○受田
委員 国会であなたからこの
委員会でも正式にグラマン機
決定の事情を御報告に相なっております。また相次いで
説明の補足をお持ち出しになっておられるわけでありまして、一応われわれはそれを拝聴いたしました。ところがその拝聴いたしました内容だけでは、どうも
納得できない点がある。それは永盛
調査団をあなたの方で昨年
アメリカに派遣せられて、そしてその報告書に基いて
検討を加えられたという第一
段階においての問題です。それは永盛氏は帰られて後にロッキードというこの
飛行機の
性能について、非常に好意を持った報告をしております。またその発言の中にわれわれは永盛空将補が、ロッキードに対して、よほど期待をしている言葉を見出すのであります。ちょうどこれはことしの二月、カリフォルニアのパームデール
基地で発表した言葉の中に、永盛氏のあとに続いて行かれた牟田空将補が実際にロッキード機に乗られて、「私は
日本の操縦者がT33の操縦学校を卒業して後ロッキードで訓練できると確信する。」という言葉が牟田空将補によって発言されておるわけです。また松前空将もロッキードに実際に乗って、「
F104はロッキード社がその速力、安全性、取扱いのやすさ及びその他の
性能について言っている通りの
飛行機である。
マッハ二の速力での飛行は最適であった。」と証言しておる。これは同じ年の二月カリフォルニア・パームデールにおいての発言であります。こうしてごく最近まで永盛
調査団の報告、これに続いての牟田空将補や松前空将の発言がロッキードに対して非常に好意的であるということを私たちは伺っておりながら、四月十二日に突如としてグラマン機に内定を見たというところに、実際の
調査をした人々の声と、それから最終的に内定を見たいきさつとの間に、
一つの
疑惑がひそんでおることはいなめないと思うのです。少くともグラマン機をきめるごくわずかの期間の行きがかりと、それ以前の二年以下もかかってロッキードを研究されたということの行きがかりとを考えたときに、長期にわたって
検討されたことをごく短期間に変更されたというところに何かありはしないか。これは
決算委員会の汚職事件などというものを別に考えても、私
どもは問題があると思うのです。それは四月十二日にこれを
決定しなければならなかった事情の中に、巷間伝えられておる総選挙に対する軍資金をかせぐためにグラマン機に内定しなければならなかったであろう、そういううわさをここで取り上げておるのではありませんけれ
ども、総選挙のあとにゆっくり
検討を加えて、あなたが
長官になられた後の
国防会議でこれをきめてもおそくはなかったわけです。あなたをお責めするのは問題があると思いますが、何を好んで総選挙前にこれを内定したか。しかもこの内定をするいきさつについては、
決算委員会で取り上げられたような諸般の汚職問題が、ある程度あったのではないかという
疑惑をはらみながらきめられておるという点においておやと私は思うのです。私はそういう
意味でロッキード社の
飛行機を長期にわたって
検討し、永盛
調査団が出たときもこのロッキードを十分研究して、そしてこれに対する資格を確認しようという
意味で出されたはずの
調査団の報告書、この報告書にもグラマンを掲げてはおりません。グラマンに好意を持った
調査は
一つも報告されていない。その後に出た牟田空将補や松前空将などの発言によっても、ロッキードに対して非常に好意があり、グラマンに対する期待が掲げられていない。佐薙さんが最終的に出られてようやくこれに好意的な動きが起り始めて、急速内定に運んだという印象を受けておるのですが、どうでしょうか。この長らくかかって
検討を加えてロッキードを研究してきたいきさつが、一ぺんに急転直下グラマンに変った。その事情をあなたの方で二回にわたってこの
委員会に出された資料でなお飽き足らないままといたしまして、ごく短期間に
決定をしたということに対するもっと大きな理由はないのでございますか。予算案を出す必要があるとかいう問題のほかに、もっと大きな問題があるのではございませんか。