○坂本
委員 私も一、二点お伺いしたいのですが、最初に、ただいま「
命令に抵抗する力」という論文が、
浄書拒否をそそのかし、あおった、こういう御答弁があったのです。そこで私はお聞きしたいのですが、田中長官は、再々憲法は改正しなければならぬ、こういうことを言うておる。今
資料がないから一々あげませんが、あとであげてもいいが、憲法の番人が憲法を改正しなければならぬということを言うておる。だから
裁判官訴追
委員会で調査しなければならぬ。憲法の番人である
最高裁判所の長官が、憲法は改正しなければならぬ、こういうことを一月の訓示あるいは
裁判所所長会同とかで再々言うておるのです。これは今材料がないからあとで明示をいたします。それから憲法を改正しなければならぬという論文も、どこかで書いておられたと思うのです。そういうことから思い合せますと、訴追
委員会には出る
権限があるとかないとかで、とうとう出られなかったわけですが、そのままになっております。われわれは今度構成された
裁判官訴追
委員会でもこの問題は
考えようと思っておるわけですが、そういうふうに論文を書いたり、各公けの席上で憲法の番人であるところの長官が、憲法を改正しなければならぬというようなことを言っておる。そういうような疑義のあることを言っておる。
裁判所が、単に「
命令に抵抗する力」という論文を書いただけで、
浄書拒否をそそのかしたりあるいはあおった、こういうふうに
考える場合において、私は今お聞きしてびっくりしたわけです。少くとも憲法上保障された言論の自由に対して、国家公務員法の第八十二条の第三号は、これは公務員の
地位につくからこそ、そこに制限ができてくるわけです。だから、論文を書いただけで、前後の
事情その他によって、そそのかし、あおる、こういうならば、もう少し具体的にこの処分の理由も書かなければならぬと思うのです。単なる抽象的に、そそのかし、あおるということだけでは、私は納得できないと思うのです。「
命令に抵抗する力」という論文とあわせて、そそのかし、あおる、こういう認定をされた具体的の事実がありましたならば、お聞きしたいと思います。