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矢嶋三義君 最後に伺いますが、今の
説明は、あなたの
説明、そのように聞きおきましょう。最後に伺いたい点は、ロッキードに大体内定したときに、それにタッチした有力なる民間人ですね。その人の名前は言いませんが、その人は
川島幹事長に非常に憤慨しているわけですね。ああいうふうにきめておいて、ひょろっと変えたのは信義にもとる、しかもそのF11F―1Fの改良型が非常に優秀なものなればともかくも、ずいぶん専門家は批判をしておる。まだ完全にでき上って、そしてテストも十分でないものを、一応方針をきめておいて変えたのはけしからぬと民間有力者に非常に憤慨しておる人があるわけです。で、そこが発火点となって
衆議院の
決算委員会で、ああいう問題が出てきているわけですね、ソースはそこです。そこで、その人あたりの主張を書面なんかで見ると、なるほどと思えるところもあるわけですね。ロッキードだったら、速度はグラマンよりは優秀だ。ことに上昇率、日本は周囲が海だからことに上昇率というものは相当すぐれていなくちゃならぬ。上昇率だったらグラマンよりもはるかにすぐれておる。だから先ほどあなたが話されたように、要撃を目的とする要撃戦闘機に多くウエートを置いた選定方針をきめるとなれば、そうなれば、何といってもロッキードはすぐれておる。しかも一機について、いろいろな計算の仕方があるが、約九千万円の差がある。すると、三百機作るとして約二百七十億円ですね、二百七十億円の差が生じてくる。これは日本の国家財政の
立場からも大きな魅力だ。こういう
立場で、河野総務会長なんか特に力説しておるわけです。何も河野総務会長がロッキードのセールスマンになっておるとは私は考えませんが、そういう
立場から河野さんが主張しておる。この主張は相当に傾聴に値すべきものがあるのじゃないか。それよりはるかにグラマンが、グラマンの方にしてみれば、この前から佐薙さんが言うように、安全性があると、滑走路が短かくて済むと、まあ若干短いようですが、そういう
立場でグラマンを選んだと言うけれども、納得させない。それに変ったところに、何だ
川島けしからん、何かあったのだろう、急に変ったのはけしからぬ、やっちゃいということで、
衆議院の
決算委員会で火をふいて、こう出てきているわけです。また、源田さんの
意見も、この前聞いたのですが、源田さんはF―86Fを乗りこなせれば、F11F―1Fの改良型も大して変らない、乗りこなせるだろうと。専門家の言うことだから、私は聞いておったのですけれども、他の機会には源田さんは、F11F―1Fをなかなか乗りこなせるまでにはいかないということを言われているわけですね。源田さんも
防衛庁の航空総隊司令としてここに出れば、そうはっきりしたことは言えないのだろうと思うのだけれども、常識で考えて、F―86Fはマッハ以下ですから、音速以下のスピードの飛行機だ。ところが、グラマンになれば、少くとも二マッハです。結局、乗ったことはないからわからぬけれども、常識で考えても、音速以下の飛行機と二マッハの音速の二倍のスピードを出す飛行機になれば、私は簡単にはいかぬと思う。F―86Fすら、一億一千万円もするやつが、ぽつりぽつり落ちている。ちょうどこの前、源田さんが大みえを切った日に、北海道の千歳で、私の郷里の熊本県出身の二尉操縦のF―86F機が落ちた。飛行機が一億一千万円だめになると、それより大事なパイロットの生命が失われているわけです。あれも私は、源田さんの話として聞いたのですが、百パーセント信ずることはできない。音速以下のF―86Fと、二マッハのグラマンが、同じ訓練程度で乗れるとは常識からも考えられぬ。そうなれば、安全性安全性と言うが、ロッキードの上昇率とか、あるいは非常に安いとかいうものをはるかに凌駕する要素になるのかどうかという点について、依然として疑問なきを得ない。しかも、その間に、昨日
衆議院の方で出ましたような、これからずっと出てきますメモがあって、今わかっただけで九十八回供応を受けたというデータが出ているわけですがね。きのう吉村主計官からその一部が出たわけですが、そういうのが陰にあるとなると、ますます徹底的に究明してもらわなければならぬということになるわけです。そういうときに皆さん御
承知の
通りに、西ドイツはロッキードにきめたというのですね。今まで飛行機は外国から買うという方針であった西ドイツが、いろいろ国内の事情もありましょうが、ともかく国内生産に着手した。それで、報ずるところによれば、アメリカから八種類、英国から三種類、スエーデンから一種類、フランスから二種類、
合計十四種類の飛行機を、西ドイツは慎重に研究した。それでその
結論として、ロッキードを開発、そうして国内生産する方針をきめた、こういうわけですね。そうなってくると、ドイツの科学水準を知ってるだけに、ますます私は理解しかねるところが出るわけで、この西ドイツがロッキードにきめたということを、いかようにとっておられるのか、そういう角度から最後に一つお答え願いたいと思います。