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1959-03-31 第31回国会 衆議院 議院運営委員会図書館運営小委員会 第5号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和三十四年三月三十一日(火曜日)     午前十一時四分開議  出席小委員    小委員長 松澤 雄藏君       飯塚 定輔君    佐々木盛雄君       長谷川 峻君    下平 正一君  小委員外出席者         国立国会図書館         副館長     岡部 史郎君         国立国会図書館         参事         (管理部長)  枝吉  勇君         国立国会図書館         参事         (調査及び立法         考査局長)   清水 芳一君         国立国会図書館         参事         (調査及び立法         考査局次長)  戸引  達君     ————————————— 三月二十六日  小委員大倉三郎君、三和精一君及び小林正美君  同日小委員辞任につき、その補欠として福永健  司君、佐々木盛雄君及び木下哲君が委員長の指  名で小委員に選任された。     ————————————— 本日の会議に付した案件  国立国会図書館人事その他運営に関する件      ————◇—————
  2. 松澤雄藏

    松澤委員長 これより図書館運営小委員会を開会いたします。  本日は、図書館運営に関する件について御協議を願うことといたします。なお、図書館側から副館長岡部史郎君、管理部長枝吉勇君、調査及び立法考査局長清水芳一君、同局次長戸引達君が出席いたしております。  それでは御協議を願います。
  3. 岡部史郎

    岡部国会図書館館長 私副館長岡部でございます。私が就任いたしました以上は、館長を補佐いたしまして、国会及び国民から信頼され、かつ国会及び国民に対する図書館サービスについて遺憾なきを期するように全力を尽したい所存でございますから、何とぞ御指導をお願いいたします。  なお、私就任以来日なお浅く、十分いまだ検討いたしておりませんが、当小委員会が昨年十月二十九日お示しになりました図書館刷新に関する五つの根本方針の御趣旨を尊重いたしまして、これをすみやかに実現することが図書館立て直しの第一着手であると考えまして、目下その実現にできるだけ努力しておりますので、その間についての経過を、すでに御承知の点もあろうかと思いますけれども、かいつまんで御報告させていただきたいと思っております。  まず第一に、財団法人春秋会でございますが、これは昨年十二月十日付をもちまして、内閣総理大臣から解散承認を受けて、目下清算中でございます。この清算につきましては、なるべく早く処理したいつもりでございますが、現在のところ、この解散団体が所有しております財産は約二百六十万でございますので、これはすでに御承認を得ました方針に基きまして、図書及び必要な印刷複写等機械を購入いたしまして、これを図書館に寄付する方針手続中でございます。ただ、私が速記録で拝見いたしました点におきましては、十分表われていなかったように思うのでございますが、この財団法人春秋会は、三月末まで各方面からの契約によって仕事をしょっております。それの処理が四月以降五月までかかるのではないかということでございますので、私、極力その処理を急がせておりますが、何しろ長期契約によってすでに引き受けた複写事務がございますので、これを処理しなければ責任を免れるものではございませんので、これはなるたけ早く処理いたさせまして、その上で完全にこれを片づけたいと思いますから、これは御了承いただきたいと思っております。  それから次に、旧春秋会はすでに解消済みでありまして、その保有いたしております財産は、三月三十一日、すなわち本日現在で二百三十二万一千八百七十円の預金の形になっております。これは、この全額をもってゼロックスその他の印刷機械を購入いたしまして、図書館に寄付いたしたいと思います。これはそういう含みで直ちに取りかかりたいと思いますので、御了承いただきたいと思っております。これは数日中に機械を購入いたしまして、その処理を完結したい。これをもって旧春秋会は完全に消滅するという形にいたしたいと思っております。  次に、図書館運動場維持後援会の問題でございますが、これはすでに昨年十月二十九日解散いたしまして、その清算の結果、残金六万円がございますので、これも預金になっておりますが、この六万円は、図書館国有財産である広場の使用の収入でございますので、これは図書館の雑収入の一部として国庫に納入いたしたい、こう考えて、その手続を直ちにやらせたいと思っております。  それからその他の外郭団体専門図書館協議会につきましては、事務局館外に移して参りまして、その経理には今後一切タッチしないことにいたしたいと思いますが、ただ、専門図書館協議会機能というものは非常に大事なものだと思いますので、経理以外の、すなわち事業の指導育成という意味におきましては、今後ともこれに当っていきたい、こう考えております。  なお、国際資料協会は、私の調査いたしました範囲におきましては、当図書館と全然関係のない機関でございますので、これは今のところ見送るつもりでございます。  それから次に、国会資料協会は、これも当図書館とは別に関係はないのでございますが、ただ事務室が今の三宅坂分室地下室に一室持っておるそうでございますので、これはなるべく早く撤去させて、当館と一切の関係を絶ちたい、こう考えております。  それから第五番目の売店等につきましてはすでにこれを廃止撤去いたしまして、現在私が承知しております限りにおきましては、今の図書館の地階に理髪店と食堂と歯医者とがあるだけでございますから、これらは適当に監督して参りたいと思っております。  それから前に戻りまして、一番重要な問題として考えております人事全面的刷新ということでございますが、そのうちの三項の「六十才以上の職員及び兼務者の取扱いについて考慮すること」という御意思を体しまして、着々人員整備に当っておるわけでございますが、現在のところ調査及び立法考査局専門調査員定員二十三人中、すでに高齢その他の事由によりまして、今月一ぱいで退職する者が九人に達する見込みで、従って、現在員は十四人になる見込みでございます。この専門調査員というような高級な、権威のある官職の定員いかがあるべきか、あるいはこの専門調査員機能あるいは定員をどうすべきかということにつきましては、なお慎重に検討いたしまして、専門調査員機能の万全の発揮にもう少し工夫をこらしたいと思っております。それから常勤職員が多数兼務いたしますことは、やはり好ましくないことでございますので、あるいは一、二の専門調査員の間には非常に兼務の多かった方もおられるようでございますが、今度の人員整理の際に、その問題は、具体的な問題といたしましては大てい解決いたす予定でございます。なお、一般的な方針といたしましては、大学の教授というようなものの兼任は、新年度以降は原則として認めないという方針でございます。ただ、学識経験者がそろっておりますので、この学識を生かすということも国家的に大事なことと存じますので、勤務時間外の講師、すなわち夜学の講師というようなものはこれを認めてよろしかろう、それから昼間の講師でありましても、特に図書館学というようなものを講ずる向きにありましては、勤務時間内といえども、一週四時間以内程度のものは、これを認めていいのではなかろうかというような一般的な方針でいきたい、こう考えております。  それから図書館仕事といたしましては、PBレポートその他の科学資料複写ということが大きな仕事になっておりますが、この複写によって図書館が何らかの利益を上げるというような必要は毛頭ないことでありますし、そういうような疑いも避けなければなりませんので、この四月一日からは複写料金の引き下げを行うことにいたしまして、これは一般に直ちに告示の手続をとった次第でございます。その他規則の整備を二、三行なっておる状態でございます。  さらに、人事の全面的な刷新ということは、機構改革とあわせて断行する必要があろうかと思うのでございまして、その点につきましては、私申しわけございませんが、就任早々でございますので、なお館内の事情を十分調査し、その調査の結果に基きまして、実情を把握した上におきまして、御期待に沿うような形に持っていきたいと思いますので、その点につきましては、一カ月か一カ月半の余裕を与えていただきたい、こう考えておる次第でございます。  現在のところ、中間的な御報告を申し上げますれば、以上の通りでございます。
  4. 下平正一

    下平委員 図書館問題が昨年から問題になって、暮れに大体の結末がついて、暮れからは、私たち意向といたしましても、そういった問題の摘発というような形をやめて、早く図書館運営が正常化するように、機能を発揮するようにという方向に向けてきたわけですが、人事のことにも関してきまして、非常に遅々として進んでいないような気がするわけです。そのことがかえってマイナスの面をだんだん生んできて、弱ったものだという印象を強く受けております。私は、この際もっと図書館運営ほんとうに軌道に乗せていくためには、そういう人事等の面も早くすっきりして、業務に専念できるような形をとってもらいたいと思うのです。図書館職員の方々も、いろいろな面で国会議員に陳情あるいは内容の報告をするような形で、見方によっては非常に見苦しい、いやな形です。そこで私は、その問題にけりをつける意味で、図書館長金森さんがやめるとかやめないとか、いろいろのうわさも飛んでおりますが、この際は、そういう問題からめどをつけて、やめるものならやめていただいて、後任を早く見つけるとか、そういう形を一つ一つ私は消化していくべきだと思います。国会図書館長進退の問題について、どんな経過になっているか、御本人はお見えになっておりませんけれども、どういう心境でおられるのか、この際委員会に正式に報告をしていただいて、委員会として処理方向を定めていきたいと思いますから、それをお伺いしたいと思います。
  5. 松澤雄藏

    松澤委員長 それでは委員長から申し上げます。私のところまであった御本人意思表示なり、あるいは経過等について御報告申し上げますが、昨年来、金森図書館長としては、老齢でもあり、からだの工合も芳ばしくないので、この機会にすみやかに辞表を出して、一日もすみやかに後任に道を譲りたいという気持の表明がございましたが、御承知のように、副館長はすでになくなられて、これにかわる者がいないという状態である。しかも加えて、今下平君のお話しのように、副館長を決定する期間が相当長くかかったというようなこともあって、本人意志通りに今日までいかなかったのであります。この間、小委員会にすでに御報告申し上げたように、衆議院の前議長星島さんあてに小委員長として伝達方を願いたいというので、金森館長からすでに書面でもって意思表示を受けておったのでありますが、その後、御承知のように、議長がかわって加藤さんになられた。加藤さんになられましてからもまた、今度は前の書類を書きかえて、加藤さんあて本人意志表示をしたものを出してきておられる、こういう現況でありますが、しかし、御承知のように、図書館長辞表は、あくまでも衆参両院議長あてでなければならぬというふうなこともありましたし、また小委員会の方の各位の御意向等もあって、むしろすみやかにこの機会に副館長を先に決定して、館長が在任中における今の五項目のような問題もあるので、ある程度責任もとつていただいた上においてすみやかにやめてもらうということでなければならぬ、というふうなこともありましたので、現在は、その状況のままに相なっているわけでございます。これに対して、本日当然このような御質問なりあるいは委員要望が現われてくるであろうと考えましたので、この意思に変りはないか——しかしながら、事務的な手続は、今申し上げたように、衆参両院議長あてに出さなければならぬ問題であって、御承知のごとく、われわれは、議院運営委員会の一部門を担当して、それを援助するという立場でもあるだけに、正式に辞表を持ってきた場合は、議長にまっすぐに参りまして、議長から委員会なり小委員会の方にいかがすべきかというような相談に相なるべきものであろう、こういうふうなことを考えておりましたが、幸いにして、きのう、本日これが議題になるということを予測されたので、再度館長に対して過去における意思表示が何ら間違っていなかったかという意味で、確かめるような気持で、事務総長を通してお聞きいたしたわけであります。その結果は、私から述べるよりも、副館長がわざわざ館長のもとまで行かれて、それを確めておりますから、副館長からその経過説明していただきたい。
  6. 岡部史郎

    岡部国会図書館館長 昨日夕刻私か金森館長にお目にかかりまして、いろいろ御懇談いたしたのでありますが、その席上、金森館長といたしましては、小委員長を通じて議長あて辞表提出している。自分の健康がきわめて悪くなっているので、この際一日も早くお許しをいただきたい、こういうことを申しておられました。
  7. 長谷川峻

    長谷川(峻)小委員 それなら、辞表を小委員長を通じて議長あてに出しているというのであるから、それを議長に伝達していただきたい。五カ月前に小委員会並びに議運として決議しておって、本人も健康上と老齢のためにと言っているのであるし、この際、りっぱな副館長もできたことであるから、あとのことは心配なく一つやめてもらうんですね。
  8. 佐々木盛雄

    佐々木(盛)小委員 私も今の意見同感ですが、昨年の十月に国会図書館運営小委員から申し出た、この五項目の中の一番重要なことは、今言う人事の問題なんです。これが私たち決議の最重要点であったわけです。今の副館長お話を承わっておると、副館長はまだ着任早々だから、一、二カ月の余裕をもらって、その上ですっきりした人事をやって一切の刷新を行いたい、こういう御所信ですが、そうすると、ことによると、今のままでは事務当局人事刷新は副館長がおやりになるかもしれませんけれども、肝心の館長人事というものがその後に持ち越される危険性もあるわけなんです。われわれが申し出た第一項の「人事全面的刷新をはかる」という中には、ただし書きが書いてあるように、「現在責任ある地位にある者は」というようになっているのであるから、この責任ある地位の中には、当然館長も含まれている。館長責任もここにおいて強く追及したわけです。従って、館長も含めた人事刷新でなければならぬわけです。幸いにして、館長からそういった辞任意思表示が出ている以上は、すみやかにこれを受理して、後任についても積極的に早く決定するというふうに、小委員長においてもお取り計らいをしてもらうようにお願いしておきます。
  9. 下平正一

    下平委員 今佐々木先生が言われた通り、各責任者の中の一番ウエートの高い者は館長だと思う。やはり館長ができてしっかりしないと、ほんとう運営はできないと思う。早く館長の問題を処理することが、この段階では一番大きいと思う。それで、これは小委員長にお伺いするのですけれども、その手続は、具体的にどうなんですか、小委員長を通じて議長提出済みなんですか。
  10. 松澤雄藏

    松澤委員長 まだ提出しておりません。前議長並びに現議長あてに、本人意思表示をしたものを出してきている。ただ問題は、これは副館長にもお聞きしなければならぬが、事務的な手続の問題です。あれは衆議院議長あてのみの辞表になっている。それで事務的な手続として果して完全かどうか。任命衆参両院議長ということになっているのだから、辞任意思表示について撤回要求もありませんし、当時とその意思が変っていない限りは事務的な手続として、衆参両院議長に至急、本日なら本日の日付をもって、再度正式に出していただき、出していただいたならば、すぐそのものを議長に伝達して、議長からわれわれに逆に諮問を受けるというふうにいくべきものでなかろかと思うのですが、どうですか。——速記をとめて。     〔速記中止
  11. 松澤雄藏

    松澤委員長 速記を始めて下さい。
  12. 下平正一

    下平委員 副館長あるいは小委員長等意向をお伺いすると、直接に金森館長に会ったりいろいろして、金森館長の辞意がかたい、しかも、館長としては成規辞職願衆議院議長に出されているということで、その提出手続として、図書館運営小委員会の小委員長を通じて提出をするというのが館長意思らしい。ですから、本日の委員会では、その間の事情を了承して、早急に議長あてに取り次いで、議長諮問を待って、正規に館長辞表を受理するような手続を早く進めていただくようにお願いいたしたいと思います。
  13. 松澤雄藏

    松澤委員長 承知いたしました。その通り本日取り計らいます。
  14. 佐々木盛雄

    佐々木(盛)小委員 すでに館長から辞表提出されているのだから、これをすみやかに当小委員会としては衆議院議長提出をする、衆議院議長参議院議長にこの旨を伝達して、そうして衆参両院議長協議されれば、それでいいことだと思う。だから、衆議院議長辞表を出す、参議院議長辞表を出すという、二つの辞表を出す必要はちっともないと思う。すでに小委員長のところまで辞表取次方を要請しているのならば、すみやかに本日中にでも、小委員長からこれをまず衆議院議長提出してもらって、衆議院議長において参議院議長相談の上善処されるようにお取り計らいを願いたいと思います。
  15. 松澤雄藏

    松澤委員長 わかりました。それでは、小委員長といたしまして、ただいま委員会の皆様の要望通りに、本日議長あて委員会を経由して提出したい、かように思います。
  16. 長谷川峻

    長谷川(峻)小委員 とにかく、国会図書館ができてから、館長がやめるというのは今度が初めてなんです。そういう手続については、今佐々木君が言うようなことで一つのルールを作ることになると思いますから、断固として受理されて、国会図書館刷新をやってもらいたい。  もう一つは、今副館長の御説明でも事務的な御説明があって、人事刷新で六十才以上というふうな線で御説明があって、最後に今の国会図書館館長の問題があったのですが、その次に出てくるのは、やはり刷新決議にある、責任ある地位にあった者は同一役職に留任することのないようにするということだろうと思うのです。この問題について、この際はっきりした意思を聞いておかぬことには——国会決議してすでに五カ月、ようやく副館長が生まれて、館長進退などについても本日ようやく具体化するときですから、館長のやめられる御趣旨を生かす意味においても、一つの具体的なものをお考え願わなければいかぬと思う。
  17. 岡部史郎

    岡部国会図書館館長 率直に申し上げますと、副館長といたしましては、あくまでも館長を補佐いたしまして、国会の御意思に従いまして、人事刷新及び機構改革をいたさなければならぬわけでございますので、私といたしましては、現館長のもとにおいてこれを断行するか、あるいは第二の方法として、新館長のもとにおいて、新館長を補佐してこれを断行するか、第三の場合におきましては、現館長がおやめになりまして、新館長が選任されない間におきまして、副館長館長代理としての責任においてこれを断行するか、この三つ方法があるわけでございまして、その第三の道につきましては、私もとより不徳、非力、浅才でございまして、はなはだ僣越のそしりを免れないと思いますけれども、第三の道を選ぶことがやむを得なければ、これも断行する決意責任は持っているつもりでございます。その三つ方法がございますので、十分今後の御指導を得て処理したい、こう考えております。
  18. 佐々木盛雄

    佐々木(盛)小委員 私は、今のお話は少し理論的に筋が通らぬと思う。というのは、副館長は実際の事務館長を助けておやりになるのだけれども、それはやはり館長の名においてやられるのが一番妥当なことだ。それで、新しい館長がおきまりになって、新しい人事機構刷新をやるというならば、新しい館長がおやりになった方がいいと思う。しかし、今度の場合においては、多分に引責辞職という意味が含まれている。単にこれは定年でやめるとかなんとかいうよりも、この国会からの申し入れによって、責任をとってやめてもらうということになっているのだから、こういう引責辞職をするというような意味館長運託生ということで一緒にやめてしまうというならばけっこうだけれども、そういう措置がとれなければ、むしろ副館長がおやりになるよりは、新しい館長を早急にきめて、新しい館長のもとで、機能を活動させるに必要なような人事をおやりになった方がいいのではないかと思う。でき得れば、あなたが事務的におやりになるよりは、館長がおやりになる方がいい。
  19. 長谷川峻

    長谷川(峻)小委員 方法論だけれども、われわれは、内部の人事まで干渉しようという考えは持っておりません。そういう意味で、前々から、部内の人に希望を持たせるように持っていってもらいたいという趣旨が、この委員会のみんなの意見であったと思う。そこで、副館長さえもすでに数カ月かかっている。館長となれば、両院承認を得なければいかぬ。それから国務大臣級であろうし、対外的にやはり信用のある人とか、いろいろ選考条件かむずかしくなると思う。ただ、月給取りを上に上げたり下げたりするということでない。そうすると、刷新決議というここに一つのレールが敷いてあるのだから、これは館長代理であろうと何であろうと、それはできるだろうと思う。そうでもしなければ、決議は死んでしまう。
  20. 下平正一

    下平委員 私も同感です。副館長さんの言われた三つ方法の中の、第三の方法でこの際はやるべきだと思う。そういうことについて、館長がいない留守にやるということは、多少筋か通らぬというふうなきらいはありますけれども、どだい、図書館の問題の発足から今日までの経緯を考えれば、新館長選任まで待つということをしなくても、副館長責任でやられても私は一向かまわぬと思う。特に今長谷川さんからも言われた通り館長任命はなかなかまた問題がありまして、これはひょっとすると、どうも空席のままでいくという可能性も、現実には見えると思う。副館長人事さえこれだけかかったのだから、館長人事というここになれば、それは政治的な問題が、からめてはいかぬといっても、現実にはからむと思う。従って、副館長のもとで、決議の第一項にある人事刷新を私はやるべきだと思う。そうして、具体的には、二項目機構改革の問題にも手をつけていただいて——先ほど、副館長決意というか、方針を伺いまして、機構その他をにらみ合せてやりたいということで、その点については賛成であります。機構改革を早く考えていただいて、そうしてそれにマッチした人事という中にこの一項目精神を織り込んでいく、こういう形が、具体的な今度の処理、それから今後の館の運営等にも非常にいい影響を与えると思う。ただ、ここで引責辞職ということもいわれますけれども、その形だけでこの問題を処理すると、将来にわたっても必ずしも結果はよくないと思う。幸い、機構改革という問題を取り上げて、それにマッチした人事という形で、その中にこの一項目精神を十分織り込んでいくという副館長方針は、非常によろしいと思う。ただ、それを時期的にそれに藉口しておくらせるということになると、勢い、私どもの方も引責辞職というものを表面に出して迫らざるを得ないという立場になりますし、構構改革原案等についても、かなりできているようなうわさも聞いておりますので、せめて一カ月ぐらいの短期間に仕上げてもらうようにしていただきたい。
  21. 松澤雄藏

    松澤委員長 速記をとめて。     〔速記中止
  22. 松澤雄藏

    松澤委員長 速記を始めて下さい。
  23. 長谷川峻

    長谷川(峻)小委員 それでは、とにかく先ほどから論ぜられたように、館長辞表が、去年から前の衆議院議長、さらに今度の新しい加藤議長まで小委員長を通じて申し出があったようでありますが、老齢であり、あるいは健康上ということの理由でありまして、今まで空席であった副館長も、この際りっぱな岡部君がなったわけでありますし、しかも、さらに図書館委員会も去年以来十何回となく委員会を開き、五カ月前には、将来の図書館をりっぱにする意味において、刷新決議というものまで作られて、その推移を見守っておるのですから、ここで、金森館長の辞意が本日中にも実現できるような事務手続をとられるように、小委員長にお願いすることが一つ。それから岡部館長には、館長がやめることが本日たとい実現しても、館長がいなくても、刷新決議案にのっとって、新しい皮袋に新しい酒を盛るつもりでやっていただけば、私は、国会図書館の今までの騒動は、災いを転じて福となす一つの契機になるのじゃないかと思います。そういうふうにお取り計らいを願いたいと思います。
  24. 下平正一

    下平委員 決議が忠実に実行されるということが、一番大切な問題だと思います。せっかく衆議院の議運で図書館問題を取り上げて、その決議が知らず知らずの間に行方不明になってしまったというような形は、将来に禍根を残すと思います。決議の内容の具体的な実施について、かりに図書館側として、それを実行すれば重大な支障があるとか、あるいは決議の内容について不明な点等があれば、十分私たちも今後考慮をいたしますので、少くとも先ほどの副館長の言明で、一カ月ないし二カ月という時期を言明されましたが、私は、この国会中にこの決議が実行されないという形が出ると、また不測の事態も出てくると思います。だから期時としては、私は、今会期中に一応この決議の結末をつける、これをぜひ副館長にお約束を願いたいと思います。もし、具体的にこの決議の内容で、たとえば非常に無理な点があるとか、困難な点があるというものについては、この決議精神を抹消してしまうようなことでは困りますが、多少の具体的な問題点というのは十分考慮をする余地がありますし、少くとも、決議は前国会から続いておる問題でありますから、今会期中には一応の決議に対する処理をきめてしまうということを、新しい副館長に、その決意一つ御披瀝を願いたいと思います。
  25. 岡部史郎

    岡部国会図書館館長 私、着任以来、国会及び国民に対する図書館サービスについては、面目を一新するように職員に大いに働きかけておる次第でございますが、これを実現いたします近道と申しますか、その本筋は、やはり国会刷新決議を忠実に実施することである、こう考えますので、ただいまの御意見に従いまして、この決議の残った部分につきましては、御期待に沿うように全力をあげてこれの実行に当るつもりでございますから、何とぞ御指導をいただきたいと思います。
  26. 松澤雄藏

    松澤委員長 ほかに発言もないようでありますから、本日は、これにて散会いたします。     午前十一時五十八分散会