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富岡説明員 お答えいたします。今後の
見通しでございますが、
見通しの前に、まず
本法の
存続期間に関連いたしまして、
条約との
関係におきまして、ちょっと御
説明さしていただきましたら御了解願うのにお早いかと存じますが、実は
平和条約におきましては、この根拠であります十七条の
規定におきましては、
期限の
規定をいたしておりません。しかるに
本法におきましては、当初から
存続期間の
規定を設けておりましたのでありますが、その後の
連合国の
批准の
状況によりまして当初制定当時におきましてはある
程度一斉に各
連合国は
批准を了するものと予想いたしまして、また各
連合国も事柄の性質上すみやかに再
審査の
要請をいたしますものと予想いたしまして、その
存続期間を限定いたしまして、相当短期間に出してくるということを期待いたしていたわけでございますが、実際におきましては、各
連合国で逐次その
批准が行われまして今日に至ったわけでございます。ただいまのところ
捕獲事件に
関係いたします国では、
批准はほとんど終りまして、四十九の
連合国のうちで、
捕獲事件に関連いたします国は全部
批准を了したと申し上げて差しつかえないかと存じます。
それではすでに
批准を了した国から、なお今後再
審査の
要請が出てくるかどうかという問題でございますが、ただいま申し上げましたように、先ほどの
ギリシャなり
フランスの現在
審理をいたしております
事件につきましては、
法律のただし書きによりまして、その
事件の
継続中はたとい
期限が参りましても、なお有効ということに相なっておりますので、従いまして新しい
事件が予想されない場合におきましては、
本法が
継続されない場合におきましても、現行の
審理中のものにつきましては
審理は可能ということに相なるわけでございますが、一方におきましてアメリカ合衆国のある
会社、
会社名を申し上げますと、すタンダード・ヴアキューム・オイル・カンパニーでございますが、この
会社の船が戦時中に
日本の海軍によって拿捕されました。もちろんその拿捕の前に本船は敵産
管理法によりまして敵産
管理を受けておりましたのでありまするが、それを拿捕いたしまして
捕獲審検所で没収の
検定があったものでございます。ただいま申し上げましたように、本件は
捕獲事件に
関係いたしておりまするので、本来なれば再
審査の
要請がありました上で争われるべき問題でありまするが、いきなり
補償請求が出て参りまして、
日本政府はこれを却下いたしております。この
事件が国際的に問題になっておりまするので、これの
解決のために
捕獲審検の再
審査の
要請も予想されまするので、一応なお一年延長をお認め願いたいと存じまして
提案いたしましたような次第であります。