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1959-04-28 第31回国会 衆議院 運輸委員会 第23号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和三十四年四月二十八日(火曜日)     午前十時五十六分開議  出席委員    委員長 塚原 俊郎君    理事 木村 俊夫君 理事 長谷川 峻君    理事 堀内 一雄君 理事 久保 三郎君    理事 土井 直作君       宇田 國榮君    川野 芳滿君       菅家 喜六君    關谷 勝利君       前田  郁君    三池  信君       勝間田清一君    河野  正君       菊川 君子君    兒玉 末男君       館  俊三君  出席国務大臣         運 輸 大 臣 重宗 雄三君  出席政府委員         運輸政務次官  中馬 辰猪君         運輸事務官         (大臣官房長) 細田 吉藏君         運輸事務官         (鉄道監督局         長)      山内 公猷君         運輸事務官         (観光局長)  岡本  悟君  委員外出席者         日本国有鉄道総         裁       十河 信二君         日本国有鉄道副         総裁      小倉 俊夫君         日本国有鉄道常         務理事     吾孫子 豊君         日本国有鉄道常         務理事     石井 昭正君         日本国有鉄道参         与         (資材局長)  平出  彬君         日本国有鉄道参         与         (運転局長)  大塚  茂君         専  門  員 志鎌 一之君     ――――――――――――― 四月二十八日  委員川野芳滿君、關谷勝利君、伊藤卯四郎君、  中崎敏君及び山田長司辞任につき、その補欠  として金子岩三君、津島文治君、兒玉末男君、  勝間田清一君及び河野正君が議長指名委員  に選任された。 同日  委員金子岩三君、津島文治君、勝間田清一君、  河野正君及び兒玉末男辞任につき、その補欠  として川野芳滿君、關谷勝利君、中崎敏君、山  田長司君及び伊藤卯四郎君が議長指名委員  に選任された。     ――――――――――――― 四月九日  信越本線改良に関する請願外九件(小坂善太郎  君紹介)(第三三八四号)  同(佐野憲治紹介)(第三三八五号)  同(中澤茂一紹介)(第三三八六号)  同外二件(松平忠久紹介)(第三三八七号)  同外二件(三鍋義三紹介)(第三三八八号)  同外八件(坂田英一紹介)(第三四一四号)  同外一件(井出一太郎紹介)(第三四二四  号) 同月二十三日  信越本線改良に関する請願外三件  (植木庚子郎君紹介)(第三四四三号)  同(羽田武嗣郎紹介)(第三四八〇号)  国鉄長野工場拡充強化に関する請願羽田武  嗣郎紹介)(第三四七七号)  同(中澤茂一紹介)(第三五一八号)  同(松平忠久紹介)(第三五一九号)  長野陸運事務所庁舎建築促進に関する請願  (羽田武嗣郎紹介)(第三四七八号)  同(中澤茂一紹介)(第三五二〇号)  同(松平忠久紹介)(第三五二一号)  信越本線電化及び改良促進に関する請願(羽  田武嗣郎紹介)(第三四七九号)  同(中澤茂一紹介)(第三五二二号)  同(松平忠久紹介)(第三五二三号)  銭洲漁場灯標設置に関する請願土井直作君  紹介)(第三五二四号) 同月二十八日  国鉄長野工場拡充強化に関する請願小沢貞  孝君紹介)(第三五八三号)  長野陸運事務所庁舎建築促進に関する請願(  小沢貞孝紹介)(第三五八四号)  信越本線電化及び改良促進に関する請願(小  沢貞孝紹介)(第三五八五号)  船舶職員臨時講習会実施経費国庫補助に関する  請願宇田國榮紹介)(第三五九九号) は本委員会に付託された。     ――――――――――――― 四月九日  湯河原トンネル建設に関する陳情書  (第六  三九号)  舞鶴海上保安部香住分室海上保安署昇格に関  する陳情書(第六  四三号)  衣ケ浦埋立反対に関する陳情書  (第六  八四号)  野岩線敷設促進に関する陳情書  (第七〇〇号)  上越線複線化に関する陳情書  (第七〇一号)  総野鉄道敷設に関する陳情書  (第七〇二号) 同月二十八日  池袋、大宮間直通電車運転並びに地下鉄早期建  設に関する陳情書  (第七五二号)  銭洲漁場灯標設置に関する陳情書  (第七五三号)  信越本線改良に関する陳情書  (第七五四号)  同(第七五五号)  同(第七五六号)  同(第七五七号)  同(第七五八号)  李ライン海域等における巡視船増強に関する  陳情書  (第七五九号)  列車の安全運転に関する陳情書  (第七六二  号)  国鉄線敷設計画反対に関する陳情書  (第七八二号) は本委員会に参考送付された。     ――――――――――――― 本日の会議に付した案件  閉会審査に関する件  観光に関する件  日本国有鉄道経営志免鉱業所問題等)に  関する件   請願  一 三陸沿岸縦貫鉄道敷設促進に関する請願    (山本猛夫紹介)(第一五四号)  二 中之島港修築促進に関する請願宇田國榮    君紹介)(第二六二号)  三 海難防止運動予算に関する請願竹谷源太    郎君紹介)(第三九二号)  四 山科駅西方鉄橋改修等に関する請願(中    村三之丞君紹介)(第四六一号)  五 港湾整備費増額等に関する請願(片島港君    紹介)(第五七六号)  六 川内河口建設に関する請願池田清志君    紹介)(第六五一号)  七 アルミ舟艇各省所属艇に採用の請願(安    倍晋太郎紹介)(第六五二号)  八 経済基盤強化のための重要港湾緊急整備対    象事業として和歌山北港建設に関する請願    (長谷川峻紹介)(第六八八号)  九 古江港に防潮堤設置に関する請願川野芳    滿君紹介)(第七六一号) 一〇 仙山線及び東北本線梅田川鉄橋架替えに    関する請願長谷川峻紹介)(第七六二    号) 一一 丸森線敷設促進に関する請願長谷川峻君    紹介)(第七六三号) 一二 新得、足寄間鉄道敷設促進に関する請願(    長谷川峻紹介)(第七六四号) 一三 津軽海峡連絡鉄道トンネル工事施行促進等    に関する請願長谷川峻紹介)(第七六    五号) 一四 津谷、前谷地間鉄道敷設促進に関する請願    (長谷川峻紹介)(第七六六号) 一五 中学生の鉄道運賃割引に関する請願(佐藤    虎次郎君紹介)(第八一一号) 一六 長野下観光事業振興に関する請願(羽    田武嗣郎紹介)(第八四三号) 一七 四日市、津間短絡路線敷設に関する請願(    木村俊夫紹介)(第八四四号) 一八 自動車事故防止対策に関する請願長谷川    峻君紹介)(第八四五号) 一九 信越本線改良及び中央線電化に関する請願    (中澤茂一紹介)(第八七六号) 二〇 同(原茂紹介)(第八七七号) 二一 国鉄管理所設置反対に関する請願中澤茂    一君紹介)(第八七八号) 二二 同(原茂紹介)(第八七九号) 二三 仁山信号場昇格等に関する請願館俊三    君紹介)(第八八〇号) 二四 日中線ディーゼルカー運行請願(八田    貞義君紹介)(第九二四号) 二五 信越本線改良及び中央線電化に関する請願    (小沢貞孝紹介)(第一〇〇六号) 一六 同(松平忠久紹介)(第一〇〇七号) 二七 同(下平正一紹介)(第一〇三〇号) 二八 同(吉川久衛紹介)(第一〇六九号) 二九 国鉄管理所設置反対に関する請願小沢貞    孝君紹介)(第一〇〇八号) 三〇 同(松平忠久紹介)(第一〇〇九号) 三一 同(下平正一紹介)(第一〇三一号) 三二 同(吉川久衛紹介)(第一〇七〇号) 三三 千歳飛行場の第一種空港指定に関する請願    (正木清紹介)(第一〇三二号) 三四 鹿児島海上保安部航空機配置に関する請    願(上林榮吉紹介)(第一一三一号) 三五 国鉄管理所設置反対に関する請願前田郁    君紹介)(第一二一一号) 三六 同(小川平二紹介)(第一二九二号) 三七 鹿児島海上保安部航空機配置に関する    請願池田清志紹介)(第一二九〇号) 三八 同(前田郁紹介)(第一二九一号) 三九 信越本線改良及び中央線電化に関する請願    (小川平二紹介)(第一二九三号) 四〇 中央線準急列車の小淵沢駅停車に関する請    願(下平正一紹介)(第一二九四号) 四一 失業駐留軍要員によるタクシー事業免許認    可に関する請願川野芳滿紹介)(第一    三四六号) 四二 国鉄福島輸送派出所存続に関する請願(八    田貞義紹介)(第一三四七号) 四三 飯田線強化促進に関する請願鈴木正吾君    紹介)(第一四一四号) 四四 信越本線改良及び中央線電化に関する請願    (羽田武嗣郎紹介)(第一四四三号) 四五 軽自動車の登録事務市町村移管に関する請    願(池田清志紹介)(第一五〇三号) 四六 原町田駅の西口駅設置に関する請願(岸本    信行君紹介)(第一五〇四号) 四七 中札内村、芽室町上渋山間バス路線免許に    関する請願正木清紹介)(第一五〇五    号) 四八 鍛冶屋、梁瀬両駅間鉄道敷設に関する請願    (堀川恭平紹介)(第一五六二号) 四九 国鉄自動車古江川北線延長に関する請願(    前田郁紹介)(第一六六〇号) 五〇 諌早長崎間平坦線敷設促進に関する請願    (金子岩三紹介)(第一九八〇号) 五一 小野駅、岡谷市間バス運行に関する請願(    増田甲子七君紹介)(第二〇一九号) 五二 諌早長崎間平坦線敷設促進に関する請願    (今村等君外二名紹介)(第二一四七号) 五三 同(田口長治郎君外五名紹介)(第二一七    九号) 五四 鹿児島海上保安部航空機配置に関する請    願(小牧次生紹介)(第二一四八号) 五五 丸林地先無人踏切警報器設置請願(    山口好一紹介)(第二三二六号) 五六 松戸市馬橋、小山市間鉄道敷設に関する請    願(天野公義紹介)(第二三四一号) 五七 城東貨物線電化及び客車運行に関する請    願(淺香忠雄紹介)(第二四三七号) 五八 同(久保田鶴松君外一名紹介)(第二四三    八号) 五九 同(杉山元治郎紹介)(第二四三九号) 六〇 中札内村、芽室町上渋山間バス路線免許に    関する請願館俊三紹介)(第二四四〇    号) 六一 佐久間線敷設促進に関する請願中村幸八    君紹介)(第二四四一号) 六二 鹿児島海上保安部航空機配置に関する請    願(池田清志紹介)(第二四六六号) 六三 木材類特別等級編入及び遠距離割引存置    等に関する請願池田清志紹介)(第二    四六七号) 六四 同(上林榮吉紹介)(第二四九七号) 六五 同(保科善四郎紹介)(第二五六二号) 六六 能代河港内しゆんせつに関する請願(柳谷    清三郎君紹介)(第二五六三号) 六七 木材類特別等級編入及び遠距離割引存置    等に関する請願今村等紹介)(第二六    五九号) 六八 城東貨物線電化及び客車運行に関する請    願(阪上安太郎紹介)(第二六六〇号) 六九 大隅地方国鉄バス路線延長に関する請願    (前田郁紹介)(第二七七四号) 七〇 国分、古江間国鉄バスの鹿屋駅乗入れに関    する請願前田郁紹介)(第二七七五    号) 七一 上越鉄道功労者岡村貢翁銅像建設に関    する請願大野市郎紹介)(第二八四一    号) 七二 左沢、荒砥間鉄道敷設促進に関する請願(    池田勇人紹介)(第二八五七号) 七三 自動車運送事業等運輸規則の一部改正に関    する請願井岡大治紹介)(第三〇二四    号) 七四 日豊線日向長井駅、豊肥線三重駅間鉄道    敷設促進に関する請願川野芳滿紹介)    (第三〇五五号)七五 串木野駅に準急ディーゼルカー等停車に関    する請願宇田國榮紹介)(第三〇七五    号) 七六 陸前中田を南仙台に駅名変更請願(竹谷    源太郎紹介)(第三一四五号) 七七 信越本線改良に関する請願外四件(羽田武    嗣郎紹介)(第三二三二号) 七八 同外三件(井出一太郎紹介)(第三二五    五号) 七九 同(羽田武嗣郎紹介)(第三二八七号) 八〇 航路標識整備促進及び尾崎灯台霧笛新    設置に関する請願鈴木善幸紹介)(第    三三〇三号) 八一 水産物の輸送力増強及び三陸沿岸鉄道敷設    促進等に関する請願鈴木善幸紹介)(    第三三〇四号) 八三 大船渡市に測候所及び宮古外二市に臨港分    室設置に関する請願鈴木善幸紹介)(    第三三〇五号) 八三 信越本線改良に関する請願井出一太郎君    紹介)(第三三一二号) 八四 同外一件(辻政信紹介)(第三三一八    号) 八五 同(羽田武嗣郎紹介)(第三三一九号) 八六 同外四件(鍛冶良作紹介)(第三三三二    号) 八七 同外五件(倉石忠雄紹介)(第三三三三    号) 八八 同外二件(田中彰治紹介)(第三三三四    号) 八九 同外三件(内藤隆紹介)(第三三三五    号) 九〇 同外十二件(塚田十一郎紹介)(第三三    四五号) 九一 石北線留辺蘂、生田原両駅間の路線変更に    関する請願松田鐵藏紹介)(第三三三    六号) 九二 信越本線改良に関する請願外九件(小坂善    太郎君紹介)(第三三八四号) 九三 同(佐野憲治紹介)(第三三八五号) 九四 同(中澤茂一紹介)(第三三八六号) 九五 同外二件(松平忠久紹介)(第三三八七    号) 九六 同外二件(三鍋義三紹介)(第三三八八    号) 九七 同外八件(坂田英一紹介)(第三四一四    号) 九八 同外一件(井出一太郎紹介)(第三四二    四号) 九九 同外三件(植木庚子郎君紹介)(第三四四    三号) 一〇〇 同(羽田武嗣郎紹介)(第三四八〇    号) 一〇一 国鉄長野工場拡充強化に関する請願(    羽田武嗣郎紹介)(第三四七七号) 一〇二 同(中澤茂一紹介)(第三五一八号) 一〇三 同(松平忠久紹介)(第三五一九号) 一〇四 長野陸運事務所庁舎建築促進に関する    請願羽田武嗣郎紹介)(第三四七八    号) 一〇五 同(中澤茂一紹介)(第三五二〇号) 一〇六 同(松平忠久紹介)(第三五二一号) 一〇七 信越本線電化及び改良促進に関する請    願(羽田武嗣郎紹介)(第三四七九号) 一〇八 同(中澤茂一紹介)(第三五二二号) 一〇九 同(松平忠久紹介)(第三五二三号) 一一〇 銭洲漁場灯標設置に関する請願土井    直作紹介)(第三五二四号)  追加日程  一 国鉄長野工場拡充強化に関する請願(小    沢貞孝紹介)(第三五八三号)  二 長野陸運事務所庁舎建築促進に関する請    願(小沢貞孝紹介)(第三五八四号)  三 信越本線電化及び改良促進に関する請願    (小沢貞孝紹介)(第三五八五号)  四 船舶職員臨時講習会実施経費国庫補助に関    する請願宇田國榮紹介)(第三五九九    号)     ―――――――――――――
  2. 塚原俊郎

    塚原委員長 これより会議を開きます。  この際、新任の重宗運輸大臣より発言を求められておりますので、これを許します。重宗大臣
  3. 重宗雄三

    重宗国務大臣 私はこのたび運輸大臣に就任いたしました重宗雄三でございます。私は運輸行政に携わることは今回が初めてであります。運輸委員会皆様方の格別の御協力と御指導によりまして職責を果したいと考えておりますので、何とぞよろしくお願い申し上げます。  申すまでもなく、海、陸、空にわたる運輸交通は、わが国産業経済発展基盤であるばかりでなく、国際的にも世界を結ぶ大動脈であります。交通の健全なる発達なくしては、産業経済発展は望み得ないのであります。運輸省といたしましては、この重要な使命にかんがみまして、種々の重要施策を策定いたしまして、これを強力に推し進めていく方針であります。  国際収支の改善に資するため、優秀な外航船腹拡充国際航空路網整備強化観光事業振興等による貿易外収入増大をはかるとともに、船舶鉄道車両輸出振興に大いに努力いたす所存でございます。  次に、国内輸送力整備拡充につきましては最大の努力を続けていきたいと存じまするが、すでにその緒につきました東海道新幹線の建設を促進するほか、国鉄五カ年計画の推進、自動車輸送力増強大都市交通整備を行うとともに、国内航空路網及び飛行場整備海上輸送力強化に努めまして、国内輸送力飛躍的増大をはかる所存でございます。  また、現在産業活動一つの隘路となっております港湾につきましては、産業貿易の伸長に対応でき得るように、港湾整備促進に特に意を用いたいと考えております。  そのほか、当省所管であります海上保安業務及び気象業務の充実も大いに推進する考えであります。  運輸行政を担当するものといたしましては、運輸交通の健全なる発達に常に努力いたしまするが、以上いずれも皆様方の深い御理解と御協力なくしては、とうていよき成果をあげ得られないことは申し上げるまでもないことであります。何とぞ皆様方の一そうの御指導をお願いいたしましてごあいさつといたします。(拍手)
  4. 塚原俊郎

    塚原委員長 閉会審査に関する件についてお諮りいたします。本委員会におきましては今会期中、陸運海運航空港湾海上保安観光及び気象の各調査事項につき調査いたして参りましたが、閉会中もなお議長承認を得て、これらの審査を行いたいと存じます。つきましては、一 陸運に関する件 二 海運に関する件 三 航空に関する件 四 港湾に関する件五 海上保安に関する件 六 観光に関する件 七 気象に関する件 以上の各件を閉会審査事件として議長に申し出たいと存じますが、御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  5. 塚原俊郎

    塚原委員長 御異議なしと認め、さよう決しました。  なお、これらの閉会審査事件が本委員会に付託せられた場合には、委員を現地に派遣して実情を調査する必要も起ると予想されますので、委員派遣に関する承認申請その他の手続につきましても委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  6. 塚原俊郎

    塚原委員長 御異議なしと認め、さよう取り計らいます。  なお、閉会中の委員会において、参考人より意見を聴取することも予想されますので、緊急の場合における参考人の選定につきましても委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  7. 塚原俊郎

    塚原委員長 御異議なしと認め、さよう決定いたしました。     —————————————
  8. 塚原俊郎

    塚原委員長 次に、観光に関する件につき調査を進めます。  質疑の通告がありますので、これを許します。堀内一雄君。
  9. 堀内一雄

    堀内委員 私は前の運輸大臣永野氏が御病気のために引退されたことを非常に気の毒に存ずるのでございますが、これにかわって重宗運輸大臣を迎えましたことは非常に心強く感じておるのでございます。  そこで、この際観光問題につきまして、新運輸大臣抱負と申しますか、方針と申しますか、そういうことについて若干お伺いいたしたいと存じます。  今や世界観光ブームにおおわれており、そうしてさらに岸総理は、第二次岸内閣発足に際しまして、特に外貨獲得見地より国際観光に重点を注ぐということを声明されておるのでありまして、また永野運輸大臣は、自分政治生命をかけても観光に対する基礎を確立したいというて、非常に熱心に努力されたのでございますが、その結果はいわゆる日本観光協会法という、大臣みずからこの席でお話がありましたように、はなはだ期待に沿わないような法案に終ってしまったということでございました。しかしこれを基礎として、一粒の種と思って、これからこれを培養して、ぜひ自分観光政策を確立したいということを申しておられたのでございますが、新運輸大臣はこの日本観光事業、ことに国際観光につきまして、どういう御抱負をお持ちか、お伺いいたします。
  10. 重宗雄三

    重宗国務大臣 お答えいたします。観光政策運輸省の最も重要な政策一つでございます。ちょうど世界的に日本ブームが高まっておりますので、わが国に対する関心が深くなりつつあると聞いております。この機会により多くの外客をわが国に誘致し、大いに外貨収入を上げるとともに、わが国に対する諸外国の認識を深めたいと思っております。それにつきましては海外宣伝強化宿泊施設整備など、いろいろの問題があると聞いておりますので、今後皆様方の御意見を承わり、深く勉強いたしたいと思っております。永野さんが不幸にしてこういうふうになりましたが、お元気の折にもこの件については非常な熱意を持っておられました。ただいまお話がございました通りでありまして、私もよく承わっておったのでありますので、今後私も永野さんに負けない熱意を持ってこのことに当りたいと存じますから、どうぞ御指導をお願いしたいと存じます。
  11. 堀内一雄

    堀内委員 ただいまのお言葉を聞いて非常に安心しておるのでございますが、ことに外貨獲得見地から申しますならば、昨年度の外貨獲得において五億何千万ドルの黒字を作ったというものの、その中の四億くらいのものは御承知の特需に属するものであり、そういったようなことを考えますと、将来の国際収支の上に非常に危惧にたえないのでございます。しかも戦前のように船舶によって、いわゆる貿易外収入ということが困難であり、また一方から申しますれば、雑貨の輸出等におきましても、アメリカ等におきましても同業者があるというようなことから、非常に困難であるのでございますが、この観光事業については非常に前途が明るいのであります。しかるに今日までの経過から仄聞いたしますれば、日本観光に関しては大蔵省を中心とした系統において必ずしも認識が十分でないというふうなことを聞いておるのでございます。そこで日本国際観光振興のために、特に外貨獲得見地からいたしますれば、いわゆる太平洋客船の問題並びに受け入れ態勢ホテル、旅館の整備といったような問題が最も緊急なのでありますが、これがきわめて不十分の状態であります。しかも外貨獲得見地からいたしますれば、ホテル整備、特に地方ホテル整備といったようなことが非常に重要であるにもかかわらず、その建設費が非常に高価であったりその経営赤字経営であったりという点から、非常にこれが進まないのでございます。そこで私どもが考えますのには、国策としてこれが重要であるけれども、採算的にこれが不可能であるということになれば、当然政府において何らかの処置をしなければならぬ。しかるに太平洋客船問問にいたしましても、また宿泊施設の問題にいたしましても、一向に進んでおらないのでございます。永野運輸大臣の非常な努力にもかかわらず、これが依然として進んでおらない折柄大臣が就任されて、今の御声明を聞いて私どもは非常に心強く感ずるのでございます。私は新大臣政治力に期待してぜひともこれを実現してもらいたいと思うのですが、その決意をいま一度お聞かせ願いたいのであります。
  12. 重宗雄三

    重宗国務大臣 申し上げるまでもなく、わが国海運国であります。観光を盛んにする必要があることを考えますと、しろうとではございますが、私も太平洋を渡る客船を日本が持つ必要があると思います。そこでこれからこの実現のために何が必要であるかということを大いに勉強して参りたいと存じます。どうぞ御協力、御指導をお願いしたいと存じております。
  13. 堀内一雄

    堀内委員 次に観光局長にちょっとお伺いしたいのですが、先般できました日本観光協会法について、あの地方組織というものはどんなふうになっておるか、それを一つお伺いします。
  14. 岡本悟

    ○岡本政府委員 日本観光協会が設立されましてまだ日が浅いものでございますから、組織の点につきましては十分成案を得ておりませんが、今のところでは中央の組織は企画部、外国部、内国部、経理部の四部組織にいたしたいというふうに考えております。企画部と申しますのは、総務、調査、そういった仕事でございます。それから外国、内国はそれぞれおわかりのような仕事をするわけでございます。それから経理部は特に経理面において協会の基礎を固めたい、こういうことで考えておるわけであります。
  15. 堀内一雄

    堀内委員 私の聞いておるのはそういうことでありませんので、観光協会法を制定するときに、従来あった全日本観光連盟というものを吸収してあるので、そこでこの全日本観光連盟に相応する組織を地方に作るかどうか、そのことをお伺いしておるのです。
  16. 岡本悟

    ○岡本政府委員 全日本観光連盟に相応するような組織を作るかどうかというお尋ねでございますけれども、過般日本観光協会法案を御審議願いました際にお答え申し上げましたように、この法律では全日本観光連盟が持っておりましたような、たとえば会員の総会というふうなものは、法律ではないけれども、定款面におきまして必ずそういう組織を設けるというふうにお答え申し上げておきましたが、今回運輸大臣が認可しました定款におきましては、会員の全体が発言できる機会を持たせる意味合いにおきまして総会というものを設けております。それでよろしゅうございましょうか。
  17. 堀内一雄

    堀内委員 今、局長の答弁では、まだそういうことが決定してないように承われるのですけれども、現に各地において日本観光協会の支部が結成され、その役員等もみんな選任されておる実情です。そこで私が心配するのは、従来観光連盟並びに国際観光協会等がありました場合におきまして、とかくそれが不振であったということで、今度法律でもってきめて、その協会長は運輸大臣が任命するとか、副会長についても同様なような、非常に強くこの観光事業を推進するようになっておるように思うのですが、そうすると中央の組織におきましても、この地方観光協会長というようなものの人事については、私は従来とよほど違った観点から考えなければいかぬと思う。ところが従来におきましても、都道府県知事がやっておるところ、また民間の人がやっておるところというようなことがある。そこで私は、今度補助金を増加して、そうしてこの事業の推進しようとする場合には、中央の金額が非常に少額であることは残念でありますけれども、これを推進するについては、どうしても都道府県の協力によってこれの受け入れ態勢というものを整備しなければならぬ。そうすると、その協会長には都道府県知事というような人がなっていた方がいいように予算その他の面で考えられる。ところがそれらの問題はどうなっているか、その方針並びに現状等をお伺いしたいと思ったわけです。
  18. 岡本悟

    ○岡本政府委員 どうも御質問の御趣旨がよくつかめなかったものですから、非常にとんちんかんなお答えを申し上げたわけでございますが、ただいまの御質問に対してお答えしたいと思います。実はまだ発足早々でございまして、そういうところまで考えておりません。とりあえずの問題は、運営委員会委員をどういうふうにして選出するかということを考えておるわけですが、これがただいま御質問の問題と関連するかと思うのでございます。つまり運営委員というものが会員を代表いたしまして日本観光協会の業務の運営について発言権を持つわけでございますから、非常に重要な役割を持つわけでございますが、この運営委員を、今おっしゃいましたように、やはり地区代表から選ばなければならぬと私は考えております。この場合に、地区代表というものを都道府県知事にした方がいいのか、あるいは民間の、たとえば従来ございました全日本観光連盟の支部長をやっておられたような方、そういった方々を出すのがいいのか、いろいろ議論のあるところでございまして、よく会員の重立った方々の意向も聞きまして、遺憾なきを期したいと思っております。なおこの支部の問題につきましては、やはり全日本観光連盟と同じように、全国にブロック別に支部を設けまして、その支部の活動を今までよりはるかに活発にやらしたい、こういうふうに考えておりますが、支部をどこに置いて、支部の組織をどうするかというようなことは、まだ考えておりません。
  19. 堀内一雄

    堀内委員 ただいまのお話ですが、もう各地に支部ともいうべきような、各都道府県の観光協会というものはどんどん発足して、それで役員の選任もなにもみんなやっておるのです。だから私はあの協会法のときにも、地方組織というものがあの中に考えられておらないので、そこを心配しておるのですけれども、それを定款できめるというようなことならば、定款でおきめになるのもけっこうだが、私はああいうものは、たとえば政令でもよろしゅうございましょうし、機を逸せずにちゃんと御指示になってやらぬと、ばらばらになってきて、とにかく任期が二年ありますから、あとになってその統一指導というようなことが非常に困難になると思ってお伺いしておるのですが、とにかくその点を一つ注意していただきたいと思う。私は今度の新大臣政治力に大いに期待いたしまして、観光事業発展を望んでおるわけでございます。     …………………………………
  20. 塚原俊郎

    塚原委員長 次に、国鉄播但線の事故について国鉄当局より発言を求められておりますので、これを許します。
  21. 石井昭正

    ○石井説明員 去る四月六日に播但線におきまして列車の脱線事故がございました。これによりまして乗務員二名が死亡したという事故を惹起いたしました。社会をお騒がせいたしましてまことに申しわけないことと思っております。  事故の概要を申し上げますと、発生いたしましたのは当日の四時四十一分でございまして、天候は小雨でございます。播但線のこの列車は、団体の臨時列車のために、まだお客を乗せない前の回送列車でございます。全部で七両配っておりました。C五四 五という機関車を逆向けにつけまして運転をしたものであります。この列車が生野駅を通りました。生野駅は所定の時間より約十四分おくれて参ったのでございますが、停車する予定になっておりましたのに停車をしないで通過しました。従いまして、御承知の通り単線区間でございますので、運転係がホームの南寄りでタブレットを渡そうと思って待っておりましたところが、普通ならば機関助士がタブレットを交換するものを持って列車の窓から首を出しておるという状態でありますのに、そういう姿が見えないのみならず、そのままとまらずに通過してしまったのであります。運転係が非常にびっくりいたしまして機関車の中をのぞいたところが、機関士及び機関助士等も姿が見えなかった。これは大へんなことであるというので、直ちに次のタブレットを交換する寺前駅に列車をとめなければならぬという通報をいたしたのであります。ところがその列車は非常に速度を増しましてついに脱線をいたしました。真名谷というところまで下り勾配を走って参りまして、そこで小さな曲線、約半径二百六十二メートルのカーブを通過するときに外側に浮き上って脱線いたしました。それで隧道の入口にぶつかって脱線転覆いたしました。そのために機関士、機関助士とも死亡いたしております。そういうような事故でございまして、原因につきましては、その後乗務員の死体解剖等も行なって医学的判断にも努めておりますが、まだ的確な報告を受けておらないのであります。一応当時の事情といたしまして私どもが推測いたしておりますのは、この生野駅にかかる前に生野隧道と申すトンネルがございます。それが上り勾配で約六百十四メートルの長さでございます。そこを通ります際に、これは車掌の証言でございますが、その手前で機関車の蒸気が上らぬために一たん停車をいたしました。そこで非常に石炭をくべまして、さらにこれが生野駅に所定よりも十四分おくれて参った大きな原因であろうかと思いますが、その結果、石炭を急にたきましたために、トンネルの中に入りましたとき非常に黒煙が出た、たまたま当時の風向きが風速三メートル程度の追い風でございましたので、本来ならばバツク運転でありますから煙はあまり向うへ参らないのでありますが、その風のために隧道内に一ぱいになったために、おそらく一酸化炭素による窒息、失心が行われたのではないか、従いましてそのために、列車はトンネルを出まして、上り勾配を上り切り、さらに生野駅の手前から下り勾配になりますときに、もうすでに乗務員は二人とも仮死状態にあったために停車手配もできず、そのまま下り勾配を下って参りまして、非常な加速がつきまして、そのために脱線転覆した、かように一応推定をいたしておる次第でございます。まことに不測の事故でございまして、はなはだ申しわけないのみならず、職員の中から殉職者を出しまして、まことに遺憾にたえないと存じております。  この事故にかんがみまして、私どもといたしましては、もちろん抜本的対策といたしましては、動力を近代化いたしまして、ディーゼル動車、あるいはディーゼル機関車というようなものでやるという方向へ進むことがぜひ必要でございます。またこのトンネルが、私鉄から買収したトンネルでございまして、ほかのトンネルに比較いたしますとスケールがいささか小さいという点もございますので、トンネルの改良も考えなければならぬと思いまするが、特に近代化の方を推進して参りますれば、一応差しつかえないのではないかと存じております。しかしこれは抜本的な対策でございますので、とりあえずの緊急対策といたしましては、乗務員に対しまして十分な指導をいたしますとともに、防護マスクを着用させることも手配をいたしております。また機関車に集煙装置——これは北陸線の敦賀付近において、トンネルの非常に多いところで装置いたしまして、相当の効果を上げております。——集煙装置及び換気装置を設備するようにすでに指示をいたしまして、なおその前の暫定指置といたしましては、もう少し煙の出ない、いい石炭を使う、これは当時使っておりました石炭は普通使用いたす練炭でございますが、しかしながらこういうような事故がございましたので、さらにこれを程度を高めまして、特急等の使っております甲種練炭を使うように手配をいたしております。またこの区間の牽引定数につきましても、福知山の管理局ではこの牽引定数を改正いたしまして、従来よりも牽引定数を、ある場合には減らしてやるというような手配を講じておる次第であります。何とぞ御了承願いたいと存じます。
  22. 久保三郎

    ○久保委員 詳細な報告が来てないというが、この前私は七日に質問してあるのですから、詳細な報告がなぜ来ていないのですか。  それからもう一つ、さしあたりの対策を講じたというようなお話ですが、機関車は変えたのですか。C五四 五が入るような線路かどうか、これを伺いたい。
  23. 石井昭正

    ○石井説明員 詳細な報告が来ていないということを申しましたのは、医学的な判断を直ちに断定するだけの調査がまだできていないということでございます。これは二十四日にも確かめましたところ、やはりそういうような御返事をいただいたのであります。これは非公式でありますが、いろいろ調査の結果、六月ころにならなければ確定した御返事が出せないだろうというような御連絡をいただいておるわけであります。  それから機関車につきましては、私どもはただいまのところC五四 五の配置を変えておりませんので、先ほど申しましたような措置でやって参りたいと思います。
  24. 久保三郎

    ○久保委員 詳細な報告が来ておらなくとも、そのトンネルを通過する機関車、あるいは燃料、そういうものははっきりしておると思います。これに対してはとりあえずマスクをつけるとかなんとか言っておりますが、そういうマスクについても、ちょっとこの間週刊誌を見れば、どうも不完全のようである。もう少し具体的な対策が二十日以上たって立てられないというのはおかしいと思います。これはここだけでなくほかにもあると思います。そういう問題について国鉄総裁は、この前はおいでにならなかったのですが、少し反省をしていただきたい。あなたは口を開けば国鉄を愛す、国鉄の従業員を愛すと言うが、言葉だけではないのです。行動に現わさなければだめです。私は国鉄を愛す、従業員を愛すと言っても、ほんとうにお客がたくさん乗っていてこういう事故があったらあなたの責任問題でしょう。あなたの部下が二人死んで責めを負っていったようなものです。あなたははっきり反省しりなさい。
  25. 十河信二

    ○十河説明員 十分に反省をして今対策を練っております。でき得る限りの処置を講じたいと考えております。     —————————————
  26. 塚原俊郎

    塚原委員長 次に、国鉄経営、特に志免鉱業所の問題について調査を行います。  質疑の通告がありますので、これを許します。勝間田君。
  27. 勝間田清一

    ○勝間田委員 ここで前運輸大臣重宗大臣にかわられましたし、また重要な志免の払い下げ問正題等についての労使ともどもの対立が実はございますので、まず新大臣に対してお伺いをしておきたいと思うのであります。  御案内の通り、会期は余すところ数日になりまして、しかもこの国会は、御案内の通りに予算が審議された国会であります。従って永野運輸大臣が今日までこの国会で答弁したことが、この段階になって新大臣によってまた別の方針がとられるということになりますと、これは大へんなことになると思うのであります。しかも現在の責任内閣制をとっておる立場から申しますならば、当然永野運輸大臣のとっておった政策が踏襲をされて、そうしてここにあなたの引き継ぎが行われていくのが常態ではないかと私は考えております。永野運輸大臣が今国会においてとった答弁あるいは方策、それを新運輸大臣は必ず踏襲されていくものと考えるけれども、あなたはどうお考えになっていらっしゃるか、それをお尋ねいたしたいと思います。
  28. 重宗雄三

    重宗国務大臣 お答え申し上げます。永野運輸大臣が今まで熱心にやっておりましたと考えますその永野運輸大臣の行政を、私も継続して参りたいと考えております。
  29. 勝間田清一

    ○勝間田委員 その態度は当然であろうかと思いますが、そのことは同時に志免炭鉱問題に対する態度も同様であると考えてよろしゅうございますか。
  30. 重宗雄三

    重宗国務大臣 その通りでございます。
  31. 勝間田清一

    ○勝間田委員 今日まで永野運輸大臣と志免炭鉱問題についてのお話し合いをいたして参りましたが、永野運輸大臣は、日本社会党の志免対策特別委員会のわれわれとの間において、十分なる意見の交換をしていきたい、社会党の方で計画なりあるいは調査なりがもしあるならば、そうしたものも十分検討させていただこう、同時に政府の方の調査なりあるいは計画なり、委員会の答申案なりというものができた場合においては十分一つ皆さんに御説明をいたして、双方で理解ある解決の道を開いていきたい、こういう態度を終始友好的にとられて参ったわけでありますが、この考え方は新大臣も踏襲をされて参りましょうか、いかがでしょうか、お伺いをいたしたい。
  32. 重宗雄三

    重宗国務大臣 ただいまのお話も先ほど申しました通り踏襲することにいたします。ただ総合開発についてはまたほかの考え方をもって今検討中でございます。
  33. 勝間田清一

    ○勝間田委員 何も総合開発の話を今聞いておるわけじゃございません。われわれとの友好的な話し合いを通じて解決していくかどうかということについての御質問をいたしておるわけであります。永野運輸大臣志免鉱業所の問題について非常な慎重な態度をとられて参ったことは私は実はきわめて敬意を表しておるわけであります。従って、一月十日の国鉄総裁からの志免鉱業所払い下げに対する申請に対しての回答におきましても、競争入札をするということが一つの条件になっている。同時に、労働組合との円満な妥結ということが強く要望をされておるのであります。この態度は同時に最終的には形式的には国鉄法四十五条の手続がとられるべきものである、こういう実は構成になっておるのであります。この競争入札の問題なりあるいはまたこの労働関係者との間における円満な妥結ということが強く要望をされる。これは一つの強い要望ではあるけれども、その当時におきましてはこれは条件に近いものである。すなわち停止条件かまたは解除条件に近いものである、そういう思想でこれをやっていきたいと思う、この条件がほんとうに妥結しない場合においては、四十五条による認可というものも私はやる意思はないという明言をされておるのでありますが、この態度に対してあなたはどういうお考えをとってこれを行われていくか。当然この考え方は踏襲されるものと思うが、いかがでありますか。
  34. 重宗雄三

    重宗国務大臣 ただいまのお話、当然尊重すべきことでありまして、円満な措置を非常に強く要望するという永野運輸大臣のお考えはまことに私はとうといお話であると思います。これが条件ではないでありましょう、四十五条があとで解決する問題でございましょうが、私もこの点は強く要望いたしまして、国鉄が円満な解決をはかることを期待しておる次第でございます。
  35. 勝間田清一

    ○勝間田委員 いわゆる法律的な意味における条件ではないかもしらぬが、強く要望されておる点についてはあなたも同様の態度をとっていきたいということでありますから、この条件が円満な妥結を見ない条件のもとにおいては払い下げの四十五条の認定はなされない、こういうことを私は考えてよろしいと思うのでありますが、これも永野運輸大臣のわれわれに対する明確な答弁になっておるわけでありますから、さように理解してよろしゅうございましょうか。
  36. 重宗雄三

    重宗国務大臣 その通りでございます。
  37. 勝間田清一

    ○勝間田委員 十河総裁にお尋ねをいたしておきたいと思うのでありますが、最近あなたは現地にいろいろの出先機関を作って、処罰をしたりあるいはまた配置転換の指示を出したり、盛んに切りくずしの工作をやっていらっしゃるようで、特に円満な妥結ということが今運輸大臣の言われた通り、これが行われなければ四十五条の認定はやらないということまで明言をされておる強い条件でありますが、そういう労働問題に対する円満な妥結の努力もせずに、あなたがここで処罰なりそういう事態をやっていこうとされる強硬な態度というものは、私はあなたの年に似合わないやり方たと思うのであります。あなたはこうした労働者の身分に関係する問題また主管大臣である大臣から求められたこういう問題についての、円満な妥結について何ら努力をしていないじゃないですか。それをどうして今日こうした強硬手段をとって売山を強行されようとするのか私にはわからない。お年も相当召されているようですから、一つもっと常識ある態度をとっていただきたいと思うのでありますが、いかがでありますか。
  38. 十河信二

    ○十河説明員 私は円満なる妥結をしたいと考えまして、労働組合にたびたび話し合いをしようじゃないか、団交をしようじゃ、ないかということな申し込んだのでありますが、なかなか団交をするところまで参りません。それで国鉄の仕事を進めていきます上に人が要るから、国鉄にいつまでもいたいというような人がもしあれば、そういう人をこの際、こちらの方へ転換希望者があれば、希望者を配置転換をさせたい。そういうことをすることが、労働組合との話し合いを円満に進めるゆえんになる、こう考えまして、そういうことをやったのであります。また処罰いたしましたのは、たびたびこういうことでいろいろの騒ぎを起されては困る、政府方針もすでに決定をして払い下げをするということになったのだから、その払い下げ反対ということで騒動を起されては困るということをたびたび注意をいたしました。遺憾ながらその注意が行き届かなかったか、十分に理解せられなかったか知りませんが、何度注意しても法律違反のことがとまらないということで、これもそういう法律違反のことをそのままにしておくことは私の職責としてよろしくない、こう考えまして、法律によって処分を断行いたした次第でありまして、これは決して円満妥結を妨げるものでなく、むしろ法律に違反しないように円満に妥結をするようにという方向に向う一つのきっかけになる、こう考える次第であります。どういうふうななにになりましても、とにかく法律違反は認められない、法律違反をやられたのでは円満な妥結はできない、こう考えましたから、法律違反のはなはだしい者に対しては処分をいたした次第であります。
  39. 勝間田清一

    ○勝間田委員 これはまことに不思議な行為だと私は思う。基本的に、売山をする場合に、いわゆる経営者側、資本家側だけの都合によって労働者の身分に関するような問題にまで影響を及ぼすことを一方的に強行するということ自体が私は妥当でないと思う。これは常識上当然私はそうだと思う。あなたは売山をすでに政府が決定したからそれを行うという前提に立って労働組合に当られておるから、あなたは労働組合の要請に対してそうした処分を実は行なっていくという形をとっている。そうでなしに、やはり売山そのものについての十分な労働組合との話し合いができるかできないかを話し合うことが前提ではないか、自分のきめたことが先決条件であって、あとは労働条件だけの問題だ、こういう判断の仕方というものは非常な間違いではないか、だからこそ今度の一月十日の運輸大臣の回答には強く要望せられて、初めてああした売山という一つ方針なら方針が内示されたという形を実はとっておるわけであります。これはわれわれが永野運輸大臣と話し合いを続けたところが、解除条件あるいは停止条件に近い条件である、こうわれわれに明答を与えておるのであります。これは何回ともなくわれわれに答えておるわけであります。この条件ができなければ売山そのものはできないのだ、四十五条の最後の確定もできないのだということをはっきり示してあるんだし、また重宗大臣もそれを認めておるわけなのです。そうした既定方針を強行する残余の問題については、刑事事件だから処罰するという考え方については断然あなたの行き過ぎだと考えておる。こういう態度は私は許すべからざる態度だと思う。これは新大臣いかがでございますか。
  40. 重宗雄三

    重宗国務大臣 これは大臣としての意見より国鉄の総裁の権限でございまするので、私が言うことは不適当じゃないかと思います。
  41. 勝間田清一

    ○勝間田委員 大臣、それはおかしな話ですね。あなたは監督官庁じゃございませんか。そういう逃げる言葉の態度であなたがこれから終始されるというならば、それは非常な間違いです。お考え直しなすったらいかがですか。もう一ぺん御答弁願います。
  42. 重宗雄三

    重宗国務大臣 違法行為を処罰することは当然だと考えております。
  43. 勝間田清一

    ○勝間田委員 それならば私は信義に関する問題でありますけれども申し上げておきます。永野運輸大臣から、河野正君と私とがわざわざ政府委員室に呼び出しを受けまして、そうして実はこの志免問題に対する対策についてはかくかくに考えておる——この問題はまた後ほど話しますが、従って国会におけるこの審議はしばらく待っていただきたい、勝間田さんによってどうか一つ国会の審議を押えてもらいたい、こういう依頼がございました。そこで私は、そうならば、現地におけるこの状態をこのまま続けるといろいろ刑事事件その他の事件が起るおそれがあるので、この問題については私は非常に心配しておるが、一体どうだ、こう聞きましたら、永野運輸大臣は、処罰については私が責任をもってこれを押えます、だからこの際はしばらく国会における追及を待ってもらいたい。——これが永野運輸大臣の私と河野氏に対するお願いであることを、明確に私はきょう申し上げておきます。われわれはそういう実は信義ある態度をとってきたが、今日になって大臣がかわったから前大臣の勝手だ、おれはその責任はないというなら別個の問題であります。われわれは信義をもって今日まで慎重な態度をもって解決に努力してきたわけであります。しかし、それは国鉄当局の勝手にやったことだからどうだということは言語道断だと思う。大臣はどうですか。私は新大臣の信義を重んじなければこういう話はできません。あなたはどう考えられますか。
  44. 重宗雄三

    重宗国務大臣 信義という点は当然考えなければならぬことでありますし、またそうあらねばならぬと思いますが、私もまだ就任早々でありまして、前運輸大臣が不幸にして病気をされまして、まだ引き継いでおりませんから——私自身この問題は、もちろん永野さんのときの問題であるから今私は知らぬというのではなくて、考えられる問題であろうと存じます。いまだにまだよくお会いできないということはまことに残念に考えて、答弁にあやふやな点を残すことを非常に残念に思う次第であります。
  45. 勝間田清一

    ○勝間田委員 前運輸大臣が御病気であることはなんでありますが、決してお話ができないという程度の問題ではない。私も病後にお自にかかっておるわけであります。あなたは前運輸大臣から志免問題に対する何らかの引き継ぎを受けましたか、お尋ねいたします。
  46. 重宗雄三

    重宗国務大臣 会っておりませんので何にも引き継いでおりません。     〔「そんな無責任な態度があるか」「引き継ぎを受けないとは何だ、無責任きわまるじゃないか」と呼び、その他発言する者あり〕
  47. 塚原俊郎

    塚原委員長 御静粛に願います。
  48. 重宗雄三

    重宗国務大臣 面会謝絶をしておられるようであります。従いまして……。     〔「何のために委員会を開いていると思うんだ」と呼び、その他発言する者あり〕
  49. 塚原俊郎

    塚原委員長 御静粛に願います。
  50. 勝間田清一

    ○勝間田委員 わかりました。私はここで新運輸大臣に別に食いつこうと考えておるわけではありません。やはりあなたも紳士でありますから私も真剣にお尋ねをしておるわけであります。あなたはまだ旧大臣と引き継ぎをされておらないということをここではっきりされました。そこでこの志免の問題は、前運輸大臣と国会を通じ、国会外を通じ、信義をもってお互いに十分に話し合ってきた経過を持っておるのであります。従って旧運輸大臣とあなたと十分な事務引き継ぎが行われたその後でなければ、志免問題の処理はなさらないというのが妥当であると私は考える。従って今いろいろなことが何か強行されようとしておるようでありますが、永野運輸大臣と事務引き継ぎをやった後でなければ自分の考えは述べられないというのが正当であると思いますが、いかがでありますか。
  51. 重宗雄三

    重宗国務大臣 なるべく一日も早く面会してお話し合いをしたい、こう考えております。ただいま仰せられた通りであります。
  52. 勝間田清一

    ○勝間田委員 十河さんにお尋ねいたしますが、今、運輸大臣は前大臣との引き継ぎができていないということであります。どうか志免問題の処理はしばらく待っていただきたいと思います。これは当然のことであると思います。よろしゅうございますね。
  53. 十河信二

    ○十河説明員 私は前大臣から承認の指令をもらっております。その指令に従って準備は進めます。最後は法律四十五条に従って大臣の認可を受ける手続をとります。
  54. 勝間田清一

    ○勝間田委員 今準備を進めるということを言われておりましたが、先ほどの問題に返る通りに、幾多の強い要望なりまた条件に近いような要望がなされておるのだから、この問題の処理ができない限り、四十五条の認可はできないものと実は考えております。その点は当然そうだろうと思いますが、あなたもそう考えていらっしゃいましょうか。
  55. 十河信二

    ○十河説明員 それは運輸大臣のお考えによってすることで、監督を受ける私のかれこれ言うべき筋合いではないと考えております。
  56. 勝間田清一

    ○勝間田委員 そうではなしに、あなたもその文書は回答書によって読まれたわけですから、その回答書の趣旨というものはあなたは当然ここで受け継がるべき問題だ、当然指令された問題だと私は考えておるのであります。だから労使との円満な解決がない限り、四十五条の認可はあり得ないと考えてあなたは当然事に当っていくべきであって、その心がまえがあなたは当然要求されておると私は思う。この監督官庁、通輸大臣の強い要望というものに対してはあなたは責任を感ずる立場にあると思う。その点たけは明確にしておいていただきたい。  そこで、永野運輸大臣との事務の引き継ぎができておらないから、これは早急にとって、その後でなければ処置はしないということを明らかにされておるわけでありますから、そこで私は重要問題について二、三の点を一つお尋ねしてみたいと思う。これも永野運輸大臣と事務引き継ぎを行われる際にぜひ新運輸大臣から十分意見を聞いておいてもらいたい。すなわち、一月の十日に十河総裁のところにかような回答を出したが、結局これはうまくいかないと思う、競争入札もおそらく困難であろう、労働問題の解決も困難であろう、従ってこれは別途の方法を私は考えております、すなわち、それは特殊法人または公団、公社のような組織でこれを運営するのが正しいと実は考えております、私はそのためならば永野はやめてもこの仕事をやりたいくらいにさえ考えております、またこれは社会党も当然了承されてよろしいものだと私は思います。社会党の思想から見ても妥当だと実は思われます、従ってあなたの方もぜひ研究をしていただき、このための特殊立法を出す場合においては、社会党もこれをよく了承をして協力してもらいたいと思う、こういうお話がございました。しかし、それならば今それをおやりになったらどうですか、それでいいんですかという話をしましたところが、十河総裁がどうも片意地でこれをなかなかやろうとせぬ、そこで十河君にやがてやめてもらいたいと思う、そうしてこの問題は特殊法人で私はやっていきたいと実は考えておる。そこで私は、労使双方の円満な妥結をはかるために、そういう特殊法人でいくというよりも、むしろ現在の国鉄の外局の中にそういうものを作って、外局でもっと能率的に運営できる方法をお考えになったらいかがですか、そうすれば身分にも関係なく、あなたの考えておる事務の能率的な運営ということも達成されるでありましょう、でありまするから、この方法をおとりになったらいかがですか、ということをお話しましたらば、それも研究をしましょう。しかしまた後に呼び出しを受けたり訪問をいたしましたりした結果は、結局これは永野運輸大臣熱意に動かされて、それならば社会党も特殊法人の法律案に協力しましょう、そうしてここで労使円満な妥結をはかりましょう、ということで実は円満妥結をしていくという形に了承がなっておるのであります。しかもおやめになる直後におきまして私のところに電話がありまして、あなたに前もって了承を得ずに辞任したことはきわめて残念です、しかし私のこの理想は変りはございません、ということが前任大臣としてのお話でございました。おやめになる前任大臣がこれほどまでに心を砕いていかれた形というものは、まことに貴重なものがあろうと私は思います。去る者が考えていくことは、やはり純真なものを私は考えていっておると実は考えておるのであります。私は今日そういうことを考えておるときに、重宗運輸大臣によって永野前任大臣の考えておった理想、私どもに約束しておった理想というものがお互いに双方の協力でできることが一番望ましいと考えておるのであります。従ってこの問題については、ぜひ前任大臣からよく事務引き継ぎを受けて、その上でさらにこれを検討し、しかる後に十分われわれにもお話し合いを願い、そうして志免問題の解決をはかっていくということが最も妥当な、公正な立場ではないだろうか、かように私は考えておるのであります。従ってここで一つ大臣の正しい謙虚な態度をお聞かせ願いたいと思う。
  57. 重宗雄三

    重宗国務大臣 まことに私自身もその通りだと考えておりますから、永野さんにお会いをいたしまして、とくとその点も研究し、教えてももらおうと存じております。
  58. 勝間田清一

    ○勝間田委員 前の方をちょっと御質問いたしますが、その通りということは、どういう通りなのですか。
  59. 重宗雄三

    重宗国務大臣 日本の国のためにもやはり一緒にやっていかなければならないわけであります。そういう点におきましてあなたのおっしゃる通りだと申し上げたのであります。
  60. 勝間田清一

    ○勝間田委員 それは非常にけっこうでありますから、さように了承いたしますが、よろしいですか。
  61. 重宗雄三

    重宗国務大臣 とにかく一日も早く永野君にお会いして善処したい、こう考えております。
  62. 勝間田清一

    ○勝間田委員 それから、これは十河さんのいる前で恐縮でありますけれども、私も実は十河さんを尊敬している一人であります。ただし今度の総裁後任問題というものを考えてみまして、私は非常に不愉快なものを実は感ずるのであります。新聞等を見ますと、どうも経済同友会あたりから強い留任の言がなされたということを私は聞くのであります。永野さんはどういうお考えかは存じませんが、とにかく新しい構想をお持ちになっておったことは事実のようであります。しかし経済同友会あたりから強力な要請があってどうも後任総裁の留任か非留任かがきまりそうだというように新聞が伝える。私はあなたが留任するか留任しないかは別問題でありまして、実は経済同友会あたりがこういうことを言ってくること自体が売山問題の性格から見てはなはだ妥当ではないと思う。売山を強行せんとする十河さんに、三井、三菱、住友の売山を受けようとするもののその主導権を握っている経済同友会から、こういう強硬な次期総裁についての圧力をかけてくるということはきわめて不見識な話である。そういうことは私は政治の常道から見て許されないと思う。ましてや売出を今日こうして十河さんが強行されようというときに、売山を強行される十河さんを、売山を受ける、入札をされる側の圧力で就任させるということになったら私は言語道断だと思う。私はむしろ実行されるのならば、十河さんは職をやめて売山をされたらいいと思う。とにかくこの売山問題がこうした人事にまで介入してくるということは政治上きわめて不見識でありますから、この点については一つ大臣に私の方から強く要請いたしておきます。これはあなたの人事に関する問題ですから答弁を聞く必要はありません。  もう一つ、私は重要な問題だと思うのですけれども、実は私もあの炭鉱にも再々行って、何千尺の下へ入って見て参りました。まことにしろうとではありますけれども、見て参りました。しかし私は、現在のあの鉱区をもってしましても、十分に四十四、五万トンの年産を相当年月続けることはできると確信をいたしておるのであります。同時に、粕屋炭田一帯の総合開発をこの際考えていくということが、資源の必要上からも、あるいは日本の石炭政策の上からいっても絶対の必要条件だろうと私は考えておるのであります。この問題については前運輸大臣も、総合開発という点については完全に意見が一致しておる。同時に、私は大蔵大臣にこの点を御質問いたしたのでありますが、総合開発という点については、完全にこれも意見が一致しておる。その点は社会党も自民党も政府も一致をいたしておるところであります。この考え方は妥当だと私は考えておるのでありますが、あなたはこれについてどういう考え方を持っていらっしゃいますか、お尋ねしたい。
  63. 重宗雄三

    重宗国務大臣 志免地区の総合開発を行うことが必要であることは御意見の通りでございまして、この件につきましては、私自身も幹部の人たちとも相談をいたし、意見も聞いてみたのでありますが、国鉄としては輸送力整備拡充のために資金が今後数年間全く余裕がないという状態でありまして、新たに資金を投下して志免地区の総合開発を国鉄が積極的に行うことは不適当だ、そういうふうに私はこの点については考えておる次第であります。
  64. 勝間田清一

    ○勝間田委員 そこで、総合開発が必要であるということについては完全に意見が一致しておる。ところが、実際にあの鉱区の問題を考えてみますと、三菱の鉱区がどうしてもそれに加わってこなければ総合開発はできない。同時に、三菱の側からは掘れていかないので、志免の側から掘っていくのが妥当であることは言うまでもない。また粕屋炭田の総合開発をしていく上においては、結局あそこに何本かの縦坑を掘って、志免の縦坑を中心として粕屋炭田一帯の総合開発計画を立てていくことがきわめて妥当であると私は考えておるのでございます。ところが、その面から考えていきますと、住友、三井というのは関係がないのであります。当初において十河さんは、三菱にこれを売山するのが妥当だと考えておられたやに聞いております。間違いならば十河さんにお尋ねしたい。私はあの総合開発計画と三会社競争入札ということとは矛盾する考え方だ、それは筋の通らない考え方だと実は思っておる。もしこれに筋を通すならば、いわゆる政府出資なり、その他の特殊法人の方式でやるか、もう三菱に最初にやってしまうという考え方か、そのいずれかが筋の通る話だと思う。ここをごまかして、さんざん競争入札であるかのごとくにこれを装って、三井、住友との間において談合を行わしめ、出炭された石炭を三井に配炭させるとか、やれ住友に何をさせるとか、そういう裏面の談合を奨励するようなごまかしのやり方をとって、これが競争入札だというようなごまかしをやっていくということは、私はまことに遺憾、不明朗なやり方だと実は考えておる。私はこの際に、やるならば三菱にやるか、しからずんば総合開発によって政府においてこれを行うか以外にはないと思うのであります。それをこういう形でやるが、私は三菱にこれをやらせるということについては反対であります。これは三菱によって独占されるべきものでは絶対ないので、でありますから、特殊法人によってそれらの地域も含めた総合開発を行うのが当りまえであります。だから、総合開発の見地に立つならば、私はどうしてもこの三社の競争入札というのはごまかしである。それからそれを筋を通すためには、当然特殊法人でやらなければならない、こう考えるのでありますが、これについて、十河さんは、一体最初は何を考えていらっしゃったのですか。やはり三菱なんですか。今度も結局ごまかして三菱に持っていくんじゃないですか。十河さんのお考えを聞きたい。
  65. 十河信二

    ○十河説明員 私は絶対にごまかしはいたす考えは持っておりません。粕屋炭田の総合開発を三菱がやることが至当だという勝間田さんの御意見と同じ御意見を私のところに言ってきた人はたくさんおります。私もそうかなと思っております。三菱が一番いいんじゃないか、しかしながら、国鉄の財産は国民の財産だから、皆さんから疑惑を受けないようにすることも必要だ、三井なり住友なりなれば、経験もありますし、いろいろななにがありますから、総合開発もできるじゃないか、絶対に不可能ということはありません。三菱が一番総合開発をしやすいということは、御意見の通りだと私も思います。しかしながら、三井、住友は絶対不可能かというと、そうもいえないと思います。だから、なるべく皆さんから疑惑を受けないような方法をとることも必要じゃないか、こう考えまして、運輸大臣の指令が三社の指名競争入札によれということでありますから、私はその指令に従って今手続を進めておる次第であります。
  66. 勝間田清一

    ○勝間田委員 私は三菱に払い下げることがいいと言っているわけではないのです。総合開発をしなければならぬということがあるならば、結局あれは三菱の鉱区をも含めてやっていかなければならぬのだから、そういうことをやっていくと、結局やはり三菱に持っていこうとする一つのカムフラージュにすぎないじゃないかということを申し上げておるのであります。結局は、売山は、最後は三菱に持っていくための、国民をごまかす一つの手段じゃないか、私はそう思う。最も公明にやるならば、これは当然政府がやるべきです。その点私はまことに遺憾にたえない。一体住友で総合開発はできますか、三井でできますか、この点を一つ大臣に聞きたい。
  67. 重宗雄三

    重宗国務大臣 こうした技術的の問題は、国鉄総裁が御答弁なさるが至当だと思います。
  68. 勝間田清一

    ○勝間田委員 それでは一つ総裁にお尋ねいたします。
  69. 十河信二

    ○十河説明員 先刻申し上げましたように、粕屋炭田の総合開発は三菱がやることが一番やりやすいという御意見は非常に強いのです。私もそう思います。しかしながら、さっき申し上げましたように、なるべく疑惑を受けないように、国鉄の財産をなるべく高く売れるようにということが指名競争入札の趣旨であると思います。運輸大臣から指名競争入札によれという御命令でありますから、私はこれは不可能じゃないんだ、困難ではあるけれども不可能じゃないんだ、だから、その困難を排して——せっかく今努力いたしておるところであります。
  70. 勝間田清一

    ○勝間田委員 不可能ではないという答弁をされておること自体が私は問題だと思うのです。そういうことで一体住友や三井を入れていって、結局はその背後には何が行われているのですか。私も某会社からその話を聞きました。非常な痛烈な話を聞きましたが、結局は談合じゃないですか。志免の石炭を三井に売らせるとか何をするとかいう談合の問題じゃないですか。結局あなたは競争入札をこういう形でやらせるが、談合されて三菱に持っていくということじゃないですか。そんなばかな話でこの国の財産を処理されてどうします。あなたがほんとうに正直に言うならば、民間にやらせるなら三菱だ、さもなかったらこれは国でやるんだ、私は二つに一つだと思う。だけれどもここで競争入札という形をとれと政府がいったわけだからあなたはやろうとされておるけれども、事実を明らかにしなさい、しかしそれは今申しましたように談合を奨励することであって、結局は国民の財産に非常な損害を与えていくのであります。でありますから、こんな不明朗な売山問題をこの際にやるべきでないというのが私の主張である。でありますから総合開発に重点があるならば、総合開発の観点からやるべきだ。それを一民間会社でやるなんという、競争入札でごまかすというやり方は絶対にやるべきでないと思います。この点は一つ運輸大臣はしっかり勉強していただきたいと思う。十河さんに引きずり回されないように一つ注意願いたいと思う。これは一つ監督大臣たる資格を十分発揮してもらいたいと実は思うのです。  それでもう一つ、やはりこれとからんでいる問題だけれども、私はこの埋蔵量なり出炭可能量という問題については——八百万トンなんというものは明らかにでたらめです。青山調査委員会の案というものは、私は見てはいないけれども、伝え聞くところによると、まことにでたらめなものであります。私は、今日まで運輸大臣が青山調査委員会の答申したもの、記録一切を私たちに見せていただくことになっておりますが、この際に公表していた、だくことを一つ提案いたします。いかがですか。
  71. 重宗雄三

    重宗国務大臣 その青山委員会国鉄委員会でございますので……。
  72. 十河信二

    ○十河説明員 青山委員会は絶対に信頼のできる委員会だと私は思っております。今でたらめだというお話がありましたが、それはどうも少し酷評じゃないか。そんなものじゃないと思います。現地の調査ということも、昨日も参議院で決議されたのですが、現地調査をしようという意見がたびたび出たのですけれども、労働組合が払い下げに絶対反対だというので、どうもちょっと現地調査が困難だ、現地調査を今しなくても過去においてたびたび現地を見ておる、その後の状況を現地の技術者から聞けば十分にわかるということで、たびたび現地の技術者を呼びまして、経験のある、権威のある専門家が検討した結果、八百万トンということになったのでありまして、私はその結論は今でも正しいものと信じております。これを正しくないということは、これはどうも、まあ意見の相違でありまして、そこは実収率とかいうものを六〇%にするか、八〇%にするかということの意見の相違じゃないかと思います。
  73. 勝間田清一

    ○勝間田委員 まず青山調査委員会は一度も現地に行って調査をしたことはないのであります。しかも聞くところによると、八百万トンというような、まことに非常識な案を実は出しておるわけであります。たまたま今回現地の鉱業所の所長、あるいは労働組合の諸君が共同声明を出したといわれるけれども、こういうものが出る、出ないいかんにかかわらず、これは自明の事実なんです。それは私も鉱業所に行って技術者の連中に聞きましたけれども、それは八百万と見る青山調査委員会の結果というものはもう憤慨に値する、公けの憤りを感ずる、これが今日の一致した見解であります。こういう非常識な八百万トンの出炭可能量という形であなたがこれから売山の問題を扱っていこうとするならば、国の財産を著しく損傷させるものだと私は思う。これこそ国民をごまかすものだと思う。でありますから、一面において競争入札の形をとり、結局は三菱に持っていく。しかも青山調査委員会の関係は八百万トン程度しかない、こんなつまらぬ石炭山だ、こういう考え方を持っている。しかもあなたはどこまで、どういう低品位炭を使うか、使わぬかというような問題をペンディングにされて答弁をされておるようだけれども、御案内のように川崎の電力用の石炭は、貝島炭鉱から買っておるじゃないか。貝島炭鉱から買うくらいなら、なぜ志免から買わないのです。そういうことを私は総合的に考えて、八百万トンある、これしかないんだという考え方でその調査委員会が権威がある、しかもまだ現地に行って見てない、こういう形でこの売山が扱われておることはまことに遺憾であります。なぜもっと明確に、明朗にやらないのか。私は、だからこの際に、重宗運輸大臣に、こういうでたらめなことでたらめなことでこの際これを続けていくことは国のためになりません、あなたの再考を促します。御答弁をお願いいたします。
  74. 重宗雄三

    重宗国務大臣 承わるところによりますると、青山委員会と申しますか、当然行かれるべき筋合いのものでありますが、何といっても労組の関係が御反対であるために、行けないのである。そこにいろいろな問題の起きておるところであるから、今非常に足踏みしておる状態であると思います。昨日参議院において決議されましたことを見ますると、そういう点も考えられまして、今後そういう調査に参りましたときには、どうぞそれを円満によく調ベさしてやるというふうにしていただきますことをお願いしてやまないのであります。そういったような、そとから技術的また学問的にはいながらできるということだけでは、もうこの事態はよくならない。こうした疑惑が起きた問題は、もっとフェアに、みんなが納得するような方法で見に行くべきであるということは当然だと考えております。再調査していただくように国鉄総裁ともよく相談したいと考えております。
  75. 勝間田清一

    ○勝間田委員 さすがは新運輸大臣常識豊かな方で、私も敬服いたすわけでありますが、青山調査委員会が現地調査をする、同時に、やはりその意味から申しまして再検討を実はしてもらいたい。この八百万トンとか、こういう非常識な数字を出されておったのではとてもいけないと思う。同時に、運輸大臣が盛んに現地に行って——私も山の中に入ってみなければ最後の結論を出しませんと実は言っておったのでありますが、一つ私も歓迎しますから、山にお出かけになるということをお約束願えませんか。
  76. 重宗雄三

    重宗国務大臣 はい。
  77. 勝間田清一

    ○勝間田委員 そこで、それならば、青山調査委員会の再調査なり現地調査をする、それから同時に、運輸大臣も現地に行ってみて調べてもらう、こういうでたらめな数字でなく、やはりきのうの決議にある通りに慎重にこの問題を扱うという国会の立場を堅持してもらいたい。これはよろしゅうございますか。
  78. 重宗雄三

    重宗国務大臣 そちらへ運輸大臣が参るということについては、まだはっきり申し上げられませんが、そのとき非常によい都合がありましたら、ぜひ参りたいとは存じております。大体山を見ても、中へ入りましても、私にはそういうことはわからないと思います。ただ雰囲気を見たいと考えておる次第であります。
  79. 勝間田清一

    ○勝間田委員 こういうときには現地の話をお聞きになられて、同時に私も前鉱業所長、前々鉱業所長、そのときにおける古い技術者、こういう人たちを私はわざわざ集めて、そういう人たちのお話もいろいろ聞きました。しかし、こうした八百万トンなんということについては、公けの憤りを感じております。こういう点をお考え願って、十河さんみたいに、一つこれを信用するなんということで国の財産を安売りされたんじゃやりきれません。でありますから一つ青山調査委員会に再調査をするということで実行してもらいたいと思う。  それから、あといろいろ同僚諸君から質問がございますので、私もここで総括いたしておきますけれども、要は、永野運輸大臣と事務引き継ぎが行われていない。それから永野運輸大臣が私たちと公的、私的にそれぞれ話し合ってきたことをあなたは十分尊重していくとお約束をされた。そういう事態は、さらに総合開発というような問題から考えてみても、まだ十分研究するところが実はある。また青山調査委員会等ももう一ぺん再調査というか現地調査をこの際しよう、こういう点なども種々述べられた。  私はここで十河さんに一つ申し上げておきたいと思いますが、一月十日のあの案文を正確に考えて、労使、あるいはあの地元における鉱害被害、こういう問題と円満な妥結ができなければ四十五条の認可はできないんだという認定に基いて、あなたは慎重に扱う必要があると同時に、この際労働者の犠牲をもあえてして強行するという態度は絶対にやめてもらいたい。同時に、現在直ちに中止してもらいたい。そうしてここに新運輸大臣は旧運輸大臣の踏襲された方針なり、あるいは基本的な方針に基いて、それが確立して後に初めて私は進めていくべきだと思う。あるいはやめるべきだと私は思う。それをあなたが、政府の状態はこういう状態で、引き継ぎもできていないときに、もうおれは手紙をもらったからといって、結局労働者が犠牲にされて、刑事事件だ何事件だ、どっちに責任があるんですか。あなたがほんとうに円満な思想の持ち主ならば、やはり政府の態度がはっきりして、その上であなたは御納得いかるべきだと思う。でありますから、この際一つやめてもらいたいと思う。すなわち中止してもらいたいと思う。そうしてもっと十分に話し合い、十分に検討して、この問題を処理するというのが私は参議院における決議の精神だと思う。その意思がありますか、十河さん、いかがですか、当りまえじゃないですか。
  80. 十河信二

    ○十河説明員 私は監督官庁の指令を熟読翫味しまして、これを十分に慎重に実行したいと考えております。今までもそうやってきたつもりであります。今後もそうやる覚悟でおります。
  81. 勝間田清一

    ○勝間田委員 運輸大臣、はっきりイエスかノーか、これを一つ……。私が今申し上げたような状態でありますし、あなたも十分研究されていない状態であります。しかも事務を執行していけば現地は血みどろの戦いをする、うっかりすると血を流す、刑事事件が起るのです。そこらの席におられる諸君が盛んに何かつまらない声明書を出しておるわけです。つまらぬ談話を出しているでしょう。たとえば、私はここで一番不愉快に思うのは、平出さんと井上さんのこの談話です。連日連帯にわたる激しいつるし上げというのは何です。こういう刑法に関係するような言葉を行政当局なり国鉄は断じてやるべきではない。あなたは検察当局ですか、これは検察当局じゃないじゃないですか。こういういわゆる刑法に関係のあるような言葉を使って責任ある行政官がこういうものをやるべきじゃない。不当な行為があったとか、何か行為があったというならばまた別問題です。こういう行為をやって、そうして労働者に一面において犠牲を出させておいて、他面においては、政府の態度は、引き継ぎはまだできていないのだ、十河さんは老いの一徹でやるという。それでは困るのです。あなたはこの事態を収拾するために直ちにストップさせて下さい。現在の山の状態、この状態は一日も遅延するわけにはいきません。あなたの行政命令権でこの状態をしばらく中止するために処置をとって下さい。それが円満な解決です。重宗さん、一つイエスかノーか……。
  82. 重宗雄三

    重宗国務大臣 私は、永野さんに会って、ただいまおっしゃったことを、非常に信義を持ってのお話のようでありますので、よくやるつもりでおりまするが、私自身は出た書類に対して今話をする以外には方法がないのであります。従って、一月十日の書類について、当然これは国鉄が円満な解決に努力なさるのであるということを期待しておる次第でございまするので、ただいまのお話に対しては、もちろん私どもはよく検討する必要がある、こう考える次第でございます。
  83. 勝間田清一

    ○勝間田委員 もう一度質問いたしますが、今の文書によって云々ということ、国鉄の官僚当局は始終そういうことを言うのです。手紙をもらったからには文書でやってしまうのだ、運輸大臣が国会で何を答弁しようと、それは勝手だ、それは寝言だ、おれは玉手箱として文書を一通もらったからには、判を押させたからには、おれの方で煮て食おうと焼いて食おうと勝手だ、こういうのが国鉄当局の言辞です。これはきわめて不謹慎な態度です。そうではなくて、今監督大臣であるところの大臣が、政治的な考慮も払って、十分ここに話し合いの道なりあるいは円満解決の道なりについて措置をしておるところに政治というものがあると私は思う。その政治というものを考えずして、文書で判をとったからあとは勝手だという考え方は言語道断です。ですからあなたは、これを十分検討する余地があるというならば、十分検討していただいて、それまでは現在の進行を一つ中止させていただけませんか、どうですか。
  84. 重宗雄三

    重宗国務大臣 昨日も参議院におきましていろいろとお話があったのであります。御承知かも存じませんが、「志免鉱業所の問題については現地に於ける実情及び国民に及ぼす重大な影響に鑑み政府並びに国鉄当局は現地に於ける事態の円満なる解決と、国民に疑惑を生ぜしめる事のなき様格段の努力を以て充分なる手段を講ずること。右決議する。」相当に時間は要ることと私は解釈いたします。
  85. 勝間田清一

    ○勝間田委員 従って、ここで競争入札などを強行するようっなことはないでございましょうね。
  86. 重宗雄三

    重宗国務大臣 これはよく検討するわけでございます。
  87. 勝間田清一

    ○勝間田委員 検討するということでなくて、もうここではっきり、私はその手段を講ずるならば、現在競争入札を強行するがごときことは当然ないものと考える。これに対して一つ明快なる答弁をして下さい。そんなまごまごしておって、現在のこの事態が解決できますか。
  88. 重宗雄三

    重宗国務大臣 これは一応永野さんにもぜひお会いいたしまして、なるべく早く検討の結果を出したいと思います。
  89. 勝間田清一

    ○勝間田委員 それまで入札はしませんね。
  90. 重宗雄三

    重宗国務大臣 それはしません。今読みました文書は、ちょっと一時中止することのように解釈しております。
  91. 勝間田清一

    ○勝間田委員 中止するように解釈しておる……。  私の質問は終りました。
  92. 重宗雄三

    重宗国務大臣 慎重になるべく早く、(勝間田委員「私の質問は終った、何です」と呼ぶ)先ほど申しましたように、検討いたしまして、(「結論が出るまではどうするのだ」と呼ぶ者あり)結論を出すはずです、検討いたしまして……。(「出すまではどうするのだ」と呼ぶ者あり)
  93. 塚原俊郎

  94. 河野正

    河野(正)委員 政治的な問題につきましては、私ども委員長でございまする勝間田代議士からいろいろ御指摘がございましたので、今さら補足的に御見解を承わる必要もないと思いますけれども、今までの論議の中から一点大臣にお尋ねを申し上げておきたいと思いますることは、御承知のように二十四日の日に大臣は新聞記者に対して、志免鉱業所の払い下げについては、既定方針通り強力に推進するというふうな談話を発表されておりますことは、大臣御承知の通りでございます。ところが、今まで勝間田代議士との一問一答を承わりますると、大臣永野運輸大臣の意思なりあるいはまた国会におきまするところの答弁を尊重すると言われて参りましたことが第一点。第二点は、詳細にわたりまするところの事務問題については、経過等については永野運輸大臣等の申し送りがないのでというふうな御答弁がございましたのが第二点。従いまして第一点、第二点から私は二十四日新聞記者諸君に談話を発表されておりまするような内容というものは、当然お取り消しをなさるべきだと考えまするが、その点いかがでございますか。
  95. 重宗雄三

    重宗国務大臣 就任早々でありまするが、新聞にそう出ましたことはまことに遺憾でございまして、当然取り消しいたします。
  96. 河野正

    河野(正)委員 ただいま大臣から答弁がございましたので、その点は私はまことにけっこうな御答弁だと考えます。  そこで、今から勝門田代議士がいろいろ御質問いたしました以外につきまして若干の質問を行いたいと思いますが、御承知のように、そもそもこの志免鉱業所払い下げ問題の起りました端緒なりあるいはその端緒に基きまするところの払い下げの論拠というものは、青山調査委員会の答申というものが非常に大きな論拠となって参っておるというふうに私どもは判断をいたしますし、そういった理解もいたしますし、またそういった点を通じて今日はいろいろと国会でも当局側の所信をただして参ったつもりでございます。そこで私は何と申しましても、この青山調査委員会の答申というものがこの問題の核心でございますから、当然この問題に対しまするところの新大臣の御所見なりあるいはまたその御所見に基きまするところの将来の御善処なりをお願い申し上げなければなりませんから、従ってそういった面に対しまして、二、三御所見を承わっておきたいと思います。  それは、御承知のように一昨日、二十六日の日に現地管理者側と組合側との間において共同声明が発せられましたことは、先ほど勝間田代議士からも御指摘せられた通りでございます。そこでこの点につきましては参議院でもすでに質問が行われておりまするから、大臣もともととその内容等につきましては御承知おき願っておると思いますので、若干その点に対しまするところの御質問を申し上げてみたいと思います。それは、先ほど申し上げましたように志免鉱業払い下げ問題の論拠というものが、この青山調査委員会の答申に基いておるということでございますから、この共同声明の第一点の埋蔵炭量の問題にいたしましても、私はこれは重要なる影響力を持っておるものと考えます。そういたしますると現地の管理者並びに従業員の諸君は千二百万トン、この千二百万トンという数字は単にでたらめな数字でなくて、科学的な根拠に基いて千二百万トンという埋蔵量を割り出し、しかもその千二百万トンについては通産省当局の了承も得ておるということは、これは今日までいろいろ御指摘願った通りでございます。にもかかわりませず青山調査委員会が八百万トン、しかもただいま申し上げましたように八百万トンなるがゆえに志免鉱業所の事業生命が短かい、志免鉱業所の将来性というものがない、そこで民間に払い下ぐべきだというような、払い下げの理由になっておりますこの数字でございますから、私は八百万トンか千二百万トンかということは、この志免鉱業所民間払い下げの死命を決するような重大なる数字だというふうに判断をいたしております。そういたしますと二十六日に現地管理者と従業員の諸君が共同声明をいたしました千二百万トンの問題を中心といたします共同声明に対して、大臣はどのような御所見を持っておられますか、一応御所見を承わっておきたいと存じます。
  97. 重宗雄三

    重宗国務大臣 現地の所長と組合側の共同声明につきましては、その出された真相は調査しなければならないと存じます。いずれにせよ千二百万トンと八百万トンとの差は検討いたす、先ほども申し上げたような次第でございます。
  98. 河野正

    河野(正)委員 大臣、私が御指摘申し上げましたように、八百万トンか千二百万トンかということは、この志免問題を解決する最も重要なかぎになる数字ですよ。それほど重要な数字です。しかもなかなか重要な数字で、現在なお検討いたすと一方においては大臣はおっしゃっておりながら、一方においては民間に払い下げようということを国鉄当局は強行しつつあるわけです。そういたしますならば、国有財産でございますから、従って四百万トンという数字は国民に対しまして非常に大きな損失を与えるわけでありますから、大臣は少くとも国務大臣でございますし、国民の大臣でございます。そこで国民の利益というものを考えてこの問題を処理してもらわなければならぬ、これは私は当然のことだと思います。そういたしますと大臣は千二百万、トンと八百万トンの差についてはなお検討の要があるということでありますならば、私は当然その結論が出るまでは国鉄当局に対して、売山問題についての今後の事務処理についてはストップしろという指令を出されることは、これは国有財産でありますから、当然の大臣の処置であるというふうに判断いたしますが、いかがでございますか。
  99. 重宗雄三

    重宗国務大臣 青山委員会に現地べ行ってもらいまして、一日も早く結論を出したい、こう考えております。
  100. 河野正

    河野(正)委員 そういたしますと、先ほど申し上げましたように志免鉱業所は国有財産でございますし、国民の財産でございます。そこでその四百万トンのいかんによってこの志免払い下げ問題が解決される、民間にやるかあるいは国鉄が現有規模でやるかというふうに、この数字はきわめて重要なかぎを握っておるわけです。しかもこの数字はただいま大臣がおっしゃいますように、青山調査委員会をもう一度現地に派遣して調査をされる、そこで結論を出す、そこで大臣が判断するということでございますならば、私はその結論が出てくるまでは、当然今日までの処理というものは中断さるべきだ、大臣が中止を要請されるべきだと思いますが、いかがですか。
  101. 重宗雄三

    重宗国務大臣 青山調査委員会は埋蔵量の調査をするだけでございまして、これは払い下げる方には関係がない、それの参考になるということでございます。
  102. 河野正

    河野(正)委員 大臣、冗談を言ってもらっちゃ困りますよ。今日までの国会論議の過程をごらんになって下さい。これは結局埋蔵炭量が少いので、志免鉱業所の事業生命が短かくなった、そこで払い下げをいたしますということを、十河総裁がみずからこの国会の席上で明言されているじゃないですか。それが払い下げの理由となり、根拠になっているわけですよ。そうすると、この四百万トンという千二百万トンと八百万トンの差は、非常に重大な要素を持っておると思うのです。そこで、大臣は今さらそういう答弁をされるのでなくて、大臣が今までの経緯その他について十分御承知ないとするならば、そういう点を十分検討して国会で答弁するなら答弁するというふうに、一つ取り計らっていただきたいと思う。少くとも権威ある運輸行政の最高責任者でございます大臣の、しかも権威ある国会での答弁でございますから、少くとも側近の方々の入れ知恵で答弁するような不見識なことでなくて、大臣は自信と誇りを持ってこの国会の委員会においては答弁していただきたい。その意味で、ただいま申し上げましたように、右往左往するような答弁でいたずらに——運輸行政についても将来りっぱな行政手腕を発揮される大臣でございましょうから、従って、そういうことでみずからの威信を傷つけることのないように、一つ常識的な判断で国会では答弁していただきたい。
  103. 重宗雄三

    重宗国務大臣 確かに一つの理由であると思います。しかし、国鉄が石炭山を経営することは納得できないのであります。そういう考えから……。
  104. 河野正

    河野(正)委員 まことにおこがましいことでございますけれども、私が大臣に御忠告申し上げましたように、わからぬものはわからぬと率直に言っていただけばけっこうだと思うのです。志免鉱業所の民間払い下げ問題は、今日まで四年間にわたった紛争なんですよ。その過程の中で、当初の勧告をごらんいただきますればわかりますように、志免鉱業所は赤字である、徹底的に経営の合理化をはかりなさい、さもなければ国鉄本来の輸送業務に専念しなさいという二頭立の勧告が発せられているわけです。それは必ずしも輸送業務に専念するということだけが民間払い下げのおもな原因、理由ではないんですよ。それですから、大臣率直に、就任日も浅いことですから、理解の不十分な点は不十分な点として将来に残して、一つ良識ある、将来に悔いを残すことのないような御答弁をお願いいたしたい。
  105. 重宗雄三

    重宗国務大臣 よくわかりました。率直に申し上げます。永野大臣と直接お会いして、よく検討して参ります。しかし、国鉄がそういうものを経営するということは、私個人はこれはよくないという考えは持っておるものであります。
  106. 河野正

    河野(正)委員 どうも恐縮な言い分ですけれども、ただいま大臣のおっしゃることは、前後相矛盾しておると思うのですよ。というのは、永野大臣意見も十分尊重し、また今日国会で永野運輸大臣がいろいろ御答弁願った趣旨については尊重するという答をされているわけですね。にもかかわらず、自分はそう思うということであるならば、勝間田代議士にも御答弁のありました永野運輸大臣の意思を継承したい、あるいはすみやかに事務引き継ぎをやって、今後国会答弁その他について処理したいということとは非常に大きな矛盾があると思うのです。そこでその点は矛盾のないように一つ明確に答弁していただきたいと思うのです。
  107. 重宗雄三

    重宗国務大臣 私自身はそれを矛盾しておらないと解釈しておりますが、永野さんのおっしゃったことにも私見があるのじゃなかろりかというような疑問を持っております関係から、ただいま申しましたのも私の私見であったことはまことによけいなことであったと考えます。しかし、どこまでもよく検討いたすことが第一だと存じまして、知らぬ私の答弁は不必要じゃないかと考える次第であります。
  108. 河野正

    河野(正)委員 不必要だとかそういうことでなくて、私ども意見を十分お聞きいただいて、その上に立って良識ある判断をして御答弁願いたい、こう言っておるわけです。何も私が質問したことについて、自分は答弁する必要がない、そういうことはないと思うのです。やはり所管大臣であり、運輸行政に対します最高の責任者でございますから、当然大臣としての確信ある態度をこの国会の席上では示していただかなければならぬ、かように判断いたしますし、そういうふうに御承知の上で質問に対しましては御答弁いただきたいと存じます。  そこで、共同声明の第二点でございますが、今度の青山調査委員会の答申の中で、私どもが非常に疑問を抱きますることは、五ヵ年間におきまする出炭の見込みが、現地の技術者が実際に体験をし、科学的に検討し、なおまた従来までの経緯をながめて、そういう点を総合して青山調査委員会に対して出炭五ヵ年計画というものを提出したわけです。それに対して、青山調査委員会が一ぺんの現地調査も行わず、しかも勝手に修正をして、そうして結局いたずらに出炭量を少く修正した、こういう事態が今日まで行われてきたわけですが、私どもはそういうことをやった青山調査委員会の資料を尊重するわけに参らぬというようなことについては先ほど勝間田代議士から御指摘の通りでございます。こういう点について、これは技術的な問題でございますから、大臣の技術的な御答弁が必要とは考えませんが、しかし、常識的に御判断願って、どういうふうにお考えになっておるか、一つ御答弁を願いたい。
  109. 重宗雄三

    重宗国務大臣 どうも私の常識的考えよりも、これは国鉄総裁に聞いていただきたいと思うのです。
  110. 河野正

    河野(正)委員 全く技術的にはそうだと思います。大臣のおっしゃる通りだと思います。ところが国鉄当局に言いますれば、先ほど十河国鉄総裁は、青山調査委員会に全幅の信頼を寄せておる、こうおっしゃったから、水かけ論だと思う。そこで私は、第三者たる大臣に良識ある判断に基きますところの見解をお尋ね申し上げたい、かように申し上げておるわけであります。と申しますのは、現地の技術者なり従業員が、今日までみずから採炭を体験をし、その上に立って生産五ヵ年計画というものを提出した。ところが、その数字を青山調査委員会が勝手に修正して、それを国鉄総裁に報告したということでございます。しかもそれが、今日は志免鉱業所の事業の生命は短かくなった、事業生命の将来性はない、そこで民間に払い下げるべきだ、こういうふうにこの数字が払い下げの根拠になったとすれば、そういう数字というものはきわめて重大なる要素を持っておる。しかもその数字は科学的というよりもむしろ机上で修正をされたということになりますと、私は全く了承して参るわけには参りません。そこで国鉄総裁に対して御質問申し上げれば、それは青山調査委員会に対して全幅の信頼を寄せておるということでございますので、第三者でございまする所管大臣の良識ある判断を一つお漏らし願いたい。
  111. 重宗雄三

    重宗国務大臣 この青山委員会というものは、メンバーを見ますと日本の権威者であることには間違いないのであります。私の常識では信頼し得るということを確信するものであります。しかし、千二百万トンが正しいのか八百万トンが正しいのか、これは非常にむずかしい問題じゃないかと思いますが、今申しましたように一日も早くこの青山委員会調査してもらって、両方とも意見を聞かしてもらうことが、最も私は私としての方法であろうと考えております。なお現地の技術者とも会って、調査した結果が国鉄の数字であるというような意見もあるのでございますので、今回出したのは全くの試案であると存じます。
  112. 河野正

    河野(正)委員 これは朝日新聞の「今日の問題」で取り上げた問題ですけれども志免鉱業所の問題について、「ただ問題は、国有財産でもあり、反対者も相当あることだから、払い下げに当っては、反対者の納得を得るよう、あくまで考慮しかつ努力することが必要である。」というようなことを強く指摘をしておるわけです。ところがそういった数字等につきましても、科学的な数字等につきましても十分な論議も加えずに一方的にこの問題を処理しようということは、国有財産であり、国民の財産であるだけに私はきわめて重要だと考えるわけです。しかも先ほど申し上げますように、大臣お話しございましたが、なるほど青山調査委員会の八名のメンバーの方々というのは、権威あるそれぞれの学者なり学識経験者であるということは、私は否定いたしません。ところがたとい権威ある学者であり、学識経験者であっても、現地の実情も見ずにそういう最終的な答申を行うということは、私は軽率ではなかろうかというふうに判断をいたします。そもそも私は医者ですから、医者の立場から申し上げますと、たとい私が大学教授であったといたしましても、実際に患者を見ずにこの病名がどうだということは、私は軽率のそしりを免れないと思うのです。ですから私は少くとも医者論議ではございませんけれども、青山調査委員会が現地の調査を一回もやらずにこういう結論を出した。しかも民間企業でございますならば異論はございませんけれども志免鉱業所は国有財産であり、国民の財産である。しかも国有財産であり、国民の財産でございます志免鉱業所をただいまのような軽率な措置によって民間に払い下げるということは、私は国民の一人としても承服するわけに参りません。と同時に、さらに一点、私は大臣に御指摘申し上げ、大臣の御理解をいただきたいと思いますことは、現地の技術者なり現地の従業員が千二百万トンというふうに埋蔵炭量を算定いたしておる。しかも千二百万トンに対しては通産当局も了承をいたしておる。この点は明らかでございます。大臣は首をひねっておりますけれども、明らかでございます。そうしますと民間に払い下げるという場合に——大臣も明電舎の社長でございますから、その間の事情はよくおわかりと思いますけれども、民間に払い下げる場合に、わざわざことさらに、現地の従業員なり、現地の技術者なり、通産当局が千二百万トンの埋蔵量があると言っておるのを、わざわざ八百万トンしかないのだと言う必要が私はどこにあるだろうか。そうしますと、やはりそこに業者とのいろいろなくされ縁があるのじゃなかろうかということが新聞紙上でもいろいろ論難されておりますが、私はそういうところにきわめて不明朗な疑惑というものが存在しておるというふうに判断するわけです。わざわざ国民の財産を過小に見積って売るということは、値段を安くするわけなんです。国民の財産をたたくわけなんです。そういうことをどうして今日の国鉄当局があえてなさろうとしておるのか。私ども国民の一人として非常に大きな疑惑を持たざるを得ないのは、そういう点にもあると思うのです。そこでこの点に対して大臣がどのような所感を持っておられますか、これも一つ明らかにしていただきたいと思います。
  113. 重宗雄三

    重宗国務大臣 ただいまおっしゃいましたこと、まことにとうといお話だと思います。私自身もまことに同感なものを感ずるのでありますが、それがために青山委員会を派遣いたしまして、綿密に一つ調査いたしたい。なおそうして国民の多くが非常に疑惑を持っておられることをぜひ解いていきたい、こう考えます。
  114. 河野正

    河野(正)委員 そこで私は大臣に対しては最後の質問をしたいと思うのですが、この問題の論拠というものは、先ほどから申し上げますように青山調査委員会の答申を中心として、この払い下げの問題が進められて参っておるということです。しかもこの青山調査委員会の答申の内容につきましては、私が二、三の点でございますけれども——これはもう列挙いたしますと四年間のことでございますから枚挙にとまございません。しかしながら時間がございませんし、私は一、二の点だけを御指摘申し上げまして、大臣の今後のよき判断の参考に供したわけです。  そこでそういうふうな疑問を、私どもが単に野党であり、社会党であるということだけでなくて、私ども国民の一人として非常に大きな疑問を持つ。ただいま申し上げますような具体的な事例というのはたくさんあるわけです。それを枚挙いたしますと数限りなくあるわけです。そこで一、二の点でございましたけれども、いずれにしても青山調査委員会の答申の内容というものがこの問題の論拠となっておるわけですから、しかもその青山調査委員会の内容については幾多の疑惑がまだ解決されておらぬ。しかも朝日新聞でも指摘しておりますように、国民の財産であるだけに、この問題は一つ明確に解決すべきだ、そういうふうにも指摘されておりますのが私は世論の一端だと思います。そこで、結論だけ申し上げますならば、この青山調査委員会の是非というものが明らかになるまでは、私は当然この払い下げ問題というものは中止さるべきものだと判断いたしますが、その点はいかがでございますか。
  115. 重宗雄三

    重宗国務大臣 御意見承わっておりましたが、この青山委員会の答申がなされた場合には、志免の現地の技術者の意見は十分に入っておると存じます。決して独断的に結論を出すようなことはないと報告を受けておりますから、その間並行してやっていきたいというように考えております。
  116. 河野正

    河野(正)委員 そこで私はまた大臣に、最後でしたけれどもあらためて御質問申し上げなければならぬのは、ただいま申されましたように、青山調査委員会の答申そのものについては現地の技術者その他の意見というものを十分尊重されておる。そういたしますならば、先ほど私が御指摘申し上げました生産五ヵ年計画の数字というものはなぜ違っておるのか。現地の技術者なり従業員が出した生産五ヵ年計画に対してなぜ青山調査委員会が修正をしたのか、この点を一つ明らかにしていたたきたい。
  117. 重宗雄三

    重宗国務大臣 いかがでしょう、逃げるわけではありませんが、実質的に国鉄総裁から返事をしていただいたらいかがだろうかと思います。
  118. 河野正

    河野(正)委員 そうじゃないのです。とにかく青山調査委員会の答申についてはいろいろ疑問があると私が御指摘申し上げたわけです。そうしましたら大臣が、調査委員会の答申そのものについては現地の意見も十分尊重しておるので、現地と青山調査委員会の答申した内容とが食い違っておる点はないという意味の答弁をされた。ところが現実に現地の管理者側が出した数字をなぜ青山調査委員会が修正をしたのか、この点は大臣の御答弁とは明らかに食い違っておるではございませんか、こう言っているわけです。ですからこれは技術的な問題をとにかく論議しているわけではないのです。そういう具体的な例について私が御指摘申し上げたわけですから、それに対する御答弁を願いたい。
  119. 十河信二

    ○十河説明員 その問題については私からお答えいたした方がいいかと思います。青山調査委員会が発足いたしましたときに、現地の一部の者が試案として五ヵ年計画というものを作っておったのであります。それを青山委員会が何でもかんでもざっくばらんに検討してもらうという意味でとりあえず出したのであります。それを修正したのは青山委員会であるというこもいえますが、現地の技術者が修正したのであります。前にこういう五ヵ年計画試案を作ったが、これは多過ぎた、だからこういうふうに修正するということで修正されたのが、その現実の八百万トンの数字であります。その点は一つ誤解のないようにお願いしたい。  それから福岡の通産局に報告してありますのはずっと前の青山委員会ができる前、たしか昭和三十年であったかと思います。昭和三十年に報告したところであります。それは昨日も参議院でお答えしたのでありますが、何か地質上絶対不可能な非常に間違っているという場合を除くのほかは通産局はそのまま受理するのであります。通産局の審査をするおもなる点は、明年度あるいは今年度どれだけ掘るか、何十万トン掘るか、四十万トン掘るか、五十万トン掘るか、それを掘ってよろしいかどうかということがおもなる点でありまして、八百万トンあるか千二百万トンあるかというようなことは特に問題にされたわけではないのであります。通産局が承認したとかしないとかいうことはほとんどないと言っていいのではないかと思います。
  120. 河野正

    河野(正)委員 総裁は大臣の答弁に補足をして、現地の従業員とも十分意見の交換をして最終的な調査委員会の答申通りの数字に修正をしたのだ、こうおっしゃったが、三十六日の共同声明では明らかに第二項において、とにかく生産五ヵ年間に対する過小見積りがあるということを現地の管理者側が表明しておるではありませんか。そうすると総裁は現地の技術者なり管理者側の意見を十分尊重して、そうして結局青山調査委員会の答申案の数字に修正をしたのだとおっしゃるけれども、一番新しいところでは二十六日の日にすでに管理者側はこの数字というものは誤まりであるということをはっきり表明しておるではありませんか。それこそ全く新大臣の補佐をしなければならぬあなたの答弁にも明らかに矛盾があるではありませんか。
  121. 十河信二

    ○十河説明員 この点につきましても昨日参議院でお話ししたのですが、現地の所長から特に夜中に私のところへ電話をかけてくれまして、事態非常に急迫しておる、生命の危険を感ずるから心にもないがこういう声明をさせられるのだ、せざるを得ない状態になっておるのだからどうか了承してくれと言うから、それはさきに君らが修正して決定したところと違うからそういうわけにいかぬ、国鉄にはそんな身体に危害を加えるようなむちゃをする職員は一人もいないはずだ、そんな心配をする必要はない、だからよく話をして納得させろということを言ったのであります。それでありますから、私はどういう状態が超っておったか現地の状態を見ませんが、所長の電話をそのまま申し上げますと、身体に危険を感ずる、このままではもういられない、いても立ってもいられないから、命にはかえられないからどうかこういう声明をさせてくれ、こういうことを言ってきたのであります。そういう急迫した状態においてこの声明がなされたのでありますから、私はこの声明を信用するわけには参らぬと申し上げたいのであります。
  122. 河野正

    河野(正)委員 私はただいま十河総裁の御答弁の中に一部非常に共感を呼んだ点があります。というのは、現地からの電話の中で生命の危機にさらされているということがあったのに対して、国鉄職員に限ってそういうことはあり得ないというふうに総裁が御答弁されたことについては、実に私は感激の気持で聞いたわけです。ところが後段の方では、そういう現状のもとで行われた共同声明であるので信用するわけには参らないという、こういう結論的な御答弁があったわけです。そうしますと前段の方では、そういう誤まったことをやるような職員はおらないのだと、なるほど親心を示されたようでございますけれども、結論的にはとにかく国鉄職員というものは全くむちゃなことをやるのだ、人の生命を脅かすようなことをやるのだ、しかもそういう情勢のもとで表明された共同声明であるから信用まかりならぬ、結論的にはそういう総裁の心境だったろうと理解いたします。ところが、現実に私は二十六日に現地におったわけですが、何ら生命を脅かすような危険なことはありませんでした。総裁も国鉄職員の中には生命を脅かすような人間はおらないとおっしゃったでしょう。そうすると総裁が答弁されましたそういう急迫せる情勢のもとでの共同声明であるので信用できないということは御訂正なさってしかるべきであると考えますが、いかがでございましょうか。やはり国鉄職員は人の生命を脅かすというふうに御判断なされておりますか。
  123. 十河信二

    ○十河説明員 私も河野さんのおっしゃるように思うのです。しかしながら、私は現実にこの耳で所長の言葉を聞いたのです。所長がそういうふうに思うほど所長はおそれおののいておるのですよ。そういう状態で出した声明を信用しろといっても私は信用することができないということを申し上げざるを得ないのです。
  124. 河野正

    河野(正)委員 そうしますと、これはまことに残念だと思いますけれども、総裁は自分の部下が人の生命を脅かすのだというふうに判断になっておるのですか。ほんとうにそうだとすると私はきわめて重大だと思うのです。きわめて重大な発言だと思いますよ。いかがでしょうか。
  125. 十河信二

    ○十河説明員 私はそうは思わない。そう思わないからもっと納得させるように努力しろということを言ったのであります。そう言ったのですけれども、本人はそう思って私のところに電話をかけてきた。本人の心的状態はそういう状態にあったのです。この声明を出したときは。だから私はこの声明を本人の本意であるとは思われないのであります。これは私の判断であります。言ったことは本人の言ったことです。本人の声を直接私はこの耳で聞いたのであります。これはどうも本人がそう思っておるのだ、こう解釈せざるを得ないということを申し上げたのであります。
  126. 河野正

    河野(正)委員 私は総裁としては全くあるまじき言動だと思うのです。少くとも国鉄総裁は国鉄職員の父でなければならない。それが部下に対してそういう汚名をかぶせるということは全く言語道断だと思います。そこで私が言いたいことは、現場ではそのような共同声明をしなければならないという実情もあると思うのです。その実情というのは、価格的なことであると思うのです。そういうふうないろんな見解なり意見というものがあるわけですから、朝日新聞の「今日の問題」にも取り上げられておるように、そういう疑問なり疑惑というものを十分解決して、いろいろ国鉄の既定の方針に向って処理されるということは、これは一方的であってもやむを得ない点があるかもしれないけれども、今日まだそういう問題を幾多残しておきながらこの問題を一方的にどんどん強行するということは全くけしからぬ態度であるといわざるを得ないと思う。  そこでこの点、大臣いかがですか、今私と総裁との間に論議がかわされたのですが、そういう論議の中から大臣はどういうふうに判断願えますか。そういう問題があるならば一つもう少し検討してみようというお気持がわきませんか。
  127. 重宗雄三

    重宗国務大臣 今までの総裁の長いりっぱな態度に対して考えますときに、ただいま言われたその事柄はほんとうだろうと思います。従って自然総裁がそういう感じをお持ちになったそのことはあり得ることである。今後もこれが続くか続かないかは別問題ですが、ただいまの考えは総裁がそういう考えを持っておやりになることは当然だろうと考えます。
  128. 河野正

    河野(正)委員 そうしますと現地を見た私ども意見としては尊重するわけには参らぬ、こういうわけですか。
  129. 重宗雄三

    重宗国務大臣 現地を見ていらしたのですか。
  130. 河野正

    河野(正)委員 そうですよ。
  131. 重宗雄三

    重宗国務大臣 現地を見た方の御意見も尊重はいたしますが、どうも話が両方……。現地をごらんになって、総裁の言うことが間違っているとおっしゃるのじゃないのでしょう。
  132. 河野正

    河野(正)委員 総裁は、現地の所長からそういう電話を受けたので、それを信頼した、こうおっしゃる。私は実際に現地の状況というものを体験して、こういう状況だった。そこでお互いに意見が食い違ったわけですよ。そこで大臣としてはどういうふうに御判断願えますか、そういう情勢のもとに今後どういうふうに処理していただけますか、こういうことを申し上げたわけです。
  133. 重宗雄三

    重宗国務大臣 どうも大へんむずかしい問題でありまして、あなたのお考えももう少しよく聞いたらばいいと思いますが、現地においでになったという事実もあるとしたならば、それもまた尊重しなければなりませんけれども、それがために総裁の言われたことが間違っているというようには考えられないのでございます。その辺はどうか円満にものを運んでいくように願いたい、こう考えて、私自身も先ほど申し上げましたように綿密な検査と、そうして検討をしていきたいと考えます。
  134. 河野正

    河野(正)委員 いろいろ申し上げますと枚挙にいとまがないくらいに具体的な事実があるわけです。しかも最近一番新しく発行されました週刊文春によりますと、十河一家と書いてある。志免鉱業所の民間払い下げを強行しようというのが十河総裁、しかも志免問題担当の常務理事が御承知のように吾孫子務理事吾孫子務理事は十河総裁の女婿に当る方だそうであります。そこで結局この志免鉱業所を親子で民間に払い下げを強行するというようなことが書いてある。大臣一つよく聞いておいていただきたいのですが、こういう世論がある。そこで私がいろいろ申し上げましたように、私どもが国民の一員として疑問を持たなければならぬようないろいろな現象もございます。それからこの問題が今までたくさん出て参りました。私も「志免売山の背景」という本を買いました。この志免鉱業所民間払い下げ問題は四年間にわたっておりますが、まことに複雑怪奇です。そこで大臣も就任なお日が浅いわけですから、今日までの経緯なりあるいは国民の意見なり、現地の諸君の意見なり、そういうものを十分御聴取願って、そうして今後の方針というものを決定していただきたい。従って、そういう意見を聞き、そういう資料の収集をし、いろいろな科学的な資料というものが総合的にまとまるまで、大臣の今後の断判というものもつきかねるのじゃないか。しかも、さっきから大臣もきわめて明確にこの委員会において御答弁願いましたように、永野運輸大臣の意思を継承したい、なおまた永野運輸大臣から事務引き継ぎ等を通じて意見等を詳しく聴取したいという御所見も承わりました。そこでそういったもろもろの条件が備わるまで、この問題を強行するということは断じてやらぬというふうに、ここで明らかにしていただきたい。その点が明らかにされますれば、私はこの質問を中止いたします。
  135. 十河信二

    ○十河説明員 ただいま私の一身上に関する御発言がありましたので、一身上の弁明をいたしたいと思います。吾孫子務理事は私の女婿でありません。そういう間違ったデマを基礎にした論議が、今日この問題を誤まらせる根本だと思います。それだけのことをはっきり申し上げておきます。
  136. 河野正

    河野(正)委員 そういう疑惑もあるということを私は申し上げた。だからそれを明らかにしてもらえばいい。何も声を大にして言われる必要はない。
  137. 重宗雄三

    重宗国務大臣 早急に結論を出します。そういうように一つ御了承願います。
  138. 河野正

    河野(正)委員 結論を出されるまでの間は、すべての今の処理されておる方針というものを中止していただきたい。そのことが明確にされれば質問を中止すると言っておる。すみやかに結論を出されるということはまことにごもっともです。しかし結論を出されまでは、すべて進められておる処理方針というものをストップを願いたい。それが明確にされれば質問を中止していいと言っておるのです。
  139. 重宗雄三

    重宗国務大臣 最も早い機会にやる、こういうふうに御了承を願います。
  140. 河野正

    河野(正)委員 そうじゃなくて、最も早い時期にやっていただくのはけっこうです。その間はすべてのこの問題に対する処理を中止してもらいたいということです。
  141. 重宗雄三

    重宗国務大臣 これはやはり平行してやる、先ほど申しました通りであります。しかし、なるべく早く結論を出したい、こういうふうに考えております。
  142. 河野正

    河野(正)委員 そうすると、今まで勝間田代議士が質問され、私がいろいろと御質問申し上げましたが、これまでの質問というのが全然水泡に帰してしまうので、大臣永野運輸大臣の意思を尊重し、なおまた永野さんのいろいろな意見というものを聴取をして、初めて大臣の今後の方針というものが定まると私は思うのです。その方針というものをすみやかに出したい、この点は私は了承いたします。しかしながらそういう方針がきまらないのに、どんどん一方的に事務処理を進められるということは、私はきわめて不可解と思う。それですから少くとも大臣方針がきまるまでは、今まで進められておるいろいろな運営というものを中止をするということでなければおかしいと思う。
  143. 重宗雄三

    重宗国務大臣 河野さんのおっしゃること、まことにごもっともだ、こう解釈します。御希望のようにいたすと申し上げます。
  144. 塚原俊郎

    塚原委員長 久保三郎君。
  145. 久保三郎

    ○久保委員 総裁にお尋ねいたします。今、河野委員の質問に対する答弁の中で、二十六日の現地における声明は信用しない、こうおっしゃいました。それは本人の本心ではないようだから信用しない、こうおっしゃいました。本人の本心でないというふうにとっても二つあると思う。一つは、結局八百万トンというものはゆがめられた数字であって、これに対して本心でないという言い方がありますね。もう一つは、総裁の方針に反して声明を出すわけですから、本心ではないのですね。押しつけられたもの、この二つありますよ。どっちをとられるのですか。
  146. 十河信二

    ○十河説明員 現地の所長は、この問題を決定いたしますに当ってたびたび上京しております。たびたび会議にも出ておりますし、私にも直接言っております。それらのこととこの声明とは全然違っておる。しかも電話で本人は、こういう急迫した状態にあるんだ、それだからこの事態を何とかおさめるためにこういうことを言わざるを得ないのだ、だから心にもない声明だが、これをやむを得ず声明しますということを本人が言ってきたんです。本人自身が心ならずもいやな、間違った、自分の本心でない声明をすると言っておる。私はその本人の言葉を信用しているのであります。
  147. 久保三郎

    ○久保委員 それじゃ、参議院の運輸委員会で先般調査いたしましたが、その調査の結果、やはり数字は千二百万トンと出ていますね。これは信用しないんですか。どうなんです。
  148. 十河信二

    ○十河説明員 その数字は、現地においてこういう数字をさきに通産局に出しました。しかしこれは多過ぎる、違っているから、こういうふうに変ったんだということを現地の者は言っておるのであります。それでありますから、その千二百万トンという数字は、通産局に三十年に報告したということは事実であります。その事実は私否認しないのであります。しかし現状の実収炭量が八百万トンということも、現地の技術者が出てきて検討をした結果、これは八百万トンが正しいんだということを言っているのであります。だから私はそれを信用しておるわけであります。
  149. 久保三郎

    ○久保委員 あなたは一方的な意見を信用しておられるわけです。先ほど運輸大臣からいろいろ御答弁がありまして、青山調査委員会の再調査というお話がありましたね。そうなった場合には、つまり青山調査委員会の今日までの調査の八百万トンをさらに調査するという場合には、当然独自の判断もありましょう、調査もありましょう。千二百万トンという説があり、あなたはいまだ信用しないが、謙虚に両方を突き合せるような調査をすべきだと思うのです。だからあなたは、きのうまではいいです、今日の段階ではそういう声明を信用するとかしないとか、二百万トンの数字は一応反対意見として尊重しなければいかぬと思うのです。あなたが今言ったことは、反対意見は全然尊重しないでやってきた。しかも幾多の疑惑が出てくるのは何といっても——あなたは一月十日の大臣からの回答書に忠実だと言うが、ちっとも忠実じゃないですよ。さっきお話がありましたし、この前の委員会でもお話ししましたが、たとえば運輸大臣から一番強く要望されている職員の処遇について努力を払っておるというが、どういう努力を払ったかちっともわかりません。団体交渉も申し入れをしたが、それはありませんからできませんと言う。ところが、今まで団体交渉はやってないかというと、やっておる。その席上こういうことが出ると、その場合は別だという。しかも公労法に基いて法律で処断をするという。この前も申し上げましたが、あなたはおらなかったからもう一ぺん申し上げます。この問題ははっきり言って公労法以前の問題です。なるほど国鉄の首脳部は大体役人ですが、この役人から言えば、法律に抵触する者はみんな処断すればいい、こういうことなんです。しかし実際は役人じゃないんですよ。しかも志免炭鉱が四時間かそこらのストライキをやって会社にどういう影響があるのか。それからもう一つ経営全体の問題となれば、その中で一番比重の大きいのは何です。資本ですか、経営ですか、労働ですか、どれです。しかも人間を一括して入札しようという。そういう方法がどこにありますか。あなたは先ほども国鉄を愛し、国鉄の部下を愛すということを申した。愛するということは言葉じゃない、実行ですよ。りっぱなことを言っても、やはりあなたには年代の相違があるんじゃないか。(笑声)笑っているときじゃありませんよ。あなたの持っているのは古い道徳観です。そういうことでこの問題をやっていくことに間違いがあり、疑惑が出てくるんです。これは一つ反省してもらいたい。  それから吾孫子常務その他にも言っておくが、大体法律万能主義で国鉄の運営ができると思ったら大きな間違いです。これは即刻取り消しなさい。はっきり言っておく。  それからもう一つ、さらに運輸大臣お話し申し上げます。大臣は本日おいでになって、いろいろそばから知識をその場で入れられて御答弁なさっているようでありますが、この二十四日に、私たちが本委員会をやる際に、この問題を取り上げるという話を通告しておきました。あなたのところへは幾日にいったかわかりませんが……。しかもあなたの答弁の中で、永野運輸大臣とはまだ事務引き継ぎもしてない、こういうことだった、これほど大きな問題なんだから、永野運輸大臣の御都合もあるのかもしれないけれども、もう少し真剣にかかっていただかなければいかぬ。幸いあなたは新聞発表は取り消しをされました。これはいいとしても、これからほんとうに新規まき直しでやっていただきたい。新聞談話は取り消しになったが、青山調査委員会がどういう理由でできたか、発足して以来からのその裏について、われわれはこれからいつ何どきでもあなたに御説明に参りますから、十分聞いて知識を広め、対処してほしいということと、もう一つは、国鉄総裁がおられるのに大へん失礼な言い分かもしれませんが、こういう大きな問題は、十河総裁の老いの一徹というか、あるいは何か特殊な事情があるのかわかりませんが、取り急いでやるということは大きな問題だと思います。しかも総裁の任期は来月切れるそうであります。再任の話も、そうでない話も出ているようでありますが、一国鉄総裁の任期やなんかでもって、これはけじめをつけるべきではないと思うのです。総裁も一応古武士的な人ですから、自分の任期中にこれをぜひ片づけたいというので、入札を急がれている向きもちらほら見えます。あなたがほんとうに国鉄を愛し、国鉄の大先輩としてやろうとするならば、実際に言ってこういうことはおやめになった方がいいと思う。大体話は尽きましたから、私は忠告だけいたしておきます。いずれにいたしましても、軽卒に問題を扱ったり法律万能主義で扱ったのでは、国鉄経営全体はうまくいかない。法律万能主義というなら、あなた方にも責任がありますから処断されますよ、安全衛生に欠けたその責任者は。あなた方だって部下職員を二人殺した。これもはっきり申し上げておきます。以上です。
  150. 塚原俊郎

  151. 長谷川峻

    長谷川(峻)委員 この委員会は、昨年の特別国会以来、志免鉱業所問題については、自民党、社会党の委員から熱心に論議されてきたところであります。しかし運輸大臣から国鉄に対して、民間会社に払い下げをすることを指示してから非常に問題が大きくなって、社会の注目を集めてきたのであります。よって、私はこの際委員各位の御同意を得まして、次のような決議案を提案したいと思います。  案文を朗読します。   志免鉱業所の取扱いについては、昨春以来、政府並びに日本国有鉄道当局におい  て慎重且つ熱心な検討を続けてきたのであるが、現在においても、未だ円満な解  決を見るに至らないことは遺憾である。本件処理の現地及び一般国民に与える重  要性に鑑み、政府並びに日本国有鉄道当局は、更に努力を新たにし、円満なる解  決を図るべきである。    右決議する。
  152. 塚原俊郎

    塚原委員長 ただいま長谷川君より御提案のありました国鉄志免鉱業所に関する件について、本委員会の決議とするに御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  153. 塚原俊郎

    塚原委員長 御異議なしと認め、さよう決しました。  なお、本件の取扱い等につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  154. 塚原俊郎

    塚原委員長 御異議なしと認め、さよう取り計らいます。  この際、運輸大臣並びに国鉄当局より発言を求められておりますので、これを許します。重宗運輸大臣
  155. 重宗雄三

    重宗国務大臣 ただいまの御趣旨に沿いまして、十分努力いたしたいと存じます。
  156. 十河信二

    ○十河説明員 私も運輸大臣同様、御趣旨に沿うよう極力努力いたしたいと存じます。ただ問題は、労働組合が協力してくれないとなかなかうまく参りません。どうか直接間接に、皆さんもそういう方向に向って御協力、御支援をいただきたいと、この席を拝借してお願いを申し上げたいと思います。(拍手)     —————————————
  157. 塚原俊郎

    塚原委員長 これより請願日程第一より第一〇、並びに日程追加の、国鉄長野工場拡充強化に関する請願小沢貞孝紹介、第三五八三号、長野陸運事務所庁舎建築促進に関する請願小沢貞孝紹介、第三五八四号、信越本線電化及び改良促進に関する請願小沢貞孝紹介、第三五八五号、船舶職員臨時講習会実施経費国庫補助に関する請願宇田國榮紹介、第三五九九号を一括議題とし、審査を行います。  これらの各請願につきましては、委員各位も、すでに文書表等でその内容も御承知のことと存じますが、これらの各請願につきましては先ほどの理事会において協議いたしましたので、これより各請願について採決いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  158. 塚原俊郎

    塚原委員長 御異議なしと認め、これより採決いたします。  本日の請願日程中第一ないし第六、第八ないし第一四、第一六ないし第一八、第二三、第二四、第三三、第三四、第三七、第三八、第四〇ないし第四三、第四六ないし第六〇、第六二ないし第六五、第六七、第六八、第七三ないし第一〇六、第一一〇、並びに日程追加の、国鉄長野工場拡充強化に関する請願小沢貞孝紹介、第三五八三号、長野陸運事務所庁舎建築促進に関する請願小沢貞孝紹介、第三五八四号、船舶職員臨時講習会実施経費国庫補助に関する請願宇田國榮紹介、第三五九九号の各請願は、いずれも採択の上内閣に送付すべきものと決し、日程第六六の請願は、すでにその趣旨を達成いたしておりますので、これは議決を要せざるものと決するに御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  159. 塚原俊郎

    塚原委員長 御異議なしと認め、さよう決しました。  なお、お諮りいたします。ただいま議決いたしました各請願の報告書の作成等につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  160. 塚原俊郎

    塚原委員長 御異議なしと認め、さよう決しました。     —————————————
  161. 塚原俊郎

    塚原委員長 なお、ただいままで本委員会に参考送付されました陳情書は、全部で三十三件でありますので、この際御報告いたします。  本日はこれにて散会いたします。     午後一時三十三分散会      ————◇—————