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1959-02-25 第31回国会 衆議院 建設委員会 第11号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和三十四年二月二十五日(水曜日)     午前十時三十分開議  出席委員    委員長 堀川 恭平君    理事 木村 守江君 理事 佐藤虎次郎君    理事 瀬戸山三男君 理事 二階堂 進君    理事 南  好雄君 理事 上林與市郎君    理事 中島  巖君 理事 三鍋 義三君       井原 岸高君    川崎末五郎君       砂原  格君    橋本 正之君       石川 次夫君    東海林 稔君       塚本 三郎君    武藤 武雄君       山中 吾郎君  出席政府委員         建設政務次官  徳安 實藏君         建設事務官         (計画局長)  美馬 郁夫君         建 設 技 官         (道路局長)  佐藤 寛政君         建設事務官         (道路局次長) 關盛 吉雄君  委員外出席者         専  門  員 山口 乾治君     ————————————— 本日の会議に付した案件  首都高速道路公団法案内閣提出第一〇四号)  道路法の一部を改正する法律案内閣提出第一  〇五号)  道路整備緊急措置法の一部を改正する法律案(  内閣提出第一〇六号)  日本道路公団法の一部を改正する法律案内閣  提出第一四〇号)      ————◇—————
  2. 堀川恭平

    堀川委員長 これより会議を開きます。  道路法の一部を改正する法律案道路整備緊急措置法の一部を改正する法律案首都高速道路公団法案日本道路公団法の一部を改正する法律案の各案を一括して議題とし、審査を進めます。  昨日に引き続きまして質疑を行います。三鍋委員
  3. 三鍋義三

    三鍋委員 当委員会審議中の、ただいま御提案になりました諸法案に対しまして、政務次官並びに政府当局に御質問申し上げたいと思います。  どうも自民党政府さんは、公団が非常にお好きなようでございます。これに対しましてわが党の各委員から、何べんも質疑がなされたのでありますが、私は、これはやはりもう一ぺん顔を洗って出直して来らるべき問題でないか、このように感ずるのであります。この問題に対しまして、政務次官、どうですか。もちろんこれを御提案になるまでには、慎重に、また最も適切なものであるという御見解のもとにおこしらえになったものであると思うのでありますが、私は、非常な問題が内蔵しておるように思うのでありまして、この点に対しまして、一つ政務次官の御所信をあらためてお聞きしたいと思います。
  4. 徳安實藏

    徳安政府委員 首都高速道路公団法の御審議に当りまして、道路公団の今度できますものにいろいろ御意見があるようでございますが、私どもは、ただいまあります道路公団だけでは、首都交通緩和をはかるために不十分であるという観点と、さらにその建設を促進いたしますためには、今の考え方だけではとうてい所期の目的を達することはできませんので、やはり首都でありまする東京都のより強き協力と、資金面におけるところの東京都の協力を得ることが必要であるというような点、それから工事を行いますのも、やはり密集市街地建設するわけでございますので、東京都の協力というものがなくてはとうていその目的を達し得られないというような観点、いろいろな点からこの首都高速道路公団というものの設立を意図したわけでございまして、この方法でなければ緊迫した交通関係東京都内に限っては、少くもこうした公団でなければ、まのあたりの解決は困難であろうというような関係から、今の道路公団と分離いたしまして、ただいま御審議願っておる公団設立する方針が決定したわけでございます。もちろんできることならば、今すでに道路公団ができておることでありますから、それのみで機能を発揮させて、こうした事業もやったらどうかという考えも、当初からないわけではございませんけれども、何しろ首都の重要な性格から考えまして、非常に差し迫っております問題であり、道路公団は、全国的に幾多の道路公団としての新しい道路建設するために忙殺されておるような状態でございまして、とうてい主力首都に傾けるわけにいかないというような関係から、また今申し上げましたように資金面の点から、あるいは密集した市街地における街路事業というものが、都の協力なくしては容易に行いがたいというような観点から、決して思いつきではなくて、研究研究を重ねた結果、ここに結論が出たわけであります。従って、将来のことにつきましては、私どももただいま何とも御返事をいたしかねますが、まのあたり東京都におきましては、こうした公団によってでなければ、差し迫ったこの交通緩和ということの解決策にはなり得ないであろうという、究極の結果がこの公団ということになったわけでございまして、これが運営等につきましては、もちろんいろいろの御疑念等もありますから、各方面の御意見を十分参酌いたしまして、誤まりないように努力いたすことはもちろんでございますし、あるいはまた疑惑の生ずるようなことのないように、細心の注意を払うことももちろんでございます。しかしそういう考慮を払う一面において、どうしてもこうした機関が今日は必要であるという考え方から、本案を提出しておるわけでございますので、ぜひ御審議の上、すみやかに御決定願いたいと存ずるのでございます。
  5. 三鍋義三

    三鍋委員 政務次官は、御性格だと思うのですが、非常に懇切丁寧で、大へんけっこうなのでありますが、時間の関係もありますから、一つ簡単に、重点だけにまとめて御答弁なさるようにお願いしておきます。  そこで、昭和三十一年の三月十四日に日本道路公団という法律ができたのでありますが、このとき日本社会党は、これに反対したのです。反対の理由は、いわゆる道路の無料の原則というものを建前といたしまして、それに有料道路というものの性格をよく考えてみたときの立場においてであります。御承知の通り有料道路というのは、普通アスフアルト、あるいはコンクリートのりっぱな道路ができておりまして、何ら交通に不便がない、こういうものが一本あるのです。あるんだけれども特定の時間に、あるいは特定の日にこれがあまりにも輻湊する、思うところに思う時間に行きにくい、こういう場合において、別に作った道路有料道路本質である。この有料道路お金を出して通ることによって、なお時間的に、あるいは経済的に十分償われる、こういった立場においてできたのが有料道路本質であるのに、日本道路建前からいくと、普通通るべき道路が全然整備されていないのに有料道路を作るということはどうか。結局お金を出して、やむにやまれず通らなければならない、そういった状態に追い込められるのではないか、こういうふうな観点からいたしまして、私たちは、一応貧乏な日本としては、ちょっと安易に考えられやすい問題であるけれども、これは、やはり国の根本施策として考えていくべきである、こういったような立場に立ちまして、これに反対したのであります。今ガソリン税のまた増徴の問題にいたしましても、都合のいいときは、また都合のいい面だけをすぐ外国の例を引かれるのでありますけれども、このガソリン税増徴にいたしましても、私はやはり根本精神が違っておると思う。りっぱな道路を作ってあげたぞ、これで、ここをお通りになることによって時間的に、あるいは梱包において、あるいは破損の度合いにおいてあなた方は大きな利益を受けるのだ、今まででこぼこな道路を走っていてずいぶんお困りだったでしょう。こういう工合にりっぱにしてあげたのだ、だから一つ協力してくれ。こういうところに、やはりガソリン税の値上げを言わなくても、業者の方から少し出さしてくれと言ってくる。こういうのが私はほんとうの政治だと思うのです。今度のガソリン税の問題にいたしましても、たくさんの人が陳情に来ているでしょう。あの人らの声は、こう言っては失礼かもしれないけれども、もうけが少くなるといった気持があるいはあるかもしれない。しかし、結局増徴することによりましてどこへ影響がくるかというと、貨物運送費またバスの運賃、こういうことによって輸送費が高くつくからして、私たち国民大衆日常生活消費物品に影響してくる、こういう観点に私たちは立つのであります。話は少し横道へいったようでありますけれども、そこで、ただいま政務次官の御答弁によりますと、まあ都から資金を受け入れることでもあるし、現実に差し迫っておるところの都の交通状態をどう解決するか、こういう建前から、またいろいろこれを実施する上には、区画整理その他の都と密接な連絡をとらなければならないという現実の面から、どうしてもこれが必要だ。こういうようにおっしゃるのでありますけれども、私は、これはやはり一つのこの法案を通すための理屈である、こう言っちゃ失礼でありますけれども、そういった考え方に立たざるを得ないのであります。私は、これはやり方によって、幾らでもこの日本道路公団においてできると思うのです。私たち日本道路公団そのもの反対いたしました。しかしできた以上は、これをやはりりっぱに機能を働かせて育てていきたいと思うのであります。そこへまたこういうものを作るということは、屋上屋を重ねるものであるという国民の批判は、私はやはり聞かなければならないのじゃないかと思うのであります。そうして東京都という一つに限られた現実の問題は、私は否定はしませんけれども、やはり日本全体のこの都市計画道路行政、こういう観点に立つならば、道路公団を育成してその機能を十分に発揮せしめる。道路公団反対であったのだけれども、できた以上は、これを育ててそして十分仕事をやってもらいたい。こういう立場に立って私は申し上げておるのであります。こういったいろいろの問題がある中で、私は、やり方によっては幾らでもできると思うのです、日本道路公団において。特別のワクを設けてもよろしゅうございますし、都との連絡を密にするためには、都から代表の理事を入れる方法もありましょう、またこの機能を十分に発揮するためには、いろいろの必要な職員をふやすことも必要でありましょう、これはできるのであります。こういう観点に立ちまして、私はもう一ぺん考えてみる必要があるのではないか、こう申し上げておるのであります。政務次官の御所信を重ねてお聞きしたいと思います。
  6. 徳安實藏

    徳安政府委員 ただいまるるとしていろいろお説を承わりました、道路公団設立精神等につきましては、私どもも、ただいま三鍋委員お話のような点について全く同感でございます。ただ私どもは、その必要性を認め、社会党は必要でないというお考えで御反対なさったようでございましたけれども道路公団性格、あるいは法の精神等につきましては、大体先ほどお話しのように、私ども同感でございます。ただこの公団東京首都交通緩和に関する根本施策が行えるかということにつきましては、私どもの今の見解では、別途のこうした機関をこしらえた方がよかろうということに結論づけたものでありまして、もちろんやり方によりましては、公団でできないことはないと思います。しかし、よりこの方がいいんじゃないかという考え方であります。つまり道路公団といたしましても、主力東京都内に注ぐことのできない現状でございまして、ただいま行なっておりまする事業すらも、なかなかその運び等につきましても容易ではございませんし、さらに第二、第三と、全国的に道路公団の行わねばならぬ使命というものは、数限りなく今山積しておりまして、東京都に主力を注ぐような態度は、現在は不可能ではないか、しかも、それをじんぜん日を待っているような、そういうなまやさしい東京都の現状ではない。こういう考え方から、いろいろ議論はございましたけれども、思い切ってこの際一本こういう公団をこしらえまして、そうして首都交通緩和に専念させようという考え方でございまして、御意見は私ども賛成の点もたくさんございますけれども、結局、最後にはこうした公団を作る以外にないという私ども結論に達したわけでございます。この点は、一つ御了承いただきたいと思います。
  7. 三鍋義三

    三鍋委員 どうも政務次官答弁は丁寧過ぎて、もう少し簡単にやっていただきたい。(「質問が長い」と呼ぶ者あり)質問は長いということもありますけれども、これはよく味わって聞いていただきたいということを、私は言っておるのであります。  そこで、道路局長にお尋ねするのですが、有料道路は、その収入によりましていろいろ諸経費をまかない、元利償還していくわけなんですが、それはどうですか、AならAの有料道路、BならBの有料道路において、独立してこれを決済していくのですか。それとも全国的にプール制にして運営していくことになっておるのか。この前審議したのでありまするが、ちょっとど忘れしているから、お伺いしておきます。
  8. 佐藤寛政

    佐藤(寛)政府委員 現状におきましては、全国たくさんの個所がございますが、それらは個別的に考えまして、個別的に料金によって諸経費をまかない、償還を考えていくというやり方をとっております。
  9. 三鍋義三

    三鍋委員 それは、大へんけっこうなお考えでありまして、たしか社会党は、その点を強く追及しておったと思います。そこで政務次官にお尋ねしますが、なぜ私たちはこれに何か危惧の念を持っておるかというと、どうも利権と深く結びつくのではないか、こういう疑念一つ持つのであります。もう一つは、役人さんの養老院といったら、ちょっと言い過ぎかもしれないけれども、何か聞くところによると、もはや理事長から理事がきまっておるやらきまりかけておるやらという、そういう話もあるのですが、こういう点から、私たちは、やはり新しいこういうものを作る上において検討しなければいけないのではないか、こういう考え方でございますが、この点、いかがでございますか。
  10. 徳安實藏

    徳安政府委員 断じて利権と結びつくようなことはさせないつもりでございますし、十分この点については監督いたします。また役員については、巷間うわさされておるようでございますけれども、これは他人のうわさでございまして、当局では、大臣以下何らこれに対して考えておりません。
  11. 三鍋義三

    三鍋委員 八路線計画が一応示されておるわけでありますが、このうちの五路線、すでに緊急措置法整備五カ年計画一環として、三十七年度までにこれが完成することになっておるのであります。あとの三線をこの次の年度からかかっていくというやり方をしていけば、相当の短期間にこの事業の完成ができるのではないか、こう思うのでありますが、これに関しまして道路局長、あるいは計画局長でもよろしゅうございますが、どのようにお考えになりますか。
  12. 美馬郁夫

    美馬政府委員 八路線につきましては、そのうちの五路線は、昭和三十七年度までの五カ年計画で遂行する計画になっておりまして、残りの三路線につきましては、おおむね東京都の交通麻痺状態が、昭和四十年あたりを目途として出かかってくるという状況にございますので、目下のところでは、残りにつきましては、四十年ごろまでにやりたいというふうな考え方になっておる次第でございます。
  13. 三鍋義三

    三鍋委員 自動車交通緩和ということを建前として、この高速道路整備考えられておるわけでありますが、この考え方は、もちろん必要であるといたしまして、これだけでなしに、もっとほかに根本的に考え余地があるように思うのであります。これに対してどのように考えておられるか、計画局長、御答弁願います。
  14. 美馬郁夫

    美馬政府委員 首都交通難緩和の問題は、もちろんこの高速道路設置だけによっては解決できない問題でございまして、その点は、先生のおっしゃる通りでございます。私ども構想としては、首都圏関係既成市街地に工場あるいは学校等人口が非常に増加する原因を規制するという法律提案されておりますが、この法律根本趣旨には賛成でありまして、やはり人口都内流入を規制する措置根本でございまするが、しかしそれらと並行いたしまして、具体的に道を作っていくということが根本問題であると考えるのでございます。もちろん道の問題にいたしましても、高速道路だけが唯一の問題ではございません。これと関連いたしまして、東京都の方におきまして基本街路、あるいは補助街路、あるいは細道路網というような都市計画基本決定を持っておりまして、これをこの高速道路建設と同時に並行してやっていく方針もとるわけでございます。なおこれらの道路対策と同時に、特に市街地中心部交通緩和の問題につきましては、あるいは電車の停留所の問題とか、あるいは路面電車の撤去の問題だとか、あるいはその他混雑する地点の拡幅なり改良の問題、これらの問題もあわせて考えていかなければ、決して解決できない問題であると考えております。なお最も問題であります駐車場設置の問題も、これと並行して、あるいはこの公団におきまして、あるいは道路公団、あるいは都の方におきまして計画をしておりますし、また路上駐車場の問題にいたしましても、交通が混雑しておる地域におきましては、地区を指定していろいろやっておるような次第であります。これらの対策を総合して、それの一環といたしまして、この高速道路建設するという考えになっておる次第でございます。
  15. 三鍋義三

    三鍋委員 いろいろお考えになっておるようでありますが、やはりもう少し根本に触れていくべき段階にきておるのじゃないか、このように考えるのであります。たとえば衛星都市整備するとか、あるいは都内貨物駅を撤去して外の方に移すとか、また市街地開発地域整備法律も出ておるのでありますが、その方面重点施策を講ずるとか、こういった問題もあわせて考えるべきではないか、そういう段階にきておるのじゃないか、私はこのように考えるのであります。そこで、一体この計画は、東京都心へたくさんの車が入ってくるのを何とか押えようとしているのか、ますます車が都心へ集中して入ってきやすいように考えておられるのか、これを一つはっきりと御説明願いたいと思うのであります。今のような状態であると、ますます速度を増大して、たくさんの台数が都心へ集中して、矢のように無数に入ってくる、こういう結果になると思うのでありますが、この点についてどのようにお考えでございましょうか。
  16. 美馬郁夫

    美馬政府委員 東京都の人口の増加に伴います自動車の数の増大ということは、非常に激しいものでありまして、これを押えるには、根本的な問題といたしまして、先ほどお話がありましたように、既成市街地の抑制の問題とか、衛星都市開発問題等があるのでございますが、やはりそれらの諸施策の方が根本的に先行するわけでございまして、この高速道路自体目的といたしましては、現状は何と申してもこういうふうに詰まっておりますので、何とかしてこの現状の打破をしたいというのが主たるねらいとなっております。従って現在でもそうでありますし、また四十年ごろになりますと、非常に交通が混乱するということを頭に置きまして、この交通をうまくさばいていくというのが主たるねらいになっておりますが、しかし、これだけでは根本的には解決できませんので、やはり中心といたしましては、人口の分散なり、施設の分散というふうな処置が先行して参らなければならなぬというふうに考えておる次第でございます。
  17. 三鍋義三

    三鍋委員 それでは現在施行されておりますところの東京高速道路、これとの関係はどうなるでありましょうか。前回の委員会でもちょっと出たのでありますが、これは大きな問題なのであります。よく調べてみますと、これは政務次官一つ研究を願わなければならない。私たちはあまりこれを知りませんでしたでは済まないのであります。泥のついたほうきで顔をさかさになでられておるような、そういうやり方なんです。そこで、東京高速道路株式会社計画によりますというと、上り口もなく、下り口もない、そういう高速道路であります。これを第八路線計画として上り口下り口をつないで、そうしてこれをしりぬぐいしてやるような、そういう格好が結果的に出てきておる。この問題を追及いたしますと、これだけでもずいぶん日数がかかるのでありまして、早くこの道路関係法案を参議院の方へ回したいという切なる御希望もあるようでございますから、私はきょうはこれを深く追及しません。しかし今度のこの法案を通すか通さないかの、私は一つの大きなポイントであると思いますので、若干やはり触れなければならないのであります。これは、本年の九月九日までに竣工することになっておりますが、設計変更なく、当初の計画通り竣工を目標に工事が進められているかどうか、これを一つ計画局長に御答弁を願います。
  18. 美馬郁夫

    美馬政府委員 銀座高速道路工事のスピードにつきましては、おおむね予定通り進められております。
  19. 三鍋義三

    三鍋委員 これはまたえらく簡単ですな。そこで、私たちは、この高速道路自体高速道路じゃないんだ、こんな一部分のものを作ったって、ヘビが卵を飲んだようなものであって、動きがとれなくなるんだ、こういってこの問題を追及しておったと思うのです。ところが、これを見ますとどうですか。土橋から数寄屋橋までは当分十二メートルだという。そして数寄屋橋から紺屋橋までが十六メートルでやるというんですね。十六メートルの幅員ということは、今計画されておる十六メートルの高速道路と、これは幅の広い狭いをなくして連絡できる可能性があるわけなんです。こういうおもしろいことをしておって、どこが高速道路か。十二メートルといったら二車線でしょう。こちらから四車線で十六メートル道路を走ってきて、数寄屋橋でどうするんですか。数寄屋橋で会いましょうでもないでしょう。それから、これは大体六十キロで走るんでしょう。バスは四十キロでしょう。これはあなた、めちゃくちゃですよ。高速道路でも何でもありませんよ。そこに大きな疑惑があるんです。先ほど私冒頭で突拍子もないような表現で言ったのは、こういう問題を現実に私たちが見せられておるから、この問題が解決しない限りにおいては、この法案はそう簡単に通せない、こういう考え方であります。これに対してどのようにお考えか、計画局長の御答弁を願います。
  20. 佐藤寛政

    佐藤(寛)政府委員 私から御説明申し上げます。  まず幅員でございますが、一部十六メートル、一部十二メートルというところが現実にはございます。これは、その場所が幅員のとり方に非常な制約がございまして、理想的に参らない結果からこういうふうになったものと思います。しかし、十二メートルの部分につきましては、ただいまのお話では二車線ということでございましたが、これは、六十キロ程度の設計速度をもちましては、四車線考えても支障ないと思います。ただ四車線としては十分でない。十分な四車線考え車線幅員をとり、しかも往復車線の間に分離帯のような安全施設考えるということになると、十六メートルはほしい。しかし、どうしても幅がとれないで、十分な施設ができないならば、十二メートルの幅員をとりますれば、いささか不十分ではございますが、一応四列並行の交通ができる見込みでございます。  それから先ほどお話がございました、この道路両方出入口がないという点でございます。これは、申すまでもございませんが、当初計画におきましては、両方にちゃんと出入口を作って認可申請をして参ったものでございますが、実施の段階に入りまして、途中におきまして、ただいま御審議をいただいております首都高速道路という構想が出て参りました。こういう計画があり、それが実現されるとすれば、それとの関係考えなければならない。将来はそれができるならば、それと何かの連絡する方法考えて、この銀座高速道路がやはりその一部として利用できるようなことを考えておくことが必要でなかろうか、こういうふうにその当時思いまして、当初出願によります計画を変更いたしまして、出入りを、この道路を高架のまま、首都高速道路の方の計画が固まりますれば、それにつながるような余地をただいま残しておるわけでございます。現状におきましては、紺屋橋側の方は出入口ができる予定で、ただいま工事をいたしております。これは、九月とはなっておりますが、おそらく六月のいいかげんのころにはできるのではないかと思っております。それから新橋口の方は、上り口だけはすでにできております。おり口につきましても、ここは土地柄非常に窮屈な所でございまして、ただいまその設計方法研究中でございます。
  21. 三鍋義三

    三鍋委員 ただいまの道路局長の御答弁で、私はますますけしからぬと思うのです。あなた、今この法律が通るか通らないかわからぬのですよ。そういうものを何年か前に予測して、こういう上り口もおり口もないのに許可を——初めは上り口はあったのです。難波橋から土橋へ上っていく口があったのだ。これを新幸橋、山下橋、この区間だけの許可を与えて上り口を削っておる。これを除外するという許可をしておるわけですね。そうして今何年か後に、しかもできるかできないかわからない公団、それを予想してこういうことを許可するという、そこに疑惑がある。疑惑があるという考え方を持つのが、そのことを言う者の心の中に何か疑惑があるのではないか、こういう考え方をされても私はやむを得ないと思う。それくらいこの問題には疑惑があるのです。そこで私は、今後この事業を遂行していく上におきましていろいろな問題があるのです。これは、またあとから申し上げますが、そういう点から申しましても、こういった問題を疑惑が残らないように、だれが見てもだれが考えてもすっきりした形において処理して、そうして次の段階に移っていかれないと、この事業の促進はなかなか困難であると思うのであります。悪く言えば、この上り口、おり口のここは、あまりいい利益あるいは利権が伴わない、やっても損だといったような形においてこれをちゅうちょしてやらない、こういうようなことがもしあるとするならば、私は、絶対にこれは今度の法案との関係におきまして、関連せしめるべきではない。一応やはりこの株式会社の計画をそのまま遂行させて、ああ便利なものを作ってくれた、あの下にはいろいろ当初の約束とは違ったものがたくさんできたけれども、まあまあこれくらいだったらいいといって、みんなに喜ばれるくらいの模範を一つ示していただいて、それからこれは一番最後に回してもらいたい。できたら八路線をカットしてもらいたい、これくらいの気持を私は持っておるのであります。この問題は、先ほども申しましたように、この事業を遂行していく上において非常に大きな一つのテスト・ケースであると思いますので、私は一応触れたのでありますが、いずれまた機会を見て、この問題の根本的な問題を追及していかなければならぬ、このように考えておるのであります。  そこで、こうやってかりにこの高速道路ができまして、料金の徴収についてでありますが、これを技術的にどのようにやられるのか。なかなか錯綜して相当なスピードで出入りする、これらに対するところの技術的な御構想を御説明願いたいと思います。
  22. 美馬郁夫

    美馬政府委員 首都高速道路公団の料金の徴収の問題でございますが、これは、実際私どもも非常に悩んでおるのでありまして、これを利用する台数といたしましても非常にたくさんになりますし、朝の混雑、あるいはタベの混雑等のときにはどういうふうにすればいいかという問題は、実は一番悩みの種になっておる次第でございますが、アメリカあるいはヨーロッパ等でいろいろ実施しておる例等も参酌いたしまして、私どもの大体の勘定では、八路線全線を単一制にいたしまして、プール制の料金にいたしたいというふうな考えでおりますのと同時に、たとえば料金等にいたしましても、相当毎日利用する者が多いようであります。これは、交通事情等を調べてみますと、都内へ乗ってくる車は、主として都内の車が多いようでありますから、そういう意味におきまして、月ぎめ制の励行であるとか、あるいは関門を入る場合に、現在やっておりますような方法ではなくして、もう少し簡単な方法研究してみたらどうかというふうに考えておりまして、この問題につきましては、料金徴収のために自動車交通に支障を与えることがないようないい方法考えていきたいと思っております。
  23. 三鍋義三

    三鍋委員 そこで、次にお尋ねいたしたいのは、今八路線計画路線として一応示されておるのでありますが、これは一応のめどであって、これがほんとうに生きてくるのは、ほんとうに生命を持ってくるのは、この法案が通過して、それぞれの手続がなされて、その後であると考えるのでありますが、それでよろしゅうございましょうか。この法案によりますと、業務の範囲といたしまして、二十九条によって、都市計画審議会の決定したものとなっております。それから基本計画といたしまして、三十条第一項、二項によりますと、これによるところの法的手続を経なければならないと思うのであります。これによって初めてこの計画線が生きてくる、このように考えるのでありますが、それでよろしゅうございましょうか。
  24. 美馬郁夫

    美馬政府委員 八路線の決定につきましては、お話しのように、公団事業といたしましては、基本計画で決定しなければ正式の決定にならないのでございますが、ただここにもありますように、首都圏整備計画に基き、都市計画事業として決定するということがありまして、実はこの都市計画の決定につきましては、昨年来、東京都市計画審議会においていろいろ検討して、あるいは一部の結論も出て参っておるような次第でございますが、正式な決定といたしましては、公団の基本計画がきまるときにきまっていく、こういうことでございます。
  25. 三鍋義三

    三鍋委員 その中で、この法案によりますど、日本道路公団の今までやってきた事業を継続するようになっておると思いますが、そうでございますか。
  26. 美馬郁夫

    美馬政府委員 二号線の一部につきましては、日本道路公団が三十三年度実施しておりますものを受け継ぐことになっております。
  27. 三鍋義三

    三鍋委員 二号線の一部というと、どこですか。
  28. 美馬郁夫

    美馬政府委員 浜離宮の周辺でございます。
  29. 三鍋義三

    三鍋委員 この日本道路公団においての計画路線の一部が成規の手続を踏んでおる、それは浜離宮の付近である、このようなのでございますが、どうも地元の方々の声を聞きますと、形の上においては成規の手続を一応踏んだような形をとっておられるようでありますが、この都市計画あるいは区画整理において多く問題になると同じようなケースが、ここにも現われてきておると、私はこのように考えるのであります。地元民の知ったのは昨年の暮れである、あるいは都政に携わっておるところの区会議員の方の大部分の人が、これを全然知らない。このように地元民が全然知らない間に、何かこそこそと——こう言ったら大へん失礼でありますが、結果においてそうなるのでありますが、そういう進め方をして、果してこの事業がうまいこといくかどうか、こういう疑問を私は持つのであります。この計画一つを取り上げてみましても、私はいろいろな問題があると思うのであります。たとえば芝白金町の自然教育園に対するところの公園の持つ役割というものを、どのように尊重していこうとされておるのか。東京安井都知事は、堀を埋め立てるので非常に有名になったのでありますが、三十間堀にいたしましても、先ほど数寄屋橋のあの堀にいたしましても、これは非常に大きな役割を今までしてきておるのであります。さかのぼれば太田道灌の江戸城が築かれたときから、大きな役割をしてきておるのであります。これをどう生かして使っていくかというところに、私はほんとうの都市計画の生命があると思うのでありますが、次から次へとこれを埋めていって——まあ用地の取得というものは、非常に大事でありまして、この考え方を私は全面的に否定するのではありませんけれども、やすやすと埋め立てていっておるところに、やはり問題があると思うのであります。実際洪水のときに、どういう影響を都民に与えたか、これは昨年身をもってみな体験しておるのであります。この上にまた川の上に高架を作るという、こういう考え方は、一体これは妥当なのかどうか。非常の出水で不測の災害を受けるというの、そういう危険性があるのかないのか、これに対してどういう科学的な根拠に立っておられるか、こういう問題を私はお聞きしたいのであります。
  30. 美馬郁夫

    美馬政府委員 この八路線計画につきまして、これは、実は昭和二十八年ごろから首都圏委員会におきましていろいろ東京都市高速道路の検討をいたしておったのでありまして、昭和三十二年の八月になりまして、これをいよいよ計画に移していこうというふうなことから、東京都市計画審議会の中に特別委員会というものを設けまして、以来この委員会中心となりまして、いろいろこの八路線がどういうルートをとっていくかということを、各方面の権威者を集めまして検討して参ったわけであります。この場合に、基本方針としてどういうふうな線路を選ぶことにしたかということでございますが、これは、都内密集市街地の辺におきましてはいろいろな問題がありますので、またこの目的から申しまして、できるだけ早い機会にこれを実現しなければならぬという要請もありまして、まず考えられましたのが、治水上、利水上支障のない河川とか、あるいは運河その他の公共用地等を利用するということが考えられたのであります。その他民地にいたしましても、民地を買収して都民に迷惑をかけるというふうなことは極力避けまして、公共用地であるとか、その他の土地を利用するという方針のもとにこの計画が出て参ったわけであります。これほどの広壮な計画でありますから、作る以上は最も合理的な、最もりっぱな計画を作りたいという方針のもとに、こういうことをやって参ったわけであります。もちろんそのために、川の上を通ります部分がありますが、これについては、各方面の権威者を網羅いたしまして、治水には絶対に支障がないような工夫をとりまして、そのために、現在治水目的に利用されております川につきまして、その河積を狭めないように、また洪水であふれた場合に、そのあふれ水が支障を来たさないようにというふうな設計上の配慮もしておるようなわけであります。また一部埋め立て等を行う分もありますが、こういう部分につきましても、先般来東京が、降雨によりまして相当な浸水が各所に起ったような例もございましたので、こういう前例を参考にいたしまとて、排水管等の設計も考えるというふうな対策をとっておる次第でございます。
  31. 三鍋義三

    三鍋委員 ただいま洪水とか、そういう心配がないようにという御答弁でありました。これは当然でありますが、いただきました参考資料十二ページ、この図で少しわからないところがあるのです。例といたしまして古川、神田川、その他としてあるのですが、この川幅は一体どういうことになっておる場合なんですか。川幅が狭い場合はこれで納得できるんですが、川幅が広い場合は、川の中にこの橋脚が立つんですか、そうして両側を埋め立てるんですか、そうして一部出水のときには、その埋め立てた両側の上も水がずっと流れる、こういう仕組みなんですか。ちょっとこれはわかりにくいんですがね。これはだれにもわかるようにやってもらわなければならぬ。十六メートルの幅ですが、それより川幅が狭い場合は、これが成り立つと思うんですが、川幅が広い場合には川の中にこの橋脚を立てるということになる。それから川幅が狭い場合、今度は両側の家に対する影響というものが非常に大きいと思うんですが、この点一つ、これは大事な点ですから、みんなにわかるように御説明願います。
  32. 美馬郁夫

    美馬政府委員 十二ページの(二)に書きましたのは、古川とか神田川とか、そういう川を横切る場合の一つの例示として書いておるわけでございますが、これは、高速道路の上が十六メートルございまして、もしその川幅が非常に広い場合には、もちろんこの脚の関係も広くなる。中に立てるようなことは、これは治水上の非常な障害になりますから避けていく、こういうことでございます。
  33. 三鍋義三

    三鍋委員 これは大へんなことですよ。川幅が広い場合は、川の中に立てることは、治水上危険だからいけない、両岸にかけて橋脚を立てるのですね。それは簡単にいきますか。そう簡単にいかぬと思うのです。
  34. 美馬郁夫

    美馬政府委員 私どもの方で大体考えております川は、おおむね十六メートル内外の川でありまして、そう広い川は、今の計画の地点にはないというふうに考えております。
  35. 三鍋義三

    三鍋委員 それ、現地へ行ってみればわかるのですが、そこで、そんなに広い川はない、大体十六メートルの橋脚、この路線で、そう影響なく工事ができるのだ、こうおっしゃるけれども、ずっと川の上を通された場合、大体家の構造から考えてみまして、両側のこの川をはさんでの住宅あるいは商店では、この川側が家の裏口になっておると思うのです。そうでしょう。この裏口というものは大事なんで、いなかだったら、朝起きたら戸をあけて、すがすがしい庭の、また周囲の新鮮な空気、あるいは太陽の暖かい光に接する、これが日常生活において一番大事なことなんです。ところが今度これができると、戸をあけたとたんに、こういうわけのわからない、万里の長城みたいなものがぼっと背戸にあるということになるのです。これは大へんなことですよ。そう簡単な問題じゃありませんよ。(「公共の福祉のためにやむを得ぬよ」と呼ぶ者あり)こういう問題を何でも公共ということで片づけようとするところに、私は自民党さんと仲がいいんだけれども、最後の手を握られぬところがあるわけです。これは冗談じゃないと思うのですよ。ずっと毎日の長い人生というものを考えてみなさいよ。戸をあけて広々としたものは、今東京の生活において望めません。しかし、せめてあまりきれいな水でもないけれども、さらさらと流れる、それを戸をあけて何かそこに清らかなものを感じ、気分転換をしてきた生活を、今ぽんとこういうものを通すことによって——公共の福祉のためといって、どういう影響をこの両側にいる人々に与えるかということ、これは目に見えない大きな被害だと思うのです。  もう一つ、今回幅が狭いところだとおっしゃったけれども、ずっと行きまして、古川の河口の方へ行きますと、相当に広いのですよ。この図で見ると広いと思うんです。これを今おっしゃったように、川の中に柱は立てられない、両側に立てる、こういうことになるのですが、あなた方は、一体現地を見てきてそういうことを言っておるのかね。両側にたくさん漁師の船がずっとつないであるのですよ。これはどうなるのです。その船が、今までやはり青空をながめて船の掃除、あるいはいろいろ手入れ作業をしておったのが、今度は、鉄筋の重苦しいものの重圧下にあって、日の目を見ない、そういう生活を今度はしいられるのです。彼らは長い、素朴な伝統に生きておるのであります。これをそう簡単に切りかえられると思っておられるかどうか。こういうことを……。(発言する者あり)委員長、注意して下さい。
  36. 堀川恭平

    堀川委員長 静粛に願います。
  37. 三鍋義三

    三鍋委員 あまり固苦しく言ってもいかぬから、私はなごやかに審議を進めておるつもりなんですが、この川の上を通るということは、一面あまり影響を与えないという思いやりがあるかのようでありますけれども、私は、これはど愚かな考え方はないと思うのです。川というのは、大体において直線的なものではないのです。曲りくねっておるのです。曲りくねっておる上に高速道路を作ったって、曲りくねって高速で走るわけにはいかない。どうしてもまっすぐにしたい。まっすぐにするためには、この両側の住民に大きな影響を与えると私は思うのです。しかし曲りくねったままでやっていくとすると、長い年月から考えて、よけいなところを無理やりに、好むと好まざるとにかかわらず曲りくねって走らせられる。これは、時間的にどういう影響を与えるか、ガソリンの消費にどういう影響を与えるかということを考えましたときに、川の上だからといって簡単にいかない、私はこういうことを申し上げておるのであります。これは、人間の生活に与える影響がいかに大なるかということなのであります。そういう点から、河川の上に高架道路を作られるということは、私は最も幼稚な安易な考え方である、このように考える。子供だましだ。いたずらに迂回させていかなくてはならぬといった結果を見る。これは黙過することができない。そこで、政務次官にお尋ねします。この事業を、私たちはまだ賛成するか反対するかきめておらぬけれども、かりに反対したとしても、これは通るんです。通った以上は、この事業をいかに促進するか、いかに摩擦なくしてみんなの協力を得てこの事業を完遂するかということになると思うのです。それに対するところの心がまえを政務次官にお聞きしたい。これは大事な点だと思います。
  38. 徳安實藏

    徳安政府委員 先ほど来るるお述べになりましたことにつきましては、私ども同感でございまして、日常生活に与える非常な関係者の影響については、最大の努力を払いまして、補償なりその他において十二分に考慮するように指導いたしたいつもりでございます。  さらにまた実施計画につきましても、これを認可するにつきましては、今お話しの点を十分勘案いたしまして、万遺憾なきを期したいと考えております。
  39. 木村守江

    ○木村(守)委員 議事進行について。ただいま三鍋委員の御質問は、大体において首都高速道路に関して、この古川高速道路反対期成同盟会の陳情の内容がおもなるものじゃないかと考えるのであります。私は、かつて建設省の政務次官を二十八年、二十九年ごろいたしましたが、首都における高速道路につきましては、現在の首都圏整備委員会ですか、その前身である首都建設委員会において勧告を出しまして、建設省においてその基本方針を立てられて、その基本計画によって東京都で作られたのが、すなわち予定路線であります。しかも予定路線につきましては、すでに去年の暮れに東京都の都市計画審議会において、一応これの答申を出しておるのであります。そういう点から考えまして、この具体的な路線の決定については、技術的にも十分研究された末だろうと考えられます。また問題があるとすれば、私は、その問題は東京都の都市計画審議会において論議されるべき問題であろうと考えるのであります。こういうようないわゆる首都高速道路に対する反対陳情、請願といったものは、この法案審議する上の一つの参考にはなるかもしれませんが、この問題をとらえてこの委員会において論議するというようなことは、考慮すべき点じゃないと私は考えます。これは、参考として取り上げることはけっこうでしょうが、当委員会においてこの陳情を取り上げて論議するというようなことにつきましては考慮されるよう、委員長においてお取り計らいを願いたいと考えます。
  40. 堀川恭平

    堀川委員長 委員長といたしましては、特別にそういう意味で御質問を願っておるわけじゃないのです。一応三鍋君のこの道路法案に対しての総括質問として、あまりこれだけをやられるということは、私も望みません。
  41. 三鍋義三

    三鍋委員 どういう議事進行のお取り計らいかと思いましたが、結論から言うと、ここでいいかげんにやめておけというような議事進行ですが、私は、この法案と非常に関係が深いから、これを実施していく上において、こういう問題をしっかりと把握しておかぬとできない、こういう観点に立って私は言っておるのです。木村君、一つもうしばらく……。(「なるべく簡単に」と呼ぶ者あり)要点をはずさないようにやるつもりです。  そこで私は、この事業を遂行していく上においての政務次官の心がまえをお聞きしたのでありますが、言わんとするところは、とにかく住民が、この当事者が納得していくということなのです。納得させるということです。納得させるということは、私は誠意の深さだと思うのです。これが理解できたならば、この事業は、初めは時間がかかるかもしれないけれども、あとは必ずすっとでき上っていく、こういうことを申し上げたいのであります。  そこで、なぜこういう問題が起きてくるかということなのです。計画局長にお尋ねしたいのだが、都市計画の進捗状況は、一体どのようになっておるか。これは参考資料の六十二ページに一応書いてあるのでありますけれども、これに対して、かいつまんで一つ要点を御説明願いたいと思います。ここに問題の根拠があると私は思うからであります。
  42. 美馬郁夫

    美馬政府委員 東京都の都市計画の進捗状況でございますが、御承知のように戦災にかかりまして、昭和二十一年に東京都の都市計画の街路、あるいは区画整理の基本方針を立てておるのでありますが、それが諸般の、たとえば財政上の事情とか、家屋密集のための撤去の問題、その他いろいろむずかしい事情がございまして、予定通りなかなか進んで参っておらないのでございます。その資料にもありますように、街路にいたしましても、全般的には相当進捗状況がよくないのでございますが、さらに新しい資料で申しますと、東京都の都市計画街路につきましては、幹線街路、これは中心部から出る放射線と、それから都心部を取り巻く環状線でありますが、三十二年度末現在で、放射線については、二十一年に計画いたしました分の二八・二%、環状線につきましては一三・六%、こういう進捗状況になっておりまして、合計二二・五%ということになっております。今般作成されました三十三年度から三十七年度までの道路整備五カ年計画によりますと、この関係がさらにある程度進みまして、幹線につきましては、放射線が三七・五%、環状線が二七%、合計三十二年度末の二二・五%が三三・四%まで進捗するということになっておりまして、全体から申しますとまだ遅々たる進みではありますが、先ほどからお話のありましたように、いろいろ従来は中途で計画を変更して、ストップして、非常に街路網全般の立場から申しますと矛盾をしておるような計画でございましたが、この道路整備計画の確立によりまして、今後は、私どももできるだけこの街路に中心を入れまして大いに進めていきたい、こういうふうな気持でおります。
  43. 三鍋義三

    三鍋委員 時間もだいぶん切迫しましたから、先を急ぎたいと思います。簡潔に一つ答弁を願いたいと思います。この計画を実施していく上におきまして、街路の上を通す場合と河川の上を通す場合と、民家をぶち抜いて通す場合、そうして地下を通す場合、大体この四つの計画があるように思うのでありますが、この利害得失と、この四つの仮定に立って一キロ当りの建設経費、これをどのように算定されているか、これを一つ御説明願いたいと思います。
  44. 美馬郁夫

    美馬政府委員 これは、実は具体的な路線を選びましていろいろやらないと、なかなか比較が出ないのでありますが、お話の二号線の問題になっている個所を例にとりますと、現在の川の上を走る計画の場合の経費を一〇〇といたしますと、それに対する代案といたしまして、街路を拡幅してその中央に入れていくという案をとりますと、三割五分の経費の増になります。またそれを、街路を拡幅して、さらに全部地下に入れていくという案をとりますと、一〇〇に対しまして約五割五分の増、ですから今の川の上を走る案に比べまして、地下のルートにいたしますと、事業費にして五割五分増す、こういう一応の試算になっております。
  45. 三鍋義三

    三鍋委員 そうすると、川の場合が一番安くつく、こういうわけですね。これは場所によってもいろいろ食い違いが出てくるでしょう。そこで、公共事業であるから、どれだけ金がかかってもいいというわけではないことは当然でありますが、先ほど私がいろいろ申し上げたようなああいうことをお考えの上、多少今経費がかかっても、長い人生の幸福という立場から、私どもは特に政務次官にお願いしておくのでありますが、この設定につきましては十分の御配慮を願わなければならぬ、こういうように考えるのであります。そこで三十四年度は、一体どの辺から着工されるのか、大体の御構想があると思うのでありますが、もしできておりましたら、御説明願いたいと思います。
  46. 徳安實藏

    徳安政府委員 ただいまのお話、ごもっともでございますので、工事設計認可につきましては、十二分に配慮いたしまして、地元民のできるだけ納得のいくような処置をとりたいと考えております。  なおまた、先ほどこの都市計画のことについて御質問がございましたが、私どもも、最近の例を見ましても、都のやっております事柄が多少疑問に思われましたので、先般当局を招致いたしまして説明を聴取いたしたのでありますが、これは、都の財政計画関係がございまして、直轄事業でないために、国でこれ以上どうということができない問題でございます。しかし、これは都議会なり都知事に対しまして、そうした非難のないように、十二分の処置をとれるように先般もよく警告しておきました。この点、御了承いただきたいと思います。
  47. 三鍋義三

    三鍋委員 私は、大体きょうの質問はこれで終ろうとするのでありますが、問題の一番の重点はどこにあるかということを、やはり委員の方々も政府の方々も十分一つ研究願いたいと思うのであります。この都市計画路線がちゃんとりっぱにできておるのです。四十メートルの幅員路線計画ができておるのです。その一部を実施して、その他が放置されてある。その実施された地区におきまして、区画整理その他のいろいろな犠牲を受けておる。今度またその当初の計画をずっとやっていただければ、相当の期間まで交通緩和ができるであろうのに、途中でヘビが卵をのんだようなままにほってしまっておいて、そうしてその都市区画整理協力した地域においてまた今度の計画を実施されようとするところに、住民の納得がいかない点があるのではないか、こう思うのです。今ある一つの区域のことを取り上げておるからして、木村さんのような御意見も出るのでありますが、これは、事業を実施するときに至るところに出てくるのです。こういう点から、ほんとうに法案が通った場合に、スムーズに計画が進捗し実施するためにはどうするのがいいかという、この根本に触れてさっきからずっと御質問申し上げておるのでございまして、この点は、十分一つ御理解願いたい、このように考えるのであります。  なお、私はこれで質問を終りますが、この委員会散会後、今申し上げたような観点に立ちまして、地元のこの計画路線の一部の方の声を聞いてあげていただきたいと思うのであります。それから理事会にお諮り願いまして、一ぺんやはり私たちは、勉強のために現地を視察する必要があると思うので、ありまして、この点は、委員長一つよろしくお取り計らいを願いたいと思うのであります。まだずっとありますが約束の時間が大体きましたから、私の質問は、きょうはこれで終ります。
  48. 瀬戸山三男

    ○瀬戸山委員 関連して。先ほど三鍋委員から御質問がありましたときに、道路局長のお答えが、私の受け取り方では明確でなかったので、関連して一言承わっておきます。というのは、問題の東京高速道路、これは非常に問題になった案件でありますが、さらにここに話が出ておりますので、確かめておきたいと思います。  東京高速道路工事が今やられておることは、事実であります。先ほど御説明によりますと、九月九日までという建設省の資料の報告でありますが、それ以前に完成するかもしれないというようなお話でありました。問題は、紺屋橋の方と、それから新橋寄りの土橋あるいは難波橋付近の問題でありますが、一番問題になりましたのは、新橋寄りの終点と申しますか、起点といいますか、いわゆる上下、上りおりの問題がその当時論議されました。今から言っても話になりませんけれども、常識的に考えて、この東京高速道路というのは、これはまさにインチキであったのでありまして、インチキはインチキであるが、しかしできた以上は、これはいわゆる高速道路一環として有効に使用されるようにしなければならない、これが結論になっておったわけであります。その当時、土橋ぎわの上り口下り口というものをああいうところにつけるということは、これはどんなしろうとでも、どんな子供でも、そういう設計が話にならないということは、当然のことであります。その当時、建設省といいますか、道路局長は、そこの工事をストップしまして、終点と申しますか起点と申しますか、そこの構造を当初の案よりも再検討しなければいけないということで、工事の施行認可をしなかったのであります。その後の状況は、私ども聞いておりませんが、それからもう数年になっておる。一キロ三百六十メートルというような短かい区間でありますのに、商店はどんどん繁盛をいたしておる——もうけておるかもうけておらぬか、そんなことは知りませんけれども、盛んに営業はされておりながら、いわゆる高速道路株式会社でありますから、道路を先行して、そのあと路下の施設を利用するということは、どう利用されようともかまいませんが、問題は、高速道路として建設を認可しておる、それが今日まで、先ほど議論になりましたように、ただまん中を作った、そういうことで、今日まで放置されておったかどうか知りませんが、結果から見ると放任をされておる。これは、私は建設省の監督はきわめて不行き届きであると思います。そこで、まあ高速道路株式会社としては所期の目的を達しておるのです。この資料に出ておりますように、また皆さん御存じのように、もともとこれは、スカイ・ビルディングをあの堀の上に建てようという計画のものです。ああいうところにスカイ・ビルディングを建てられたのじゃ大へんだという議論になって、ただそれを横に寝せたというだけです。スカイ・ビルディングを横に寝せてビルディングを建てて、その目的の大半を達しておるというのが、ほんとうの姿であります。しかし、それにしても鉄筋コンクリートで相当の工事が進んだので、それを完成させて、まあ一キロ三百六十メートルでもよろしいから、将来の構想考えられるので、とにかく道路として使用させる方がよかろうということで、今日なっておった。それが今のように、道路としての問題は数年間放置されておるということは、これはけしからぬことなんですよ。そこで、難波橋と申しますか、土橋の付近で乗りおり口を作ったのでは、これは高速どころの騒ぎではなくて、ますます自動車はそこにたまってしまうということは明らかですから、少くとも蓬莱橋ですか、あるいはもう少し先の今の昭和通まで東京高速道路株式会社が責任を持って工事をすべきだ、これがその当時の議論であります。建設省もそういう考えだったと思います。ところが、真相を申し上げると、東京高速道路は、先ほどちょっとお話がありましたが、そういうことをやったのでは、いわゆるスカイ・ビルディングとしての意味がないのであるから、内心はやりたくないというのが実情であります。しかし、そういうことでは、建設大臣が認可をした——認可がよかった悪かったは議論いたしませんが、認可をした趣旨からいうと、そういうことは常識として、政治の道徳として許すべきものじゃない、そういうふうに考えておるのです。そこで、気は進まないのかもしれないけれども東京高速道路株式会社としても、世間に相当の疑惑を振りまいて、今日でもそういうことが議論に上ってくる状態でありますから、そのしりぬぐいをするという——なるほど短かくはあったけれども高速道路を作る所期の信念だったのだということを示す意味においても、今申し上げましたように、少くとも昭和通り付近まで、今の一号路線につなぐだけのところまでの工事は、東京高速道路株式会社がやるべきものである、こういうふうに考えております。またやらすべき問題である。これは建設省として、先ほど設計の問題がありましたが、こんなものは二年も三年もかかるものじゃありません。三日もあれば、こんなものはすぐできると思います。そこで、この点はどういうふうに考えておられるか、もしこれを東京高速道路株式会社がやらないということがはっきりいたしますれば、このスカイ・ビルディングは、すべて最初の約束通りにやらせる、これはまた別の責任がある。そうでなければ、私は率直に申しておきますが、国会をきわめて軽視しておるということになるのであります。この点は、よく一つ頭に置いてこの問題の処理をしていただきたい、こういうふうに考えておりますが、道路局長でも計画局長でもけっこうです、どう考えておられるか、どう処理するお考えか、しかも、これはすみやかなる処置を必要とするものです。どちらでもよろしいですが、これを東京高速道路株式会社は、自分たちは私企業の会社であるから、そういうことは、当初の認可通りやりさえすればいいのだという趣旨をはっきり明言されるということになれば、それでは今いろいろ使用されておる、いわゆる横に寝たスカイ・ビルディングは、当初の計画通りに使用されるべきだということをわれわれとしては強行しなければならない。その点について、建設省の責任ではありませんけれども道路の完成については、建設省の責任であります。中の使用状況については、建設省の責任ではありません。これは、東京都と会社との明記した約束がありますから、その約束に従って東京都が処置するかどうかということを、私は東京都に迫らなくてはならない、こういう都合がありますので、その点をはっきりしておきたい。そこが、先ほどちょっと議論になりましたが、もし東京都が、これに対して従来のような優柔不断なる態度をとるということになりますと、この首都高速道路公団の成否に関係がある、こういうふうに考えております。
  49. 徳安實藏

    徳安政府委員 ただいまの瀬戸山委員の仰せ、ごもっともだと考えておりますが、最近都の関係が非常に強うございまして、都知事の認可事項が大部分でございますから、そこで、都の方を呼びまして説明を聞きましたところ、都の方では、この残っております事業について、今やっております東京高速道路株式会社にやらせることが非常に過去において疑惑を生んだものでありますから、この疑惑のあるものにやらして果していいか悪いかというような問題について、ちゅうちょ逡巡しておるようでございます。しかし、もし世論が許すならば、それにやらしたいという気持があるようでありまして、そうした問題についてすみやかに結論を出すように、先般から話をいたしておりますから、どうぞしばらくお待ちを願いまして、その結論を得次第御報告をすることにいたしたいと思います。
  50. 瀬戸山三男

    ○瀬戸山委員 しばらくと言われましたが、先ほど申し上げたように、これは三年もたっております。御承知のように、重ねて申し上げますが、内部をどういうふうに使用しようと、またそれを使用して人々がどういう利益を得られようと、そういうことは当委員会としては問題でありません。しかし、事が高速道路という正面の建前上できておりますので、その道路の完成が今日までああいうふうになっておるということは、きわめて遺憾であります。内部の工作に非常な大きな金をかけて、りっぱな商店を作るのは急ぎますけれども、当初の認可の事項である高速道路自体については等閑に付しておるということは、国会としては許すべきことでない、こういうふうに考えております。従って、今すみやかにというお話でありましたが、どういうふうなすみやかな状態になられるのか、これは、私は率直に申しておきますが、この首都高速道路公団法の成否に関係がありますから、その点をもう一ぺん確かめておきます。
  51. 徳安實藏

    徳安政府委員 高速自動車道としての機能を発揮いたしますための、起点と終点との交通でございますが、これは、認可事項によりまして、本年の九月九日、これまでに完成すれば、一応認可事項に違反しないことに相なります。その間は非常に長うございましたけれども、認可しておる期間の最後の日が九月の九日でございますから、もしそれまでにできませんでしたら、ただいま認可になっておりますることが問題になるわけでありますけれども、一応は九月九日で交通ができるようになるということに相なって、今工事進行中でございます。その他のいまだ認可していないところ、あるいはまた埋立工事中のところ、こういう問題につきましては、最近委員会等の御意見もございますので、ついこれはきわめて最近でございますが、都の理事者の方に対して、今後の処置等について今ただしておりますから、おそらくこれもそう長くないと思います。日にちを限られて御答弁できないと思いますが、とにかくできるだけ早く、本案との関係もございますから、都の方の意見を徴しまして、そして早く知事に決断を促しまして、その御答弁ができますように処置いたしたいと思います。
  52. 中島巖

    ○中島(巖)委員 関連して、ごく簡単に政府に質問したいと思います。ただいま瀬戸山委員からのお話、ごもっともだと思うのです。それから詳しくはあとでまたいずれ機会を見て質問いたしますが、この五百九十億を四年間に使って公団設置するということは、これは非常に大きな問題だと思います。政府の今までの説明を聞いておりますと、お話の筋はよくわかる。私どももそのお話の筋としては同感なんです。しかし。今度の一兆億予算の道路整備計画というものを検討しましても、たとえば今度の問題でもはっきりわかるように、先行性と申しますか、将来かくあらねばならぬという道路政策というものは織り込んでない。こういうように行き詰まってしまうと、莫大な金をかけて、公団などをこしらえてやらねばならぬというような結果にいつもなっているのだから、この大きな道路政策の中に先行性の、かくあらねばならぬという道路政策を織り込んでいかねばいかぬということを、私はかねがね申し上げておったわけなんです。従って、われわれが結果的に見ると、いわゆるこの道路整備の緊急性に名をかりて、一兆億予算をここへ組んだ、その中には、何ら骨になるべきところの道路政策がなくて、そしてばらばらにやっておる。道正路公団事業内容においても、それが明らかに現われてきておる。従いまして、この首都高速道路公団の趣旨に対しましては、僕らは反対ではないけれども、今までの道路公団やり方、それからただいま瀬戸山委員の説明されたところの、現在のビルディングを目的にしてこしらえたあの高速道路会社の跡始末もできておらぬ。こういうようないろいろな観点から勘案しまして、道路公団の一角として、現在の首都高速道路公団考えておるような仕事をここ一年やらして、それでただいま瀬戸山委員から質問のあったようなこういう不始末の跡始末もして、そしてすっきりしたときに、初めて一年後なりにこの公団法案——今出しておる公団法案を出すべきがものの順序だ、こういうように考えるんです。一年おくらせば——おくらしたところで予算はつけるんだし、道路公団の一角として仕事は進めるんだし、三十五億くらいの金の消化は必ずできる。一カ年間おくらして、首都高速道路公団法案提出するというようなことが僕は最も適当なものだ、こう思うわけです。現在やっておる例の高速道路の株式会社ですか、これらは、一般人が見れば、これは国で、建設省でやっておるんだか、東京都でやっておるんだか知りゃしない。ただビルだけできて、どんどん商売をやっていて、そして両方つなぐところの道路の跡始末ができぬ。こういうような疑惑の目で見られるときに、これらの跡始末もし、そして今の予定通りの予算は公団へ盛って、公団の一出張機関をして進めさして、そしてこういうような疑惑を解いたときに新しく首都高速道路公団法案を出して、だれもかれも了解のいったときにこの公団を成立させるということが、僕は政治的にも必要じゃないか、こういうように考えるんですが、どうしても本年この公団法案を通さねばならぬという点について、政府の御所見を承わりたい、こう思うわけです。
  53. 徳安實藏

    徳安政府委員 中島委員から常々道路政策に対する根本的なものを織り込まれていない、生命がないというようなお話を承わっております。しかし、政府といたしましては、お話のような基本政策を相当に織り込んでやっておるつもりでございまして、結論意見の相違かと思います。ただし百年、二百年先の大きな構想に基く計画は、何しろ貧乏なものですから、財政上成り立たない。目先の五年、十年ということにきゅうきゅうたるありさまであることは、まことに残念です。残念ですけれども日本道路政策というものにつきましては、全然無方針でなく、相当これを織り込んで計画しておるということを御了承いただきたいと思います。  また、ただいま東京高速道路株式会社のことにつきまして御質問がございましたが、本件につきましての跡始末というようなものにつきましては、先ほど瀬戸山委員に御答弁申し上げたことで大体尽きると思います。ただこの高速道路株式会社が、建設省との関係がいかにあるべきかという問題につきましては、中島先生もよく御存じだと思いますので、詳しくは申し上げませんが、すでにこの問題は、二十八年の本院の委員会におきまして現地調査もされ、またあるいは都の副知事その他をたくさんお呼び下さって十二分に御検討になりまして、大体結論が出ておるはずであります。また三十一年にも、決算委員会において取り上げられまして、本院において現地等も調査され、質疑応答を通じまして、その性格等は十分におわかりのはずでございまして、これらをお取調べ下さいますれば、その責任が、もちろん建設省にある、ないということは別問題といたしまして、法的な立場からいいまして、これ以上私どもがタッチできなかった事情もおわかりになると思いますし、その跡始末につきましては、最近において都知事の決断によりまして決定すると思いますが、ただ、一年おくらせれば一年損になる、こういう問題はなるべく早く解決したいという考え方から、この案を出しておるわけでございまして、そういう点について、ぜひ一つ御了承いただきたいと思います。
  54. 佐藤虎次郎

    佐藤(虎)委員 実はこの道路行政問題について、中島さん、三鍋さん、皆さんからお話があるが、大体今の中島さんのお話をお聞きすると、こういうものを作ったって、今のところ早いじゃないか、もっと精密な調査をしてやれ、こういうお話なんです。大体道路行政というものと、私どもは、十年一日のごとく、十三年も十四年も取っ組んでおるが、道路行政というものの必要性をほんとうに国民、あるいは政治家が感じてきたのは、ここ四、五年来だと私は思っております。それまでは、道路などは大して気にもとめないでおったということが実態である。これは間違いないと思う。ところが、御承知の通り機械科学が日進月歩の勢いで進んでくる、そこで、今日首都高速道路公団を作らなければならないというような場面に立ち至ってきた。これもおそい感がある。そこで私は、当局計画をお立てになったならば、いかなる障害があろうともそれを突破して、百年の大計に向って行くことが生きた政治であると考えております。特に私が道路局長あるいは計画局長によく聞いておいていただきたいことは、東京都を主体として考える必要はないじゃないかということです。東京都を主体としてすべての道路改良、あるいは舗装道路というものを重点的にお考えになることは大きな間違いである。私の感ずるところは、地方の市町村といえども、相当中小企業あるいは農村産業というものが躍進しておることは事実であります。たとえて言うならば、何も横浜の港、あるいは芝浦の港を主体としていかなくとも、私が昭和二十一年に出て参りましたときに、ちょうど道路局長計画課長をされておって御承知だと思うが、清水—直江津線、今でいう清水—上田線で、道なきところに道をつけていただいた。そのときに初めて都会中心主義でなくて、中央突破の一番近道であって、その土地の発展のために寄与するには、この清水—直江津線を作らなければならないというので、その当時あなたに御承知願って、百三十万円の予算をつけていただいた。そこでもしあの道が今日——今静岡県分だけはおかげでやや完成近くなっております。いま少しありますが、これを山梨県に通じ、長野、新潟に通じていくとするならば、おそらく芝浦港にそう集荷しなくても済むじゃないか。これも一つ緩和と私は考えておりますが、しからば甲府あるいは地方に行ってみますと、ろくに舗装道路もできていないのに交通量は充満しておる、ここに一つの政治の貧困があるのじゃないか、私はこう考えております。こういうことで、まずこのたびの道路五カ年計画によって、都会中心も必要ではあるが、地方に対しまするところの相当の予算を、格づけで分散していくことが必要じゃないか、こう考えておるから、そのように道路局長は十分留意しておいていただきたい。  いま一つは、ただいま東京都の高速道路株式会社が予定地まで延びないじゃないか、こういう議論が非常にあるようで瀬戸山君からも、社会党の諸君からもその議論があります。これはもっともな話なんであって、そこはなぜ延びないかという一つの隘路があると思う。これは、岩沢さんが事務次官時代に御許可されたもので、私どももそれに参画した一人である。それが初めて工事が施行されましたが、なぜ今日それが延びないか。高速道路を作るよりも、部屋をきれいにして、高い権利金で、あるいは保証金で貸せるということに重点を置いておるために、この道路の延長に寄与しないということが一つの隘路じゃないか。これは、今後政務次官あるいは事務官僚の諸君が、早くやれと高速道路株式会社に申し入れますときの一つの参考資料として、私が十分調査をしたことを教えておくから、よく心得ておいてもらいたい。それはどういうわけかというと、あの高速道路株式会社の一坪の保証金——これは権利金ではない、保証金なんです。一坪で六十万から八十万であります。この六十万から八十万で一人の人が借りる。一坪に八十万、百万かかる建築費はありません。どんなに多くったって鉄筋コンクリで十万円かければたくさん、そこへあの部屋一部屋々々々が一坪六十万、八十万の保証金で貸し与えられるから、その方に重点を置いて、いわゆる道路を作る方の金というものは回ってこなければならないはずですが、それが回ってくるかこないか知りませんが、いずれにしても店舗を作り上げる、部屋をきれいに飾りつけるということに重点を置いているというところに、今日あの道路が遅々として進まない隘路があるということだけは御承知願いたい。これは、私が借りに行ったので、十分に保証人になれます。こういうことが、このたびの議論になっておる大きな隘路じゃないか、こう私は考えますから、どうぞそのつもりでやってもらいたい。  それから今、皆さんの御意見通り首都道路整備に対しても、これはすみやかに計画を立てた。五年以前は、道路行政というものは、政治家も経済界も一般の人たちも等閑に付していたのを、今日道路でなければ政治家ではない、道路でなければ経済はやれないというような声が出てきた。お互いに、皆さん建設委員の諸君とともに叫んできたのが、ようやく今日道路必要性を認めてきたということを私は考えるときに、このたび首都道路公団というものを作るならば、思い切って何ものも除外して、希望をかなえられるようにしてやっていただきたい、こういうことをお願いしておきます。
  55. 堀川恭平

    堀川委員長 本日はこの程度にて散会することにいたします。次会は公報をもってお知らせいたします。     午後零時十七分散会