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1958-08-11 第29回国会 参議院 逓信委員会 閉会後第2号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和三十三年八月十一日(月曜日)    午前十時三十三分開会   —————————————   委員の異動 七月九日委員三木治朗辞任につき、 その補欠として海野三朗君を議長にお いて指名した。 七月十日委員海野三朗辞任につき、 その補欠として三木治朗君を議長にお いて指名した。   —————————————  出席者は左の通り。    委員長     三木與吉郎君    理事            宮田 重文君            山田 節男君            長谷部ひろ君    委員            石坂 豊一君            黒川 武雄君            白井  勇君            新谷寅三郎君            堀木 鎌三君            最上 英子君            鈴木  強君            三木 治朗君            光村 甚助君            森中 守義君            横川 正市君   事務局側    常任委員会専門    員       勝矢 和三君   説明員    郵政政務次官  廣瀬 正雄君    郵政省電波監理    局次長     莊   宏君    郵政省電波監理    局次長     西崎 太郎君   —————————————   本日の会議に付した案件 ○電気通信並びに電波に関する調査の  件  (カラーテレビジョン放送に関する  件)  (ラジオFM放送に関する件)  (テレビジョン受信機物品税等に  関する件)   —————————————
  2. 三木與吉郎

    委員長三木與吉郎君) それでは、ただいまより委員会開会いたします。  本日は、電気通信並びに電波に関する調査、特にカラーテレビジョン及びFM放送の件を議題といたします。
  3. 光村甚助

    光村甚助君 郵政省政務次官以下にお伺いしますが、われわれが先に来て待っていなければ、政府委員出席はないのですか。どちらが偉いとか偉くないとかというのじゃなくて、ここには前厚生大臣もおられるし、前大蔵政務次官もおられるのですが、いつもここの委員会というのは、われわれが着席して委員部から郵政省政府委員室にお迎えに上らなければ来ないのです。こういうことは、私は議会軽視だと思うのですが、どうお考えになっていますか。
  4. 廣瀬正雄

    説明員廣瀬正雄君) 偉いとか偉くないとかということは、そんなことは毛頭考えておりませんけれども、時間的には、政府委員の控室でちゃんとお待ちいたしておるのでございまして、開会の時期が来れば、いつでも参上できるように待機いたしております。
  5. 光村甚助

    光村甚助君 いろんな法律案が出ても、郵政省自体は、審議してもらう立場になっておるのですが、それを委員が先に来て着席していなければ出られないという風習は、今後改めてもらいたいと思います。
  6. 廣瀬正雄

    説明員廣瀬正雄君) 開会前から来いということであれば、そういうことにいたしたいと思います。
  7. 山田節男

    山田節男君 政府委員に、さっき委員長から議題にされたカラーテレビジョンモスクワ会議における結論といいますか、これをわれわれに明確に資料になるような意味の何か御報告を願いたいと思うのですが。それからFM放送問題については、政務次官から御答弁をいただきます。
  8. 西崎太郎

    説明員西崎太郎君) ただいま山田委員からお尋ねのありました先般五月の二十八日から六月の十日まで約二週間モスクワで行われましたカラーテレビ国際会議のことにつきまして、簡単に御報告申し上げたいと思います。実は、書面にしました資料は後刻お届けいたしたいと思います。本日は口頭にて申し上げたいと思います。  まず、モスクワ会議の性格でございますが、これは御承知のように電気通信国際機関でございます。電気通信連合電波に関する諮問委員会国際無線通信諮問委員会、われわれは略称しましてCCIRと称しておりますが、CCIRという諮問機関がございます。これがさらに電波の各分野に応じまして分けられておりまして、そのうちに第十一研究委員会というのがございまして、これがテレビジョン技術関係専門委員会になっておるのであります。実は、先般行われましたモスクワ会議はこれの中間会議でございます。それで、今回のこの会議議題といたしましては、カラーテレビに関しまする国際的な標準方式を決定しようというのが最も大きな問題でございまして、そのほかいろいろテレビに関しまする技術的な問題があるわけでございます。本日は主としてこの問題に関しまして御報告さしていただきます。わが国からは四名の代表が派遣されました。団長としましては、カラーテレビ調査会の会長をしておられます丹羽博士、それから郵政省からは電波監理局放送技術課長、そのほかNHKから研究所の次長その他一名、計四名の者が派遣されたわけでございます。御参考までに各国からの代表の模様を申し上げますと、英、米、仏、ソ、西独その他合計二十二カ国から約百十名の人が参加しております。アジア地域からはパキスタンとかトルコ、こういったところから在外公館の人が出席いたしました。  それで、会議の結果でございますが、結論的に申しますと、最も大きな問題でありますカラーテレビ標準方式統一という問題に議論が集中したわけでございますが、結論としましては、まだ各国それぞれ実験なり研究を進めておる段階でありますので、この結論は来年の四月にロスアンゼルスで行われまする総会に持ち越されたということでございます。もっとも、わが国からも、先ほど申し上げましたカラーテレビ調査会わが国の総力を結集した研究態勢ができておりまして、この研究の結果が数編論文として出されたわけであります。ただ、そういうふうに結論は次の総会に持ち越されたわけでございますが、一般的な傾向としまして、御承知のように現在世界に約六千数百万の白黒テレビ受像機が行き渡っております。こういう白黒受像機カラー放送になってからでも役立つようにという、いわゆる両建式方式といいますか、両立式といいますか、要するに、カラー放送になっても従来の白黒白黒として使える、そういう両立式という行き方が大体において世界的に確認されたというようなことになったわけであります。これは、実はアメリカNTSCという現在実施しておる方式がこの代表的なものでありまして、従いまして、ソ連におきましても、このNTSC方式というものの優秀性が実証された、ソ連も、これの一つの変形的なものでありますが、同じく両立式方式ということの方向に踏み切ったというふうに見ておるわけでございます。従いまして、このカラーテレビ方向としましては、来年行われます総会で、コンパティブル方式——両立式というものが確認された、こういうふうな印象をもって代表の者は帰ってきたようなわけでございます。ただ、ここでちょっと御参考までに申し上げておきたいと思いますことは、現在、白黒テレビ方式としましては、アメリカ方式、これは例のきめのこまかさといいますか、走査線という表現で表わしておりますが、アメリカ方式は五百二十五本、六メガサイクルのもの、それから欧州に参りますと、英国が四百五本で五メガサイクル、フランスが八百十九本で十四メガサイクル、その他欧州大陸は六百二十五本で、いわゆる西欧側は七メガサイクル、ソ連側は八メガサイクル、こういうふうに白黒式自体が世界的に見まして五種類にも分れております。そうして従来の白黒式と両立するカラー方式ということになりますと、やっぱりカラーにおいても方式統一ということが非常にむずかしく、そこで欧州としましては、少くとも英国あるいはフランス、こういうものを六百二十五本の方向に抱き込んでおこうというような傾向が見られております。それにしましても、アメリカ欧州というものは、いわゆる毎秒のこまの数も違いますので、これはやはり本質的に統一するということは非常にむずかしいようなふうに見ております。このアジア地域日本の位置しておりますアジアという点になりますと、やはり両方方式が当然入ってくることは予想されますので、相互の国際的な番組の交換という問題が将来非常に大きい問題になってくる、こういうふうに感じております。  以上簡単にモスコー会議経過の御報告を申し上げました。
  9. 山田節男

    山田節男君 これはなんですか、標準方式の中で走査線とかそれから六メガ、七メガというメガ、それはしばしば、VHFUHF、その利害得失ということについては議題になって論議されたわけでありますか。
  10. 西崎太郎

    説明員西崎太郎君) カラーの問題につきましては、VHFUHFの技術的な利害得失というものはほとんどないように考えております。ただ、御承知のようにUHFは、まだアメリカを除きましては世界的にはどこでも使っておらない。従いまして、このカラー方式いかんによっては、相当広いバンドも、六メガとかいうのじゃなくて、広いバンドも使おうと思えば使えるというような状態でありますので、従来からUHFを使った世界的に統一されたカラー方式というものが確立されないかどうかということで、いろいろ各国研究したわけでございますが、結果的に申し上げまと、先ほど申し上げましたように、やはり従来の受像機というものの既成事実を尊重する方向が強く働いておるようでありまして、おそらくVHFUHFを通じて同じ方式になる、こういうふうに考えております。
  11. 山田節男

    山田節男君 これは電波監理局次長やあるいは廣瀬政務次官がおられますが、大臣が見えればなおさらいいのですが、御承知のように今、政府としては、NHKカラーテレビUHFVHFの試験をやっている、それからNTVVHF実験放送をやっている、これはみな実験放送という名目で免許してやっているわけですが、さらにラジオ東京カラーテレビの申請を郵政省にしている。一方においては、国際会議で、最大公約数的にもどの標準方式が一番いいかという結論がまだ私は出ていないと思う。それをちょうど今日の白黒テレビジョンと同じように、アメリカ一辺倒方式で、何でもアメリカと同じやり方をしておればいいのだ、こういうやり方はいけない。このことは、つまり、もうNTVが最初のテレビ予備免許を受ける受けないの問題のとき、これはもう当委員会において十分論議されて、そうしてカラーテレビジョンに移行する場合の白黒テレビ考えても、これはいろいろと論議があった。ところが、もうがむしゃらに政府アメリカ式一辺倒標準方式で始めてしまった。カラーテレビジョンも実質的にアメリカのものをまねて今やっている。このこと自体と、それからモスコー会議に現われたような国際的な標準方式にできれば統一しようという、こういう機運があるときに、何を苦しんで今カラーテレビジョンを速急に開始する必要のない日本において、NTVとかNHKには、周波数からいえば両方の波を使わして実験放送をやらせる、そういう実験は、NHKにやらせればいいので、何も民間放送にこういうものをやらす必要がない、こういう点を、これは廣瀬政務次官おられますから、政府としてももう少ししっかりしてもらわないと、もうすでにアメリカ標準方式がよかったか悪かったか、ヨーロッパ方式がいいのじゃないかということは、今日も疑問を持っているわけです。ですから、これはもう国民の将来、すべての意味において生活にも重大な意味を持っているカラーテレビ標準方式をどれにするかということは、政府もやはり慎重に考えてもらわなければいかぬと思います。ただ時のそういう政治的勢力に利用されて、国民が最善の標準方式を持ち得ないということは、これは非常な不幸なことだと思う。少くとも、もう現在の岸内閣においては、こういう愚を再び繰り返さないように厳重に一つ注意していただきたい。
  12. 廣瀬正雄

    説明員廣瀬正雄君) カラーテレビの問題につきましては、モスコー会議等を中心といたしまして、ただいま西崎次長から技術的な主として説明をいたしましたわけでございますが、当委員会でもすでに最近しばしば政府の所信を申し上げましたように、カラーテレビにつきましては、標準方式と申しますか、あるいは技術標準と申しますか、こういうことにつきまして、まだ国際的な方向がきまっていないわけでございます。ただいまにわかにカラーテレビ実施に移すというような考えは持っていないのでありまして国際的なさようなものの方向、あるいは方式をもう少し見通しいたしまして政府実施に移す態度をきめたいと、かように考えておるのでございます。
  13. 山田節男

    山田節男君 これは、大臣がお見えにならぬから廣瀬政務次官にお伺いしますが、ラジオFM放送について、田中郵政大臣から辞職をされる直前に非常に大胆な政策の発表があった。これはもう非常に国民の今日千六、七百万のラジオ聴取者にとって重大な問題であるのみならず、こういったようなFM放送に切りかえるというようなことが、一体時間的にも経済的にも、あるいは技術的にも、そう早急にできるものじゃない、それを田中大臣がああいったことを放言されて、寺尾郵政大臣が就任されてから、こういうことについては慎重に一つ自分としては研究したい……。ところが、これはまた新聞でわれわれは見るにとどまりますが、どうもFM放送に対して、岸内閣寺尾郵政大臣はやはり機を見てこれを部分的にも実施したいという意向があるような新聞での報道をわれわれ承知しているわけです。このことは、もう申し上げるまでもなく、現在の標準放送FMに切りかえる、これはもう用意周到ないわゆる周波数チャンネル・プランというものができて、それもラジオばかりに使うのじゃない、ことに、超短波ラジオだけに使う波として自由にされちゃ困る、航空通信にしましても、これからいわゆる航空気象にしましても、こういう他に使わなくちゃならぬ分野はたくさんある。これをしも、商業放送的な放送事業にそういう超短波をあるから割り当てるのだというようなやり方では、これは周波数もやはり国民共有財産である、カラー業者に対しては、ただ免許という形において期限付で、しかも、これは国民の福祉を増進するような企業を経営するという条件で貸している、免許しているのです。それをあたかもそういう事業所有物かのごとくみなさしめるような政策政府がとるということは、これはいけないと思う。ですから、私は寺尾郵政大臣になってからも、依然として政府はそういったような意向を持っているのだということは非常に遺憾に思います。これは、郵政大臣がおられませんが、廣瀬政務次官もやはりそこで協議にあずかっていらっしゃると思う。そういうお気持があるのかどうか、あるならば一体どういう具体的な策を持っておやりになるのか、お伺いしたいと思う。
  14. 廣瀬正雄

    説明員廣瀬正雄君) ただいまVHFFM放送につきまして御質問がございましたが、田中郵政大臣新聞等に談話を出した——どんな形式で発表されたか存じませんけれども——ということで、非常に大きなセンセイションを巻き起しましたことは、私どもも承わっておるのでありますが、しかし、ただいまの郵政省といたしましては、FM放送が非常に雑音あるいは混信等を排除いたしまして、良質の放送ができるというようなことにつきましては、十分認識を持っておりますわけでございますけれども、ただいま山田委員から御指摘のように、すでに中波による標準放送国民の八割以上にも及んでおります現在の状態なんです。これは国家国民の大きな、受信機だけでも財産に関する問題でございますのみならず、放送いたしております設備の投資というような点から申しましても、莫大な国家のそうした資材に関係のあります大きな問題でございます。そこで、私どもといたしましては、現在はこのFM放送を従来の中波による標準放送に取ってかわらせるような全国的な実施をやろうなんということは全く考えていないわけでありまして、あくまで、私どもといたしましては、従来の中波による標準放送を育成していきたい、そうして二次的に、たとえば外国による混信でありますとかいうようなことを防止する際の手段として考える余地はあるのじゃなかろうかというような程度考えておるのであります。目下の急務は、FMを採用するということの前にやらなくちゃならないいろいろな問題があると思うのでありまして、たとえばラジオにおきましては、中波標準放送をもう少し整備拡充させる、さらにまた、白黒テレビをもう少し国民普及させるというような問題、こうした問題を先に解決すべきわれわれの懸案であるように考えておるのであります。今、にわかにFM放送実施に移すなんということは毛頭考えておりません。寺尾大臣もさようなことは全然考えていらっしゃらないことは、従来の委員会で二、三回御質問に応じましてお答えになりました通りなんでございまして、私も、ただいま山田委員の御指摘のような、寺尾大臣考えが変ったというようなことにつきましては、全然御協議にあずかっていないのでございます。さような事実は全くないと私は考えております。
  15. 山田節男

    山田節男君 これも前の国会末期において寺尾郵政大臣質問を兼ねて注意をしておいたんですが、例のテレビジョン受信機物品税の問題、御承知のようにこの物品税の三%の特免は、六月三十日で切れちゃったわけです。七月一日からは十二インチ以下は二〇%、一割七分が三分上ってきているわけですね。すでに予算編成期に入っちゃって、郵政省としては、これはおそらく本委員会において請願もあり、全会一致で、この時限立法であった十四インチ以下の大衆テレビジョン受信機物品税は、現状の法律のままに置けというのを、政府はこれを二〇%内で予算に計上しているわけですね。これに対して郵政大臣は去る二十九国会末期に、努力するということを言われたけれども、一体どういうような努力をしていられるか。少くともこの時限立法政府がこのたび出すのか、あるいは大蔵省の言う通りに、もう十四インチ以下を二〇%値上げにしてそのままにしておくのかどうか。郵政省大蔵省に対してその後交渉されたか、その経過を一度お伺いしたいのですが。
  16. 廣瀬正雄

    説明員廣瀬正雄君) テレビ受像機物品税につきましては、先般、鈴木委員から御指摘をいただいたんでありまして、当時、私ども政府といたしましても、物品税特別措置と申しますか、従来の課税率を今後も継続してみたいということにつきましては、努力を続けておったのでございますけれども、実は、私ども努力が足りなかったと申しますか、各種の情勢によりまして、今回は、期限が切れまして自然に税率が上るということになってしまったのであります。この点は、まことにテレビ普及の面から考えまして、遺憾に思っております。しかし、これはこれで打ち切るということには決してわれわれは考えていないのでありまして、将来物品税全体の問題といたしまして、まだテレビ普及段階にあります現在の状態におきましては、物品税が少い方がいいということは当然でございますから、そういうようなことを主張いたしたいと、かように考えておるのでありまして、物品税全体の検討のときに、そのことを繰り返して主張いたしたいと思っております。なお、私どもといたしましては、さらにメーカーのコストの面ということにつきましても、さらに検討を要するのじゃないかと思っておるのでありまして、こういう方面につきましても、その際一括いたしまして全般的な受信機の問題として考えたいと、そうして努力すべき点は努力いたしたいと、かように考えておるのであります。
  17. 堀木鎌三

    堀木鎌三君 御用意がなかったらまたの機会に譲りたいと思うのですが、当委員会は、今月はきょうで終って九月になるらしいのですが、最近の経済情勢にかんがみて、三十三年度既定予算工事を繰り上げ施行していこうということが一部にあるように聞いておるし、郵政省の今年度——これは特別会計も入れて今年度工事の施行は順調にいっており、繰り上げられる状態にあるのかないのかということを、次官からお聞きしたいのですが。
  18. 廣瀬正雄

    説明員廣瀬正雄君) 現在の国家財政経済のもとにおきまして、まことに重大な問題であるにもかかわりませず、私、はっきりした資料を本日持ち合わしてないので答弁できません。まことに申しわけないと思いますけれども、次回、資料を整えて御答弁を申し上げるようにいたしたいと思います。
  19. 堀木鎌三

    堀木鎌三君 それならそれでけっこうなんですが、今一番私は重大な問題じゃないかと思うので、ぜひ、全体としてその問題についての郵政関係の御方針と、それから現実に三十三年度予算実施状況進捗状況及び繰り上げし得るとすれば、どの程度特別会計政府関係機関を通じてできるかというふうな問題について、今度は少し資料をもってお答え願うことに特にお願いをしておきます。委員長からもそういう点については御配慮願いたい、こう思います。
  20. 新谷寅三郎

    新谷寅三郎君 私のはえらい政策ではないのですけれども、ちょうど電波監理局の方が見えておりますから、町の声をお聞かせして、どういうお考えか、どういう措置をとられるか一つ伺いたいことがあるのですが、それはテレビ受像機の問題ですがね、最近非常にチャンネルの数もふえ、局の数一従ってふえているわけですが、従来国民が購入した受像機では六チャンネルしか入っていない。一体、今度の新しい会社のテレビを見ようとすれば、買いかえるか、あるいは改造するか、どちらかなんです。割合に聞くところによると経費も少くて、多少手を入れれば従来の受像機でも十分使えるということのようですね。ところが、これに対して郵政省自体はほとんど何もしておられない。あるいはこれは通産省仕事だというかもしれませんし、無線工業連合会仕事だというお考えかもしれない。もっと極端にいえば、メーカーとの契約できまっているべき問題で、一種のアフター・サービスの延長みたいなものだというお考えかもしれませんが、どうもどれにも当てはまっていないのですね。だから、ほうっておけばメーカーも黙っているし、だれも世話してくれないので、早くから受像機を購入した聴視者というものは、今、どうしようかと非常に困っている状態なんですね。だから、こういうようなことは、チャンネルの数をふやされたときからわかっている問題なんです。きわめて安いものならばもう一つ買いかえたらどうだ、メーカーはこの際に十二チャンネルの新しい受像機を作っているのだから、新しく買いかえたらどうかという考えメーカーは持っているかもしれません。それじゃ済みますまい。私は、少くとも通産省なり郵政省なりがそういうちまたの声を知らないことはないのですから、何らかこれに対して国民の要望にこたえるべく措置せられてしかるべきだと思うのですが、今日まで何ら措置をしておられないのはどういうわけですか。また、何かあるいは措置をしようという御用意がおありでしょうか、どうしたらいいとお思いになるか、その点をお伺いしたい。
  21. 莊宏

    説明員(莊宏君) 御指摘の点につきましては、確かに大きな問題でございますので、ただいま放送事業者それから工業界及び販売業者等の間でいろいろ相談をやって、具体的な案について審議をいたしております。郵政省といたしましても、その動きを注目しておるわけでございます。役所関係といたしましても、普及の問題については、絶えず連絡協議会等をやりまして、いろいろやっておるわけでございますが、この旧型受像機の改造の問題についても、十分いい結果が出ますようにと考えまして見ておるわけでありますが、さらに今後、通産省等とも連絡をいたしまして、御指摘の問題につきまして善処いたしたいと、かように考えております。
  22. 新谷寅三郎

    新谷寅三郎君 そういう御答弁ならもう伺わなくてもいいのですが、私申し上げているのは、もうやがて新しいチャンネル電波が出るでしょう。そのやさきに、まだそういう民間動きを注目しているのだとか、その結果を見て適切なる措置を講ずると言ったって間に合いませんよ。だから、電波の出るときには、国民の希望があれば、そういう電波が入るように聴視者の方で希望があれば、どういう方法でどこへ行って交渉すればどのくらいの値段でもってやられるかということをどっかできめなければならないのです。それは通産省の私は問題ではないと思うのですよ。やっぱりラジオテレビ普及ということを専心にやっておられる郵政省のお仕事ではないかと私は思うのですが、そうなると、電波監理局が、今、莊君のお答えになったようななまぬるいことではなしに、もっとあなた方が先頭に立って関係者を督励して、一日でも早くこういう措置をとったらいいんだと、国民にそれを知らしてやって、どんどん改造ができるような措置をあなた方がとらせるように大いに促進をしなければならぬと思うのです。もう御答弁は要りません。要りませんが、政務次官もおられるからお願いしておきますが、これは町の声です。ですから、大多数の国民がそれで困っているのです。まあ半月ではできますまいが、基本的な方針ぐらいならば半月もあればできるんじゃないですか。すぐにきめていただいて、そういう国民に困惑をさせないようにぜひ措置をしていただきたいと思います。これは答弁は要りません。  それから資料要求が一つございますから、郵政省の方にお願いしておきますが、三十二年度を中心にしてけっこうですが、国際電電の収支の状況が詳しくわかるような資料、これは考課表じゃ困りますから、予算決算等がある程度対照して明らかになるようなものを出していただきたい。といいます趣旨は、先年も問題にいたしましたが、貿易とか、その他の対外関係でいろいろの事業をやっているところから見ますると、国際電信電話の料金が部分的には高いところもある。前に何割か、一割程度ですが、われわれも要望して引き下げてもらったことがありますが、国際電電は非常に営業の収支がいいということを聞いております。従業員の待遇も非常にいいという話、けっこうなことではありますが、そこに私は料金関係とのやはり考慮が必要だと思います。でありますから、要点は、料金関係に手をつけ得るような状態であるかどうかということを検討したいのが私の趣旨でございます。そういう点に関連して参考になる収支の状況やら、それから方面別にどういうふうな通信の通数があるかというようなこと、それの収益の状況はどうかというようなことを明らかにした資料を次の委員会に御提出をいただきたい。
  23. 森中守義

    ○森中守義君 政務次官と総裁に伺いまするが、この二月の末日に交付された確認書ですね、チャンネル・プランの。あれで、まだ何カ月もたっていないのに、すでに五千万というような増資を行なっているところがある、民間放送がですね。それで、申請の場合には、明らかにその書面あるいは実態として、一億だとかあるいは一億だとか所定の資本を郵政省に申請をして、これで果してテレビがうまくいけるかどうかという判定をつけて郵政省は確認書をおろしているはずなんですね。しかるに、まだ二、三カ月という非常に短かい期間でもって、しかもなお、電波は来年の四月ころからでないと発射されないのに、もはや五千万というような増資が行われておるということは、これは何といっても申請に対する一種の背任的な意味を持つんじゃないかと思うのです。もちろん、この増資というようなことになれば、大蔵省が認承するわけでしょうが、電波設備の一つの基準的なもので郵政省が許可になっておるのに、今申し上げたように非常に時間が短かいのに、いきなり五千万というような増資をしなければならぬと、こういうのですが、こういうことに対してはどうお考えですか。この前、大阪のことを山田委員がちょっと言われたことがあったのです。大体類似したことが最近また一つある。だから、今お答えがどういうことになるかわかりませんが、何とはなしに郵政省が一たん予備免許をおろしたならば、全く放任状態というのか、あるいはお手あげというのか、ときに、社内問題であるからそこまでいけません、ということをしばしば聞くのですが、それでは果して正しい電波行政の執行にはならぬと思う。一億で許可を求めて、日にちがたたないのに五千万の増資を行う、こういうことはあり得ないと思うのですけれどもね。
  24. 廣瀬正雄

    説明員廣瀬正雄君) 莊次長から答弁させますから。
  25. 莊宏

    説明員(莊宏君) 当初予備免許を出し、その後三月の末に確認をいたしますまでの間におきましても、会社側でも、また役所の方でも十分検討をいたしまして、これならば確実にやれる、また役所の方としても、これならばやれるだろうということで措置をいたしたことには間違いございません。その後に至りまして、先生の御指摘のように、資本金の変動があるものがある、この点は考えようによりますと、当初の計画なり審査なりがずさんであったのではないかということにもなるわけでございまするけれども、いろいろ仕事を現実に始めるということになって参りますと、借入金を予定していたものを、実はやはり株にかえた方がいいとか、あるいは事業計画の細部の何と申しますか仕上げというようなことをやりました場合に、若干の変更が前の場合に対して生じて参るということも、まあ一がいに全然だめだと言って拒否することも適当でない、まあかように考えられる場合もあると思っております。それで、増資をするというような場合において、当初の会社の性格が全然変ってしまうというようなものは困ると思いますが、会社として事業をりっぱにやっていくために必要なという程度のものは、これは容認してしかるべきではないかと、かように考えておる次第でございます。ただし、性格変更の問題等がないかどうかというようなことにつきましては、十分今後とも注意して参りたいと、かように存じます。
  26. 森中守義

    ○森中守義君 会社の性格が変るかどうかということになりますとね、これはいろいろな見方があると思うのです。私が承わっておきたいのは、増資の目的を設備の拡充という工合にうたっておる。そうなると、一体、申請を出し、郵政省で詮議をして、それで決定されたのに、あまりにもこれは権威がなかったんじゃないか、電波を出してみて、どうしても設備が不十分であるとか、これでは電波サービスができないという、そういう既定の事実に立った上での増資であれば、これはわかるのですよ。しかし、先刻も申し上げたように、二カ月ないし三カ月というごく短かい期間に、電波を出していないのに、実績がないのに、設備の拡充ということは理屈が通らないと、こういうことなんです。だから、一般論的に見れば、よく株式会社等にある総会荒しというようなものもありましょうし、あるいはその主流派とか反主流派ということで、社長のポスト争いをやる場合も、相手が全然タマがない、そういう場合に、頭から増資をやって、失権株を取るというような、こういう一般的な例はたくさん僕は知っております。しかし今、私が実例として一つあけたのがそういうことに当てはまるかどうか、これも私は非常に大きな問題ではあろうと思うが、要するに郵政省予備免許を下し、確認書を渡したその権威の問題を聞いておる。そういういいかげんなことでいいものかどうか。だから、少くとも来年電波を出してみて、六カ月なり一年なりの実績の上に立って、これじゃどうしても電波サービスの上にまずいというので、設備の拡充をやるために五千万円あるいは一億という増資、これならば理屈が通る。しかしながら、そういうようなことでなくして、まだまだ電波出してもしないのに、いきなり五千万というような増資をやったとこういうことは、郵政省に対しての一種の背信行為をあえてしたようなことにもなりかねないし、また、あれだけすったもんだやってきめたチャンネル・プランがそういうことで逐次くずされていったのでは、郵政省の面目が私はないと思うのです。その点、現行法でどこまで社内に手がつけられるかどうか、それはよくわかりませんが、少くとも、私の知る範囲では、例の条件というものは相当強い条件であったし、行政権は社内の問題にも当然及ぶと思うんですよ。これはどうなんですか。大阪の実例をこの前言われておりましたがね、今、私が言っておる実例はどこだということは大体ご存じかと思う。こういうことになれは、方々にそういうケースが起きてくるんじゃないですか。ですから、私はやはり民放連なりなんなりが自発的にそういうことを規制していかないと、勢い放送法をもう少しどうかしなければならないということにも論議が発展していくので、行政上の問題としてこれはいかぬとかいいとかという判断と同時に、民放連あたりに自発的に自粛するような警告でも郵政省から出せませんか、非常に大きな問題ですよ。私は、民放連の会長あたりに、大臣がこういうことで放送法の改正の糸口を作るようなことじゃ困るが、できるだけ法律を背景にして、あるいは行政権を背景にして民放を規制するようなことはしたくないという、そういう善意な郵政省であれば、理屈が通らぬことですから、民放連会長あたりに大臣が警告なり勧告をするということは、そうむずかしいことではないと思う。政務次官、どうですか。
  27. 廣瀬正雄

    説明員廣瀬正雄君) ただいまの森中委員の御指摘は、まことにごもっともな御意見だと思うのでありまして、会社の性格という点から申しまして、資本と申しますか、株式と申しますか、そういう構成がきわめて重大な要素をなしておりますわけでございますので、これは簡単にさようなことを認めるわけにはいかないということは、当然だと思うのでありますが、また、莊君も答弁をしたようでもございますが、さらによく検討をいたしまして、ただいまの警告なり、あるいは勧告等につきましては、十分研究いたしてみたいと存じます。
  28. 森中守義

    ○森中守義君 この問題で私はもう一つだけ付言しておきますけれども、この場合は、これは混合方式の場合、だから結局七十五対二十五という資本構成を積み重ねておるわけですから、その比率においては変ってこない。しかし、どうしてもその弱体な資本の方が失権株を出さざるを得ない。そうすると、すでに七十五対二十五という、こういう混合の資本構成というものは、実質的にくずれていく。そうなると、先刻私が一般論として言いました、要するに、発言権を強める、あるいは相手の力にがっと制約を加える、こういう一種の性格変更が必然的に起ってくる可能性がある。そうなると郵政省が大へん苦労して作った混合方式というものは、もはや半年たたずして実際問題としてはくずれる、こういうことになる、この疑いは十分ありますよ。だから問題になるのは、郵政省が一億という資本で申請を見て実態調査をやって許可したものが、時を出ずして五千万の増資を会社の方が行うということになれば、郵政省は面目まるつぶれであるし、一体何のためにああいうことをやったのだ、こういうことになるので、ここは相当強い態度をもって民放連に自発的な規制の勧告をするなり、あるいは当該の民放に対して本免許をおろさぬと、さらに進んでは、その五千万の増資を差しとめるような、そういう措置を私は強くお願いしておきたいと思うのです。これは大体時間的に、九月一ぱいぐらいにはこの会社は新しい株の集めを終るようになっておるようですから、時間的には相当急ぐ問題なんですから、その結論がこの次の委員会までに間に合うかどうかわかりませんがね、しかし、そのようにかなりせっぱ詰まった問題でもありますから、できるならばこの次の委員会に、こういう措置をしたという御報告をお伺いできるようにすみやかに何分の措置を、しかも、こういうことで広い範囲に及ぼさないようにお願いをしたいと思います。はっきりしておいて下さい。
  29. 廣瀬正雄

    説明員廣瀬正雄君) 御指摘の点はよくわかりましたので、早急に検討をいたして何とか結論を出したいと思います。
  30. 三木與吉郎

    委員長三木與吉郎君) 他に御発言もなければ、本日は、これをもって散会いたします。    午前十一時二十八分散会