○山中
政府委員 ただいまお話の
通り、
永野運輸大臣がこの
法案とその実行に非常に情熱を傾けておられたものでありまして、私
ども十分その御意向を財政的な観点から受け入れるべく尊敬して扱って参ったのでありますが、現実におきましては十億という要求のシステムと申しますか方法が、ジェトロの方式を前提として
考えております。すなわち、十億出資による六分の年六千万円の利子によって
運営していきたい、一種の
観光基金みたいなものにして金を減らさずに
運営していきたいという、一面いえば非常に合理的で
考えるに値する方式だと思うのであります。ただ私
ども財政
当局といたしましては、そういう十分
考えるに値すると
考えながら、他面には一般財源からの出資がそういうジェトロの方式をもって
観光その他にも全部広げられていくということについて、それが正しいのである、財政運用上
理想であるというところに結論が出ませんで、従って両者合併による自己資本の充実、あるいは
観光業界あたりの負担分等も若干情熱のいかんによってはふやし得ること等を
考えますると、現在の
海外にありまする出張所等を、四カ所の分を御要求がありましたので六カ所にふやして、主として
海外面の充実に進むとか、あるいはPRの費用をもう少しよけい見ようということで一億三千万を二億にふやしていったわけであります。
なおその他において、じゃ
現状からほうっておくつもりか、あるいはどういう施策があるかということでございますが、私
どもといたしましては、
国内観光の基本的な条件としてやはり道路、それから収容
施設、
ホテル等が基本的な条件だと思います。幸い道路におきましては、御
承知のような今論議の最中であります一兆円道路というものが発足いたしまして、これの完成に従いましてそれぞれ
観光の基本条件が満たされてくることはだれしも否定できないところでありまするし、ことに有料道路
関係におきましては、重点が
観光道路ではないかといわれているほど、実際上の予定個所というものが
観光地に相当なウエートが置かれておりますので、
観光面におけるプラスはまず基本条件の
一つとしては明るい面ではなかろうか。
それから
ホテル等に対しまする開銀融資等におきましても、今日までは、大きな
ホテルが
一つ申し入れをして、これを消化いたしますと、あとは
全国は名目だけのばらまきというような傾向でございましたので、三十三年度の当初案は約五億ぐらい予定いたしておりましたものが、実際に
日本の国情に応じた
観光ホテルの建設ということを取り上げて参りますると、それを消化するのには相当オーバーするだろうという見通しが三十三年度にもあるのであります。そこで三十四年度におきましては、
政府といたしましても積極的に
ホテルの面等も融資ワクを広げまして、やはり道路の方向と相待って重要
施設が完備されていくように、都市をまず第一にということも正しいのでありますが、しかし地方がそのために食いつぶされてしりまうということも正しくないことであることは間違いありませんので、そういう点も開銀融資等の面で
考えていきたい。こういうこと等を今後の残された施策として具体化しつつある次第であります。