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政府委員(
板垣修君) 最近柳公使及び漁業代表の張氏が、一応本国に帰っていることに
関連して、また日韓会談が中断しているのではないかというようなうわさが流れておりますが、これは全然そういうことと
関係ないのであります。これは一時的に、一週間ばかり本国
政府に、今までの交渉の経過等を報告するために帰っただけでありまして、会談そのものとは何ら
関係ございません。ただ御指摘のように確かに日韓会談はちょっと休んだり続いたりしたような形になっております。今年の四月十五日から開催されまして、七月末に例の大村収容所のハンスト問題に
関連いたしまして、七月、八月が一時中断いたしまして、十月一日からまた再開されて、今回は漁業
委員会も初めて開かれました。やっと日韓会談が一応形式的には軌道に乗ったということが言えます。その他の
委員会も随時多くは十数回開かれているわけでありますが、七月ごろまでは大体
手続問題で終始をしたのでありますが、今度の再開後は、やっと実質的な問題に入って参りました。しかし、御
承知のように、どの問題を取り上げてみましても、事実問題に入りますれば、
両者の見解は相当基本的な対立のある問題ばかりでございます。従って非常にむずかしい。会合してはまた次の会合まで検討するということで、会議を閉じたり、いろいろな
経緯でやっております。会議の
内容につきましても、非常に機微な
関係がございますので、あまり詳しい報道はされておりません。そういうような
関係で、一般には何をやっているのかわからぬという誤解を与えていると思いますが、私
どもの感じといたしましては、一応続いてはおります。しかし、これはなかなか本格的な結論に達するかどうかは、非常にむずかしい問題でございますが、一応
政府の方針といたしましては、できるだけ早く妥結の方途を見出すべく努力をしているということでございまして、現在特に中断しておるとか、中断しかかっておるとかという
情勢にまでは、まだ至っておらないのでございます。