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政府委員(
牛場信彦君) ただいま御
質問のありました
通りポーランドとの
貿易は、非常に額は今までのところ少いのでありまして、たとえば昨年は
日本の
輸出が二百六十二万
ドル、
輸入が約五十万
ドルということでございます。
輸出の
品目は、
日本が生糸、それから
酸化チタンというもの、
輸入は
麦芽でございます。本年になりましてからも、一月—六月の間に
日本の
輸出が五十五万
ドル、
輸入が四十八万
ドルということでありまして、
輸出品、
輸入品の
内容も、ほぼ似たようなものでございます。今後の
見通しといたしまして、この
通商協定を作りましたときに、同時に
貿易協定、
支払い協定を結んでおりまして、その
協定の
付属として、一応その両方の国の
輸出品目の表を掲げておりまして、たとえば
日本からの
輸出の
品目といたしましては
カン詰でありますとか、
繊維類、それから
酸化チタンその他各種の
化学品、それから
銅線でありますとか、あるいは自転車というようなもの、機械、船舶というようなものが掲げてございまして、
ポーランドからの
輸出品目としましては、ホップ、
麦芽、大麦というような
農産物関係、それから
豚毛、ラード、カゼインというような
酪農製品、それからなお塩でありますとか、石こうでありますとか、そのほかのものも掲げてあるわけであります。しかしながら、実際の
見通しといたしまして、
日本が
ポーランドから商業的なベースでもって買い付け得るものは、当分の間非常に少いと思われますので、さしあたりのところ、この
協定ができましたからと申しまして、急激な増加は見込めないと思います。先方は
共産圏の国の常といたしまして、やはり二国間の
貿易のバランスということを重視しておりますので、実際問題としましては、
日本側が買わない限り、
日本の
輸出もふえないということになるわけでございます。しかしながら、一方
ポーランドの
貿易の構成を見ますと、この国は
共産圏の国の中では非常に特異な傾向を示しておりまして、
自由圏との
貿易が
ポーランド全
貿易量の四割に達しておるという状況でございまして、すなわち
自由主義国家との間の
貿易については、非常に力も入れておるし、また事実行われておるということでございまして、今後、
日ポ両国におきまして努力をいたしますれば、
貿易の拡大する
見込みは十分あると思っておるのであります。
さらに、
ポーランドを経由いたします
三角貿易というようなことも、
向う側でも興味を示しております。私どもといたしましても、そういうような機会がありますれば奨励をして参りたいと思っておる次第でございます。
従いまして、この
協定を結びました
趣旨は、確かに現実の問題のほかに、原則的の問題としまして、ソビエトともこういう
条約を結びまして、引き続き
ポーランドとも結んだという面が、相当方針のうちの強い大きな部分となっておるのでございます。