降五カ年間におきましては、そういう目標のもとに、各種一級国道の全路線につきまして整備事業をまず開始し、促進することになっております。特にわが国国土を、重要産業地帯を結んで縦断しておるような大事な路線につきましては、これは改良延長舗装の完了をはかりたいと思っております。それから大都市重要産業地帯において交通隘路となっておるような区間の再改築というようなものも考えていかなければならない、そういうふうに全面的に整備を進めることにいたしまして、この計画が完了いたしました節には、この改良延長は、ただいま約五〇%程度のものが七三%くらいに整備が進む。それから舗装につきましては、六三%程度にそれぞれ引き上げるということでございます。それからそうした事業実施でございますが、一級国道改築は、原則として国が直轄でもって行う。そのほかに維持修繕につきましても、特に交通量の多い区間につきましては、国が直轄でもって維持とか修繕とかを実施していく、こういうふうにいたすことに相なっております。  次は三級国道でございます。二級国道につきましては、昭和三十三年度以降五カ年間におきまして、いろいろ路線はございますが、わが国国土を横断しております横断線にも二級国道がたくさんございますので、その横断している路線のうち重要なもの、それから大都市とか重要産業地帯、こういう個所で生産活動隘路となっておるような部分、あるいはまた観光上、特に国際観光上重要な路線重点を置きまして整備を進めて参りたい。この二級国道は、五カ年計画が完了いたしました場合には、改良については約四〇%程度になる、舗装については約二五%程度にそれぞれ引き上げられるように整備が進められる予定でございます。  それから次は都道府県道市町村道等でございますが、このうち首都高速道路、これは特別なものでございますが、これにつきましては、東京都の区部あるいはその周辺の地域で、非常に交通の混雑をしております部分交通円滑化をはかることを目途といたしまして、昭和三十三年度から五カ年間において、特に枢要な区間整備を完了することを見込んでございます。  一般都道府県道及び市町村道でございますが、これは、この五カ年計画におきまして重要な地方幹線道路、それから重要な産業地帯においてその産業基盤整備のために必要な路線重要都市における交通円滑化をはかるために至急整備しなければならない路線、いろいろな未開発地域資源開発促進するために必要な路線、それからまた観光上重要な路線、その他国の施策上特に整備をする必要がある路線なども含めまして整備促進をはかって参りたい。このうち主要地方道につきましては、この五カ年計画が完了いたしました場合に、改良延長整備率が約四二%、舗装につきましては約一五%、その程度整備をするようにいたすことに相なっております。  このような目標のもとに五カ年計画実施されるのでございますが、この計画によりまして、実施される事業の量でございますが、一般道路におきましては、そのうち一級国道につきましては、改良は二千七百十キロメートル、舗装は三千二百七十キロメートルとなっております。二級国道につきましては、改良千六百十キロメートル、舗装千八百二十キロメートル、主要地方道につきましては、改良千七百四十キロメートル、舗装千四百六十キロメートル、それから主要地方道以外の一般都道府県道につきましては、改良千五百十キロメートル、舗装千キロメートル、それから主要地方道以外の市町村道でございますが、これにつきましては、改良千八百キロメートル、舗装千百五十キロメートルという規模に相なっております。  次は維持及び修繕でございますが、維持につきましては、この五カ年計画で九十四億円に相当する事業実施いたしたい、修繕につきましては二百九十二億円、特殊改良につきましては百三十五億円、除雪及び防雪等につきましては百十五億円、これが先ほど申し述べました積雪寒冷地に関する計画の分でございます。  それから建設機械整備でございますが、これに百五十九億円、除雪機械整備に二十二億円、それから道路調査といたしまして二十億円でございます。  次は有料道路でございますが、これは全体で二千億でございます。その内訳は、高速自動車国道新設といたしまして九百九十六億円、それから首都高速道路新設といたしまして五百九十億円、その他の道路新設及び改築、これは日本道路公団実施しております一般有料道路でございますが、これに対しまして三百七十九億円、これら有料道路維持及び修繕として二十億円、調査費として十五億円、こういうことに相なっておるわけでございます。  以上申し述べましたものが五カ年計画内容でございます。  お手元にごらんに入れました資料には、さらに参考といたしまして、ただいま申し述べました五カ年計画事業費予算額につきまして道路種別別に、また地域別と申しますか、実施期間別も含めまして、やや詳細に事業費予算額ごらんに入れてございます。  それから資料の二といたしまして、先ほど触れましたように、五カ年計画実施が終りました場合に、道路はどの程度整備が進むか、道路種別別に、この五カ年計画着手前と対比いたしまして整備進行状況がわかるような簡単な資料ごらんに入れてございます。  それから資料の三といたしまして、所要国費及び地方費関係を入れてございます。  以上簡単でございますが、説明を終ります。
  10. 堀川恭平

    堀川委員長 前会に引き続きまして、質疑を行います。山中吾郎君。
  11. 山中吾郎

    山中(吾)委員 首都高速道路公団の直接法律内容について御質問申し上げたいと思います。  この公団ができたその後における責任の所在についてお聞きいたしたいと思います。それは首都圏整備委員会、それから建設大臣東京都、公団、この四つの関係がいろいろ多角的に持たれておると思うのですが、整備委員会における整備計画が一番根源的なものであって、その下に建設大臣基本計画を立てて、それを公団に指示するという法律案になっておるようであります。それで、高速道路計画が不適当であったという場合には、どこに責任が出てくるのか、お聞きしたいと思います。
  12. 遠藤三郎

    遠藤国務大臣 その責任の一切は建設大臣でございます。
  13. 山中吾郎

    山中(吾)委員 それから事業計画というものが予定よりも年度計画の一割、二割くらいしか行われないというようなことが、現実に日本道路公団にもあるわけですが、そういう事業の主体といいますか、そういう場合の責任はどこにございますか。
  14. 遠藤三郎

    遠藤国務大臣 そういう問題もあげて建設大臣にございます。
  15. 山中吾郎

    山中(吾)委員 そこで、一応は伺ったのでありますけれども、何かこの法律案全体を見ていると、責任分散というふうな意図で公団ができておるような感じが私はするのです。整備委員会というものがあって、整備委員会におけるその計画に直属をして首都高速道公路団ができると、整備委員会首都高速道路公団との間に幾つか責任分担ができると思うのですが、そうでなしに、そこに建設大臣が中間に入って、それから都においては都市計画責任がある、そういうふうな関係で、実際問題といたしますと、一つの問題が起ったときにだれに責任があるのか、おそらく実際上分散をしてほおかぶりするような格好になる。全体のこの法律の周囲を取り巻く法体系その他からいって、そういうふうに私は思いますが、今大臣のおっしゃられた通り建設大臣に全責任があるというのは間違いないでしょうか。
  16. 遠藤三郎

    遠藤国務大臣 首都圏道路につきましては、首都圏整備委員会意見も聞きます。同時にまた東京都の街路計画にもつながって参りますから、東京都の意見も聞きます。あるいは料金その他については運輸省の意見も聞きます。しかし最終責任建設大臣でありますから、意見をまるのみにしてやっていくわけではございません。納得できないものはその意見を取り上げませんし、正しい意見ならばそれを取り上げてやっていく。最終責任は一切建設大臣にあるということをお答えしておきます。
  17. 山中吾郎

    山中(吾)委員 私が今お聞きをしておる自分の心境はどういうことかといいますと、日本道路公団に百何十億という支出政府予算から出ておって、事業が一割、二割も行われていない。たびたび中島委員から指摘があったわけですが、その場合に、実際はこれは政府が直接行うべき仕事であって、道路公団に渡しておる金は実際上はいわゆる建設省の直接費用として計上する実質を持った予算です。それを一、二割も行われていないということになると、これは、今の大臣の言明によりますと、建設大臣責任で、辞表を出さなければならぬような実質を備えておると私は思うのです。今度新しくまた高速道路公団というふうなものができて、ことに市街地であるので、いろいろの面で執行に困難な問題を生じますし、住民の利益に相反する問題も出ますし、公団にすべてをゆだねて、そして支出だけして傍観をするという姿のままでは、この事業予定通り必ず実行されないのじゃないかというふうに思いますので、私は今建設大臣責任というものをお聞きしたのです。法文を見ますと、建設大臣は監督する権限だけがあって、責任はどこかにいってしまったようになっておる。監督する権限だけがあって、そしてあげて公団の方にその計画通り実施する責任が移されて、公団がうまくやれないときは、理事長の首を切るとかいうわけで、建設大臣責任というものはどこかにいってしまうというふうに、法律は運用できると思うのです。その点はいかがですか。
  18. 遠藤三郎

    遠藤国務大臣 監督する権限がありますことは、同時に一切の責任を持つということであります。これは少し例が当らないかもしれませんが、ちょうど建設大臣のもとに道路局長あり、河川局長あり、河川局長責任を持ってやっておるのですが、河川局長仕事が進まないでうまくいかないときには、その責任建設大臣にあると同じ意味において、日本道路公団の場合でも、首都高速道路公団の場合でも、一切の責任建設大臣にあるわけであります。そういう建前になっておりますから、一つ御了承いただきたいと思います。
  19. 山中吾郎

    山中(吾)委員 それから次にお聞きいたしたいのですが、管理委員会というものが今度の首都高速道路公団の構想の中に入っているわけですが、日本道路公団の方には、管理委員会という機構はないのです。東京都の高速道路公団だけ管理委員会という制度をここに入れたわけですが、その辺の立法の趣旨局長からお聞きいたしたいと思います。
  20. 美馬郁夫

    美馬政府委員 管理委員会は、実は日本道路公団にはございません。しかし、これは日本住宅公団の方にございます。管理委員会を置く趣旨のものは、これは、公団という組織でいろいろ政府関係仕事をやっていくのでありますが、それを厳正公平にやっていくという上から、一面においては出資者代表もこの公団運営に対して発言を認めていく、あるいはまた一般公共利益代表する人もこの公団運営について発言を認めていこう、こういう趣旨のもとに、出資者代表並びに一般公共代表が入ることになります。日本道路公団の場合におきましては、地方団体の出資がございませんから、そういう意味で入れておりません。この場合は、東京都という方面が相当大きい出資をすることになりますから、民間でいえば、株主総会というふうな建前から、管理委員会というものを設けまして、都の代表に入ってもらうという形をとっております。
  21. 山中吾郎

    山中(吾)委員 私は、そういう趣旨で作られた管理委員会は、結果からいうと、責任分散をする制度になるのじゃないかというふうに思うのです。建設大臣公団を監督する、ところが公団の中に管理委員会があって、日本道路公団にない組織を持ち込むことによって、大臣公団との間に責任分散の機構になるのじゃないか。おそらく高速道路公団は、貸事務所とか店舗を貸すことができることになっておるのです。今の数寄屋橋の株式会社でやっておる状況を見ると、大した収益なんです。そうすると、うかうかすると、途中から営利事業団体化する危険が非常に多いように実際思える。その中に管理委員会を持ってくることは、局長のお話の中に、委員を五人として、二人は都の推薦による委員、その他は建設大臣の推薦による委員を任命するということになっておる。これは、便宜的に出資の関係から管理委員会制度をお作りになった——案はまだ出ておらないのですが、そういう案を考えられたのでしょうけれども、かえって責任を互いに分散するようにはなりませんか。
  22. 美馬郁夫

    美馬政府委員 管理委員会につきましては、そういう御意見もあると思いますが、やはりここの九条にありますように、公団予算事業計画、資金計画及び決算、この三つに限定しておりまして、ただいま関連して御質問のありましたような、たとえば高架の下の貸与というふうな問題を一々管理委員会にかけるわけでもございませんし、また高架の下の貸与の問題は、これは先般来からいろいろ御説明を申し上げておりますように、主としては高速道路の設置に伴いまして立ちのきを命ぜられた者を中心として考えまして、それ以外は、一般公共的な駐車場なり、それに伴うものにするという方針もございますし、また公団が一々やる事業計画につきましては、建設大臣認可もありますし、またこの高架を設置するという場合に、建設大臣認可にひっかけておりますから、そういう利権問題とからんだ点についてはないと思います。ただ管理委員会を置くことが屋上屋を架す制度じゃないかという点につきましては、一つの議論とは思いますが、私どもも住宅公団管理委員会運営を見ておりまして、これが無用の長物とも思えませんし、またそのために、建設大臣責任がこの管理委員会に妨げられるということもございませんから、この制度でいいのじゃないかというふうに考えております。
  23. 山中吾郎

    山中(吾)委員 私は全然その逆に考えるのです。予算、決算、事業計画建設大臣認可を要するというので、理事長理事会で行うものを、直接建設大臣によって、管理委員会がなくても十分に監督が明細にできると思うのです。それが、中に管理委員会ができて、そうして管理委員会の中に理事長を入れて、管理委員会の議決によって予算、決算、事業計画ができた。そこで理事長責任は、ほとんどこれは管理委員会の議決によったものであるということで、非常に軽くなる。そうして日本のそういう公団というものは、汚職を犯しやすいところであるわけですその管理委員会というようなものを置くことによって、高速道路公団はさらに危険な状態になるのじゃないかということを私はおそれるのです。それから管理委員会が無用の長物ならいいのですが、しかし東京都の推薦の二人を入れたというところに、いわゆるボス的な人事というものがいつもつながってくる。東京関係のこういう団体は、常にボスの人事につながると言われておるのですが、その温床になるのじゃないか。その点、自信を持って管理委員会制度というものについて見きわめられておりますか。
  24. 遠藤三郎

    遠藤国務大臣 管理委員会の問題については、私はこういうふうな考えを持っておるわけであります。今度の首都圏道路は、立ちのきその他の問題で、非常にやかましい問題が出てくると思うのであります。これは容易ならない事業だと思います。従って、その責任を分散するというような意味ではなくして、みんなして協力していく、目を光らして、公団の総裁なら総裁、理事長なら理事長が勝手なことをしないように、いろいろな人の意見を入れてやっていくことがいい。そこで、そのいろいろな人の意見を入れて一つの案ができましたときに、建設省が見ておりまして、これはいかぬというなら、それを拒否して直させることができるような仕組みになっておるわけであります。そういう意味で、私は管理委員会等の意見をいろいろ聞いていくという点については、悪い面はいつでもはねることができる、いい面だけをとっていくようにしたらどうか、こういう意味で、民主的な運営をする、そういう機構を作ることがいいではないかということになったわけであります。そういう気持でおりますことを一つ御了承いただきたいと思います。
  25. 山中吾郎

    山中(吾)委員 大臣のお考えを、一応は私は納得はしておりますけれども、見通しとして、私はその辺から利権がからんでくるような感じがするのです。執行面については、管理委員会を作ったことによって、相当警戒をすべきものが出てくるように思うので申し上げておくわけであります。  それから公団によって建設された道路の所属は、どこになるのですか。
  26. 美馬郁夫

    美馬政府委員 公団が建設いたします高速道路の管理は、公団がいたすわけでございます。
  27. 山中吾郎

    山中(吾)委員 そうすると、国道でもなく、都道でもなく、われわれの今までの概念である公団の財産である公団道であるということになるわけですか。
  28. 遠藤三郎

    遠藤国務大臣 これは、道路法道路という形で参りまして、一定の期間で償還ができてしまいますと、都道に返る、都道になっていく、こういう考えであります。
  29. 山中吾郎

    山中(吾)委員 大臣局長意見が違うようですが……。
  30. 美馬郁夫

    美馬政府委員 これは、いろいろこの法律にも手続が書いてありますが、公団事業計画をきめますと、そのときにこの道路を都道として認定するわけであります。そして高速道路を作るわけでございますが、都道として認定しますと、その瞬間から公団がその道路を建設して管理していくという形をとっていくわけであります。ですから、公団が建設し管理していく間は、これは道路は都道でありますが、管理は都がやるのじゃなくて、公団が管理をやるという形が、ある程度の時期続いていくわけであります。それから公団が最後に無料になって開放する場合には、また本来の性格に返って都に返る、こういうわけであります。
  31. 山中吾郎

    山中(吾)委員 大臣のお答えの方が正しいわけですね。局長の言ったことは誤まりであるということになりますね。
  32. 美馬郁夫

    美馬政府委員 私が申し上げたのは、事業計画決定して建設している間は、これは公団が建設し、管理していくのだ、そういう意味で、これは公団のものだという意味であます。
  33. 山中吾郎

    山中(吾)委員 わかりました。結局都道になるということですね。  それで、こういう公団ができるときには、だんだん作っていきますと、貸し事務所その他非常に収益があると思うのですよ。市街地では店鋪というものを下に認めないと、その周囲の住民は、商業その他もさびれるので、下はむしろ商店街のような格好にしないと、周辺の人の生活問題に悪影響を及ぼして問題になると思う。そういう店舗を考えてみると、非常に収益が多くなる。そうしてきますと、だんだんと計画が完成されてきますと、公団というものが、先ほどちょっと触れましたように、営利事業化していく、あるいは最も有利な社会的地位というふうな格好で、公団の人事の中に妙なものが入ってくるように思う。公団というものは、今計画中の八路線があるようでありますけれども、あれが完成して、新しい道路を作るものもなくなった場合には解散をするわけですか。その点を伺いたい。
  34. 遠藤三郎

    遠藤国務大臣 公団がだんだん営利的な仕事でもやりはせぬかというお尋ねでありましたけれども、そういうことは一切させない考えでありますし、またそういうことにならぬと思っております。と言いますのは、今度できます道路は、都の街路の上に作る場合、これは下が街路でありますから、その問題は出て参りません。それからいわゆる河川の上を通っていく場合には、河川をそのままにしておきまして道路を作っていきますから、その道路の下の使用権の問題は出て参りません。ただ交叉するところとか、いろいろどうしても下の問題が出てくる場合が出て参ります。しかし、そういう場合には、道路を作るために買収されて家をなくし、土地をなくしたというような人の救済のために、そういう人たちに土地を与える、店を与える、そういう趣旨に限定してやっていくというような大きな考え方でもってやっていきたいと思っておるわけであります。従って営利事業をだんだんやっていくというようなことには絶対しない考えであります。なお公団がいろいろ仕事をやっていきます場合に、都の方がだんだん深く食い入って、そしていろいろな疑惑を起すようなことがありはせぬかという問題でありますけれども、そういうことについては、厳重な監督をして参りますし、御心配ないようにやっていく方針でおりますから、御了承願います。
  35. 山中吾郎

    山中(吾)委員 公団法の第二十九条第二項第一号には、「事務所、店鋪、倉庫、その他政令で定める施設を建設し、管理する」ということが入っておるわけです。これは、やはり法律で認められておるものですから、公団もだんだんこういうものは経営をするであろうし、それを大臣は認められるであろうと思う。私は、こういうことはやった方がいいと思うので、たとえば住宅難のときには、その下を住宅として活用して、貧しい人に貸し与えるというような、いわゆる住宅政策と結びつくことも必要だし、私は賛成なんです。それを制限するということは、むしろ実際に合わない、もっと公共的な方向に、上を道路にして下を住宅政策、あるいはその他の公共的な建築にもっと活用すべきだと私は思うのですが、その収益というものは、国家の収益になるような体制でなければいけないのだ、私はそういうことを考えて、一定の計画が完成されたならば、公団というものは解散すべきであって、そしてそれが直接の都道に返る、下は都の住宅とか都の貸し事務所というような格好で、あるいは公けの財源になるというようなことにしなければ、公団というものは——私は公団は新しいものを作ることに任務があると思う。作ったあとの管理ということになると、私は実質公団仕事ではないと思うのですが、それについて解散ということを考えられておるかどうかをお聞きしたい。
  36. 遠藤三郎

    遠藤国務大臣 公団道路の下をいろいろな店鋪その他に貸した場合に、その使用料というものが上って参ります。しかし、その使用料も、公団の経理内容を一切政府の方で見ておりますから、それをも含めて、公団支出した経費を償還してしまいますれば、公団はもう要らなくなるわけであります。道路を都の方に還元して、公共道路として無料で使用させる。同時に公団は要らなくなりますから、そのときは解散をさせることになるのであります。
  37. 山中吾郎

    山中(吾)委員 大体構想はわかりました。私の質問はこれで打ち切りますが、今私の申し上げたようにもし実施になると、私のような見方から、予想しないような心配事とか汚職とかいうふうなことが起るように私には思われるので、その点、一番最初に明言されましたように、傍観者としての監督でなしに、事業内容建設省直轄事業でやるべき問題であり、また都としては都市計画の重要な問題なんですから、その点を十分に警戒をしていただきたいと思います。
  38. 堀川恭平

    堀川委員長 塚本委員
  39. 塚本三郎

    ○塚本委員 先ほど山中委員の御質問せられた問題と関連して、首都高速道路公団について御質問申上しげたいと思いますが、それに先だちまして、先ほどから瀬戸山委員が御質問をされましたあの跡始末の問題でございますが、実は前々回の委員会でもこのことは論議せられたわけでございます。建設大臣は、あの東京高速道路株式会社に対しての許可権は、運輸大臣と共管でもって許可しておられるということになっておるように議事録では拝見いたしたのでありますが、許可したということになると、その後の監督権というものは根拠がない、もはや都の問題であって、建設大臣は監督の権限がないというふうなことも仄聞いたしております。しかし、許可した限りは、私どもの考えでいきますと、当然一般道路政策として監督の権限はあるというふうに思うわけですが、その点、どうでしょうか。
  40. 遠藤三郎

    遠藤国務大臣 道路に関する限りは、建設大臣の監督下にあるわけであります。従って道路を何しておるんだというようなことで、東京都を呼びつけてしかりつけておるわけであります。それは監督権からくるわけでありますから、何も文句はないわけであります。
  41. 塚本三郎

    ○塚本委員 先ほどからの話で、私どもここで議論することは、大臣にはっきり監督の権限があるといたしますれば、非常に有意義だということになってくるわけでありますが、二十八年、二十九年に当委員会においてなされた議事録を全部読ましていただきまして、当時瀬戸山委員などがこの点についてはずいぶん御苦労なさって、今日あることを予期して、再三にわたってくどいくらい質問しておいでになるわけであります。しかるにかかわらず、残念ながらその予言というか、疑念といいますか、それが完全に的中しておるような状態であります。ようやく本日大臣の言明によりまして、道路として使用でき得るような形に結末の見通しを得られておるような状態でありまして、私は、この議事録を拝見いたしておりまして、建設委員会というものは全く無力だということを痛切に感じたわけであります。といいますのは、あのときに当該道路局長説明、あるいはまた東京都副知事が参考人としておいでになっての当時の説明等を読んで参りますと、道路が目的である、こういうことに対しては、再三交通難緩和のために道路が目的である、そうして絶対に商店には使わせない、こういう言明までいたしております。これは、昭和二十八年の話でございます。ところが二十八年になりますると、丸ビルの一階のあの商店街程度のものは、東京都議会においては作っていいのじゃないかという話が出ております。こういうことを、東京都の建設局長参考人として説明をいたしております。そういたしますると、やはり事実上できてしまったものは、こわすわけにはいかないからということで、委員会としては、二十八年にあれほど瀬戸山委員、あるいはまた村瀬委員等が御心配なさって、ずいぶんこの問題は追及しておいでになる。なおかつ営利をするというとこが悪いのじゃないのだ、しかも倉庫やガレージにするということは、これは利用できない状態にあるのだ、こういう点までるる質問しておいでになるにかかわらず、できない場合には、利用せずにほうっておくより仕方がありませんということで、商店には利用させない、こういうことまで言明してあるにかかわらず、今日見ますると、倉庫やガレージの片りんさえも見えずして、そうしてああいうりっぱな西銀座デパート及びフード・センターが西に東にできております。こういう姿を見てみますると、一般の都民及び国民が、一体このふんまんをどこにぶっつけていくのか。もちろん当委員会は決算委員会と違いますから、別にこれを追及するということに対してはいささか道がはずれておると思います。(「追及していいよ」と呼ぶ者あり)しかしながら、よくしろうとの人の政治に対する疑惑ということを見てみるときに、このしろうとの直感——おそらくあの質問のときに、瀬戸山先輩も、そういう技術的のことにおいては私はしろうとであるということで、遠慮しいしい疑念を真剣に追及なさっておいでになる。そういうことを考えてみますると、監督権がありながら、しかも明瞭に、あれは倉庫やガレージに作るのではなくて商店街にするのだということは、今になってみると、あのときに逃げ回っておったような言葉を使わなければならないわけでありますが、当時は、もちろんできてしまわない限り、できたらぶちこわすか、こういうはっきりした質問までしておいでになるし、断じて許可しないというふうな絶対的な言葉までお使いになっておられる。こういう点を考えてみますると、建設委員会が、しかもそれは道路を目的として建設したということになり、あれほどまでにはっきりしておるにかかわらず、商店を作ることにはだれも反対しておらない。それを、実は一般の疑惑をカムフラージュするために道路ということを言っただけで、真の目的は、実は道路でなかったような形で、道路にするために、今日ようやくそのしりぬぐいとして、昭和通りまで続くようにさせるという大臣の言明でもってやっと救われたような形になっております。この点を考えて参りますると、当委員会及び大臣権限ということに対して、もっともっとその一つ一つにはっきりとした監督の権限を、あるいは責任といいますか、それを発揮すべきではないかと思いますが、その点、どうでございましょうか。
  42. 遠藤三郎

    遠藤国務大臣 二十八年の国会でいろいろ論議されたそうでありますが、私としては、実はこの間あれを見に参りました。初めて見たのでありますけれども、行ってみますと、道路としては相当価値のある道路が私はできておると思います。あれを完全に供用しさえすれば、非常に都民からも喜ばれるような道路になると思うのであります。ただその工事が非常におくれておるために、疑惑も生じて参りましたし、建設省は何をしてるかというような意見も出て参ったのでありまして、私としましては、委員会の皆さんの御議論の趣旨を体して、やはりあれはもうガラス張りでもって、そして早く都民の要望しておる供用開始へ持っていくことが先決であるということで、それを促進しておったような次第でありまして、決して建設委員会が無力なわけでもなんでもないわけであります。建設委員会の意向を体して、急速にやらせるということにしたわけでございまして、一つ御了承いただきたいと思います。
  43. 塚本三郎

    ○塚本委員 工事がおくれておったというお話でありますが、私は、これは全然違うと思っております。と言いますのは、工事がおくれておるということ、最初の計画で、たとえば土橋におろす、あるいは紺屋橋でございましたか、東京駅寄りの方を、もしあの通りに行なったとするならば、おそらくこれは、都民怨嗟の的になるであろうことは火を見るよりも明らかだと思うわけです。しかもそのことを、二十八年の議事録で見ますと、瀬戸山委員が、昭和通りまで延ばさないことにはだめだということをるる説明しておいでになるはずです。それを振り切って、実は最初の計画でいきますと、土橋あるいは紺屋橋へおろすということになる。昨日予算委員会においても質問申し上げたわけでございますけれども、十六メートルの道路に対して、出先きがわずか六メートルでございます。十六メートルの高速道路に対して、T字型になっているところがわずか六メートル。その左へまっすぐ進むところの道路、これまた六メートル、こんな道路にしたら問題にならないと思うのです。そう考えて参りますと、計画そのものが、やはり昭和二十八年に瀬戸山委員なり村瀬委員等がそのことをやかましく追及いたしまして、もしそこでとめるとするならば、道路でないはずなんだ、それは道路の地下を利用することである、しかもその利用も、倉庫としては全く用をなさない形の計画しか見当らないのだ、こういうことを追及しておいでになるわけです。だからきょうの大臣の言明によりまして、昭和通りまでやらせるということで、道路として初めてできる形になっております。過ぎ去ったことであり、当時と大臣が違っておりますから、この点の言明をあまり追及することは、責任の所在がずらかっておりますから、この程度にしていきたいと思いますが、それでもなおかつ幾多の疑問が残されております。たとえば当時の議事録を読んで参りますと、七つの大きな会社に坪当り十万円ずつ十五カ年お借りして、その金の八割くらいで建設するのだ、こういうようなことが言われております。坪当り十万円といいますと、地下と一階と二階ということになっており、しかも、きのう私は中をずっと地下から二階まで見て参りましたが、今日完全にいずれも利用せられております。そういたしますと、坪十万円ということで三層でございますから三十万円です。ところが建設費は幾らかということを聞いてみますと、実は一般道路、下から上まで全部で平均十万円であると、きのう説明の方は言っておられる。橋梁にして十五、六万円、だから一般のあの下の商店街に使っているところは十万円、ところが借りている金は実は三十万円だということです。またその金を貸したところの、七つか幾つかが出しておりますが、日興証券であるとか、あるいは毎日新聞社、エスビー食品会社、こういうような会社が実は十万円ずつということで借りておりますが、またそれを転貸ししております個々の借料、保証金という名前だと思いますが、これは、佐藤委員が前々会坪当りに対して六十万ないし八十万している、こういうことも当委員会において言明せられたわけでございます。そういたしますと、もちろんそれは通路等にもとられるから、たとい半分だといたしましても、三十万ないし四十万という金額になるでございましょう。その二十万ないし四十万という金額が、地下と一階と二階ということになりますと、少くとも坪百万円という金が出てくる。工事費が平均十万円、そして一番金のかかる橋が十五、六万であるにかかわらず、少くとも坪当り百万円は金が出ている。これはしろうと勘定であります。実は平気でそういうことが行われている。こういうことを見てみますと、やはりあそこには完全な汚職があると、しろうとの人たちが言うのも無理ないと思っております。しかもなお道路という名目によってカムフラージュせられており、しかもそれに対する監督権が十分行き届いておらなくて、道路として供用がおくれているというけれども、実はおくれているのではなくて、この通りにやったならば大へんなことになるから、おそらくこれも前々会道路局長が言明された通りストップされている。これも正しいと思う。そういたしますと、疑惑の中心は東京都であることはもちろんでございますが、この点、火曜日に参考人も来るということでございますから、追及はいたしませんけれども、建設委員会が無力であり、大臣の指導が十分でなかった。これは、しろうと勘定がそういうふうに出てくる以上、これを解くべき手段を講じない限りは山中委員が先ほど御質問申し上げましたように、やはり同様とは言いません、もちろんこれは個人の会社であり、今度は公共企業のような形でございますから、十分この会社とは違って監督権は行き届くではございましょうけれども、しかもそれと同じに道路をつなぐということになりますれば、やはりこの疑惑をはっきり解いておくことが、この道路公団道路建設に対して、今後これをスムーズに建設するために大きな力になるのではなかろうか、これをはっきりしておかないと、住民から幾多の問題が出てきてしまう。そういう意味で、私どもは今さら決算委員会でございませんから、この責任を追及しようとか、そういうことは毛頭いたしませんけれども、やはり最初の失敗をきれいにすることが、あとの工事をスムーズにさせるためにも必要である。しかも私どもが町に出て参りますと、建設委員がぐるになっているとか、あるいは建設省がぐるになっていると言い、運輸省とか東京都とほとんど言ってくれない、これが現実の姿である。この点をはっきりさせる必要があるのではないか、そう思って申し上げたわけであります。この点、大臣の所見を承わっておきたい。
  44. 遠藤三郎

    遠藤国務大臣 ただいま建設中の高速道路株式会社のあの道路につきましては、いろいろな過去のいきさつがあったようでございますが、しかし今度やります首都圏道路の建設については。そういう意味を十分考えて、これは政府自体がやるべきものだが、しかし政府自体が直接やって参りますと、非常に困難な問題がありますので、それにかわって公団のようなものがやる、そういう意味で、ガラス張りでもって何らの疑惑もないような清潔な道路一つ作ってやりたい、こういう考え首都圏道路公団というものを作ることにしたのでありまして、過去において、確かに今建設中の道路の問題については、多少監督が行き届かなかった点があると思います。しかし今後の問題は、十分はっきりとして、ガラス張りの中で、何人も疑問を持たないような清潔な道路を作る、そういうかたい決意を持っておることを御了承いただきたいと思います。
  45. 塚本三郎

    ○塚本委員 中のこまかい問題等、一つ一つ私は検討してみたわけでありますけれども、たとえば西フード・センターの横に一つおり口がございます。これなども、おりて参りますと——これは、大臣、あまりこまかいところだから、おそらく御承知ないと思うのですが、一車線でおりるだけになっております。そしておりたところは西フード・センター、東フード・センターといって、非常に人でごった返しております。しかもそのまわりは、丸ノ内松竹という映画館であります。おり口にいたしましても、デパートが二つ、おそらくデパートと同じような性格を持っておりまして、それが地下、地上二階というふうに、全部これは食料関係の商店であります。ここから人が吐き出されて参ります。隣は映画館であります。向いには電気研究所だと思いますが、こういう中で出てくる。その道路はわずかな狭い道路。一体このおり口で、どういうふうにして自動車が出るのか。うしろから全部だんごのような形になってきて、この道路自身も全く使用に耐えないような形だなんということを私は見て参りました。こういう形が、倉庫ならおそらく人はそんなに出ないかもしれません。だけれども、あんな食料のセンターができておりますと、これもおそらく道路の拡張は、今不可能だ、T字路なんか出てこられない。出ようと思いますと、隣は映画館、向いはそういう食料の、ひんぱんに人口の通るところの店になっておる。こういう形で、おり口ができて参っております。これなども、やはり当時の計画からいたしますと、全く道路政策という立場から私ども考えて参りますと、もっともっと親切なやり方というものがあったのではなかろうか、こういうふうに思うわけでありまして、この点を、今後具体的な設計にお当りになる今度の公団の問題についても、十分都民から忌避されないように、そういう施策を講じておいていただかなければならぬと思います。  具体的にこの公団の問題で一、二点お尋ね申し上げたいと思いますが、民有地を立ちのいてもらって、そしてそこへ道路を作る。その道路の所有は都のものになるという話でございまして、立ちのいた人たちが、その中に入るという話でございます。そういたしますと、道路が都のものになるといいますると、道路の下のいわゆる住居になるところ、あるいは商店にもなるかもしれませんが、その所有権というものは、どこに帰属するのか、この点をお尋ねしたいと思います。
  46. 遠藤三郎

    遠藤国務大臣 道路の敷地の中に入るものについては、一応これは買収して参ります。買収しないで借りておるというような形は、いろんな問題を将来に残しますから、買収を原則としてやって参ります。それで、買収については、相当の金を支払ってやって参りますが、しかし買収された後に職がなくなってしまう、店がなくなってしまうというような場合に、他へ行って商店を新しく作るという人は別でございますけれども、どうしても道路の下を使いたいという人に対しては、優先的に使っていくことを認めて、業が続くようなことをはかってやったらどうかというような考え方を持っておるわけでございます。従って、その道路の下を使う場合には、将来は都の施設を借りていくような格好になるわけであります。借り賃を払っていくような形になっていくわけであります。そういうような一貫した構想でもってやっていきたいと思っておるわけであります。
  47. 塚本三郎

    ○塚本委員 あの都のものを使うといいますと、よく私まだ具体的に——たとえば立ちのいたところは全部売り払ってしまう。そして今度は、その道路の下へ建物のような形で住居なり商店なり入るというと、今度は賃借人という形でそこへ入るということであって、そしてその下の構造物すべてが、これは償還するまでは公団のものであり、償還したら都のものであるということであって、それに対する賃借人という形になるわけでございましょうか。
  48. 佐藤寛政

    佐藤(寛)政府委員 私から御説明いたします。道路敷地に民地がかかりますときには、ただいま大臣のお話のように、これは買収して参ります。そして買収された方々で、事情があってこの高速道路の下等にお入れしなければならないような場合、その場合には、道路の占用を許可する。こういう形で、高速道路の下をそういう方に利用していただく。占用でございますから、若干の適切な占用料をいただくことになります。道路の敷地でございますから、通常の道路と同じように、道路の一部を占用させる、こういう形に相なるわけであります。
  49. 山中日露史

    山中(日)委員 先ほどの山中吾郎委員の御質問と、それから今の塚本委員の御質問に関連いたしまして、お尋ねいたしたい。この高速道路公団新設いたしました上下の道路、これの所有権の帰属の点がちょっと明確でないように思うのです。先ほどの大臣の御答弁によりますと、公団がその減価償却をしたときに、その道路の所有権が都に移る、こういう御説明であったようでありますが、局長の方は、何かそうではなしに、道路ができ上ったときに、もうそれは都のものになって、そうしてその維持管理を公団がするんだ、こういうふうに述べられたように今思うのです。結局上下の人造の道路ですね、この帰属の時期が、一体どちらが正しいのか、そこがちょっと明確を欠いておるから、御答弁願いたい。
  50. 美馬郁夫

    美馬政府委員 これは、いろいろ道路法の構成の問題がありまして、なかなかおわかりにくい点があるかとも思いますが、そういう公団事業をやる場合には、これはおそらく都道として認定してやることになりますから、その限りにおいては、これは都道一般の原則に従いまして、都が管理し都がやっていくという建前でございますが、今度公団事業計画をやる場合には、一般なら都が管理権を持っておりますものが、今度は管理権が公団に移ってくるわけでございます。公団が建設し事業をやっておる間は、これは公団が、都道ではあるが管理していくという形をとっておりますが、最後にこの事業を終了して、目的が終った、公団が解散するという場合になりますと、この法律によって公団が一時管理権を持っておるのが、また都に返っていくという形でございます。
  51. 山中日露史

    山中(日)委員 地面ならば、そういうことでわかるのですけれども、地面でなしに、人工的に上に道路を作るわけですね。政府からの出資を受けたり借金をしたりして、公団という一つの法人が、独自の立場においてそういうものを自分で作るわけです。それが一体どうしてすぐ都のものになるのか。その帰属の法律的根拠というものが、ちっともこの法案の中にはないわけです。ですから、何か公団という法人が自分の金で作る道路、それができ上ったときに、その道路が一体いつ都のものになるのかということ、これは法律の明文の上において明確にしておかなければ、都とそれから公団の間に、その人造的に作った上下道は、一体いつ所有権が帰属するのか問題があると私は思います。公団と都との間に将来そういう協定を結ぶ、そういう場合にはこれは都のものになるんだという協定でもあらかじめ結んであれば、これはむろんいいわけです。そういう協定も何もなしに、当然都のものになるというのには、何かそこに法律の根拠がなければならないと思います。この法律にはないわけですね。そういう点は、どういうふうにお考えですか。
  52. 小林忠雄

    ○小林説明員 これは、ここの所有権の問題と、道路という公物の管理権というものの問題と両方からんでおります。これは道路の管理権の問題といたしまして、たとえば東京都が都道と認定いたしますと、これは、その管理権は本来公共団体である都にあるわけでございます。それが、公団がその新設改築をいたしまして、料金を徴収いたします期間だけこの公団法の附則で、道路整備特別措置法の一部を改正いたしまして、その間だけこの公団が、本来の道路管理者であります東京都の権限の一部を代行いたす格好になるわけでございます。民法上の所有権の問題につきましては、道路整備特別措置法の二十八条をこの公団法の附則で改正いたしまして——この新旧対照表がお配りしてございますが、道路整備特別措置法の新旧対照表の二十八条を読みますと「日本道路公団又は首都高速道路公団が取得する有料の道路の敷地等の帰属」という条文がございます。これによりまして「日本道路公団又は首都高速道路公団道路新設又は改築のために取得した道路を構成する敷地又は支壁その他の物件は、日本道路公団又は首都高速道路公団に帰属する。」ということになっておりまして、民法上の所有権の帰属は、公団に帰属するわけでございます。ただ道路法という管理法の体系の管理の権限、本来都にございまして、その一部を料金徴収期間中だけ、措置法によりまして公団が代行する、こういう形になっております。
  53. 山中日露史

    山中(日)委員 そうしますと、大臣の答弁とはちょっと違うんじゃないでしょうか。原価償却云々という問題と、その都に帰属するという問題とは、別に関係はないことになりはしませんか、今の説明を聞いておりますと。大臣の御答弁は、道路公団がその道路新設に要した費用、つまり原価を償却したときに都に帰属するのだ、こういう御答弁であった。今の説明員の話と食い違っておりませんか。
  54. 小林忠雄

    ○小林説明員 ただいま説明いたしましたのは、公物の管理法であります道路法なり道路整備特別措置法における公物の管理権の問題と、それからここに取得いたしました土地なり物件なりの所有権の帰属とにやや混同があるわけでございますが、その道路整備特別措置法の二十八条で、公団が取得した有料道路の敷地等の帰属につきましては、これは首都高速道路公団だけでなくて、本来日本道路公団におきましても、従来とも日本道路公団道路新設または改築のため取得いたしました敷地の所有権といいますものは、道路公団に帰属するような建前になっております。ただ、料金徴収の期間が満了するということは、建設費を大体償却したときでございます。建設費の償却をいたしました場合には、その公法上の道路法に基く管理権といいますものが、本来道路管理者である国なり都道府県に帰属するわけでございます。その料金徴収期間が満了して、本来の道路法に基く道路管理者に管理権が帰属した後における民法上の敷地の所有権その他の帰属の問題は、今後の問題でございますが、たとい法律的には所有権が残りましても、管理権そのものは本来の道路管理者である都道府県なり国に属する。しかし民法上の所有権は、依然として公団に残る格好になりますので、これは、公団の財産として公団の解散のときの問題になるのではないかと思います。
  55. 山中日露史

    山中(日)委員 今の御説明によりますと、結局その上下道のごとき道路は、一応公団のものになるのだ、公団のものになるのだけれども、それは都が本来管理すべきものなのだ。その管理権を公団に委任して、つまり公団は委任を受けてその道路を管理する。管理だけのことなのです。そうしてそのでき上った道路そのものは、あくまでもそれが解散するまでの間は、その所有権は公団に属する、こういうことになりますね。そういたしますと、将来その道路が都のものになるという時期は、結局公団と都との間の、将来の話し合いの上でなければ、それはきまらないということになるわけですか。
  56. 小林忠雄

    ○小林説明員 その問題につきましては、この法律の第四十七条で、「公団の解散については、別に法律で定める。」という規定がございますし、また日本道路公団法にも同様な規定がございまして、その際の財産帰属は、将来法律で解決すべき問題であるというように考えております。     —————————————
  57. 堀川恭平

    堀川委員長 この際参考人出頭要求に関しましてお諮りいたしたいと存じます。来たる二月三日の当委員会におきまして、首都高速道路公団法案につきまして、参考人の出頭を求めて意見を聴取したいと存じますが、御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  58. 堀川恭平

    堀川委員長 御異議ないと認め、さよう決します。  なお、人選につきましては、委員長に御一任をいただきたいと存じますが、これに対して御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  59. 堀川恭平

    堀川委員長 御異議ないと認め、さよう取り計らいます。  本日はこの程度において、次会は三月三日午前十時より開会することにいたしまして、本日はこれにて散会いたします。     午後零時四十七分散会