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石坂政府委員 先ほど
被害の
概況について一応御
報告申し上げましたが、今日まで
農林省がとりました対策の
概要につきまして御
報告申し上げます。
これよりさき、内閣におきましては、十月二日に
災害対策本部を設置いたしまして、山口国務大臣を本部長といたし、各
関係省の係官をもってその構成員といたしまして、二日の午後各省本部に集まりまして、その対策について一応の
報告検討をいたしました。越えて翌三日、山口本部長のもとに各
関係各省係官は
対策本部を
静岡県
三島市に移しまして、私も同道いたしましたが、三日より五日にかけまして、それぞれ対策樹立のために
調査をなし、またその
被害個所々々におきまして応急の
措置をいたしますると同時に、この後の
復旧等に対しましても、助言、指導をして参ったような次第であります。御承知の
通りに岸総理も五日に
現地を視察されたような
状況であります。
そこで、
被害の
状況は先ほどお聞きの
通りでありまして、ことに
伊豆半島におきましては、はなはだ惨たんたるものを私ども実見いたして参りました。何をおきましても、
被害地におきましての最も急を要するものは、衣食住、わけても食糧の問題であります。従いまして、
農林省といたしましては、まず
静岡県
関係でありますが、
静岡県におきまして、被災農家、消費世帯に対する特別
措置といたしまして、
静岡県における
台風第二十二号の水害に対する食糧対策といたしましては、とりあえず十月中の
措置に関しまして、
静岡県における
罹災農家及び
罹災消費世帯に対する米穀売り渡し特別臨時
措置要綱というものを
決定いたしまして、知事を通ずる米穀の特別売却及び延納の
措置をとることといたしました。また、十一月一日の新米穀年度以降における米穀生産農家に対する飯米対策につきましては、従来の
災害の例に準じまして、知事を通ずる米穀の特別売却及び延納の
措置を講ずる予定であります。その他の県、すなわち青森ほか二十都県でありますが、これらの都県に関しましては、各食糧事務所長あてに飯米及び
買い入れ関係等につきまして今後起り得るべき問題点を照会しており、その回答を待って検討することにいたしております。
次に、応急住宅建設用の用材でございますが、この
復旧用材につきまして、
静岡県に対しましては、さしあたり、県の要請に基く応急住宅五十戸分の所要木材二千八百石は、国有林材を処分いたしまして、県において目下製材中であり、十月中旬までには建設現場に輸送可能の見込みであります。右以外の
復旧用材につきましては、
静岡県木材協同組合連合会による民有林等の
被害他販売所の増設等の応急販売
措置と相待ちまして、国有林については、
関係営林署に再指令し、
関係市町村と緊密に連絡の上必要量の売却を行うよう
措置いたして、現在においては木材の
原料供給上は不安がない見込みであります。
なお、一言付加いたしますが、国有林材の
流失石数は約四百石であります。非常に過大に報道されておりましたが、四百石であります。目下、さらに別途選別の上、
復旧資材として地元に売却いたします予定であります。
次に金融対策でありますが、
昭和三十三年九月三十日、農林事務次官から農林中央金庫
理事長及び組合金融協会会長等に農林漁業
関係災害の
復旧に対する融資方について依頼をいたしました。なお、今後とりたい
措置といたしましては、天災融資法についてでありますが、
昭和一一十三年九月下旬の暴風雨を、天災融資法第二条第一項の天災、すなわち営農資金にかかるものでありますが、この天災といたしまして指定する予定であります。融資所要額の
算定のために必要な
被害統計の実計ができ次第、大体これは十月の十三日を予定いたしておりますが、直ちに政令改正を行う予定であります。各県からの
調査報告の結果によりまして、必要があれば天災融資法第二条第三項の天災、すなわち事業資金にかかるものといたしましても指定を行う考えであります。天災指定を、さらに
被害の著しい地域についての各県の
調査完了次第、政令の改正を行い、特別
被害地域の指定を行い得る都道府県の指定を行う考えであります。融資条件につきましても、従来
通り、特別
被害農林漁業者及び果樹栽培業者についての借入限度の拡大、重複被実者の償還期限の延期等の
措置を行うつもりであります。炭がま、シイタケほだ木、ワサビ田、すなわちワサビ
育成の施設、これも大規模のものは主務大臣指定
復旧資金の対象となりまするが、これらに対しまして、
被害林業者の融資対象一件
当り最高十五万円となっておりますが、この融資対象といたす考えであります。
被害漁業者につきましても、従来の例にならい、漁網等漁業経営資金等について融資
措置を行います。
農林漁業金融公庫資金の
融通についてでありますが、土地改良、造林、林道、漁港、共同利用施設等の
災害復旧事業資金の
融通をはかります。個人施設につきましては、農舎、畜舎、堆舎、葉タバコ乾燥室、ワサビ
育成施設、水産加
工場、
養殖施設、小型漁船等で
被害の著しいものを主務大臣指定
災害復旧資金の対象施設といたして指定し、その
復旧資金を
融通する考えであります。すでに公庫資金の
融通を受けておる者に対しましては、
災害の
状況に応じまして、償還延期等の
措置をとり得るよう、公庫を指導いたします。
復旧対策でありますが、
農地関係、
林野関係、及び漁港等農林水産施設
関係の
災害復旧に関しましては、農林
水産業施設
災害復旧事業費国庫補助の暫定
措置に関する法律及び公共土木施設
災害復旧事業費国庫負担法に基きまして、所要の助成または負担の
措置を講ずることとなりまするが、その
復旧事業の早期実施につきましては鋭意努力いたします考えであります。
私ども、
現地におきまして、知事初め格
関係市町村長、団体長その他から切実なる
要望も受けております。また、先ほど、本院から
派遣せられました
調査委員各位の御
報告の最後にも、いろいろ適切なる御
要望の点もございましたので、この後の
復旧対策につきましても万遺憾なきを期して、全面的に努力いたします考えであります。
なお、以上の対策はきわめて
概要でありますが、いずれ
委員各位からいろいろ質疑等もあろうかと存じますから、その際、適当にお答えを申し上げます所存でございます。