運営者 Bitlet 姉妹サービス
使い方 FAQ このサイトについて | login

1958-06-25 第29回国会 衆議院 逓信委員会 第3号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和三十三年六月二十五日(水曜日)     午前十一時二分開議  出席委員    委員長 淺香 忠雄君    理事 秋田 大助君 理事 上林山榮吉君    理事 武知 勇記君 理事 粟山  博君  理事 早稻田柳右エ門君 理事 片島  港君    理事 小松信太郎君 理事 森本  靖君       大倉 三郎君    小平 久雄君       進藤 一馬君    金丸 徳重君       原   茂君    小沢 貞孝君  出席国務大臣         郵 政 大 臣 寺尾  豊君  出席政府委員         郵政政務次官  廣瀬 正雄君         郵政事務官         (郵政局長)  板野  學君  委員外出席者         郵政事務官         (郵政事務次         官)      小野 吉郎君         郵政事務官         (貯金局長)  加藤 桂一君         専  門  員 吉田 弘苗君     ————————————— 六月二十一日  委員竹内俊吉君辞任につき、その補欠として橋  本登美三郎君が議長の指名で委員に選任された。     ————————————— 六月二十三日  お年玉つき郵便葉書等の発売に関する法律の一  部を改正する法律案内閣提出第四号)(予) 同月二十四日  山橋、野木沢両簡易郵便局の無集配特定局昇格  に関する請願(山下春江君紹介)(第一〇〇  号) の審査を本委員会に付託された。     ————————————— 本日の会議に付した案件  郵政省所管事項に関する件      ————◇—————
  2. 淺香忠雄

    ○淺香委員長 これより会議を開きます。  郵政省所管事項について前会に引き続いて質疑を続行いたします。森本靖君。
  3. 森本靖

    森本委員 前会の大臣所管事項説明に対する質問で、全逓の問題についての質問を行いました。質問に入る前に私はちょっと資料を要求しておきたいと思います。郵政省関係日本逓送株式会社の陣容とその構成、その資本、営業成績資料を御提出願いたいということを要求しておきます。  さっそく質問に入りますが、全逓の処分の問題に対する質問あと回しにいたしまして、私は現在の郵政関係の重要なる行政事項について、大臣の一応の所見を伺っておきたいと思います。まず第一番目にお伺いしたいのは、これも田中郵政大臣新聞発表いたしまして非常に反響を呼んだことでありますが、放送法改正について再度提案をするということをこの前発表いたしております。なおその放送法改正については、前の改正案よりも、たとえば政府の時間というようなものを設けるというので、なかなか反動的な改正発表いたしておりましたが、この放送法改正問題について寺尾郵政大臣はどういうお考えであるか、その所信一つ明らかにしておいてもらいたい。
  4. 寺尾豊

    寺尾国務大臣 お答え申し上げます。放送法改正の問題が数年前から各界で取り上げられて参ったということは、森本委員も御承知通りであります。従いまして、前々々と申しますか、村上郵政相あるいは平井君、あるいは田中大臣に至って、御承知のような放送法改正案国会提出をいたしましたけれども、これがついに審議未了ということに終ったわけであります。私といたしましては、もはやこの放送法改正をしなければならぬということは各界の常識ともなっておる、こういう観点よりしまして、あの改正はしなければならぬ、こういうことは考えております。しかし、お見かけの通り就任きわめて浅く、これらについては目下検討をいたしておる次第でありまして、その検討をいたした結果におきまして、でき得ればなるべく早い機会国会提案をいたしたい、かように考えております。
  5. 森本靖

    森本委員 大臣ももうだいぶ日時もたちましたので、全部答弁検討しておるというふうなことでなしに、検討しておるなら、どういうふうなところを検討しておるという注釈つき説明をこれから答弁の際にお願いしたい。そうしないと、全部検討々々ということなら、だれでもそういう答弁はできるわけですから、その点をお含みの上、御答弁願いたいと思います。  そこで、放送法改正については、新郵政大臣としても何らかの形において提案をしたいという意思はわかりましたが、その放送法改正なるものが、一体その内容をどういう形において改正をせられるかということについては、非常に注目をしておるところであります。前の田中郵政大臣が一応のアウトラインとして前国会提案をした原案があるわけであります。そういう原案をそのまま提案をするというようにお考えになっておるのか、あるいはまたその原案に対して、さらに過日新聞発表になったような形の改正案というものを考えておるのか、そういう具体的な問題について一つ説明を願いたいと思います。
  6. 寺尾豊

    寺尾国務大臣 だんだん私にも具体的な方針を立てて、そうして答弁にしても、もう少しはっきりした答弁をせよ、ごもっともだと思います。しかし私の力をもっていたしますると、今のところ、ここをこうする、あそこをこういうふうにするというところまで、まだ確信を持っておりません。ただあまり飛躍的な改正ということについては特に慎重にいたしたい。この前の放送法改正も、これもごく大まかに私は読んだだけでありまして、これについても検討をいたしておるわけでありまして、この放送法がいろいろの面で影響するところが大きい、こういうことで、あまり飛躍的な問題については特に慎重を期したい。しかし、この放送法改正は、今や関係方面でもはや要望が熾烈であるので、これらにこたえる適切な放送法改正を早急に検討いたしたい。いつまでも私は検討しておると申し上げるわけではありませんが、いま少し検討をいたして、できるだけ早く結論を出したい、かように考えております。
  7. 森本靖

    森本委員 できるだけ早く検討して出したいというのは、次の臨時国会あたり提案をしたいと、こういうことですか。
  8. 寺尾豊

    寺尾国務大臣 結論を得まするならば、さような考えを持っております。
  9. 森本靖

    森本委員 それで、その結論を得ますならばという回答でありますが、その結論を得る成案というのは、省内における意見をまとめて、そうして政府与党として提案をするというふうなまとめ方でありますか、それとも、こういう点についてはそれぞれの有識者意見を何らかの形において聞くような機関を構成するなり、そういう中の意見を聞いて、そうして成案を得るというような考え方ですが、どうですか。
  10. 寺尾豊

    寺尾国務大臣 そうした諮問機関等を作る作らぬということについては、はっきり申し上げられませんか、森本委員のおっしゃる御質疑の後段の方法をとりたい、こう考えております。
  11. 森本靖

    森本委員 そうすると、そういうふうな審議機関とかなんとかいうものは一応設けません、省内における検討をして、そうして政府与党として改正するなら提案をする、こういうことですか。
  12. 寺尾豊

    寺尾国務大臣 そうじゃございません。各界有識者あるいは関係者等意見をも尊重し、あるいは聞いて、そうしてこれに対する万全を期したい、こういう考えでございます。
  13. 森本靖

    森本委員 その各界意見を聞くというのは、どういうふうな聞き方をするわけですか。
  14. 寺尾豊

    寺尾国務大臣 そういう問題につきましては、これからいかなる方法によって各界意見を拝聴するか、意見の聴取をするかということはこれからの問題に考えております。
  15. 森本靖

    森本委員 私はこの内客についてもさらに詳細に突っ込んでお聞きしたいと思いますけれども、聞いたところで、大臣は、検討中、これから慎重に検討したいという答弁ばかりでありますので、これから先は聞きませんが、ただ私がここで特にこういう発言をしておりますることは、一つの意味があるわけであります。それは、現在までの逓信委員会におけるいろいろの法案提案をせられる場合には——私は前の大臣にもこのことを申し上げて、そうして前の大臣についても一応の賛成を得ておりましたが、放送法改正についても、これがすこぶるとっぴな反動的な改正なれば別でありますけれども、少くとも常識的な改正を行うという場合については、あらかじめやはり野党意見についてもこれを聞いて、そうして取り入れるべきところは取り入れるというような形においてやっていただきたい。今後の法案作成については、特にこういうふうに超党派的に運営をせられておるような逓信委員会あたりにおいては、十分そういうふうなやり方もあり得ると考えておるわけである。そういう法案作成等についても、大臣はたまたま今各界意見を聞くというふうに言われたけれども、各界意見を聞いただけでは何にもならぬわけであって、特に今日二大政党の対立によって国会運営が行われておる、そういう際に、こういう重要な法案についての改正案提案をするという場合については、やはり政府与党としても、あらかじめ野党のそういう法案に対するところの真剣な意見については十分に聞いて、それを実際の法案作成のときにも、実行の段階においても、参考資料にするというふうなやり方を将来とっていくかどうかということを私は聞きたかったわけであります。
  16. 寺尾豊

    寺尾国務大臣 森本委員の御意見は全く同感であります。従いまして、当委員会等におきましても、小委員あるいはその他にも私が御相談を申し上げ、あるいは御意見を承わるような形をとって、できるだけ特に野党であられる社会党の皆さんの御意見も取り入れていけるものは取り入れていきたい、かような考え方でございます。
  17. 森本靖

    森本委員 ただこの放送法改正について、内容等についてはまた後日質問をいたしまするが、ただ一点だけ私は聞いておきたいと思います。これは非常に反響を呼んでおりまするので、田中大臣が、放送法改正のときに、NHK等に対して政府の時間というのを政府補助金を出して作るということを発表いたしておりましたが、これについての大臣見解はどうですか。これは検討しなくても、ああいうことが新聞発表せられておりますので、それに対する大臣見解というものは明らかに言えると思います。あれに対する見解はどうですか。
  18. 寺尾豊

    寺尾国務大臣 この問題を取り上げる、この改正を織り込むということであれば、私としてはきわめて慎重にやるべきだと思う。森本委員意見をすぐ言えとおっしゃっても、今ここでそれを取り上げる、あるいは取り上げないということについては、まことにふがいないようでありますけれども、私は十分検討して慎重にこの問題については対処したい、こう考えております。
  19. 森本靖

    森本委員 これはあと速記録を調べればわかりますが、慎重に検討したい、慎重にやりたいということが大臣答弁のほとんど全部だろうと思います。私が言っておるのは、今言った政府の時間ということについては各界反響を非常に呼んで、具体的にこういう問題が出てきておるわけです。これに対して郵政大臣としてはどう考えるということくらいの回答はできると思うのです。そういう回答も一切がっさい慎重に検討しておるというなら、これから先質問をしたところで、何も質疑応答にならぬわけであって、初めから速記録を全部慎重に検討いたしますというふうに書いておけばいい。一応大臣としての見解を私はそういう点については明らかにしてもらいたい。できない部分については、これはできないでけっこうでありますが、これは現実の問題として出ておるわけです。そうして各界がこれについては非常に注目をしておるわけです。だから、大臣としてはこれに対する考え方というものははっきり言えると思うのです。しいて言えないというものなら仕方がないけれども、それではちっとも質疑応答にならぬ。どうですか。
  20. 寺尾豊

    寺尾国務大臣 慎重にやるということが、今の私のきわめてはっきりした答弁だと御了承願います。
  21. 森本靖

    森本委員 だから慎重にやるというのは、どういうふうに慎重にやるのかっということを聞いているわけです。そうでなければ、これはちっとも質疑応答にならぬですよ。だから慎重にやられるということは、どういうふうに慎重にやられるかということを聞いているわけです。私は大臣とも同郷ですから、あまりあなたに質問してどうこう  とやりたくはないけれども、こんな質疑応答をやっておったのでは、やはりわが党から、お前何をしておるかというようなことを言われますので、私はあめえてその質問をしておるわけです。慎重にやるということはどういうふうにやられるのか、これはあの問題がいいか悪いかということなんです。しかし、回答ができぬというをならば次の質問に移りますが、移ったところで、全部慎重に検討しておるということでは、ちっとも質問が進まぬわけでありますから、大臣どうなんです。
  22. 寺尾豊

    寺尾国務大臣 森本委員のお気持も十分わかりますが、私が自信を持ってこれを決定をする、あるいは改正をするということにならないことには、今あなたがいかに私を責め立てても、私が目下慎重に検討しておることは事実でありますから、このことをあなたにわかっていただかないと、これはどうも私を誘導されるか、あるいは威嚇をされるか、そういうことは知らないけれども、私が慎重に検討して、早急に結論を出したい、こういうことをあなたがけしからぬということは、私はあなたの質問がはなはだ威圧的ではないか——威圧的だとは申しませんが、あなたかいかにも私に対して質問をしい過ぎやせぬか、そういう気がするのですが、まあ慎重に検討して、できるだけ早く結論を出したい、こういうことでありますから、御了承を願いたいと思います。
  23. 森本靖

    森本委員 私は大臣に一言だけ申し上げておきたいが、国会というところは、行政府がこの国会を通じて考えているところの所信を明らかにするのがこの国会任務であります。野党としては、政府が一体どういうことを考えておるかということを、この質疑応答を通じて国民の前に明らかにするのが任務なんです。そういうことについて、田中大臣がああいう発表をしておる。これは各界が非常に注目をしておる。すべての国民もこれを聞く権利がある。それをわれわれ野党議員として、国民代表として、あなたに質問しているわけです。それに対して全部が全部、一切慎重に検討しておりますという回答たったら、だれでもできる。そういう回答を私は望んでいるのではない。何も一切がっさいあからさまにせよということを言っているのではない。放送法改正についてもいろいろの点があるから、そういう点については、私は検討しておるということでもけっこうだと思う。しかし今申し上げましたところの政府の時間ということについては、明らかに一つのものが限定をされておる。しかもこれは前に田中大臣発表して、各界にこれに対して賛成反対意見が相当あった。こういう限定された問題についても、これを慎重に検討しておるというようなことで答弁をせられるということであったならば、私はこれから先の質疑応答をなんぼやってもつまらぬと思う。あなたが半年なら半年して、りっぱな郵政大臣になってから質問をしなければ、ここで何度質問しても、全部一切慎重に検討しておるという答弁なら、何にもならぬということになる。わかっている範囲内においては、検討しておっても答えるのが当然で、われわれはそれを聞く権利がある。だから、そういうことで質問しているわけです。それに対して大臣としてはあまりにもそっけない答弁だと思う。私を森本委員だと思っているからそういう回答になる。私は国民代表として質問しておる。だからそれに対して、明確に答えることができるような問題については、やはり明確に答える責任がある。そういう点についてもう少し大臣の御見解を聞きたい。
  24. 寺尾豊

    寺尾国務大臣 これはいわゆる主権者である国民代表として、あなたがここに権利を持って私にただされることが、絶対性のものであるということは、あなたと同感であります。しかしながら事が非常に重大であって、しかも今あなたが御質疑になったポイントも、私自身過去にNHKにも相当関心を持ち、そしてかっては私もNHK関係があった等にかんがみて、このことが重大だ、こう申し上げておるのであります。私がただあなたの質問を逃げるために、検討中と申し上げておるのではないのであります。従いまして、早急に私はこのことについては態度をきめたい、こういうことを申し上げておるのでありますから、あなたは、私が大臣として一年生だから言うて聞かせるというような御態度で、大へん私にお教えを賜おるけれども、私は今の私の立場として、放送法改正はきわめて重大である、ことに政府の時間をNHKに置くということは、私の体験からいって、さらに重大な問題であるから、しばらく時をかしてほしい、早急にその結論を出して委員会で申し上げる機会を作りたい、こういうのでありますから、これをわかっていただけぬことはない、私はそう考えております。私も率直に申し上げる次第であります。
  25. 森本靖

    森本委員 これ以上この問題についての質問をしておってもコンニャク問答みたいになりますので、次に移ります。きょう私が申し上げておるのは、郵政省としては非常に重要な項目だけを申し上げておりますので、そのつもりで一つ回答願いたいと思います。  これも郵政省としての重要な問題でありますが、前の大臣が非常に尽力をせられて、一つ調査会ができて、その答申案が出ましたけれども、その解決をようつけずに、結局新大臣事務を引き継ぐことになったわけであります。それは長年郵政省においても問題になっております特定郵便局制度の問題であります。これについては、すでに特定郵便局調査会の方から、一つ答申案が出されておるわけでありますが、それに対する郵政省としての結論も出ないままに解散になったわけであります。特定郵便局制度の問題について大臣としてはどうお考えになっておるか、一つ回答を願いたいと思います。
  26. 寺尾豊

    寺尾国務大臣 ただいまの御質疑特定郵便局の問題につきましては、御質疑の中にもありましたように、特定郵便局調査会なるものから詳細なる答申が出ております。従いまして郵政省といたしましては、この答申を十分に尊重いたしたい。この答申を十分尊重して、これに対する方針をきめたい、かような考え方を持っております。
  27. 森本靖

    森本委員 この特定郵便局の問題は非常に重要な問題でありまして、大臣としても慎重にこれに対処するという格好であります。そこで特にお聞きしておきたいことは、簡易郵便局法の一部改正を前の大臣としては提案をして、そうして現在の簡易郵便局と、現在の特定郵便局とのあいのこのような、いわば俗に、これは新聞辞令でありますが、四等局のようなものをこしらえるための簡易郵便局法改正を出したいというようなことを前大臣が言っておりましたが、これについて大臣としてはどうお考えですか。われわれの意見を言うならば、そういう四等局なんかをこしらえるよりか、現在の特定郵便局の無集配局というものをもっともっと増置した方がいいのじゃないかというふうに考えておるわけですが、どうですか。
  28. 寺尾豊

    寺尾国務大臣 御質疑の中の簡易郵便局をどういうようにするかという御質疑であります。これは特定郵便局調査会答申にも示されておりますので、こういったようなことについて、今後この問題をどういうふうに取扱っていくかということは、郵務局の方にも調査をさしておるわけであります。従いまして、今後における窓口機関の拡充をはかるために、受託者範囲を個人に広げる等、簡易郵便局法令改正と申しますか、こういうものが果して取り上げてよいかどうか、こういうようなことについても検討をさしておるわけであります。森本委員もこれに対しては大へん反対をされているというようなことの御様子のようでありますが、一つ森本さんの御意見等も十分拝聴して、こういうものの取捨も一つ考えてみたい、こういうふうに考えております。
  29. 森本靖

    森本委員 そうすると、現在のところ、郵政省としては簡易郵便局法の一部改正案というものを次期臨時国会あたり提案する意思はない、こういうことですな。
  30. 寺尾豊

    寺尾国務大臣 いや意思がないとか、どうとかというようなことを、森本さんの独特の質疑によって、私がここでさようでございますという答弁は申し上げかねますが、検討した結果、提案をしない方がよいということになれば、お考え通りになるし、いやこれを一つ増置するんだという結論がもし出たといたしますならば、あなたの今おっしゃることとは反対結論も出ましょうし、この点は郵務局で今しさいに調査をいたしておりますから、それらについては後日いずれかに決したい、かように考えております。
  31. 森本靖

    森本委員 それからこの特定郵便局制度答申案の取扱いの問題についてはもう一回明確に大臣の方からお答え願いたいと思いますが、これは一体どういうふうに取り扱われるわけですか。
  32. 寺尾豊

    寺尾国務大臣 この答申を尊重したい、こういう表現で御了承願いたいのであります。尊重するということが、必ずしもそれを全部取り上げるということにはもちろんなりませんが、しかし、この答申をできる限り尊重して、今後の特定郵便局問題を善処したい、施策を考えたいということでございます。
  33. 森本靖

    森本委員 全部検討しておるようでありますので、もう内容については触れませんが、そこでこの特定郵便局制度の問題、それから簡易郵便局問題等についてのはっきりした結論が出るのはいつごろですか。
  34. 寺尾豊

    寺尾国務大臣 次官から御答弁をいたさせます。
  35. 小野吉郎

    小野説明員 お答え申し上げます。御存じの通り特定局制度調査会を置きまして、半年余にわたりまして慎重審議をいただきまして、御答申をいただいたのが正月の十四日だと思います。もうすでに半年を経過しているわけであります。こういった重要な問題につきましては、考えようによりますと、答申が出れば早く省の方針を決定すべき問題であろうと思います。しかし他面から考えますと、この問題は非常に長い間いろいろな立場からいろいろな問題を投じた事柄であります。それだけに、答申の趣旨を尊重いたしまして、省の方針をきめたいということには変りはございませんが、その答申の尊重につきましても、答申特定局制度の各項目にわたりまして、どのようにした方がよいか、これはこうすべきだというような答申をいただいております。その各項目の中には、やはり相当な問題もございまして、今の窓口機関の普及に関連いたします簡易郵便局あり方等につきましても、非常に問題があろうと思います。そういうことで時日を非常に経過しておりますが、いずれにいたしましても、大臣によく従来の経過を詳細御説明申し上げまして、できるだけ早く方針を決定いたしたい、こういうような事務当局といたしましての気持であります。
  36. 森本靖

    森本委員 その前段の説明は、説明を受けぬでもよくわかっていますので、私が結論的に聞いているのは、これを実際に結論を出して、そういう運営を行うのはいつごろになるかという——郵政省は全部検討検討中という答弁をしているので、今度は逆に言って、それなら、その検討はいつごろに終るかということでも聞かなければ、聞くことがないのです。だから、その検討をしているのは一体いつごろ終って、それを実施に移すようになりますか、簡単でいいです。
  37. 小野吉郎

    小野説明員 この問題は非常に重要でございますし、事務当局といたしましての結論を出すことは容易でございますが、すべて大臣としては相当な関心を持たれなければならない問題でございます。今の寺尾大臣も御就任早々で、詳細まだ御説明を尽しておりません。そういうことで、十分な御説明をいたしましたあとで、大臣として確信を持っていただいて、その時期に考えていただく、こういうことでございます。
  38. 森本靖

    森本委員 それなら、事務当局はそういうことを言われておりますが、お聞きの通りですが、大臣としてはこれに対する一応の結論を出して、実施に移すというような——これを現行のままにするという結論も出るかもわからぬ。だが、いずれにしても、そういうはっきりした結論を出すのは、どの程度の日時めどに置いておられるか、その見解を明らかにしていただきたい。日時まで検討しておるということなら別ですが、それは大体のめどですから……。
  39. 寺尾豊

    寺尾国務大臣 これは日時を切ってどうこうという御答弁はできませんが、できるだけ早く、こういう表現で御承知願いたい。そうすれば、私もやがてあなたから、もうどうだということになれば、私の責任も出てきましょうから、できるだけ早く、なるべく早く私は結論を出したい、こういうことでございますので、御了承願いたい。
  40. 森本靖

    森本委員 できるだけ早くということでありますが、これは先ほど次官も申されましたように、郵政省始まって以来の、六十何年の歴史を持った非常に重要な問題でありますし、これを改革するということになりますと、各方面にわたって非常に意見がそれぞれあるわけでありますので、これの取扱いこそは、答弁じゃないけれども、ほんとうに慎重に各界意見も十分聞いて一つやってもらいたいということを申し上げておきたいと思うのです。  それから次に簡易保険の保険金の引き上げの問題でありますが、これについてもやはり前からの関連のある問題であります。この簡易保険の保険金の引き上げについても、いま少し大臣にしても御尽力を願わなければなりませんけれども、それと同時に、この簡易保険のいわゆる独占的な性格というものについて、もう一ぺんこれを復活をするというような考え方についても、やはりある程度寺尾大臣としても私は大いに推進をしてもらいたいというふうに考えておるわけでありますが、これに対する御見解をちょっとお聞きをしたいのであります。
  41. 寺尾豊

    寺尾国務大臣 この問題は国会の附帯決議等も聞いております。従いまして、三十万円といったようなところにはできるだけ早くこれを上げたい、こういうことが私の考え方でございます。
  42. 森本靖

    森本委員 これは三十万円というような今ごろけちったようなことを言わずに、もっと十分にこの金額についても現状に合うように引き上げを考えてもらいたいし、さらにまた保険金の引き上げということをやっておったのでは、これは幾らやっても最終的には切りがないという格好になる。だから、これは簡易保険の昔の独占的な性格というものについても思い起して、そういうことをもう一ぺん考えてみなければならぬ時期じゃないかということもあるわけでありますので、そういう点についても一つ十分にこれは事務当局からも意見を聞いて、大臣としては政治的に割り切って、一つ次の臨時国会あたり提案をするならやってもらいたい、こう考えておるわけであります。  それと同じように、ちょうど経理局長もおられますが、郵政省の、大蔵省の方からの貯金会計でありますが、受け入れの借入金がたしか現在で三百六、七十億あると思うのです。毎年毎年こういうことをやっておったのでは、しまいにはもう来年あたりは五百億をこすのじゃないかというふうな情勢になっておるわけでありますが、これなんかは、もう郵政省としては当然もらったも同様であるというふうに考えておりますし、大蔵省の方にすれば、いつかは返してもらわなければならぬというようなことで、大蔵省と郵政省意見も若干違っておるように考えるわけですが、こういうものは早急に一つ郵政省としては何らかの法的措置を講じて、これは全部借金でないという形にすべきであるというふうに考えておるわけであります。これはもう大臣のお耳に入っておるかどうか知りませんが、入っておれば、大臣の方からお答えを願いたいと思いますし、なければ、事務当局からでもけっこうでありますが、一つ早急にこの問題の解決を願いたい。こう前の国会から言っておるわけでありますが、これに対する御見解をお願いしたいと思います。
  43. 加藤桂一

    ○加藤説明員 お答え申し上げます。大臣就任早々で、貯金の方の御説明をする時間がありませんでしたので、まだ大臣にそのことは申し上げてございませんから、私からお答えいたしたいと思います。前会にも森本先生からお話がございまして、昭和二十六年度から郵便貯金特別会計に対する赤字補てんの意味で、資金運用部から毎年度繰り入れを受けておりまして、それが三十三年度予算を含めますと、約三百四十億円という金額になる次第でございます。これは資金運用部特別会計法附則並びに郵便貯金特別会計法附則によりまして、将来黒字が出た場合には返済するということになっております。しかし実際にこういった多額の金を返すという見込みは立ちませんので、こういった条項を削除するように事務的には私ども大蔵省にただいま折衝いたしておりますが、なかなか見通しといたしまして、大蔵省の方はまた異論を持っておりますので、これは大臣にもよく御説明いたしまして今後処していきたい、かように考えております。
  44. 森本靖

    森本委員 今の問題は郵政省にとってはかなり重要な問題でありますし、それから、これが今事務当局から説明があったように、いわゆる借入金でなしに、棒引きになれば、これは予算上すっきりするわけであります。そういう問題について、今事務当局から説明があったような方向については、大臣もそういう方向で努力する、こう解釈をしてよろしゅうございますか。大臣聞いておってわかると思いますが…。
  45. 寺尾豊

    寺尾国務大臣 けっこうでございます。
  46. 淺香忠雄

    ○淺香委員長 金丸徳重君
  47. 金丸徳重

    ○金丸(徳)委員 大臣以下御就任早々お忙しい中で、いろいろの重要問題を御勉強なさっておるときでありますので、私もそれらについてお伺いをしなければならない幾つかの疑問を持っておるわけでありますが、後日に譲らしていただきまして、きょうはきわめてこまかい問題について、しかしながら私はかねて心配をいたしておったことでありますので、就任早々大臣のお考え、方向というものだけをお伺いしておきたいと思います。前回の委員会におきまして、大臣非常に人情大臣であることの表明をなさっておられます。ことに従業員のことをよくお考えになっておられる。事業の円滑なる運営を通じて社会にお尽しになろうというかたい決意をお持ちになっておられることを承わりまして、私は非常に心強く、またありがたく思ったのであります。これに配するに、またかねがね事業人として御苦労なさっております政務次官も、女房役としておつきになっておられます。すべての点が円滑に、かつ明朗裡に、スムーズに、すみやかにいかれるだろうことを私は期待いたすのであります。  そこで非常にこまかい点で恐縮でありますけれども、人事管理と、もう一つは物的施設という二つの面が、何にいたしましてもわが国郵政事業においては重大なことであります。人事管理のことにつきましては、後刻また今回の処分問題なんかにつきまして触れてこなければならないわけでありますが、物的施設につきまして、私は局舎の設備の非常に悪い面がたくさんあることを前から心配いたしておりました。この局舎の建設についての予算の措置などについては、たびたびの国会のつど問題になっておるようでありまして、ことに前国会委員会でありますか、私は速記録を横読みしただけだからはっきり記憶がないのでありますが、たしかここにいらっしゃる原茂委員の御質問に対して前大臣は、局舎は非常な熱を持ってすみやかに解決していきたいのであるけれども、まあ予算措置が足りないのだ、原資が足りないのだというようなことからして、もし簡易保険の募集が最高制限の引き上げによって予定以上に進んで、積立金でもよけいになってくるならば、これを年度内にでも増額して、さらにこの局舎の問題を急ぎたいというような御答弁があったように、私は横読みでありますが、そういうふうな感じをもって少くとも読まれるような御答弁があったように思います。これにつきましてやはり前大臣と同じようなお考えでおられるかどうか、この点を一つお伺いをいたします。
  48. 寺尾豊

    寺尾国務大臣 郵政業務というものを大いに高能率に遂行するのには、局舎に影響されるところは非常に大きいと思います。従いまして、局舎の改築とか、あるいはその他の局舎の問題に対して田中大臣が非常な熱意をお示しになっておった。しかし何と申しましてもこの局舎の問題については、予算が伴うということが絶対でありますから、この予算面にどういうふうな措置を田中大臣が三十三年度にされておるか、これはまだ詳細調べておりませんが、私といたしましては、田中大臣のこうした局舎改築に対する熱意を踏襲いたしまして、あらゆる予算獲得その他の面におきまして努力をしていきたい、こういう決意を持っておることを特に申し上げておきたいと思います。
  49. 金丸徳重

    ○金丸(徳)委員 今のお答えについて私のお伺いしたいのは、もしこの保険事業などが予期通り、もしくは予期以上の成績を上げてこられて、原資の都合がつくならば、年度内においても何とかの措置を講じてこれを急がれるかどうか、こういうことであります。
  50. 小野吉郎

    小野説明員 お答え申し上げます。ただいま御質問の趣旨は私どもも希望する線でございますが、それには前提がございます。と申しますのは、御趣旨は弾力条項を設けて、当該年度の予定以上のそういった余裕金を、当初予算の建設勘定にプラスして、建設の幅をふくらまし得るような措置をとれということであめろうと思います。この点につきましては、簡保の積立金の問題  について申しますと、当該年度のいわゆる余裕金を——昔はこの余裕金は簡易保険でやっておったわけでありまして、現在運用は郵政省に返っておりますけれども、余裕金には依然手がつけられない、こういう状況になっております。まず簡易保険の余裕金につきまして、当該年度の余裕金を郵政省で運用するのだ、こういう面を打開しませんと、今のような措置はとれないと思います。そのような措置がとれれば、  これは私どもも最も希望するところでありまして、従来大蔵省ともいろいろ折衝いたしておる問題でございますから、この面が解決すれば、さらにそれを建設勘定に弾力的に使う、こういう道を開くわけでありまして、むしろ問題はその前提の方にあめろうと思いますので、この面についてはせっかく今努力はいたしておりますが、これもいろいろめんどうな折衝でございまして、現在まだ確たる見通しを得ませんことを非常に遺憾に考えております。
  51. 金丸徳重

    ○金丸(徳)委員 今私が大臣にお伺いしたのはそれでありました。大臣が今お聞きのように、事務当局といたしましては非常な熱望を持って、何とか前段の前提を解決いたしたいということでありますが、これは政治問題になってくるのであります。事務当局におまかせにならぬで、大臣みずから先頭に立ってこの問題を解決なさる熱意があるかどうか、またそれについて何か具体的なお見通しでもありますれば承わっておきたい、こういうことであります。
  52. 寺尾豊

    寺尾国務大臣 金丸委員の御質疑の点は、事務当局からの答弁によりまして、事務当局もさような希望を持っておるのだ、しかし、それは大きな解決をしなければならぬ政治的な問題が残されておるのだということであります。私といたしましては、廣瀬政務次官も、先ほど御推賞いただいたように、非常に力になる相談相手でもありますから、この問題については誠意を持ちまして努力をいたしたい、かように考えております。
  53. 金丸徳重

    ○金丸(徳)委員 今の段階におきましては、そういう御答弁以上にお求めすることもいかがかと思います。ただほんとうの誠意と熱を持ってこれについては一つお進みが願いたい、これはお願いでございます。  もう一つ、同じようなこまかいことでありますけれども、郵便事業において逓送集配施設があまりにもおくれておるように思われる点があるのです。都会地における集配施設はかなり進んでおるように思うのでありますが、いなかに行きますと、郵便物を載っけた自転車もしくはリヤカーが、堆肥を載っけた三輪車の後塵を拝して、よちよちとやっておるというような例がたくさんあるのであります。これらはすみやかに解決してもらいませんと、常に時代の先端を行くといいますか、進歩的な運営方式をとっておる郵政事業としては一番おくれておる、極端にいいまするならば、これは前時代的なやり方がそのまま行われておるのであります。こういう点が私は、私の見ておる地方においてばかりでなくて、全国的にあめると思うものですから、これらについて何らか考えをお持ちになっておるかどうか、またお持ちになっておるとしますれば、年度内にそれがどう実現されるかについて、具体的なとい  いますか、事務的でもよろしいのでありますが、お聞かせを願いたいと思うのです。
  54. 寺尾豊

    寺尾国務大臣 私はこの問題については金丸委員の御意見と全く同感でございます。今日集配の施設が非常におくれた形においてなされておるということは、むしろ郵政業務の恥ずべき問題ではなかろうか、そういうわけで、集配施設の機械化というようなことは、すでに関係者も鋭意いろいろ調査も進めておるようでありますから、私といたしましては、この機械化、施設の改善ということについては特に力を入れて改善をしていきたい、かように考えております。
  55. 板野學

    ○板野政府委員 お答えいたします。運送施設の改善なり、あるいは集配施設の改善等につきましては、今年度といたしましては、この回送難を救済いたすために、郵便車の増結というようなものも、あるいは東京—門司間、あるいは東京と青森の間というようなものについて、それぞれ増備するように計画をいたしております。また自動車郵便線路等につきましても、同様に専用自動車道を新設いたしまして、輸送力の増強をはかりたいというように考えております。  それから集配戸数の増加の問題も、戦前の状態に比べまして今日まだそこまで解決していないというような状況でございますので、私どもといたしましては、局舎の事情等もありますけれども、それらを勘案いたしまして、とりあえず大都市等、特に率の多い地点について本年度計画してみたいと考えております。  それからただいまの、末端におきまする自転車、リヤカー等を自動車なりあるいはスクーター等にかえたらどうかというような御質問がございましたが、これらにつきましては、私どもといたしましてただいま集配機械化の五カ年計画というものを作りまして、今年度を第一年度といたしまして、そういう面につきまして一つ手をつけたいと思いまして、ただいま計画を立てております。その詳細につきましてはここにちょっと資料がございませんので、また後ほど御答弁をいたしたいと思います。
  56. 金丸徳重

    ○金丸(徳)委員 今の方向はそうとつておると言うのですが、私の一番お伺いしたいのは、駅から二里も三里も離れておって、今依然としてリヤカーで、あるいは自転車で——ところが坂道なものだから、自転車を走らせるわけにはいかぬ。汗水たらして夜っぴて歩いているのです。これはもう三年も五年も前に解決しなければならぬ問題のように思われる。地方の人もそれを不思議に思っているくらいなのですが、ことしから調査にかかるということでありますか、それともことしからそういう点は一つでも片づける、実際の予算を組んであるのですか、どうなのですか。
  57. 板野學

    ○板野政府委員 ことしから実際にそれらを救済するための予算もございまするので、具体的にどういう地域をどういうようにしたらいいかというような面を考究して、できるだけ早くこれを実施に移したいというように考えておる次第でございます。
  58. 金丸徳重

    ○金丸(徳)委員 今のその方向も、私は、たとえば郵政省としては、すぐに物が多少だとか、利用率が云々というようなことを言われるのですが、できれば、なるべくいなかの最も不便を感じているようなところから手をつけてもらいたいように思うのです。これはいろいろの見方があるかもしれませんけれども、そういうところに、今郵政事業に対する非常な不信感を持たれるところの種がまかれておるのでありまして、そういうところからまず救うように、一つ方向をとっていただきたい。これは今、目下調査中であるというお答えでありますけれども、本来はそういう調査はできておって、たとえば本年度何億の予算があるとするならば、それは第一としてこういうことであるというような御計画がないと、すみやかにいかぬのじゃないかと思います。実は時間は一刻も争うくらいに、そういう方面で従業員が要望されているばかりでなくて、世間一般も要望しておる。要望どころか、もう不思議に思っているくらいな事項なものですから、これは一つすみやかにお運びを願いたいと思うのであります。  そこで大臣一つ。今のようなことでありまして、小さいことではあるけれども、割合に問題が深刻になっている事項が郵政事業内にはあるようであります。私は大臣にお目にかかってから思い出したのでありますが、かつて逓信大臣をやられた犬養さんが、犬養ぶろというものを作られた。それは郵便局へ行ってみると、汗水出して帰ってきた人たちがふろへ入れずに家へ帰る、あるいはそのまま寝てしまわなければならぬということで、非常に気の毒である、何とかしてせめて夜でもゆっくり宿直ができるようなふろの施設でもということで、ふろを作ってやった。これが今も語りぐさになっておるところの犬養ぶろの着想であった。そしてこの犬養ぶろによって、犬養さんは実にいい逓信大臣として今でも従業員から慕われ、ありがたがられておるのである。私は非常にこまかい、あるいは地方の捨てられておるところ、そうしたところにも、上の人の、管理者のあめたたかい血の流れを待っておる面が、あるいは人たちが、たくさんあるのだということを、この際もう一度思い出していただき、気がついていただいて、その方向に一つ事業の改善の重点を向けていただくようにお願いしたいのでありますが、これについていかがでしょうか。
  59. 寺尾豊

    寺尾国務大臣 御意見は全く同感でありまして、私も、できる限りそうした面についても御期待にそむかずに、現実にそういったようなものを少しずつでもすみやかに解決していきたい、かように考えております。
  60. 金丸徳重

    ○金丸(徳)委員 もう一点、せっかくそういうありがたい御答弁をいただきましたので、お願いをいたすのでありますが、先ほども簡易保険についてのお話が出ました。最高制限額を引き上げなければならないことは天下の世論で、従業員はもとよりこれを深く期待をいたしております。今の簡易保険の募集状況は、非常な従業員の努力にもかかわらず、伸が悩んでおります。民間保険の攻勢といいますか、あるいは農業保険の進出というようなことの影響を受けまして、非常に苦労をいたしております。この苦労の状況はこれからますますひどくなって参るように、私はいなかにおって見ておるのであります。郵便局に簡易保険がなかりせば、どんなに気楽であろうかというような、まことに残念な言葉さえも従業員の中から聞かなければならないような状況なのであります。これは非常に心配なことでありまして、何とかこの辺でやはり人情大臣としての手を打っていただかなければならないように思うのであります。最高制限引き上げはもちろんであります。そのほか運用面において援護射撃ができるような態勢をとっていただく、それから地方自治体に対して大臣が政治的な何かの手を打っていただいて、募集、維持についての応援措置をしてもらうようなことをしていくことも大切なように思います。さらに募集、維持についての功労といいますか、功労という言葉はいけないかもしれませんが、実際よけいな実費を費している点もあるのでありますから、これらについての補償のようなものについて何か特別な大臣の御着想でもありますならばこの辺一つ聞かせていただいて、従業員を安心せしめ、激励せしむるの資といたしたいのでありますが、いかがでございましょうか。
  61. 寺尾豊

    寺尾国務大臣 御意見全く同感でございます。これはただおせじで申し上げておるのではございません。私の過去のたどってきましたいろいろの体験や私の信念から申しまして、全く同感でございます。現在も募集その他については、この奨励援護あるいは士気高揚、こういったような面でもやっておるようでありますけれども、そういったお言葉にもこたえまして、私といたしましてはさらに考究もいたし、これらについての十分な処置をいたしたいと思います。
  62. 金丸徳重

    ○金丸(徳)委員 これで私は一応終らせていただくわけでありますが、そういう考え方で実は大臣事務当局としては、長い間積み重ねたいろいろの苦労もあるのであります。しかし、その苦労、努力というものが壁にぶつかっている形があるように、私は外部から見受ける。そこで、その壁を破るのは、最高責任者である大臣の政治力以外にないように私は見受けるのであります。この際一つ大臣がかねがねお持ちになっておる大きな政治力を発揮していただいて、その壁を打ち破っていただきたい。そうしますならば、事務当局としても、今までの苦労をさらに倍加して問題解決に進むのじゃないかと思いますので、特に私は大臣に御要望申し上げ、また政務次官にもお願いする次第であります。
  63. 森本靖

    森本委員 最後に資料をちょっと要求しておきたいと思います。最初に申し上げた日逓の資料と、それから国際電電の最近の営業報告書を資料として御提出を願いたいと思うのですが、いいですね。
  64. 淺香忠雄

    ○淺香委員長 次会は明後二十七日金曜日午前十時より理事会、午前十時三十分より委員会を開会することとし、本日はこれにて散会いたします。     午後零時二分散会