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1958-09-15 第29回国会 参議院 建設委員会 閉会後第3号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和三十三年九月十五日(月曜日)    午前十時二十四分開会   —————————————   委員の異動 八月二十六日委員西田信一辞任につ き、その補欠として横山フク君を議長 において指名した。 八月二十七日委員横山フク辞任につ き、その補欠として西田信一君を議長 において指名した。 九月八日議長において小柳勇君を委員 に指名した。   —————————————  出席者は左の通り。    委員長     上林 忠次君    理事            稲浦 鹿藏君            岩沢 忠恭君            武藤 常介君            田中  一君    委員            石井  桂君            前田佳都男君            山本 利壽君            内村 清次君            坂本  昭君            重盛 壽治君            村上 義一君            森田 義衞君   事務局側    常任委員会専門    員       武井  篤君   説明員    農林省農地局建    設部災害復旧課    長       櫻井 史郎君    建設大臣官房長 柴田 達夫君    建設省河川局長 山本 三郎君    建設省道路局長 佐藤 寛政君    建設省住宅局長 鬼丸 勝之君   —————————————   本日の会議に付した案件 ○参考人出席要求に関する件 ○派遣委員報告   —————————————
  2. 上林忠次

    委員長上林忠次君) ただいまより建設委員会を開会いたします。  まず委員の変更について御報告いたします。  九月八日、小柳勇君が委員に選任されました。  それから本日の委員長及び理事打合会について御報告いたします。  本日及び明日の委員会の運営について協議を行なったのでありますが、本日は派遣委員報告建設事業並びに建設計画について質疑を行う、明十六日は砂防について質疑を行う、以上のごとく決定いたしましたので、御報告いたします。   —————————————
  3. 上林忠次

    委員長上林忠次君) この際、参考人に関する件についてお諮りいたします。  明十六日、午前十時より砂防に関する件について委員会を開きますが、その際、参考意見を聴取するため、全国治水砂防協会常務理事赤木正雄君に参考人として出席を求めることにいたしたいと思いますが、御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  4. 上林忠次

    委員長上林忠次君) 御異議ないものと認め、さよう決定いたします。  なおその手続については、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  5. 上林忠次

    委員長上林忠次君) 御異議ないものと認めまして、さよう決定いたしました。   —————————————
  6. 上林忠次

    委員長上林忠次君) それではこれより派遣委員報告を聴取することにいたします。  ちょっと速記をとめて。   〔速記中止
  7. 上林忠次

    委員長上林忠次君) 速記をつけて。  まず東北地方建設事業についての調査を行いました第三班の報告を聴取いたします。
  8. 内村清次

    内村清次君 それでは第三班の御報告を申し上げます。  私は西田委員及び森田委員とともに、東北地方、主として秋田青森岩手県下建設事業について、去る八月二十日から八月二十五日までの六日間の日程で調査して参りました。  まず行程の概略を申し上げますと、八月二十日に上野駅を立ちまして、翌二十一日秋田県の湯沢に下車、皆瀬ダムを見て引き返し、一級国道十三号線を北上して、横手、大曲を経て秋田に至り、翌二十二日は土崎地区道路視察一級国道七号線飯島−追分間の工事現場を見、能代において米代川改修工事説明を聴取し、米代川を見ながら鷹巣、大館を経由して青森県に入り、二十三日は弘前災害地を見て二十四日に一級国道四号線を南下して盛岡に至り、岩洞ダム視察いたしました。この間各地において地元人々から河川改修工事及び道路改良工事等についての熱心なる陳情を受けて参りました。  なお、二十三日に視察する予定でありました目屋ダムにつきましては、去る八月十一日及び十二日に津軽地方を襲った豪雨により、途中の橋梁及び道路決壊しておりましたため、現地に行くことができず、やむを得ず資料に基き説明を求めたにとどめました。以下項目別概略を御報告いたします。  まず、ダム関係から申し上げます。皆瀬ダムについてでありますが、御承知のように雄物川はその中流部において狭窄部を形成しているため、洪水が起った場合には、その一部を流下するのみで、全量を流下させることができないため、洪水位が著しく高められ、刈和野地区出水たびごとに氾濫する状態でありまして、この刈和野地区氾濫防除の目的で玉川、皆瀬川役内川等ダムを作り、洪水を調節する計画が進められております。  今回視察を行いました皆瀬ダムは、この計画の一環として、皆瀬川上流貝沼地内に高さ六十五メートル、長さ二百二十メートルの石塊式ダムを築き、その上流部に一・五キロ平方の湛水面積を作り、三万一千六百トンの水を貯水しようとするものであります。本ダムは前に述べました洪水調節のほか、皆瀬川下流横手盆地の一万一千九十一町歩灌漑用水の補給を行うとともに、本ダムを利用して、最大出力五千キロワットの発電を行うことになっております。ダム事業費は三十二億円千万円でありますが、本年度は二億二千七百万円で、主として用地補償、仮排水隧道工事、仮設備工事等を行うことになっております。工事は現在まだ着工したばかりでありまして、補償関係にしても、水没物件の個々について調査を行なっていた段階であり、地元人々との具体的補償折衝はいまだ行われておらなかったのでありますが、大体山林百三十町歩田畑は十町歩程度が水没するとの説明でありました。また家屋については、現在の家屋が河床より高い地点にあるので、水没するのは一戸もないとのことであります。  ダム建設については地元人々も協力的であり、補償問題についてのさほどの困難はないものと考えられますが、地元人たちから、水没する山林田畑代替地等について十分の考慮を払われたいとのこと、羽場橋については、永久橋にされたい等の陳情を受けたのでありますが、遺憾のないよう措置せられんことを要望いたします。  また、ダム工事に従事する職員に対する特殊勤務手当について、皆瀬は第二種に規定されておるようですが、これを第一種にいたされたいとの陳情がありました。  次に岩洞ダムは、農林省が、岩手山ろく開拓農地に対する灌漑用水の供給のために、北上川水系丹藤川支流柴沢川岩洞地点貯水池を作り、この水を導水路によって開拓地に導くものであります。  なお貯水池より北上川に至る落差を利用し、県営事業として大平、柳平の二発電所建設し、最大出力四万九千一二百キロワットの発電をすることになっております。この発電につきましては、渇水期に全力運転できるという利点があり、電力事情の緩和に大きな期待が寄せられております。工事は現在四五%程度進捗率を示し、昭和三十五年九月ごろには完成するものと思われます。また補償関係としては、畑六十町歩、原野百町歩山林三百町歩家屋三十二戸等であり、いずれも開拓農地を対象として解決しておるとのことでありました。  次に治水事業として、米代川雄物川北上川改修工事は、雄物川において二六%、米代川において二一%、北上川においては一四%程度という低い進捗率しか示しておらず、毎年の予算を見ても、全体事業計画を完成するためには今後四十年から五十年の長年月を必要とする状態であります。  各地において、これら河川に関する改修工事促進陳情がありましたが、私どもも同感でありまして、次年度以降十分考慮されることを希望いたします。  また阿仁川、斉内川、馬淵川、盛川等改修工事促進についても要望を受けて参りました。  次に道路事業についてでありますが、私どもは各県下道路事業について調査をいたし、またそのつど地元の熱心な陳情を承わって参ったのでありますが、これを一々申し上げますると長くなりますので避けますが、一級国道四号線盛岡以北改良促進土崎地区国道七号線敷設がえの早期着工実現、二級国道横手古川線改良促進、二級国道八戸仙台線改良促進秋田盛岡線改良促進秋田道院内本庄線の二級国道編入並びに改良促進盛岡バイパス早期着工等、特に隣県との連絡道路については、関係県それぞれから整備促進について強い要望がありました。  東北地方道路整備状況は、全国でも最もおくれた状態であり、道路全体に対して改良済み一六・五%、舗装済み三・二%であり、これを全国平均改良済み二三・六%、舗装済み六・九%と比較してみますと、いかにおくれているかがわかるのでありますが、この中でも今回視察いたしました三県は整備状況が低いようで、この際当局の一そうの御努力を願います。また道路事業費国庫負担率の引き上げ、ないし、据え置きについて、東北開発観点から強く要望がありました。  橋梁関係については、危険木橋永久橋へのかけかえの要望、戦時中取りはずした橋梁高欄補修国庫補助についての要望等がありました。  最後に津軽地方水害について御報告いたします。  このたびの津軽地方水害は、八月十一日から十二日にかけて同地方を襲った豪雨のため、岩木川を初めとする諸河川の急激なる増水により、各所に堤防護岸決壊があり、多大の被害を与えたものでありますが、県当局説明によると、岩木川及び中村川の水源地に当る中津軽郡西目屋村四兵衛森には、八月十一日朝から十二日朝にかけて連続降雨量三百七十八ミリの降雨があり、特に十二日午前一時から五時までのわずか四時間に百五十ミリという豪雨があったため、岩木川、赤石川、中村川等急激に増水して危険水位を突破し、その被害は八月二十日現在で死者六名、堤防護岸決壊八十一カ所、橋梁流失四十一橋、道路決壊カ所四十一カ所、耕地冠水三千町歩、住居の床上浸水二千戸等、総額二十三億二千余万円、そのうち土木関係四億円の被害をこうむったのであります。  私ども災害直後の岩本川の惨状を見て参りましたが、木橋は全部流失し、岩木橋流失方所においては、対岸との交通を渡船によって行なっている状態であり、また向外瀬地区堤防は二百メートルないし三百メートルにわたって決壊しており、応急対策のすみやかなる実施の必要を痛感いたしました。県当局より、応急対策として復旧工事の一日も早く完成するよう、つなぎ融資措置国庫補助金早期交付について要望があり、また恒久対策として、河川改修工事早期完成と、岩木川直轄事業区域弘前上流約十キロの地点まで延長すること、在来木橋永久橋にかけかえすること等の要望がありましたが、当局においては、災害復旧が一日もすみやかに実施されるよう、適切な措置をとられますことを望みます。また向外瀬対岸にある農業用水取り入れ口土淵堰について、堰が川幅の狭い所にあるため、増水たびごと向外瀬側堤防が荒されるので、適当な地点へのつけかえを願えないかとの陳情がありました。  なお今回の災害は、河川改修地域には何ら被害が起らなかったのであり、未改修地域または中小河川が多く災害を起したのでありまして、河川改修の必要を一そう痛感した次第であります。  以上で第三班の報告を終ります。
  9. 上林忠次

    委員長上林忠次君) それでは次に、近畿地方建設事業についての調査を行いました第二班からの御報告をお願い申し上げます。
  10. 重盛壽治

    重盛壽治君 御報告申し上げます。  去る八月十四日から五日間、上林委員長と私は名神高速道路天ケ瀬ダム地盤沈下等を中心に近畿地方建設事業調査のために、滋賀京都大阪兵庫の各府県視察して参りました。  以下その概略を御報告いたします。  名神高速道路は全線百八十六キロ、本年中に用地買収を完了する予定でありながら、買収済み地区は国鉄の廃線敷を利用する京都バイパスの区間約十一キロにすぎないのであります。残りの未買収地区事業進捗状況はどうかと申しますと、買収交渉に入るにはほど遠く、買収範囲を確定する前段階である実地設計、さらにはその基礎となる調査測量すら行われない地区もまだ多いのであります。今回視察して参りました滋賀、京阪、兵庫建設所管内のうち、滋賀を例にとりますと、全長八十キロのうち約半分、大津草津間及び彦根、山東間の四十二キロの地区は現在測量実施中で、今月中旬頃までに調査を終了し、実施計画に入る予定でありますが、残余の地区ではまだ地元の了解を得ることができず、立ち入り測量実施できない実情であります。もちろんここまでこぎつけるために昨年九月滋賀建設所開設以来、公団、県、市町村が一体となって高速道路建設の世論を喚起し、地元民を説得してきた並々ならぬ努力に対しては敬意を表する次第であります。  滋賀県は高速道路通過県にすぎない、沿道農民生活基盤である広大な農地をつぶすだけで何ら経済的利益を受けないと主張し、弾丸道路通過絶対反対を標榜し、実地踏査すら拒否してきた反対期成同盟も、今日では条件闘争に戦術を転換し、実地測量実施するには、補償その他の条件を明示せよとの態度に変ってきたのであります。公団補償条件を明らかにするためにも測量の必要なことを説き、地元要求のうち、公団独自でできると思われるものは将来実現することを確約し、さきに述べた段階までもってきたわけでありますが、さらに一歩を進めるには地元要望に対処する迅速適切な施策が必要であり、これなしには立ち入り測量はもちろん、それ以後の用地買収業務も、円滑に遂行することがほとんど不可能な事態に立ち入る懸念があるのであります。  地元要望の詳細は資料に譲りますが、要するに第一次補償のほかに、公共補償的第二次補償完全実施を期待するものでありまして、土地を失い、営農上の犠牲を強いられる地元民にとって無理からぬところも多いのであります。  公団、県、市町村側においても隘路打開のため種々対策を講じておりますが、地元民要望をしんしゃくして公団政府施策に期待しているのは次の諸点であります。一、縦貫法第一条の沿道開発については、第五条、第六条に基き総合的な施策を講ずること。二、縦貫法第九条による政令を可及的すみやかに公布すること。三、代替地確保のための土地改良事業には、必要な場合助成措置を講ずること。四、沿道における河川砂防道路改修には必要な場合助成措置を講ずること。五、農地転用許可手続を免除するかまたは手続を簡素化すること。その他公共補償については予算各省別とせず、別ワクとして一本にまとめ、総合的に実施されたいとのことであります。  要するに本道路建設は国会において超党派的に決定したものであり、一大国策なのでありまして、事務的に行き詰った現状では、政治的な解決しかなく、政府としては国が建設するという体制を確立し、各省間のセクショナリズムを排し、総合的に推進を期すべきであると信じます。ことに縦貫法第九条の政令の公布のごときは、本委員会において、建設大臣が一応七月一ぱいを目途に努力する旨答弁した経緯もありますので、一日も早く公布実現するよう強く要望いたします。  天ケ瀬ダム工事遅延も、水没補償の未解決によるものであります。これには府県の間の利害の対立がからんでいる点を注目しなければなりません。  淀川支川宇治川に計画中の本ダムは、上流南郷洗堰と相まって、淀川における木津川、桂川との三川合流点計画洪水流量を維持し、あわせて出力四万八千キロワットアワーの発電を行うものでありますが、問題は洪水時のダムの操作にあります。すなわち本計画によれば、出水前に洗堰を閉鎖し、本ダムを予備放流してダムをからにし、出水時におけるこの流域洪水を調節し、三川合流点洪水のピーク時をささえ、この地点の減水後本ダムを放流し、洗堰を全開し、琵琶湖面早期低下をはかるのであります。従って淀川洪水防御のため洗堰を閉鎖し、ために琵琶湖面が上昇し、湖沿岸が浸入する危険があるのであります。また発電用のために湖の水を低水位まで利用されると漁業、舟航に損害を受けるのであります。もともと琵琶湖水位問題は湖岸の県民生活に影響するところがすこぶる大きく、戦前から曲折を経て今日に至るもいまだ解決をみないのでありますが、天ケ瀬ダム建設については、滋賀県民は直接に受ける利益はなく、むしろ水没地の大半を提供する不利をこうむるとして強い不満を抱いております。このような空気を反映して、補償問題も京都府内は一応話し合いがついたにもかかわらず、滋賀県内は相当難航しており、水没家屋五十七戸のうち左岸の三十五戸は、ようやく実地測量条件付で承認しましたが、右岸の二十数戸は依然絶対反対態度をとっております。県としても国策に協力することにやぶさかではないが、次の条件について政府考慮を払わなければ、県民の感情を緩和し補償問題を解決することは、名神高速道路の場合よりもむしろ困難かもしれないとみております。  すなわち第一は、本ダム治水利水計画基本として、琵琶湖水位通年プラス・マイナス零位を維持すること、二は、瀬田川改修、新南郷洗堰工事を本ダム工事に先行して完成すること、三は、第二次補償についても十分考慮を払うこと、四、琵琶湖にそそぐ各河川上流砂防工事ダム工事を行い、水源涵養方策実施すること等であります。この意見は、滋賀県知事特定多目的ダム法第四条の関係都府県知事として、基本計画作成に関する意見として建設大臣に提出されております。ところが建設省関係府県京都府だけと解釈し、滋賀県の意見参考意見として受理しているようであります。法規解釈については建設省の見解を一応認めるとしても、いわゆる参考意見としてではなく、大いに水没側の県の意向も尊重し、国と地元公共団体が協議して事業進捗をはかるべきであります。公共事業の繰り上げ施行政策を打ち出している折から、政府補償問題解決に一そうの熱意と努力を払うよう強く期待する次第であります。  地盤沈下について新潟市の調査をしたとき、県知事はじめ関係者が当委員会において、その原因を明言しなかったことは記憶に新たなところであります。大阪尼崎地区では、多年にわたる科学的調査研究の結果、その原因工業用冷房用地下水の汲み揚げにあると断定し対策を講じております。すなわち大阪では来年度以降工業用水道敷設により、一日十万トンを給水し、工業用水汲み揚げ制限地域を指定し、さらに製氷及びビル街冷房についても装置改良を奨励して、地下水揚水量を漸減させる方針でありますが、これにより沈下が停止するまでには相当の年月を要するので、急場の対策としては現存の防潮堤かさ上げによらねばならないのであります。昭和二十五年末に着手し、本年度完成をみた総延長百五十五キロの防潮堤も、二十六年頃から再び始まった地盤沈下のため、当初の計画高に不足をきたしつつあります。特に此花区、西淀川区では五十センチから一メートル二十センチ沈下し、もはや高潮に対し安全を期し得ないのであります。そこで大阪府では、将来地盤沈下が停止するまでの沈下量をも考慮して、当初の計画高確保するため新たに防潮堤かさ上げ工事計画を樹立し、五カ年で完成させる目標であります。ただこの事業費約四十八億の確保のため、政府の尽力を望んでおります。尼崎市についても、三十年に竣工した閘門式防潮堤沈下を来たしている状況は全く同じであります。  要するに、沈下原因が究明された以上、根本的な解決策である工業用水道敷設を急速に実施すべきであります。これなくして防潮堤かさ上げを幾ら行なっても徒労に過ぎません。新潟市の場合のごときもすみやかにその原因を究明して、根本的な施策を講ずべきであります。  以上のほかに第二阪神国道建設状況香里住宅公団団地京都市天神川の汚濁状況等視察いたしました。これらの状況については資料に譲ることとし、ここではただ第二阪神国道一級国道編入のこと、家賃引き下げのため公団に対する政府出資金増額のこと、下水道の設置及び水質汚濁防止措置推進すること等の要望が、それぞれあったことを報告するにとどめます。  なおこのほかに、西高瀬川等河川改修促進に関する陳情道路改良促進に関する陳情都市下水排水工事促進に関する陳情公営住宅建設事業強化推進に関する陳情等がありましたが、これらは正式に本院に対し陳情書を提出するよう申して参りましたので、その際委員の方々の御審議を願いたいと思います。  以上、簡単ながら第二班の報告を終ります。
  11. 上林忠次

    委員長上林忠次君) どうも酷暑の折から皆様御苦労様でございます。厚く御礼申し上げます。  ただいま建設省から建設大臣官房長河川局長道路局長住宅局長計画局総務課長、みんな見えておりますが、この報告に対しまして御意見もあろうと思いますので、建設省としての御意見を聞きたいと思います。
  12. 田中一

    田中一君 前回の委員会で、私が質問というか御意見を伺いたいと思ったのですが、時間がないのでやめておったのですが、これは山本さんに伺いますが、黒部川護岸工事によって下流流砂が相当来る。田畑にたくさん積って、それを百姓がみんな道路へすくい出しているというようなことを言っておるのです。一方あの黒部川は途中で表土が流れている所があるのです。そういう点は実際調べてあるものがありますが、これは農林省所管になりますが、建設省としては行ったときに、地元で大会を開いて対策を練っておるのです。そこでこの調査にも、その点は建設なり県なりが、従来流れておった流砂というものと現在のものを実態調査をして、工事によるところの流砂が相当あるならば、何らかの措置をとらなければならぬ。しかしながら相当奥の方は荒廃しておりますから、流域荒廃によって流れ出るものは、これはまあ発電工事そのものに直接関係がないということを言うこともできると思うのです。発電所関係の山の方へ私行ってみますと、相当十分なる土どめをしてずりを積んでおるという所がありますけれども、ケーブルに乗って上から見ると、相当奥の方では工事の最初にはずり河川敷に流し出した、ということを見受けられる所もあるのです。しかしそれらのものも途中でダムが二カ所ばかりございますから、大きなものはとまっておると思うのですけれども、表へ流れる流砂はどういうことになっているか。発電所の方の工事の責任か、あるいは砂防流域荒廃によるところのものか、これは一つ調べなければならぬと思うのです。そういう点についてはどういう考えを持っておるか、先だってのこの委員会で私報告しておきましたのを、そのままうのみにしているのか、あるいはこれによって何らかの手を打っているのか、その点を伺いたいと思うのです。
  13. 山本三郎

    説明員山本三郎君) 黒部川水源荒廃につきましては、最近非常に荒廃程度が進んでおりまして、従来は御承知のように上流部発電ダムが既設のやつがございまして、それに相当砂がたまっておりましたけれども、最近になりまして相当それらのダムが一ぽいになってきたというために、上流の川の中へ入ってきましたものが、そのまま下流に流れ出すというような状況になってきておるわけであります。従いまして先生の今おっしゃったように、下流のたんぼに土砂が流れ込む、あるいは川床を高めるというような方向が現われてきましたので、砂防観点から一つ山を全体として調べてみなければならぬということで、調査をもう始めております。もう一年くらい一つ調査をいたしまして、どういうふうな砂どめの方法をするか、という方法を今研究中でございまして、この間もいろいろと地元関係をお伺いいたしましたけれども、本流もさることながら支流が非常に荒廃しているわけでございます。そうなりますとどこから一つ砂防をやるか、あるいは直轄補助でどういうふうに分担してやるかということも、非常に研究しなければならぬというふうに思っております。そういう方法で、結局現在の状況ではもうダムがありましてもそれを乗り越していく、というような状況になっておるということでございまして、山の方に何か手を打たなければならぬという状況になってきております。それからその際にいろいろと、どうして県はそういうのを放っておいたか、というようなことを言うたわけでございますけれども、とてもこの荒廃は県だけの施設ではできない、ぜひ直轄でやってもらわなければならない規模のものであるというようなお話でございます。しかし若干でもいいから県でどうしてやらなかったか、というようなことも言ったわけでございますけれども、まあダム等もございましてそれで土砂がたまる、たまって下流には出てこないというような観点からやっていなかったわけでございますが、現在の状況ではすでにもうそういうふうなダムを乗り越して土砂がくる、というような状況でございますので、至急計画を立てて何とか手を打たなければならぬという考えでおります。  それから発電所工事によりまして、下流に土砂が流れるというような心配もございますので、これはどこのダムでもなかなか土捨て場がないものですから、川の中へ捨てるというようなことが非常に多いのでございます。それでやかましく言いまして、土どめをいたしまして、川へ流れぬようにいたすわけでございますけれども、何せ仮工事というようなものでやりますものですから、そういう点に欠点があるような場合がございます。それらの点につきましては県とよく相談しまして、そのために土砂が多くなるというようなことがあってはいけませんから、注意したいというふうに考えております。
  14. 田中一

    田中一君 下流の方では黒四の発電所工事のために出ているのだというのが、問題にしている論議の中心なんです。ところがそれは現在の状況ではもうあまり出ないのじゃないか、という気持を現地を見て感じてきたのですけれども地元等はそうではない、黒四の工事で出ているのだということですけれども政府の方としては調査しつつあるならよくわかると思うのですけれども、黒四の工事で起った現象ではない、下流流域における地点の崩壊が相当たくさんあるのでありますから、それから起るものであるというような認定をしているのですか。これは地元並びに黒四の——黒四は関西電力でしたかな、これはいろいろと関係があると思うのです。その点は明らかにしなければいかぬと思うのですが。
  15. 山本三郎

    説明員山本三郎君) 先ほど申し上げましたお話は、黒四の工事が始まる前にすでに土砂が相当出ておったわけでございます。それが下流ダムがまだ埋まっておらなかったものですから、こういう既設のダムでとめられておった、しかしそれが一ぱいになったものですから出てきておる。だから荒廃がおもなる原因ではないか。黒四の方は私も現地の事情をよく具体的には見ておりませんけれども、多少の原因はあるといたしましても、大した原因ではないじゃないかというふうに考えております。
  16. 田中一

    田中一君 それから常願寺川の浚渫が、三十二年度予算から見ると一割減っているのです。現在どんどん浚渫しなければならぬという状況にかかわらず、なぜ三十三年度は一割予算が減ったかということ、これはどういう原因なんでしょうか。
  17. 山本三郎

    説明員山本三郎君) 常願寺川の掘さくにつきましては、御承知のように上流砂防堰堤を作りまして、その砂防が相当ききまして、砂防の直下流は非常に掘れておる、しかし掘れた分はその川の中流に行ってたまっておるというような状況で、これを一つ早く直さなければならぬということで、大きな機械を四台準備いたしましてやったわけでございますが、本年は、まあ掘った結果も相当掘ったようでございますので、それらの結果の様子を見てみようということで、まあ一台休ませようということでございまして、決してこれで終えようとかいうことを考えておるわけではございません。
  18. 田中一

    田中一君 機械をあそこへ据えつけてそれを休ましておくなんということは、そんなに機械をたくさん持っておるものとは私は考えておりません。従ってどうも現在見てもあれだけたまっておる土砂は、どっちみち掘さくしなければならぬだろうと思うのですが、様子を見るとか何とかということは、私は技術的な問題はわかりませんけれども、これは地元政府の熱意というものに対する評価が、非常におそろしいと思うのです。だから三十四年度にはどういう考えを持っておりますか。
  19. 山本三郎

    説明員山本三郎君) そういう点につきまして、やはり機械があるのに遊んでおる、使っていないという点につきましては、地元も非常に心配しておりまして、これでもう遊ばしている機械はよそへ持っていくのじゃないか、という心配をしておるわけでございますが、それらの点につきましては今の点を申し上げまして、できるだけ納得していただくような方法にしているわけでございます。しかしその後におきましてもやはり土砂は取った方がよろしいわけでございますので、引き続いて掘さくの方は重点的にやっていきたいというふうに考えております。
  20. 田中一

    田中一君 官房長に伺いますが、常願寺川は今のように機械を遊ばしておくのです。そんなことをあなたは、建設機械の参謀本部の参謀長として遊ばせてもいいと思うか。あなた自身が国費をもって買っておる機械が、フルに使われることによって、機械を買ったという効果が現われるわけなんですが、私は要らぬ機械ならば配置転換してその機械をフルに使うことが一番正しいと思うのです。官房長どう考えますか、参謀長として。
  21. 柴田達夫

    説明員(柴田達夫君) 理想的にはお説の通り機械を遊ばさないで、万一遊ぶような場合には配置転換をして、合理的に稼働率をよくするということは、機械整備の方針でございますが、必ずしも常にその通りに参らない場合のあることもやむを得ない。今のお話のケースといたしましては、今河川局長がお答えになりましたように、きわめて臨時的な問題でございまして、これが長く遊ぶというようなことになって参りますれば、確かにお話のようなことになって参ると思います。機械整備の立場から申しますれば、事業本位にやはり考えなければなりませんので、原則的にはお話の通りでございますが、実際問題といたしましては今後の状況に待ちたい、と考えておる次第でございます。
  22. 田中一

    田中一君 一年休んでいるのです。一年間休んで遊ばすわけなんで、三十四年度にはどういう考えを持っていますか。この四台の機械をフルに使わすという予算要求して、またそれがとれる見通しでいますか、もしそれがないならば、官房長が短かい期間で何とかというけれども、一年間です、一年間遊ばさなければならぬ。もし見込みがなければ、それこそ官房長が言っているように、どこかに配置転換してフルに使うようにならなければならぬと思うのです。従って三十四年度はどういうふうな計画を持っていますか。
  23. 山本三郎

    説明員山本三郎君) 先ほども説明申し上げましたように、決して現在の掘さくで十分というわけではございませんで、予算の都合もございますけれども、できるだけ掘った方がよろしいわけでございます。しかしよそへもって行って、もっと有効な所がございますならば、そちらへ運んで使わなければならぬわけでございますけれども、現在のところはやはり常願寺川が、ほかに持っていくよりもあすこの方が、まだ掘らなければならぬ可能性が大きいわけでございますので、現在のところあすこに置いてあるわけでございます。予算の都合もございますけれども、来年度におきましては引き続いて掘さくをしたいというふうに考えます。
  24. 田中一

    田中一君 もう一つ道路局長に伺いたいのですが、先般の視察道路公団が管理しております有料道路を見ました。そのうち濃尾大橋、これをしばらくいろいろ調べておったのですが、結局自動車なんかはまれに一台通るのです。そして大体料金の収入も月に最高二百三十万、最近は大体二百万というようになっておるのです。多く通るのは自転車、それから軽自動車というのですか、二輪車の自転車でモーターのついているやつ、それから三輪車等が通るのです。これでずっと見てみますとこれはもうこの橋だけじゃだめなんです。揖斐川と長良川ですかこの二つにつけなければほんとうの効果は出ない。そこにもつてきて名神国道高速道路計画もある。これはむろん濃尾大橋が使われるのなら幸いだけれども、この濃尾大橋は使えないということになると、この上流に名神国道の橋が作られるということになるわけです。最初に濃尾大橋を作ったのですけれども今後どういう計画を持っているのか。同時にまた西の方に渡っても自動車が全然通らない、竹ケ鼻とかいう部落に通ずるだけで、あとは貫通しておらないという場合には、相当むだな橋というような印象を受けるのです。道路公団がやっているのだからおれは知らんということではないと思う。政府と相談してやっているのだから、政治的においもふんぷんとしていることはわれわれは知っている。四、五年前に指摘して実態を見ると、長良川の橋ができなければほんとうの効果がないということですね。むろんこれは十六年から二十年程度の償却期間としてみていると思うのです。この実態調査をなすったか。それから今後こういう有料道路というものを、地方的な政治的な意図から作られることに対して、どういう考えを持っているか。効果としては他の有料道路から比べますと相当低いものじゃないかと思うのですが、見解を伺いたい。
  25. 佐藤寛政

    説明員(佐藤寛政君) 濃尾大橋の現状につきましては、ただいま御指摘のように橋の先にさらに長良川、揖斐川、この大きな二川があり、ただいまその二川に対して連絡の施設はございませんために、いわば濃尾大橋一本かかったという形になっておりまして、交通量もきわめて計画よりは少く、収入等は予想を下回っているということは御指摘になった通りであります。ただこの計画でございますが、計画はどういうふうな考えでおるか、こう申しますというと、あの濃尾大橋を通る路線は西の方に伸びまして大垣に連絡せしめる予定になっております。もっともこの間にはただいま御指摘の長良川、揖斐川に橋梁をかけなければなりません。またその間の道路改良をいたさなければなりません。しかしながら大垣、一宮を連絡いたしますショート・カットと申しますか、ただいまの一級国道は岐阜を通りまして一宮、名古屋と、こう行っているわけでございますが、濃尾大橋線というのでございますが、大垣、一宮を結ぶのはちょうど今の一級国道のバイパス、しかも線形はちょうど弓のつるのような、ショート・カットのバイパスになるのでございます。それでただいまの一級国道を見てみますと、岐垣(岐阜大垣)国道の現状は、あの改良はすでに昭和の初期でございまして、現在におきましては相当交通量も多いようであります。ラッシュ等にはほとんど道路の能力一ぱいに来ておるようでございます。今後将来のことを考えますと、あるいは岐垣国道あたりに対して、さらに再改良的なものも近い将来に必要になってくるのではないかということが考えられるわけでございます。それらのことを考えますと、大垣から一宮の辺に向いまして、どうしてもバイパスが要る。従いまして、将来においてこの濃尾大橋を通るこの路線は、一級国道のバイパスとして大事な路線だ、こういうふうに考えております。そういうわけで、現状のところは濃尾大橋そのものは橋だけでございますので、交通量も予想程度には行っておりませんが、だんだんと整備が進みまして、大垣まで連絡いたすならば、相当重要な性格を持っておりますから、相当な交通量も期待されるであろうし、従って経営の方もずっと違うようになるだろう、そういう見通しを持って、ただいまはこの竹ケ鼻地区を長良川の方へ向って年々改良を進めております。おそらく本年度工事で、現在道路の改良が長良川の堤防の近くまでたしか参ることと存じておりますが、私どもといたしましてはできるだけ早くそれを延ばすと同時に、橋梁をかけることを考えまして、一年でも早く大垣、一宮線が交通の役に立ち、従って濃尾大橋等の経営が楽になるように整備を進めて参りたい、こういうふうに考えております。
  26. 田中一

    田中一君 では長良、揖斐の計画がいつごろ実現するのですか。今言う通り道路というものは貫通しなければ何もならないのです。起点から着点まで貫通しなければ道路の効果がないわけです。でありますから、計画がどのくらい立っておるかということが一つ。もう一つは小牧を起点とするところの中央道、これは吹田までの間、ちょうど現在の国道と濃尾大橋の線との中間を通るのではないかと思うのですね。われわれが法律できめておりますのは、あの中間のどの地点であるかということは、幅がありますから何とも言えませんが、小牧から吹田を結ぶ線というのはあの中間であります。もう一本そこに今道路公団がやっております名神国道があるわけです。中央道の吹田、小牧間があるわけです。そうすると、どちらが早く完成するのか。私は、おそらく今の状態ですと道路公団は、政府の指示によって名神国道の方を先に進ませるのじゃないかと思うのです。そうすると、濃尾大橋のあの線というものは、これはいつごろになるかというと、私はちょっと道路局長もいつごろまでにどうするということは言えんじゃないかと思うのです。従って、その関連においてどちらがどうなるということを明快にここで答弁していただきたいと思うのです。
  27. 佐藤寛政

    説明員(佐藤寛政君) 濃尾大橋から大垣まで連絡する事業が今後残されておることにつきましては、ただいま調査中でございますが、来年度は濃尾大橋側から道路をやると同時に、大垣側からも道路を進めるようにして参りたい。そうしてできるだけ早くその間をつなぐようにして参りたい。それとタイミングを合せまして、長良川の橋と揖斐川の橋はまだ計画中でございますが、一つの方法といたしましては、あの橋梁をやはり道路公団の有料道路橋梁としてやる手も考えております。そういうふうにいたしまして、できるだけ早く、これは何年ということはちょっと申し上げかねますが、公共事業と有料道路事業とを合せることによりまして、できるだけ早く路線をつなぐように考えて参らなければならぬと思ふっております。これは、先ほど申しましたように、現在の一級国道がもう限度に来ておりますから、何年ということでなくてできるだけ早くやりたい。  それから一方高速道路の方でございますが、これは御存じのように、昭和三十七年度には橋梁を開始させなければなりませんので、そのつもりで、ただいまのところはまず用地交渉、来年度におきましては、できるならば全面的に——あの辺はもちろんでありますが、全面的に工事にかかれるようにいたしまして、予定通り昭和三十七年度には橋梁を開始できると、こういうようにして進みたいと考えております。
  28. 田中一

    田中一君 ですから、濃尾大橋の大垣・一宮をつなぐ線はいつごろになりますか。今調査中なんて、あれは計画があるからこそ濃尾大橋が完成しているのですよ。ほんとうなら濃尾大橋も、長良川も、揖斐川も、同じくらいに着工して全通するのが望ましいのですが、いつごろになりますか、今の計画ですと。
  29. 佐藤寛政

    説明員(佐藤寛政君) いつごろという年次はちょっと申し上げかねます。しかし、現に本年度道路事業実施いたしまして、濃尾大橋から先、長良川の方に向って改良を実施いたしておるのです。来年度においてはさらにそれを大幅にいたします。と同時に道路が進みませんと橋梁をかけるにもいろいろ足場も悪いし、橋梁だけ先へできてもまずい点もございますので、公共事業を急ぐと同時にそれとタイミングを合せて橋梁をやっていきたい。先ほど申し上げた通りでありますが、これを何年度に完成させるかということは、ちょっとただいまのところは申し上げかねます。
  30. 田中一

    田中一君 それは五カ年計画に入っておりますか。
  31. 佐藤寛政

    説明員(佐藤寛政君) 入っております。
  32. 田中一

    田中一君 入っておるならば、現在ほんとうに効果をあげておらないところの橋があるでしょう。これを効果をあげることが先決だと思うのです。ことにあの名古屋・岐阜間の国道はおっしゃる通り狭いです。いつも事故があすこに起きております。それがいつごろかわからぬというのではちょっと困ると思うのですがね。そうしてその中間に高速道路が入るわけなんですね。いつごろか、五カ年計画では実際の実施計画というものは立っておりますですか。
  33. 佐藤寛政

    説明員(佐藤寛政君) 五カ年計画に入っておりますから、いつごろかわからないというのは、だらだら延びるということを意識して言っているわけではございませんのです。至急できると思います。再来年であるか。その次であるかというような、はっきりしたことはちょっと申し上げられません、ということを申し上げたわけであります。
  34. 田中一

    田中一君 それが私はわからないのですよ。公共事業で橋と橋とを結ぶ道路はやっておると、それがいつごろになるから、従ってその次には道路に並行して橋に着手できるということにならなければならぬと思うのですよ。そうなるのだと思うのです。それがいつごろになるかわからぬというのでは、私ももう少し追及しなければならなくなってくるのですがね。今のところでは当分計画にないという意味ですか。
  35. 佐藤寛政

    説明員(佐藤寛政君) 当分計画がないというのではございませんで、来年度は、先ほど申しましたように、濃尾大橋側と大垣側と両側から道路をやります。おそらく来年度におきまして、まあ予算のことでございますから、数字がきまりませんとはっきりしたことは申せませんが、濃尾大橋側の道路事業はたぶん長良川の堤防のところまでは延びるだろうと思っております。できるだけ延ばしたいと思っております。大垣側の方の道路はまだ距離がありますから、来年一年で果して揖斐川のところまでくるかどうかちょっとわかりかねますが、とにかく来年両方から道路を延ばして参ります。そうして道路が川のところまで参りまして、タイミングがいいときに橋梁にかかれるように、これはたぶん道路公団でもってやる予定になろうかと思いますので、道路公団の方ともそういうような打ち合せばやっております。
  36. 田中一

    田中一君 何もここで……何年ごろでもいいですよ。そんなことがなぜ言えないかということですよ、私に言わせれば、いつかわからぬなんということはありようがないのですよ。道路を作るにしても無計画でやっているわけではないでしょう。何年ごろに買収なり何なりを終えてやるという一応の計画があるはずでしょう。それを言えばいいのです。ただああして有料道路として立てておりながら、有料道路としてのほんとうの目的を達しておらないのですよ。そういう橋は早期に経済効果をあげるという建前からいえば、むだな橋なんですよ、現在は。だから他のものに優先して、ほんとうの効果をあげるためには一応あなたの方で計画が立って、何年ごろには全通するようなつもりで努力いたしますというんならまだいいけれども、それが言えない、言えないじゃ実際しようという意欲がないと見なきゃならぬでしょう。何もあなたに、あなたが何年ごろできると言って何年ごろになったら、あのとき言ったじゃないか、まだできないじゃないかなんて言わないから、だから実際の計画としてやろうという意欲を持たなければ、大蔵省だって予算くれやしませんよ。実情はこうなっているんだ、四億なり五億なり金を使ったけれども、全然これはむだに死んでいるんだ、だからこれを早期にしなきゃならぬと言わなければ、だれがくれるものですか、予算なんか。道路局長がそういう考え方じゃ道路なんかできゃ、しませんよ。あれもこれもほしいと要求して初めて予算が多少ともついてくるんだよ。それを自分じゃわからないということじゃとても承服できない。一応の計画があるはずだと思うのです。
  37. 佐藤寛政

    説明員(佐藤寛政君) 濃尾大橋というせっかくあれだけ長い橋を、経費をかけて施工いたしましたにかかわらず、ああいう状態で、これはできるだけ早く工事を進めなきゃならぬということを考えております。ことは、これは御指摘の通りでございます。そこで今の大垣までの線をできるだけ早く実施いたしたいのでございますが、そういう意味でお尋ねになりますならば、ただいまのところおおむね昭和三十——できるなら六年と言いたいのですが、ちょっと七年ぐらいまでたしかかかる予定じゃないか、こう思っておりますが。それと同時にあの濃尾大橋を渡った竹ケ鼻から木曽川橋へ続けることによりまして、現在岐阜から名古屋の方へ参ります交通が、岐阜・名古屋の道路が非常に混雑いたしまして困難いたします際には、一つのやはりバイパスでございますので、そういう場合の交通のお役にも立てたいと存じまして、そういう路線の整備もただいまいたしております。これはたしか来年ぐらいで使えるようになるはずでございます。濃尾大橋−大垣線はまだ残りが相当多いものですから、予算の都合で確たるところはまだわかりませんが、まあ昭和三十七年には使えるようにいたしたいと、こういうふうに思っております。
  38. 田中一

    田中一君 どうもそうすると、現在の濃尾大橋というものは、どこかの圧力があって急いで作ったというふうな印象しか受けなくなってくるんです。これははなはだ遺憾です。今後はそういうことのないように、早期に完成するように、むだな金を使わないようにしていただきたいと思うのですよ。  それからもう一つ伺いたいのは、多治見から名古屋の愛岐道路を通ってみますと、昨年の災害を今工事をやっているんです。道路公団もやはり同じような年度予算によって応急工事をし、本工事をするという形になっているのか。もう災害が起きて一年たっているんです。一年目にようやく本工事をするなんていう個所があるということは、これはもう有料道路の本質じゃないと思うのです、これは。国民から特別に金を取っているんですよ。ことに工事を見ましても、道路に間知石が何の標識もなくころがっておったりするという状態では、これは特別な負担を国民にかけてやっている道路としては、これははなはだ遺憾なんです。現在道路公団は国の公共事業と同じように一応応急工事をやって、一年目ぐらいにようやく本工事をするというようなことになっているのか。それも大した工事じゃございません。その点はどういうように道路公団の方は計画を立てているのか。むろん監督する立場にある道路局長は知っているはずだと思いますが、どうなっているか。もし将来そういうことがあるならば、これらは即刻本工事にして他のものに優先をして、利用者のために便益をはかるようにしなくちゃならぬと思うのです。その点についての考え方を伺いたいと思います。
  39. 佐藤寛政

    説明員(佐藤寛政君) 道路公団道路は有料道路で料金をいただくわけでございますから、危険な状態で一日も置くわけに参りません。これは一般公共道路も同様でございますが、特に道路公団の方はそういう関係にあるわけであります。  愛岐道路でございますがこれは昨年災害を受けまして、直ちに応急的な処理並びに一応の復旧はやったのでございますが。で、ただいまやっておりますのはいわば防災的な工事、まあ危険のある所、それからその後小雨等によってくずれたような所、そういう応急的な工事実施いたしておるはずでございます。昨年の災害につきましては応急工事、さらに引き続いて復旧工事をやったはずでございます。そういうふうに道路公団にやるように指導しておるつもりでございます。
  40. 田中一

    田中一君 これはこうしてほしいのですよ。管理者の料金をとる所長さんが、建設の方も責任を持っているのだそうです、機構を聞いてみますと。年次予算で修繕なんかしないでいいと思うのですよ、実際問題として。だからそういう点は運営がどういうことになっているか、もう少くとも悪い所は毎日修理するということが当然だと思うのです。だから私が特に行ったときに見たように、何の標識もなく間知石が道路反対側の方にころがっておったり、それから何ですよ、側溝にでも乗っておるなら別ですが、道路に放っぽり出してある。現場を見ますと現場も何にもない、どっから持ってきてころがしておいたんでしょう、そういうことでは、これはいかぬと思うのです。こういう点は十分に監督して、予算でもって修理をするなんということではなくて、後に予算化するということぐらいの拙速——拙速ということじゃない、よく早くということに一つ御指導願いたいと思います。
  41. 佐藤寛政

    説明員(佐藤寛政君) ただいま御指摘の点は大へんごもっともでございます。そういう状態がございましたらまことに申しわけない次第でございまして、これは御相談の上今後ともその辺の連絡をいたしたいと思います。  それから将来の維持修繕につきましては、おっしゃる通りまた維持上必要な場合には、すぐでもできるようになっているはずでございますから、よく注意いたさせることにいたしたいと思います。
  42. 上林忠次

    委員長上林忠次君) 私からも一つお願いしたいのですが、河川局長に。先般京阪神の出張の際に、小さい問題ではありますけれども、木津川、淀川、桂川と三線合流の場所がある、その上流より砂利を採取させているが、流水の水位がだんだん低くなり、巨椋池の干拓農地に灌水する水の取入口が上位になって、千数百町歩の巨椋池の農地に灌水ができなくなるので問題を引き起している。場所は木津川上流の久世郡久御山町であるが、水取入口たる堰門の位置を下げることが必要となってきた。かような問題は建設省として考慮されていることとは存じますが、万全の善後措置をとられるよう考究をお願いします。御返答はなくともよろしいが、何とぞ千数百町の灌水源の堰門の問題でありますから、真剣に御考慮をお願いします。
  43. 内村清次

    内村清次君 先ほど第三班の報告をいたしましたが、その報告の中の二、三点につきまして質問を申し上げたいと思うのです。  まず道路関係ですが、東北地方道路が非常に悪い、しかも私たちが行きました秋田県の道路につきましては、まあやや可なりの点もありました。がしかし青森県に入りますと非常に道路が悪い。もちろんこれは知事に対しましても、あるいはその係の土木部長に対しましても、この点は十分事情についても話は聞いたわけです。一体この東北地方道路が非常に悪いということは、あなた方としてはどういうような点があげられるか、まずこの点から一つお聞きしたいと思うのです。
  44. 佐藤寛政

    説明員(佐藤寛政君) 道路整備状況全国的に見ますと、先ほど御報告にもございましたように、全国各地域、全国平均あたりから見ますと、東北は改良の方も、それから舗装の方も平均より劣っている数字になっております。これは従来、まず第一におくれている理由と申しますといろいろございましょうけれども道路の整備を交通量の関係、交通の要請から判断いたしまして、プライオリティ順位等を考えて参りますのでございますが、どうしても人口稠密な地域が非常に追っかけられるというような関係があるのじゃないだろうか。一級国道あたりにいたしましては大幹線でございますから、たとえ交通はいかがであってもとにかく相当の整備ができていなきやならぬはずでございますが、やはり予算関係等でそういう交通量等の関係で優先順位等を考えますと、若干東北の方があと回しになる。しかしながらそういうことでもいけませんので、ただいま策定いたしております五カ年計画におきましては、この間の全国平均というアンバランスあたりはどうしても解決させなければならぬし、できるだけ進めるようにしたい、こういうふうに思っております。  それから道路が悪い、路面が悪いとかいう点につきましては、一つは地形の点、地質の点などもございましょうかと思います。東北の方に参りますと、東海道、山陽道あたりと比べまして、山地が相当多いということ、それから岩手青森等に参りますと土質が非常に悪いのでございます。それあたりの関係から相当修繕維持等に手を入れませんと、たとえば路面などは十分な状態にならない。それから橋梁などにいたしましても相当補修費がかかるわけでございますが、従来県の財政等の関係もございましょうが、そういうものの手当が必ずしも十分とはいっておらない。そういうような関係から御覧のようなことになっているのではないかと、こういうふうに思うのでございます。
  45. 内村清次

    内村清次君 道路の悪い点につきましては、現地のたとえば青森県にいたしますれば、その砂利の採取がなかなか困難であるというような特殊事情も聞きました。同時にまた今までの県政上におきましても、県の予算が少かったということも聞きました。これは秋田県あるいは岩手県というような県と比較いたしまして、そういうような特殊事情も聞いたわけですけれども、しかし、国として二十九年からは道路五カ年計画の問題も策定されておったし、あるいはまた三十二年ですか三年からは、さらにまたこの五カ年計画を更新するというような話もあったし、また一級国道に対するところの十カ年計画も策定されておる。こういった建設省としての計画の中に、取り残されたような点がありはしないか。問題は大きく予算面から、非常に東北六県に対しまするところの予算措置が、他県に対しまして不利な点があったのではないか。この重点としては先ほど言ったように、交通量の問題、経済発展の問題等もからみ合わせて努力がなされておりますけれども、まあしかし計画自体ということを考えてみると、そうやった不利な点が非常に今までありはしなかったか。  そこで私がこれはまあ端的に聞きたいことは、今回政府の方でも選挙に当っては、一兆億円の道路五カ年計画を立てるというような、非常な国民の期待にも沿うような計画である。これはいいことです。がしかし、その計画自体は細分してやはり各県に割り当てられた、あるいはまた計画の中にあなた方が考えておられるような、各県の予算措置という問題が積み上げられて一兆億円という問題ができている、と私たちは事務的には思うわけですが、こういうような計画の中に東北六県の予算措置というのはどういうふうになっているか、これを知りたいのです。この点につきましては、そうやったすでに計画ができているかどうか、まずこの点から一つ御答弁願いたい。
  46. 佐藤寛政

    説明員(佐藤寛政君) 御存じのように東北開発促進計画、あの中には今後十カ年間にわたりまして、東北地方道路関係の必要とする投資額として、二千七百億円程度というふうな見方がされております。もちろんこれは道路整備五カ年計画をただいま策定中で、決定されたわけではありませんので、その規模等によって数字が修正されるわけでございます。少くとも二千七百億円程度道路投資がなされるべきだ、こういうふうに打ち出されております。私どもといたしましては、東北に今後どの程度の投資をして、道路を整備すべきかということを、まず大きな立場から一つそれを出してみたい。しかしながらただいまのまあ二千七百億円、これをまあそういう考えから調べて見ますと、大体このただいまの道路整備五カ年計画でいきますと、国の補助事業、それから国の直轄事業ですね、そうした国費の関係いたします事業としては、八百億円程度のものは東北へ投資し得るのではないか、こう考えております。それらを各県に配分いたすわけでございますが、その場合にこれは県にははやり県の負担がございますから、そういう負担が無理なくいけるように、補助率、負担率の点、またこの地方道路の財源となっている諸税等の関係等をにらみ合せまして、無理なく実施できるように計画をいたし、関係各省とも打ち合せてそういう計画を立てたい、こう考えているわけでございます。ただいま五カ年計画につきましては、策定をいたしているところであります。
  47. 内村清次

    内村清次君 そうすると一兆億円に対しまする五カ年計画というのは、まだ事務当局の方では具体的な計画というものはできておらないということですか。
  48. 佐藤寛政

    説明員(佐藤寛政君) ただいまいろいろ計算中でございますが、まだ閣議決定にまで至っておりませんので、数字は出して計算しているわけでございますが、確定決定するところまで至っておらない、こういうわけでございます。
  49. 内村清次

    内村清次君 これは現地におきましても、青森県あたりの陳情、あるいはまた説明を聞いてみますと、およその数字は握っておったようですが、しかし問題は、私はそれをどうしてもこの委員会でつきとめたいと思ったのは、その数字の年度別の配列というものが非常に広範になって、五カ年先になって多額の金額が寄っておる。そうすると、どうもこれは県当局もそうですが私たちも、一体この計画というものは真実毎年々々、もちろんこれは当時の状況にもよりましょうし、交通量にもよりましょうし、あるいはまた、災害状況という問題も加味しましょうけれども、順調に五カ年計画そのものが、ほんとうに熱意をもってやられる数字であるかどうかという点について、実は疑いを持っていたわけです。だから私も帰ってきましてから、あなたの方に資料を一つ出して下さい、といって要求したわけですけれども、先ほど言われたようにまだ具体的にきまっておらないというようなことですから、これは私は大臣にもあしたでも一つ聞きたいと思うのですけれども、各県の当事者もそうでございましょうけれども、国民は皆道路という問題について重点政策の一つとして期待を持っておるのですね。その国民が実際、中を見てみると、これはあとでは非常にがっかりするような状態のことで、宣伝的な意味の道路計画であるというようなことでは、私は内容の充実した問題ではないと思うのです。この点は一つ一日も早く策定して、県は県によってその計画に従って、予算措置をやはり考えていきましょうし、特にまた青森県あたりは知事がかわった関係で、今回は相当費用も重点をおいて、道路がよくなるように熱意を持ってやっておったようですから、各県ともそうやった本省の計画に従って、やはり時々予算も組んでいくだろうと思うのですから、その点は早くあなたの方できめていただきたいと思います。これは希望いたしておきます。  次に河川関係でございますが、米代川改修工事昭和十一年から建設省直轄工事で行なっております。全体の計画事業費は二十六億、実施済みが五億、進捗率が二一%、残工事が十九億円もあってこれに対して本年度はわずかに七千六百万円予算がついた。そこでこの状態でいったならば今後四十年近くかかるということで、地方関係機関におきましてもこの問題については非常に心配しておったようです。特にこの上流地帯の町村から非常な要望がありまして、上流地帯についても、あるいはまたあす問題になります砂防関係だとか、あるいはまた堤防の構築だとかいうような問題について、非常な熱烈な陳情があったわけですが、もちろんこれは各河川につきましても、やはり五十年、七十年というような、現在の予算計画ではかかるような長期にわたる予算の問題で、私はどこも困っておると思うのですが、一体この米代川改修につきましてはどういう計画がなされておるか、その点一つ局長からお伺いしたい。
  50. 山本三郎

    説明員山本三郎君) お説の通り米代川の本川につきましては、直轄改修をいたしておるわけです。それから阿仁川等の支流がございますが、これらの改修は県の事業としてやっております。お説の通り、米代川改修は相当長い期間にわたって直轄でもやっておるわけでございますが、残事業がやはり約二十億程度かかるわけでございまして、雪解け等の洪水がございますと災害が非常に多いわけでございます。そういう点にかんがみまして、計画といたしましては堤防を作ると同時に、非常に湾曲をいたしておりますので護岸等を非常に必要とするわけでございます。従いまして、二十億程度事業費がかかるわけでございます。これを現在の予算でいきまするとやはり三十年近くかかる、というふうな計算になるわけでございまして、これはしばしば御説明を申し上げておりますように、直轄河川全国的に見ましてもやはり三十年余りかからぬと、全体の計画が仕上らないというような状況でございまして、ただ米代川だけではございませんでいずれの直轄河川につきましても、そんなような状況でございます。それでは非常に困っておるわけでございまして、私どもといたしましては少くともこれを倍程度の速度にいたしまして、十五年ぐらいには全部完成して、その中から急ぐものを五カ年計画で取り上げてやっていこう、ということを考えておるわけでございまして、来年度予算等もその線によって要求をしたい、というふうに考えておる次第でございます。
  51. 内村清次

    内村清次君 治水予算がどうしても思うようにとれないという結論ですね、問題は。これは委員会の協力事項ですか。  それから鷹巣と附帯地区堤防が中断された状態で、これは非常に鷹巣の町長が悩んでおった問題ですが、洪水が出た際には広い町歩がはんらんするというようなことで、改修工事の点について建設省の方はほんとうに熱意を持ってやっていただいておるだろうかどうだろうか、というようなことで陳情があったのですがその点はどうですか。
  52. 山本三郎

    説明員山本三郎君) ただいまの鷹巣付近の河川と申しますと、米代川支流でございます阿仁川だと思いますが、この河川は、先ほど御説明申し上げましたように、県の中小河川として改修をいたしておるわけでございます。従来秋田県の要望等によりまして、この河川中小河川として取り上げたわけでございますが、秋田県の財政が非常に悪い時代がございました。ことしあたりから多少よくなって参りましたけれども、昨年度あたりまでは非常に財政が悪かったためもございまして、この河川改修が、残額に比べまして非常に少い金しかできなかったということでございます。ただいまやっておりますのは上流部分をやっておりますけれども、非常に金が少くて遅々として進まぬような状況でございまして、これらの河川は非常にはんらん区域の大きい所でございますので、建設省といたしましてはできるだけ早く懸案地点だけはやってしまいたい、というふうに考えておるわけでございますので、来年度予算におきましては、県の財政の都合もございますけれども、私どもといたしましても、現在の程度よりもずっと進捗させたいというふうに考えております。
  53. 内村清次

    内村清次君 それから米代川河口の水門工事ですね、これはいつ着工されますか。
  54. 山本三郎

    説明員山本三郎君) 左岸の能代のところの水門のことだと思いますが、あれは港の方の利用の関係もございますので、できるだけ早くしたいということで、本年度の調整費でやりたいということを申し出たわけでございますが、調整費のワクの関係でできなかったわけでございますので、来年度要求しておるように覚えておりますが、あるいはこの点は一々の問題でございますから間違っておるかもしれませんが、できるだけ早くこれは港との関連もございますのでやりたいというふうに考えております。
  55. 内村清次

    内村清次君 それから小阿仁川の上流の萩形ダム建設について、政府調査を行なっておるということでございますが、建設する考えがあるかどうか。建設するとするならばいつ着工せられるか、その点はどうですか。
  56. 山本三郎

    説明員山本三郎君) 米代川支流ダム計画につきましては、二、三年前から直轄調査をしておるわけでございます。米代川の治水上からはどうしてもダムが必要であるという観点から調査しておるわけでございまして、具体的には調査の結果をもう少し待たなければならないとは考えておりますけれども、地質上あるいは工事費等の観点から利益等の関係もございますけれども、それらを早く見きわめをつけまして、着手に持っていきたいというふうに考えております。
  57. 内村清次

    内村清次君 これも先の報告にありましたように、岩木川の今回のはんらんでございますね。弘前市に見舞に参りまして現場を見て参ったときに、土淵堰というのがある、これは御承知でしょうね。これは農林省の方もきょう来ていただくように言っておりますが、土淵堰のために対岸堤防増水して切れてくる。そのために被害が相当激甚に醸成されておったわけですが、この土淵堰建設というのは、これは建設省農林省とよく打ち合せてやった堰ですか、どうですか。これはいつも問題になる堰らしいと私は見てきたわけですけれども、この点はどうですか。
  58. 山本三郎

    説明員山本三郎君) 土淵堰は相当古い時代に作られたものでございますので、その当時河川管理者の知事と、土地改良区と申しますか、その当時はそういう土地改良区はなかったかもしれませんが、それらの打ち合せの上でやったものとは思いますけれども、現在の状況はやはりああいうふうな形でありますると、川としては非常に悪いわけでございます。また具体的には私も現地を最近見ておりませんけれども、堰の形も向きも悪いし、また川の方の堤防もあの部分が前に出ておるというような関係から、今回のような被害を受けたわけでございます。従いまして災害復旧は前に、はらんでおった堤防をうしろの方に引っ込めて復旧しようじゃないかというように考えております。それからまた堰の問題の改造等につきましても農林省に連絡しておりますが、農林省の方でも早くやりたいということで、おそらく来年度要求に出しておられるというふうに聞いておるわけでございます。またあの地区改修をやってくれというお話もございますので、今年度からすでに着手を始めておりますが、その調査の結果、ああいうふうな堰等の問題につきましても、将来どうしたらよいかという点を早くきめまして、農林省にたのんでやらなければならないおのおのの部分も出てきますが、それらの点に遺憾ないようにやりたいというふうに考えております。
  59. 内村清次

    内村清次君 そうすると農林省関係としては、この堰の移転を現住民の方は非常に要望しておったのですが、これはやはり現個所に堰は置く。そしてまた河川関係において今後災害の起らないような堤防工事その他をやるというようなことに落ちつくわけですか。これは農林省の方からお話を願いたいのです。
  60. 櫻井史郎

    説明員(櫻井史郎君) お尋ねの堰の問題でございますが、実は今年の災害上流の方に非常な豪雨がありましたために、あそこの付近では大体十二の堰堤が連続してずっと並んでおったわけです、その堰が全部今度災害を受けて飛んでしまったというような状況になっておりまして、今のお話の土淵堰はその一番下の方にあった堰でございます。従来国営の灌漑排水改良事業によって、土淵堰の位置で取り入れの頭首工の改良をやるという計画になっておりましたが、この災害を契機にしまして、地元からはこの十二の頭首工を合口しまして、全部一カ所に集めて最上流の杭止堰の位置でやってほしい、というような要望地元の方から出ております。その点につきましては、灌漑排水の方の国営の土地改良事業として、計画を最近検討するということになっております。そこからいきまして、さしあたり今度の災害を受けました十二の堰を復旧しませんと、直ちに用水の取り入れに困るわけでございます。一応これらの堰は原形復旧復旧するということが建前でございますが、ああいう大きな川になりますと、当然治水と利水と両方の面から将来の問題を考えなければなりませんので、土木の方とも十分連絡をしまして、十分検討した上で一応の復旧計画は立てたいというふうに考えております。
  61. 内村清次

    内村清次君 これは現地を局長も見られたらはっきりいたしますが、私が先ほど言ったように、農林省関係建設省がほんとうに話し合って、あそこに堰を作ったとは思われないのです。もう対岸の方がこの堰のために弱くなってきて、そこが切れるというようなことは、川の構造、地形からいたしましてもはっきりしているのです。そこに農林省の方は一方的に堰を作っているような感じがするわけです。これは地元のしろうとでもはっきりするわけですが、しかも先ほど農林省からも言われましたように、あそこに堰を置かずに今後一つどこかへ移動してもらいたい、というような強い要望があっておるのです。再三あそこはやられておりますから。こういう点はいま少し災害その他……今までは岩木川上流のああいった降雨というものは、これは何十年来というような所で、弘前市長さんあたりもまだ初めてのような経験をされたような状態でしたものですから、あなたの方でもまだあそこは全く原形そのままの所です。建設省の方が今まであまりあの地形に対しての手当が十分でなかった、というようなことははっきりいたしますけれども農林省の方は建設省と十分打ち合せてやった工事ではない、こういうふうに私たちは断定してきたわけですけれども、その点は一つ十分話し合いをされて、災害の起らないように、今後早く着工していただきたいという希望を申し上げておきます。  それから、いま一つ、これは皆瀬ダム工事に対しまして、特に職員の方々から陳情を受けたわけでございますけれども、これは官房長承知だろうと思うのですが、職員に対する特殊現場作業手当、この点、この勤務地の特殊勤務手当が、あそこは第二種になっておる。だからして、これは第一種に一つぜひしていただきたいということですが、これは十分あなたの方では、こういった陳情を聞いておられますか、どうですか。
  62. 柴田達夫

    説明員(柴田達夫君) 皆瀬ダムの特殊現場作業手当の例の点を調べて参りましたが、建設省の方でもよく事情は承知いたしておるようであります。お話にございましたように、現在は二種の特殊現場作業手当、いわゆるダム手当が出ておりますが、これを一種に格上げをするようにという地元側からの要望でございました。これは工事事務所側からの要望でございました。この特殊現場作業手当をきめるのには、人事院の内規がございますが、この内規の基準の上から見まして、お話にございましたように、この皆瀬ダムは、非常に交通が不便なところでございます。湯沢市を近接の都市と見るか、冬季はこの湯沢市は、交通が途絶して通えないという状況になりますので、それよりはもう少し遠くなりますが、横手市へ回るのが通常であります。横手市を近接の都市と見るか、人事院の内規で、近接の都市まで距離が三十キロ以上であるかないかということが、この一種、二種の区別の基準になっております。昨年は、この皆瀬ダムは、調査段階でございまして、ことしからは、十一月からは、冬季にも工事をするということでございます。工事をするということになれば、交通が途絶しているようなところを、内規の上の近接都市と見るのは非常におかしいので、三十キロ以上ある横手市の方を近接市と見るように、人事院の方に交渉してしかるべきものと思っております。  そういうようなわけでございまして地元工事事務所からの要望も聞いておりますし、事情ももっともで、当然これは一種に格上げしてやってしかるべきものだという見解でございまして相手方である人事院に現在折衝中であり、今後も十分折衝して、ぜひ実現するように努力いたしたいと考えております。
  63. 内村清次

    内村清次君 よく陳情を聞いておられまして、その通りです。だからして、私たちも現場に行きまして、今後あの工事をしていきます上において、現地は非常に寒冷な地帯でもありますし、降雪もひどいところで、作業その他に非常に困難するだろうと思うのです。特に現場従事の職員の方々は若い人たちが多いようですが、相当郷里から離れて、そしてあそこにくぎづけになって今後やられることだと思うものですからして、現地の状態によっては、現地の仕事の上から、重量運搬その他もやっていかなければならぬ。そのためには横手市を使っていくというような関係もあります以上は、現地主義からいたしましても当然な要求だと思うものですから、その点は十分御努力してやっていただきたい、こう希望しておきます。
  64. 坂本昭

    ○坂本昭君 主として所管の河川局長、それから補足的には官房長説明をいただきたいと思いますが、先ほど重盛委員調査報告に関連いたしまして、大阪尼崎地区で、工業用水を取るために、いろいろの問題が起っておる、地下水を特に取るために問題が起っておる。そのために一日十万トンずつ、地下水でなく河川から水を取るふうに報告がありました。どの河川から取られるかお聞きしたいと思っておったのですが、ちょうど重盛委員おられませんので、これは一般論としてお尋ねしたいのですが、工場を設置する場合に、どうしても工業用水は絶対必要なものになっております。ところで工業用水を有効、豊富に取るためには、どうしても河川を利用しなければならぬと思いますが、この工業用水を取るための河川利用について、河川局としては従来どういうふうに折衝してこられたか。特に工業地帯というものが工業用水を利用する場合に、いろいろと分水問題が起ってくる。そうした場合の基本的な処置はどういうふうな機構を通じて調整されておるか。主として私の伺いたいことは、工業用水を取ることについての調整機構がどうなっておるか、そのことをお伺いいたしたいと思います。
  65. 山本三郎

    説明員山本三郎君) 工業用水は、お説のように、各地で工場を新設する場合におきましては重要な要素になって参っております。特に関西、あるいは中国方面では、工業用水のないために、せっかく敷地があってもだめだというようなことで、工業用水の布設の問題は大問題になっておるわけであります。従いましてその問題は、現在までのところでは、主として県が工業用水の主体になりまして、県が事業をする。県が工業用水に要る分は、自分が起債をやまりして、一括工業用水のダムを作るなり水路を作るなり等いたしておきまして、それを作っておきまして、需要者にそれを売ってやる。そうして特別会計の収支を償っていくというふうにしておるわけであります。それからまた最近、工業用水につきましては、起債のほかに、通産省から補助金が出るようになって参りまして、従いまして、それだけは工業用水の原価が安くなって参っておる。工業用水は、新しい水源を求める場合には、非常に従来は高いわけであります。その点におきまして、井戸水を地表水にかえるという場合に非常に高くなるものですから、その点が非常に困りまして、大阪地区におきましても井戸水をくむということが地盤沈下の大きな原因であるということがわかって参りましたので、できるだけ一つ地表水に置きかえてやろうということで考えておるわけでございますが、地表水を新しく水源を作ってやるということになると、非常に高くなる。一トン十円以上になるというようなことで、非常にその点が難点になってきております。従いまして、できるだけこれを安くしてやることが必要であるということから、最近は通産省の方で補助金を出そう、ただ補助率も非常に低いものですから、できるだけ高くしてやろうというというような点を考えて、逐次その方向に進んでおるわけであります。建設省といたしましては、そのほかに、一つダムを作る場合におきましては、できるだけ工業用水の水源確保してやろう。ダムを作る場合に、従来は灌漑用水洪水調節等がおもなものでございましたけれども、最近は非常に工業用水の要望が強くなってきておりますので、それらを計画の中に取り入れましてやっております。一方、財源の方につきましては、起債もできるだけ私どもといたしましても大蔵省、自治庁等に連絡をする。それから補助金の問題につきましても、できるだけ許す範囲におきまして高率補助をやって、その結果、工場の用水を確保すると同時に、地盤沈下等対策といたしましても、できるだけ有効に地表水に置きかえができるようにいろいろな方策をとっているわけであります。
  66. 坂本昭

    ○坂本昭君 主として工業用水、特に地表水の問題については、各都道府県が当っておられるようですが、その工場地帯の場所等によってはいろいろと分水の問題など出て、水利権について争いが起って国がこれを調節しなければならないというようなこともあり得ると思うのです。そういうことについて、建設省としてどういう調節機構を持っているか、それを御説明いただきたい。
  67. 山本三郎

    説明員山本三郎君) 今の問題は、県が違うというふうな場合に、下流が別の県に流れていく、それを途中から持っていきまして、別の県の工業地帯に持っていこうというような場合だと思うわけでございます。そういうような場合につきましては、県が、当面の両県の話し合いを進めるわけでございますが、それらの調整ができないような場合におきましては、各地方建設局でそれらの調整をいたしますし、また本省におきましても、いずれも納得のいくように一つ調整をとりまして、しかも、できるだけ合理的にいけるようにということで調整をとっております。  たとえば四国の銅山川の問題につきましても、ようやく最近妥結をいたしまして、取水量等につきましても妥結をいたしまして、長年の問題も解決したというふうになっているのですが、この場合におきましては、地方建設局が間に入りまして、よく両方に説明をいたしますし、両方がよくなるようにというふうな方針のもとに調整をやっている次第でございます。
  68. 坂本昭

    ○坂本昭君 そうしますと建設省としては、県と、それから地建と、さらにまた工場誘致、工場設置のためには通産省も関係してくると思うのですが、それらの間に何か常置の調整機関というのは置いているのではないですね。問題があるごとに地建が中心になって調整をする、そういうわけですね。
  69. 山本三郎

    説明員山本三郎君) お説の通り常置にそういうものはございませんけれども、県等でいろいろ調整いたしまして、なかなかうまくいかぬというような場合がございますから、そういうようなときには、あらかじめいろいろとお話し合いをしてもらったり、あるいは最後の段階におきましては、中をとりまして、こうしたらどうかというような方向で妥結に持っていくというような方法をとっております。
  70. 坂本昭

    ○坂本昭君 今、局長が例をあげられた銅山川の問題は、過去の問題は片がついているのですが、実は新居浜地帯の工場地帯はどんどん拡張しているのですね。そして御存じだろうと思いますけれども、新居浜市の背後にある国領川に今度ダムを作ることになったのです。ところがそのダムだけでは十分な水量を確保できない。従ってもう一ぺん銅山川から国領川のダムの方へ水を引っ張ってこなければならない。そういう問題がまだ将来の問題として実は残っているのです。ところが、実際に事情を見ますというと、県、地建、通産省がそれほど連絡をとって新居浜のあの巨大な工場地帯発展のために積極的な方針をとっているように思えない。むしろこれは何かそういうことのために必要な機構がどうしても生まれなければだめではないか。これは何も新居浜地区だけではないのです。新しい工場地帯というものは千葉の方にも今どんどん広がっておりますし、それから四国にもぼつぼつ臨海工業地帯があるのです。私はそれらを通して、それは大きな問題ではないか、そして河川というものも、水利権の利用というものが大きな問題にまたなってくるのではないか、そういう点で積極的に所管の局長として考えられるべきではないかという一つの問題。  それと、もう一つは、これと同じ問題になりますが、電源開発ですね、電源開発の場合にも、河川局では従来とも、砂防ダムあるいは多目的ダム、あるいは河川改修というようないろいろな事業をやっておられる。そういうものと、それから電源開発でやるところの電源開発のためのダム工事、こういったものがほんとうに有機的に統一されているかどうか非常に疑わしい。たとえば電源開発のためにダムを設置しても、砂防関係が不十分であるためにどんどん埋没していく。こういう関係の調整が、主として河川に関するものですからどうもないのではないか。何かそういうことについて積極的な日本の工業発展のために機構を作らなければならないのではないかという、そういう考えを持つのです。それについて局長の御意見を承わりたい。
  71. 山本三郎

    説明員山本三郎君) 御説ごもっともでございまして、いろいろ県なり、あるいはそれらの水の要るという面からは非常に要望が強く出ております。従いまして、それらを満たすにはどういう方法をとろうかというような点を研究いたしまして、大体の見当がつきますると、やはり私の方から自分でそういう要求を満たしてやろうという考えのもとにやる場合におきましては、各省にそれを説明いたしまして、たとえば京葉工業地帯の問題にいたしましても、非常に工業用水がなければだめだというようなことになってくるわけでございまして、これを利根川に求めるとするならば、どういうふうにしようかというような計画を作りまして、各省にそれをみんな説明をいたしまして、大体の話がわかったときには、経済企画庁が大体従来は中心になりまして、そしてそこで調整をとっていく。総合開発の場合においては、天龍川におきましてもそういうような方法をとってきておりますが、そんな方法を強化いたしまして、各省意見を統一するような努力はいたしておるわけであります。全国的にこういう問題が非常に重要な問題になってくれば、先生のお話のように、絶えずそういうふうな会合を開いて調整をやっていかなければならぬと思いますが、現在まだ常置の機構というようなものはございませんが、企画庁におきましては総合開発局がございまして、そういう方面を担当しておりますので、そこへいろいろ持ち込みまして調整をやっていくというような方法をとっております。
  72. 上林忠次

    委員長上林忠次君) 官房長は、ちょっと急用がございまして退席を急いでおられますから、官房長に対してお願いします。
  73. 坂本昭

    ○坂本昭君 今の続きを官房長に聞きたいのです。今、河川局長からいろいろ説明がありましたが、経済企画庁とも連絡をとって、いろいろなそういう河川の問題について連絡しているということですが、電源開発関係ですね。このことについて、実際に建設省と電源開発の会社と具体的に連絡を常時とっておられますか。
  74. 柴田達夫

    説明員(柴田達夫君) これは河川局長からお答えした方がむしろ適切かもしれませんが、主としてこれは河川局を中心に十分連絡をとっておるわけであります。
  75. 坂本昭

    ○坂本昭君 常時そういう連絡をとっていないということでしたから、何か具体的に、たとえばことしになって何回ぐらいやっておる。それから、その連絡をとっているメンバーはだれだれがとっておる。そういう具体的な説明を一つしていただきたいと思います。
  76. 柴田達夫

    説明員(柴田達夫君) 電源開発株式会社の問題につきましては、非常に開発が大規模でございまして、一県だけで済む場合はまあ少いわけでございまして、数県にまたがる場合が多いわけでございます。たとえば只見川などは新潟、福島にまたがりますし、それから熊野川にいたしますと、奈良、三重、和歌山に関係いたします。そういうふうに関係県が多いわけでございまして、電源開発会社が計画をいたしまして事業実施する場合には、まず各県にいろいろと自分らの開発計画説明いたします。そうすると各県におきましては、それらの計画によりまして、自分のところの水没がどうなるか、あるいはその地帯の開発上どういう支障があるか、あるいはこれと同時にどういうふうな開発施設をしておいたらいいかというようなものを研究いたしまして、電源開発といろいろ折衝するわけでございますが、やはりどういたしましても地方要望は、これにつけ加えてたくさんの公共施設をやろうというふうな関係から要望が大きいわけでございます。電源開発といたしましては、補償といたしましてやはり出せる限度がございまして、全部の要望が満たせないというふうな関係になって参ります。そういう場合に調整をどうするかというような点でございますが、そういうようなときに、各県間の調整であるとか、あるいは公共事業をそれにどうつけ加えるかというような点につきまして、建設省はまあ道路関係が非常に多いわけでございますが、それにできるだけつけ加えてもらって、どうせつけかえ道路をやるならば、一つ改良して持っていったらいいじゃないかというような点を研究いたしまして、両方の要望が合うように、どうせやるのなら将来のためになるような方策をとろうというようなことでやっております。これは一年に何回ということでございますが、これはきまっておりませんが、たとえば熊野川の問題等につきましては、これは一昨年水利権を認可したわけでございますが、そのときは三ヵ月くらい連続してかかっておりまして、各県の首脳者が東京へ出て参りまして、具体的な資料につきまして打ち合せたわけでございますが、その際は建設省が間に入りましてそれをまとめたというふうになっております。只見川の問題につきましても絶えずそういうような問題が起りまして、そのつど首脳者の方々の間に調整をやっておる次第でございます
  77. 田中一

    田中一君 官房長にちょっと……。  あすお出し願いたいと思うのですがね、臨時国会に提案されると見込まれている法案があれば、もう要綱ぐらいはできておるはずだと思いますが、それをお出し願いたい。  それからこの「住宅旬報」というのを見ると、何か新しく建政局というようなものを作る意図があるように聞いておりますけれども、これら設置法改正の意図があれば、これは全般に関係しますから、これらの考え方があるならば、それも当委員会にお出し願いたい、資料としてですね。  それから、三十四年度要求予算——一応建設省でもって要求しようという予算ですね、それらの大綱がわかっておるはずですね。従ってそれも当委員会にお出し願いたい。  それから、道路局長、今帰りましたけれども内村委員からも質問があって、まだ五カ年計画ができておらぬということでありますけれども、こういうことは前根本建設大臣以来どうも——衆議院も同じだと思うのですけれども、どういうことか、内容がわからぬけれども、あまりわれわれに対する約束が違うのではないかということがいわれるわけです。もう一千億程度の増額ということでもって大体きまっておるならば、提出してもいい時期じゃないかと、こう思うのですが、その点も考えて明日お出し願いたいと思うのです。  それから、もう一つだけ伺いたいのは、先だって本省の方に建設関係の職員労働組合の諸君が伺って、週休制——現場における一週間一ペんの日曜日休日制というものを、何といいますか、理解というか、あるいは促進してくれという要望が出ておるはずなんです。それを、御承知のように今までの労働者の習慣として、一日、十五日だけ休むということになっておるのです。そのかわりに日曜があるということになっておりますので、これを建設省並びに各施工者、それから監督の事務所等を通じて第一、第三の日曜日を休日とするように徳通してくれというようなことだと思うのですが、これに対する政府としての見解はどうでありましょうか。ただ、一日、十五日が日曜になっても、一日、十五日は今までの習慣として休んでしまうのですね。むろんこれは仕事ができない。同時に日曜は職員、あるいはあなた方監督官も休む場合があると思いますが、そういった点で、一日、十五日の今までの習慣として持っておったところの職人の休日を、第一、第三の日曜日に休むというようなことに改めてほしいというようなことですが、見解を伺いたいと思うのです。
  78. 柴田達夫

    説明員(柴田達夫君) 資料提出のお話がございましたけれども、いずれも承知いたしました。臨時国会予定の提出法案、それから設置法改正の点、それから三十四年度予算要求の大綱。ただ臨時国会提出予定法案でございますが、御承知の水質汚濁の関係で、政府部内におきまして、臨時国会に出すべく各省間の折衝をいたしておりましたのが、大体の骨組ができ上りましたのが、いろいろこれが意見が分れておりまして、ようやく大綱がまとまりましたのがごく昨今でございまして、それが法案化するに至るのは、実は臨時国会目安で、一番大急ぎで企画庁中心にやっておりますので、うちの方は、そのでき方いかんによっては、河川法の改正をいかにするかという関係でございまますので、まだ法案の形で実はまとまっておりません。しかし、それはそれなりに、現状がどういう状況であるかという御報告を申し上げることにいたします。  それから、道路五カ年計画の閣議決定の点につきましても、重要問題でございますから、ここで私からお話は一切差し控えますが、事情がありましてまだ閣議決定に至っておりませんが、その事情はまた大臣等お出ましになりましたような機会がありましたらお話になると思います。一応そういう状況で御報告を申し上げます。そういう状況であるということで、十分な御報告ができない点は、まことに申しわけありませんが、そういうことにいたします。  最後の点は、意見をというお話でございましたが、建設関係の労働組合の休日制をお話のごとくせよということは、どうせこれは休むのですから、期日をそるえてやるということはお互いに便利だと思いますので、その点については私どもも、そういうふうに幸いに各雇用者である建設業の間がうまくまとまればけっこうだと思います。この話、そういう要望が組合等からもございまして全国建設業の団体の方に一つぜひ実現をするように検討してみたらどうかという意見を申しておりまして近く建設業協会の総会でございますか、そういう会がございまして、その機会に全国建設業協会の方から提案をする、話し合いをするというところまで進んでおりまして、まだその総会は開かれてはおらないかと思いますが、今月中に開かれる際にうまくまとまればけっこうだと思います。  以上、お答え申し上げます。
  79. 田中一

    田中一君 今の臨時国会提案の法律案のほかに、昨年の国会、本年の通常国会できまった、成立した法律案に付随する政令ですね。これぼつぼつおくればせながら出ておるようですから、それも明日お出し願って説明を願いたいと思うのです。
  80. 坂本昭

    ○坂本昭君 関連して。住宅局長おられますので、例の建築基準法の政令の件ですね。それについてももうできているはずですから、資料をあした一緒に出していただきたい。
  81. 鬼丸勝之

    説明員(鬼丸勝之君) 基準法に基く工事現場の公害防止、昇降機設置に関する技術的基準等に関する政令でございますが、これは先般の国会の際に私、坂本委員にお答えいたしましたように、鋭意これの仕上げを努力いたしまして、なお、この仕上げの段階におきまして、建設業者の団体あるいは学界におきましても、結果についてこまかい意見も相当ございまして、それは全都調整がつきました。その後、法制局の方で法制技術的にもいろいろ検討する点がございまして、現在法制局におきまして八分通り仕上っておる段階でございます。それが参りますれば、さっそく成規の手続に持っていきたいと考えております。お話のように、明日資料としてこの案を提出させていただきたいと思います。
  82. 村上義一

    ○村上義一君 これは山本局長にお伺いするのですが、先刻工業用地下水の話が出ておりました。私お尋ねするのは新潟の問題なんです。これは地下水問題でなしに、原因がほかにあるということは通説のようでございます。とにかくその原因については、県当局の方でも、あるいは新潟大学方面でも、あるいは今の工場経営者側の意見でもまちまちなんです。これは要するに権威ある調査がまだ素案が出ないためだと思うのであります。あるいは信濃川と、あそこの冬季西北風の関係であるとか、あるいはガス採取が根本原因だとか、いろいろの説が行われております。これについて権威ある調査はどこでやっておられるのですか。企画庁なんですか、あるいはほかの機関でやっておられるのですか。
  83. 山本三郎

    説明員山本三郎君) この問題につきましては、科学技術庁に委員会ができましてそこで各省はもちろんのこと、権威者を集め委員会ができております。それから具体的調査につきましては、従来、運輸省の港湾局が、港湾の区域が非常に大問題でございますので、そこで調査をいたしておりますし、また通産省関係でも、今度も予備費を取りまして調査を進めております。具体的の内容といたしましては、やはりどの層で沈下が起きておるのか、ガスもとっておりますから、どの層が一番沈下原因であるか、それから地下水との関係がどうであるかとかいうようなこと、それから、それではこの関連を調べるために、一時ガスをとめてみようじゃないかというようなことも考えておるようでございます。それらの結果、私もこの間、現地へ参りましてやっておりますが、どの層で沈下が起るかということが一番大きな問題のようでございまして、それらを従来もやっておりますけれども、今後はそれらの調査をもっと精密にやって、具体的な資料で結論を出そうということになっておりまして、建設省といたしましても、委員会の一員になっておりまするから、そういう面で早く結論を出したいというふうに考えております。
  84. 上林忠次

    委員長上林忠次君) 本日の審議は、これで終ります。    午後零時三十四分散会