○金丸(徳)
委員 今のその方向も、私は、たとえば
郵政省としては、すぐに物が多少だとか、利用率が云々というようなことを言われるのですが、できれば、なるべくいなかの最も不便を感じているようなところから手をつけてもらいたいように思うのです。これはいろいろの見方があるかもしれませんけれども、そういうところに、今郵政事業に対する非常な不信感を持たれるところの種がまかれておるのでありまして、そういうところからまず救うように、
一つ方向をとっていただきたい。これは今、目下
調査中であるというお答えでありますけれども、本来はそういう
調査はできておって、たとえば本年度何億の予算があるとするならば、それは第一としてこういうことであるというような御計画がないと、すみやかにいかぬのじゃないかと思います。実は時間は一刻も争うくらいに、そういう方面で従業員が要望されているばかりでなくて、世間一般も要望しておる。要望どころか、もう不思議に思っているくらいな事項なものですから、これは
一つすみやかにお運びを願いたいと思うのであります。
そこで
大臣に
一つ。今のようなことでありまして、小さいことではあるけれども、割合に問題が深刻になっている事項が郵政事業内にはあるようであります。私は
大臣にお目にかかってから思い出したのでありますが、かつて逓信
大臣をやられた犬養さんが、犬養ぶろというものを作られた。それは郵便局へ行ってみると、汗水出して帰ってきた人たちがふろへ入れずに家へ帰る、あるいはそのまま寝てしまわなければならぬということで、非常に気の毒である、何とかしてせめて夜でもゆっくり宿直ができるようなふろの施設でもということで、ふろを作ってやった。これが今も語りぐさになっておるところの犬養ぶろの着想であった。そしてこの犬養ぶろによって、犬養さんは実にいい逓信
大臣として今でも従業員から慕われ、ありがたがられておるのである。私は非常にこまかい、あるいは地方の捨てられておるところ、そうしたところにも、上の人の、管理者のあめたたかい血の流れを待っておる面が、あるいは人たちが、たくさんあるのだということを、この際もう一度思い出していただき、気がついていただいて、その方向に
一つ事業の改善の重点を向けていただくようにお願いしたいのでありますが、これについていかがでしょうか。