○神近
委員 愛知法務大臣に対して、二点の事項についてはっきりした御返事を承わりたいのでございます。
一つは、
請願も出ておるはずでございますけれ
ども、府中に建つ予定の婦人補導院の問題でございます。これは前
国会で
通りました婦人補導院法による
法務省設置法一部改正によって建つ婦人補導院が、小学校の門の前に建つということで、私
どもは、片方では早く補導院は作ってもらいたいし、また教育に支障があると考えられる地元の考えももっともなので、何とか折衝ができて、そちらさまでお話し合いができればよいというように考えて、中立の
立場でお話をあっせんしたりしたことがあるのです。お目にかかって陳情したのは、
矯正局長です。どうもそういうようなところの人たちが、
自分たちの
判断で、では地元がそれほど反対しておるのだし、また実際に小学校の門の前に
——私は
内容はそれほどじゃまになるようなことはなさらないだろうということは
信頼しておりますけれ
ども、でも地元でいろいろ危惧をお持ちになる。これはごもっともだと考えて、この間からその話をあっせんしておるのですが、一時、地元の人たちの反対もあまり強くないというような
法務省側のお考えも聞いて、私
ども手を引いて待っていたのです。PTAはもちろんのこと、市長から市議
会議長、
市会議員、そういう
方々が、全部をあげてこれに御反対ということも承われば、これもやはり考慮していただかなければならないのではないかと考えるのです。事務当局からでもよろしいのですが、防止法第五条により補導院に行くことの必要になっておる人たちは現在どのくらいか、私
どもが聞いておるところでは、まだほとんどごく少数で、しかもその収容は栃木の婦人刑務所に臨時に収容所を作ってあるということも承わったのです。もし、それが事実であれば、問題は簡単に、皆さんの
法務省関係のお考えを切りかえることによってできると考えるのです。どういうことかといえば、結局は、府中でなくて調布に私
どもが適当ではないかと考えられる代替地がある。そうすれば、府中に建設すると書いてあったのを調布に建設するということに
法務省設置法を変えるという、いわば役人としてはごく簡単な所作で、その地元の希望をいれることができるのです。ところが、
法務省では、その法律を変えることの方を重大に考えて、地元に何とかこれをしのんでもらって、納得させようという、私はこの態度は非常に悪いと思うのです。役人が怠慢であるということ、あるいは
国民の公僕であるという
立場を忘れて、
国民の希望よりも
法務省の企画、決定したことを遂行しようとなさる。そこで、
法務委員会にこの問題を持ち出せば、だれ一人として、学校の正門の前に婦人補導院を持っていくということを地元できらわれる理由のわからない者は、これは与党であれ野党であれ、ないと思う。このことは九月の、もうあと二月あとに迫っておる臨時
国会で法律の方を改正して、お手数であろうけれ
ども、それは皆さんの仕事でありますから仕方がない、そうして、中止して、代替地にこれを持っていかれた方がよいと考えます。なかなか一介のお役人では、そういうことは
発言できないと思うのですが、
法務大臣がこれはもっともだとお考えになれば、それができるということなのです。ぜひその点で
法務大臣はここで勇敢に決裁していただきたいが、こういうことについて伺いたいのでございます。ほかにも
質問がございますけれ
ども、まずその点について
法務大臣のお考えを承わらしていただきたいと思います。