運営者 Bitlet 姉妹サービス
使い方 FAQ このサイトについて | login

1959-03-26 第31回国会 衆議院 決算委員会 第14号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和三十四年三月二十六日(木曜日)     午前十一時三十四分開議  出席委員    委員長 田中 彰治君    理事 井原 岸高君 理事 鹿野 彦吉君    理事 鈴木 正吾君 理事 小川 豊明君    理事 山田 長司君       綾部健太郎君    加藤 精三君       瀬戸山三男君    高橋 禎一君       床次 徳二君    二階堂 進君       平井 義一君    村上  勇君       保岡 武久君    淡谷 悠藏君       大貫 大八君    田中幾三郎君       西村 力弥君    森本  靖君       柳田 秀一君  出席国務大臣         国 務 大 臣 伊能繁次郎君  出席政府委員         内閣官房長官  赤城 宗徳君  委員県外出席者         証     人         (国防会議事務         局長)     廣岡 謙二君         証     人         (防衛庁防衛局         第一課長)   高橋 幹夫君         証     人         (安全投資株式         会社社長)   森脇 将光君         専  門  員 黒山 久太君     ————————————— 三月二十六日  委員賀屋興宜君、齋藤邦吉君、椎名悦三郎君、  中島茂喜君、増田甲子七君、松田鐵藏君、渡邊  良夫君及び上林與市郎辞任につき、その補欠  として加藤精三君、瀬戸山三男君、床次徳二君、  平井義一君、二階堂進君、綾部健太郎君、高橋  禎一君及び柳田秀一君が議長指名委員に選  任された。 同日  委員綾部健太郎君、加藤精三君、瀬戸山三男君、  高橋禎一君、床次徳二君、二階堂進君及び平井  義一辞任につき、その補欠として松田鐵藏君、  賀屋興宣君、齋藤邦吉君、渡邊良夫君、椎名悦  三郎君、増田甲子七君及び中島茂喜君が議長の  指名委員に選任された。     ————————————— 本日の会議に付した案件  歳入歳出実況に関する件(防衛庁航空機購  入問題)      ————◇—————
  2. 田中彰治

    田中委員長 これより決算委員会を開きます。  歳入歳出実況、特に防衛庁航空機購入問題について調査を進めます。  本日は証人として廣岡謙二君、高橋幹夫君、森脇将光君が出席されております。  まず、証言を求める前に証人に一言申し上げます。昭和二十二年法律第二百二十五号、議院における証人宣誓及び証言等に関する法律によりまして、証人証言を求める場合には、その前に宣誓をさせなければならないことと相なっております。宣誓または証言を拒むことのできるのは、証言が、証人または、証人配偶者、四親等内の血族もしくは三親等内の姻族または証人とこれらの親族関係にあった者及び証人の後見人または証人の後見を受ける者の刑事上の訴追または処罰を招くおそれのある事項に関するとき、またはこれらの者の恥辱に帰すべき事項に関するとき、及び、医師歯科医師、薬剤師、薬種商、産婆、弁護士、弁理士弁護人公証人、宗教または祷祀の職にある者またはこれらの職にあった者がその職務上知つた事実であつて黙秘すべきものについて尋問を受けたときに限られておりまして、それ以外には証言を拒むことはできないことになっております。しかして、証人が正当の理由がなくて宣誓または証言を拒んだときは一年以下の禁錮または一万円以下の罰金に処せられ、かつ宣誓した証人が虚偽の陳述をしたときは三月以上十年以下の懲役に処せられることとなっておるのであります。一応このことを御承知になっておいていただきたいと思います。  それでは法律の定めるところによりまして、証人宣誓を求めます。御起立を願います。  宣誓書朗読して下さい。廣岡証人。     〔証人廣岡謙二朗読〕   良心に従って、真実を述べ、何事もかくさず、又、何事もつけ加えないことを誓います。
  3. 田中彰治

    田中委員長 高橋証人。     〔証人高橋幹夫朗読〕     宣誓書   良心に従って、真実を述べ、何事もかくさず、又、何事もつけ加えないことを誓います。
  4. 田中彰治

    田中委員長 森脇証人。     〔証人森脇将光朗読〕   良心に従って、真実を述べ、何事もかくさず、又、何事もつけ加えないことを誓います。
  5. 田中彰治

    田中委員長 それでは宣誓書署名捺印を願います。     〔証人宣誓書署名捺印
  6. 田中彰治

    田中委員長 証人に申し上げますが、証人発言証言を求められた範囲を越えてはならないことになっております。また発言の際はそのつど委員長の許可を得てから発言していただきます。お尋ねしているときは着席のままでけつこうですが、お答えの際は起立して発言をしていただきます。以上あらかじめ御承知おき下さい。  これより証言を求めることにいたします。  この際委委員諸君にお諮りいたします。出頭されました三人の証人を同席せしめて証言を求めることに御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  7. 田中彰治

    田中委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。  念のため、社人に御注意いたしますが、他の証人証言したことに直接お答えになるようなことは慎んでいただきます。証言委員長または委員の求めた際のみに行なって下さい。  発言の通告がありますので、順次これを許します。  小川豊明君。
  8. 小川豊明

    小川(豊)委員 まず第一に、高橋証人にお尋ねしたいと思います。あなたの職責をお尋ねしますが、あなたは防衛庁防衛局第一課長という立場におられますが、第一課長というのは、どういう仕事をおもにおやりになりますか。
  9. 高橋幹夫

    高橋証人 防衛第一課長と申します職は、防衛局に所属いたしておりまして、防衛一課で主として担当しております仕事は、防衛警備基本に関すること、防衛警備の行動の基本に関すること、それから陸上自衛隊海上自衛隊航空自衛隊の組織、編成、装備の基本に関すること並びに防衛局庶務担当仕事をやつております。
  10. 小川豊明

    小川(豊)委員 きようは、たくさんの質問者がありますので、私もなるべく簡単にお尋ねしますから、あなたの方もできるだけ簡単にお答え願えればけつこうだと思います。  そこで、先般問題になっておる点からお尋ねしますが、日米共同防衛立場からいうならば、日本整備をする戦闘機というもの、アメリカで必要とする戦闘機というものは、相互に援助し合う、相互支援をなし得るということが共同防衛一つの大きな柱になってくるのではないかと思うのですが、あなたの見解はどうですか。
  11. 高橋幹夫

    高橋証人 御指摘の通り日米共同防衛見地から申し上げますならば、おっしゃった通りのことだと思います。
  12. 小川豊明

    小川(豊)委員 そういたしますと、日本で準備される飛行機は、かりにアメリカ行つた場合でも、いつでもアメリカ整備ができる、同町にアメリカ飛行機日本に来た場合においても日本整備補給ができるということが建前になってくるということが、ここでわかったわけです。そういたしますと、日本で昨年の四月十二日に内定したグラマンという飛行機は、今までの委員会質疑応答の中では、二機試験はしたけれどもあとはできていない、その試験も失敗に終つた、こういうことがはっきりしておるわけです。しかも、この飛行機アメリカではまだ軍では採用しておらない、世界中のどこの国でもこの飛行機採用しておらないということも、この、委員会ではっきりしました。そうすると、この飛行機はまだ試験中のものである、試作中のものであるから、規格統一というようなものはまだないということがわかるわけですが、そういう規格統一のないものを日本で三百機も用意した場合、これは先ほどあなたの言つた、いわゆる日米双方飛行機互換性というようなものについて、先般廣岡事務局長は、グラマン採用しても七〇%程度互換性はあるということをここで答弁さないましたけれども、互換性が七〇%程度で、果してそれが戦闘機として使用にたえ得るものなのかどうなのか、この点をお尋ねします。
  13. 高橋幹夫

    高橋証人 先般、廣岡局長お答えになりました飛行機機体並びに部品互換性七〇%というのは、その通りでありまして、その七〇%の機体部品互換性と、さらに将来の整備補給を考える場合においては、その生産を行う際に、ある程度の見通しに基くところの部品補給見地からする部品生産というものを考えることができるのでありまして、そういう点から申し上げますれば、決して将来、整備補給という点について難点はないと与えております。
  14. 小川豊明

    小川(豊)委員 将来はもちろんあなたのお答えになつた通りにいくでしよう。しかし、私は現在のことをお聞きしておるのです。たとえば関西と関東では電気の方は五十サイクルと六十サイクル、従ってこれを取りかえることができない。これが日本の産業の非常に大きなガンになっておる。それと同じように、互換性のないものを日本へ入れてきて、そうしてこれで日本防衛は充足し得るのだ、将来は差しつかえないのだ、こうおつしやいますけれども、非常に早い速度で飛んでおり、しかも戦闘に従事しなければならない飛行機が、七〇%程度互換性日本国防を担任し得ると言い得るのかどうか。こういう点については、私は一〇〇%互換性がなかったならば戦闘機として採用にたえ得ないものだ、こう考えます。七〇%の互換性でよろしいということは、私には納得できません。その点、もう一度御説明願いたいと思います。
  15. 高橋幹夫

    高橋証人 七〇%の互換性ということでございますが、飛行機整備補給というものを考えます場合においては、その飛行機に対する整備補給に必要な機体部品というものをわが国において生産することが可能であれば、それでよろしいわけであります。従って、アメリカにそれと同種のものがあるということであれば、さらにけつこうなことでありまして、日本が将来国産をするという前提に立つ一つの基礎は、将来日本の持っておる戦闘機に対して、その生産を行う会社において機体なり部品なりの整備補給ができるというために国産をするという点にかかっておるのでありまして、その点は私どもは、一〇〇%というような御発言でありましたが、将来の整備補給について必ずしも難点がないということを申し上げておるわけではございませんので、その点お断わりしておきたいと思います。
  16. 小川豊明

    小川(豊)委員 あなたは、防衛庁内で次期戦闘機をどれに決定するかということについては非常に重要な立場におられるわけです。そこでこれは昨年の委員会に、岡幸昌といって、あなた方と一緒に仕事をしておられて、今はやめた方が、証人に立たれたときに、われわれがこのグラマンの決定に対して最も疑惑を持ち、理解のできないのは、戦闘機採用には二年も二年半もかかって心血を注いで調査研究するのだ、ということを聞いております。ロッキードの場合でもその他の場合でも、二年半もかかっておる。こういうふうに聞いて、それはもっともだろうと考えたのであります。ところが、このグラマンはわずかに三ヵ月か四ヵ月で内定されております。そうすると、あなたのを能力をもってして、あなたの判断をもってして、一千数百億の国費使つて日本防衛を担任させようとする飛行機が、わずか、三ヵ月や四ヵ月でできるとお思いですか。岡氏はここで、証人に立たれたときに、私にはでき得ません、けれども当時防衛庁にはそれをなし得るだけの十分な資料が準備されたから、できたのでありましょうが、私にはなし得ません、こういうふうに答えておるわけです。あなたは、それをなし得るという確信をお持ちでしょうか。お持ちでしたら、その理由を御説明願いたい。あなたは、三ヵ月か四ヵ月で千数百億円の国費を仕ぎ込んで使う次期戦闘機が、なし得ますか。
  17. 高橋幹夫

    高橋証人 三ヵ月、四ヵ月ということでございましたが、私が当時防衛課長着任いたしましたのは、三十二年の十月十日でございます。従って、前任者の時代から、防衛庁といたしましては、航空幕僚監部並びにその他の所管の局におきまして鋭意研究を重ねておつたわけでございまして、特に調査団を派遣いたしまして、調査団報告書研究をいたし、さらに十分なる研究を進むべきであるというふうに当時私も考えておりました。従って、グラマンについて三ヵ月であるというお言葉でございますが、必ずしも三ヵ月ということではないわけであります。超音速戦闘機というものについては、グラマンにしろ、104にしろ、あるいは100にしろ、ノースロップにしろ、すべてそれぞれのものについての戦闘機としての共通の問題もございますし、あるいはその戦闘機を使う、超音速機を使うという用法上の問題もございますし、あるいはそれに関する生産上の問題についても、いろいろと多くの共通の面もございますので、必ずしも今申しあげたように三ヵ月というふうに御断定していただいては、はなはだ遺憾だと思うので、長年かかって各種のものを研究してきた、特にグラマンについて新しいその後の情報その他の調査資料を得たいということで、それ以後さらに研究をしておったということございます。
  18. 小川豊明

    小川(豊)委員 それは違いはしませんか。私、委員会会議録をずっと読んで参つたのですが、この会議録質問に対するお答えに、グラマンというものは、永盛調査団アメリカに行くときにはまだ研究対象調査対象にはなっておらなかった。アメリカに行ってから、日本の方からそれに対する命令が出て、これを調査してこいというので調査してきたんだ、こういうことがはっきりしているんです。だから、私は三ヵ月や四ヵ月と言っているわけです。あなたの方では、三ヵ月、四ヵ月どころではない、前から調査研究していたんだと言うが、これはどなたの発言証言の中にも答弁の中にも、グラマンというものは永盛調査団向うに行ってから初めて話題上つたんだ、国内では、そういう問題は防衛庁内でも話題上つたことはない、と言っています。あなたの言うことと非常に違いますが、どういうことですか。
  19. 高橋幹夫

    高橋証人 今申し上げたことで、グラマンについて三ヵ月、四ヵ月ということを申し上げたのではないので、戦闘機の問題についてはずっと調べておつた調査団報告書に、明らかにそれはグラマンというものが載つかったということは間違いないことであります。
  20. 田中彰治

    田中委員長 ちょっと、小川委員に申し上げますが、あなたの発言を聞いていると、あなたの今おっしゃっているグラマンアメリカにあるように思っていらつしやるんだが、グラマンというのは当時アメリカにないんですよ。いいですか。ない飛行機を、あるようにあなたが質問されるのは誤まりになる。それから、グラマン調査したのは、こっちから電報がいったので、一日だけです。そこをあなたはよくあれして……。
  21. 小川豊明

    小川(豊)委員 今、委員長が僕に注意されましたが、私はグラマンという飛行機が戦争中あったことは知っている。ただ、日本が買おうとするグラマン飛行機というものはアメリカではできておらなかったということも、この委員会で、はっきりしている。それから、永盛調査団向うに行って、その日本の買おうとするグラマンというものを調査したのも、わずかに一日であった。しかもこの一日は——当時アメリカから、日本調査団が行くに当つてグラマン社から日本へ急いで飛んできた有能な人があるわけです。そうしてその人が、伊藤忠商店に腰を据えて、一日でもいいからグラマン調査してくれということを日本防衛庁内へ猛烈な運動をした結果、永盛調査向うへ行くまではグラマン調査対象にはなっておらなかった、ところが、それを調査してこいということが、どういう形でか、電報か電話かで指令されて、一日調査しただけである。ですから、日本の購入せんとするいわゆるグラマンは、アメリカでもまだ本物はできておらない、試験中のものである。そうして永盛調査団は一日しか調査していない。そういう不確かな根拠で、あなたは第一課長として、防衛庁から国防会議に決定させる資料をどういうふうにお作りになつたか。私はその今が疑問にたえないから、お尋ねする。
  22. 高橋幹夫

    高橋証人 私が着任いたしました十月十日以前のことにつきましては、私も申し上げる根拠がございません。十月十日、私が着任いたしましてからは、あらゆる資料研究いたしまして、もちろん航空幕僚監部並びにそれぞれの主務者の事務的な段階を経て、そして上司が御判断されるのに最も正確な資料をそろえて、防衛庁内において上司の御判断を仰いだわけでございます。私といたしましては、当時考えられます最も新しい、そして、正確なデータに基いて作業したと信じております。
  23. 小川豊明

    小川(豊)委員 あなたは十月十日に着任されたのだからその前のことは存じない、こういうことですが、あなたが着任されれば、その前の方との引き継ぎというものは当然あるでしよう。そのときに、こういう重要な問題の引き継ぎがないということはないでしよう。どういう引き継ぎをされましたか。あなたは、てんで着任前のことはわからない。そんな官僚の機構ではないはずです。
  24. 高橋幹夫

    高橋証人 私の申し上げたのは、十月十以前のことについては、私自身でやつておらないのでわからない、ということを申し上げておるのでありまして、もちろん前任者から詳細な引き継ぎがあったことは間違いございません。
  25. 小川豊明

    小川(豊)委員 今、あなたが引き継ぎを受けたと言うその引き継ぎ内容一つ、このグラマンに関する点をお答え願います。
  26. 高橋幹夫

    高橋証人 当時、前任者の海原一課長と私の間においては、次期戦闘機の選定についての従来の経緯、100、104あるいはその他の戦闘機についての現在の作業の進行状況というものについて引き継ぎがございました。     〔「グラマンが入っておるのか、入っておらぬのか」と呼ぶ者あり〕
  27. 小川豊明

    小川(豊)委員 そのあなたが引き継ぎを受けた中に、次期戦闘機にはグラマンがどういう状態であるかということがありましたか。
  28. 高橋幹夫

    高橋証人 当時、私が着任をいたしまして引き継ぎを受けた際においては、永盛調査団が帰国しておりまして、永盛調査団報告書についての引き継ぎを受けております。
  29. 小川豊明

    小川(豊)委員 その中に、日本の買おうとするグラマンというものが入っておるのかおらないのか。そうして入っておつたら、これに対するどういう調査引き継ぎを受けたか。この点を……。
  30. 高橋幹夫

    高橋証人 永盛調査団報告の中にございます、当委員会にも提出してある総合結論というものについての引き継ぎを受けましたので、その中には100、104、グラマンノースロップ、そういうものについての永盛調査団報告書内容についての引き継ぎを受けております。
  31. 小川豊明

    小川(豊)委員 ただ100、104、グラマン、こういうものを引き継きを受けたと言うが、そのグラマン優秀性というものをどういうふうに引き継ぎを受けておるかその点も……。
  32. 高橋幹夫

    高橋証人 その点については、永盛調査団報告書に載つておりますF11F—1Fについての内容についての引き継ぎを受けております。
  33. 小川豊明

    小川(豊)委員 あなたは、内容一つも触れていない。ただ永盛調査団から引き継ぎを受けた、受けたと言うだけだ。そうすると、永盛調査団が一日グラマン調査したということが、その内容にありますか。
  34. 高橋幹夫

    高橋証人 そういうことはございません。
  35. 山田長司

    山田(長)委員 関連して……。ただいまの話を伺つていますと、せつかく調査して、優秀性をおのずと比較対照された形のものがあなたに話されていると思うのだ。少くとも近代兵器における優秀な戦闘機の場合に、ただ引き継ぎを受けているくらいの話で、それで報告を済ませたといっても、それは報告にならぬです。104あるいはグラマン、あるいはその他の飛行機との優秀性が比較対照されてあなたに引き継がれていると思うのだ。その重要性について、あなたは引き継ぎを受けているに相違ないと思うのだ。その書類があるかないか。あるとすれば、委員長、この書類を出してもらいたい。
  36. 高橋幹夫

    高橋証人 引き継ぎは、今申し上げた通り、当時の永盛調査団報告書内容に書いてありますことについての引き継ぎがございました。それから、従来の経緯についての引き継ぎがございましたので、私のところにその資料はございません。
  37. 山田長司

    山田(長)委員 資料がないということであるとするならば、引き継ぎ言葉が、ただ単にこういう飛行機を見てきたという程度の話しか、たつた一日であるのですから、あるはずがないと思う。一日ぐらいでそんな飛行機性能が、幾ら調査団つて、わかるはずがないです。そういう点が引き継ぎを受けていないとすれば、その経緯は、グラマンはどういう形で登場してきたのだ。
  38. 高橋幹夫

    高橋証人 それは、永盛調査団報告内容、各戦闘機についての性能一覧表、あるいはそれについての評価、あるいはそれについての生産上の問題等各種の問題についての永盛調査団報告弁内容についての、私に対する引き継ぎがございました。
  39. 山田長司

    山田(長)委員 ただいまの引き継ぎ事項を伺つてみても、当然永盛調査団報告書内容としてそういうものを取り上げているはずです。委員長において、その書類を直ちに本委員会に提出することを諮つて高橋課長に出さしてもらいたい。
  40. 田中彰治

    田中委員長 山田委員に申し上げますが、永盛調査団行つたときに、今あなた方が論議されているグラマンというものができておらないのだから、引き継ぎしようもなければ、報告もないはずです。
  41. 山田長司

    山田(長)委員 ないのだから、出せというのだ。
  42. 田中彰治

    田中委員長 ないものを出せといっても、無理じゃないか。(笑声
  43. 山田長司

    山田(長)委員 ないものを出せといっても、そのことが引き継ぎ事項の中に載つてきている以上は、あるはずなんだ。出ないはずがない。だめです、委員長、そんなことを言つたのでは。
  44. 田中彰治

    田中委員長 あれば、にせ書類だろうから……。
  45. 山田長司

    山田(長)委員 にせ書類、いいから、出させなさい。
  46. 小川豊明

    小川(豊)委員 今、山田委員も言われた通り、また委員長も言っておる通り、この飛行機というものは、日本の購入せんとする飛行機というものは、アメリカにはできていない。できていないものを調査品に行っても調査できるはずがない。できるはずがないものを、報告書を出せるはずがない。あなたはそれを報告を受けた。これはどういう報告を受けたのか。それを出してもらいたい。
  47. 高橋幹夫

    高橋証人 その点についてお答えを申し上げますが、おっしゃる通り、現在国防会議で内定をする段階になりましたF11F—1F、日本向け98Jは、現実にできておりません。しかしながら、それは現在ありますところのF11F—1F二機を性能向上をいたしまして作り上げる飛行機でありまして、その点については計算値飛行機であることだけは間違いございません。
  48. 田中彰治

    田中委員長 高橋証人、あなたの言うことを聞いていておかしく思うのだが、ロッキード防衛庁の方で、二年も研究されて、わざわざ調査団アメリカまで国民の納めた税金を使つて調査に行かなければ決定できない。しかも、それでいて、そのあとまた二回も三回も調査に行かなければ決定できないものを、できていない飛行機で、違うエンジンをつけたものを一回か二回飛ばして、それも落ちてしまつた、そういうものをあなたがいろいろと論議されて、おかしく思いませんか。それならば、調査に行かないでもいいじやありませんか。図面で買つておいたらいいでしよう。あなたは専門家でしよう。きようは、そんな簡単な言いのがれで、ここを通しませんよ。もっと、しつかりした答弁をしなさい。社会党も、もっとしつかりした質問をしなさい。(笑声
  49. 小川豊明

    小川(豊)委員 高橋さん、今あなたも、現実にはできていないと御答弁になりました。従って、現実にできていないものを、できるだろうということで調査はできないはずです。現実にできているから調査研究ができる。勉強に行くのと通うのですよ。従って、永盛調査団がこれに対する報告書を出せるはずがないとわれわれも考えているが、あなたは今、その報告を受けたと、言うが、どういう報告を受けたのか。あなたはそれを出して下さい。それならば、はっきりする。あるならば出しなさい。
  50. 高橋幹夫

    高橋証人 それは、あるいは私の申し上げ方が悪かったかとも思いますが、私が申し上げたのは、われわれが選定すべき——ここていわゆるグラマンと言われておりますが、98J—11というものについての前段階としてのF11F—1Fについての詳細なデーターが入っているということを申し上げておきます。
  51. 小川豊明

    小川(豊)委員 これは、前に委員長が非常にうまい言葉で言っているのだ。前の委員会で、姉さんを嫁にくれと言つたら妹をもらつて、それでいいのか、こういうことを委員長が言っているのですが、できていないものをあなたの方で買おうとする。どんなものが来るか、わからないですよ。そういうことで、一千億以上もの国費をその中へ注ぎ込むということは、あなた方はその立場にいて、それで不用意だ、軽率だとは思いませんか。あなたは今言葉を濁して、報告は受けたと言い、できていないものを報告を受けようがないと言つたら、それは私の言葉の誤まりであった、こう言っております。それでは伺いますが、こういう膨大な経費を要するもの、ことに日本防衛を担当するという飛行機を、できていないものを、一日その工場を見ただけで決定できますか。あなたはその立場で、できますか。
  52. 高橋幹夫

    高橋証人 そういうものを、一日で私が見て決定できるとは思いません。
  53. 小川豊明

    小川(豊)委員 最も枢要な立場におられる、専門家であるあなたができないのでしよう。それを、永盛調査団向うへ行って、一日工場を見たからといって、できていないのだから、本物はわからない。工場を見たからといって、できるだろうからという説明を聞いただけで、日本にはグラマンがよろしいという決定はできないとあなたはおっしゃったが、日本では一体だれができますか。そんな資料は、資料でもなければ、何でもないでしよう。全く架空のものできめてしまつた、こういう言わざるを得ない。
  54. 高橋幹夫

    高橋証人 永盛調査団が一日で調べたかどうかということは、私は存じておりませんが、少くとも永盛調査団報告書内容にありまするF11F—1Fにつきましては、104あるいは100その他の戦闘機と同じような程度調査の結果が出ております。従って、それを基礎にいたしまして、それ以来四月の十二日までにいろいろと調査をいたしたわけでございますので、そういう点については、一日ということではございません。
  55. 森本靖

    ○森本委員 関連して伺いますが、先ほどから高橋証人答弁を聞いておりますと、その調査団報告書の中にはグラマン報告書もあったというようなことを言っておるわけであります。ただ、委員長が今、言っておりますのは、そういう飛行機はなかったのではないかということを言っているわけです。そこで、そういう報告書というものはどういうことになっているのかということを聞いているわけでありますが、たまたま、あなたたちが調査をしたという飛行機というのは、私の考えではおそらくF11F—1F、これは艦載戦闘機と申しますか、現物は一応あるわけでありますから、それを見て、そうしてさらに性能を向上したものが98Jである、こういうふうな、性能が上昇してくるという調査ではなかろうかというふうに私は想像するわけであります。そうするとF11—F1Fというものは現実にあつて、それは見た。しかし98Jというものは、これは性能を向上するものだから現物はない。そういう現物がないものをそういうことにするというならば、これは委員長も先ほど言つたように、98Jというものは実物は全然ないわけでありますから、そういうことになれば、その机上の数字といいますか、計算値というものをもらえばいいわけであつて、何もわざわざアメリカまで行って調査する必要はないのではなかろうか。あなた方が永盛調査団からもらつたという報告書は、具体的にどういうものであるか。私が今申し上げましたような、F11F—1Fというものの現物は見て、これはこういうものである、98Jというものはこういうふうに向上させていくであろう、こういう計算になるという形の報告書であるかどうか。この点を一つ確かめておきたいと思います。
  56. 高橋幹夫

    高橋証人 それはF11F—1Fのことについての報告書でございます。
  57. 森本靖

    ○森本委員 F11F—1Fの報告書であるということになりますと、それがさらに進歩、向上、発達したところの98Jを買う、こういうことでありますから、98Jというものの具体的な報告はどうなつたわけでありますか。内定をしたグラマンというものは、F11F—1Fを買うわけではないでしよう。この点はどうですか。
  58. 高橋幹夫

    高橋証人 おっしゃる通りF11F—1Fを買うのではございません。
  59. 森本靖

    ○森本委員 それから、実際に買う98Jの報告書というものは、具体的にはないということになるわけですか。
  60. 高橋幹夫

    高橋証人 98Jというものについてはございません。
  61. 森本靖

    ○森本委員 そういたしますと、実際に買うのは98Jである。F11F—1Fというものは艦載戦闘機である。これの報告書はあるけれども、今度四月十二日に内定をした実際に買うグラマンの98Jの報告書は全然ない、ということになるわけですね。
  62. 田中彰治

    田中委員長 今、議論されていることは、時間ばかり長くかかってしようがありませんが、永盛調査団グラマンに付する報告書はこんなものしか出ておりません。読んでみますと、実現したのは二機であつて、あと性能等も、そういうものはわからないから、ということなんです。
  63. 森本靖

    ○森本委員 証人からはっきり聞いておきたいと思います。
  64. 高橋幹夫

    高橋証人 永盛調査団報告書に載つておりますのはF11F—1Fでございます。それの性能を向上したものが98J—11でございます。
  65. 田中彰治

    田中委員長 向上したものではないでしよう。将来しようとするものでしよう。
  66. 高橋幹夫

    高橋証人 その98Jというものについては、永盛調査団報告書以後四月十二日までの間におきまして調査をいたしましたが、それはおっしゃる通り現物のものではございません。従って、計算上考えられる戦闘機でございます。
  67. 森本靖

    ○森本委員 永盛調査団報告書の中には、実際に買う98J—11の報告書はなかったということだけ、ここではっきりしておいて下さい。
  68. 高橋幹夫

    高橋証人 おっしゃる通りでございます。
  69. 小川豊明

    小川(豊)委員 そこでわかったのです。調査団調査しようがないから、違つたものを報告したわけです。その違つたものの報告に基いてあなた方はグラマンがよろしいという庁内の決定をし、さらにそれを国防会議へ持ち込んで、これを内定させたものである。この点、間違いありませんね。
  70. 高橋幹夫

    高橋証人 それは私ども防衛庁といたしまして、できる限りの努力をいたしました資料をもとにいたしまして、作つた資料国防会議に提出しております。
  71. 小川豊明

    小川(豊)委員 あなたはできる限りとか何とか、言うが、ないものをできる限りも何もないじゃないですか。飛行機を作ろうとして、巨大な経費をかけて買おうとするものだから、慎重の上にも慎重を期さなければならないのがあなた方の当然の任務でしよう。それが現物もないのだから、何も調査もできない。ただ、あなた方の主観というか、独断というか、これがこうなつたならばよくなるだろうという推定にすぎないでしよう。その推定に基いてあなた方は防衛庁内の意見を統一させ、まとめて、そうして国防会議に持ち込んでグラマンに決定させた、こういうふうにしか考えられないのだが、それに間違いないじゃないですか。くどくどしく言わないで、そうであるかないか、はっきり言って下さい。
  72. 高橋幹夫

    高橋証人 それは技術的に申し上げて、技術的な検討を重ねて現在ありますF11F—1Fの性能向上をさせた、その性能向上をさせるいろいろな諸元について正確な技術的検討を経てでき上つた飛行機が98J—11であるという意味におきましては、技術的、科学的に検討された計算というものについて私どもは信頼をするということでございます。
  73. 森本靖

    ○森本委員 そこでちょっと、はっきりしておきたいと思いますが、永盛調査団が帰ってきたときには、F11F—1Fの報告書である。そこで、そのときには98J—11の報告書はない。そのときには100、104の報告書はあったはずであります。そこで、永盛調査団報告書には全然98J—11というものはなかった。その後、四月の十二日の内定までにあらゆる問題を総合して、これを内定する資料ができたわけです。そこで98—11の資料は、その後一体どこから、どういう経路であなたのところに来たのですか。これが問題です。いわゆる計算数値によるところの資料というものは、一体どこから、だれが、どういう経路であなたのもとにまで来たのか。このことを一つ確かめておきたいと思います。
  74. 高橋幹夫

    高橋証人 98J—11というものにつきましては、会社のデザイン・ブックがございます。そのデザイン・ブックというものにつきましては、104のフォー・ジャパンの問題についても同様でございますが、アメリカの空軍に提出いたしまして、それをリリースして私の方が研究いたしたというのが一つ資料でございます。それから、先ほど申しましたF11F—1Fの資料一つ資料でございます。それから、私どもが幕僚長のお供をいたしましてアメリカに旅行をいたしましたときに、アメリカの当局者からそれぞれの戦闘機性能なり、あるいは用法なり、あるいは今申し上げた技術的に検討された性能の数字の諸元につきまして評価を受けたものを、私どもがブリーフィングを受けましたものも一つ資料でございます。
  75. 森本靖

    ○森本委員 それを具体的に、その日時と、だれから受けたかということを、もう一ぺん繰り返してここに言ってくれませんか。
  76. 高橋幹夫

    高橋証人 一つ資料は先ほど申し上げましたF11F—1Fの永盛調査団報告書資料でございます。その後、98J—11というものについての会社のデザイン・ブックというものが一つございます。(「どこの会社か」と呼ぶものあり)これはグラマンでございます。それから、さらにわれわれがアメリカに参りましたときに、アメリカからブリーフィングを受けました資料一つございます。その資料をいろいろと検討いたしまして、防衛庁として四月十二日に国防会議に提出すべき資料を用意したわけでございます。
  77. 森本靖

    ○森本委員 98J—1の会社のデザイン・ブックをもらつたということでありますが、これはどなたからもらつたのですか。
  78. 高橋幹夫

    高橋証人 デザイン・ブックをもらう経緯というものは、それぞれ会社が勝手に日本防衛庁には出せないことになっております。従って、104のロッキードにいたしましても、あるいはノース・アメリカンにいたしましても、あるいはグラマンにいたしましても、それぞれのデザイン・ブックをアメリカの空軍に出しまして、これは会社日本防衛庁に提出をしてもよろしいということになって、98J—11の資料を出してくる、こういうことになります。
  79. 森本靖

    ○森本委員 この98J—11のグラマンのデザイン・ブックをもらつたのは、いつですか。それから、これを出したのは、向うのどなたですか。
  80. 高橋幹夫

    高橋証人 その点につきましては、正確に調べましてお答えいたします。
  81. 森本靖

    ○森本委員 関連質問でありますからこれでやめますが、この会社のデザイン・ブックをいつ、だれからもらつたかということは、かなり重要なことになりますので、これは一つ早急に返答ができるようにしてもらいたい、こう思います。
  82. 田中彰治

    田中委員長 証人に言いますが、今のもらつた月日、それからもらつた人がわかったら、こちらへ出して下さい。
  83. 高橋幹夫

    高橋証人 ただいまの点は、私、防衛課長でありますから、課長の権限として出せるということは申し上げられませんので、上司にはかりまして、あとは委員長と長官との間におきまして、資料を提出するかしないかということについて……(発言する者多し)私は即答できません。
  84. 田中彰治

    田中委員長 御静粛に願います。
  85. 小川豊明

    小川(豊)委員 今、要求されておる資料は、第一係長の自分の権限では出せないかもしれぬけれども、委員長と長官の間で話し合いで出せるというならば、委員長はさつそくその手続をしてもらいたい。
  86. 田中彰治

    田中委員長 承知いたしました。
  87. 小川豊明

    小川(豊)委員 そこで、広岡事務局長にお尋ねいたしますが、あなたは国防会議次期戦闘機を決定させるために、十分な調査研究と確信を持ってこれを提案したのだ、というような意味の答弁をなさつております。今聞いておると、全く何の根拠もない、雲をつかむようなもので、一日あつちへ行って、できおらない、調査はできなかったということは、はっきりしておる。あなたは、このグラマンを内定するに当つて、どんな資料防衛庁から受け取り、国防会議に対してどういう説明をなさいましたか。
  88. 廣岡謙二

    廣岡証人 われわれ事務局の方といたしましては、先ほど高橋防衛第一課長から話がありましたように、防衛庁の方で十分検討した資料、それは水盛調査団、あるいはその後、佐薙空幕長が渡米いたしまして、アメリカにおいて実地について収集した資料、それを持って帰りまして、おそらく防衛庁におきましても、そういう技術的な——たとえばF11F—1Fの性能向上型である98J—11を買うために十分なる技術的な検討というものが、防衛庁の内部におけるそれぞれの専門家がございますから、十分その検討を経て出てきた資料であるというように、私どもは理解いたしております。
  89. 小川豊明

    小川(豊)委員 あなたの答弁はおかしいのです。今、第一課長答弁ではないでしよう、調査はできないということを認めているでしよう。従って、報告書は出せない。報告書は出しておらぬ。その出していない報告書に基いて、あなたは国防会議にどういう資料を出して決定したのですか。あなたは、それは十分に調査研究したと言っているが、あなたの推定にしかすぎない。科学技術を尊重しなければいけないというけれども、ないものを、やりようがないじやありませんか。あなたの主観でしよう。主観でこういうものを簡単にきめられては、たまりませんよ。あなたはどういう資料防衛庁から受け取り、そうしてどういう資料国防会議に出したのですか。
  90. 廣岡謙二

    廣岡証人 98Jというのは、何度も質疑応答の中にございますように、F11F—1F11の日本向けの向上型でございまして、それの、要点は、要するにJ79—GE—3を同型の7というエンジンにかえるのだということと、F11F—1Fはデー・ファイター、昼間戦闘機である。これを日本の特殊気象、特殊な条件に沿うようにオール・ウエザーのFCSにするのだ、この二点でございます。従って、この二点については、十分に防衛庁におきます専門家の手でもって検討されておるというように、そしてそういうことは機体を根本的に改造するということではなくて、できるのだ。これは、この前も申し上げましたように、源田空将も、そういうことはよくやつておるのだと言っておりますし、そういうような専門家の意見というものを十分に参照されて、その結果の資料として国防会議に換出された、ということでございます。
  91. 山田長司

    山田(長)委員 関連して。これは国防会議ばかりでなしに、防衛庁の場合もそうだと思うのですが、物のあるアメリカでさえも、マーフィ法という法律があつて一つ戦闘機購入に当つては、二機か一機を七段階に分けてテストをして、しかる後に二十機か三十機しか買わないというんだ。二十機、三十機買つてさらにテストをして、しかる後でなければ百機も二百機も大量のものを一へんに買わぬというのだ。日本の場合は、エンジンでさえも完成されていない飛行機を、一へんに大量に三百機も買うというのだ。こういうばかげたことは、常識では判断されないことですよ。とにかく三十三年の一月十五日に、佐薙調査団課長がくつついて渡米した際には、もうすでにグラマンの、ただいまの架空の飛行機を買うという内定がされておつてアメリカに行っておるはずなんです。こういう内定のもとにアメリカに行かれて、しかもほかの会社ロッキードなどを視察しないで、もうグラマンに内定しているのだからということで、グラマンを中心とした形の考え方に変つているはずです。グラマン会社でどんな招待を受けました。
  92. 高橋幹夫

    高橋証人 私ども渡米した際におきましては、会社等の接待は一切受けておりません。
  93. 山田長司

    山田(長)委員 行く前の過程において、内定して行っているはずであるが、内定の事情については、どういう経緯で内定して行つたのですか。
  94. 高橋幹夫

    高橋証人 そういうなものを内定して参ってはおりません。
  95. 田中彰治

    田中委員長 高橋証人、あなたはさっき証人として宣誓されたり、宣言されたりしていますから申し上げるのですが、ここに森脇証人もおられるが、私はゆうべ、テープ・レコーダーで聞かしてもらつたが、あなた方が調査に行かれるときに、佐薙さんが、今度僕が調査行つたら、変つたものが出てくるぞ、変つた飛行機になるということを、名前は言わないが、テープ・レコーダーを聞けばわかる。そういうことを、ある新聞社の人が一緒に行つたときに、それを言っておるのだ。それをほかに漏らしておる。ちゃんとテープレコーダーに入っておりますから、あまりあれなされない方がいいと思う。  それから、国防会議にあなた方の出された書類廣岡さんは、ないと言われるが、これは天川氏の自筆であるということを確かめて、みんな持ってきておるのだ。だから、ここで偽証だとか、告発しろとか、あまり出ないように、事ここまできているのだから、やはり正直に言われた方がいいと思うのです。忠告申し上げておきます。
  96. 高橋幹夫

    高橋証人 私どもに、グラマンに内定をして行つたものではございません。それから、先ほど佐薙空幕長が言われたということについても、私は聞いておりません。
  97. 山田長司

    山田(長)委員 グラマンについて、有利な資料を集めに行つたことは事実です。どういう資料を集められたか。その集められてきた資料内容を明示願いたいと思うのです。
  98. 高橋幹夫

    高橋証人 当時、佐薙空幕長と私どもが参つた際におきましては、視察の目的が、米空軍各施設の視察でございました。従って、名基地、各施設を見まして、それぞれその場所におきまして、アメリカのそれぞれの専門家から各種のことについて説明を受けました。さらにワシントンにおきまして、それぞれ機種、性能についての説明を聴取いたしました。
  99. 田中彰治

    田中委員長 高橋証人に言いますが、説明を受けたとか、説明を聞いたとか、できておらぬ飛行機、エンジンのできておらぬ飛行機の説明を聞いたとか聞いておらぬというようなことは、論議にならぬでしょう。論議になるのですか。  それから、今度あなたの方でそんなことを言われると、北海道や三越の博覧会にも、これは防衛庁で決定したのだというようなものを出しておるでしよう。そんなことでなく、もう少しお互いにそういう空論をしないで——社会党の人の質問も、僕はよくないと思う。もう少し核心に触れる質問をして、なるべく委員会一つ早くあれするようにした方がいいね。ないものを争つても、聞いたつて仕方ない。できておらぬものじゃないか。仮想でやつたと言っているのだから、そういうものを聞きたければ、森脇証人を呼んであるから、国防会議について、にせ書類を出して、皆に見せたらいいじゃないか。
  100. 山田長司

    山田(長)委員 いずれ、委員長の言われております書類については、あとで伺うつもりでおります。  昨年の三月十五日に、当時の津島長官、佐薙幕僚長及びあなたと、三人が秘密会議を用いて、防衛庁グラマンに内定する、そういうことを決定してるはずであるが、その前後の事情、有利な資料の集め方の指示をされているというようなことも聞いているが、その前後のいきさつをここで明らかにしていただきたい。
  101. 高橋幹夫

    高橋証人 三月十五日に津島長官と佐薙幕僚長と私が、三人で密議をこらしたということは事実無根でございます。三月十五日に、津島前防衛庁長官の主宰のもとに、当方といたしましては参事官、幕僚長が集まりまして、庁議を開きまして決定をいたしたものでございまして、津島長官、佐薙幕僚長、私の三人が集まつて密議をこらしさらに有利な材料を集めろというようなことを指示したことは、絶対ございません。
  102. 山田長司

    山田(長)委員 それでは、その会合はだれが中心になって召集したのか。
  103. 高橋幹夫

    高橋証人 庁議を開き、防衛庁内における手続は総務課長が事務的な連絡をいたしまして、長官がみずから主宰される会議でございます。
  104. 山田長司

    山田(長)委員 高橋証人の場合もうちょっと保留しておきますが、ただいまの話の中に、委員長も言われましたが、森脇証人がこれらについての何か参考なるものをお持ちのように伺つたのですが、何か参考になる資料がありましたならば、この際一つ……。
  105. 田中彰治

    田中委員長 森脇証人にお話になつたらいいでしよう。あなたの方でその書類についてお聞きになつたらいいでしよう。
  106. 山田長司

    山田(長)委員 じや、そうしましょう。  それでは、森脇証人がメモとして発表された内容につきまして、いろいろただいままでの問題について参考になる個所はたくさんあると思うのです。あなたがお出しになられましたメモの中に、今話された、高橋証人が何回か赤坂周辺の料亭などに出ている記事が出ているわけですけれども、これについて、高橋証人が出席している有無、これは間違いがあるかどうか、一つ森脇証人にお話願いたいと思います。
  107. 森脇将光

    森脇証人 そこに記載してございます、高橋さんがお出ましになつた宴会の席は、間違いなくありました、
  108. 小川豊明

    小川(豊)委員 私はその点にあまり触れたくないが、一点聞きます。先般あなたはこの委員会に参考人として出られて、さまざまの資料を出されております。その出された資料の中には、人さまの——そのことが事実なら、人さまの大へん迷惑になることも入っておるわけです。従って、出される側にはよはどの確信があり、調査されて出された、こう思うので、あなたにお聞きしたら、私の調査に間違いがないと思う、こう言われております。ところが、その度、廣岡事務局長はここに出られて、あなたからああいうものを出されて、実に迷惑千万だ、こういうことを言っておられます。廣岡事務局長は、迷惑千万だ、そういう事実は毛頭ない、ということを言っておられますけれども、あなたは、これに対してどういう根拠であれは主張なされましたか。  また、廣岡局長にお伺いしますが、あなたは、事実そういうことがないと、はっきり言われたのですが、森脇さんはここにおられるから、森脇さんの答弁によっては、森脇さんに対してあなたはあなたの名誉のために、名誉棄損でやるべきだと思う。そのお考えはありますか。
  109. 田中彰治

    田中委員長 二人に対決させないで、森脇証人から先に聞きましょう。
  110. 森脇将光

    森脇証人 私はこの間参考人になりましたときに、いろいろ、あなたでしたか、神だとか何とかいうようなことでしかられましたが、私は自分の人生観上、人間というものは神のごとく十全にできない。従って、私は一歩を譲つて、一部の点に多少の相違があるかもわからということは、神でない人間であるからということでお話いたしましたが、廣岡局長がああいうことをいわれる限りは、私はきようは神に通ずる精神を捨てて、皆さんと同じ精神になって証言いたします。従って、廣岡局長のお話は、速記録を読んでおりませんからはっきりわかりませんが、廣岡さんのいわれたことは、自分が宴席に出ておることについてだけですか、それとも私の森脇メモと称する全体に対してでありましたか。ちょっと、その点を伺いたいのです。
  111. 小川豊明

    小川(豊)委員 それは、廣岡局長個人に関する点だと私ども思います。
  112. 森脇将光

    森脇証人 そうなりますと、私は廣岡さんに直接聞いてもいいですが、私のメモは絶対相違ないということを、ここで、はっきり明言いたしておきます。
  113. 田中彰治

    田中委員長 淡谷委員
  114. 淡谷悠藏

    ○淡谷委員 主として森脇証人のメモに関しましてお聞きしたいのでありますが、その前に高橋証人にお伺いたしたいのですが、あなたは着任されたのは十月十日といっておりましたが、正確にいって、何年の十月十日になりますか。
  115. 高橋幹夫

    高橋証人 私が防衛庁の総務課長から、防衛課長の辞令の発令の日が三十二年の十月十日であります。
  116. 淡谷悠藏

    ○淡谷委員 あなたは、新三菱重工の航空機部長をされております由比という人を知っておりますか。
  117. 高橋幹夫

    高橋証人 航空機部長は役所でお会いしておりますので、よく知っております。
  118. 淡谷悠藏

    ○淡谷委員 あなたは十月十日に着任されておりますが、三十二年の九月の二十九日です、紅馬車で、由比という新三菱の航空機部長と、問題になっております天川勇氏と一緒に会食して、一万七百三十円使つておる。しかもそれが新三菱重工から支払われておる事実がメモにも載り、吉村証人もこの前に、この新三菱が、天川氏の勘定を支払つたということは認めておるわけなんですが、このいきさつについて、まずお話を願いたい。
  119. 高橋幹夫

    高橋証人 私は新三菱の由比航空機部長と酒席をともにしたことはございませんし、ただいま御指摘にありました紅馬車というところに、行つたこともございません。
  120. 淡谷悠藏

    ○淡谷委員 これはあなたが着任する前で、しかも永盛調査団が帰って間もなくであります。さらに十月の二十八日に、三田というところで、やはり由比と天川勇氏と、さらに国防会議の参事官の堀田さんと、三人で三万四千二百九十円を使つておるというメモが出ておる。これもやはり頭に新三と書いてありますから、新三菱重工が払つたものだと思います。また、その二日あとの三十日に、同じくエスカイヤで、三千二百七十円、あなたと天川氏が使つておる事実が森脇メモにあがつておるのであります。これはあなたが否定されるならば、この際、本日の最も重要な意味を持ちます対決の形で、私は森脇氏をまた問い詰めていきたいと思う。まず、あなたの御答弁を聞きます。
  121. 高橋幹夫

    高橋証人 ただいま御指摘になりましたエスカイヤというところも、私は行つたことがございません。従って、これは事実と相違いたしております。それから、三田の会合でありますが、三田の会合は、当時私の大学の先輩で親友であります富士製鉄の秘書役の武田君が、私と懇意でございまして、さらに武田君と天川氏とも、いろいろな関係で御懇意だったように思っております。従って、たまたま三人が三角関係みたいな格好で、知っておつたものですから、それじや一回、話でも聞きながら酒を飲もうじゃないかということで、富士製鉄の秘書役の武田君が三田へ設営をいたしまして、そうして私と、天川氏と、それからほかに、ちょっと記憶しておりませんが、二、三の人が出ました。その席上におきましては、由比航空機部長というものは全くおりません。堀田君はそのときには出ておりません。
  122. 淡谷悠藏

    ○淡谷委員 確めておきますが、その当日出た人は、富士製鉄の武田氏と、天川勇氏と、ほかにだれですか。
  123. 高橋幹夫

    高橋証人 富士製鉄の武田君と天川氏と私と、それから前防衛庁の人事課長の私の同期生の島田君と、もう一人おりましたが、それは記憶しておりませんが、由比航空機部長でないことだけは明らかでございます。
  124. 淡谷悠藏

    ○淡谷委員 由比航空機部長と違うことが明らかだというのは、どういう点で証明できますか。
  125. 高橋幹夫

    高橋証人 それは武田君に聞いていただけば、よくわかると思います。
  126. 淡谷悠藏

    ○淡谷委員 あなたは、由比という人は一目してわかるほどよく知っておるのですね。その人が由比でないという以上は、由比という人は、はっきり知っておるのですね。
  127. 高橋幹夫

    高橋証人 由比航空機部長は、見ればはっきりわかります。
  128. 淡谷悠藏

    ○淡谷委員 あなたは。由比航空機部長といつごろから交際しておりますか。
  129. 高橋幹夫

    高橋証人 私は由比航空機部長とは、私的な関係では一切交渉はございません。私は防御一課長の職にありますので、航空機部長が装備局等に参つた際に私のところに寄るということでございまして、私との関係は、役所の仕事の上の関係だけでございます。
  130. 淡谷悠藏

    ○淡谷委員 森脇証人にお尋ねいたしますが、あなたが現在お聞きの通り、あなたのメモに載つております高橋第一課長に関する点は、三つともこの通り強く否定されております。あなたは、これはメモとして、いわば世間に半ば公表した形になっておりますが、これについてあなたの考えを述べていただきたいと思います。全く虚構の事実であれば、これは廣岡局長もいわれるように、でたらめ千万のものである。その点について、あなたの御答弁を願いたい。
  131. 森脇将光

    森脇証人 その前座をちょっと御説明しないとわかりませんが、この決算委員会でいろいろこういう波動が起きましてから、天川一派が各宴席のそれぞれに対して、すばらしいもみ消し運動を展開いたした事実がございます。これはどうして証明されるか。これは、私が行く待合へ私の方の調査員を、当時私もそういうことをおもんばかりまして、やりましたところが、ちようど一、二時間前に宮田が、といえば天川の秘書でございます、当時——それが来まして云々の話があったという事実からも、わかります。と同時に、私が宮田をようやくにしてとらえましたとき、宮田自身の口から、いろいろな角度においてもみ消しに自分が指示されて歩いておる、こういう事実があります。いつも私の証言に立ちますときは、宮田氏が常に傍聴しております。私が不思議に思うことは、彼は普通の傍聴券でなくて、何か特殊な傍聴券で入っておるように思います。なぜかというと、傍聴券で入るときは何かマークがあるはずですが、それがない。それから、常に彼は熱心にメモしておるわけです。きようは来ておるかどうか知りません。そういう関係から、十分これは、各料亭に対するもみ消しが行われておるという事実と現象は、はっきりしております。従って、事、今日いろいろに言われますことになりますと、いずれが真実探求の資になるかということは、検察当局の手を待たなければわかりません。しかし、私は相当の確信を持ってそれを作つております。しかし、高橋さんが、もうおいでになつたとか、おいでにならなかったとかいうようなことは、小さい問題じやありませんか。だから、あまりこういうことは私は——少くとも廣岡さんとは仕方がないけれども、でたらめだと言われた以上、私は廣岡さんとは、どこまでもやります。しかし、もうそれはやめて下さい。
  132. 淡谷悠藏

    ○淡谷委員 これはやめるわけにはいかぬのです。少くとも、あなたがこの森脇メモというものを大きく世間に出しておいて、相手が否定したからといって、すぐこれをやめるということは、これはとうてい、当委員会の権威にかけても、やめるわけにいかぬ。あなたの目の前で、はっきり高橋さんがこれを否定しておる。私、この前の委員会でも言いましたけれども、無根な事実を並べ立てて人を陥れるようなことになりましては、あなた自体の身分にも関係するのです。従って、高橋さんが今言つた通り、一々これを否定する以上、あなたはそれで、私のメモは誤まりでございましたと、あつさりあやまりますか。あやまれないでしよう。どうです、それは……。
  133. 森脇将光

    森脇証人 私は決して、あやまるなどということを言っておるわけじやありません。しかし、国家的見地から立って、高橋さんがもう、行つた行かないということをここで云々することがいかに必要であるか、その問題を言っておるわけです。だから、もし高橋さんが私を名誉棄損で告訴したいと言うなら、してもらいたい。私は絶対だと言っておるわけですから。これをどうだこうだ言ってみたところで、これが当決算委員会で時間を費し、皆さんの労力を費して究明するほどの問題じゃない。もっと大きな問題がたくさんあるじやありませんか。そういう意味であります。
  134. 淡谷悠藏

    ○淡谷委員 私はこの問題は小さい問題ではないと思う。少くとも、グラマン機決定に当りまして大きな役割をしておりました高橋第一課長が、問題の由比という人、あるいは天川らと一緒に、しかも着任前に飲んだいう事実があなたのメモにあがつている以上は、これは大きな問題です。これより、もっと大きな問題があると言うならば、その問題を一つあなたに聞きましょう。何ですか、それじやあ……。
  135. 森脇将光

    森脇証人 それはいずれ皆様から御質問があるでありましようから、一々私がここでこうだということを答えますと、長くなりますから、皆さんでセンスのあるところを聞いて下さい。それによって答えます。
  136. 淡谷悠藏

    ○淡谷委員 私は現在質問しているじゃないですか。こんな大きな問題よりも、もっと大きな問題があるならば、ここではっきり言ってもらいたい。私から質問します。
  137. 森脇将光

    森脇証人 それはあなたの方で聞きたいことを、一つ一つ言って下さい。そうでないと、総括的に言われたら、どこから話していいのだか、わからないのです。
  138. 田中彰治

    田中委員長 森脇証人、あなたに御注意申し上げますが、あなたは、高橋防衛課長廣岡さんが業者や天川さんと飲んだということは、そう大きな問題でないとおつしやいますけれども、千五百億からのものをきめる、そのきめたものも正しいものをきめてなくて、できておらぬようなものをきめてあるのだから、ここに国民も疑惑を持っているのだから、やはりそういう飲んだり何かしたということは、私は、高橋さんの立場、それから廣岡さんの立場として、非常に重大だと思う。やはりこれは、あなたが、そうでないならそうでない、そうならそうだということをきめられて、そうして、あなたが、そのほかにも機種決定に際してこういう問題があるじゃないかというなら、どんどん国家のために言ってもらいたい。あなたという証人を出すのに、いろいろあれがあったけれども、私は国のためを思って証人に呼んでいるのですから、一つそれを言っていただきたい。
  139. 森脇将光

    森脇証人 さっきも再三申しておることでありまして、私は絶対間違いないということを言っております。間違いないと言って、ここで対決してみたところで、そういうものをもみ消しておりますから、平行線をたどつて、いたずらに時間を費すだけだ。従って、私を、名誉棄損でも偽証でも、何でもやつて下さいということですよ。それ以外に、こんなことをやつていても、時間ばかりかかって、しようがない。
  140. 淡谷悠藏

    ○淡谷委員 高橋証人に申し上げますが、今あなたがお聞きの通り森脇氏は、このメモの信憑性を主張しております。そこで、あなたは、紅馬車の問題、三田の問題、エスカイヤの問題を、大体において否定されまして、ただ三田だけでは、別な人たちと一緒に飲んだことを話しておりますが、この中に天川氏が出て参ります。あなたは天川氏を、一体いつから知っているのですか。
  141. 高橋幹夫

    高橋証人 先はどのメモの内容は、私が先ほど申し上げた通りでございまして、エスカイヤと紅馬車は、全く事実と相違いたしております。三田の内容についても、由比航空機部長はおりません。天川氏がおりましたことは事実でございます。天川氏との知り合いは、私が防衛庁総務課長時代、ちょっと記憶に残つておりませんが、私の内務省以来の友人である島田前人事課長が、昔海軍省に勤めておつた関係から天川氏を知っておりますので、島田氏の紹介によりまして、天川氏と知り合いになりましたが、役所で二、三お会いしたことと、先ほどの三田のことと私は記憶をしております。
  142. 淡谷悠藏

    ○淡谷委員 天川氏は、一体防衛庁に対してどういう仕事をしておったのです。国防会議の委託調査が天川氏との間に契約されておりまして、いろいろ次期戦闘機の決定に対する方法論等の調査が行われておつたようでありまするが、こういう関係で、防衛庁は一体どんな接触を保つておりましたか。
  143. 高橋幹夫

    高橋証人 私は、私との関係で天川氏を知っておりますので、天川氏が防衛庁の全体に対してどういう関係を持っておつたかということは、私は存じておりません。
  144. 淡谷悠藏

    ○淡谷委員 天川氏は防衛庁でしばしば講演をされておりますが、その講演について、あなたは何か聞いたことはありませんか。
  145. 高橋幹夫

    高橋証人 講演を聞いたことはございません。
  146. 淡谷悠藏

    ○淡谷委員 廣岡氏に一つお尋ねいたしますが、あなたはこの前の証言で、天川氏の才能をだいぶ買つてつた。しかし、この次期戦闘機の決定について重要な役割を持ちました高橋氏は、天川氏という者を全く知らないと同じような答弁をしておる。あなたは、どりして高く買つて次期戦闘機の方法論などの調査を依頼されたか。その点をお話し願いたい。
  147. 廣岡謙二

    廣岡証人 この点は前回申し上げました通り、(「頭脳を買つたか」と呼ぶ者あり)当時、われわれ勉強しなければならぬ、それで幾多民間の有識の方々の意見を聞いて、その参考にしたいということでもって考えておりましたが、天川氏が国際情勢の問題についても、軍事情勢あるいは軍事科学、そういう問題についてもかなり高く評価されており、またその話し方についても、ある事象をつかまえての説明の仕方、あるいはその分析の仕方が、これが非常にすぐれているというような話をあちこちから聞きまして、それでもって事務局に昭和三十一年の十月ごろでございましたか、来て、それらの問題、あるいはその時々のトピックになつたような問題について話を聞いて参考にした、ということであります。
  148. 淡谷悠藏

    ○淡谷委員 そうした重大な問題を参考に聞くために、防衛庁の正規の幕僚その他から、あなたは聞いたことがありますか。
  149. 廣岡謙二

    廣岡証人 防衛庁の正規の幕僚、その他官庁関係におけるその関係の人から、かなり話を聞いております。
  150. 淡谷悠藏

    ○淡谷委員 具体的にはどういう人から聞いておりました。
  151. 廣岡謙二

    廣岡証人 はっきりと記憶はいたしませんが、防衛庁の陸海空におけるそれぞれの担当者、それから防衛庁技術研究所のその道の、エレクトロニクスでありますとか電子科学の問題を取り扱つている人々の話、そういう人の話は、もちろん聞いております。
  152. 小川豊明

    小川(豊)委員 私はさっきから聞いておつて森脇証人は非常にこの前確信を持って云々と答えられておりますが、きようここへ来て、少しくあなたの主張は先鋭性を失つてきたと思うのですが、そのことは、人が飲んだ食つたということだから触れないとして、あなたは、四月十二日に国防会議で決定された、いわゆるグラマンのこの機密書類といわれるものを持っておるということを言われたことを聞いておりますが、持っておりますか。持っておるならば、ここで出してほしい。持っておられますか。
  153. 森脇将光

    森脇証人 機密書類とおつしやいますが、私はしろうとでありまして、ただ、いろいろ専門家に聞いたところの範囲でそうではなかろうかというようなものが私の手に入っておる。しかし、私は国防会議立場におらないものですから、それが真にそれであるかどうかということは、わかりません。しかし、それらしいというような意味のものであるというようなものは持っております。ただし、それが真にそれでありやいなや、それは私はここで、はっきり責任を持つことはできません。
  154. 小川豊明

    小川(豊)委員 あなたは専門家でないから、それは機密書類であるかないかわからなくてもよろしい。あなたは自分で機密書類であると思って、重要書類を持っておるということを発表されたことを聞いておるが、お持ちならば、出してもらいたい。
  155. 田中彰治

    田中委員長 森脇証人、その前にちょっとお聞きしたいのです。この前、私は委員長としてでなくて、委員になって、廣岡国防会議事務局長質問したが、あなたは国防会議の重要書類が他に流れているが、それに対してどうだ、流れておらない、流れておつたらどうする、責任を負う、と言われた。私は、ほかの人から聞いたのかあなたから聞いたのか知らないが、あなたが国防会議の機密書類と確信されるものが、天川とかその他の者に流れておるものを、どういう手づるであなたのところに入つたか知らないが、あなたがお持ちになっているということを、私は記憶があったから御質問したが、そういう書類がございましたら委員長のところに、出しも、なかなか私もわからないから、あなたが、こういうものはこういう考えだから機密だと思う、こういうものはこういう考えだから国防に重要だと思う、こういうものはこうだからということで、二、三そこで説明をして、それからこっちへ出してもらいたいと思う。どうでしよう。
  156. 森脇将光

    森脇証人 今言つたことを前提として、私の手元にあるものだけをごらんに入れます。     〔森脇証人書類を提出〕
  157. 小川豊明

    小川(豊)委員 一々、その書類を回してもらう前に、あなたがそれはどうして機密だと思ったか。(「それはあとでいい」と呼ぶ者あり)こういうことは先に聞いた方がいい。
  158. 森脇将光

    森脇証人 私の調査の範囲では、この大きい方のいわゆる緒元比較表というような性格を持つものは、防衛庁の幕僚等々の技術者が作つたものだと思っております。それから、ここにございますFX性能要目というのは、これはどうも私の調査の範囲では、天川が作つたもののように受け取れるし、あるいはこれが国防会議の四月十二日の決定をなすときのものであるか、あるいはその前因をなすものであるか、そういうことになりますと、私はわかりませんから、皆さんでこれをよく御吟味願いたいと思うのです。
  159. 小川豊明

    小川(豊)委員 それは、それだけですか。
  160. 森脇将光

    森脇証人 今の質問に対するものはこれだけです。
  161. 小川豊明

    小川(豊)委員 この間、委員長質問に対して事務局長は、そういう書類は私の手元から流れておりません、もし流れておるならばその責任は私が負います、こういうことを言われておる。従って、それは国防会議における重要書類であるかないかをまず確めて下さい。     〔小川(豊)委員廣岡証人書類を   提示〕
  162. 廣岡謙二

    廣岡証人 この二つの複写でございますか、これは現物かどうか知りませんが、こういうものは私どもの手元でもって作成したものでももちろんございませんし、国防会議にこういうものを提出した、そういうような資料では絶対にございません。
  163. 田中彰治

    田中委員長 森脇証人、それの説明をちょっとしてみたらどうですか。
  164. 森脇将光

    森脇証人 この大きい方のやつは、私の方でいろいろ専門家等々、その名は秘しますが、これは防衛庁におきまして防衛庁の技術者が作つたものであるということの鑑定を受けております。従って、私の方が真であるならば廣岡さんがうそをついたのである。私の方の鑑定をして下さつた人がうそを言つたのなら廣岡さんの言うことがほんとうになりましょう。しかし、私は技術者でも当局者でもありませんから、それについてのどうこうは言えないのであります。それから、これはさっきも申しました通り、天川のところから出たものでありまして、これがどうも四月十二日の決定の要素をなすときのものであるか、その前座をなすものであるかわからぬが、とにかくこれは天川が作つたものであるというように調査されたのが、私の方の実態であります。しかし、これ以上のことは、当委員会の責任においてお調べ願いたいと思います。
  165. 廣岡謙二

    廣岡証人 先ほど申しましたように、この天川が作つたFX性能要目というような題目になっておりますが、われわれの方で作りましたものは大体こんな項目なんか作つていない。しかも、われわれの方で整備いたしましたものは、これ以外の候補機種を全部そろえております。これがどういう資料だか、全然私としては承知をいたしておりませんし、どこからこういうものが出たかということは、もちろん私にもわかりませんが、この点は、はっきりと申し上げておきます。
  166. 田中彰治

    田中委員長 委員の諸君にちょっと申し上げておきますが、私がこの前、廣岡証人質問したときに、国防会議書類は出ておらないということだった。そこで、僕はあまり言いたくないが、これは機種決定をするときに国防会議が使つた書類であつて、この下は切れておるのです。原本を見せます。それから、それをあとでくつつけたものなんです。ここにグラマンのちょっとしたものとロッキードCのちょっとしたものを書いてある。この性能は全部防衛庁で書いてある。そのロッキード性能というものは全部でたらめなんです。できておらないのに、グラマン性能がりつぱに書いてある。これは防衛庁の作つた人の筆跡を鑑定することになっておりますから、鑑定次第全部わかる。これは天川氏が作つたものを写したものです。そこに天川氏の自筆をとつてある。もう一度森脇さん、見せてごらんなさい。これは検察庁に告発して調べた方がいい。(発言する者あり)重大な問題じゃないか。こんなものを持ち出してやつてつたら重要な問題じゃないか。そんなものは重大でないというのは、だれが言つておるのだ。どこの委員が言っておる。ここへ来て選挙区の名前を言ってみろ。これは、森脇氏のこれなど、その通りなのです。あなた、説明してやれ。私はわからない。あなたも、出てきたら、しつかりしなければだめだよ。いいかげんなことをやつてはいけない。
  167. 森脇将光

    森脇証人 いいかげんなことをやつておりませんよ。ここで委員長にごらんに入れましたこの書類は、この間、私が参考人として出ましたときに皆さんにごらんに入れたものであります。従って、私はそのとき皆さんからこの書類について、これは一体どういう性格を持つものか、どういう内容を温存しておるものか、極秘と書いてあるが、これは真に極秘であるかどうか、いろいろな質問があると期待しておりましたが、何の質問もありません。何も言われなかった。そこでそれを説明せよとおっしゃるならば、私の知る限りの説明をしてもいいのであります。
  168. 田中彰治

    田中委員長 説明して下さい。
  169. 森脇将光

    森脇証人 これは、委員長、私がここで、はっきりこういうところでやつてもいいですか。
  170. 田中彰治

    田中委員長 いいです。
  171. 森脇将光

    森脇証人 これは、吉村氏が当委員会において、この大蔵省主計局、N。7、極秘と書いた書類であります。そうして、ここのところで彼が訂正いたしましたのは、三十一年四月十三日とはなっておるが、これは三十一年でなく三十二年であるということを訂正しておる事実がありました。そうして、この全体を通じまして、私が専門家に鑑定を受けた関係の内容においては、こういうものがやすやす民間人に流れていくということは、これは大へんなことだ、こう聞いております。それから、この中で特に重要な一点があります。それはここにございますこの折り畳みになっておる表であります。これは、あとで皆様がごらん下さればわかります。これの表題にはレーダー性能要目と書いて、いろいろ詳しく書いてございます。そこの一番最初にあるのがAPG—3OA、その次にAPG—37改と書いてあります。その次がAPG—34、この三つのレーダーについて、ずっと詳しくデータが出ております。それからその次には照準器、サイト、カッコしまして、性能要目として出ております。それには一番最初がA—4であり、その次がMG—4改と書いてあります。その次がMA—10と書いてあります。  そこで、その一番最初のAPG—30A、これは現在日本にもきておるところのレーダーであるそうであります。その次にある二つのものは、これはいまだ日本に来ていないというのが実相であり、もし来ておるとしても、これはアメリカ国防省から防衛庁にでも手渡されてあるならば、あるであろうというものであります。そこで第一のこのレーダーは、専門家の鑑定によれば、現在日本防衛庁においても非常に極秘であるべき性質を温存している。その次の二つ申しました部分は、現在なおかつこれはアメリカ国防省の機密に属するものであつて、これが第一、一民間人に流れておるようなことがわかったならば、大へんな問題だという鑑定を受けております。従ってこの二つについて、当委員会アメリカ国防省に対して、この事実が果してそうであるかどうであるか質問されたら、その真偽がわかると思います。よって、かかる重要なものが天川ふぜいに流れ、従ってまた私ら民間人にも手に渡るというような現象は、国家国防の上からいって、事重大だと私は思います。(「その通りだ」と呼ぶ者あり)  それからこれを見ますと、これは大体F86—F、F100、F104の諸元性能の比較、これも私が知っておる限りでは、吉村氏が天川氏に委嘱して作らしたということは当委員会証言しておるはずであります。ところが、これが青写真でずっと出ておる中から、あとでいろいろと赤インクでもってさまざま訂正してある個所がたくさんあります。その訂正されておる部分のほとんど大部分というものは、ロッキード性能を落す方向に向つての訂正の赤インクであります。従って、これは三十二年の四月何ぼにできたものでありますから、これを天川氏が基本線にして、ロッキードを落すためにどうするかということで、この赤線を入れたものだろうと私は推定されます。そして、その赤線で訂正されてロッキード性能を落すようになつたものの数字が多くここに出ておるわけであります。そういうようなことから考えますと、これも国防会議が天川に委嘱した。次のグラマンロッキードも、どういうことに使われたか私は知りませんが、要は、そのときも天川に委嘱した。そうするとこの委嘱された第一の表に、そういうような訂正の文句が書かれてある。しかも、それはロッキード性能を落すような方向に書かれてある。こういう事実について、わかるわけであります。
  172. 淡谷悠藏

    ○淡谷委員 高橋第一課長にお尋ねしたいのですが、今読み上げられました大蔵省の主計局の極秘印の押してあります文書でありますが、諸元比較表であります。この中のレーダー性能要目の中のAPG—3OAというのは、日本で現在使用しておりますか。
  173. 高橋幹夫

    高橋証人 私もレーダーのことについて専門家でございませんので、調べまして御報告いたします。
  174. 淡谷悠藏

    ○淡谷委員 そのレーダーの性能いかんを聞いておるのではないんですよ。現在これを日本で使つているか、使つていないかを聞いておるのです。
  175. 高橋幹夫

    高橋証人 APG—3OAというのは使つております。
  176. 淡谷悠藏

    ○淡谷委員 こういう資料は、外部に流れてよい資料ですか。
  177. 高橋幹夫

    高橋証人 そのものの持つ性能要目が一般的に公表されていいものと悪いものとございまして、一般的に言えば、こういうものはしいて公表する必要はないと思います。
  178. 淡谷悠藏

    ○淡谷委員 公表する必要があるないじゃないのです。こんなものは極秘扱いにされておりますが、流れておるという事実にあなたは不安を感じませんか、国防を担当する者として……。
  179. 高橋幹夫

    高橋証人 そういうものが民間に流れているとすれば、非常に危険なことだと思いますので、私は国防上憂慮にたえないと思います。
  180. 淡谷悠藏

    ○淡谷委員 APG—37、同じくAPG—34、これは日本で使つていますか。
  181. 高橋幹夫

    高橋証人 私は詳細存じておりません。
  182. 淡谷悠藏

    ○淡谷委員 使つているのですか、使つていないのですか。あなたが知らないというのは、日本で使つていないということですか。
  183. 高橋幹夫

    高橋証人 それはよく詳細に調査しまして、使つているか、使つていないか、御報告いたします。
  184. 山田長司

    山田(長)委員 ただいまの書類防衛庁の関係の書類であるかないか、その点一つ……。
  185. 高橋幹夫

    高橋証人 私の在職しております限りにおきまして、こういう書類を見たことはございません。
  186. 淡谷悠藏

    ○淡谷委員 このAPG—37、APG—34というのは日本で使用していないで、現在アメリカでは使つてつて、秘密に属するものと思っておりまするが、そういう点、おわかりになりませんか。
  187. 高橋幹夫

    高橋証人 それは詳細よく調べまして、御報告いたします。
  188. 淡谷悠藏

    ○淡谷委員 この極秘文書は、あなたのさっきの証言によりましても、全くの極秘文書だということはわかりました。従って、これは天川氏が持っているという、天川氏の作つたものだという、これは森脇証人、あなたははっきり証言できますか。並びにこの書類がどうして作成されるに至つたか。あなたの知っている限り御証言いたいと思います。
  189. 森脇将光

    森脇証人 これはだれが作つたかということになりますと、私はその現場にいないから、これであるという的確な証言はできませんが、吉村が委嘱して作らした、天川が作つたものであるということは、これは間違いありません。
  190. 田中彰治

    田中委員長 森脇証人、そこに天川君の自筆で訂正したものがあるとか言つたが、天川の自筆ですか。
  191. 森脇将光

    森脇証人 私は自筆だと思います。
  192. 田中彰治

    田中委員長 天川の自筆だそうです。
  193. 山田長司

    山田(長)委員 ただいま書類を見ますと、ナンバーが7とついて、大蔵省主計局の判が押してある。この書類は大蔵省で作つたものだと思うのです。この点について、前回は天川氏の依頼によるものであるような意味のことを言われて、大蔵省主計局で判を押したんだと、こういうふうな意味のことも言われているのですが、この書類の出所、これはどこだと思いますか。
  194. 田中彰治

    田中委員長 だれに聞いているのですか。
  195. 山田長司

    山田(長)委員 森脇証人にです。
  196. 森脇将光

    森脇証人 私の関する限りのこの出所の歴史を説明いたします。私はどうしても天川勇氏の実在というものが奇怪であり、そして天川勇氏があらゆる国家機関の防衛関係にすばらしく影響力を及ぼしているという事態を知りまして、何とかしてもう少し掘り下げて天川勇氏の事実関係の実体の中に入りたい。その調査をするためには、二号さんがたくさんありますが、そこいらに行つたつて教えない。これはどうしても、天川の周辺に近くいた秘書から聞く以外にないと思ったわけです。そこで、だんだんと調べていきまして、まず天川が使つた第一の秘書が西野という男、それから三十一年の春ごろからそれが交代いたしまして、宮田という秘書にかわります。そこで、まず私のライトは古き秘書に当てられました。いろいろ調べた結果、ようやくにして西野をつかまえることができました。この間も言いました通り、私は彼を連れて赤坂の八百善に五時過ぎころから参りました。ちようどそのとき、西野秘書がこんな大きなふろしき包みを持っておる。酒を飲むにつれ、だんだんと話していくうちに、実は森脇さん……と言って、彼が話したことをこれから言う。——それは実は、私が三菱航空の由比航空機部長から頼まれて、天川のところにいっているいろいろな書類がたくさんある。それで、三菱としても秘密にしなければならぬものも相当いっておる。その他官庁のものもたくさんいっておるので、何とかしてそれを取り戻してもらいたいということを頼まれた。そこで自分は宮田を通じて天川の所持するそのものをようやく一部ここへ持ってきたんだ、こういうわけです。そこで私は、何とかしてふろしき包みを今晩一晩借りてやろうと思いまして、私も大いに飲み、彼にも大いに飲ませまして、十一時半ころまで、私と彼とはぐでんぐでんになつたわけです。そして、彼から一晩これを預かったわけです。それがこんなふろしき包み。それで一晩お借りして、私はここに五、六部ありますものを預かる決心をいたしました。由比航空機部長に頼まれたから、あしたはぜひ返さなければならないということを彼が言っておりましたから、その中の一部を——私がその原本を写したものはそのふろしき包みの中のほんの一部であり、ここにあるのは、どのふろしき包みの中にあった原本そのままのものがここに五つ、六つある、こういうことになるわけです。そうしてあくる日、八時ころ、西野は会社に飛んできまして、早く返して下さいというので、私は返しました。そしてこの原本だけは——私が預かり証を書いて、そして彼に渡してやつた。吉村が出るようになりましてから、くしの歯を折るごとく電報が来た。私の自宅、あるいは伊東の別荘、会社へ再三返還の要求がありました。しかし、私は何かの機会まではと思って、私は調査の一端としてこれを預かった。調査完了次第返すという条件付で借りておりましたから、まだ調査未完了ということで持っておつた。だから、これは早く返すべき義務があります。こういうようなことで私の入手になりましたが、それを返しましたときに西野いわく、きよう、これから八重州口で由比航空機部長と会うことになっておる。これをそつくりそのまま由比さんに渡すと世間がうるさいから、自分はこれを東京駅へ持っていって、一時預けに預ける。御存じの通り合鑑をもらいます。由比さんに会つてこの合鑑を渡す。由比さんは合鑑を持っていって、手荷物一時預かり所へいって、もらう、こういう仕組みでこれを返すことになつた。こういう経過から、私の方へ入手された極秘書類である。こういうことです。
  197. 淡谷悠藏

    ○淡谷委員 高橋証人に聞きますが、今お手元にありますその天川氏の持っておる文書ですが、これは防衛庁グラマン決定に関する書類と、数字その他は合つておりますか。
  198. 高橋幹夫

    高橋証人 それは、どの書類をさして言っておられるのでございますか。
  199. 淡谷悠藏

    ○淡谷委員 グラマンロッキードの比較表であります。それはどうです。
  200. 高橋幹夫

    高橋証人 これは、見ますと三十三年七月のものも入っておりますので、これは四月以後作られた書類ではないかと思います。私も手元に記録がございませんので、これはどれがどれということは、はっきり申し上げられません。
  201. 田中彰治

    田中委員長 高橋証人、私が知っておるから申し上げておきますが、それは決算委員県会がめんどうになってから、四月十二日以後に、今まで出した書類があまりでたらめだったものだから、それに合わして三つ作つております。それが一番先作つたものです。その次に作つたものと、最後に作つたのと、三つあるわけです。それで、一番初めのやつを持ってきたんです。
  202. 淡谷悠藏

    ○淡谷委員 これは、あなたの今の答弁でもわかりますが、明らかに一民間人が所有すべき書類じゃないということはわかります。あなたは天川氏を知らないと言い、防衛庁にも関係はないと言う。それならば、天川氏がそういう書類を持っておることはあり得べからざる事実なんです。それを確かめておきます。
  203. 高橋幹夫

    高橋証人 ただいまの質問の趣旨を、もう一回お願いします。
  204. 淡谷悠藏

    ○淡谷委員 あなたはさっき、天川という人間は知らぬと言つた防衛庁でもあまり見かけないと言つた。話も聞いたこともないと言う。そういう一民間人で、疑惑に包まれておる人間のところに、そういう重要な書類があつてはならないとはお思いになりませんか。
  205. 高橋幹夫

    高橋証人 いかなる経路でその書類が流れたか、私よく知りませんが、その書類内容いかんによっては、よくないと思います。
  206. 淡谷悠藏

    ○淡谷委員 ここに写真にとつたものがあります。「誘導兵器便覧上A—GA、防衛庁部外秘、調査資料別冊第二号、防衛庁防御局第二課」とありますが、これらは全部部外に出してはならぬ書類ですね。確かめておきます。
  207. 高橋幹夫

    高橋証人 一応部外秘でございますが、部外秘の場合の配付区分として、上司の許可を得てかくかくの者に渡してもいいという場合には、それはいいと思います。
  208. 淡谷悠藏

    ○淡谷委員 こういうものを外部に出すときは、だれが一体責任をとるのですか。上司とはだれのことですか。
  209. 高橋幹夫

    高橋証人 それはそれぞれの主管の局の局長なり課長なり、あるいは重要な書類は長官までいって決裁を得べきものだと思います。
  210. 淡谷悠藏

    ○淡谷委員 名前をはっきり言ってほしいんです。少くとも天川の手に部外秘の書類が渡つておる。極秘文書がある。たとえばここに一つ例を引きますが、誘導兵器便覧、この書類はどういう経路で部外へ出すような許可を与えましたか。
  211. 高橋幹夫

    高橋証人 たとえば部外の大学等の技術者あるいは大学教授が、そういう書類についてぜひ参考として見たいという申し入れがありますならば、それは正式の許可を得て渡します。また当委員会等にも渡しますし、あるいは国会議員の方からこういうものをぜひもらいたいというお申し入れがあれば、私の方で出すべきものは出す。そういうことになっております。
  212. 淡谷悠藏

    ○淡谷委員 天川にはどういう理由で渡つたのですか。やはりそういう経路をとつておりますか。
  213. 高橋幹夫

    高橋証人 天川氏にそういう書類が渡つた経路について、私は詳細存じませんので、何ともお答え申し上げることはできません。
  214. 淡谷悠藏

    ○淡谷委員 あなたが知らなくても、渡つておることは事実なんです。この通り写真に出ております。もしも、あなたが知らない間にこういうものが外部に出ておるとすれば、特に天川のような人間に渡つておるとすれば、非常に困つたことになると思いますが、それはどうですか。
  215. 高橋幹夫

    高橋証人 その書類内容によって、私の主管に属する仕事もございますし、あるいは各幕僚監部の主管に属する仕事もございますし、それぞれその書類内容によって、一般的に私がこうだということを断定できません。
  216. 淡谷悠藏

    ○淡谷委員 誘導兵器便覧は、これはだれの責任になっております。
  217. 高橋幹夫

    高橋証人 誘導兵器便覧というのは、そこに防衛二課と書いてありますように、調査資料をまとめまして、誘導兵器についての一般的な諸元とか、あるいはそういう内容について部内の参考資料として配付したものだと考えております。
  218. 淡谷悠藏

    ○淡谷委員 少くとも部外秘の書類ですから、責任者があると思いますが、責任者はだれですか。名前をはっきり言ってほしい。
  219. 高橋幹夫

    高橋証人 それぞれの秘密区分に従いまして、その書類の責任者というのは、もし防衛課長がその書類を出しましたならば、防衛課長に終局的にはありますが、ただその書類をそれぞれの者に配付してあります以上は、その配付を受けた者の責任だと考えております。
  220. 淡谷悠藏

    ○淡谷委員 配付をした者の責任というと……。
  221. 高橋幹夫

    高橋証人 配付を受けた者。
  222. 淡谷悠藏

    ○淡谷委員 配付を受けた者の責任ですか。出した者には責任がないというんですか。
  223. 高橋幹夫

    高橋証人 たとえば誘導兵器便覧というものを私が防衛二課から参考資料としてもらいまして、そしてこういう書類を私がもらつたということになりまして、その書類を私がもし天川氏に渡したと仮定するならば、それは私の責任だと思います。
  224. 淡谷悠藏

    ○淡谷委員 今、防衛庁の内部には、配付を受けました秘密書類を勝手に外部へ流すような人間がたくさんいるんですか。これを見ますと、ずいぶん森脇メモでも防衛庁関係の人間が天川氏と一緒に酒食をともにしています。そうしますと、まさに防衛庁の綱紀は紊乱その極に達しているといわなければならぬ。そういうことは、しよつちゆうありますか。
  225. 高橋幹夫

    高橋証人 そういうことはないと信じておりますが、現実にそこに出ておるとすれば、何らかの経路で出たものでありますから、その経路を詳細に調査しなければ何とも申し上げられません。
  226. 淡谷悠藏

    ○淡谷委員 あなたは、ここで調査することをはっきり約束できますか。
  227. 高橋幹夫

    高橋証人 それぞれの防衛庁の所管業務といたしまして、部内の機密保持のための調査を担当する部局、その他のものがございますので、しかるべき筋を通して、そういう所管の調べるべき者が当然所掌業務にきまつております。
  228. 淡谷悠藏

    ○淡谷委員 私は廣岡事務局長にも、この際しつかりお伺いしておきたいのですが、あなたは非常に天川氏を買つておられる。ところが、第一課長は全然買つていない。こういう極秘文書は、むしろあなたの方の国防会議事務局を通して、特にこの中におつた参事官の吉村を通して天川の手に流れておつたと思われるケースが非常に多いのですが、どうお考えになりますか。
  229. 廣岡謙二

    廣岡証人 今お示しになつたような書類、これは私は全然承知いたしておりませんし、事務局にもそういう書類が提出されたことは、これまた一切ございません。従って、私の方の事務局からそういうような機密の書類が外に流れたということは、あり得ないと私は思います。
  230. 淡谷悠藏

    ○淡谷委員 とんでもない話です。あなたは、この前の委員会では天川氏を非常に買つておられた。こういうふうな文書が彼の手に入っておつたということを、今あなたは初めて開きましたか。前からこういう文書が彼の手にあつて、それが国防会議あるいは軍需会社に彼が取り入る手になっておつたことを知っておつたんじゃないですか。あなたは共謀しておったんじゃないですか。
  231. 廣岡謙二

    廣岡証人 共謀しておったという事実は、絶対ございません。それから、天川を買つてつたと申されましたけれども、これも私は前回のときに申し上げましたように、情報だとか、話を聞くという態度は、私自身が心得ておるつもりであります。従って、私どもの事務局の者におきましても、情報を聞く態度なり扱いというものについては、懇々と常時機会のあるたびに、私は注意をいたしております。従って、この天川に委託したことも、そういうような正確なる性能、そういうものを提供してやつたわけでございませんで、各機種を並べて共通した性能を比較する場合にいかに考えていくかという共通的な理論、考え方、方法論についてこれを委託したと申しましたことも、私の考えに基くところでありまして、国防会議ないし事務局の性格から申しましても、絶対に機密であるべきことについてそういうことをやつているということは、考えられないのであります。
  232. 田中彰治

    田中委員長 ちょっと待って下さい。廣岡さん、あなた、ほんとうにそういうような気持で今いるんですか。あなたは国防会議で機種を決定するときに、いろいろな資料を比較研究されたというんです。研究をされたんなら、そういう比較表や何か、みんなあなたは知っているはずだ。今聞くと、あなたは見たことも、聞いたこともないと言う。そういうことと、それから、あなたが知らぬという書類が天川の手にそれだけたくさん出ているでしよう。あなたが天川に月給を出して、嘱託書を出して嘱託して、ものを研究さしているんでしよう。あなたは天川に口のきき方まで注意なさるんなら、天川の二号の手からそこらへ流れている道理はないじゃないですか。あなたは国防会議事務局長ですよ。あなたの言うことをここで聞いておつて、だれもあなたが正直だと思っておりませんよ。あなたは警視総監もされたんだから、やはりもう少し常識的に考えて言つた方がいい。天川から出ているんじゃないですか。あなた、それをごらんなさい。国防会議でそんな秘密、原子力に関する秘密、国会で論議もされないような内容のものまで、みんなそうやつて数字まで出ておる。十年計画まで数字が出ておる。ごらんなさい。そういうものが流れ出てもいいですか。そういう者を使つてつたんでしよう。これだけもめるようなことをする天川をあなたは使つてつたんだから、あなたは、天川に対して自分が見そこなつた、軽率だった、国防会議にも手落ちがあったとお認めになって、初めてこれが解決つくんじゃないですか。もし、あなたがそんなことを言われると、高橋課長でもそうだが、あなた方がそんないいかげんなことを言われますと、この書類を私は押えているんだが、全部社会党へ渡しますぞ。考えてやりなさい。
  233. 廣岡謙二

    廣岡証人 ただいまはいろいろお話ございましたけれども……。     〔「こういうことは政党政派を超越してやらなければならぬ」と呼ぶ者あり〕
  234. 田中彰治

    田中委員長 じや、渡してもいいですか。あなた責任を持ちますか。
  235. 廣岡謙二

    廣岡証人 天川に対しては、嘱託ですか、そういう格好で彼を使つたことは全然ないのであります。  それからまた、いろいろ秘密にわたるような資料が出ておるというようなお話でございましたが、こういう防衛庁の秘密にわたるような資料が全部国防会議事務局、あるいは部外に出ておるというようにお考えになるのは、違うのであります。防衛庁に行きましても、それぞれその書類はございましょうし、各省それぞれ持っておりましようけれども、一切がつさい、全部そんなものが私どもの方の事務局の手に渡るというような筋のものではございません。従って、今拝見いたしますようなものが事務局に来まして、私がこれを知っているじゃないかと言われましても、見たこともないのでありまするから、これは私ははっきりお答えを申し上げた次第であります。
  236. 淡谷悠藏

    ○淡谷委員 あなたは次期戦闘機の決定の方法論を天川に委託調査を命じて、契約書を作り、十万円の金を払つておる。ほかにあなたは講演謝礼などでも天川にそれぞれ払つている分があると思いますが、三十一年、三十二年、三十三年を通じて、何回、どれだけ天川に払いましたか。
  237. 廣岡謙二

    廣岡証人 天川氏の講演は、三十一年度が七回、三十二年度が十回、三十三年度が三回、合計二十回でございまして、それに支払つた謝金は十万八千円でございます。
  238. 淡谷悠藏

    ○淡谷委員 少くとも天川氏は一ヵ年のうち七回、十回というふうに国防会議へ入っておる。しかも天川氏に対しては、出すべからざる秘密文書が流れて、おることは、はっきりしておる。  橋第一課長に聞きますが、フェアリー・ファイアー・ラッシュという文書、三十年の八月三日、空幕装備部技一課としてありまして、取扱い注意部外秘という判が押してあります。これは秘密書類に違いないでしよう。
  239. 高橋幹夫

    高橋証人 秘密書類内容によってはそれぞれの区分がありまして、秘密度の高いものも、高くないものもございます。今その写真に出ている書類は取扱い注意部外秘ということで、それは装備一課で作つた書類だと思いますが、私はそれをきよう初めてお聞きした次第でございます。
  240. 淡谷悠藏

    ○淡谷委員 あなたは知らぬと言っていますが、天川氏は防衛庁の中で何か役を持っているのじゃないですか。こういう文書に天川勇用と判を押してあるのですよ。あなた、隠しているのじゃないですか。
  241. 高橋幹夫

    高橋証人 私の関係しておらないことについていかに言われましても、私は存じません。
  242. 淡谷悠藏

    ○淡谷委員 これは、あとで防衛庁長官を呼んで聞きますが、ほかにも、将来の本土防空構想という秘密文書がある。これもやはり天川氏が持っているのです。そうしますと、すでに日本で使つてない米軍の機密に嘱すると思われるようなレーダーの性能に関する文書も持ち、こういうふうな文書もいつの間にか手に入れて、あなたを驚かせ、国防会議の事務局長廣岡氏を驚かせ、これでは天川スパイ論が出るじゃないですか。それを当委員会が召喚しようというのを、よってたかつて妨害するというならば、私は—————————————————と思う。私は政党を離れてこの問題を明らかにすべきだと思う。あなたは、一体この間、廣岡局長が、彼の天川に対する契約書の内容上司の指図があつて出せないと言っていましたが、この契約書の内容というものは明らかにこうしたロッキードグラマン性能の比較をなすべきような契約であり、またこの機密文書を彼に渡すような根拠を与えておる契約書ではないですか。だから、あなた方は出さないのじゃないですか。
  243. 廣岡謙二

    廣岡証人 きよようは私は証人として出ておるのであります。決してそういうことはございません。
  244. 田中彰治

    田中委員長 先ほど淡谷君が申された、————————————————————————————ということは、不穏当と認めますので、取り消しておきます。
  245. 淡谷悠藏

    ○淡谷委員 速記録を取り消しても、実際にあればしようがない。  それでは、あなたに聞きますが、契約書の内容はどうなっておりますか。証人として答えて下さい。
  246. 廣岡謙二

    廣岡証人 これは前回も申し上げましたように、機種の性能の比較の方法論というテーマであります。それから内容は、金額は十万円である、これ以外のものに使つてはならぬ、あるいは提出は三十三年の三月末日期限である、詳細なことについては事務局長の指示による、事務局長の指示に対しましては、方法論であるべきことを、重ねて言っております。それから、秘密については十分に守るということ、それから数値についてはできるだけその方法を明示する、というようなことに指示をいたしたのであります。
  247. 淡谷悠藏

    ○淡谷委員 秘密については十分に守るという契約ならば、何か機密にわたるものを渡しましたか。
  248. 廣岡謙二

    廣岡証人 一切渡してございません。ただ秘密を守るということは、官庁が天川に対しまして、委託いたしまする以上、官庁対天川の問題でございます。それ以外のものによけいなことを言うなという意味の秘密であります。秘密書類を決して提供したという事実はございません。
  249. 森本靖

    ○森本委員 先ほどの森脇証人証言でございましたが、その前に田中委員長が、きのう録音を聞いた云々というお話がございましたが、何か、先ほど来私が質問をいたしましたときに、実際のグラマンの98J—11というものは永盛報告書に載つておらない。その後、佐薙幕僚長が向う行つた際にその資料は大体持ってきておるということが、一応高橋証人の御答弁で明確になってきておるわけでありますが、その佐薙幕僚長が出発する前に、すでにこれが内定をしておるというふうな意味の発言をどこかでしておったことを録音でとつておる、あるいは佐薙幕僚長でなくとも、だれかほかの方でもいいのですが、そういう録音をとつているという意味の発言がちょっとありましたが、森脇証人はその録音をお持ちになっておられますか。
  250. 森脇将光

    森脇証人 持ってきてはおりません。しかし、内容は、佐薙氏が三十三年一月二十二日ですか、アメリカに招待ということで行くわけです。その年の正月に、ある人が佐薙のところに年始のあいさつに行つた。そのときに、親しい仲だから、今度アメリカに行って帰ると、今、委員長が言われたような結果が出るかもわからぬぞ、というようなニュアンスを投げて彼は出発しておる。こういう事実は、全く相違なくあります。
  251. 森本靖

    ○森本委員 そこが一番重要でありますが、先ほどの高橋証人証言におきまして、98J—11というものの報告書は全然出ておらない。これが実際に内定した飛行機でありますから、いわゆるその計算値なるものを、一応佐薙幕僚長が向う行つたときに、高橋証人も一緒に行って、持って帰つた。帰ってきたのが二月十五日であります。帰ってきてから、四月十二日の国防会議の内定までに、今言つた資料がいろいろ集まつてきて、すでに佐薙幕僚長が向うに行く場合におきましては、国防会議あるいは防衛庁の内部においてもこれが内定をしておらないわけであります。佐薙幕僚長が行く前には、それを内定しておったということはないでしよう。
  252. 高橋幹夫

    高橋証人 そういう事実はございませんし、先ほどの森脇証人の言われたことについても私は聞いておりません。
  253. 森本靖

    ○森本委員 防衛庁の内部においては98J—11というものの内定をしておったということはないということが明らかになつたわけであります。ところが、佐薙幕僚長が向うに行く前に、これが非常に変つてくるということを言つたという録音を持っておる、こういうお話でございましたが、ここにお持ちでないでも、その録音は自宅なら自宅、事務所なら事務所でお持ちでございまして、われわれがここで聞きたいから持ってきてもらいたいといった場合に、お出しができるような格好になっておりますか、どうですか。
  254. 森脇将光

    森脇証人 それは私が勝手にとつたものでありまして、どうしてもそれが必要でお聞きになりたいというならば、あらためてまたお聞かせもいたしましょうが、きようは持ってくる意思はありません。
  255. 森本靖

    ○森本委員 今のことは非常に重要でありますので、これはやはりその録音を当委員会に持ってきていただいて、われわれが全部で聞けるような措置を委員長において、お取り計らいを願いたい。これは一番重要な事項でありますので……。
  256. 瀬戸山三男

    ○瀬戸山委員 今の問題ですが、森脇さんにお尋ねしておきますが、その録音というものは、たとえば佐薙幕僚長あるいはその他防衛庁の方、あるいは佐薙幕僚長とともにアメリカに行かれた方の言葉が載つておるのですか、どういうことなんですか。
  257. 森脇将光

    森脇証人 アメリカに一緒に行つた人ではありません。佐薙さんに深い連絡を持っている人であります。
  258. 瀬戸山三男

    ○瀬戸山委員 もう一度確かめておきますが、それは第三者の言葉を録音されている、こういうことですか。
  259. 森脇将光

    森脇証人 そうであります。
  260. 瀬戸山三男

    ○瀬戸山委員 その点は録音が来たら承わりますが、私はここで当委員会においてしばしば問題になっておりますので、実はこれは先ほど森脇さんも、そういうことは大したことではないじゃないか、こうお話しになりましたので、本来ならばこういうことをこまかくお問いするということはどうかと思いますけれども、しかし当委員会においては、いわゆる森脇メモなるものが相当重要なる資料としてこれが議論の中心になる場合が多いのです。そこで実は私は、当決算委員会のこの問題については、最近委員会に参りましたので、いわゆる森脇さんの森脇メモなるものについてはよく理解がいっておらないのです。しかも、先ほども議論になりましたように、いろいろ論争の的になっております。私から言うと、実は霧の中におるような感じがする。ですからこの際、それほど重要でないと思いますけれども、一部においては非常に重要に取り扱われておりますので、その霧を払うという意味において、森脇さんにしばらくこの問題についてお尋ねをいたしたいと思います。  そこでお尋ねをいたすのは、まず第一に、これは森脇さんが作られたのかわかりませんけれども、昭和三十二年の八月から十二月まで、それから昭和三十三年の一月から十月まで、それぞれ月日、場所、人等について詳細に、いわゆるメモができております。このメモはあなたが作られたのですか。
  261. 森脇将光

    森脇証人 それは私が責任を持って作つたものであります。しかし、そこにあるのは私が作つたものではありませんよ。その原本と称するものが私が作つたものです。
  262. 瀬戸山三男

    ○瀬戸山委員 これはまあ謄写版刷りでありますから、あなたがおやりになつたのかどうかわかりませんので、念のため私が聞いたわけですが、この決算委員会に出ておりますメモと同様のものを、あなたはいわゆる原本として自分でお作りになつたのですか。
  263. 森脇将光

    森脇証人 そうであります。
  264. 瀬戸山三男

    ○瀬戸山委員 森協さんが自分でお作りになりたということでありますから、詳細に知っておられるし、従って前の委員会でもそうでありましたが、確信を持っておられる。神でないから、たまには間違つておる点があるかもしれない、これは人間のやることでありますから断然だろうと思います。従って、そういう点は詳細に知っておられると思います。そこでこれを見ますると、これは非常に言葉が失礼でありますけれども、これを私ども突然来まして見ますと、実にまことしやかになっております。まことであるかもしれません。そこで、これはどういう方法で、どういう材料で、どういう手段でお作りになつたか。この点はどうですか。
  265. 森脇将光

    森脇証人 今、私が大した大きな問題ではないではないかと言つたことは、高橋さんの関連において、今その一人ぼつちをここに持ってきてやつたところで、大したことじゃないという意味でありまして、メモそのものは、委員会でも重要視されておる以上に私は重要なものだと思っております。そして、それをいかにして作つたかということは、私の独特の森脇調査機関の情報によって作つたものであるという以上にはお答えできません。
  266. 瀬戸山三男

    ○瀬戸山委員 そこで、もう一つお尋ねするのですが、これもあなたのものであるかどうかわかりません。これは昭和三十二年一月から一二月三十一日までのいわゆる卓上メモのような格好しなっておりますが、写真であります。それからもう一つ、ここに二部ありますのは、昭和三十三年の一月四日から十月の三日まで、多少内容の形式は違いますが、同じような日記体のものであります。二つの写真があるのですが、これはあなたは御存じですか。
  267. 森脇将光

    森脇証人 そういうもの自体は知りませんが、今大体お話しのことから私か想像をいたしますと、この間、問題になっておりました宮田が作つた日記、メモと私は推定しておりますが、その原本は私は知っております。
  268. 瀬戸山三男

    ○瀬戸山委員 ごらんに入れます。ちょっと見てもらわぬとなんですから、見てもらつて……。
  269. 森脇将光

    森脇証人 大体私の方で作りましたものは、これがすなわち宮田の手帳と称するものの原本から、私の方の写真部でとりましたものであります。従って、これについては、私はその宮田が作つた原本をまさにその通り写したものであるということをここで立証できますが、お他人様の作られたものがそれであるかどうかわかりません。
  270. 瀬戸山三男

    ○瀬戸山委員 そこで、……(「関連質問だ」と呼ぶ者あり)関連でありますけれども、きわめて重要ですから……。この点はほとんど審議をされておりませんので……(「やつた」と呼ぶ者あり)そこで、原本がありませんから、これか真実であるかどうであるかということは、ここで私自身もわかりませんし、森脇さんもおわかりにならないと思います。しかし、今そこのお手元に持っておられる写真と形式は違いますが、これは同じものだ、私はこう見ておるのです。そこで私がこれをずっと一日々々の調べをしてみました。そうすると、ここであなたがお作りになつたといういわゆる森脇メモなるものは、多くはこの日記に基いておるのじゃないかということを私は感ずるのですか。
  271. 森脇将光

    森脇証人 私はこの前も証言をいたしました通り、私が千葉銀行事件を調査する約一ヵ月前ぐらいに、天川勇という奇怪な人物がおるということを三十人余りの宴会の席で聞きまして、そうして夜な夜な私が日記を書いておるうちに、その奇怪な天川勇という文字が私のペンの上に走りました。そこで私は持って生まれた性格から、何かそういうようななぞをそのままにおいておくということがきらいな性質でありまして、ああ、あのときもっとよく聞いておけばよかった——何分、三十人以上の宴会でありまして、だれから聞いたかということはわからなかった。そうして、何かの機会でもあったならば、この大川勇という者を私の方で調査してみようという意欲はあったわけです。しかし、今直ちに調査網を動員して調べようなどという意欲までは起らなかった。それから一ヵ月余りたつうちに、千葉銀行の問題で私どもの調査網を大動員しなければならぬ事態が起りまして、そうして調査員に対して、その天川勇なる者を調べてくれということを個人的な意味でやつたことから、だんだんこれが発達していって、こういうものができ上つたわけであります。昨年の七月、八月ごろに、私は偶然の機会からこの手帳を人手するに至つたわけです。そこで、その宮田という手帳の本人を取つつかまえることができまして、そして宮田に私の方で作つたデータの信憑性を聞いてみたら、この間も証言した通り、人の名前は一部違つておるところもあるが、大体同じということを彼が証言した事実がある。従って、今あなたがおっしゃるように、手帳から作られたものではなく、大体調査の過程からできたものに対して、さらに裏づけに手帳を利用して補充したという点にすぎません。
  272. 瀬戸山三男

    ○瀬戸山委員 そこで、御自分でお作りになつたかと私はお尋ねしておるのです。御自分でお作りになって……。     〔「関連じゃない」と呼び、その他発言する者多し〕
  273. 田中彰治

    田中委員長 御静粛に願います。
  274. 瀬戸山三男

    ○瀬戸山委員 そこで私どもは、これを二年間にわたって、一日ずつ、ずっと、どういう理由でこういうふうに書かれたかということをお尋ねしたいのですが……。     〔「同じことばかりじゃないか。」と呼び、その他発言する者多し〕
  275. 田中彰治

    田中委員長 御静粛に願います。——委員長発言を許しておるのだから、御静粛に願います。
  276. 瀬戸山三男

    ○瀬戸山委員 そこで、ずっと一日一日を日記と照らし合せてみると、このいわゆる日記によって作られておるということは、私は間違いがないと思います。日記でないものも入っております。そこで、これを一日ずつ確かめていくと、大体ものが明らかになってくると思いますが、きようは時間がありませんから、その今はまたの機会に譲ります。  そこで先ほど、たとえばきよう問題になりました高橋さんが——その前に聞いておきますが、ここに出ておりますのはあなたの方の原本がないからわからないと私言っておきましたが、三十二年度の分は、これは宮田という人が書いた筆跡だと、私はこれだけしか見ておりませんが、見ております。それから三十三年度の分は、非常に似てはおりますけれども、宮田氏以外の人が書いたものだと、私はこれだけで判断するのですが、見ております。それはどうですか、原本の方は。
  277. 森脇将光

    森脇証人 あなたのおっしゃることは、私のこの調査は宮田の手帳から引き出してこういうものを作つたのだ、こういうことですか、まず第一に。
  278. 瀬戸山三男

    ○瀬戸山委員 私はそれが主ではなかろうかと自分では思っている、こういうことです。
  279. 森脇将光

    森脇証人 それは絶対違うということをさっき明細説明しましたから、それで承知しておいて下さい。それから、筆跡が三十何年はだれだ、三十何年はだれだ、それは私はわかりません。
  280. 瀬戸山三男

    ○瀬戸山委員 委員長にお願いいたしておきますが、これは原本がなければほんとうの真相はわかりません。ですから、私は原本なしで今お尋ねしておるのですから、そのつもりで……。
  281. 田中彰治

    田中委員長 だから瀬戸山委員、それはいいじゃないですか、それはこちらが、それを基礎として作つたのじゃないと言うんだから。ただ参照として照らし合せたと森脇氏が言うんだから。それをあなたがこちらを疑えば、こちらもあなたに対して反駁していく。そうすると原本を出すということになる。それはあまりいいことじゃないから、おやめになつたらどうですか。
  282. 森脇将光

    森脇証人 原本、出しましょうか。
  283. 田中彰治

    田中委員長 いいじゃないですか、それはわかつているんだから。
  284. 瀬戸山三男

    ○瀬戸山委員 これはほとんど真実のごとくここで議論されておる。真実かどうかわかりませんけれども、あなたは真実であるとおっしゃる。ところが、先ほどこのメモによって作つておられない、こういうふうにお話しになりましたが、それではあなたのお調べのこのメモによると、日は一々申し上げませんが、いわゆる各宴会場における飲み料といますか、支払い——支払つてあるかどうかわかりませんけれども、支払いの金額なるものがここに出ております。ところが、これは出ておるところは一部であつて、ほかは出ておらないところが大部分なんです。その点を一つ聞いておきます。どうして大部分は出しておられないか、こういう問題です。
  285. 森脇将光

    森脇証人 私の方で取り調べたものもあります。また手帳を私が見たときに補遺したものもあるということはさっき申した通りであります。そこでないというところは、これだけの膨大な調査をするのに一々全部わかるものではありません、いかにあなたがなさつても。それでそういうものもあれば、ないところもある、こういうことであります。
  286. 瀬戸山三男

    ○瀬戸山委員 あなたを信用しないと言うのじゃないですよ。私は先ほど申し上げたように当委員会に最近入りまして、第三者的の立場で見ると、このメモが、特に社会党の諸君の方ではこれを真実のものとして立論されております。そこで、今三十二年の八月、九月、十月、十一月、十二月については、いわゆる金額が入れてあります。それから三十三年の部分については一ヵ所もいわゆる金額が入っておらない。そこで、私がこの日記によってできておるのじやありませんかと言うのは、この日記にもまさに三十三年のところで、御承知でありましょうが、一ヵ所にまとめていわゆる場所と金額が書いてある。それだけをこのメモにつけてありますから、それで私はこのメモを多く基礎として作られたのじゃないか、こういうことを申し上げておるのです。いかがですか。
  287. 森脇将光

    森脇証人 再三言うことでありますが、私の方ではさっきのような事態から、千葉銀行の調査の過程に次第々々に浮び上つたものでありまして、その調査データというものがだんだん完成に近づいておるさなかに、こういう手帳を得たのであります。従って、手帳を参考にしてあとで補遺訂正する場面があったということは事実でありますが、あなたの言われるように、手帳を持ってきた、それから引つぱり出した、そんな不見識なものではありません。と同時に、あなたから、これが信用できないようなものだというような言葉が盛んに出ますが、これが信用できないならば、なぜ吉村のあの証言の過程がだんだん変化して、次第に私のメモのようなことをいうに至つたのでありましたか。それから、その他いろいろなことがありますが、今まで造船疑獄においても、千葉銀行事件においても、私のメモが的確であればこそ、ああいうことができたものであります。
  288. 田中彰治

    田中委員長 瀬戸山委員森脇氏がそのメモを基礎として検事局まで告発しているのだから、それを信じてやらなければ——違つていれは誣告罪でやられるのだから、それでいいじゃないですか。メモを基礎として作つたんじゃないというのだから、それをあなたがおっしゃると、今度はほんとうの原本を出さなくちやならない。そんなことはおやめなさい、わかつておるのだから。
  289. 瀬戸山三男

    ○瀬戸山委員 それは、最初にお断わりしておりますように、各日々について森脇さんが全部自分で作られたと言うから、私は聞いておる。人が作られたなら私は聞く必要がないと思うが、自分で作られたと言うから私は聞いておるのです。本来ならば一日々々聞きたいのですが、やめますが、私の見たところ、今私がここへ持っております写真のメモにぴしやつと合致しておるから、そういうことをお尋ねしておるのです。そこで、ここに出ておるいわゆる宴会に列席したという人々が、こちらの日記を見ますと、電話をしたとかあるいは電話があったとかいう人がちゃんと克明に書いてあつて、そのうち——これは何も国防会議とかあるいは事務局とか、あるいは防衛庁とか、そういう人々の弁護をする意味で言うのではありませんが、そういう人々だけをここにピック・アップして、そうしてあなたのメモの出席者欄に出ておることが、この写真によるメモとほとんど軌を一にしておる。そしてこういう役所に関係のない人にもいろいろ電話が克明に書いてありますが、そういう人は全部除かれておる。それでこの日記にはことこまかに書いてありますが、宴会の席にだれが出たということはほんの一、二ヵ所しか出ておらない。こういう事実があるものですから、それで私はどういう方法でおやりになつたか、こういうことをお尋ねしたのです。
  290. 森脇将光

    森脇証人 どういう方法ということは、私はたびたび大蔵委委員会にも、当委員会にも出ましたが、いろいろ委員連中からお尋ねがございました。私はたつて答えたことはございません。従って、あなたにも答えませんが、あなたはただ主観的にそういうことをお考えになっておるだけで、幾ら問答したつて行つたり戻つたり、同じことです。だから、あなたはそう思ったらいいでしよう。
  291. 瀬戸山三男

    ○瀬戸山委員 では、これでやめておきます。
  292. 森本靖

    ○森本委員 先ほどの録音の件でありますが、瀬戸山委員質問によりますと、これは第三者である。こういう御答弁でございましたが、これが第三者でありましても、防衛庁関係とか、あるいは国防会議関係とか、あるいはまた天川氏であるとかいうふうな人物であるならば、これはまた昨常に重大であります。しかしそれ以外の第三者でございますると、その録音というものの価値があまりなくなってくるわけであります。そこでずばり聞きますが、その録音に入っておりますところの人はどなたですか。
  293. 森脇将光

    森脇証人 それはちょっと私ここで名前を差し控えたいのであります。しかしそのニュアンスについてお答えすれば、ある程度信憑性を持ってしかるべき人物であるということを御承知おき願いたい。
  294. 森本靖

    ○森本委員 それは名前を言えないということでありますが、そうすると、それは防衛庁関係あるいは国防会議関係、あるいはまた天川氏、そういう一連の関連のある人物ですか。それとも全然関係のない第三者ですか。全然関係のない第三者でありますと、その録音をとつてここでやりましても、人騒がせになりますので、私はやめておきたいと思いますが、これが重大な関連を持つ人物であるとするならば、ここへ持ってきてもらつて、そうして録音を聞いたら非常に参考になりますが、その点はどうですか。
  295. 森脇将光

    森脇証人 それは、ある程度やはり関係のある筋であると心得ていただきたいのであります。
  296. 森本靖

    ○森本委員 それなら、一つその録音については委員長の方から取り寄せて、ここでみんなが聞けるようにお取り計らい願いたい。
  297. 田中幾三郎

    田中(幾)委員 廣岡証人に伺いたい。機種決定の方法論を調査するために天川に委嘱したと言われますが、何かその仕事の結果について天川から報告がありましたか。
  298. 廣岡謙二

    廣岡証人 詳細にその結果の内容について申し上げる自由を持っておりませんが、この間も申しまするように、機種の性能を比較する上におきまして、各機種とも比較いたすべき項目がどういう項目を選ぶべきであるか、あるいはまたどういう条件をそろえてやらなければならぬか。またその条件、項目を調べる上におきましても、どういう基準のもとにこれを比較しなければならぬかというような問題について、またこれは抽象的に言えることでありますけれども、われわれ防衛庁から提出されまするその性能を比較する上にいろいろグラフが出ております。そのグラフをどういうような見方をもって見るのかというようなことは、これは一つ共通理論として一定の見方、考え方ができるわけでありますが、私ども、もちろんその材料となるべきものは防衛庁から出て参りまするその資料を検討し、審査する役割を持っておるわけでありますから、出てきて、さつぱりどういうことなのか、わけがわからぬということじや困るというので、われわれは事務の勉強のために、そういう方法論について委託をしたということでございます。
  299. 田中幾三郎

    田中(幾)委員 ですから、そういう具体的な基準について、こういう機械ならこれこれ、速度ならこれこれという基準の調べを頼んだのだろうと思いますから、それについての仕事の成果の報告があったのかどうか、あるいはただそれは口で聞いたのか。文書で報告があったのか。
  300. 廣岡謙二

    廣岡証人 それは、文書において報告を提出いたしております。
  301. 田中幾三郎

    田中(幾)委員 それからもう一点。四月の十二日の機種の内定の問題ですが、それについての資料を、具体的に防衛庁からどういう書類が出たか、大蔵省からどういう書類が出たか、具体的にこれこれということを項目をお示し願いたい。
  302. 廣岡謙二

    廣岡証人 項目だけ申し上げますが、次期戦闘機の選定についてという文書でございます。これは当委員会でございましたか、内閣委員会でございましたか、御要求によってこういうものだということを出しております。それから、性能の比較の一覧表でございます。これは各機種について個々に——先ほどお話のありましたこういうものでございませんで、全部の機種についての性能諸元を比較した表を出しております。それから、生産スケジュールの問題、これは防衛庁において、一応機種が内定を見れば、かくかくのスケジュールでもって国産計画を進めたいというようなもの。参考資料としてはそういうものが提出されております。
  303. 田中幾三郎

    田中(幾)委員 高橋課長にお伺いしますが、先ほどあなたのおっしゃった中に、昭和三十三年三月十九日早朝に庁議を開いたということですが、これは一体何を庁議にかけたのですか。
  304. 高橋幹夫

    高橋証人 ただいま廣岡局長が申されました次期戦闘機選定について、並びに各機種性能比較表、並びに生産計画のスケジュールというようなものにつきまして、防衛庁としてかくかくの書類を作成をして、そうして国防会議に提出をしたいということの最終的な決定を、長官にいたしてもらつたわけであります。
  305. 田中幾三郎

    田中(幾)委員 それは、国防会議にかける資料をそこで決定しただけですか。
  306. 高橋幹夫

    高橋証人 先ほど申し上げました通り国防会議にかける資料でございます。
  307. 淡谷悠藏

    ○淡谷委員 山田委員質問が残つておりますから、私も簡単に切り上げますけれども、高橋証人に一言お聞きしたいのは、さっきあなたの御答弁のレーダーの性能要目、この中にありますAPG—37及び34、これは日本で使つていないでしよう。
  308. 高橋幹夫

    高橋証人 それは私は詳細承知しておりませんので、調べましてお答えいたしたい、こう申し上げたのであります。
  309. 淡谷悠藏

    ○淡谷委員 私どもが調べたところによりますと、これはまだアメリカで使つておりますもので、秘密に属するものらしい。それでは、防衛庁資料を出さず、国防会議が出さないとすれば、天川はどういう手で入手したのか。あるいはアメリカから直接入つたのかもしれない。これはアメリカ国防省に聞いてやつてもかまわないでしような。
  310. 高橋幹夫

    高橋証人 私にそういうことを御質問になりましても、防衛課長でありますから、責任のある答弁はできません。
  311. 淡谷悠藏

    ○淡谷委員 廣岡さんにちょっとお聞きしますが、あなたはこの前の委員会あるいはその前の委員会等に比べますというと、だいぶ天川の認識が違つてきたようであります。今日この席上で、防衛庁からもあなたの方からも出さない極秘文書が彼の手にたくさん流布されておる、あるいは利用されておることがわかった。そうなりますと、やはりあなた方が天川に対して十万円の金を支払つて、いろいろな契約をしたということは非常にずさんだったと私は思うのですが、あなたはまだ正当だと思いますか。
  312. 廣岡謙二

    廣岡証人 当時におきましては、従来から申し上げております通りであります。その後、いろいろな資料が天川の方に流れておるということは、委員会等を通じて私は承知いたしたのでございまするが、私どもの知る限りにおきましては、事務局からそういうものが出ておるはずはない。また事務局自体で作つた書類でももちろんございませんから、そういう点はどういうものだろうというように私は思っておつたのであります。その出されております資料が、先ほど高橋防衛課長からもお答えがありましたように、この内容によって、これがきわめて、高度のコンフィデンシャルな極秘文書であるということになっておりますと、これはその官庁の機密保持の点から申しましても、役人としての心構えの上におきましても、きわめて遺憾なことである、こういうように私は考えております。
  313. 田中彰治

  314. 山田長司

    山田(長)委員 廣岡証人に伺いますが、三月二十日の委員会におきまして、証人は、天川氏を国防会議事務局に招いて、昭和三十一年十月ころから毎月一回くらい、国際情勢、あるいは軍事情勢、あるいは人工衛星等の問題について話を伺つたということを申されておりますが、この三月二十日のあなたのこの委員会における御説明等から勘案いたしてみましても、月に一回のことでありますから、かなりの部門にわたって講演が当然されておると思うのです。そこで、今、高橋課長調査の上で答えると言われたレーダーの性能要目についても、日本で使用されている部門を除いてAPG—37あるいはAPG—34、これは米国でも秘密とされている問題でありますが、これらの問題についても国防会議事務局等で話をされておると思うのでありますが、この点、いかがでございますか。
  315. 廣岡謙二

    廣岡証人 だいぶ前のことでございますから、しかとした記憶はいたしておりませんが、そういうような具体的な、ただいまおあげになりましたものについての性能であるとか、そういうものについて講義を聞いたという記憶は私はございません。
  316. 山田長司

    山田(長)委員 防衛庁においてこういう問題についての話をされておると思われますが、防衛庁でそういうことの話をされておることがあるかないか。
  317. 高橋幹夫

    高橋証人 私の知る限りにおいては、そういうことはございません。
  318. 山田長司

    山田(長)委員 普通の人間に入るべき性質のものでない、アメリカ国防省の秘密であるとまでいわれておる書類が天川氏の手元に入っているわけです。あなた方が全然こういうことの話を聞いたり見たりしていないとすれば、これはゆゆしき問題であると思うのです。天川勇なる者は、あるいは二重スパイであるのではないかと考えられるほどなんです。こういう点で、国防会議においても天川氏から全然そういう話を聞いたこともなければ、出した書類等について見せられたこともないですか、どうです。
  319. 廣岡謙二

    廣岡証人 重ねて申し上げますが、私の方の事務局におきましてはそういうことはございませんでした。
  320. 山田長司

    山田(長)委員 森脇証人に伺いますが、天川氏の秘書である西野氏から書類を拝借した際、そのアメリカ国防省の秘密の書類に属するというものを写真にとつたと言われるのですが、そのとき、これが重要な書類であるかどうかということについては、森脇証人の場合、そういうお考えにならなかったので、あるいはお聞きにならなかったかもしれぬ。しかし、その場合に、この書類についてあるいはお聞きになつたかもしれぬと思うので、伺うのですが、西野氏はその書類について何か話したことがあったのかないのか、その点伺います。
  321. 森脇将光

    森脇証人 それは西野氏が、これは非常に重要なデータだと思うということは聞きました。しかし今私が説明したように、米国防省までの問題として波及するというようなことは聞いておりませんで、その後私の方でこれを専門家に鑑定してもらつて事の重大性を私は知つた、こういう経緯であります。
  322. 山田長司

    山田(長)委員 そうしますると、これは、防衛庁でもそういうことについては話もないし、あるいは国防会議事務局でもこのことについては話をされておらない。そこで、さらに廣岡事務局長に伺いますが、そういう書類を見せられたことはないか。あるいはあなた方はそういう書類を手にしておることはないのか。
  323. 廣岡謙二

    廣岡証人 ございません。
  324. 山田長司

    山田(長)委員 そうすると、これは、当委員会にどうしても天川氏に来ていただいて、その件数がどういう経路で天川氏の手に入つたものか——これは私は重大だと思うのです。どうぞ委員長においては、天川氏を当委員会証人として出席方をわれわれ要求いたしますから、委員諸君にお諮り願いたいと思うのです。
  325. 田中彰治

    田中委員長 理事会でよく相談してきめます。
  326. 小川豊明

    小川(豊)委員 時間も何しますから、一点お尋ねしますが、私は今、森脇氏から提示されたこの書類は、書類の性質からいって、ほかの人がいたずらにこういうものを作るはずはないし、作ろうと思っても作れるものではない。従って、それはおそらく、廣岡さんも高橋さんもまだ否定しておられるけれども、これは防衛庁なり国防会議にあった書類に間違いないと、こう判断するわけです。このことは、まだこれからでなければはっきりしませんが、そこでお尋ねしたいのは、そういう日米共同防衛立場からいっても、アメリカでまだ機密にしている書類日本防衛庁の中から、あるいは国防会議の中から、そういうふうに外に流れたとするならば、これは私は一つ国際信義にもとる重大な問題ではないか。いま一つは、防衛庁なり国防会議の綱紀がいかに弛緩しておるかということを言わなければならぬと思う。この書類をあなたは先ほど、見たこともない、聞いたこともない、知らないとおっしゃったが、あなたは見たことも聞いたこともないかもしらぬが、国防会議なり防衛庁なりにあったものであろうということは、われわれは今までの質疑の中で推定される。そうであった場合、あなたはどういう責任をおとりになるか。     〔発言する者あり〕
  327. 田中彰治

    田中委員長 御静粛に願います。
  328. 廣岡謙二

    廣岡証人 ただいまのお話でございまするが、私の知っている限り、また今まで大蔵省主計局にありますというようなこの書類は、この前、吉村証人のときでございましたか、大蔵省限りの問題である、国防会議事務局にこういうものを出した覚えもない、大蔵省自体の何か参考資料だということで言っておることを、私は議事録で見たのでありますが、全くその通りでございまして、ただいま御提示になりましたものは、国防会議の事務局に提出されたという事実は、何度も申し上げますが、絶対にございません。それからまた、どういう書類が事務局から流れておるかというようなことについて、ほかにもいろいろ論義がございますれば承わりますけれども、私の存じておる限り、そういう資料が流れておるという風評に対して事務局の者に私注意いたしましたけれども、絶対にそういうことはないということを確言をいたしておるのであります。この点を申し上げておきます。
  329. 山田長司

    山田(長)委員 過日淡谷委員が、天川氏に国防上の問題についての委嘱をして国防会議事務局で十万円の支払いをしておるという問題については、契約書を提出しろということを発言されておるのですが、この点についていまだに提出がなされておりません。いかなる内容によって調査を委嘱されておるのか。委嘱の内容を文面で当委員会に事務局長からお出しになっていただきたいと思います。
  330. 廣岡謙二

    廣岡証人 その内容につきましては、口頭で申し上げました内容とほとんど変りございません。またそれを提出するかどうかという問題につきましては、私一存で参りませんので、これは上司にお計らい願いたいということを申し上げたはずであります。
  331. 山田長司

    山田(長)委員 国会法の百四条によりまして、われわれはこれは正式に要求したいと思うのです。委員長もそのことについてのお取り計らい方を一つつていただきたいと思います。
  332. 田中彰治

    田中委員長 今これが終えましたら理事会を開きますから、そのときにやります。
  333. 小川豊明

    小川(豊)委員 さっきの問題ですが、この書類は、先ほどの森脇証人言葉で、天川氏の秘書の手から入手されたとすれば、天川氏が持っていたということは事実なんだ。そうすると、天川氏はあなたの方の委嘱を受けて種々調査研究に従事している人である。あなたは、われわれがいろいろ資料を要求し説明を求めても、それは秘密だ、これは機密だといって答弁なさいませんが、そういう重要な書類が、あなたが委嘱しているということは公的にものを頼んだのです。従って、あなたの方と無関係の人ではない。その無関係でない人からそういう重要な書類が流れているわけなんです。あなたが知つた、知らないではない。あなたは国防会議の事務局長です。事務局を総括している人です。そのあなたが知らなくても、そういう重要な書類が流れて、それが国際信義にも反するような書類であるとするならば、あなたはそれに対し、責任をとらないということは私はないと思う。どうなんですか。
  334. 廣岡謙二

    廣岡証人 何度も申し上げて恐縮でございますけれども、天川氏に対して委嘱いたしましたのは、そういうわれわれの力の資料を提供しなくても、彼が——その方法論でございますから、一応常識といいますか、研究しております人から見ますると、そういうことはできると判断されるものであります。小川委員が何度も、そういうはずはない、お前の方からその資料を提出したのだろうというようなことをおつしやいますけれども、そういう事実はないのでありますから、何度お尋ねになりましても、ないと申し上げるよりほかはございません。
  335. 小川豊明

    小川(豊)委員 そうじゃないですよ。あなたの方からその資料が、かりに出たのではないとしても、天川氏が作成したとしても、天川氏はあなたの方から、ものを研究調査することを委嘱されて、その報酬をもらつている人であつて、公的に関係のある人だ。そういう人がそういう重要な書類、それを自分が入手し、他へ流したことに対し、あなたはそういう人を委嘱したことに対する責任を感じないのかどうか。
  336. 廣岡謙二

    廣岡証人 取られたといいますか、どういう事情でこれが外に流れ出たのか、そういうことは私ども知ることができないのであります。私どもの方からこれが出ておる、それに対して、それからまたさらにどこかに出てしまつたという事実がございますれば、私は責任を感じます。
  337. 小川豊明

    小川(豊)委員 それならばお尋ねしますが、あなたは知らなくても、天川氏から出ているということは今までのことで大体わかつている。そうすると、天川氏はあなたの方で重要な問題を調査することを委嘱した人でしよう。そういう人物にそういう重要な問題の調査を委嘱し、報酬を払うという、その採用に対してはきわめて軽率であったということがいわれませんか。採用の責任はあなたであるが、どうですか。
  338. 廣岡謙二

    廣岡証人 委嘱いたしました当時におきましては、私ども、われわれの勉強のために天川比に委嘱して、その方法論についての概念を得たいということで委嘱いたしたのであります。またその結果は、その成果といたしましては、報告書となって私どもの方にも提出をいたされております。しかし、その後そういうような書類が出ておつたか出ておらなかったかということは、全然私は当時におきましては承知いたしておりませんし、委員会等におきまして、いろいろな機密資料が、防衛庁で作成されたと見られるようなものが出ているというような話を、その後になって私は承知いたしたのでありますから……。今後におきましては、十分そういう点を注意して参らなければならぬというように私ども考えております。
  339. 田中彰治

    田中委員長 ちょっと、鈴木委員から聞いてもらつてもいいが、この書類はあれから出ておるのでしよう。つまり、吉村から天川に渡されたのではないですか。そうなると、あなたのところの部下が渡したということになるのですね。
  340. 小川豊明

    小川(豊)委員 そこなんですよ。この書類は、今までの質疑の中では参事官の吉村氏がそれを天川氏に渡した、その渡されたものを、天川氏が持っていたのを、秘書の手から森脇さんに入つた、こういうことなんです。従って、それは国防会議の参事官である古村氏の手からその書類は流れた、こういうことなんです。あなたが知る、知らないではなくて、あなたのところの部下の重要な役割を果している人がそういう行為をしたということは、言えるのじやありませんか。
  341. 廣岡謙二

    廣岡証人 私の承知しているところによりますと、大蔵省主計局なるこの書類は、天川なる者がやつて、それを大蔵省で主計局という判を押して、総理府係ということを井き加えたのだ、事実はそうだったのだと聞いているのでありまして、私ども事務局といたしましては、この問題については全然存じないのであります。
  342. 鈴木正吾

    ○鈴木(正)委員 あの文書の重要性、信憑性が一番大きな問題になっている。僕は日本の役所の通弊として、秘密とか極秘という判をべたべた押すくせがついていると思う。僕はそれがほんとうの秘密文書であるかどうかということにも疑問を持っているのですけれども、あの一包みの書類を最も極秘の件数と鑑定している一番大きな問題は、レーダーの性能の問題でありますが、専門的に見て果して秘密に属するかどうか。日本じやまだあまり進んでおらぬから秘密だと思っていることが、外国の専門雑誌には公けのこととして発表されていることもたびたびある。それがそうだと言うのではないけれども、その文書は大蔵省にはあるはずだから、大蔵省からその文書を取り寄せて、防衛庁専門家が——森脇さんは人の名は言わぬけれども、専門家に鑑定さして、これは重大な書類だ、こう言うて出している。そこで、防衛庁の方でその書類を一ぺん調べてみて、そのレーダーの問題が果して国際的に関係を起すほどの重大問題であるかどうか、それを一つ厳密に調査して報告してもらつた上で、その文書について論議を進めるべきだと思うのです。私はやはり疑つているのだ。もう外国ではその程度のことは専門雑誌に発表してあるかもしれない。天川君は外国雑誌を読んで知っているが、ほかの人は読んでいないから、秘密だ秘密だと、言って言えぬことはないと僕は考える。そこで、大蔵省から防衛庁がその書類を取り寄せて、その極秘性、重要性を十分吟味して、ありのままをこの委員会報告してもらいたい。その上で審議を進めなければ、何だかわけのわからぬものを相手にしても無理だと思いますから、そうやつてもらいたいと思います。
  343. 田中彰治

    田中委員長 鈴木委員に申し上げますが、この原本は大蔵省にないのです。
  344. 森脇将光

    森脇証人 この書類に関連しまして、ちょっと皆さんにお話しておきます。この書類というと、どうも皆さんの論議の対象が、天川の方に流れていたものはただこれだけのようなニュアンスにとれますが、そうじゃなく、天川のところに行っているこういうような書類は、宮田の話によりますと小トラック一ぱいあった、こういう現実です。私が見ただけでもこれだけ、ここに出ているものはそのうちの三十分の一か五十分の一しか出ていない。こういう性格のものが、私が見ただけでもこんなふろしき包み一ぱいあった。宮田の話では、それが小トラック一ぱいあった。それが決算委員会で問題になつたときに、どういう処分をしたか、小トラック一ぱいあるものをほとんど大半は焼き捨てた。それから一部は天川が持っておる。それから一部は宮田が持っておる。こういうことになって、まだある程度温存されておる。そして、宮田がそういう工合にして持っておつたものはあちらこちら散在して、大体このくらいの大きさのものが三つ、まだ温存されてあるということを彼が言っておりました。と同時に、宮田が、自分が真実の事情を話をすれば、三十人からの役人の首が飛ぶ、だから気の毒だから、私は森脇さんにも一切を暴露できない、ということを、言っております。こういう事実を御承知おき願いたい。だから、すべての事態を明らかにするためには、どうしても宮田というものが出ないとわかりませんよ。  そして、私がもう一つ聞いておることは、こういう決算委員会でだめを押しますようになってから、まだ彼が天川事務所から姿を消す前に、新三菱等々と盛んなもみ消しのことが行われたということ。それらの事実。それから、彼が自分でやはり帳面をつけて、そのとき、どういうようなもみ消しでどういう人が行き来し、どういう人が言ってきて、こういうことがあったということは、一切明細に自分は書いてある。それは地の中に現在埋めてある。なぜお前はそんなものを作つたのだ、と私聞きましたら、結局こういうことが問題になっても、万一これが検察庁とかいろいろなところで問題になつたときには、人が知らぬ知らぬと言つたら、自分で全部火の粉を負わなければならぬから、そのときの自分の証明の資料としてそういうものを自分は作つてある、こういうことを言っておるというその事実。  それからもう一つ委員長にお願いしたいのは、きよう私がここへ伺いましたのは、別な角度の問題に変つてしまいましたが、新聞論調を見ると、廣岡氏と私と対決せしめるというように出ておりました。従って、私は廣岡さんに、私のメモが廣岡さんに関する限りでたらめであるということについて、証明する役務があると思いますから、それを証明さしていただきたい。
  345. 鈴木正吾

    ○鈴木(正)委員 今の話は大蔵省にもうその書類はないのだということで、ちょっと、ぼけたのですけれども、僕は大蔵省で何部作つたか知らぬけれども、大蔵省にないとは信じられない。
  346. 田中彰治

    田中委員長 防衛庁にあるのです。
  347. 鈴木正吾

    ○鈴木(正)委員 防衛庁にあるのなら——もしどこにもなければ、森脇さんのを借りてでも、その書類の秘密性、それを一つ専門的に調査して、この委員会報告してもらいたい。
  348. 田中彰治

    田中委員長 それはあとで理事会できめまして、決算委員会から調査させましよよう。  それから、森脇証人に許しますが、廣岡事務局長は宴会等に行つたこともないし、森脇のメモがでたらめだということをこの前の委員会でおっしゃった。あなた、これに対して発言があれば発言を許します。
  349. 森脇将光

    森脇証人 私が一番最初に廣岡さんにお尋ねしたいことは、エリコン誘導弾というものが契約ができて、あなたは業者とともにどこかでお飲みになつたことはないのでありますか、それをお尋ねします。
  350. 田中彰治

    田中委員長 廣岡証人発言を許します。
  351. 廣岡謙二

    廣岡証人 そういうお尋ねの仕方は、はっきりいたしませんが、私は前回のこの委員会に、おきましても、昨年の八月十九日かに、関社長が原子力平和利用会議に出る、その送別会をやるから、出てきたらどうだという話がありましたときに、その意味に了承して私が出たことは事実であります。その帰りに、私はお返しのつもりでもって、二次会に大乃へ行つた。しかしそれは私は、当時の経費につきましては、直ちにこれは私が払うといって、現にこの支払いは八月の下旬でございましたか、支払つております。
  352. 田中彰治

    田中委員長 森脇証人、今、廣岡証人がこう言っておられますが、あなた、何か御意見があったら言って下さい。
  353. 森脇将光

    森脇証人 私は今おっしゃったことに対して、私のメモによって反駁しても、社会党は信じて下さるようですが、自由党の方は信じてくれませんから、別な方向と角度からこれを立証したいと思います。つまりそれは、私の方の調査したものでなく、週刊朝日が昨年十一月九日号で、「グラマンの政界空中戦」「森脇メモの全容」とした中で、これは週刊朝日の各社員がそれぞれこの宴会の場に出ている人たちを訪問し、その人たちから的確なる言質を得て書いております。そのことによりますと、まず吉村真一氏はどういうことを言っているか、その前座がございますが、あとのところだけを読みますと、「天川氏とは大乃、エスカイヤ、司、紅馬車などで会食した。大乃で、天川氏のほか、船後大蔵省主計官、同田中、井上両補佐らと会食した。勘定は、全部、天川氏のツケにお願いしている。」その次に、「それ以外にも、国防会議にいるころ上司としての廣岡局長はじめ部内だけで、飲んだごとがある。」こうつけ加えております。これは非常に解釈のむずかしい文章になっておりますけれども、この前座の文章から推していけば、廣岡局長と自分たち部内だけの者がその前座のような場所で飲んだことがあると解すべき性質をはらんでおると思います。  それから今度は、三菱電機取締役営業部長大久保謙氏の答えに、「あの会合は、スイスのコントラバス会社との間に、地対空誘導弾の生産に関する技術援助契約が関係当局から許可になつた披露の宴会だった。社長は出席しなかったが、わたしや小野常務、伊東課長などは出た。FXとは全く関係がない。天川氏がどのようにして本社と接触するようになつたか、よく知らないが、アメリカの兵器関係の会社の動きや、飛行機の射撃装置の改良などにくわしく、その面のエキスパートで、信頼していた。廣岡局長、吉村氏とは、その会合ではじめて会つたわけだが、天川氏には、しばらく前から、」云々と、こういうことが出ている。そうすると、三菱電機取締役営業部長は、週刊朝日がインタビューしていったことについて、明らかに、エリコン誘導弾の契約ができた、そこでその宴会で会つた、そこへ廣岡局長と吉村氏が出ておつたということを、かたく認めおるじやありませんか。そうすれば、業者と飲んだことはないのだということはまつかなうそだということは、私のメモならずしても証明できるという証拠です。
  354. 田中彰治

    田中委員長 廣岡証人証人証人の対決でなくて、今、森脇証人がそう言っていますので、あなたの発言を許しますから、あなたはそれに対して御答弁して下さい。
  355. 廣岡謙二

    廣岡証人 今の二点について私申し上げますが、週刊朝日のメモの中に、吉村参事官の言として、事務局の内部で一緒に飯んだことがある、これは当然です。どこだつて事務局の内部において、あるいはその送別会をやりますこともございますし、忘年会のようなものをやることもございます。そのときに部下の者を連れてやるということは、これはどこでもやつておりますし、これとこのエリコンの問題がどういう関係で御発言になるのか、私了解いたしかねます。  それと、エリコンの問題をお引きになりましたけれども、私自身、かつまた私ども国防会議事務局において、エリコン誘導弾の問題が論議され、また当然のこれを扱うべき所掌のものではございません。これはエリコンを防衛庁研究開発用に、技研でございましたかどこかでもって、エリコンからこれを買うのだという研究資料としてやるという話は聞いております。しかし、私自身がエリコンとどういう関係がございまするか、またそのために三菱電機とどういう関係で——確証をもって森脇証人がそう断定されるのか。私が出席いたしましたのは、関社長の原子力平和利用会議に出席の送別会である、という意味において了承して、私は出たのであります。また関社長が出ておりませんと、こう申されまするが、なるほど私は大乃でやつたのは第二次会であります。第一次で送別会をやつたときには関社長は出ております。関社長は出ておりますけれども、かなり年とつておられる方でありまして、酒を飲み過ぎておられたようでありますから、自分は失敬するということで、小野常務でございましたか、二、三人の方を連れて行つた。その間、何ら疑念を差しはさまれるようなことは一切ないのでございますが、これに対して森脇証人に、さらに確証をおあげ願いたいと思います。
  356. 田中彰治

    田中委員長 それでは、今、廣岡証人がそう言っておられますから、森脇証人発言を許します。
  357. 森脇将光

    森脇証人 確かに廣岡さんが、私がさいぜん吉村氏の言つた言葉について、「それ以外にも、国防会議にいるころ上司としての廣岡局長はじめ部内だけで、飲んだことがある。」これは廣岡局長の言われるようにもとれれば、しかしこういうようなインタビューの場合から生ずるニュアンスとして、これは天川や何かと一緒ではなかったけれども、上司ともこういうような別な場所で飲んだことがあると解さるべき性質に嘱する文章だと私は解します。  それから、今、何だか送別会とかなんとかおっしゃっておりますが、これは私の方で調査したものでない。これは週刊朝日の権威にかけて、その記者がそれぞれ訪問して、そうしてインタビューをしたその真実を書いておる。「廣岡局長、吉村氏とは、その会合ではじめて会つたわけだが、」云々と書いております。だから、私に対して証拠を出せと、言われれば、私のメモによって証拠を出すということしかありません。しかし、自民党の方が私のメモは信憑性がないようなことをおっしゃるから、私は別の角度で私のメモの信憑性を証明しておる次第であります。廣岡さんが別の角度で証明しろとおっしゃるならば、私は私のメモによって証明する。もしそれがいかぬとするならば、偽証でも、あるいは名誉棄損でもやつて下さい。  それからいま一つ廣岡局長も朝日の記者がインタビューしております。そのときの最後の章にこう答えておられます。「天川氏にしても、新三菱の由比氏にも、役所で会つただけで、料亭などで会つたことは全然ない。」と言っておる。しかるにこの三菱電機の大久保さんの言葉の中では、この席に天川氏がはべつておる。とすれば、この廣岡さんが週刊朝日のインタビューにおいて、少くとも天川氏と宴席で一緒になつたことはないということは、この週刊朝日がでたらめを書いていない限りは、絶対に宴席でもお会いになっておることを証明しておる。
  358. 小川豊明

    小川(豊)委員 廣岡さんと森脇さんとの、この飲んだ食つたの問題をこれ以上やつてつても、これは結論はなかなか出ないと思うのです。それで、この問題の本筋ではないと思う。従って、きようはここで一応委員会を閉じていただいて、理事会にして、次会の進め方を御協議願いたいと思います。
  359. 田中彰治

    田中委員長 証人には長時間にわたり大へん御苦労でした。  本日はこの程度にとどめ、今後の運営につきましては理事会において御相談することとし、散会いたします。     午後二時五十五分散会