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1958-10-27 第30回国会 衆議院 決算委員会 第3号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和三十三年十月二十七日(月曜日)     午前十一時七分開議  出席委員    委員長 田中 彰治君    理事 井原 岸高君 理事 鹿野 彦吉君    理事 鈴木 正吾君 理事 山本 猛夫君    理事 神近 市子君 理事 山田 長司君       大倉 三郎君    久野 忠治君       小林 絹治君    高石幸三郎君       高橋 英吉君    辻  政信君       中島 茂喜君    福永 一臣君       渡邊 良夫君    淡谷 悠藏君       小川 豊明君    上林與市郎君       坂本 泰良君    西村 力弥君       松平 忠久君    森本  靖君  出席国務大臣         国 務 大 臣 左藤 義詮君  出席政府委員         内閣官房長官  赤城 宗徳君         防衛庁参事官         (長官官房長) 門叶 宗雄君         防衛庁参事官         (装備局長)  小山 雄二君  委員外出席者         証     人         (前国防会議事         務局参事官大蔵         省主計官)   吉村 眞一君         専  門  員 黒田 久太君     ————————————— 十月二十七日  委員稻葉修君、大久保留次郎君、賀屋興宣君、  椎名悦三郎君、松田鐵藏君、保岡武久君及び片  島港君辞任につき、その補欠として高橋英吉君、  久野忠治君、辻政信君、高石幸三郎君、福永一  臣君、大倉三郎君及び小川豊明君が議長指名  で委員に選任された。 同日  委員大倉三郎君、久野忠治君、高石幸三郎君、  高橋英吉君、辻政信君及び福永一臣辞任につ  き、その補欠として保岡武久君、大久保留次郎  君、椎名悦三郎君、稻葉修君、賀屋興宣君及び  松川鐵藏君が議長指名委員に選任された。     ————————————— 本日の会議に付した案件  証人出頭要求に関する件  歳入歳出実況に関する件(防衛庁航空機購  入問題)      ————◇—————
  2. 田中彰治

    田中委員長 決算委員会を開会いたします。  本日は歳入人歳出実況に関する件、特に防衛庁航空機購入問題を議題として調査を進めます。  質疑の通告があります。順次これを許します。山田長司君。
  3. 山田長司

    山田(長)委員 吉村さん、あなたは由比という人を知つておりますか。
  4. 吉村眞一

    吉村説明員 知つております。
  5. 山田長司

    山田(長)委員 あなたは小松という人を知つておりますか。
  6. 吉村眞一

    吉村説明員 知りません。
  7. 山田長司

    山田(長)委員 あなたは大川という人を知つておりますか。
  8. 吉村眞一

    吉村説明員 存じております。
  9. 山田長司

    山田(長)委員 赤澤という人は御存じですか。
  10. 吉村眞一

    吉村説明員 知つております。
  11. 山田長司

    山田(長)委員 由比それから天川赤澤、三氏を知り合つた原因、そうしていつごろから交際されておられるか、お答え願いたい。
  12. 吉村眞一

    吉村説明員 由比さんとはたしか昭和二十九年か三十年でございますか、当時F86の国産問題をやりまして、その当時から仕事の上でお会いしたことがございます。  それから天川さんは昭和二十八年当時から、ちようど私が大蔵省主計局防衛担当主計官を命ぜられましたころから、国際情勢軍事情勢につきまして、天川氏の御意見を聞いたことがございまして、その後もつき合つております。  それから赤澤氏は通産省の現在重工業局航空機武器課長でございまして、赤澤氏がたしか防衛庁に一度出向しておつたことがございますが、その当時から仕事の上でつき合つております。
  13. 山田長司

    山田(長)委員 あなたは大乃という料理屋を知つておりますか、どうですか。
  14. 吉村眞一

    吉村説明員 知つております。
  15. 山田長司

    山田(長)委員 あなたは大乃という料理屋由比氏と会食をしたことがありますか
  16. 吉村眞一

    吉村説明員 ございません。
  17. 山田長司

    山田(長)委員 説明員としてきようは呼びましたけれども、証人としてお切りかえを願いたいと思います。一応皆さんにお諮り願います。     〔「ちよつと休憩をしてもらつて理事会を開こう」と呼ぶ者あり〕
  18. 田中彰治

    田中委員長 山田君の証人要求について、休憩をして理事会で相談したいと思いますので、暫時休憩いたします。     午前十一時十六分休憩      ————◇—————     午前十一時十八分開議
  19. 田中彰治

    田中委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。  山田君の御要求がありました本問題について、吉村眞一君を証人として本日午後の委員会出頭を求めるについてお諮りいたします。これに賛成の諸君の起立を求めます。     〔総員起立
  20. 田中彰治

    田中委員長 起立総員。よつて、出村君を証人として本日午後の委員会に出席願い、その証言を求めることに決しました。     —————————————
  21. 田中彰治

    田中委員長 それでは、手続がございますので、その時間中説明員として質疑を進めます。山田長司君。
  22. 山田長司

    山田(長)委員 吉村さんに、私が今強く証人とすることをお願いする理由は、先ほど小松さんをあなたは知らないと言われていますが、小松さんは三菱商事の方です。よくお考えになつていただきたいと思うのです。  次に、あなたと一緒小松さんが大乃で会食をしたと思うのです。このことはどうですか。
  23. 吉村眞一

    吉村説明員 小松氏のことは私全然知りませんし、会食したこともむろんないと思います。
  24. 山田長司

    山田(長)委員 それでは、先ほどあなたが仕事関係で、F86のことでお会いになつたと言われた、由比氏とそれから天川氏と一緒に大乃で会つていると思いますが、これはどうですか。
  25. 吉村眞一

    吉村説明員 一緒に会つたことはございません。
  26. 山田長司

    山田(長)委員 それじやあなた一人で大乃で会食したんですか。(笑声)
  27. 吉村眞一

    吉村説明員 天川氏とはたびたび一緒に行つたことはございますが、由比氏とは行つたことはございません。
  28. 山田長司

    山田(長)委員 私が、一人で会食というのは、支払いしている金額がわかつているわけです。一人としては少し暴利であるから、会食者があると見て伺つているわけなんです。そこであなたが一緒会食された日で、大体わかつている日があつたら、その日を一つつてみて下さい。なおその折に廣岡国防会議事務局長あるいは高橋岡部——岡部は、防衛庁航空機課の部員です。これらの人たち一緒に出ているかどうか、何回くらい会食しているか、一応御説明願います。
  29. 吉村眞一

    吉村説明員 私が大乃へ参りましたのは、大体天川氏と行つたのが月に二、三回程度はあると思います。岡部氏につきましては一緒に行つたこともございませんし、廣岡事務局長は私が国防会議事務局参事時代の直接上司といたしまして、たしか一、二度お供をして行つたことはございますが、これは部内の集まりでございまして、そういつた部外の人と一緒会食したことはございません。
  30. 山田長司

    山田(長)委員 あなたが国防会議事務局参事官として出向した日は何年の何用から何年の何月だつたか、これをお知らせ願います。
  31. 吉村眞一

    吉村説明員 発令になりましたのはたしか昨年の四月の五日でございます。それからことしの六月の初め、たしか十日だつたと思います。その間であります。
  32. 山田長司

    山田(長)委員 国防会議事務局で、あなたはどんな仕事を主としてやつたんですか。
  33. 吉村眞一

    吉村説明員 私は出身が大蔵省でございますから、主として財政的な見地からのいろいろな資料の整理なり、そういつた仕事をやつておりました。事務局参事官事務分掌につきましては一応専任の参事官で集まつてやるということでございまして、ただある問題については特定の参事官中心になつてやる、そういうふうな運営方針でやつておりますが、私は参りました当時から——参ります前に大蔵省防衛庁の予算を長くやつてつたものでございますから、P2Vの対潜哨戒機とか、それから次期戦闘機の問題につきましては、ある程度中心的に、中心になつてつてつたわけでございます。
  34. 山田長司

    山田(長)委員 あなたが中心になつておやりになつたことは大体わかつているのですが、天川氏は国防会議もしくは防衛庁等嘱託等をしておつたのですか。
  35. 吉村眞一

    吉村説明員 別に嘱託というわけではございませんが、天川氏は国際情勢とか軍事情勢についていろいろ新しい情報を持つておられますし、それから軍事技術的な方面についても、われわれしろうとに非常にわかりやすいような教え方をしてくれる人でございまして、二十八年以来私はつ合つておりますし、国防会議事務局においても、ときどき、月に一回くらいは呼んで、先生意見なり情報を得ておりました。
  36. 山田長司

    山田(長)委員 国防会議あるいは防衛庁から、この天川氏に給料、あるいは謝礼、あるいは実費弁償、あるいは委託費、あるいはその他の名義であるかもしれないが、こういう点で金銭の支払いがあつたかどうか。
  37. 吉村眞一

    吉村説明員 防衛庁のことは私存じませんが、国防会議事務局におきましては、毎月の講義に対しまして多分金払つてつたと思います。直接の会計担当でありませんから、はつきりしたことは申せませんが……。
  38. 山田長司

    山田(長)委員 あなたは白ばくれない方がいいと思うのです。なぜかというと、あなたと大川勇氏との間では、私たちが調べた範囲では、あなたのことをよつちやんと言つている仲なんですわ。あまり内容を知らぬようなことではなくて、おそらくもらつた話などは全部知つている仲なんですよ。私の知つている範囲では、そういう仲でありながら、そういうふうにいかにも白々しいように、防衛庁からだけの講義料しかもらつてないような話では、これは話は進まないのですよ。どうですか、もう少しはつきり言つていただけませんか。
  39. 吉村眞一

    吉村説明員 私、防衛庁のことは存じませんと申し上げたわけであります。国防会議事務局からは、先生からいろいろ話を聞いておりますから、それに対しまして金を払つてつたということを申し上げたわけでございます。
  40. 山田長司

    山田(長)委員 そうすると、話を聞いておつたのは、講義料をもらつている程度のことを知つておるというのですか。
  41. 吉村眞一

    吉村説明員 そうでございます。
  42. 山田長司

    山田(長)委員 赤澤由比岡部大川廣岡馬場高橋の各氏と会食したことがあると思うのですが、何回くらいありますか。
  43. 吉村眞一

    吉村説明員 由比氏とは別にございません。それからあとの役人の方々といたしましては、廣岡事務局長上司でございますから、一緒に食事したことはむろんございます。それから高橋馬場両氏につきましては、たしか国防会議の方でお呼びして一緒会食したことがあるようにも記憶しますが、この点ちよつとはつきりいたしません。
  44. 山田長司

    山田(長)委員 あなたは今説明員という格で説明されている。その話を聞いているわけですが、この由比氏が出てないとあなたは言われているけれども、出てないはずはないのです。全然出ていないと、あなたははつきり言い切れますか。私はあらためて午後またこれは証人としても聞き直しますけれども、今の会合に出ていないのですか。
  45. 吉村眞一

    吉村説明員 出ておりません。
  46. 山田長司

    山田(長)委員 それでは、今私が尋ねた人たち会食された日は、はつきり申し上げますよ。これは幾つもある会食の中の一つです。ロッキードからグラマンに変えられるという運動が始まつた当時の十一月二十七日の会合を、今私は一つ引つぱり出したわけです、今あなたに話したことは。わからないようにあなたは思つておるかもしれないけれども、調べた資料に基いて幾つもの中から今引き抜いてあなたに話しているわけなんで、忘れたならば忘れたでいいけれども、出ていないということをはつきりあなたが言い切れることがおかしいんですよ。それではこの会合ではどういう話が出ましたか。
  47. 吉村眞一

    吉村説明員 そういう方々一緒に一堂に会して会食したということは私は全然覚えはございませんし、ないとはつきり言えます。
  48. 山田長司

    山田(長)委員 機種選定については、昨年の十一月ごろから防衛庁では大体グラマン決定して話が進められたと言われているのです。いいですか、それであなたは廣岡局長から要請されて、国防会議においてグラマン決定するためにいろいろ話をされているはずなんですけれども、廣岡事務局長とどんな話をしましたか。
  49. 吉村眞一

    吉村説明員 機種選定につきましては、むろん防衛庁中心になつてつておられまして、そのために調査団を派遣し、それからスタッフもそろえておられるわけでございますから、防衛庁から出される資料につきまして、それを国防会議にお諮りする前の段階として、事務局はこれを参事官会議にかけまして検討するわけでございますが、それの資料を整理するという意味で私は仕事を仰せつかつてつてつたわけでございます。
  50. 山田長司

    山田(長)委員 それは十一月の何日ごろか、記憶ありませんか。
  51. 吉村眞一

    吉村説明員 仕事を始めましたのは大体いつかといいますと、ちよつと記憶はございませんが、むろん昨年の終りごろから機種選定につきましての問題が議論されておつたわけでございますから、仕事の上で毎日本件と取り組んでやつてつたわけでございます。
  52. 山田長司

    山田(長)委員 あなたはさつきも言わなかつたけれども、その当崎新三菱由比という航空機関係者があなたと会つているはずですが、そうするとあなたが会つているのは役所で会つているだけだと言うのですか。
  53. 吉村眞一

    吉村説明員 役所お話を聞いたことはございます。     〔「初めは由比は知らないと言つたじやないか」と呼ぶ者あり〕
  54. 山田長司

    山田(長)委員 この会合は、あなたが主としてやられている。ちようどあなたの立場は、扇のかなめみたいな役割をしているんですよ。そのあなたが、この会食されたときの経費などはだれが払われたか知らないはずはないのですが、会食経費はだれが払つております。
  55. 吉村眞一

    吉村説明員 先ほども申し上げましたように、そういう方たち会食したことはございませんから、その点についてはだれが払つたかということも、私から言う筋でもないと思います。
  56. 山田長司

    山田(長)委員 そうすると、たとえばあなたは会食された大乃だけは認めておるわけですが、あなたが会食されたと言われた場所は、ほかにどことどこがありますか。
  57. 吉村眞一

    吉村説明員 会食と申しましても、先ほどから申し上げておりますように、本件関係業者会食したことはございません。
  58. 山田長司

    山田(長)委員 会食していないはずはない。先ほど会食したということを認めておるわけですが、そうすると、会食した場所もあなたは言えないわけですか。大乃以外場所を言つて下さい。
  59. 吉村眞一

    吉村説明員 会食と申しましても、だれと会食したかでございますが、業者の方とはやつておらないということでございます。
  60. 山田長司

    山田(長)委員 業者の方とでなくてもいいから、会食した場所で、大乃以外場所を知つている範囲を言つて下さい。
  61. 吉村眞一

    吉村説明員 大乃のほかに赤坂に司というのがございますが、それからあと銀座エスカイヤ、それから紅馬車、そのあたりへ行つたことがございます。
  62. 山田長司

    山田(長)委員 紅馬車……。
  63. 吉村眞一

    吉村説明員 赤坂紅馬車でございます。
  64. 山田長司

    山田(長)委員 紅馬車のほかにもう一つ……。
  65. 吉村眞一

    吉村説明員 エスカイヤでございます。
  66. 山田長司

    山田(長)委員 それだけしか記憶ないらしいですから、あとでまた聞きます。この会食にあなたが出ている数というのは、われわれが調べた範囲でも相当の数になつているんですが、まだ今出ているほかに行つている所があるはずです。それはあなたが答えを出すうちにあと記憶からさらに出してもらいたいと思う。  この期間中に、今度のグラマンを新三菱決定する場合におけるいろいろ話天川氏等から出ているはずでありますが、それらについてこのときにどんな話がされていますか。
  67. 吉村眞一

    吉村説明員 天川氏は別にグラマンでなければいかぬとか、それから新三菱でなければいかぬとか、そういう意見を持つておられなかつたようでありまして、われわれが国際情勢なり軍事情勢なり聞く間に、むろんいろいろ議論したこともございますが、そのときには大川氏の意見というものは、大体非常に慎重にやらなければいかぬ、防衛庁でいろいろ資料を準備して国防会議に出してこられるであろうが、飛行機の速力とか上昇性能だけでなくて、武器を運搬する道具としての飛行機という観点からも大いに検討する必要がある、というふうな意見を言つておられました。そのほかに次期戦闘機をどうするかという問題は、ミサイル——対空誘導弾の将来の見通しを立てた上で考えるべきじやないかというふうなことで、別にグラマンでなければいかぬというふうな意見は持つておられなかつたように記憶しております。
  68. 山田長司

    山田(長)委員 天川氏とあなたとのつき合いは相当長いし、こういう会合に出て飛行機性能など詳細に話し得る人のようですし、しかも世間ではあなたは天川氏と兄弟分ほどに親しいと言われている。ですから天川氏のことをよく知つているはずですが、大川氏の話を一つもう少し詳しくお教え願います。
  69. 吉村眞一

    吉村説明員 二十八年以来のつき合いでございますから、相当親しいつき合いはしておりました。天川氏のこの飛行機問題に対する考え方というのは、私が今申したような点でございまして、技術用な面からのいろんなお話はございましたが、大局的な話としては大体そういうふうな立場先生はとつておられたように記憶しております。
  70. 山田長司

    山田(長)委員 もう少し詳しく知らないはずはないのです。どういう経歴を持つた人で、いつごろから防衛庁へ出入りをするようになつたか、これらのことをあなたが知らないはずはないのです。
  71. 吉村眞一

    吉村説明員 天川氏の経歴について私が承知しておりますのは、戦争中に海軍省軍務局調査課嘱託をやつておられたということでございまして、二十八年以来、大蔵省主計官立場でいろんな話を聞いた、そういう交友関係にあつたわけでございます。
  72. 山田長司

    山田(長)委員 この人が経済学博士である、あるいは大学博士であるというようなことは、あなたは知らないのですか。それともうわさに聞いておりますか。
  73. 吉村眞一

    吉村説明員 うわさには聞いております。
  74. 山田長司

    山田(長)委員 うわさにはどんなふうに聞いておりますか。
  75. 吉村眞一

    吉村説明員 慶応大学を出られた方でございますが、慶応大学ではたしか哲学をやつておられた。それから、いつからでございますか、理学博士称号を持つているんじやないかといううわさを聞いたこともございます。その点は別に、そういう称号を持つておりますかということを確かめたわけでもございません。
  76. 山田長司

    山田(長)委員 長い間つき合つてつて、しかもあなたは兄弟分のようなつき合いをしているわけだ。それが実際に博士であるのかないのかというようなことをあなたが知らないということは、考えられませんよ。もつと詳しく御説明願いたいと思うのですが、どうですか。
  77. 吉村眞一

    吉村説明員 別に文学博士とか理学博士とつき合つているわけではございませんから……。いろいろ国際情勢なり軍事技術についてなかなか傾聴に値するところがございましたから、ずつとつき合つてつたわけでございます。
  78. 山田長司

    山田(長)委員 先ほどグラマン決定に当つてこの人は何の意見も言われないかのごときことをあなたは言われておるが、このことについてはかなり専門的な意見を言われておるし、あなたもそれを聞いてなければならぬはずです。今あなたの言われておる言葉の中にも、軍事的な意見を持つておることを言われたようですけれども、このことが出ていなければならぬはずですが、どうです。
  79. 吉村眞一

    吉村説明員 各機種について、天川氏の天川氏流のそれぞれの解釈はむろんあつたわけであります。しかしながら大川氏は、たとえばロッキードのF104は非常にスピード上昇性能のすぐれた飛行機である、しかし航続距離滑走距離においては若干ほかの飛行機より劣る部分がある、グラマンについては、上昇性能スピードは104に及ばない、しかし滑走距離なり航続距離安全性という点では上ではなかろうか、あるいはまたN1う6という軽量小型戦闘機もあるわけでありますが、そういう飛行機は非常用に安価で手軽でいいかもしれぬが、性能的には不十分ではなかろうか、むろんそういう意見はあつたわけでございます。しかし、その上にどうすべきであるということは全然なかつたわけでございます。どれをとるかは、その長短をよく調べた上で防衛庁なり国防会議当局において判断すべきである、こういうことを言つておられます。
  80. 田中彰治

    田中委員長 山田委員にお諮りしますが、官房長官は四十五分からちよつと会議があるので、終えたらまたこつちへ来るそうですから……。  それでは暫時休憩いたします。     午前十一時四十七分休憩      ————◇—————   午後一時十九分閣議
  81. 田中彰治

    田中委員長 休憩前に引き続き調査を進めます。  午前中の委員会決定によりまして、吉村眞一君が証人として出頭せられております。  この際証人に一言申し上げます。昭和二十二年法律第二百二十五号、議院における証人宣誓及び証言等に関する法律によりまして、証人証言を求める場合には、その前に宣誓をさせなければならないことと相なつております。宣誓または証言を拒むことのできるのは、証言が、証人または証人配偶者、四親等内の血族もしくは三親等内の姻族または証人とこれらの親族関係にあつた者及び証人の後見人または証人の後見を受ける者の刑事上の訴追または処罰を招くおそれのある事項に関するとき、またはこれらの者の恥辱に帰すべき事項に関するとき、及び、医師歯科医師、薬剤師、薬種商、産婆、弁護士、弁理士弁護人公証人、宗教または祷祀の職にある者またはこれらの職にあつた者がその職務上知つた事実であつて黙秘すべきものについて尋問を受けたときに限られておりまして、それ以外には証言を拒むことはできないことになつております。しかして、証人が正当の理由がなくて宣誓または証言を拒んだときは一年以下の禁錮または一万円以下の罰金に処せられ、かつ宣誓した証人が虚偽の陳述をしたときは三月以上十年以下の懲役に処せられることとなつておるのであります。一応このことを御承知になつておいていただきたいと思います。  では、法律の定めるところによりまして、証人宣誓を求めます。御起立を願います。  宣誓書の御朗読を願います。     〔証人吉村眞一朗読〕    宣誓書   良心に従つて、真実を述べ、何事もかくさず、また何事もつけ加えないことを誓います。
  82. 田中彰治

    田中委員長 それでは宣誓書署名捺印してください。     〔証人宣誓書署名捺印
  83. 田中彰治

    田中委員長 これより証言を求めることになりますが、証言証言を求められた範囲を越えないこと、また御発言の際には、そのつど委員長の許可を得てなされるようお願いいたします。なお、こちらから質問をしておるときはおかけになつていてよろしゆうございますが、お答えの際は御起立を願います。  証人に対しましては委員から順次証言を求められておりますから、これを許します。山本猛夫君。
  84. 山本猛夫

    山本(猛)委員 証人お尋ねを申し上げますが、午前中証人としてでない立場においでになつた間にお答えになりました山田委員へのお答えを伺つておりましたが、そのお答えによりますと、あなたは、業者と料亭その他そういう社交場一緒に行かれて会食などしたことはない、こういうふうにお述べになつておりますが、さように御解釈申し上げてよろしゆうございますか。
  85. 吉村眞一

    吉村証人 本件に関しましてそういうことはございません。
  86. 山本猛夫

    山本(猛)委員 山田委員お尋ね証人名前の姓だけ言つておられますが、その人たちの中で天川という人はどういう名前の方でございますか。
  87. 吉村眞一

    吉村証人 天川勇と承わつております。
  88. 山本猛夫

    山本(猛)委員 私の知つていることが間違つていなければ、この人は業者でございますが、あなたは業者とお認めになりませんか。
  89. 吉村眞一

    吉村証人 天川氏は天川研究所というような格好で一種の研究所を開いて、情報調査とか研究をやつておるように承わつておりまして、本問題に関する関係業者ではないと思つております。
  90. 山本猛夫

    山本(猛)委員 今お答えになりました天川勇君とは、あなたは非常に御懇意なはずなんですが、御懇意であることを了承してよろしゆうございますか。
  91. 吉村眞一

    吉村証人 そう了承していただいてけつこうでございます。
  92. 山本猛夫

    山本(猛)委員 それならばこの方は業者でございます。なぜならば新三菱重工業の顧問というりつぱな職責にございます。しかも本件に関しては相当程度重大な関心をお持ちになつておられることも事実でございます。あなたが午前中におつしやつた司の主人と私は友だちでございます。あなたが司でおやりになつたことは一部始終全部私は知つております。また紅馬車等も、私はそうたくさんは参りませんけれども、紅馬車へどなたをお連れになつたかということも——これはよけいなことでございますから……。私はあなたを汚職問題とかなんとかいうことで御追及申し上げようとはみじんも考えておりませんが、しかしその席上お話になつたこと等も本件問題に関連性が全然ないということは、あなたは断言し切れないと私は思うのでございます。それをあなたに押しつけようとか、そうしてあなたを故意に陥れようというようなことは、私は毛頭考えておりません。そういう意思は断じてございませんが、しかし本件はあなたも御承知の通り、これはもう無人機の時代に入つておりまして、しかもこういうものは六年後でなければ部隊に配偶されないということは、厳固として否定することのできない事実でございますから、これはあなたもだてや酔狂で国防会議にお働きになつているのじやございませんし、ことにあなたは防衛庁関係の経理担当官としてお金の出し入れをおやりになつたという、十分な豊かな経験をお持ちの経歴の方でございますから、私があなたにかようなことを申し上げるということは釈迦に説法である。こういうものはもう時代のものではない。今度の金門島事件をごらん下さい。アメリカはいざという場合には人間の乗る兵器以外のものを持つてきてあの問題を解決しなければならないということは、明確な事実として米国の腹がまえがわかります。日本の場合もその通りなんです。天川勇とあなた、この二人だけしか知らないことがたくさんある。防衛庁の中でも、ほんとうに二名か三名かでなければ防衛庁全体の人が知らないという、最高の機密という言葉で言い表わしたらよろしゆうございましようか、とにかく防衛庁全体のああいう大ぜいの中で、たつた二人か三人しか知り得ない重大な機密もあなたと大川勇君が知つている、これを否定なさいますか。
  93. 吉村眞一

    吉村証人 どういう事柄か存じませんが、特に最高の機密というようなことはございません。
  94. 山本猛夫

    山本(猛)委員 これを具体的に入りますことは、防衛庁設置法の第十一条の機密に関する事項の中に規定されている問題でありますから御追及は申し上げませんけれども、あなたは現在の職責上、こういう日本防衛に関する重大な問題に関する限りは、重大な職責におありになるということは否定できない事実だろうと思いますが、いかがでございますか。あなたの職責、お立場です。
  95. 吉村眞一

    吉村証人 当時、国防会議事務局参事官としての職責についてはそうであると思つております。
  96. 山本猛夫

    山本(猛)委員 それでは、少しく私が本問題に関心を持ちましたことを一言で申し上げてお話の順序としたいと思いますが、ともかく今は、もうこういう飛行機を買う時代ではないのです。よろしゆうございますか、ボディを買いますのに、グラマンを買つた場合は、本委員会で明確になりましたように三億七千万、予備部品——飛行機のことでございますから、予備のエンジンも何台か必要であるということでございましたならば、ざつと概算いたしましてボディだけでも一機四億、三百機でございますから千二百億という数字が出て参るのでございます。それから、あなた御承知の通り、一人のジェット・パイロットを養成いたしますのに二年二カ月の時間をかけて、経費は最低に見積つて一億です。これが、交代要員を入れないで、三百機に対する三百人といたしましても概算にいたしまして三百億。整備要員——現在の滑走路をもつてしてはあなたがお買いになろうとするグラマンは、これは飛べませんから、日本の滑走距離を倍にしなければならないし、整備要員も置かなければならない、整備のすべての施設をしなければならないということになりましたら、どう概算に勘定いたしましてもグラマン購入の場合は二千億の金が必要である。その半分が防衛分担金であがなわれたといたしましても、これは一千億以上の日本の国民の負担になる。しかもそれは六年後でなければ部隊配属にならぬということでありますから、今後の戦争に何の役にも立つものじやないということで、これが問題になつておるわけでございます。ところが、本問題をきめるのに、あなたはこの天川という人間——山田委員から尋ねられました山比直一君、これは新三菱重工の航空機部長である。こういうような人たちとあなたたちとのお話し合いというものをだんだん検討してみますると、あなたがその中心になつているかのような感があるのであります。でありますから、あなたに対するお尋ねはこれでとめますが、私は委員長にお願いする。あなたは委員長の職責にあつて、本問題に重大な関心をお持ちになつておるということは当然であります。しかし、あなたは一両日前に、本件——今私が吉村君にお尋ねをしていることに関連してでも、重大な書類を入手されたはずです。その書類をお出しになりさえすれば、今朝来山田君がお尋ねしておりますることも、私どもが重大な関心事としてこの問題に関心を寄せておりますことも、一挙に解決をいたします。それはいつお出しになりますか。あなたはお持ちになつておらぬとは私は言わせない。
  97. 田中彰治

    田中委員長 山本委員お答えいたします。いろいろ調査資料は入手しておりますが、まだその書類も検討中ですから、今出す時期ではございません。それから、この書類を出しましたところで、それは天川氏に対する問題でありましようが、しかし、今天川氏は来ておらぬのであります。それを調べておらないのですから、ちよつと不必要なような感じもいたしますので、申し上げません。
  98. 山本猛夫

    山本(猛)委員 あなたは何の必要があつてそういうふうにそれをお隠しになりますか。私は入手経路を知つているのです。約一週間ばかり登院はいたしておりませんでしたけれども、あなたが外でお会いになつたことを知つている。お会いになつた人間も知つている。その入手をされた書類も知つている。あなたはどうしてそれをお出しにならないのですか。委員会はさらに紛糾するということをあなたはおわかりにならないのですか。あなたがその書類をお出しになりさえすれば、本問題は解決します。どうしてあなたは時期でないとおつしやるのですか。
  99. 田中彰治

    田中委員長 そういうものは、今出す必要はありません。  山田長司
  100. 山田長司

    山田(長)委員 委員長、今の山本君の発言については、実は私も伺いたいところなんですが、いずれ話の順序で、もう一ぺん委員長から私も聞きたいと思います。  次に、今度は証人ですから、吉村証人に伺います。あなたは二十四日か二十五日に、毎日新聞の記者にお会いになりましたか。
  101. 吉村眞一

    吉村証人 毎日新聞のたしか牧という記者に、夜中に電話がかかつて参りまして、お話をしたことはございます。
  102. 山田長司

    山田(長)委員 その新聞記者に、業者会食したことはある、こういうお答えをしましたか。
  103. 吉村眞一

    吉村証人 会食したことはあると申し上げたのではなくて、業者とお会いしたことはある、というふうに言つたのであります。
  104. 山田長司

    山田(長)委員 だいぶ話が変つてきましたが、午前中のあなたのお答えの中に、紅馬車エスカイヤ、あるいは司、大乃、こういう個所が出ましたが、私の調べた範囲では、それ以外の個所でもあなたは会つていますけれども、まずそれらの場所におけるところの支払い、たとえば私の調べた範囲では、一人が大体一万円を下つておりません。そういう金の使い方の支払いは一体だれがやつたのか。この支払いをされた人の名前をお知らせ願います。
  105. 吉村眞一

    吉村証人 天川氏との会合のことだろうと思いますが、それはみな天川氏の負担であると思つております。
  106. 山田長司

    山田(長)委員 あなたは兄弟づき合いをするほど別懇でありますが、この天川氏が財政をするということは、幾ら親しくてもなかなか困難だが、あなたの想像でもいい、どこからそんな大金が次々出ておるか、一応お答え願います。
  107. 吉村眞一

    吉村証人 他人のふところでございますから、むろんこまかいことはわかりませんが、現在いろいろな情報を収集され、それを分析し、それを財界とか経済界あたりの主要メンバーとの何か研究会みたいなものをやつておられまして、そういう方々に毎月話をしておるように聞いておりますが、そういつた関係等から出ておるのじやないかと、私は、想像でございますが、思つております。
  108. 山田長司

    山田(長)委員 そこで、いろんな形の方から献金のようなものがされておるのを天川氏がお使いになつておるようなお話ですが、大川氏が電機関係者を集めて講演をされておる、このことは知つております。あなたもおそらく知つておると思う。どういう場所で電機関係者を集めたところでお話をされておるか。それから集まつた中に、たとえば三洋電機とか日本電気とかあるいは三菱電機とかあるわけですが、もつとあなたは知つているはずです。その電機関係者の会社の名前、それから集まつた場所、親しいからそのときの謝礼がどのくらいだつたかということはあなたと話し合つているはずです。わかつておればお知らせ願います。
  109. 吉村眞一

    吉村証人 そういうことは天川氏からは全然聞いておりません。親しいつき合いではありますが、他人のふところをせんさくするほどの興味は私はないのであります。
  110. 山田長司

    山田(長)委員 しかし二十回や三十団の料理屋行きではありません。私は何もこれを全部信用しておるというわけじやないのですが、毎日新聞に出ておる森脇メモなるものを見ても相当な数です。私がさらにあなたに伺いたいことは——これはもう知らないはずはないのです。同時にこの人の支払いは現金支払いをさしていない。帳面の支払いをしておる。帳面の支払いをしておることは知つていますか。
  111. 吉村眞一

    吉村証人 どういう支払いをしておるかは存じません。
  112. 山田長司

    山田(長)委員 たとえば、証人先ほどの時間に言われておるけれども、紅馬車の場合などは、あなたも知つているように、紅馬車の時間は、夜の八時に始まつて次ぐ日の午前二時、三時ですよ。そういう時間にあなたもそこへ出入りしているわけです。しかも、そのときの支払いがどのくらいかかるかということは、とてもちよつとやそつとの支払いじやないのです。大乃の会合に行つて、それから紅馬車へ行つた十二月二十七日などは、やはり何万という金を使つている。こういう金の支払いがみな天川氏によつてなされておるものとするならば、あなたは会食や、こういうキャバレー、ダンス・ホール、ナイト・クラブなどへ行つたときに、不思議に思わなかつたのですか。どうです。
  113. 吉村眞一

    吉村証人 天川氏とは長いつき合いで、非常に親しくつき合つておるものでございますから、飲む場合にも、勢いに乗じてそういう、二次会に行くということもあつたわけでございます。その支払いについて、おかしいという気は起しませんでした。
  114. 山田長司

    山田(長)委員 あなた、少しずうずうしいですよ。たとえば新三菱の顧問であるということは、山本君がさつき言われたが、この人は小松製作所の顧問もしておる。一体、そういうふうに顧問をしている給料ぐらいで行ける場所じやないのです。しかもおそらくあなたは、一月中の二十数回にわたる会合なんというものは、ほとんど出ているわけなんですから、その支払いを全部されている期間中、ただの一ぺんもどんな支払いをしているか、机の上にツケがきたか、あるいはツケなどは全然こずに、そのままどんなことをして引き揚げられておるか、その引き揚げられている前後の様子を、見ないとは言わせない。一つつてみて下さい。どうです。
  115. 吉村眞一

    吉村証人 たとえば大乃の料理屋における場合は、これはまあ赤坂は通常そうであろうと思いますが、きようは頼んだぞというふうなことを、天川氏は帰つたわけであります。それから紅馬車は、私は一緒に参つたのでございますが、あまりああいうダンスをすることは好きじやございませんから、天川先生が引き揚げる前に帰つておりまして、支払い当時の模様は承知しておりません。
  116. 山田長司

    山田(長)委員 ただの一ぺんも支払いの前後の状態を知らずにいるということは、あり得ないと思うのですよ。あなたはそんなに無神経に人におごらしていいんですか。幾ら親しくても、少くとも大蔵省主計官ともあろう者が、そういうところへ出入りしておつて、しかも何回かの会合も全部大川勇なる者が支払いをしているということになつておるわけですが、一体それでいいのですか。一ぺんも手元を見ないですか。それほどあなたはずうずうしく人にごちそうになつたのですか。どうです。
  117. 吉村眞一

    吉村証人 新聞紙に載つておりますような回数は、私は行つたとはむろん考えておりませんし、月に二、三回程度は確かに天川氏とはつき合いで飲んだのでございますが、しかしその支払いについて特にどうこうという気は、先ほどお答えしておりますように、起しておらなかつたのです。
  118. 田中彰治

    田中委員長 証人、あなたにお尋ねいたしますが、あなたは公務員ですよ。しかも何千億という戦闘機を買う問題が起きているときに、天川氏は各会社を講演しておる。その講演の材料は防衛庁から全部出ておるのですが、今山本猛夫君が私を責めたのもそれなんです。ここにおられる防衛庁長官も知りません。官房長も知りません。そういう重要なものを持つてきて、図面入りの書類まで持つてきて、それで講演をして歩いている。それで取つた金——彼は新三菱の顧問です。それから今の小松製作所の顧問です。そういうこともあなたは御存じなんです。そういう人から公務員が、たとい月に三回といつても、行くたびに何士方円です。そういうものをあなたが飲んで歩いて、そういう話をして歩いたことがいいことか悪いことかということを、あなたが良心的に考えて答弁なさらぬと、これは非常に大へんな問題になります。防衛庁長官もここにおられるのだから……。
  119. 吉村眞一

    吉村証人 天川氏が新三菱の顧問であるということは、今初めて知つたのであります。小松製作所の……。(「なめるな。」と呼びその他発言する者あり)月に二回程度つき合いで、先生一緒に飲んだその金が、そういうところから出ているとは、私は今初めてお聞きする次第であります。
  120. 田中彰治

    田中委員長 証人、あなたのさつき言われたことは、天川氏の収入は何だと言つたら、つまり防衛に関する、そういうような講演をして歩いて、それで得た金だとおつしやつたでしよう。私のお尋ねしたのはそれじやないですか。
  121. 吉村眞一

    吉村証人 私が申し上げましたのは、国際情勢とか軍事情勢、世界一般の国際情勢、あるいはアルジェリアの問題でございますとか、それから軍事情勢としてはミサイルの問題であるとか、そういう技術的な問題についての研究会というふうに聞いておつたのであります。
  122. 田中彰治

    田中委員長 証人、あなたはそうおつしやるけれども、天川氏はそういう世界情勢も一日や二日言いますけれども、天川氏の講演されたのを十ばかり私は入手しておりますが、全部戦闘機の問題です。あなたはそれを知つておられるでしよう。
  123. 山本猛夫

    山本(猛)委員 関連質問。委員長は私の発言中に、発言を封じられたけれども、そういうことは不当です。委員長として不当です。私は正しいことをお尋ねして、この委員会を正常な立場におこうと努力しているのでありますから、一つ発言を途中で封じないように願いたい。今申し上げたのは、けさ山田委員吉村君にお尋ねをしたときに、出村君のお答えによれば、何か印象的に、出村君たちは、あるいは国防会議人たちは、天川という人から国際情勢を聞こうという、国際情勢に関する限り知識は上だというような印象を与えるような答弁を山田委員にしておるけれども、それは逆なんです。その資料をあなたは持つている。持つているあなたが、どうしてそれを発表なさらないか。その資料によつて天川は世間に対して講演して歩いている。吉村証人言つたこととは逆です。その書類をどうしてお出しになりませんか、もう一度お伺いいたします。
  124. 山田長司

    山田(長)委員 ……。     〔山本(猛)委員委員長、どうしてお答えになりませんか。」と呼ぶ〕
  125. 田中彰治

    田中委員長 山本委員お答えいたします。委員長調査関係上いろいろ書類を入手いたします。けれども委員長の権限で、出す書類と出さない書類と、いろいろな点について今考慮中でありますから……。
  126. 山本猛夫

    山本(猛)委員 それをお出しになる方が、本問題が解決すると言つているのです。
  127. 田中彰治

    田中委員長 委員長はそう思いません。委員長がその書類を出したら、この委員会がすんなりいくとは思つておりません。
  128. 山田長司

    山田(長)委員 あなたは、いろいろ天川氏から話を伺つて軍事情勢を知り得る立場なんだ。その知り得る立場で、あなたはむしろ、天川氏と幾ら親しくしても、先生扱いしている立場だと思う。その立場の人に——これは私はちよつとおかしいと思うのだ。そういう人に対しては、謝礼を出す立場じやないか。その謝礼を出す立場のあなたが、しかも今新三菱は初めてだと言つたけれども、私の質問に対しての、小松製作所の顧問であることはあなたは知つているはずです。
  129. 吉村眞一

    吉村証人 現在顧問をやつているかは知りませんが、昔小松製作所の……。(山田(長)委員「昔とは何だ。」と呼ぶ)終戦後でございます。何か部長をやつていたことは知つております。現在小松製作所に関係があるかどうかは承知しておりません。
  130. 山田長司

    山田(長)委員 むしろあなたは謝礼を出す立場じやないですか。いろいろ国防土における知識を授かつているわけですよ。その授かつているあなたが、その先生扱いにすべき立場の人間にごちそうになつてつて、しかも先ほどのあなたのお答えでは月に三回くらいのことを言つておるけれども、月に三回なんというのは、いつの月のことを言つているのです。言つてごらんなさい。いつの月のことを言つているのか……。
  131. 吉村眞一

    吉村証人 だいぶ前のことでございますから、はつきりしたことはあれでございますが、新聞紙で書いてありますように、某月の二十数回ということは絶対にございません。大体二、三回、多くてまあ四、五回……。(笑声)
  132. 山田長司

    山田(長)委員 親しい間柄ですから、財界の巨頭である佐藤喜一郎さんが財界人を大ぜい集めたところで、あの方が紹介するときに、日本の防衛庁長官よりもこの方の方が日本の国防上においては詳しいのだ、そういうふうな紹介をされているわけなんです。そこであなたにそういう話をやはりしたか、聞いたか。これはおそらく親しい間柄ですから、きようは財界の人たちに国防土における話をしてきたという話はされていると思うのですが、どうです。
  133. 吉村眞一

    吉村証人 何日か、たしか定例の日をきめて、一定の人を集めて話をしておられるような会合を持つているように聞いております。
  134. 山田長司

    山田(長)委員 その会合の礼金はどんなふうに出しておられるようですか。そういう話も私は出ておるだろうと思うのですが、お礼金と、毎月日をきめてやられておる何か、新三菱重工とか、あるいは三洋電機とか、あるいは日本電気とか、そういうメーカーがずらつと集まつているのですから、おそらく一社何万かの金を出し合つているのかもしれぬと思うのです。そういうことがあるいはあなたをごちそうする金になつておるのかもしれぬ。そういうことがわかつたならば一つ詳しくお話願いたい。
  135. 吉村眞一

    吉村証人 そういう何社から幾ら出たというような話は、先生全然しませんし、私もしいて聞かないものでございますから、承知しておりません。
  136. 山田長司

    山田(長)委員 この話が先ほど言われている山本委員の国防論であり、物動計画論なんです。おそらく官房長官も、あるいは長官も知らずにいると思うのです。しかもそういう計画書は委員長の手に入つているわけなんだ。委員長はいろいろな関係でこれは出さないと言われているようだが、これは私は考慮中じやなく、ぜひこの委員会の名において、やはり日本の国防論か防衛あるいは物動計画論というようなものが防衛庁長官も——長官がいるから尋ねるけれども、これは長官しつているかいないか、ちよつと聞こう。
  137. 左藤義詮

    左藤国務大臣 どういう種類の書類か存じませんが、私どもがいろいろ部内で検討いたしておりますことはございまするけれども、今御指摘のようなものをお示しいただけば、これは部内でやつているものであるか、そうでないにせものであるか、申し上げられると思います。
  138. 山田長司

    山田(長)委員 そこで委員長の手にしているものは天川勇の講演内容であるか、あるいは著書であるか、こういう点今発表する段階ではないように言われているけれども、その内容くらいはお示し願いたいと思うのです。どうです、委員長
  139. 田中彰治

    田中委員長 山田委員お答えいたしますが、私の手に入つているのは本物かにせものか、私も専門家でないからわかりませんが、ただ天川勇君の著書でもなければ、天川勇君が作つたものでもない。にせものか本物かわかりませんが、防衛庁から秘密に出されたものであります。
  140. 山田長司

    山田(長)委員 防衛庁から秘密に出されたものであるとするならば、これは長官はどういう角度の防衛計画論を持つておるか、長官の知つている種類のことを言つて下さい。
  141. 左藤義詮

    左藤国務大臣 私どもは防衛の計画を各段階において検討いたしておりまするが、外部へ発表いたしましたものが国防会議決定をいたしました防衛の基本計画というものでございます。
  142. 山田長司

    山田(長)委員 そういう書類は流れるような性質のものか、それとも絶対に流れないものなのか、どうなんです。
  143. 左藤義詮

    左藤国務大臣 そういう秘密のものは、外部へ出さないようにむろんいたしておるはずでございます。
  144. 山田長司

    山田(長)委員 委員長の持つておる書類が防衛庁から出たものであるか、あるいは天川勇氏の講演内容のものであるか、あるいはその他のものであるか、とにかくやはりこれは、かなり今、この戦闘機問題をめぐつてたち聞かなければならぬことなのです。今委員長の話では、秘密に防衛庁から出されたものだと言われるが、これは委員長は出所をなかなかあかすわけにはいかぬだろうと思うのだけれども、一体そうすると、防衛計画論が防衛庁に二つあることになると私は思うのだ。今あなたが話したことと、委員長が手にしておるものと二つあると思うのですよ。防衛庁としてつ計画論なるものを一体どんなふうに推し進めて作られておるのですか。何か許される範囲で御発表願いたいと思う。
  145. 左藤義詮

    左藤国務大臣 各幕でそれぞれ検討をいたしまして、それを庁議でまとめまして、いよいよこれが計画と——根本計画につきましては国防会議でもお諮りをいたしまして発表いたしておるのでございますが、それ以外のものは外部に発表いたしておるようなことはないと思います。  今、防衛庁の機密の書類が外に漏れておるというお話でございますが、私どもといたしましては、特に私着任いたしましてからも、機密の厳守ということについては庁内に訓示をいたしておりまして、十分機密を守りたいと努力いたしておるのでございます。今お話のように、もし庁内から漏れておるものがございますれば、お示しをいただきますれば私はその責任者を十分処断をいたすつもりでございます。
  146. 山田長司

    山田(長)委員 先ほどから吉村証人からいろいろ伺つておるし、さらに私たちが調べた範囲で、防衛庁長官の横に天川勇なる者がすわるというか、あるいはさらに国会議においてもこの人が入つておるという話ですが、これは赤城官房長官も、さらに長官もお答えを願いたいと思うのです。この人が行つているという話は聞いておるのですか。
  147. 左藤義詮

    左藤国務大臣 私着任以前のことは、いずれ調べまして申し上げますが、私着任以来、天川という人の意見を聞いたこともございませんし、会つたこともございません。私の横にすわつたことば全然ないと存じます。
  148. 赤城宗徳

    ○赤城政府委員 私が官房長官になつてからまだ国勢会議を聞きませんので、その人は出るか出ないかわかりませんが、私が就任する前にも、そういう構成メンバーでない者をはべらすといいますか、会議に出すということはないと私は信じております。
  149. 山田長司

    山田(長)委員 懇談会にもないですか。
  150. 赤城宗徳

    ○赤城政府委員 これは追つて調査をしてお答えしたいと思いますけれども、私は正当な人であるならば懇談会等で話を聞くことはあり得ると思います。どういう人か、私今突然米まして、その人の様子もわかりません。よく調査して、後刻お答えしたいと思います。
  151. 田中彰治

    田中委員長 官房長官先ほど吉村証人国防会議天川さんの講演を聞いたりなんかする、国防会議経費でそういう講演料を払つておるということを言明しておるのです。事務局でそういう経費払つておるということを言明しておる。
  152. 山田長司

    山田(長)委員 長官はさつき少し席をはずしてしまつたので、あるいは答弁しておる内容を聞いてなかつたかもしれない。主計官として出向しておつて、そういう支払いをしておるという。だからこれは吉村——出先では参事官として国防会議に臨んでおつたわけですが、それは知らぬはずはないです。おそらくそれは官房長官就任前のことだつたというので、あなたは知らぬということを言つているかもしれぬが、そういう天川勇なる者が出ているのですよ。何か記録をあなたは全然目を通したことはないですか。
  153. 赤城宗徳

    ○赤城政府委員 国防会議として講演を聞くということは私はないと思います。あるいはまた懇談会等において話を聞いた場合があるかもしれません。これは私の方の事務局長がよく承知しているはずですから、事務局長にお尋ね願えばその点は、はつきりすると思います。     〔委員長退席、山本(猛)委員長代理着席〕
  154. 吉村眞一

    吉村証人 国防会議なり懇談会に天川氏が出席したかどうかということを両長官にお尋ねでございましたが、私が申し上げましたのは国防会議そのものではなくて、国防会議事務局事務局員が天川氏を呼んできて話を聞いた、こういうことでございます。
  155. 山田長司

    山田(長)委員 事務局員が聞いたというのですか。そうすると、それはどういう形で謝礼が出ているのです。
  156. 吉村眞一

    吉村証人 多分科目は謝金から出ておるのであろうと思います。
  157. 山田長司

    山田(長)委員 金額は十万円出ているという話ですが、その金額はいかなる名目で出ているのか、詳細に一つ。稟議を経ている以上その内容が出ていなければならぬはずです。どういう名目で出してあるのです。
  158. 吉村眞一

    吉村証人 金額は十万円だつたかどうか、ちよつと記憶ございませんが、大体毎月一回程度は来ていただいて話をしておりましたから、その分に対して、国の例でございますと、一時間当り何千円というような基準で出ているはずでございます。そのほかに飛行機性能を比べる場合の考え方をどうすればいいかというふうなことについて特に意見を求めたことはございますが、そういつたものを合せて十万円かどうか記憶ございませんが、国防会諸事務同の経費を使つております。
  159. 山田長司

    山田(長)委員 こういう不明朗なことがありますので、先ほど理事会でも国防会議経費の使途についての話を明らかにすべきだということを申し上げたわけだつたのですが、そのほか国防会議で、あなたは主計官として行つてつて、こういう会合経費を支払つたことはほかにどのくらいありますか。
  160. 吉村眞一

    吉村証人 私、経理の方の直接担当の参事官ではなかつたものでございますから、詳しいことは存じませんが、そういつた定例的な、要するに講話を聞く会、それから特別に意見を出していただいたり、そういつた分だけだろうと思います
  161. 山田長司

    山田(長)委員 そうすると、あなたが何回もごちそうになつた部分というのは、そういう礼を出してやることで赤坂紅馬車とか、あるいはエスカイヤとか、そういうところへ行つてごちそうになつたわけですか。
  162. 吉村眞一

    吉村証人 別にそういうことではございません。二十八年以来、個人的にも親しくつき合つていたものでございますから、ずつとそういうことが続いておりました。特に本件についてごちそうになつた、そういう意味合いはないのであります。
  163. 小川豊明

    小川(豊)委員 ちよつと関連してお尋ねしますが、あなたはこの土曜日、日曜日には夜の十一時ころまで家におりませんでしたが、どこかへ出ておられましたか。
  164. 吉村眞一

    吉村証人 現在私の職責は主計局の総括担当の主計官でございまして、補正予算の準備、それから金曜日に一応概算閣議が終りましたので、その後のいろいろな予算の説明とか想定問答を作るためにずつとおそくまで仕事をしておりました。
  165. 小川豊明

    小川(豊)委員 そうすると、それは役所におられたのですか。
  166. 吉村眞一

    吉村証人 金曜、土曜はそうでございます。
  167. 小川豊明

    小川(豊)委員 私の聞いているのは金曜、土曜じやないです。土曜、日曜ですよ。土曜にもおらなかつた、日曜にもおらなかつた従つて日曜にもあなたは役所に出てその説明をされておられたのか、こういうのです。
  168. 吉村眞一

    吉村証人 日曜日は朝から昼ごろまで家で寝ておりました。別に外へ出た覚えはございません。
  169. 小川豊明

    小川(豊)委員 そうすると、あなたは今日ここの委員会へ出席するについて大川さんと会つていませんか。
  170. 吉村眞一

    吉村証人 まだ会つておりません。
  171. 小川豊明

    小川(豊)委員 電話でも打ち合せはしませんか。
  172. 吉村眞一

    吉村証人 打ち合せしておりません。
  173. 小川豊明

    小川(豊)委員 もう一点お伺いしますが、あなたは午前中もずいぶん方々の待合、料理店へ行つているということを言われております。その中で銀座のクラウンというところをあなた答弁しておりませんが、あなたはクラウンというところにもずいぶん行つておるようですが、それは行つておりませんか。
  174. 吉村眞一

    吉村証人 クラウンは私行つたこともございません。
  175. 西村力弥

    ○西村(力)委員 お尋ねしますが、由比という方のお名前は何といわれますか。
  176. 吉村眞一

    吉村証人 由井直一といわれると思います。
  177. 西村力弥

    ○西村(力)委員 それから赤澤という方のお名前は何といわれますか。
  178. 吉村眞一

    吉村証人 赤澤は通産省の課長の赤澤君でございます。
  179. 西村力弥

    ○西村(力)委員 それじや小松という方のお名前は何といわれます。
  180. 吉村眞一

    吉村証人 小松という人は知りませんでございます。
  181. 西村力弥

    ○西村(力)委員 山田君の先ほどの質問は、小松という人を知つているかと言われた。あなたが今まで生きてこられる間に小松という姓の人と全然知り合いがなかつたということは考えられない。ところが、小松という人を知つているかと言われたときに、その人は全然知りませんとあなたは答えておる。その場合においては小松何がしということをあなたは特定して、その人は知らない、こういうことを言つていることは明らかなのです。小松という雄だけを言われて、そういう人を知らないとは私は言いません。小松という姓の人もたくさん知つておる。それを何にも予備段階の質問がなく、小松という人を知つているかと言われただけで、あなたは小松は知らないと言つておる。だからその答弁の基礎には、小松何がしなる者は知らない、こういう工合に特定されていなければあの答弁はできないはずだ。そういうようなごまかしのことを言われてはいかぬ。この委員会に呼ばれるに当つて、大体の聞かれる事柄についてはあなたは十分に検討せられてきたに違いない。それでどこかの業者関係小松何がし、これは関係のないことにしなければならない、こういつて腹をきめて来ているに違いないと私は思うのです。こういう点から言いましても、小松何がしを知らないと答弁した心境は何ですか。
  182. 吉村眞一

    吉村証人 私、毎日新聞に出ておりましたのを聞いておられるのだろうとこちらで推測して申し上げたのです。
  183. 西村力弥

    ○西村(力)委員 それじや、その毎日新聞には小松何と出ていましたか。
  184. 吉村眞一

    吉村証人 名前は出ていなかつたようです。小松何とか課長ということだつたと思います。
  185. 西村力弥

    ○西村(力)委員 それじやもう一つお尋ねしますが、月に四、五回天川氏にお呼ばれをしたということでありますが、こういうことは大蔵省の主計管の常識ですか。
  186. 吉村眞一

    吉村証人 むろん業者でございますればそういうことはいけないことでございます。しかし私は天川氏とは昭和二十八年以来の長い親しいつき合いでもございますし、天川氏は別に職務に関連がある業者ではないという判断のもとにしばしば合つてつたわけでございます。     〔山本(猛)、委員長代理退出、委員長着席〕
  187. 西村力弥

    ○西村(力)委員 しかし以前は小松製作所の顧問、あるいは新三菱重工の顧問ということは知つてつたが、ごちそうになつた当時は顧問であつたかどうかわからない、かように答弁しておるのです。しかし公務員として、ことに国防会議の重要なる仕事を担当している時期に当つて、その点を確かめるということをせなかつたのかどうか。前にはそうであつたが、その当時はなかつただろうとほぼ想像して、それであるから業者関係との会食ではないのだ、こういう工合に今理屈をつけられるように思いまするが、それほど慎重になさるならば、以前はそうであつたが、その当時はなかつたのかどうかということを、やはり確かめてみなければならないはずじやなかつたのか。その当時も確かに顧問をしておつたということをあなたは知つてつたに違いないと私は思うのだが、この点はどうですか。
  188. 吉村眞一

    吉村証人 天川氏が昨年以来新三菱なり小松の顧問をしておつたということは全然承知しておりませんでした。私が承知しておりましたのは、昔、終戦直後、何年くらいのときかよく知りませんが、河合良成さんが小松の社長のころに、営業部長でございますか、業務部長でございますか、何か部長の仕事をしばらくやられたように伺つております。
  189. 山田長司

    山田(長)委員 一晩に大乃の会をやつたあと紅馬車の会をやるということ、何回くらい——二次会、三次会の会合です。
  190. 吉村眞一

    吉村証人 紅馬車へ参りましたのは一回か二回程度つたと思います。
  191. 山田長司

    山田(長)委員 それは月にですね、一、二回というのは。
  192. 吉村眞一

    吉村証人 いいえ。合せてでございます。
  193. 山田長司

    山田(長)委員 証人は忘れてると思うんだ。今年になつてだけでも、私の方で調べてる範囲では何回となく行つてるんですよ。どうです。
  194. 吉村眞一

    吉村証人 そういうことは絶対にございません。
  195. 山田長司

    山田(長)委員 それじや、ことしの二月の十四日の日に、大乃のほかに銀座の方へ行つてエスカイヤへも行つた会合がありますが、この会合にはあなた、赤澤通計省航空機武器課長、新三菱由比、それから天川、この人たちが行つておりますが、これも二次会です。そういり二次会の会合などは、今の紅馬車以外に、はかにはどうです。
  196. 吉村眞一

    吉村証人 今のメンバーの中で由比さんの名前があがつておりましたが、由比さんとは会食したことはございません。赤澤氏、それから天川氏とはときどき一緒に飲んだことがございますから、あるいは一緒に出かけたのかもしれません。日にちの点は、はつきりしません。
  197. 山田長司

    山田(長)委員 あなたはF86の仕事のことで由比と会つたということを午前中の最初の答弁で言われておる。これは役所で会つたと思うが、その役所で会つた以外には全然会つていないのですか。
  198. 吉村眞一

    吉村証人 本件の問題の始まる前に、たしか昭和三十年ですが、そのころに一度ぐらい由比氏と一緒に食べたことがあります。
  199. 山田長司

    山田(長)委員 そうすると、F86の仕事の前に会つているというのは、どこで会いました。
  200. 吉村眞一

    吉村証人 だいぶ前のことでありますから、場所ちよつと覚えておりません。
  201. 山田長司

    山田(長)委員 お会いになつた回数が少いと言われるだけに、そういう場所を覚えてないはずはないと思うが、どうです。
  202. 吉村眞一

    吉村証人 昭和三十年かそこらの話でございますから、場所記憶にないのでございますが……。
  203. 山田長司

    山田(長)委員 あなたは大乃の会合では一回食事をするなり一ぱい飲んでから、かなり夜ふかししておつた。マージャンをしておつた天川はできないので、天川氏だけ除いて、あなたのマージャン相手はだれだつたのです。
  204. 吉村眞一

    吉村証人 私のほかに、天川氏と一緒につき合つております船後主計官とか、田中主計官補佐とか、そういつた連中と一緒のときにはやつたことがございます。
  205. 山田長司

    山田(長)委員 今のお話では二人だ。マージャンは四人でやるわけです。——もう少しでかい声で頼むよ。
  206. 吉村眞一

    吉村証人 よく飲んだのはそういう人でありますが、あと一人は、おかみとか、あるいは芸者でできる人一人くらい入れてやつたと思います。
  207. 山田長司

    山田(長)委員 もう一人の主計官は、船……、何というのですか。
  208. 吉村眞一

    吉村証人 船後でございます。
  209. 山田長司

    山田(長)委員 その船後主計官も私たちつておりますよ。  そこで、まずそう遠くない期間のことを言えばあなたもわかると思いますから申し上げますが、去年十一月二十七日の大乃の会合では、一席やつたあと時間がおくれて、十一時ごろ紅馬車へ行つておる。その紅馬車へ行つたときの相手は、天川氏も行つておるし、由比氏も行つておるはずです。由比氏は行つておりませんか。
  210. 吉村眞一

    吉村証人 行つておりません。
  211. 山田長司

    山田(長)委員 あなたは、由比氏については、何か由比以外に別な名前を知りませんか。
  212. 吉村眞一

    吉村証人 別に存じておりません。
  213. 山田長司

    山田(長)委員 紅馬車へ行つたときには、吉村国防会議参事官あなたのほかに、岡部防衛庁航空機課の部員、それから天川、この三人だけじやないはずです。もつとあといるはずですが、その人が別名であるかもしれない。由比という名称でない人で、別な名前一緒になつておるかもしれない。紅馬車へ行つたときのほかの人の名前を知つているだけ言つてごらんなさい。
  214. 吉村眞一

    吉村証人 その当時のことはだれと行つたのか覚えておりませんから、記憶に上らないのであります。
  215. 山田長司

    山田(長)委員 あまり回数が多いので、あなたはおそらく記憶にないのだと思うのです。  それでは十一月十七日の廣岡国防会議の局長と行つたとき、このときも新三菱から行つておるはずだ。これはあなたと三人だけじやないはずです。このときの様子は知りませんか。
  216. 吉村眞一

    吉村証人 そういうだいぶ前の話は、だれと行つたちよつと覚えてないのでございますが……。
  217. 山田長司

    山田(長)委員 それじや、近いときの話をしましよう。ことしの八月十九日に、新三菱から五人、それから廣岡事務局長とあなたと天川氏と行つている。そのときの三菱の知つているだけの顔ぶれを言つてごらんなさい、五人行つておりますから。
  218. 吉村眞一

    吉村証人 そのころ三菱と行つたような気がいたしませんでございますが……。
  219. 山田長司

    山田(長)委員 それじや、九月には何べん行きましたか。
  220. 吉村眞一

    吉村証人 二、三回程度つたと思います。
  221. 山田長司

    山田(長)委員 先月の二、三回の顔ぶれはだれとだれですか。
  222. 吉村眞一

    吉村証人 私の部下の若いのを連れて行つたこと、それからあと、だれと行つたか具体的にちよつと今頭に上つてこないのでございます。(「もう少し大きな声で」と呼ぶ者あり)部下を連れて、たしか一回か二回行つたことがございますが、あと——それだけであつたというようにも思いますが……。
  223. 山田長司

    山田(長)委員 今の話だけでも、二、三回と一、二回というふうにそごがある。あなたの部下の名前はわからないですか。その名前ちよつと言つてごらんなさい。
  224. 吉村眞一

    吉村証人 今私の使つている部下です。
  225. 山田長司

    山田(長)委員 名前を言つてごらんなさい。
  226. 吉村眞一

    吉村証人 私の部下に井上というのがいますが、それからあとちよつと、若いのを幾らか連れて行つたと思いますが、具体的にはだれを連れて行つたか、ちよつと……。
  227. 山田長司

    山田(長)委員 若いのを二、三人連れて行つたというが、このときには天川氏はちよいとあなたと行つただけで、すぐ帰つているが、それでは二、三人連れて行つたという日はいつです。
  228. 田中彰治

    田中委員長 証人、みんなわかつているのだから、そうあいまいなことを言わないで、はつきりしたことをおつしやい。
  229. 吉村眞一

    吉村証人 日記をつけてないものでございますから、具体的に何日と言われてもちよつとわからないのでございますが、御了承願いたいと思います。
  230. 山田長司

    山田(長)委員 この証人は先月のことを忘れてしまうほど数が多いんだ。そこでこの期間中の、今までのちよつと伺つただけでも、何十回という回数になつています。もう一ぺん伺うけれども、この何十回の支払いというものは全部天川勇なる者がやつているのですか。
  231. 吉村眞一

    吉村証人 天川氏にお願いしております。
  232. 山田長司

    山田(長)委員 私は天川氏はどれだけの金持ちであるか知らぬけれども、この天川氏の支払いについては絶対にいろいろ疑義があると思うのです。あなたは無神経にも全部天川氏に支払いを依頼しているようですが、どんなに親しい仲かわからないが、こんなことは常識では判断できませんよ。あなたにもし神経があるならば、一ぺんごちそうになつたら一ぺんあなたがごちそうするくらいな気がまえがあるのが、私は男性のとるべき態度だと思う。(笑声)これがどう考えてみても、私たちには理解できないことですよ。回数にしても、森脇氏の発表でさえも九十七回あるというが、われわれの調べた範囲ではもつとあると思つているのだ。ただ、あなたがここでこまかく出しているだけですけれども、きようは証人として出てきている以上、あなたが由比氏と大乃で会食しているということはわれわれは知つているのです。いずれこのことについては事実をもつと明確にしますから、あなたはマージャンの相手を芸者にさせたくらいのことで全然ごまかしておるけれども、天川氏はマージャンができない人間なんですから、このマージャンのできない人間は場合によるとすぐ帰つているのだ。そのあと全都——しかもあなたは、こうだというのです、天川氏が出ない場合には、あなた自身で天川名前で帳面につけられるという状態にあるというじやないですか。どうです。
  233. 吉村眞一

    吉村証人 帳面につけられる……。
  234. 田中彰治

    田中委員長 証人が飲んだり食つたりして、天川氏が来ないときに天川氏につけておけと言つたことがあるだろうということです。
  235. 吉村眞一

    吉村証人 それは天川氏に前からお願いしてあることなんです。(笑声多く、発言する者あり)
  236. 田中彰治

    田中委員長 御静粛に願います。
  237. 山田長司

    山田(長)委員 どれだけ天川氏は財力のある人か知らぬけれども、やはり戦闘機械の問題をめぐつて、とにかく大蔵省主計官という立場でそんなことをされたのでは、一体国民はどうなるのです。少くともこの天川なる者はやはり業者の代弁的な役割を勤めているということがわれわれにはわかるのですよ。こんなことがなされているときに、長官は全然知らずにぼんやりしているわけだが、こんなことで戦闘機の問題がきめられているとわれわれは思つているのですよ。私は実に責任重大だと思うのだ。長官は一体どうお考えになりますか。
  238. 左藤義詮

    左藤国務大臣 私の所管をいたします部下に不正なことがございますれば、私は調査をいたしまして……。     〔山田(長)委員「こういうものは不正とは思わぬのですか。」と呼ぶ〕
  239. 左藤義詮

    左藤国務大臣 これは私の所管ではございませんので……。
  240. 山田長司

    山田(長)委員 主管とか所管でないとか聞いているのではない。あなたはこういう事実を耳にして——よその省であつてもいいですよ。あなたの立場でこれを正しいと思うか思わないか。国防に関係があるではありませんか。一体長官はどういうふうに考えているか。  官房長官は、国防会議の担当であるこういう事務官が、業界の方に関係のある人に帳面でごちそうになるような状態があるわけだ。あなたは目の前でこれを聞いている。どういうふうにお考えになりますか。
  241. 赤城宗徳

    ○赤城政府委員 天川という人が業者関係があるかどうかは、私どもの方ではまだ調査しておりませんが、もしお話のようなことで業者関係があり、関係のある業者からごちそうになるということは全くよくないことだと思います。しかし事実をまだ私の方で、はつきり調べておりませんから、今ここで——この事実に対して、はつきりして申し上げることにいたします。(山田(長)委員「事実ははつきりしているじやないか。」と呼ぶ)天川という人は私は知りません。業者関係があるかどうかも知りませんし、またその人がどういうところから金を持つてきてどういう支払いをしたかということは、私どもの方ではまだわかつておりませんから、調査の上でなければお答えできません。
  242. 神近市子

    ○神近委員 関連して。官房長官にはあとで質問する事項がたくさんあつたので、私は控えようと思つていましたけれども、この天川という人がイカサマの人だということは非常にうわさにも出ているし、疑いも持たれているのです。たとえば文学博士、あるいは経済学博士、あるいはさつき吉村さんは理学博士であるかもしれないということをおつしやつた。(笑声)帝大出ということを自称して歩いているそうで、これを調査した人があるのです。大学の名簿にもないし、学士の名簿にもなかつたということが明らかになつて、佐薙幕僚長に注意をした前軍人があつたそうでございます。そうしたら佐薙さんは、それはわかつている、インチキだということはわかつている、だけれども情報が得られるのでやめられないんだということを言われた。ですから、防衛庁の中ではだいぶみんな知つている。これは防衛庁長官にも聞いていただきたいのですけれども、防衛庁には出入り勝手でありまして、しかも必ず上部のところに入つている、こういう人なんです。そして、これはあとでまた申し上げますけれども、アメリカの人がこれを、批評している。日本の防衛庁あるいは防衛計画というものは経団連と旧軍人とに握られていて、防衛計画そのものはちつとも前進していない。この人はヴアニヴアル・ブッシュという人で、アメリカの一流の科学者だそうです。この人が批評しているのが、今の状態を逆光線で見ると非常によくわかつてくる。天川という人は、経団連というけれども、今、名前が出ている新三菱重工業とか小松製作所とか、経団連に有力な発言のできる人を背中に背負つていて、防衛庁の人事であれ、あるいは物資の購入であれ、この人が大きな発言力を持つている。こういうことになつて、そして今、山田委員も申し上げましたように、佐藤喜一郎という銀行の頭取が有力な財界人十人にこれを紹介するときに何と言つたか、この天川先生防衛庁長官よりもえらい人であつて防衛庁内のことはこの人が一手に左右できるんだということを言つて紹介している。こういう事態でございますから、私どもは日本の防衛計画というものが、こういうスパイであるかもしれないし、あるいは前身の一向はつきりしない人のために左右されるということは、これは国家的な大きな事態だと考えます。官房長官左藤長官も一つこの人の行動あるいは前身、そういうものについて、防衛庁の中を大掃除していただかなければならないというのが私どもの得ている結論でございます。私は長官にも官房長官にももつとたくさんお尋ねすることを持つておりますけれども、ちようど関連して天川という人のことになりましたから、それだけをお耳に入れておきます。
  243. 左藤義詮

    左藤国務大臣 大へん御親切な御忠告を伺いましたが、私自身は天川という人と会うたこともございませんし、話したこともございません。(「横にすわつていたよ。」と呼ぶ者あり)私の横にすわつたような事実はございません。私よりもえらいというお話でございますが、私自身は国会及び国民を代表して文官優位ということで防衛庁に参りました以上、私は責任を持つて防衛の任を果したいと微力ながらも全力を尽しているつもりでありまして、天川という人は、私自身は会うたこともございませんが、庁内へ自由に出入りしているということでございますが、ただいま佐薙という名前を出されましたので、佐薙については直ちに取り調べます。その他につきましても具体的な事実をお出しいただければ私は十分調査しますが、いろいろ防衛の計画あるいは調達の計画ということにつきましては、それぞれの責任を分担いたしまして、最後の責任は私が持つておりますので、そういう今お話のような、どういう方か知りませんけれども、スパイか何かわからぬ、えたいが知れぬとおつしやいますが、そういうような者に防衛庁を壟断されているというようなことは、私はいたさないつもりでございます。
  244. 山田長司

    山田(長)委員 あなたは大へん強いことを言うが、聞くところによると何か一、二カ月のうちにすぐやめてしまうというような話がある。そんな、大阪府の知事選に立候補するというような立場の人間が幾ら強いことを言つても国民は納得しないですよ。しかも佐薙幕僚長と常に会つて会談をしておるし、それから防衛庁の中では、この天川勇なる者はヘビのような人だと言つておる。もしこの人ににらまれたら在遷もされてしまうし、ものも入らなくなつてしまう、商社も会社の人も上つたりになつてしまうというほどの怪人物だ。あなたがそれを知らずにいて大きなことを言つたつてだめなんですよ。もつとも知つていても、知らずにいると言つておるかもしれぬ。とにかく責任問題になるからあなたは知らぬと言つておるかもしれぬけれども、知らぬはずはない。
  245. 左藤義詮

    左藤国務大臣 私は天川氏を知つておるのに、あるいは私の横にいつもすわつておるのに、私が知らぬと言うようなことはございません。私は天川という人は全然一面識もございません。なお天川氏ににらまれたら左遷をされるとか、人事異動をされるとかいうことですが、人事の責任については私が全責任を持つております。
  246. 山田長司

    山田(長)委員 あなたは、横にはすわらなくても、名前は聞いておりますか。
  247. 左藤義詮

    左藤国務大臣 決算委員会吉村主計官名前が出たということを私、土曜日に——金曜日でありましたか、そのときに出たAという名前で何か新聞に出ているということで、これが天川という人だということを初めて聞きました。私は全然そういう人を存じません。
  248. 山田長司

    山田(長)委員 土曜日に知つて、それが防衛庁に立ち入りをしておるということは新聞でわかつたわけだ、その間にあなたの機構をもつてして、一口しやべればわかるわけです。官房長なりその他の人たちからその人を聞かなかつたか、どうですか。
  249. 左藤義詮

    左藤国務大臣 私は土曜、日曜旅行しておりました。けさ帰つて参りましたのでありますが、官房長には協議をして、お話が出ましたので、土曜日にもその話を聞いたのでありますが、そんな影響力を持つておりますこととは夢にも思いませんので、今私は官房長に調査さしておりますが、いずれ——もし私がお話のように全くロボットになつて、そういう人が陰から動かしていては大へんでございますので、これは念を入れまして調査をいたしまして御報告をいたします。
  250. 田中彰治

    田中委員長 防衛庁長官、そこに官房文官もおいでになるわけですが、これもあんまり紛糾してもいけないからある程度は私ども考えておるのですが、今吉村証人の話で、彼の言つただけでも三、四十回あつたと言います。そういう多額の金を、われわれの間の親分だとか子分だとか冗談言つて飲む、五回や十回おごつてもらうことはあるかもしれないけれども、何十回も十何人もの芸者を呼んでマージャンしたりなんかしている。しかもこれは赤坂でしよう。相当な金だと思う。国防会議の主計を担当しておる参事管がそういうことをしていると、こう合う。これは御当人だから、白状しなくても、だれが聞いても多少出ていますね。そういうようなことをお聞きになつて、あなた方がそこでがんばられますけれども、これは正当で何ともないと思われますか、やはりこういうことはいけないと思われますですか。
  251. 左藤義詮

    左藤国務大臣 ただいまここで聞きましただけでは、私ども天川という人を知りませんので、私の庁内に関する限りは私が責任を持つて調べますが、ただいまの天川いう人が果して業者の影響を受けてもし供応しておれば、これは私いけないと思います。なお大川という人と吉村君とがどういう友情であり、どういう関係であるか、そういうことを十分調査いたしませんと、私としては判断いたしかねます。ただ公務員が、三悪追放を叫んでおる岸内閣の公務員がそういうところへ出入りすることは、私自身としては、はなはだ遺憾なことだと思います。
  252. 赤城宗徳

    ○赤城政府委員 私は遺憾ながら今初めてここで聞いたので、決して委員長の言つているように私、がんばつていません。事実を調査しなければわからないということを申し上げているのであります。御了承願います。
  253. 小川豊明

    小川(豊)委員 私がお開きしたいのは、天川という人は業者であるかないかということは、あなた方調べなければわからないと言われるが、これは調べられなければわからないでしよう。かりに業者でなくても、三十回も四十回も飲み食いする勘定を全部持つ、何かなければ持つはずはない。飲んで愉快であるとか、ためになるとか、もうかるとか、何かあるから打つはずです。公務員である吉村という人がそういうふうに特定の個人からしよつちゆうごちそうになつているということを、業者であるなしは別にして、あなたはどういうふうに考えるか。これはりつぱな行為だと思いますか。これだけは答えられるでしよう。調べなくても、ごちそうになつているということは今あなたが言つたんだから、そういう人からごちそうになつていることがいいか悪いか、これだけをお答え下さい。
  254. 赤城宗徳

    ○赤城政府委員 ごちそうになる限度もあろうと思います。金の点もあると思います。そういういろいろな問題を調べてみないと簡単に結論は出せないと思います。
  255. 小川豊明

    小川(豊)委員 今、官房長官はごちそうになるのにも限度があると言うが、何回ごちそうになつたか。一体三十回も四十回も、自分一人じやない、大ぜいの人まで連れていつて飲んだ勘定を、本人がいないのにその人の名前につけてくる、こういうことが限度と言えるのですか。それは一回じやない、何回もそういうことを繰り返している。あなたは公務員としてそういうことはやつていいか悪いか、このくらいは答弁できるでしよう。
  256. 赤城宗徳

    ○赤城政府委員 今私がここで聞いたのには、月に二回とか三回で、どことどこで何十回とかいうはつきりしたことは私まだ開いておりませんので、そういうことを聞いた上で……。
  257. 田中彰治

    田中委員長 赤城官房長官、八月と九月とでも、当人が白状しているのでは七、八回ですよ。毎月三、四回から五回というのです。それに、寄つているのは吉村君一人だけじやないのです。それも農林省の役へとか建設省の役人とかが入つているのならいいですが、今の飛行機関係のある通産省とか防衛庁の人が入つているのですから、こういう点よく官房長官、お調べになつて、やつて下さいよ。建設省とか農林省とか機種問題に関係のないところならいいけれども、一緒に行つているのは関係のある役人だけですから、よくお調べになつて下さい。
  258. 山田長司

    山田(長)委員 官房長は防衛庁において重要な役割があるのだが、一体官房長には天川勇なる者をどこまで調べて知つていますか。
  259. 門叶宗雄

    ○門叶政府委員 天川という人は私はかねて名前は承知いたしておりますが、直接御本人に会つたこともありません。従いましてどういう経歴であり、今何をしているかということは私自身としては承知いたしておりませんし
  260. 山田長司

    山田(長)委員 いつごろから知つておるか。
  261. 門叶宗雄

    ○門叶政府委員 名前を聞いたのはいつのころでございますか、はつきりした記憶はございませんが、二、三年前から名前は聞いております。
  262. 山田長司

    山田(長)委員 謝礼などを出したことがあると思われるが、稟議などにはいかなる経歴が書かれておつたか。あなたは稟議の書類が回つてきたときに判を押したと思われるが、どんなことが書いてあつたか。
  263. 門叶宗雄

    ○門叶政府委員 私の直接関与している限りにおきましては、謝礼その他を出したことはございません。なおその他の防衛庁の機関で、あるいは講師としてお呼びしたというようなことがあつたかも知れませんが、それらの点につきましては今調査をいたしております。
  264. 山田長司

    山田(長)委員 今調査をするなんて、あなた二、三年前から知つてつて、しかも謝礼等を出す機会があつたにかかわらず、しかも防衛計画についての話を聞いておるのに、官房の立場にありながら、どんな話をしたのかそういう内容は全然聞いてないで、防衛庁の役人に話がされたというわけですね。
  265. 門叶宗雄

    ○門叶政府委員 今まで、そういう話があつて私はその席に列席したということもございません。あるいは、私の方には防衛研修所その他の付属機関がございますが、そういうところで講師として話を聞いたことがあるかもしれぬということで、そういう事実について今調査をいたしております。私が関与した限りにおいては直接話を聞いたこともございませんし、何らか委嘱してそれに対する対価を支払つたということもございません。
  266. 山田長司

    山田(長)委員 虎の門の共済会館の機種に関する会合のときに天川氏は出ていますが、このことについて官房長あるいは防衛庁の長官等は知らぬはずはないのです。どういう立場天川氏を呼んで共済会館の会合に出したものか。
  267. 門叶宗雄

    ○門叶政府委員 虎の門の機種選定委員会に私は出ておりませんが、その会合天川氏が出たという事実はございません。
  268. 山田長司

    山田(長)委員 出てないことはないのです。それはあらためてお調べ願いたいと思います。  とにかく先ほどからの証人の話を伺い、さらに防衛庁の中で活躍している天川氏の状態、それから委員長が持つておると思われる物動計画、あるいは防衛行動綱領というようなものがあるらしいが、こういう内容の話は聞いていたけれども、委員長が書類を持つているということだけはこのたびわかつたが、そういう形の内容を持つたものが防衛庁の課長級、あるいは局長クラスの人に講演され、あるいは日本の財界人に講演される、大きな電機メーカー等の人たちにも講演をされているということは事実です。こういうことについて、防衛片及び国防会議の衝に当る人たちは、この人なり、あるいは第三者なりを通すなり、あるいは文書等を見るなりして、少くとも知らずにおつたはすはないと思う。赤城長官及び防衛庁長官に、こういうことの話を全然知らずにおつたのか、もう一ぺん私は念のために二人から伺つておきます。
  269. 左藤義詮

    左藤国務大臣 先ほどから申し上げますように、私はその人には会うたこともなければ、話したこともありません。Aという名前が出ておつたので、だれかということを土曜日に聞いたのでありますが、しかしこんなに、今お示しのような重大なえらい人ということはきよう実は初めて伺いました。従いまして、私どもの部内にもし今御質問のような重大な影響力を持つているとしますれば、私はよく調べたいと思いますが、今官房長にも調べさせておるのでありまして、私の方には幹部学校とか、あるいは防衛研修所というようないろいろな機関がございますので、いろいろ部外の方の話を聞いている、あるいはその一人としてそういう人があるかもしれませんが、私が着任してから、私が出席しますよなう部内の幹部の会合においてさような話を聞いたことも全然ございませんし、またその人が持つているという計画について、果して部内で検討しておりますものが漏れておりますのか、あるいはその人が勝手にお作りになつているのか、お示しいただきますれば私どもはそれをたどつていきまして、どこから出たかということがわかると思いますので、もしそういう機密のものを漏らした者がもりますれば、私は責任を持つて処断をいたしたいと思います。
  270. 赤城宗徳

    ○赤城政府委員 私は天川勇という人の名前をきよう初めて聞いたわけであります。でありますから、財界人のところヘ行つて講演しておつたとか、あるいは電機メーカー等に講演しておつたとか、そういうことがあるいは雑誌にでも載つていたということもあろうかと思いますが、そういうことを全然残念ながら私は気がついておりません。天川勇という人の名前も、今お話のことも初めて聞いたのであります。
  271. 山田長司

    山田(長)委員 それでは、天川からじかに話を聞いてないまでも、国防会議あるいは防衛庁の中でほかの幕僚長なりあるいは局長なりから、オペレーション・リサーチという言葉、あるいはこれに類することで作戦行動の話をされた人はないか。
  272. 左藤義詮

    左藤国務大臣 繰り返して申し上げますように、私寡聞でありまして、天川という人が新聞雑誌等に今まで出たかどうか知りません。私自身は実は正確にはきよう初めて伺うことでありまして、私よりも、もつとえらい人がある、防衛問題について防衛庁長官よりももつとよくわかつたえらい人があるということは、実はきよう初めてわかつたのでありますから、十分一つ調べておきます。
  273. 山田長司

    山田(長)委員 局長とか部長クラスから、それらについて話を聞いたことはないかというのです。
  274. 左藤義詮

    左藤国務大臣 局長、部長等から天川氏の話を聞いたことはございません。
  275. 田中彰治

    田中委員長 山田委員が質問しているのは違うのです。
  276. 山田長司

    山田委員 もう一ぺん質問して下さい。
  277. 山田長司

    山田(長)委員 オペレーション・リサーチということについて、要するに打ち込んだ人、あるいは局部長クラスで、この話を聞いてあなたの耳に入れた者はないかということを聞いているのです。
  278. 左藤義詮

    左藤国務大臣 ございません。
  279. 神近市子

    ○神近委員 今オペレーション・リサーチの話が出ましたけれども、これは今吉村さんが二十七年とおつしやつたんですけれども、そのころまで日本の防衛庁はそういうシステムを知らなかつたんだそうです。そしてこの天川君の話を聞いて、そういうこともなるほどということでこの指導をした。そこから防衛庁天川傾倒ですか、それが始まつたということを聞いております。それを頭に入れておいて御調査になつたらいいと思います。
  280. 左藤義詮

    左藤国務大臣 防衛庁昭和二十五年警察予備隊として発足いたしました。その時分には航空自衛隊はございませんので、昭和二十八年というお話でございますが、その時分からどういうふうに研究あるいは計画をして参りましたか、私自身は、天川氏という人から初めて防衛、特に空の計画について教えを受けて、それから勉強をしかけたということも聞いておりませんが、今お示しでございますのでよく調査をいたします。
  281. 山田長司

    山田(長)委員 長官、大へんお気の毒な話ですが、要するに作戦行動、こういう計画が防衛庁の中で変えられる内容を打つた話をし、さらにこれはいろいろなことが数学的に物の解明をされているところにあるようです。おそらく長官は政治家であつて、政治家との連係だけ持つてつて、こういう内容的なことの大きな変化をあるいは知らずにおつたのではないかと思うのですよ。これは私はゆゆしい問題だと思うのです。あなたは浮いているとは思わないけれども、知らずにおつたとするならば、それは作戦行動計画が根本的に内部で変つているけれども、変えているためのいどころが天川なるがゆえに、あるいはあなたの耳に入れずにおつたのではないかと思うのです。私の言い方にも多少行き過ぎがあるかもしれません。どうか一つこのことはぜひ、何べんも何べんも天川氏が行つて防衛庁の中で講演しているんですから、部下の考え方も前から思うと変つた姿が出ていると思うのです。何かそういう点が私はあなたと遊離しているような印象を持つのです。その点、どうか一つそういうことのないように御努力願いたいと思います。
  282. 左藤義詮

    左藤国務大臣 先ほど申し上げますように、それぞれ専門家がおりまして、各幕においてそれぞれの責任において勉強はいたしておりますが、それを一つの計画として防衛庁が取り上げる。あるいはこれを長期あるいは明年度の防衛計画として、予算の裏づけをしなければならぬというようなことにつきましては必ず私の目を通し、私の責任において決定をいたしておりますので、私の知らない間に、えたいの知れない人から影響を受けて、ぐるぐる回つておるということはないと私は信じておりますが、もしさようなことがありますれば、決して私は浮いておるつもりではございません。責任を持つて調査をいたします。
  283. 小川豊明

    小川(豊)委員 吉村さんにお尋ねいたします。天川という人は方々から講演の謝礼をもらつているということですが、その講演というのは、ほとんど飛行機の問題に対する講演だ。しかも、その講演の材料は防衛庁の方から本人に渡されて、本人がそれを財界その他に講演して、そこから月に二十万円ずつも入つてきている。その金であなたの方がまたごちそうになつておるということですが、その資料というものは、あなたの方が提供するのではなくとも、あなたの友人なり何なり、関係者がそういうものを提供しない限りは、出るはずはない。この点はどういうことですか。
  284. 吉村眞一

    吉村証人 財界の名士の方々天川氏が講演されておられましたのは、別に機種問題だけでなしに、いわゆる国際情勢一般なり、軍事情勢一般についてのお話をしておられたようでございまして、今回の戦闘機機種問題についての資料国防会議の方から提供したことは全然ございません。
  285. 小川豊明

    小川(豊)委員 さつき山本委員委員長に、あなたの手元にある資料を出せと言つたのですが、おそらくその講演の内容は資料になつておると私は推察する。しかもその講演の内容をあなたの方で出さない限りにおいては、おそらく一野人である天川という人が知つておるはずのない内容だ。今あなたは出した覚えはないと言つておるけれども、天川という人が該博な知識を持つて防衛庁の内部の計画まで知つておるかおらないか、これはわかりませんが、われわれの想像では、出さない限りにおいてはそういう講演はできない。しかもその講演の筆記というものは、委員長の手元に行つているらしい。だからさつき山本委員が、それを出したらいいだろうと言つている。今あなたは出さないと言つておるけれども、講演の内容が取り寄せられた場合に、あなたはどういうふうにされますか。
  286. 吉村眞一

    吉村証人 そういう資料を提供した覚えはございません。
  287. 小川豊明

    小川(豊)委員 それでは防衛庁長官に聞きますが、天川という人の講演の内容は私も知らない。知らないが、委員長の手元にあるらしい。それが出てきた場合には、防衛庁の内部の計画等が講演の内容等になつている。それならば、あなたは防衛庁長官として、自分の部下からそういう重大なものが漏洩されて、しかも金もうけのたねになる。その金もうけによつて、あなたの部下であるかないか知らないが、あなたの関係者が月に何十万という金をごちそうになつておる、こういう事実がはつきりした場合に、どういう態度をあなたはとりますか。
  288. 左藤義詮

    左藤国務大臣 防衛庁からいろいろな秘密が漏洩をしておるというようなお話が出ましたので、私は過日部内を粛正いたします意味において、今までも厳重にやつておるはずでございますが、機密保持ということについて訓辞をいたしまして、それぞれ各部課いろいろな方面に徹底するように今努力をいたしておるのでございますが、機密を漏らすものがありますのは、漏らさせるものがある、漏らしたものがどういうふうな経路でだれのところに行つておりますか、もしお示しいただきますならば、そしてそれをたどつて、だれから機密の書類が漏れたということがはつきりいたしますれば、私は責任を持つて処断をすることをお約束いたしておきます。
  289. 山田長司

    山田(長)委員 吉村証人に伺いますが、天川氏は講演の場合、作戦計画に関する地図を広げてお話をされておるそうですが、あなたはそれを見たことがございますか。
  290. 吉村眞一

    吉村証人 天川氏がどういう地図を広げてやられたか存じておりません。
  291. 山田長司

    山田(長)委員 天川氏の話をあなたは何べんもお聞きになつてつて天川氏が主として力を入れて話されておる要点はどういうところですか。
  292. 吉村眞一

    吉村証人 日本防衛の根本的な考え方というものについては、天川氏の意見を聞いたことはございません。ただ天川氏は非常に新しいものの研究に今力を入れておられるようでございまして、ミサイル、大陸間誘導弾の関係飛行機との関係はどうであろうかというようなことについて、意見を述べたことはございます、
  293. 小川豊明

    小川(豊)委員 吉村さんに一つお尋ねいたしますが、あなたは午前中に、天川という人は経済学博士だ、あるいは文学博士だ、理学博士でもある、何かそういうふうなことを言つておられますが、あなたはこれに対して、私は博士号とつき合つているんじやないから、そういうことを調べない、こういうことを答弁されましたね。そうすると、あなたは防衛庁におられて、非常に重要な仕事をしておられる。防衛庁にはおそらく非常に機密があるだろうと思う。——国防会議には……。しかるにそういう重要な仕事をされておるあなたが、身元も知らないでその人とつき合つて、その人から盛んにごちそうになつている。それは、あなたはりつぱなことだと思いますか。公務員としてそれは正しい行き方であつたと考えてやつておられたのですか、内心恥じながらやつておられたのですか。
  294. 吉村眞一

    吉村証人 もとからのつき合いということでやつておるわけでございまして、特に本年親しくなつたということでないのでございまして、その点結果的には、もしそういうことがございますと、ちよつとまずかつたということになると思いますけれども、私の考えでは、別に天川氏はそういう人ではないという考えのもとに以前から親しいつき合いを続けておつたということでございます。
  295. 小川豊明

    小川(豊)委員 それではあなたに伺いますが、月に三回なり四回、赤坂や銀座あたりを歩き回つている。これは大へんな金なんです。あなたにとつては大へんな金であるかどうかわからぬが、大へんな金ですよ。そういう金を大川という人はあなたに何のためにそういうふうにお出しになつているのか。あなたはあなた自身がりつぱな人だと思つて、おれを尊敬して出していると思つておられるのか、あなたの職務に対して出しておられるのか、どうお考えになりますか。あなた自身が占いつき合いだと言うけれども、二十八年ごろからのつき合いでしよう。こういう戦闘機の問題がいろいろ出てきてからのつき合いでしよう。そのほかにあなたはどういう点でこの人とつき合つておられるか。そんなに何回もごちそうになるほど、向うの費用をもつて、しかもあなたはその人と関係のない大ぜいの防衛庁人たちを連れて、飲んだ勘定までこの人が持つているというじやないですか。それを、天川氏がおれの飲んだ勘定はみんな払つていいんだという、こういう点どうお考えになりましたか。
  296. 吉村眞一

    吉村証人 以前から、どういう関係でございましようか、非常にウマが合いまして、非常に親しいつき合いで、今晩飲もうじやないかというふうなことでたびたび合つたこともございますし、勘定はおれにまかせておけということで、謝礼の点から申しまして、まあ大丈夫であろうという感じは持つてつたのでございます。
  297. 小川豊明

    小川(豊)委員 どうもおかしいですね。あなたは公務員なんですよ。公務員であるから、自分の出処進退に対しては十分にあなたは注意しなければならぬ。しかも立場から言つてもその立場だ。そのあなたが人さまに月に何万か十何方か知らぬが、そういう勘定を毎月々々持たせて飲んでいながら、それはおれの方が謝礼をもらうのだから、そのくらいは飲んでもいいだろうということになると、実に軽率な不謹慎な無責任な態度だと思いますが、そういうことはあなたは恥じませんか。
  298. 吉村眞一

    吉村証人 まあ結果的に見ますと、そういうふうに見えるかもしれませんが、従来からのつき合いから言つて、特にそういうことは今まで考えておりません。
  299. 山田長司

    山田(長)委員 天川氏は非常に英語が達者だそうですが、その点どうですか。英会話は非常に上達されているそうですが、どうですか。
  300. 吉村眞一

    吉村証人 英会話は外人とも話せるようでございます。
  301. 山田長司

    山田(長)委員 親しいから伺うわけですけれども、在日米顧問団としよつちゆうお会いになつていると伺うのですが、そういうような様子はございましたか。
  302. 吉村眞一

    吉村証人 顧問団の軍人と合つてつたかどうか知りません、顧問団あたりとは通じているような情報は持つておられたようであります。
  303. 山田長司

    山田(長)委員 そのはか、在日米顧問団以外に外人とおつき合いの方があるようですか。
  304. 吉村眞一

    吉村証人 そういう外人関係は別によく承知しておりません。
  305. 山田長司

    山田(長)委員 非常に親しいのにほかの外人等は御存じない、在日米顧問団にはあるらしい、こう言うのですが、ずいぶん親しいのですから、これが私にはちよつと理解できないのです。あなたは帳面をつけさえすれば飲める仲なんですから……。これは場合によつて兄弟分といわれているくらいですから無理もないのですが、女房だつてちよつとつけたつて、場合によると、なぜこんなに使つたのだと言うかもしれないですよ。それが、ましてあなたの場合には、部下を連れて行つても自由にサインして支払いができる仲なんです。ですから、私は伺うのですが、行動というものは、かなりあなたは詳しく知つているはずなんです。在日米顧問団の軍人さん以外に、あるいは商社の方たちとも会つているかもしれません、あなたの知らぬうちに……。しかし口の端々に、あるいは手紙等を見るなり、あるいは電話の端くれなりを聞くなりして、何かあるはずですが、その点いかがですか。
  306. 吉村眞一

    吉村証人 別に承知しておりません。
  307. 山田長司

    山田(長)委員 あなたは知らぬと言つても、とにかく材料が出てきている筋というのは、やはり顧問団関係とわれわれは見ているのです。そういう新しいデータが天川に入つてくる筋というものは、本人一人の判定で、作戦計画の地図を持ち出して講演したり、物動計画を全部話したり、アメリカの状態を次々と話ができるということは、これはどこかと完全に連絡がなければできるものではありませんよ。同時に問題なことは、日本の防衛庁の秘密のことごとくはこの人間が握つていというのです。私は長官を前にしてこのことが言えるのですが、防衛庁の秘密というものに非常に食い込んでいるために、入つている年数は十年足らずの歳月かもしれないけれども、防衛庁の機密というものをこの人がかなり知つてつて、そうしてちびりちびり渡して、そのかわり向うからももらつているんだ、そういう情報屋といわれている人なんです。その人とあなたは親しい間柄であつて、在日米顧問団とは連絡がありそうだくらいの話ではない、もつと話の内容はあるというような話ができなければならぬはずです。一体どうです。
  308. 吉村眞一

    吉村証人 天川氏からこの点について別に伺つたことはございません。
  309. 山田長司

    山田(長)委員 それでは幾ら頭がよくても——かなり記憶力がよいということは私たちつています。記憶力がよいだけでは、人間の能力には限度があります。そう毎月話をするほど新しい情報が毎月々々入つてくるというようなことはないはずです。あなたはどこから情報をもらつているように思いますか、それともどういう書物を飜訳されていると思いますか。
  310. 吉村眞一

    吉村証人 天川氏の書斎にもたびたび伺うのでございますが、新しい外字新聞でございますとか、外字雑誌とか、スイスの航空雑誌、相当程度書籍も集めておられるようでございまして、それをたんねんに毎月スクラップをして整理をされるという仕事はやつておりました。それからそのほかの情報としてどういうふうに得られているかは、われわれも知らないのです。
  311. 山田長司

    山田(長)委員 そうすると、あなたは飛行機の話は、さつきミサイルのことだけしか話をされなかつたけれども、ミサイルだけで国防になるものではないのです。そこで毎週であるならば、ミサイルの話はいつして、飛行機の話はいつして、物動計画の話はいつしたという工合に、定期的にされているのですから、そのほかの内容を持つた講演はいつされたか。大体でいいですから、わかつている範囲をお知らせ願いたいと思います。
  312. 吉村眞一

    吉村証人 日にちの点ですが、正確なことはわかりませんが、国防会議事務局としましては、いろいろな国際情勢の変転に伴いまして、新しい技術的な問題をつかまえて、たとえば中近東が怪しくなるとそれがどういう情勢であるのか、その情報を聞かせていただくとか、それから人工衛星が打ち上げられるとそれに関するソ連、アメリカの情報解説だとか、そういつたトピックスをつかまえて、月に大体一回程度つてつたわけでございます。飛行機の問題でむろん先生意見を伺つたことがございますが、天川氏は先ほど申し上げましたように、ミサイルの将来との関係をよく見通した上で考えるべきだということで、ミサイルと飛行機の組み合せといつた点で、どういう点を主眼に考えたらよいだろうかというような意見をわれわれにお述べいただいたことはございます。
  313. 山田長司

    山田(長)委員 証人一つ別室に控えていただいて、さらにあとで話を伺いたいと思うのですが、その点委員長においてお計らいに願いたいと思います。
  314. 田中彰治

    田中委員長 それでは証人、申しわけありませんが、ちよつと別室にさがつていて下さい。     〔吉村証人退席〕     〔委員長退屈、鹿野委員長代理着席〕
  315. 鹿野彦吉

    ○鹿野委員長代理 神近市子君。
  316. 神近市子

    ○神近委員 私は今までの質問とちよつと切りかえまして、官房長官にいろいろとお伺いしたいことがございます。  この間二十三日の記者会見で、あなたは赤城委員会というものは見送つたということを発表されております。赤城委員会というのは、このグラマン機が問題になりましてから、機種選定の大体の意見を聞くというので構想されていたと思うのですけれども、これを取りやめられた、あるいは見送られたという理由はどういうところにあるのか、ちよつとお伺いいたします。
  317. 赤城宗徳

    ○赤城政府委員 御承知かと思いますが、赤城委員会と称せられているものは、公式な委員会というものではありません。国民が機種選定について納得のいくようにするのには、国防会議議長である総理大臣が決定をする、あるいは国防会議に臨むのに当りまして誤りのないようにいたしたい、そういう意味におきまして学識経験者等の御意見を私の方で聞いて、それを率直に国防会議議長である総理大臣に申し述べようということで計画をいたしたのであります。それを俗に赤城委員会と称せられておるわけでありますが、しかしこれを取りやめるとかなんとかということもまだ決定しておりません。正式のものでもございませんし、私といたしましてはそういう手続をとつて機種決定を慎重にやつた方がよかろうという考えを今でも持つております。ただ問題は、財政上の関係がいろいろありますので、今急にこの機種決定するということでもないので、いわゆる赤城委員会を今大急ぎで招集するというか、作ろうという与えではないのであります。取りやめるとも何とも考えておるわけではありません。
  318. 神近市子

    ○神近委員 機種決定をお見送りになつたという前提で、この委員会を見送られたということは、私は大へん勇断であつたと思うのです。防衛庁の方の都合とかなんとかということも、予算とからみ合いましていろいろ新聞に出ていたのですが、これを見送られたということで、私あまりそのことを追及したくないと思います。ですけれども、西ドイツがロッキードにきまつたとなりますと、ああそうか、やはりロッキードがよかつたのかなと、こうわれわれは簡単に考えますけれども、これは私は日本の非常な不幸だと思うのです。日本の防衛庁ないしは国防会議で何か機種を御決定になつた。そうするとすぐに何かがからみ合つて出てくる。そうしてみんなが頭を傾ける。私はここに今の日本の非常に大きな不幸があると考えるのですが、この機械の問題は、今日以後でもまたおきめにならなければならないと思いますからと思うことがざいます。  この機種決定することは、航空機産業に大きな関係があることは御存じだと思うのです。いろいろな話を聞きますと、新三菱重工がグラマンを非常に望んだという例があるようです。これは業界の人にお聞きになればわかると思うのですけれども、F86の行程とグラマンの行程とは非常に似ております。ただロッキードはこれと非常に離れております。ですから工具、工程というようなものを全部変えられなければならない。従つてグラマンにするとロッキードの三割以上ももうけが違うという事実があるそうでございます。このことはお聞き及びになつたことがおありでしようか、それを一つお伺いします。
  319. 左藤義詮

    左藤国務大臣 新三菱でございますか、これのために決定したという事実は私はないと存じておりまするが、新しい機種をやりますので、現在やつておりますF86とどういう関係になるか、今おつしやいますような三割も違うというような事実はないと存じますが、こういう技術的なことにつきましては装備局長から御説明をいたします。
  320. 小山雄二

    ○小山政府委員 会社のことですから私具体的にはよくわかりませんが、新三菱は、むしろ機種をしてはF1〇〇をやりたいだろうと思います。この1〇〇というのは、ノース・アメリカンと三菱関係が従来からございますので、新三菱はこういう事実は確かにあつたと思い、こういう事実は確かにあつたと思います。しかし今、1〇〇は別問題としまして、かりにグラマンロッキードとどつちをやりたいだろうか、また仕事の都合はどつちがどういうことになるだろうかという御趣旨のお話だと思いますが、時期の関係から言いますと、新三菱はおそらく早い方がいいのだろうと思います。それはロッキードの方が生産のつながりが早くいきますから、86のすぐあとに続いてくる関係で、時期だけから言うとむしろロッキードの方をやりたいのではないかと思います。それから仕事の分量の問題から言いますと、飛行機が少し大きいものですからグラマンの方をやりたいのではないかと客観的に考えれば考えられる。三割の差があるかどうか、今ちよつとわかりませんが、そんなに差はないと思います。
  321. 神近市子

    ○神近委員 Nの1う6はもう選択に落ちていて、そしてロッキードグラマンとが最後の選定つたのでしよう。それで三割、あるいはもつといえば五割と言つている方もあるのです。ですからグラマンをやつた方が新三菱は非常にもうかるということは決定的なことだと思うのです。大体今の御返事でわかつたのですけれども……。私はほかにもつとあるのですが、関連があるそうですから……。
  322. 森本靖

    ○森本委員 ちよつと関連して。官房長官から今、新しい機種選定する委員会については、財政的な問題等があつてその委員会の設置は今のところ考えておらないという意味の答弁があつたわけでありますが、それについてもう一ぺんはつきりと答弁を願いたいと思うのです。
  323. 赤城宗徳

    ○赤城政府委員 先ほど申し上げましたように、赤城委員会というのはいわゆる赤城委員会でありまして、正式な委員会や懇談会でないことはこの前の決算委員会でも私が申し上げた通りであります。でありますので、これを今取り上げるというような考えは別に持つているわけでもございません。機種決定するのにはそういう委員会というか何というか、慎重に各方面の意見を聞いて最後の決定へ持ち込む役割をした方がよかろうという考えを持つておるということを申し上げたのであります。  それから前段御質問の、財政上の都合もあるから、こういうことも機種決定には一つの大きな要素であります。そういう点におきまして、国の財政負担の計画等もよく検討しなければいけませんので、そう急速に決定するというわけにはいかないのじやないか、こういう見通しを持つているということを申し上げたわけであります。
  324. 森本靖

    ○森本委員 内閣委員会においても決算委員会においても、官房長官はしばしば、この機種決定については今後、これは正式の委員会ではないけれども、有識者を集めた委員会を開催して、そしてそれによつて決定すると言つておられる。なお河野証人決算委員会においてそのことを望むと言つているし、決算委員会に出てこられた川島証人もそういう発言をせられた。ただしかし、きようの新聞あたりで見ますると、官房長官としてはこの新しい委員会については当分開かない、あるいは開く必要がないという意味のことが報道されているわけであります。そこでもしそういうことになれば、政府部内の方針というものが、四月十二日の内定については変つてこざるを得ないというふうに、われわれあの報道記事を見て考えざるを得ないのです。そこで一ぺんお聞きしますが、その私的な会合にいたしましても懇談会にいたしましても、決算委員会なり内閣委員会で表明いたしましたところのそういういわゆる懇談会、委員会というものは今のところ聞く意思はない、こういうことですね。
  325. 赤城宗徳

    ○赤城政府委員 お話のように近く開こうという意思は持つておりません。慎重に進めたいと思つていますので、近く開く予想といいますか、気持は持つておらないわけであります。
  326. 森本靖

    ○森本委員 近く開く必要を認めないというのは、要するに財政的な規模、予算の検討その他を慎重に考慮しなければならぬので、近く開くということについては考えておらない、こういうことになりますか。
  327. 赤城宗徳

    ○赤城政府委員 財政上の規模、あるいは予算との関係、あるいは機種選定を慎重にする、こういうような諸般の状況から、近く開くという気持は持つておらない、こういうことでございます。
  328. 森本靖

    ○森本委員 そうなりますと、これは決算委員会で最初にわれわれが追及した問題でありますが、四月の十二日の内定の場合においても、そういう財政的、予算的問題が論ぜられてそれが決定をせられるものじやないかということをわれわれが追及したわけであります。しかし、その場合は、あくまでも内定であるから云々という回答があつた。そこでもし官房長官の考え方が、現在の位置においてそういうふうな考え方に立つておるとするならば、四月十二日の内定というものはどうなりますか。大体あれはあくまでも昔の問題であつて、そうして新しい観点から今検討しておる、こういうことになるわけでありますか。
  329. 赤城宗徳

    ○赤城政府委員 内定はもちろん内定でありますが、これを全然無視するということには考えておりません。内定は基礎としてその後におけるいろいろな情勢等を勘案して決定をいたすということでありますので、それをくつがえしたという意味におきまして延ばしておるというわけではありません。内定は内定としてそのままおいておくことは変りはありません。
  330. 神近市子

    ○神近委員 さつき官房長官もよくお聞きになつたと思うのです。天川という人のことが今問題になつて、そしてその天川という人が新三菱重工業の代弁をしておるという疑いは非常に濃厚であります。九十七回にわたる宴会、そして吉村君あたりの、あの人たちの支払いを全都引き受けておるというようなこと。それから左藤長官にも私は聞いていただきたいことは、ほとんど中級以下の人事は、新三菱重工業を代表した天川氏あたりがこれを左右することができる。私は、日本の防衛庁が産業家の手に左右されるということはおそるべき事態だと考えます。人事にしろ、物の購入にしろ口を出す、あるいはさつき現われていましたように、下請をする産業家を集めて天川君がこれに訓辞をする、あるいは方針を授ける。そういうようなことで日本の防衛が決定されるということは、私どもには想像できないことであります。ですから、これに対する解釈は、どうしても何らかの形で考えられなければならない。この機械の問題が起りましてから、私どもにはいろいろの投書が参ります。その中の一つに、さつきちよつと触れましたヴアニヴアル・ブッシュという、これはアメリカ一流の科学者だそうです。第二次世界戦争の当時には三万人の科学者をこの人が統率して、原子爆弾の初期の研究にもタッチしている。そうして一九五一年には、当時——今はどうか知りませんが、ニューヨークのカーネギー研究所の所長をやつてつた人で、一流の人と認められておる。この人は、日本の防衛計画の初期にいろいろ意見を出しております。私は今ここで詳しく申し上げることはやめようと思いますけれども、この人が日本に、たとえば船の種類、あるいは戦略飛行機か戦術飛行機かというような問題、いろいろ出している。この人が、結局日本は一向防衛の仕事が進展しない、その理由としましてどういうことを言つているかというと、日本の国防の仕事は経団連——経団連という名前をどうして知つていたか知りませんが、経団連という名前を出しております。——経団連と旧軍人とに握られている。そして一方国防の仕事は、汚職が非常にからまつて、汚職ばかりやつている、というようなことも言つている。そして予算だけは経団連と旧軍人とに支払われている、こういう批評をしているのです。私どもは、ちようど今機械の問題が発生したときには、むしろ国内の防衛庁が政治優先の考え方を忘れているのじやないか、どうしても政治優先の立場を日本でも作らなくちやならぬということから、この問題に手をつけたと思うのです。これは超党派にみんなが考えていたことです。そしていろいろ洗つてきますと、今吉村君からお聞きになつたような事態が出てきたのです。この、私が一見しただけで捨てておいた材料のブッシュという人の批評、経団連と旧軍人とで握られておるという、この逆光線でグラマンの問題を考えると、なるほどこの批評、外国人のあるいはアメリカ人の批評も当つていなくもないというような実態が出てきたのです。ですから私は、新しい機種をおきめになる立場においでになる長官に、大きな発言権を持つておいでになる長官にこの機械の問題について御考慮を願わなければならぬと考えるのです。一つの方法はこういうことではないかと思うのです。アメリカにはクック・クレーギー法というものがあるそうです。こういうものを日本に作る必要はないか。これはコンベアのフランク・ぺースという人が回してくれた、皆さんがきつとおもらいになつている文書です。コンベアの何かの役割をしている人ですけれども、この人は業者に似合わず非常に頭の緻密な、そして航空機について非常によく知つている人で、信頼の置ける人です。この法律はその人が回してくれた。このなにに内容があるのですけれども、それには段階を踏んでやる。最初二機なら二機、三機なら三機作らせて、それをよく研究する。それから今度は二十機なら二十機を作らせてみて、その結果として、これを逐次改良していく。途中で思わしくなければ、これを廃棄して契約を解除することができる。そして最後にすべての点で最良だと決定したときに、初めて百機、二百機、三百機という大量注文を出す。そこで本契約ができる。それまではこれを廃棄することができる。それまではこれを廃棄することができるのが、このクレーギー法というものらしいのです。私は長官にお願いしたいのは、今度の新機種を御決定になる前に、こういう立法をお考えになつておいた方が物事はスムーズに、あるいはあやまちなく、変な人の口入れなんかなしでやれるのじやないかということで、このクック・クレーギー法のようなものを日本にお作りになることはできないか、これを希望して、この考え方をお尋ねいたします。
  331. 左藤義詮

    左藤国務大臣 先ほどから天川という人が防衛庁を全部動かしているというお話でございますが、絶対にさような事実はないと私は確信いたしております。人事につきましてもあるいは調達等につきましても、さような影響力は受けておりません。もし受けておりますようなことがございますれば、私はそれぞれ責任者を処断し、私の責任において人事、調達が一本にいきますように、今までもやつておりますが、必ず責任を持つてつて参ります。なお、クレーギー法は私伺つておりますが、コンベアも私のところにいろいろ書類をもちまして熱心に売り込みをいたしておりますが、参考にはいたしますけれども、私どもはそういう一方の業者意見だけによつて動かされるつもりはございません。
  332. 赤城宗徳

    ○赤城政府委員 日本の防空産業が経団連と旧軍部に左右されておるというふうには私は考えておりません。経団連の中にも、御承知の通り今の機種でもロッキード派を支持しておる者もあれば、グラマン派を支持しておる者もあるでしよう。経団連は御承知の通り財界あるいは事業界の一つの団体であります。経団連自体が左右するというようなことではなく、内部には機種選定などにも利害関係がある者が対立しておることは御承知の通りだと思います。ですから、経団連、旧軍人が機種選定を左右しておる、あるいは防空産業を左右しておるというふうには私ども考えておりません。  第二の今の御意見は非常に貴重な御意見だと思います。その御意見で立法したらどうかというふうにもお聞きしましたが、法律的にこれをきめることはどうかと思いますが、実際の運用についてはただいまのお話のような意見を十二分にしんしやくしてやつていくのが適当だと、こういうふうに私ども考えております。
  333. 神近市子

    ○神近委員 私は、大体さつきの御質問は赤城長官に申し上げたのですけれども、左藤長官が御返事になりましたが、天川君という人のことについて、長官はあまり上位においでになるから庁内の日常的なことはあまりおわかりにならないのだと私は考えます。政治方面から任官される人にはおそらく言及できないでしよう。だけれども、中以下の下位の人たちの人事を左右しておるということは、これは防衛庁の中でもよく知つております。  それから佐薙幕僚長のお話も出ましたから、これははつきりと申し上げられると思うのですが、幕僚長はこの天川という人をよく知つておるはずであります。そしてさつきも申し上げましたように、こういう人物をこの防衛庁の中にのさばらしてはいけないという外から忠告がいつたときに、佐薙という人は、悪いということはよくわかつておるけれども、そのかわり得がたい情報を持つてくる。これは今吉村さんがおつしやつたように、日本の顧問団に非常に食い入つておるということ、顧問団をどういうふうにして動かしておるかというところはわかりませんが、ともかくこの情報が、防衛庁が入手なさるよりもいち早く彼の耳に入つて、そしてそれが一足先に防衛庁に取り次がれる。そういうところの利便がこたえられないほど貴重だということを佐薙さんがおつしやつたということを聞いております。  あなたが選挙後就任されて、私ども防衛庁に関することは——これは官房長官にも聞いておいていただきたいのですけれども、実にやりにくいのです。たとえば四月十二日の内定の場合、三月十五日の防衛庁内の内示、そういうものを持ち出すと、それは私の就任以前のことだから私は知らないとおつしやる。     〔鹿野委員長代理退席、委員長着席〕  それから、これからのことを相談しようと思えば、もう左藤長官はこの国会の終了後更迭されるというような新聞記事が出る。ですから、私どもは防衛庁のことでコンクリートに、こういう問題はこうなつて、こういうようになつているんじやないかということをお尋ねしても、まるでのれんに腕押しのような感じがするのです。一つ官房長官にお願いしたいのは、せめてほかの大臣の任期くらいの大臣を防衛長官に今後はぜひ御任命いただいて、防衛庁の中のことを当らせていただきたいというのが私の今日のお願いの一つでございます。  このクック・クレーギー法のようなものは作れない。これは私は新三菱重工業が証人に呼んでありますから、出られたときに計画内容というものを研究してみたい。一体、日本の防衛庁なり、あるいは国防会議決定する。そうすると、いやでもおうでも、これは間に合わぬと思つても、三百機これを作らせなければならないかということを私は大きな問題としているのです。一体、航空機産業というものを、西ドイツは御存じのようにやらなかつた。今度新しくやる。不景気対策でやるという新聞が昨晩あたり出ておりますけれども、国内産業はこれまでしなかつた。それをわれわれは、乏しい金の中からこれをやつてきた。そして、今度のグラマンの問題になりましても、一つ新聞記事なんかを見ましても、防衛に差しさわりがあるということの先に、航空機産業に行き詰まりができるということが一番先に来ているんです。あなたはさつき、アメリカのブッシュという人が経団連が左右したと言つたということに対して異議をおつしやつたけれども、これは私もちよつとさつき申し上げたように、外国人ですからわからないのです。新三菱重工業なのか川崎航空なのか、あるいはそのほかの航空会社なのか、それはわからない。ただ、財界とか、あるいは経団連というものを日本の財界人の集りとして、これは代用したと私は思うのです。それで、そのことは私は別に、外国人ですから非難に値しない。ただ、私が問題にするのは、産業が日本の防衛を五右することができるというような事態になつたら大へんだということを私はさつき申し上げたつもりなんです。外国人がこれをそのように見ている。どういう情報によるのか、われわれが一つも知らないのに、この産業が日本の防衛を左右することができるのじやないか、あるいはその危険があるということを警告していると私はとつている。その意味合いで、一体国が大事なのか産業が大事なのか、ここは政府としても腹をきめて、そしてこの問題を国民の前にはつきりなさる必要があるということを私は申し上げたいのです。その意味で、このグラマン決定は、まことに今逆光線で見れば手にとるようにこの内容が私どもにはわかると思うのです。いろいろな色めがねでごらんになればわかりません。だけれども、こういう前提をもつて見れば、私どもがグラマン決定がどうも変だつた、またいろいろの情報もそのことを語つたということがよくわかるように思うのです。一体航空機産業というものは、この前岸総理大臣とこのお話をもつと突き詰めてお話ししたかつたんですけれども、テレビの時間が迫つたというので、私の質問はちよん切られてしまつたので、はつきりできなかつたのですけれども、この航空機産業というものの全体において——西ドイツはなるほど余裕ができて、今度は国産にするそうです。だけれども、日本がどの程度これは力を入れてやつていく価値があるのか。一つ私は官房長官のお聞き知りの点だけでもけつこうですから、この航空機産業と日本の防衛との関係お話しいただきたいと思います。
  334. 赤城宗徳

    ○赤城政府委員 ただいまのお話、よく承わりましたが、私どもといたしましても、航空産業を重点において国防とか国の方をあとにするという考えは全然持つていません。やはり国が一番大事である、国の国防ということを考えるのが主である、航空産業のために、それを発達させるためによけいな飛行機を買つたり作らしたりというような考え方は全然持つておりません。国が一番大事に考えております。航空産業についてどういう考えであるかということでありますが、やはり航空の産業も、これは発達することがほかの産業の発達にもなりますので、この発達は私ども望ましいと思つておりますけれども、しかし政府といたしまして、航空産業を発達させるために国防計画を立てたなどということは全然ありません。国防計画、国を第一として、一番重要に考えておりますことはただいま御意見の通りであります。御了承願います。
  335. 神近市子

    ○神近委員 これは雑誌なんかでお読みになつておる通りでございますが、グラマン社というのは非常に小さな会社です。第二次世界戦争後は、二十億ドル以上の資本を持つておる会社は三つか四つできております。ゼネラル・モータースを初めできております。十億台の会社は十か二十ございます。だけれどもこのグラマン社というのは七千万ドルぐらいの中の会社でありまして、弾道弾の研究あるいはミサイルの研究というものをほとんどしなかつたので、これはもうつぶれるよりほかはなくなつていたところが、急に四月十二日の内定後株が上つた。私どものところでは十七ドルが二十四ドルに、一株について七ドルの値上りがしていますけれども、ある人によればこれが十五ドルであるとか何とかという話がある。非常に大きな株の値上りを来たした。この一事を見ても、国家の財政とつながりを持つた会社がいかに恵まれた状態になるかということがよくおわかりになると思うのです。ですから、私どもは航空機産業というものを何も憎むわけじやないのですけれども、これが無限に国民の税金を蚕食していく過程というものはがまんがならないと思うのです。今度は三百機で千二百億といいますけれども、今度このグラマンの編隊ができたときにはまた必ず新機種が出てきて、また作らなくちやならぬ。そのときまた一千五百億か二千億か知りませんが、それを作つてしまうとまた今度は作らなくちやならぬ。そうすると防空のために国民の税金が年々何百億と蚕食されていくことが続いていく。私はこれを考えると、今度の機械の問題をよく考えていただかなくちやならぬ。ほんとうにこれはなくてならないものか、日本の防空の実態はどうなのか、これを研究して、最も必要な戦術飛行機だけにとどめるならどの機種を何機ぐらい常備すればいいのか、新しいものをどんどんお金をつぎ込んで作つて何の役にも立たないということがあつてはならない、私はこういうふうに考えているのです。ですから、ここであなたが機種選定をお見送りになつたという勇断に対して敬意を表すると同時に、この後はこのクック・クレーギー法のようなものをぜひ作つて、そうしてよその会社に——この間のグラマン社の株の値上り、アメリカ人が株を買つて損するのだから、ちつとも私どもはかまわないと考えたいのですけれども、おそらく損するのはアメリカの庶民階級だろうと思う。あるいは日本の政治家が、あるいは日本の商社が大いにニューヨークでもうけたということも想像されます。そういう不明朗なことが起らないように、クック・クレーギー法のごときものを制定なさることが最も公明で、そうしていいことではないかということで今お尋ねしたのでございます。少くもその法律を作ることができないとおつしやるならば、これはどういうわけなのか。航空機会社がいやがるのか。航空機会社がいやがるなら、これは国営になさつてもいいわけでしよう。私はそういうことをもつと根本的に考えて、産業の実業家よりも財界よりも、国民が大事だというところに重点を置いていただきたいということです。私はその点で、あなたのお考えを一度最後に聞いておきたいと思います。
  336. 赤城宗徳

    ○赤城政府委員 先ほど申し上げましたように、今のお話は非常にいいお話だ、またいい方法だと私ども考えております。しかし、何も法律をきめなければそういうことができないというわけじやありませんから、お話のような考え方で運用していくことは何ら差しつかえないと思いますので、御意見を貴重なものとして拝承しておきます。
  337. 神近市子

    ○神近委員 私は法律が非常に好きだというわけじやないんです。ほかの法律つて、いやな法律はたくさんありますよ。だけれど、この法律はなければならないと思うんです。というのは、勘で、考え方でよくやるとおつしやる。それは、なるほどあなたのお考えはそうでしよう。だけれど、国民の側といたしましては、法律がなければ、今日のような事態が起つたときに、法律に照らしてお話しするということができない。尺度がなくなる。勘だけで間違いなしにするとおつしやつたつて、これはなかなか信用できないのです。あなたがいつまでも官房長官で、これから十年も十五年もおいでになるということは考えられない。ですから、やはりよい法律なら作つておかなければならないと私は考えます。少くとも飛行機購入に今度のようないろいろのごたごたが生じたのは、その法律がなかつたからです。私はそう思います。
  338. 赤城宗徳

    ○赤城政府委員 申すまでもなく、飛行機の購入等につきましても、防衛計画というものがあるわけでございます。でありまするから、法律で一律に規定するということでなく、やはり財政の都合であるとか計画から、今お話しのように二十機なら二十機、三十機なら三十機、あるいは百機なら百機買うということは幾らでも計画上から割り出せることです。あえて法律を必要としないのでないかと私は思います。お考えのようなことは、私は貴重なお考えとしてこれを参考にいたしたい、こう考えます。
  339. 田中彰治

    田中委員長 本日はこの程度にとどめたいと存じます。  なお、吉村証人につきましては、まだ証言が終つておりませんので、さらにあらためて証人として当委員会出頭を求めたいと存じますが、これに御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  340. 田中彰治

    田中委員長 御異議なしと認め、さよう決しました。  証人出頭の日時につきましては、委員長に御一任を願いたいと存じます。  それでは、本日は散会いたします。     午後三時五十三分散会