○内田
政府委員 今ちょっと教字が手元にございませんので、資料として後刻提出いたします。ただいまの御趣旨は、実はほかでも御質問を受けたのでございますが、外務省の、たとえば局長とか課長というものは、全部
外交官試験を出ておる者ばかりではないか。
外交官試験を通らぬ者でも、もっと登用するということを
考えたらどうか、あるいは在外の大公使、参事官というようなハイ・クラスの者でも、
外交官試験出でない者をもっとふやす
考えはないか、こういう御質問を受けたことがございますので、おそらくその御趣旨ではないかと思いますが、われわれ
考え方として決してそう排他的に
考えておるつもりはないのでございます。まず本省の方から申し上げますと、なるほど現在本省の局長には
外交官試験出でない者はおりません。課長には、現在は一人か二人おりますが、過去においても数名の人がなった例はございます。これは別に試験出以外の者を排他的に
考えるというつもりではございませんけれ
ども、しかし実際課長と申しますと、上との接触、また部下を相当
現実に把握して仕事をして参るポストでございますので、やはり外務省内において、ある
程度経歴を持ち、また訓練も受け、そのほか、人の
関係などにおきましても、顔が知れているというと変ですが、よくみんなから知られているというようなことも、そのポストをうまくやって参るための
一つの要件になるわけでございまして、もし適当な人がありますれば、いかなる人でも課長のポストにつけて差しつかえないと思いますが、実際問題としましては、なかなか適当な人がなかったというのが実情ではないかと思います。
それから在外の大公使、参事官の問題でございますが、これも適当な——現に参事官クラスにも相当おりますし、また大公使にも、数はそう多くはございませんが、今六、七名おられると思います。これも、この前、
藤山大臣もその点について御
答弁になっておられましたが、われわれは決して排他的に
考えておるわけではございませんが、結果的に申しますと、こちらの方でぜひおいでいただきたいというような方は、なかなか御
承認が得られなくて、また自分の方で、変な
言葉でございますが、売り込んでこられる方にはなかなか適任者がないというふうなことで、実際上そういうふうになっておるというのが現状ではないかと思います。
それからもう
一つ申し添えますと、なるほど現在東京におります
外交官などの中で、数的には
外交官出身でない人がかなり多いということは事実でございます。約二割くらいはそういう
外交官出身でない人がおると思いますが、しかしこの内訳などを調べますと、大体後進国で従来キャリアの
外交官を持ちようにも持ち得なかった国が多いのでございまして、大体古い国で
外交官の官僚機構と申しますか、そういう制度が確立しておりますような国は、大体において
日本に来ております
外交官はやはりキャリアなものを使っておる。一般的な傾向としましてはむしろ政治的なコミッティというものがだんだん減って、やはり訓練を受けた専門の
外交官を使うというのが、むしろ世界的に見ましても
一つの趨勢ではないかというふうに
考える次第であります。