○小出
政府委員 繊維
産業の不況
対策に関連いたしまして、織機それ自体を製造いたしておりますメーカーの
関係の問題に関しての御質問でございますが、当面の問題として、合繊織機の
設備制限に伴いまして、どういうふうな状況であり、
対策をとっておるかという御質問でございます。御指摘のように、繊維
産業不況
対策の
基本的な問題は、需給のバランスがとれないために、とりあえず供給力を制限するということでございまして、繊維
産業自体といたしましては、
設備が制限されるだけであって、注文がストップするわけではございません。織機の
製造業者といたしましては、制限でなくてほとんど今後新しい生産ができないという面におきましてはある
意味では非常に影響が深刻であるわけでございます。従いまして
通産省といたしましては、繊維局とわれわれの方の重工業局と相談をいたしまして、合繊織機の
設備制限を行います前に、あらかじめ紡織機の
製造業者に対する
対策を、一応方針を立てたわけでございます。御
承知の
通り織機の
設備制限規則の施行に伴いまして、まず大体九月十五日現在というところを時点として押えまして、諸般の
経過措置を
考えたのでありますが、まず第一には、織機
製造業それ自体の合理化を促進するという面でございます。それにはどうしても
技術水準を高めまして、高級な織物を中心とした
繊維品の
輸出拡大をはかる。もちろん一方において国内需要の増大ということも
考えなければなりませんが、そのためには第一に紡織機の
技術水準を高めますための
施策あるいは
研究が行われるわけでありますが、それに対しまして現在
鉱工業技術
研究補助金というような
各種の補助金がございます。その補助金をできるだけ積極的に充当する、積極的に充当するという
意味は、こういった
研究補助金を与えます場合に、その
審査の
基準というものがございますが、その
審査の
基準をできるだけ有利と申しますか、業界の方に対してできるだけ積極的に与えるという
方法によって
審査をやっている。それから第二は
技術水準を高めますためのメーカーの合理化
計画に対しましては、海外技術を導入する、海外との新しい技術提携をやる。生産がとまりましても生産の技術は日夜進歩しておりますので、これにおくれてはならないという
意味で、海外との技術提携をできるだけ促進いたしまして、そういった
技術水準の向上に努める。それから合理化資金の調達につきましても、商工中金等のあっせんによりまして、積極的に資金の調達をあっせんするというような点を中心にいたしまして、どうしてもやむを得ず転業しなければならぬというような場合におきましては、新規企業への転換資金は、もちろん商工中金なりあるいは中小企業金融公庫を通じまして、積極的にあっせんするということは
考えられるわけであります。
これは大体国内
対策でございますが、一方
輸出を促進するという面につきましては、もちろんこういったブランクの間に、中共の製品等が東南アジアに進出するというようなマイナスの面もございますので、できるだけ東南アジアというような後進
地域の諸国に対します
経済協力を促進する。その
経済協力計画の内容といたしましては、できるだけ紡織機という品目をとり上げてもらいまして、紡織機の
輸出の促進をはかるように考慮していきたい。それからこの
輸出の振興業務に関連いたしまして、マーケットの開拓なりあるいはアフター・サービスというようなものを行いますにつきましては、
相当外貨資金が要るわけでございますが、そういった外貨資金の獲得につきましてもいろいろな形でできるだけ必要額を優先的に確保するような
措置をとっていきたいというふうに
考えております。
これらは今後における内需なり
輸出促進における
基本的な
対策でありますが、とりあえずの
経過措置といたしまして、先ほど来申しましたように、九月十五日現在で一応押えたわけでございますが、この九月十五日現在までにいろいろ注文を受けておって、しかもその日までに納入ができないというようなものもございますので、それらにつきましては
経過措置といたしまして、すでに登録されております登録織機のりプレイス——更新のあっせん、あるいは新規織物業者の登録権譲り受けのあっせんというようなことを積極的に行いまして、既
契約のキャンセルをできるだけ防止するということであります。それから九月十五日の施行日までに約束
通り生産されておりましたけれども、まだ引き渡しが済んでいないというような織機が
相当あるわけでございまして、そういう織機がメーカーの場所にある場合におきましても、言いかえますれば需要者——ユーザーのところになくても、その織機の所在の場所において確認
措置を認めるというようなことを、ただいま現地の通産局を通じましてやらしております。そういうような段階でございまして、先ほど申しましたように、織機のメーカーの方は、ある
意味においてこの影響がより以上に深刻でございますので、できるだけ万全の
措置をとっていきたい、かように
考えております。