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1958-09-11 第29回国会 衆議院 商工委員会 第13号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和三十三年九月十一日(木曜日)     午前十時二十六分開議  出席委員    委員長 長谷川四郎君    理事 小川 平二君 理事 小泉 純也君    理事 小平 久雄君 理事 中村 幸八君    理事 加藤 鐐造君 理事 田中 武夫君    理事 松平 忠久君       大倉 三郎君    岡部 得三君       岡本  茂君    加藤 高藏君       木倉和一郎君    黒金 泰美君       坂田 英一君    關谷 勝利君       田中 榮一君    中井 一夫君       西村 直己君    野原 正勝君       渡邊 本治君    板川 正吾君       今村  等君    内海  清君       大矢 省三君    勝澤 芳雄君       小林 正美君    鈴木  一君       堂森 芳夫君    中嶋 英夫君       水谷長三郎君  委員外出席者         通商産業事務官         (企業局長)  松尾 金藏君         通商産業事務官         (重工業局長) 小出 榮一君         通商産業事務官         (繊維局長)  今井 全衞君         中小企業庁長官 岩武 照彦君         通商産業事務官         (中小企業庁指         導部長)    馬場 靖文君         参  考  人         (日本自転車振         興会会長)   松本  學君         参  考  人         (東京自転車        振興会理事長) 佐々木健太郎君         参  考  人         (大阪自転車         振興会理事長) 増村  稔君         参  考  人         (全国競輪施行         者協議会事務局         長)      辻  松一君         参  考  人         (日本機械工業         連合会専務理         事)      橘  弘作君         参  考  人         (電子機械工業         会業務部長)  石塚 庸三君         専  門  員 越田 清七君     ————————————— 八月十六日  委員生田宏一君及び中村寅太辞任につき、そ  の補欠として三池信君及び大倉三郎君が議長の  指名委員に選任された。 同日  委員三池信辞任につき、その補欠として生田  宏一君が議長指名委員に選任された。 同月二十日  委員本間俊一君が死去された。 同月二十六日  保科善四郎君が議長指名委員に選任された。 同月二十八日  委員今村等辞任につき、その補欠として神田  大作君が議長指名委員に選任された。 同日  委員神田大作辞任につき、その補欠として今  村等君が議長指名委員に選任された。 同月二十九日  委員永井勝次郎辞任につき、その補欠として  久保田豊君が議長指名委員に選任された。 同日  委員久保田豊辞任につき、その補欠として永  井勝次郎君が議長指名委員に選任された。 九月十日  委員奧村又郎辞任につき、その補欠として久  野忠治君が議長指名委員に選任された。     ————————————— 本日の会議に付した案件  参考人出頭要求に関する件  自転車競技経理に関する件  産業経済基本施策に関する件  機械工業に関する件  電気機器に関する件      ————◇—————
  2. 長谷川四郎

    長谷川委員長 これより会議を開きます。  まず、参考人出頭要求の件についてお諮りをいたします。本日調査を進める予定となっております自転車競技経理に関する件につきまして、日本自転車振興会会長松本學君、東京自転車振興会理事長佐々木健太郎君、大阪自転車振興会理事長増村稔君、全国競輪施行者協議会事務局長辻松一君、電気機器に関する件について、電子機械工業会業務部長石塚庸三君、機械工業に関する件について、日本機械工業連合会専務理事橘弘作君が、それぞれ出席されることになっておりますが、以上の諸君を参考人として御意見なり、実情の説明を聴取したいと存じております。御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  3. 長谷川四郎

    長谷川委員長 御異議なしと認め、そのように決します。     —————————————
  4. 長谷川四郎

    長谷川委員長 それではまず自転車競技経理に関する件について調査を進めます。  参考人方々一言ごあいさつを申し上げます。本日は御多忙中あところ当委員会の要望により御出席上さいまして、まことにありがとうございました。競輪の問題につきましては、一般社会に及ぼす影響は相当大なるものがあり、また地方財政の上におきましても大きなウエートを占める問題であろうと考えられます。関係者方々配慮もなみなみならぬものがあろうとは存じますし、その責任も重大であろうと考えられます。不幸にして過般大阪府下におきまして、場内整理費の問題にからむ事件があり、本委員会といたしましては調査を進めて参りました次第であります。参考人方々にわかれましては、忌襌なく御発言をしていただきたいと存じます。なお、過般週刊読売等につきましても、事こまかにこれらが発表されておるのでありまして、これらの点に触れましてもお願い申し上げたいと存じます。  なお念のために申し添えておきますが、参考人発言いたします際には、委員長の許可を得なければなりませんし、参考人委員質問することができないことになっておりますので、以上お含みおき願いたいと思います。  次に、本件につきましては、前会の委員会におきまして、田中委員より政府側に御要望された事項がありますので、まず重工業局長より説明を聴取し、さらに大阪自転車振興会理事長増村稔君より、大阪府において起りました場内整理費の問題について御説明を願った後、政府並びに参考人の方方に対する質疑を許可いたしたいと存じます。重工業局長小出君。
  5. 小出榮一

    小出説明員 去る八月十一日の当商工委員会におきまして、大阪府下競輪場場内取締りの問題に関しまして、田中委員から御質疑があったのでございますが、その際問題になりました諸点につきまして、通産省といたしましてとりました措置及びその後の経過等につきまして、まず概略報告を申し上げておきたいと思います。  その際にも御指摘がございましたように、監督官庁といたしましては、再三、過去におきましても、また最近八月六日通牒を出したのでございまするが、通牒のみではもちろん取締り目的を達しないわけでございまするので、さらに重ねてまず八月の二十日に通産次官通牒を発しまして、競輪場内の場内整理あるいは自衛警備等に関する取締りにつきまして、具体的な通牒を出したのでございます。これは各通産局長を通じて、それぞれ管内の競輪場取締りを行うという趣旨でございまするが、その通牒内容といたしましては、特定競輪場内の取締りに関する業務を、特定組等請負の形式で委託することは、ともすればボス的な勢力競輪場内に導入するおそれがあると認められまするので、これを厳重に避ける、必ず競輪施行者または施行者の委託を受けておりまする自転車振興会が、競輪場内の取締員を直接雇用いたしまして、直接施行者または振興会が指導監督しまして、そのもとにおいて業傍を行う、こういうことが、まず第一点でございます。それから第二点といたしましては、その場合におきまして先般も問題になりました職業安定法あるいは労働基準法等関係につきまして、それらの法規に違反することのないように、特に厳重に注意をしてもらいたい。それから第三は、要員を採用するときに当りましては、特に人選を慎重に行いまして、適格者を雇う、ボス的勢力が介入するような事態を誘発しないように特に留意しなければならない。それから第四点としましては、場内取締員というものを明確に一般の観客からも判別できるようなたとえば制服をつけるというような、何かそういう判然と区別し得るような措置をとる。それから最後に、自転車振興会競輪施行者委任を受けまして、場内取締りに関する業務をします場合には、その施行者振興会との間において、委任関係を明確にするような措置をとらなければならぬ、大体こういうような趣旨の次官通牒発しました。もちろん一片の通牒だけで事は足りるわけでございませんで、さらに私の方から担当官がそれぞれの通産局に出向きまして、具体的にこの通牒趣旨説明し、またその通牒実施につきましての打ち合せをいたしました。さらにこれに並行いたしまして、警察庁に対しましてもこういうような趣旨通牒を発したから、警察庁としても御協力を願いたいということを、警察庁刑事局長なり保安局長に依頼をいたしまして、これを受けまして警察庁におかれましても、管下の整視総監ほか各府県警察本部長等に対しまして、競輪場等におけるいわゆる暴力団犯罪取締り強化ということについての通牒が発せられたのでございます。さらにこれに関連いたしまして、従来これらの場内取締り実態に関する調査が、必ずしも十分でなかった点は田中委員指摘通りでございます。私どもといたしましては、さらにこの際、それらの雇用関係等についての実態を明確にするための実態調査につきましての通牒を、同じく八月二十日に発しまして、ただいま実態調査報告書を、競輪上別に集めている段階でございます。本日までには、まだ全部の集計が終っておりません。大体六十の競輪場につきまして実態調査をいたしております。そのうち四十ほどが集まっておりまするが、ただいままでに集まりました点を点検いたしますると、施行者——大体市長からの報告でございますが、場内整理につきまして請負契約をやっておるということを、はっきり書いてきておりますのは松山市と静岡市だけでございます。それから請負契約とは書いてないが、誇負興約に類するのではないかと推定されるものが神戸市でございます。これらは全部集まりましたところで、さらに私どもの方でこれを取りまとめまして、資料としてももちろん御報告を申し上げたい。しかしながら本日までのところ、まだ全部の実態調査が終っておりませんので、それらの調査を完了次第、先ほど申しました通牒とからみ合せまして、さらに取締り強化をいたしたい、かように考えております。  簡単でございまするが、前回の委員会以後におきます私どもとしましてとりました措置等につきましての、概略の御報告をいたした次第でございます。
  6. 長谷川四郎

    長谷川委員長 次に増村参考人発言を願います。
  7. 増村稔

    増村参考人 大阪振興会競輪場内整理の問題につきまして非常にわずらわしましたことをおわびいたします。私は、過般当委員会より出頭を求められました社団法人大阪自転車振興会理事長増村でございます。今回、大阪自転車振興会大阪府下競輪開催の際、土井組場内整理を依頼し、その報酬を支払っていることに、特に土井組幹部刑事被疑事件によりまして指名手配を受けて逃走いたしましたにもかかわりませず、場内整理費を引き続き支払っていましたことが端緒となりまして、競輪場場内整理実施方法が問題となり、当委員会において審議されることになりまして、国務多端折柄、前後数回にわたり諸先生をわずらわしましたことは、公益法人責任者といたしまして、まことに不徳かつ配慮の足りなかった結果でありまして、ざんきのきわみでございます。ここに深く陳謝の意を表する次第でございます。  なお、大阪振興会の、土井組競輪場警備につきましての概況につきましては、前の委員会会議録によりまして、いろいろこまかいことにつきまして田中先生からお問い合せがありまして、当局の通産大臣並びに通産局長御両人から、一から十八にわたりましてお答えがあったことでございまして、このお答えにつきましては、私ども大阪振興会といたしましても、御質問趣旨が同様なことでございまして、おおむねあのお答え通りであると信ずるのでございます。  なお、こまかいことにつきましては、私の方の専務理事がおりますので、もし委員長がお許し下されば、いさいについてお答え報告申し上げたいと思うのでございます。  なお、大阪振興会土井組の、特に七月三十日の新聞に出た見出しにつきまして、私は非常に残念に思っている次第でございます。私ども十年末仁義的な口約によりまして場内整理を委託したのでございまして、その当時のことを考えますと、やむにやまれぬ事情がございまして、ああせざるを行なかったのでございます。その後考えてみますと、三つに分けまして、第一期は、功罪にいたしますとやや功の方であって、中間は中正であったと思いますが、後期の方は、ややもしますと、ほぼ悪の方になったような形になっておったかと思うのでございます。これをいかにして手を切ろうかということは、もう一言も忘れることのできないほど考えておったのでございますが、その当時の事情とその中間最後におきましても、六回ばかりも交渉したのでありますが、やむにやまれず、またこれをお断りすれば、裏づけに付か事が起きぬかという懸念が出ましたために、なかなかこれが手を切ることができなかったにとを、はなはだ遺憾に存ずるのでございます。そういうことで、二月の十八日に彼らの幹部の人が逮捕され、あるいは逃走したことにつきまして、即日これを縁切りたいという考えをもちまして、二月の二十五日の報酬をもって断る——その縁を切るための辞退書をとるために、報酬を持っていって交渉をしたのであります。それがやはりたび重なり、五月まで続いたのでありまして、五月の二十五日に、はっきりもう手を切るという言い渡しをしたのでございますが、さしあたっては、本人が逃走中でありますので、その後の解決が延びまして、あと二回、八月までこれを継続して、おったわけであります。八月二日になりまして、全部その場内整理のことをはっきり断りまして、人員についても断り、それからその他についてもはっきりお断り申しまして、現在はこの警備をはっきりお断り申し上げておるような次第であります。かようなことになっておりますが、こまかいことにつきまして、委員長からお許しがありますれば、専務お答えさせたいと思います。お許し願えればけっこうだと思います。
  8. 長谷川四郎

    長谷川委員長 以上をもって参考人発言を終りました。  次に質疑を順次許可いたします。田中武夫君。
  9. 田中武夫

    田中(武)委員 参考人の方は大へんどうも御苦労さんです。今から各参考人方々に、順次競輪経理内容についてお伺いいたしたいと思いますが、まず最初に日本自転車振興会会長の松木さんにお伺いいたしたいと思います。  競輪は、先ほど委員長が冒頭に申し述べたごとく、一般に及ぼす影響も大きく、また反面地方財政にも大きな関係を持っておるということは言うまでもありませんが、自転車振興会が法に基いて、競輪実施責任を持っておる、こういうところから、自転車競技実施に当っての責任、こういうことも重大だろうと思います。ましてや、それから上ってくるところの金、すなわち競輪経理の問題については、よほど慎重にやっていただかねばならないと思います。  そこで、まずお伺いいたしたいのは、昨年を一つ例にとりたいと思いますが、一年間に延べ何回の競輪全国において施行し、その中から幾ら売り上げがあって、幾ら収入があったか、その収入はどういうように分けたか、すなわち施行者、県とか市といったような方面、すなわち地方財政の方へ潤う面が幾らであるか、それからその他振興会の方において経理とか、いろいろな面において使われる金が幾らであるか。私は詳細な経理の項目はわかりませんが、大まかでけっこうですから、大体そういった競輪の一年間における売り上げ収入、その収入の按分といいますか、どういう方面幾ら使える、こういったことについてお伺いをいたしたいと思います。
  10. 松本學

    松本参考人 ただいま田中委員からの仰せでありますが、ほんとうに競輪というものは非常な大きな仕事をいたしておると言っていいと思うのであります。競輪目的は、これは申すまでもなく法律に書いてありますように、自転車その他の機械の改良とその輸出の振興機械工業合理化、それから地方財政健全化、こういう目的を持ってやっておりますので、売り上げによって得た収入は、これらの仕事に按分されて使われておるわけであります。仰せ通りにこの収入は、ただ一個人なり一会社の利益というのじゃなくて、結局これは公共の金であるとわれわれは解釈いたしております。すなわち競輪によって、とにかく年に延べおそらく千五百万人、それくらいなりましょうが、それだけの大衆大衆娯楽として、あの競技によって楽しみながら出した金でありますから、これはやはり大衆の金であります。従ってこれが処置については非常に慎重にせなければならぬことは申すまでもありません。この売り上げが昨年度におきましては七百三十億になっております。私の持っております数字によって申し上げますと、十年間の計数がここに出ております。二十三年に始まって三一十二年までの総売上高が、十年間に四千七百四十六億円となっております。昨三十二年度が七百三十六億であります。  それでは十年間に地方財政にどれだけの金が行ったかと申しますと、これは三十二年の上半期川までの計数になっておりますが、四百三十四億、振興費へ五十九億——振興費と申すのは、自転車その他の機械振興のための費用であります、これは十年間の計数であります。このようなふうになっておりっまして、七五%というものが売り上げの中の払い戻し金になって、これは競技をやつた人々に戻されているわけであります。その中の二五%というものが、これが施行権を特って、おる地方自治体の収入になるわけであります。昨年度において申せば、七百三十六億円の二五%というものは、とにかく施行権を持っておる施行者収入になる、その中から地方財政健全化の方に、今ちょっとパーセンテージは忘れましたが、あるパーセンテージは使われる。それから競輪の運営の委任を受けておる地方振興会、それに、これもやはり法律施行規則できまっております率の交付金が回されておる。でありますから、地方振興会売り上げの中から、あるきまった率によって施行者から交付される交付金で諸経費をまかなっておる、これが地方振興会費用であります。それか日本自転車振興会というのは、御承知のように昨年の十月から法律改正になって、この特別法による特殊法人となりまして、従って政府監督が非常に厳重な、いわば公社とか公団というような形になっております。それではこの日本自転車振興会経費はどうなっておるかと申せば、これは法律及び規則に定められた率によって、自転車及び機械工業振興のために要する第一号交付令というもつのが出ておるわけであります。それと競輪実施に当って、実施を指導する意味で、すなわち日本自転車振興会地方振興会を指導して、そして法律によってきまっておる自分の仕事をする財源とし、売り上げの千分の三以内が、日本自転車振興会収人ということになるのであります。こういうような区分によって経理がいたされておるのでありまして、非常に限られた金額となっておるのであります。それのみならず給与の規定とか、旅費とかその他の経理規定は全部大正臣認可を受ける。予算通産大臣認可を受けるというような非常に厳重な監督を受けておるのであります。ただいまも申し上げましたように、公共の金とわれわれは解釈いたしておりますから、これが使途について、いやしくも何か間違ったことがあっては相ならぬので、私は昨年の十月一日に、日本自転車振興会会長通産大臣から任命されたのでありますが、そのときに私がすぐ考えたことはどういうふうにしてこの経理を最も適正明確にするか、これは私は非常に苦心をいたしまして、今日ようやくガラス張りの中に入ってやれるというような経理ができるようになったと自信いたしておるのであります。かような状況でありますので、概略のことを申し上げました。ことによく世間では、競輪関係振興会なんかの経理というものは何をやっているかわからぬ、伏魔殿のようなものだとよく批評を受けるのでありますが、どこまでもこれを正確な、明朗なものにして、少しの非難のないものにするということ自体が、競輪健全化することであり、同時にまた競輪に対する認識を、世人にしっかり持ってもらう一つの大きなPRという意味では、非常に私はこれを重要視して、及ばずながら努力いたしておるのであります。ことにまたこまかな数字になりますれば、ただいま私手元に持っておりませんので、こまかな御質問でありましたならば経理部長振興部長が参っておりますから、数学はまたこまかに御答弁申すことにいたします。
  11. 田中武夫

    田中(武)委員 私のお伺いしておるのは、売上金の二五%が収入になる、そういうことはわかり切ったことなつんです。そんなことは聞いているんじゃないのです。その二五%のうちで施行者の方へいく金、それから府県振興会の方ヘくる金、それからその振興会にきた後の金がどういうように按分せられておるか、どういったような方面に使われておるのか、これも大体何%という基準はあったと思います。そういうことの歩合をはっきりしていただきたい。振興会の中に入ったうちで、先ほど申されました自転車振興会本来の使命の方に、一体幾ら使われておるか、そういったことをお伺いいたしておるのでありまして、今のお答えでは不十分で、私了解いきません。そこでもう少し具体的に、経理部を必要といたしません、何千何百何十何円というようなことは聞きたくないので、大体何%がどの方面にいく、こういうことでけっこうです。  それから先ほど、幸いにして最近ガラス張り経理云々とおっしゃいましたが、われわれとしまして決してかガラス張りとは思っておりません。私は今でも伏魔殿である、わからない、わからないからこそ、こうしてあなたにお伺いしておるのでありまして、ガラス張りであるならば、私はそういうことをお伺いする必要はございません。もう一度お伺いいたします。
  12. 松本學

    松本参考人 ただいま私ガラス張りと申したのは、私の心がまえを申しておるのでありまして、これまでにおいて、今、田中委員からお話しのような疑惑の点があるというようなにとが絶無であったということを、私は申し上げかねるのでありますが、将来はどこまでも今申し上げたような経理は公正明朗にやっていかなければならぬ、そういう方針でもって、日本自転車振興会は当然のことでありますが、地方振興会に対しても十分に指導していく、こういう意味で申し上げたのでありますから、その点は御了解を願っておきたいのであります。  昨年の例で申し上げまして、一応申し上げましたが、七百三十億という売り上げの中で、今の二五%の内訳になるわけでありますが、この七百三十億を土台にして考えますと、約一割が地方公共団体収入になって、これがあるいは病院とか学校とかその他の福利施設厚生施設に使われておるのであります。あとはただいま御説明申し上げましたように、施行者において選手の賞金とか、その他の経費をその中から使っており、それからまた振興会に対しては、先刻も申したように、これは法律施行規則によってはっきりきまっておりまして、施行者からその法定の率によっての収入交付金として受け取っておる。地方振興会はこういうことになっておるわけであります。それから日本自転車振興会は、先刻も申し上げたように特殊法人になりまして、地方振興会連合合体でなくなったのであります。その財源は、全部率をきめて施行者から交付金として受けておるのであります。それで、三十三年度においては一億七千八百二十四万円というものが、日本自転車振興会予算になっておるわけであります。これが今申した二号交付金と申す千分の三以内の、施行者から受けておる収入であるわけであります。それから日本自転車振興会の事業の一つとして、自転車その他の機械工業振興のための仕事があるわけであります。でありますから、日本自転車振興会は二つの仕事をしておるわけであります。競輪の公正かつ円滑なる実施をするというのが一つであります。もう一つは、今の自転車及び機械工業振興のために仕事をする、その方の金が八億四千百四十五万円。でありますから、これが一号交付金として自転車及び機械工業に使われる金、こういうふうに御理解下さればよいと思います。そういう意味であります。
  13. 田中武夫

    田中(武)委員 まだたくさん質問したいことがありますので、私のお伺いした点を簡潔にお願いします。  今のお話によると、競輪売上金のうら二五%が収入になる。そのうちの一〇%が地方団体の収入として落ちる、こういうことです。そうするならば、今日この競輪の問題につきまして——競輪競馬等一緒ですが、競輪の問題について、存続の理由といいますか、これを置いておくところの理由は、地方財政が潤うということのみだと思います。それがないならば、即時やめてもいいものだと私は考えております。その存在の唯一の理由であるところの赤字財政の健全化地方財政健全化、こういうことに二五%のうちの一〇%が使われておる、あとの一五%が競輪それ自体の施行のために使われておる。しかもあなたの今の御説明によるならば、日本自転車振興会に落ちるのは千分の三である。ところが最初日本自転車振興会の事業目的としてあげられた四つのうち、一つの大きな仕事である機械工業振興に関する件は、全体の千分の三の中のまた半分程度の金によってまかなわれておる、こういうように理解せざるを得ないのです。そうでないのだったら、——私の申し上げているのは、四つの目的をあげられました、その四つの目的収入が何%ずつ、大体そういう方面で使われておるかということをお伺いします。
  14. 松本學

    松本参考人 私が今ここにパーセンテージ数字を持っていないため、まことに答弁が不十分で、御迷惑をかけておるわけでありますが、七百三十億という昨年度の売り上げの一〇%、七十三億というものが地方の分で、これは二五%の一〇%じゃない。
  15. 田中武夫

    田中(武)委員 それはわかっている。二五%のうちの一〇%を使われて、あとの一五%はその他に使われている。
  16. 松本學

    松本参考人 それは二五%のうちの一〇%が七十三億になるのではなくて……。
  17. 田中武夫

    田中(武)委員 二五%はわかっておるのだ。二五%入ったうちの一〇%、だからあとの一五%が競輪実施のために使われておる、私はこう言っておるのですよ。
  18. 松本學

    松本参考人 いや、そうじゃないのです。
  19. 長谷川四郎

    長谷川委員長 松本さん、数字の間違いがありますから、あなたの説明の二五%のうち、何が一〇%か説明して下さい。
  20. 田中武夫

    田中(武)委員 それじゃ数字あとで資料でもらいたいと思いますが、そうすればもう一度来ていただく必要があるのです。これはいつ出ていただく通知があったか知りませんが、私が要求したのは一カ月前です。その間に、来れば大体このくらいのことを聞くくらいのことはわかっていなければ……。
  21. 松本學

    松本参考人 それでは今数字を持ってきましたから申し上げますが、施行者への収益は一一%になるわけでございます。それから開催経費は一〇%になる。それから日本自転車振興会の方は、ただいま申し上げましたように、一号交付金の方が一・一%で、二号の方が〇・三%になるわけであります。  それから振興会の方は、法律規則によってきまっております交付金というものをパーセンテージで表わしますと、二・七%、こういうことになっております。
  22. 田中武夫

    田中(武)委員 そうすると一一%が地方自治体にいき、一〇%が開催経費あとは〇・三とか〇・二とか、二・七とかいうことですが、そうすると全部合せて二五%になりますかね。まだどこか抜けているところがあるのではないですか。——もうそれじゃこれはよろしい。公共の金とおっしゃったあなたが、ここで私がお伺いをして一々経理部長に聞かなければ答弁ができないということは、公共の金に対するあなたの考え方信念を疑う。それではもうそういうことをやめまして、どんぴしゃとお伺いします。  昨年じゅうに自衛警備費として出された金が四千八百八十万円あると聞いております。そうするとこの金は全体の収入に対して一体どの程度になりますか。あなたがおっしゃっておるところの公共経費という中において、公共の金から四千八百八十万円の金が自衛警備費として出されておる。その大部分がいわゆる暴力組織を背景とする人たちに渡されておる事実をあなたは知っておるのか知っておられないのか、お伺いします。
  23. 松本學

    松本参考人 ただいまの御質問につきましては、日本自転車振興会においては、そういうような経費が出されておるということについては、何ら監督権も何も持っておりません。これは通産省において十分に監督をされて警備費というものがちゃんと予算に組まれて、その総額が出ておると思います。日本自転車振興会としては、地方振興会予算監督ということまで権限を持っておりませんので、私から正確なお答えをすることはちょっと困難なことであります。従ってその方は他の方面からの正確な御答弁をお願いするよりはかなかろうと思っております。
  24. 田中武夫

    田中(武)委員 今の私の質問に対して辻さん、お答えできますか。
  25. 辻松一

    ○辻参考人 ただいまの田中先生の御質問でございますが、実は急に呼ばれましたのでございますから、こまかい資料を持っておりませんものですからただ概略だけ申し土げますと、競輪場警備ということにつきましては、大体主として施行者がやるような形をとって参っておるのであります。何カ所かが振興会委任をしておるということでございます。警備の概要を申し上げますと、警察官警備だけで警備をいたしておりますところが、六十カ所の競輪場のうち十六カ所ございます。四十四カ所というもつのが自衛警備を持っておるというような形になっておるわけでございます。そうしてその警備は大体警察官の経験のある場内を取り締ったり整理をすることに適当な人を、雇い入れてやるというふうな形になっておる次第でございます。
  26. 田中武夫

    田中(武)委員 六十カ所のうち十六カ所がいわゆる自衛警備員というようなものを入れずにやっておる。あとは入れておる。そうすると十六カ所は警察官だけでやれるのに、あとの大半の三分の二以上のところは入れなくちゃならない。全部が入れなくちゃならないというのならまだ話がわかるが、入れていないところと入れているところがあるのはどういう理由に基くのですか。
  27. 辻松一

    ○辻参考人 ごもっともな御質問だと思います。十六カ所というのは、地方に参りまして非常に小さいところ、たとえば青森でありますとか、あるいは東北地方の平でありますとか、地方のせいぜい千か二千入るというふうなところは、警察官警備だけでやっておりますが、大きなところになりますと相当一万人も二万人も入るというような場合もございますので、場内整理をする必要がある、かような考え方で置いておるような次第でございます。
  28. 田中武夫

    田中(武)委員 そうしますと、地方の小さいところは警察官だけでやれる、大きいところは多く入るからできない、しかし大きいところは地方に比べて警察力もそれだけ大きいにかかわらず警察官だけでやれない。十六カ所以外のところは、はっきり申しまして施行者なりそこの警察官が、暴力団といいますか、そういったものがやはり手に負えない、これは一歩退いたという格好を認めたということになると思うのですが、その点はどうでしょう。
  29. 辻松一

    ○辻参考人 実は大きなところになりますると、暴力団というふうな関係なくして、場内整理などをする必要があるわけでございます。あるいはまた場内に入って参ります不衛生な食品の販売とか、あるいはまた中でのみ屋といいますか、そういうふうなものを取り締まるというふうなことのために必要でありまして、ことに先生の今お話のありました警察官警備につきましては、私もよく記憶はしておりませんですが、概略を申し上げますると、警察官警備場内に参っておりますのは、最低のところが十人ぐらいでございます。そうして多ついところが五、六十名という状態でございます。従いまして場内整理を主としたことは、自主的にやるという建前をとっていたしておるというのが実情でございます。
  30. 田中武夫

    田中(武)委員 その自衛警備員というものが、ある程度場内整理で必要であろうということは考えられます。しかしそれを何々競輪場守衛とかいうような名目で、常用にしてやるという方法はできないですか。
  31. 辻松一

    ○辻参考人 大体月に六日というふうな形なもつのでございますから、その日に雇い上げるという形をとっておりまして、常時六日のために雇うということができないようなことでございます。
  32. 田中武夫

    田中(武)委員 ところが実際出されている金から見ましたら、常時雇った人にいわゆる適正な賃金を払ったというよりか莫大な金が出されておる。そうするなら月に二回二日か三日だから、そういうことをする方がどうも不経済だというようなことは通らないと思うのですが、その点いかがでしょうか。
  33. 辻松一

    ○辻参考人 大体常雇いというふうなことこなりますと、いろいろな今の情勢で問題があるのでございまして、大体六日間のことでありますので、六日間臨時にそういうものを雇う、こういうふうな形をとっております。  それからいま一つ先生のおっしゃられることを、これはちょっと何ですが、何かいわゆるボスその他に払われておるの、だというふうなお考えのようでございますが、大体先ほど通産省の局長さんからのお話もございまして、私どもつもびっくりしたわけでありますが、今通産省からお答えがありました点、また私どものところも今調査をいたしておりますが、大部分のところはみんなまじめな人たちを雇ってやっておるという形をとっておるわけでございます。
  34. 田中武夫

    田中(武)委員 そういうようにお答えせられると、何県の何々競輪場は何組、何県の何々競輪場は何組ということを、一応全部申し上げましょうか。
  35. 辻松一

    ○辻参考人 私どもの方で、今実は全国の団体といたしましてはなはだ申しわけないことなんでありますが、実は田中先生の御発言で国会の問題になりまして、それからいろいろ地方の方に、どうもそういうものはないと思っておったのだけれども、こういうふうな状態だが、君らの方はどうだということで、今通産省と協力をいたしまして調べておるような状態でありまして、何とも申しわけがございませんです。
  36. 田中武夫

    田中(武)委員 通産省もそうなら、あなた方もそうなんです。競輪が二十三年に行われてから十何年間やられておる。しかも二十五年の十一月二十四日付で通産省から競輪警備についてという通牒が出ております。にかかわらずきょう参考人として出ておられる方々は、少くとも競輪の公正なる実施というようなことについて、責任を持っておられる方々だと理解しておりますが、その人たちが、少くとも私が去る七月三十一日の委員会でこういうことを初めて発言をいたしまして以来、あわてて調査をするとか、従ってまだ調査ができていないとかいうようなことは、私どうも納得がいきかねます。そこできょうおいでの参考人の皆さんにお伺いいたしますが、昭和二十五年十一月二十四日付において出された通牒を御存じであったかなかったか。御存じであったとするなら、それに従ってどのような気がまえでおられたか。参考人の方全部に逐次お伺いします。
  37. 辻松一

    ○辻参考人 大体のことを申し上げたいと思うのでありますが、二十三、四年あるいは二十五年あたりは、世の中も相当混乱しておりましたので、御指摘のような点があったようでございますが、二十五年の通達に基きまして私どもといたしましても、全国一つすっきりするようにということでやって参りました。いろいろな関係で相当の歳月を使いましたが、今日では私どもは実ははなはだうかつで申しわけございませんが、もうそういう何組と手を組んでおるというようなことはないと思っておったというふうな次第でございまして、これらの点につきましても、先生の今の御指摘通り、何とも私どもの心組みが足りなかったことにつきましては申しわけないと、かように考える次第であります。
  38. 増村稔

    増村参考人 昭和二十五年十一月の通牒の指示でございますが、今から考えてみますと、大阪競輪場におきましては昭和二十四年四月十六日に住ノ江競輪場において不正事件が発生し、また五月七日にもそういうようなことが発生しました。なお二十五年の九月に通産省から自粛中止という指示がありました。それと同時に、二十五年の九月三日にジェーン台風がございまして、非常に大きな被害があったのです。そのとき二カ月中止しました。それで同じ年の十一月にまた再会したのであります。その他近県にもいろいろ騒擾事件がありまして、はなはだ不本意ながらそのときにその指示を実行することに非重に一生懸命になっておったのであります。そういう状態で騒擾事件が相次ぎ、いろいろな事故の発生した当時でありましたので、それを決断する意思が十分に出なかった、こういうことでございます。これが大阪の情勢であります。
  39. 佐々木健太郎

    ○佐々木参考人 東京振興会でございますが、東京は従来振興会とそれから東京都と両建で、自衛警備を持っておったのでございますが、たしか昨年の九月ごろこれを一本化しまして、そして振興会が全部これをお預かりする、幸いそういう経過で私どもは自衛警備に人たちを雇い上げますときには履歴書をとりまして、そして面接をしまして、そしてその中から適格な人を選んでとっています。従いまして個々に契約するという形であります。これはよけいなことかもしれませんけれども、中にはもと陸軍少将であったとか、あるいは陸軍中佐だった、少佐だったとか、そういうような方がおられます。それで大体隊長、副長それから班ごとに班長をこしらえまして、そして場内警備というようなことをやっています。読売新聞に出ておりました(田中(武)委員「簡単でけっこうです」と呼ぶ)そういうふうに個々にやっておりますが、今の人数が東京の後楽園あたり非常に大きいものですから、実は百五人使っております。そういうような状態で、従いまして金額も相当な金額になっております。おそらく五十万近いものじゃないかと思います。
  40. 田中武夫

    田中(武)委員 時間がないから簡単にいきます。大体一時間の予定でやっているので、まだ伺いたいことがたくさんありますが、途中を省略してお伺いします。大阪増村参考人にお伺いしますが、あなたは二十五年に通牒が出たときにはそれに沿うべく努力したが、ジェーン台風の当時とか何とかで騒擾事件等があったので、それに沿いかねた、こうおつしゃいます。それからその当時というと二十四、五年と理解して、今三十三年ですから、その間に八年経過しております。その当時とおっしゃるのは、その当時はやはり二十四、五年だと理解しますが、その後の数年間はどうなされたか。それが一つ。  続けてお伺いをしますが、もう一つは、あなたはさっき参考意見を述べられた際に、前に通産省の重工業局長が答えたことと同様である、こういうことを言われた。そうするならば最初私がお伺いしたときに、前の重工業局長である出石武さんは、そういう自衛警備費として出す金の根拠は労務供給契約に基く、こういうようなことを言われました。また今度の重工業局長は先日の答弁で私がいろいろ伺っておると、実は書面その他がなかった、口頭であった、こういうことです。あなたは先ほど仁義的口約とか何とか、どうも理解しにくい言葉を使われました。一体仁義的口約とはどういうものであるか。しかも公共の金であるということを日本自転車振興会の今長も認められ、またあなた方もそうでなくちゃ困る。この公共の金の一部ではあっても、仁義的口約というような不可能なものによって出されるということはますます不可解だ。やむにやまれないというようなことがあった、一体それはどういう事情をさしておるか。暴力にどうも抗しかねるというような意味のこともあったようだが、それならば地元警察は何をしておるか。そういうことをお伺いしますが、簡単に要点だけ御答弁願います。
  41. 増村稔

    増村参考人 仁義的口約と申しますのは、その当時の社会情勢が数字やものに表わせない精神的な状態で、おそらくこうしたものを委託するのは目的業務はどういうことかといいますと、これを表わすことができないという問題が起るのではなかろうか、こういうように考えて私は仁義的口約だ、こういうように申し上げた次第であります。その当時もちろん御承知でもございましょうが、三国人が横行し、あるいはその他のことによりまして、二十四年、五年にも先ほど申し上げましたような騒擾が頻発しておりますので、これを金銭的数字に表わして、あるいは契約的に文書でこれをしたためるということはできない。一つそこを精神的に押えてもらおうという気持でありましたので、御質問になりますなぜ契約しなかったということになりますけれど、も、そういう契約ができ得なかったことが端緒になってきたわけであります。そういうことを私だけの単独な言い方で、仁義的口約と申し上げた、御了承を願いたいと思います。  それから二十五年の十一月から三十三年まで約八カ年あるとおっしゃる。そのときには私は先ほども申しましたやむにやまれぬ、一回でなしに、二回、三回でなしに、あるいはその報酬の値下げの要求もし、あるいは競輪場がやめたときにもその交渉もいたしました。そうして再三再四その間に交渉をいたしたのでありますが、遺憾ながらわれわれの力の足りないと申しましょうか、同時にこうした特殊の上の特殊な事業でありますので、うしろを振り向いてみますと、何かものが勃発しないかというような感の鈍い気持が起りましたので、それを取り上げることができなかったことは、はなはだ遺憾に存じておる次第であります。その最後に、先ほども申しました例の二月十八日に逮捕された、これはこのときがチャンスというのに意思を強くいたしまして、これを断わることに決意したのでありますか。それも五月の二十五日にはっきりとした一方的なお断わりを伝えたわけであります。その間にもいろいろ辞退書を出す交渉をいたしましたけれども、その組の連中が来ますと、また裏に何か起きやせぬかという懸念も非常にありましたけれども、八月になって断固としてこれを拒絶した、こういうことに考えておる次第であります。
  42. 田中武夫

    田中(武)委員 重工業局長にお伺いします。今の御答弁はお聞きの通りであります。振興会経理通産大臣認可することになっております。あなたの所事項としの監督下にあります。そういう監督下にある経理において、どうも常識では理解のできない今の御答弁であります。一体仁義的口約というような面によって出されたのを、正当な支出と認められるかどうか。やむにやまれぬ事情があった、あるいは発言の中に常に暴力におびえておる、こういうようなこともうかがえる。そういうようなことで支出がなされておる。そういうような事情について通産省としては事前にそういうことを知っておられたのか、知っておられないのか、あるいはそういうことがあるとしたならば、なぜ適切な方法を治安当局と打ち合せをして、もっと是正をするというようなことに努力をせられなかったか、こういう点についてお伺いをいたします。
  43. 小出榮一

    小出説明員 ただいまいわゆる自衛的な整理のための従事員に対する報酬の出し方等につきましての問題でございますが、先般来問題になっております大阪府の競輪場におけるような事態というものは、決して好ましい事態ではない、それがどういうような経緯でそういう事態になったかということについては、先ほど振興会の方から一応のお話がございましたが、その実態は、もちろん二十三、四年当時の社会的に不安定な状態のもとにおきましては、政府といたしましても承知いたしております。従いまして二十五年の通牒が出、その後の八年間でございますかの実施の状況につきましては、確かに通産省といたしましてもそれらの実態の把握と申しますか、その後の実施の状況等につきましての監督が十分であったとは私も考えておりません。ただこの経理関係につきましっては通産省が直接に監督をし、いろいろ法規に基きまして事業計画なり収支丁算なり、あるいはその変史の認可等をいたしておりますのは、日本自転車振興会、これは当然ででございますが、地方自転車振興会という段階まででございまして、実際に競技を行います施行者経理の状況につきましては、その開催経費の明細につきまして、その都度各施行者の方から報告をとっておるという状態でございまして、あらかじめこれを承認するというふうな建前になっておりません。その開催経費の、先ほど来御質問になりましたただいまの場内整理の分につきましては、開催経費の中の人件費、その人件費の中の場内整理従事員の給与というような格好で収支明細の中には現われてきておるわけであります。その収支の具体的な内容につきましては、それぞれの施行者について具体的に調査をいたしませんと判明しない点もございます。もちろん今回田中先生の御指摘の点もございまして、ただいまもう一回具体的な実態調査を行なっております。先ほども申しあげましたように、直接雇用契約でやっておって、請負契約でないという回答をしてきたものが大部分でございますが、私どもはその文書の回答だけで満足するわけではございませんで、果して実態はそうであるかどうかということを、さらにその回答に基きまして、もう一ぺん調査をしたい、かように考えております。従いまして過去におきましては確かに十分ではなかったかと思いますが、今回の通牒を契機しといたしまして、今後包括的な請負契約をやめて、直接雇用という形態に持っていくようにしたい、かように考えております。
  44. 田中武夫

    田中(武)委員 どうも参考人の皆さんも、それから重工業局長も、今までは十分でなかった、遺憾であった、こういうことに尽きる答弁をしておられるが、私としても遺憾です。私がお伺いをしているのは、一つ焦点をしぼりましょう。この仁義的口約によってなされた支出が正当なりやいなや、好ましいということではございません。正当であるかどうか、適法であったかどうかということを、一つ重工業局長にお伺いいたします。
  45. 小出榮一

    小出説明員 前回の委員会におきましても御指摘がございまして、その間のいわゆる上井組というもの等に対する契約の形式及び内容はどうかという御質問でありました。私もその際、係官の方で調査いたしました結果、文書による契約でなくて、口頭による契約であったということを申し上げたのでありますが、それを先ほど大阪振興会理事長は別の言葉で表現されたのではないかと思うのであります。もちろん文書による契約であるのが最も契約としては正しいやり方だろうと思いますが、しからば口頭による契約というものの法律的なと申しますか、民法上の効力はどうかというような問題につきましては、これは非常に専門的なことになるかと思いますが、それが現在の自転車競技法なりその他の自転車関係の法規に照らして違法であるというふうなところまで断定するにつきましては、なお私としましてはその断定はいたしかねると思います。ただその支出の方法なり契約のやり方が適当でなかったということは、私は言えるかと思います。
  46. 田中武夫

    田中(武)委員 それではあなたは現実に今問題としてあげていますところの支出、これが自転車競技法に基く正当な支出であったと、あくまでお認めになるのですね。違法ではないと、こういうように断定せられましたね。
  47. 小出榮一

    小出説明員 正当な支出であるということは申しておりません。
  48. 田中武夫

    田中(武)委員 正当な支出でないということは、即違法とは考えられないとしても、違法であるのかどうか。あなたは進法であると認められない、そういうことであるならば、この支出はいかに法律的に解釈したらいいのですか。
  49. 小出榮一

    小出説明員 この支出の方法なり内容が適当でないということにつきましては、すでにその点を指摘し、監督官庁として勧告をしておるわけでありますが、それが契約上有効であるかどうかという問題、それから自転車関係の法規に正面から違法であるかどうかという点につきましては、私は疑問が残ると思います。従いまして自転車関係の法規に基きまして、自転車振興に関する法律趣旨から見まして、それは適当でないということははっきり言えると思います。従いましてその監督上の処置はとらなければならぬと思っておりますが、しかしそれがその契約そのものが有効に成立しておるかどうかということにつきましては、これは法律的な専門家の意見に従うほかはない、かように考えております。
  50. 田中武夫

    田中(武)委員 自転車競技法によってあらかじめ認可を受けておる、従って正当でないとあなたが認められる支出が、大臣の認可によって出されておるということになるわけですが、そういうことについては通産当局あるいは大臣が責任を持つべきだと思うけれども、そういう点についてはどうですか。ただ地方局長に委任をしておったというようなことでは許せないと思います。
  51. 小出榮一

    小出説明員 自転車関係の法規の趣旨に照らしまして、先ほど申しましたように適当ではないということは私は申し上げておるのでありますが、しからばその監督上の責任につきましては、もちつろん第一次的には通帝局長が監書いたしますけれども、別に通産局長という独立のものが存在するわけではございませんで、これはすべて通産大臣、通産省全体の監督官庁としての責任であるということは当然であります。
  52. 田中武夫

    田中(武)委員 きょうは大臣が見えておりませんから、この点についてはもう一度大臣に、その責任の所在を明らかにしたいと思います。  そこで元へ戻りまして、増村さんにお伺いいたしますが、結局競輪であがってきた金は、公共の金だと先ほど日本自転車振興会会長もおっしゃった、まさにその通りというよりか、もっと意味が深刻なといいますか、それは行くやつが悪いのだといえばそれまでですが、競輪にこったために一家心中をするとか、あるいはまた夫婦別れをするといったような悲劇の中から出てきた金である。その金の一部を仁義的口約、だとかなんとかいって、法律的にどういう性格であるかということがはっきりと説明もできない。少くとも通産省の見解としても、違法であるかどうかは疑問としても、私はこれは違法であると法律的に争うなら争う余裕はありますが、一応局長の言をもってしても正当でない支出がなされておったことについて、あなたはどのように責任を感じておられるか。
  53. 増村稔

    増村参考人 私はその当時のことと現在とは変っておると思いますけれども競輪発足当時のことを考えますと、これは法律的には知りませんけれども、そういう処置よりかほかになかったと信じます。危険の多いときに猛犬を家に置くと同じことのように私は簡単に考えておりました。そういうことでありましたので、これは悪いかいいかということは別にいたしまして、そうせざるを得ない、やむを得ないと、こういう考えを持ち、やっておったのであります。それからその当時の競技法から見つれば、振興会はできるだけ経理に余裕ができたら、そういう方へ使ってよいという指示と通達のなにがありまして、そういうことでありましたので、私はそういうことに考えまして、初期の二十五、六年までは、ちょうど危険を感ずるから猛犬を置いたというような、たやすいような、非常にむずかしいような考えでこれをやりましたので、そう大して悪いことをしたのだとは思いません。ただしその猛犬が非常に悪かったか、人をかんだか、それは純良な猛犬であれ、は、これは私は差しつかえない、こういうことを考えます。扱う人間がたまたまそういう組であるとか、そういうボスであるとか名前がついたからこういうことであったのでありまして、あるいは柔道の指南とか、あるいはそういう健全な人をもし雇っておったのであれば、こういう問題は起きなかった、こう信ずるのでありまして、そこに私どもの考えがあった。あくまでこれは不正であって、どこまでもこれが解せなかったことが悪いんだということは、その当時のことを考えますとそうは考えておりません。ただしその後の状態におきまして活安が安定してきましてからは、いつもそれを考えまりて、田中先生のお尋ねのように一日も早くこれを追放しなければならぬということは考えておったのであります。そういうように私は考えております。
  54. 田中武夫

    田中(武)委員 今のような御答弁があるなら、私前もって警察庁長官も来ていただく必要があったと思うのです。あなたの今の発言は、それでは大阪府警察当局に対する不信であると了解してよろしいのですか。
  55. 増村稔

    増村参考人 私はただいまの御質問に対しては、警察の信頼、不信頼は考えておりません。これは施行者が完全に警備してもらったらよかったんだ、こう考えております。そういうことであります。
  56. 田中武夫

    田中(武)委員 治安においてあなたが言われるようなおそれがあるならば、警察当局にあらかじめ連絡をとって万全を期してもらう必要もある。またそれができたと考える。しかもこれは大阪が出ているかどうか知りませんが、おそらく出ていると思いますが、警備に出ていかれた警官に一日四百円の日当が出ている。なるほどこれは直接警官に渡らずに、一括してその府県の警察当局に入って、それから警官一人に百二、三十円程度何とか手当というふうに出されているようですが、そういうものが出ているということを聞いております。あなたの今の御答弁によると、自分たちの競輪であるから、施行者においてあくまで維持をしなくちゃいけないんだ、こういう責任は一応考えられるとしても、あなたがおっしゃるようなおそれがある場合は、警察当局において十分手配をして——あるいはきょうここまで私が申すことはどうかと思いましたが、そこまでおっしゃるならば、これはあなた方のことではないが、そんなことまでして、なぜ競輪をやらなくちゃならないのかということまで追及していかなくちゃならなくなるのです。どうでしょう。
  57. 増村稔

    増村参考人 私は警察当局にお願いする、そのときに義務はなかった。警察当局を御依頼するのは施行者が御依頼されるわけであります。その余分に言うに言われない杞憂の念があることを未然に防ぐために、もうけをもってかぶるがためにやった、未然に防ぐために、私はそういう好意的な考え方をもってお世話させてもらったのでありまして、警察云々は私どもの方は何もありません。
  58. 田中武夫

    田中(武)委員 今の御答弁を聞いていると、やはり毒をもって毒を制すというか、この考え方を伸ばしていくと、いわゆるやくざの鉄火場、子分たちにドスをのまして回りを守らせて、その中で丁半を争う状況と何ら変りはないと理解いたします。もうけをもってかぶらすのだ、そういうことじゃ、私ども了解に苦しむ。だがしかし参考人のあなたに私が今申し上げても仕方がない。通産当局にお伺いします。お聞きのような状態であって、一体通産省は何をしておったのだ。通牒が出てから八年間何をしておったのだ。いまさらばたばたしておっても始まらぬと思う。競輪の今後の施行に対して、どのような決意をもっていこうとしておるのか。一片の通牒を出しただけで事は済まない。少くとも通産省の競輪に対する今までの措置全体について私は不信だ。一体何をしておる。お答え願います。
  59. 小出榮一

    小出説明員 二十五年に通牒を出しまして以後今日までの間に、事態がその通牒趣旨通りに十分改善せられてなかったという点につきましては、私も先般これを認めまして、その間の処置に関する通産省の監督が不十分であったということは、私も申し上げた通りであります。しかしながらそれだからといってこの自転車競技そのものを全面的に否定するということは私はできないと思いますので、問題は自転車振興法の法律趣旨を適正に実行し得るような事態に、われわれといたしましてはこれを行政指導し、監督し、また競技施行者及び関係の団体もそういう心がまえで、これを実施しなければならぬ、こういうふうに考えております。従いまして今回の措置——もちろんそれは過去における問題は非常に不十分であったかもしれませんけれども、今回の措置を契機といたしまして、私どもといたしましては、その法律の本来の趣旨に立ち戻りまして、それを的確に実行するように、もちろんさっき申しましたように一片の通牒で終るわけではありません。報告をとりました上におきましても、さらにその報告実態が合っておるかどうかにつきましても、具体的に調査をいたしまして、今後先生の御指摘のような趣旨に沿うべく、通産省といたしましては努力をいたしたい、かように考えております。
  60. 田中武夫

    田中(武)委員 何べん言っても同じことを繰り返すので、私もいやになるのだが、大体通産省は競輪のことについて、監督ということは法律ではきまっておるが、実際何もしなかったのではないか。またできないような事情があったのではないか。そうまで言うと、あなたにいろいろな面からついてみたくなるわけなんです。一体何をしておったのか、この一語に尽きると思います。これを今さら何回繰り返しておっても仕方がない。しかしもうすでに今日までの競輪の施行が、あるいはその経理があいまいであったということは否定できない。私が競輪会計は伏魔殿だと指摘したことに、通産当局、あるいは本日の参考人の中で異議があるなら聞かしていただきい。それに対して私の方からも資料をもってまた御説明いたします。だが時間もないようですから、次に移りたい。  地方財政健全化という問題が、現在社会悪としての競輪の存在の唯一の理由であったと考えております。そこでこれは辻さんにお伺いするのが適当かと思うのですが、もしそうでなかったら当局にお伺いしますが、地方財政健全化という至上の目的に対して、地方財政に及ぼすこの競輪収益の均等化という問正題について、まず施行者の協議会として、どのような考えをもって運用せられておるか、この地方財政に及ぼす均等化の問題についてどのような配属をなされたか。同じ問題について通産当局は、どのように考えて運用なされておるか。地方財政の赤字の立て直し、あるいは健全化というにしきの御旗に隠れて、だれがいっても否定できない社会悪であるとにろの公営賭博である競輪がなされておる。これを裏づける、正当化せしめ唯一の理由は地方財政健全化だ。ところがその健全王化という目的に対して、競輪実施がどのようになされておるかということについてははなはだ疑問である。大きなところに開催回数がいく。従って健全であるところがよりもうける。不健全であるところにその開催回数が渡らないというようなことがなされておる、現実においてあるのです。そういうことであったならば、この競輪を正当づけるところの唯一の理由である地方財政健全化という目的からもはずれた運営がなされておると指摘せざるを得ないのですが、辻さんと局長の御答弁をお伺いいたします。
  61. 辻松一

    ○辻参考人 お答えを申し上げます。大体昨年度あたりの収益の状況を見ますと、大約八十億近いものがあるわけであります。この使い道といたしましては、主として住宅の建設とかあるいは校舎の建設、社会福祉の施設あるいは失業救済その他というようなものに使っておるわけであります。同時にまたこれは施行をいたしております団体がそういうふうにやっておりますが、先生は、そういう収益を他の団体にも均霑するように考えておるかというふうな御質問だと思うのであります。実はこれを作りました当初は、作りました施行者以外に、他に貸すという形はほとんどなかったのでございますが、政府の指導もあり、私どももできるだけ広い範囲の地方自治体に同様な利益をというような考え方で、今日に至りましては大体六十の競輪場を都道府県市町村大約二百二十が使っておる、こういうふうな事情に相なっておる次第でござといます、従いまして漸次年を追うとともにそういうふうに他の方にとにかく貸してやるというふうな形を——まあ現実の問題でございまして、なかなか思うようには参りませんでしたが、だんだんそういう形をとって参っておる、こういうふうな実情でございます。なおその他の問題で一般的な面にということでございますが、実は特別競輪というふうなものを三十二年の後半から実施をいたしまして、三十二年、三年では大約六億円くらいの金をガンとかあるいは結核、精神病その他一般の社会福祉事業といったようなものに出すようなこともいたしておる次第でございます。
  62. 小出榮一

    小出説明員 お答えいたします前に、田中先生の御意見によりますと、この自転車競技というものの存在の唯一の理由は、地方財政健全化というふうな御見解のようでありますが、私どもはそう考えていないのでありまして、地方財政健全化に資するということはその一つの重要な目的でございますが、それだけが目的ではないと考えております。しかしながら地方財政健全化という点につきましては、ただいま施行者競技会の方からもお答えいたしましたように、競輪施行権を持っておるのは都道府県、これは当然に持っておるのでありますが、各市町村につきましては、自治庁長官がその施行者を指定するわけでありまして、その中でそれぞれの競輪の開催日数を定めてやっておるわけでありまして、一応競輪場当り年十二回というワクはございまするが、そのワクの範囲内におきまして余裕が出ます場合におきましては、他の自治団体等がそこを借りてやるというようなにとも考えられるわけでありまして、この収益の均霑化ということにつきましては、それぞれの施行者あるいは関係の都道府県等とできるだけ協議をして、その均霑化ができるというふうに持っていきたいということは、私どもも考えております。それからなお、この上りました地方財政に繰り入れられまする収益の使途につきましては、具体的にこれはそれぞれの報告がございますけれども、住宅建設なり学校建設なり、あるいは都市の復興事業なり、あるいは公共社会施設、中小企業振興費、失業対策という各方面に、きわめて有益に使われておるというのが実態であります。
  63. 田中武夫

    田中(武)委員 私はあえて競輪実施のにしきの御旗というか、唯一の正当化づけるところの理由は、地方財政健全化だけであると申し上げました。なるほどあなたの言いたいところはそのほかのたとえば自転車工業の振興とかいろいろのことをあげたいのでしょうが、それは何も競輪でなくてもできる。現にいろいろな機械工業振興法というようなことは別の法律があるわけです。今日この地方財政の問題と、なおこれに直接雇用せられ、関係しておる人の転業というか生活の問題が片づくならば、与党の諸君といえども競輪を即時廃止する、自転車競技法廃止法を可決することについて、私は異議がないものと了解いたしております。ただこれに対して踏み切れないのは、地方財政の問題が大きな負担である、こういうことであろうと私は理解しております。法によって目的が三つ、四つ掲げてあるから、それが全部ということでなく、地方財政の問題さえ片づくならば、即時廃止に与党の諸君も反対でないことを私は理解いたします。もし反対であったら伺いたいのですが、それを正当化つける唯一の裏づけである地方財政健全化ということに対して運営の中心か置かれるべきではなかろうか、たとえば町村合併等においていろいろな情勢も変ってきておる、そういう情勢も十分見て運営をなすべきである。ところが実際はそうでなく何県においでは何回ということを指定しておりながら、これに対する追加何回というようなことが、どうも大きなところへ行っておる、そういうことならば地方財政健全化という問題に対してその運営方法を誤っておるのではないか、このように考えるわけであります。委員長の方からもう時間が来たというようななにもございますので、いろいろとお伺いいたしたいし、第一私が今日参考人の皆さんに来ていただきました真の目的は、まだこれによって達せられておりません、と申しますのは、私が伺いたかったのは、具体的にこの競輪収益が自転車競技法による目的に対して、どのように何%が使われて、その目的以外の金に何%が使われておるのか、そういうことによって社会悪、国営賭博としての競輪を正当化づける裏づけになるのかどうか、そういう点をはっきりと知りたかったのですが、松本参考人以下の答弁によっては、そういうことははっきり出ておりません。従いまして委員長にお願いをいたしておきますが、私これで今日の質問は、午後の参考人の問題もあり、まだ四、五名の質問者もございますから、一応終りますが、私が今申しましたいわゆる競輪経理がはっきりとするような資料を出していただきたい。私の要求するところは、その収益がどのような方面幾ら使われておるか、しかもそれが自転車競技法の目的とするところに幾ら使われておる、たとえば地方財政健全化方面幾ら使われておる、機械工業振興の問題について幾ら使われておる、経費幾ら使われておる、その経費の大まかな内容はどの方面に使われておるのか、こういうことをお伺いしたい。そういうことがはっきりしていないので、それに答えができるような資料を出していただきたい。  なお参考人のうちで大阪増村さんについては私、労働基準法違反の問題、職業安定法違反の問題あるいはあなたが土井某に対して一月以来八月まで支給せられた金額は、彼が全国指名手配となっておる事実を知らないはずはない。事実を知っておりながらそれを支給しておることは刑法上の逃亡補助罪にはならないかというような問題等も突っ込んで伺いたかったのですが、参考人としてのあなたに、まあお上客さんですから、あまりどうかと思って、それに時間もないのでやめました。しかし私あとで考えてみまして、まだ十分私は理解しておりません。従って今度は証人として来ていただくことになるかもわかりません。これは委員長等と相談いたしますが。  それから辻さんに一言申し上げておきたいことは、私が申し上げておるようなことであって、先日職業安定局長等の意見も聞いたところが、これは職業安定法違反だ、こういうことを言っておる、少くとも自衛警備費として出されているものを詳細に検討するならば、職業安定法違反があり、あるいは労働基準法違反があり、その他いろいろな問題があり、突き進むならば背任罪までいくかもわからないと私は考えております。もし職業安定法違反というとならば、これは提供者も受けた者も違反になるわけです。そうすれば全国施行者すなわち府県知事なり市長全員が職業安定法四十四条違反として告発せられるような問題があるということだけは十分考えていただきたい。これについて参考人の皆さん方から特に御意見があるなら伺いましょう。そういたしましてそういう事実がないというならば、私の名において全員を告発してもいいと考えているのですが、そういうことはおとなげないからやめますが、あなた方が私が申し上げることに対して異議があるならば、委員長からもう時間が来たと言われておりますが、私は続けていきます。何か特に最後に当って参考人の方から御意見があるなら伺いたいと思います。
  64. 長谷川四郎

    長谷川委員長 参考人の方からは、別に意見はないようでありますから、田中君はそのくらいにしてもらって、あと大矢さんにかわっていただきましょう。大矢省三君。
  65. 大矢省三

    ○大矢委員 時間がないから、ごく簡潔に二、三お尋ね申し上げたいと思います。  御案内の通りに、本日はいわゆる自転車競技に関して、競輪に関しての参考人としての意見をお伺いいたしたいのですが、先ほど来承わっておりますと、どうもその点が明らかになっておりませんので、残念なことであります。最後田中君がおっしゃったように、この法に基いて自転車振興会にどれほどの金が昨年一年間にきているか、あるいはこの十年間にどれほど金がきているのか、その金の用途、内容はどういうことになっておるかということについて、詳細に一つ書面でお伺い申し上げたい。そうでないと、先ほど承わっておりましたが、どうも明らかでないのであります。  それから今回の問題は、大阪の十井組が犯人をかくまったということに非常に重大な問題があり、そういう関係振興合本との門にあったということが非常に問題とされておるのでありますが、今承わりますと、六十カ所のうちで四十四カ所が大同小異こういうケースを持っておるようでありますが、一体監督官庁は、この種の問題についてどういうふうな警告をされたか、今まで知っておったのかどうか。もし知っておったならば、四十四カ所もこういうところがある、しかも大都市が中心となって行われておるのでありますから、警告があってしかるべきだ、監督官庁は当然なすべきことだ、それがなされておったか。しかも私は四十四カ所ということを初めて聞いたのですが、そういうことを前から知っておられたかどうかということを、まず監督官庁にお聞きしたい。これはいうまでもなく監督官庁の不手ぎわから、こういうことが起きたということも考えられる。起きた現象だけを見るのではなくて、私は今後将来そういうことのないように監督官庁にお願いを、申し上げたいから、このことを特にお聞きをいたしたいと思います。
  66. 小出榮一

    小出説明員 先ほど施行者協議会の方からお答えいたしました四十四カ所と申しますのは、六十カ所のうちで自衛警備員を使っているのが四十四カ所、こう申し上げたのでありまして、あと施行者はみずつからが自衛警備員を雇わないで警察力にたよっている、こういう場合であります。従いまして、その自衛整備の内容が、特定の組というようなものによりまして、請負の形をしているものもあるし、あるいは直接雇用という形をしているものもある、こういうことでございまして、その四十四カ所が全部ボス的ないわゆる委託をしておるということではなかったわけでございます。従いましてその内容につきましては、先ほど来田中先生の御質問に私がたびたびお答えいたしましたように、従来その実態の把握につきましては、確かに不十分であった点がございますが、これを契機といたしまして、そういうボス的な委託契約というようなもののないように厳重に措置していきたい、かように考えております。
  67. 大矢省三

    ○大矢委員 とかく監督官庁というものは問題が起きたときに、何かそれを適当に答弁をして終るような傾向がしばしば見えるのであります。私はこの機会に施行者並びに振興会あるいは監督官庁たる通産省の関係の人に、ぜひお聞きしたいことは、二十六国会で衆参両院とも附帯決議がなされていることは御承知の通りでありますが、その附帯決議に対して具体的に何か相談をされたことがあるかどうか。衆議院におきましては七項目の附帯決議があって、その第一は車券の売上高の百分の一に相当する金額を社会福祉、公共施設のために支出するところの処置をとれと書いてある。これは衆議院です。参議院はさらにそれを具体的に「スポーツ的娯楽としての性格を促進するとともに競技場の環境の明朗化を図ること。」それから選手の素質向上、そういうもののために使えということが、これは両方とも、文章は多少違いますが、そういうことも載っておるのでありまするが、これに対して、施行者並びに振興会あるいは通産省との間に、この院議を尊重する意味で衆参両院の、しかも具体的に数字まで出しておりますが、これに対して検討されたことがあるかどうか、その経過なりを一つ簡単でよろしゅうございますから、お聞かせ願いたいと思います。
  68. 小出榮一

    小出説明員 ただいま御指摘の国会における附帯決議の趣旨につきましては、もちろん直ちにその趣旨に基きましてその具体化について協議を行い、その趣旨に沿うべく努力して参ったのでございます。まず第一に競輪の収益の一部を社会福祉、保健衛生千あるいは公共施設ないしはスポーツ振興という方面に支出するという問題につきましては、御承知かと思うのでありまするが、特別競輪というものを開催させまして、主としてこれはオリンピック関係経費に充てるということが、一つの契機になっておりましたのですが、オリンピック関係のみならず厚生省関係の結核であるとか、あるいは身体不自由者の特別の団体に対する寄付とか、そういうようなことのための審議会を設けまして配分をいたしておる点は、御承知かと思います。それから競輪の選手の待遇改善に関する問題につきましては、申し上げるまでもなく競輪の川場選手の収入というものは賞金だけでございまするが、今後将来の退職後における身分の確定というようなことにつきましても、何らかの措置をとるべく、それぞれ施行者あるいは振興会の万と相談をいたしまして、その具体化をやっております。ただこの競輪選手の待遇改善の問題に関しましては、選手と申しましてもこれは一種の自営業者というような建前になっておる関係上、多少その点におきまして普通の労務者とは違う関係になっておりますので、それらの制度化につきましては、なお今後とも研究を進めていきたい、かように考えております。
  69. 大矢省三

    ○大矢委員 今御答弁にありましたように、特に選手の問題については特別な事情があるのであります。これは基準法あるいはその他災害補償、そういうことについての適用も受けられない、きわめてあいまいな点があるので、特にこういう附帯決議がなされた。従ってそれでより以上にこの問題については関心を持って処理をしていただきたいと思います。とかく戦後十年を経過しておりまして安定いたしました結果、この種の射倖行為に対して鋭い社会的な批判があるのであります。これに対していろいろ問題が起きるたびにこれに関係しておるところの職員並びに車券を売っているところの臨時従業員等は非常なる不安を持っている、何どき廃止されるかわからない、その場合にどうするかということ、さらにまた選手においては御承知の通りにああいう危険な仕事でありまして、しかも非常に特殊な関係から十年を継続するということは困難であります。そういう特殊なところがありまして、これらに対する退職金、あるいは危険に対する災害補償、こういうものについてば特に考慮を払えということを院議をもって委員会が衆参両院とも決定している。それに今日まで何らの具体的なものは出てこない。私はもちろん選手もみずからの問題として真剣に考えるべき必要があると思いますが、また監督官庁並びに施行者なり振興会は、第一に人間の問題として、生命の問題として特に重要視して、この院議尊重の意味からいっても、当然なすべきであるのに、まだ何もなされていない。考慮するというだけです。具体的にこれはこういうことです。「選手の素質向上並びに生活の安定を図り、災害補償、退職金等について特段の配慮をすること。」、「競技場従業員特に臨時従業員の身分について検討し、併せてその待遇改菩等について努力すること。」という決議がなされておるのであります。私は時間がありませんから多くを申しませんが、院議を尊重し、しかもその選手、それに携わる者が安心して施行に当るようにしなければ、いろいろな問題が起きてくると思う。八百長の問題も、一方を究明するだけでなく、なぜそういうことをしたかという原因を究明する必要がありましょう。こういうことでありまして、院議で決定したのに、こういう結果が出てきたのは一にかかって、監督官庁が平素の監督を不行き届きにしたからだと思う。今四十幾つか大阪と同一ケースのものが相当あるのではないかと私は思っている。それならそれに対して、今起きた大阪の問題だけでなく、ほかの問題をどういうふうに処理するという特別な案がありますか。こういうものがなくして、ただ漫然と、起きたときだけその場限りの答弁をするというとでは、またしてもこういう問題を繰り返すおそれがありすから、こういうことを申し上げるのです。さらに、今申しました院議を尊重するために——この関係の職員は、こういう問題が起きれば戦々きょうきょうとしていますよ。関係職員はそれぞれいろいろな持場を持っておりましょうが、それらの人が、とにかくこれが廃止されつても、こういう問題が起きても、あるいは職を離れた場合の措置も今から講じて、それらに安心して従事することができるような方策を具体的に立てる、これを三者は何どきまでやるか、あるいは至急に行う意思があるのか、漫然と問題が起きたときにやればいいというような考えでおられるのか。通産省が幾らやかましく言っても、これはまとまらぬ問題であります。施行者、選手会、振興会、これらを合せて、重大な問題でありますから、三者において特に院議を具体化するために、いつまでにこの問題を処理してわれわれに報告していただけるか、大体の見通し、あるいは決意なりを一つこの機会にお尋ね申し上げたい。
  70. 小出榮一

    小出説明員 お尋ねの院議で御決定いただきさました選手の待遇改善の点につきましては、具体的には三十二年八月、中央選手制度改善委員会というものにおきまして、選手全体の待遇と申しますか、取入は結局賞金が主でございますが、昭和三十年の選手の賞金総額の一五%値上げをすることを決定いたしまして、三十二年の一月から実施をいたしました。これは具体的に待遇改善に関しましてとりました措置でございますが、なお、ただいま御指摘の選手の地位が非常に不安定である、将来のことが非常に心配であるという点はもっともでありまして、これに関する将来の退職金制度——現在選手は自営業であるという建前から、共済会制度ということで、賞金の一部を積み立てて、災害補償なり退職金の積み立てに引き当てでおりますが、そういう制度でいくか、あるいは別途退職金というふうな形に、するかにつきましては、競輪の施行青の団体と、選手の方にも団体ができております、これは労使関係ではございませんけれども、労使に比較的似たような関係になっておりますので、この両者の間の相談を今やらしております。そこでもし案がまとまればけっこうでありますが、何らか通産省として調整を要する問題が出て参りました場合には、通産省としてはできるだけ院議の線に沿うべく調整に乗り出山したい、かように考えております。
  71. 大矢省三

    ○大矢委員 去年の八月からそういう特別な委員会ができて審議されているわけでありますが、賞金というのは選手だけに行き、ほかの者には関係がない。すなわち、競技に当る職員あるいは臨時職員の車券売場の人、そういう人たちは何ら関係がない。これはまた別個に考えてもらわなければならぬ。また選手の方々も自分の問題として関心を持ち、みずからもこれに対して具体策を持たなければなりませんが、院議の決定は選手に命じていない。監督官庁施行者振興会が協力してこういう問題を処理しろ、こういう趣旨なんです。その後何回国会合があったか知りませんが、もっと具体的に問題の処理に当ってもらいたい。何か振興会施行者の問にいろいろ議論があるようでありますが、今日までどうしてこれができなかったのか。今日何ら具体策もないのか、この点を両振興会並びに施行者にお伺いしたい。なお、先はど申しましたように、松本さんに、振興会経理内容振興会に対して幾らの金が実際に来て、どういうふうに使われているかということを伺いたい。
  72. 辻松一

    ○辻参考人 ただいまの大矢先生の御質問でございますが、選手の待遇改善の問題は、物的と申しますか、そういう方面のこと、それから処遇の問題に分れると思います。ただいま重工業局長からお話がございましたように、大体選手と施行者とはそのときどきの雇用関係、出場契約というふうな形をやっておるわけであります。そのときどきに出場してもらうという形で、ありますので、勢い賞金が中心になるわけであります。従いまして、いろいろ検討の末一五%値上げをいたしまして、これは計算してみなければわかりませんが、収入は一人当り月額七万五手円くらいになる、かよ、うに考えておる次第一でございます。なお、先般来選手の方から退職金の問題について検討してくれというふうなお話がございました。本来そのときの出場契約というふうな形で処理をしておるものでありますから、退職金ということはどうもなかなかむずかしい問題であります。しかし、いずれにいたしましてもそういう希望がありますので、これらの点につきまして十分検討をいたしてみたい、かように考えておる次第でございます。
  73. 松本學

    松本参考人 ただいまお尋ねの従業員の問題につきましては、振興会でそれぞれの事情がありますので、振興会施行者と相談をしつ決定をいたす、こういうことにしておりまして、日本自転重振興会としては、そういういうことに指導をいたしておるような次第であります。  それから資料につきましては、印刷したものもありますので、あとでお手元へ差し上げたいと思います。
  74. 大矢省三

    ○大矢委員 それではこれをもって終ります。
  75. 長谷川四郎

    長谷川委員長 本件についての質疑はこの程度にとどめて、おきたいと思います。私からも申し上げますが、残念ながらきょうの参考人の御発言は、私が聞いておりまして非常に不徹底でございます。去る八月二十九日に御通知を申し上げてあったのでございまして、もう少し御勉強をなすって御答弁を願いたかった。実に残念でございました。いずれ機会を見まして、もう一度皆さんにお話を承わりたいと存じております。大へんお忙しいところ、また暑い中をわざわざお越し下さいましてありがとうございます。御苦労さまでごさいました。     —————————————
  76. 長谷川四郎

    長谷川委員長 次に産業経済基本施策に関する件について調査を進めます。質疑の通告がありますので、順次これを許可いたします。本件につきましては時間の都合もありますので、時間はあらかじめ質疑者に申し上げてある通りであります。これより質疑を行います。中井一夫君。
  77. 中井一夫

    ○中井(一)委員 本日は、私は近く開かれる臨時国会並びに来年度の予算の編成期に備えまして、一般通産関係の諸問題について、とくと通帳大臣の御所見を伺いたいと思っておったのでありますけれども、大臣は御欠席でございますから、緊急なる数点についてのみお伺いをして、一応当路者から御意見を伺っておきたいと思います。なおこの質問は、来るべき委員会に重ねて通産大臣に伺いたいと思いますから、この質疑をお聞きの当路者は、通産大臣によくその旨をお伝え願いたいと思います。  まず百貨店と日通販の問題なのでありますが、百貨店法が三十一年にしかれて以来今日に至りますまで、百貨店の行き過ぎを是正するというような意味において、通産大臣から勧告をせられたということはなかったのであります。しかるところ百貨店と日信販との組み合せがきわめて強力なる営業上の推進となり、その結果微力なる小売商を圧迫するという事態が起り、世間の大問題となりましたから、自然本委員会においても、この問題は強く取り上げられて、通産大臣に対する各委員からの要望ともなった次第であります。これについて通産大臣は九月五日に百貨店に対して一種の勧告をお出しになりました。割賦販売について自粛をするようにということに尽きるのでありますが、この通産大臣のやり方について、それは百貨店法の第九条にいういわゆる勧告ではない、きわめて手ぬるいものだ、通産大臣はこの場合第九条による勧告を、なぜ堂々となさらなかったかと、言う人もあります。本員といたしましては、通産大臣はそれでもよくもまあこの勧告をなさったと感謝をいたしておる次第なのでありまして、わが国中小商工業者も、ここに初めて通産省に、通産大臣に信頼の念を抱くことができるようになったと喜んでおるのであります。しかるにこれに対しまして、百貨店協会より声明書を発した。内容は数点にわたっておりますけれども、要するに割賦販売が野放しの状態にあるので、百質店と小売商の別なく共通の基準をきめることには反対をしない、しかし百貨店だけを特に規制すつるような考え方には承服できないというのが、その抗議の根本であります。百貨店法制定の精神を無視したる議論であって、断じて許すべからざるものだと信ずるのであります。百貨店の資本力が強過ぎる、中小小売商の資本力つが弱過ぎる、そのままはしておかれないというので弱い小売商を擁護して強い百貨店を抑えるためにできたのが百質店法であります。この法律の制定自身が、初めから百貨店と小売商とを区別して、平等の立場に捨ておくことはできないという親心なのでありますから、それを今になって百貨店が小売商と区別されることは承知ならぬなぞということは全く許すべからざる考え方であると思うのであります。この点について企業局長の御意見を伺います。
  78. 松尾金藏

    ○松尾説明員 ただいま御指摘のございましたように、百貨店協会が先般この信用販売の問題について意見書を公表したという点でございますが、実は私どもの承知いたしておりますところでは、百貨店協会では、かねがねこの問題について前から検討をしておったようでありますが、私どもの方でこの問題について百質店に対して自粛方を要望したちょうどそのときに、前々から検討しておったこの問題に対する百貨店側の考え方を公夫したということであるように聞いております。しかし百貨店側としては、そのような考え方を一応基本的には持っておるけれども、しかし通産大臣から、現実に起っておる小売商とのトラブルについて、その角度から自粛方を要望されたことについては、百貨店側としては了承し、現在すでに信用販売をやっておる百貨店についての自粛案を現在検討中であります。従いまして、私どもも百貨川側の考え方の基本には、公平に扱ってもらいたいというような意見は意見としてあるようではありますけれども、しかし通産大臣の自粛方要望にはこたえるというような態度にあるように開いておりますし、現在まだその線で自粛案を練っておるところでございますので、その自粛案の内容を見て、さらにその内容を検討した上上で、具体的な自粛方を百貨店側に要望したい、こういうふうに考えております。百貨店側のあのような意見を公表したことと、現実に自粛をやろうということとは、一応別個に考えておるというような状態であるようであります。
  79. 中井一夫

    ○中井(一)委員 局長の御意見は、百貨店側の弁明としては、きわめて適当な御意見でありましょうけれども、この問題につきましては、局長は重大なる責任のお立場にあるということを、深くお考えにならなければならぬと思います。あなたは本月の五日付で各百貨店に、ただいま申した通産大臣通牒に合せて、百貨店業者の割賦販売の自粛についてと題する書面をお出しになっおるのであります。従いまして、もし大臣の自粛要望、局長の自粛正要望が百貨店側のいれないところとなるということになるならば、過差省の権威、通産大臣の権威は、彼らによって無視せられることになるのでありまして、あなたの主管局長としての責任、きわめて大であるということを自認されねばならぬと思うのであります。ただいまのお話では、いかにも百貨店側のために弁解するようなお言葉で、監督官庁といいますか、指導官庁としての役人のお話とも覚えぬのでありますが、そんなに甘くこの問題がいくもつのでありましょよか。私は、あなたが百貨店あてにお出しになったその通牒内容のうちに、割賦販売の問題については、近く発足する産業合理化審議会流通部会で審議をするから、一般の問題としてはその結果に待ちたい、しかし現実のこの日信販との問題につきましては、日本百貨店協会を中心として検討中であるから、その結果によってしかるべくきめていきたいというようなことを言うておられるのであるが、規制せられるのは百貨店であります。規制するのは通産省なんです。規制せられるものに規制せられる内容について相談をさしておるというのでは、いかにも手ぬるい感じを免れないのであります。ただいまのお答えに思い合せて、これでは通産省の百貨店に対するにらみきわめて薄いことを思わざるを得ない。私はこの点に関するあなたの御所信を承わりたいと思います。
  80. 松尾金藏

    ○松尾説明員 私のただいま申しましたことが、非常に百貨店側を弁明しておるような印象になったということでありますれば、そのことはおわびを申し上げます。ただ私が申し上げておりますのは、百貨府側としてあのような反対声明を出して、そして通算大臣の勧告を無視してやっておるというような状態ではないということの事実を申し上げたかったのでありますが、私の言葉がそれ以上に出ておりましたならば、その点はおわびを申し上げたいと思います。なおただいまお話のございましたように、かりに百貨店がこのような自粛の要望に対してこたえない、あるいはそれを無視するというようなことになれば、今お話の通りでございますが、現実の問題としては、先ほど申し上げたようなことで現在進捗中であります。ただ私がこの際に申し上げておきたいと思いますことは、何分にも百貨店に対して法律をもって直ちに強制をするような制度は、現在ではないのであります。かりにこれを百貨店法に基く勧告という形をとりましても、その勧告は要するに勧告にとどまるのであって、その勧告に従わない場合の強制処置もなければ罰則もないという状態であります。従いまして要は百貨店側が政府の自粛要望に対して喜んでと申しますか、みずから進んでそれにこたえ得るような態勢を整えなければならないわけでありまして、そういう意味から今御指摘のような手ぬるいではないかということでございますけれども、各百貨店のそれぞれの実情もありましょうし、また現在すでにそのような営業行為をやっておる状態において、百貨店自身がまず自粛方を考えてほしいということで、百貨店協会を中心に自粛案のまず一案を作ってほしいということを申し入れしたのでありすが、もちろん先ほど申しましたように、百貨店側の持ってきた自粛案がどのようなものであろうともその、通りでけっこうだということになるわけはございません。私どもの方でももちろんどの程度の自重をしてほしいという一応の腹案としては、ある程度のものを持っております。百貨店側のその自粛案の内容を見て、われわれの最終的な自粛方の具体策あるいは基準等を示して、この問題が最終的にこの際の解決としては十分な効果を上げるようにということをわれわれも期待いたしておるのであります。形が手ぬるいということと、実際の効果をどの程度収め得るかということは、やはり今後の私どものやり方の結果を待って、御批判を願いたいというふうに考えるのであります。
  81. 中井一夫

    ○中井(一)委員 よほど御確信のある御答弁でございましたから、局長並びに通産省全体の行き方をつつしんで拝見をいたしましょう。ただいま御答弁の中にありました通り、耳貨店の行動については、法律上これを強制して規制するの道がないといわれた、問題はここなんです。大臣がかりに百貨店法第九条に基く勧告を百貨店に出されても、百貨店がこれに従わざる場合においてはこれを強制して規制する道がない。そこで私が伺わんとするのはそれでよいのであろうかということです。かりにも大臣が勧告するということであるから、よほどのことでなくちゃならぬ。それを百貨店が法律上規制の方法がないからというので、平気で自分のなさんとするところをやっていって、いかに小売商人が困っても平気だというようなことです。それでおさまるであろうかということです。この問題はいよいよ今日解決しなければならぬ段階に来たと思うわけです。百貨店法が定められてまだ数年たちませんけれども、百貨店法が作られたときにおいては、日本では初めての法律なんだから、まずこの程度でというのが、あの行き届かざる力の弱い法律になったんです。今日ではそれが許されない。ここにおいてこの勧告がなされて、しかも聞かれぬ場合においては、強制力を持つということにこの法律を改正するの必要があるということを私は信ずる。局長の御意見を伺いたい。
  82. 松尾金藏

    ○松尾説明員 先ほど申しましたように、現在問題になっております信用販売の問題について、おそらくその実施の結果について、私どもの期待している結果を私は一応考えております。従いまして今直ちに百貨店法を改正してどうこうというようなところまで、私は現在は考えておりません。
  83. 中井一夫

    ○中井(一)委員 もとより私のただいまの質問は、た、だいまこれを改正する、日信販のためにこの法律の改正を必要とするという趣旨ではありません。こういう事態に対応するために、将来この法律を改正しておいて、そうしていろいろな事態の起るのに対処するの用意をする必要がある、かように言っておるのであります。願わくば通産省におかれましても、中小企業者のほんとうの味方だということを徹底する意味で、本法の改正につきさ格別お考えをいただきたいと思います。  そこで次に、私は商工組合法の問題に入りたいのだが、商工組合に関する当路者だれかおいでになっておりますか。
  84. 長谷川四郎

    長谷川委員長 中小企業庁折導部長川場君がおりますから……。
  85. 中井一夫

    ○中井(一)委員 それでけっこうです。  次に中小企業団体法の問題に関連してでありますが、ただいまお聞きの通り、百貨店に関係いたしましても、百貨店法改正の時期が来ていると私は信ずるのだが、同時に、団体法の問題についても、改正すべきものがすでに多々現われておるということを思うのであります。こういう遡行においてお尋ねいたしたいことは、商工組合が、団体法ができて以来、一体幾らできたかということを、まず承わりたい。もとよりこれには今までありました調整組合を商工組合に転換したということは当然でありますが、これは除いて、この団体法ができてから、あらためて商工組合のできたものは幾つあるか、これを承わりたい。
  86. 馬場靖文

    ○馬場説明員 今のお尋ねは、新しい団体法に基いて調整組合からかわったのでないものというふうに承わりましたが、これは実は私ども当初予定しておりましたような勢いではできておりませんで、詳しい数字は今持ち合せておらないので恐縮でございますが、全国的なものにおいて約三件程度、その他これは数は少いように承わっております。
  87. 中井一夫

    ○中井(一)委員 驚くべきことでありまして、せっかく国会があれほどえらい努力をして作り上げた団体法がしかれて、もう数カ月になりますが、それがいまだにただ三つの商工組合よりできないなんということは、私は中小企業庁の存在の意味からいっても、決してけっこうなことではないと思います。この問題が先般来当委員会においてもしばしば取り上げられてきておることは御承知の通りでありますが、この組合ができぬということについては、何としても不況要件があまりにむずかし過ぎるということであります。しかも、その上にこの組合を結成するのに実際上の指導の立場にある各都道府県の出先の官吏の人々が、あたかも商工組合などというものは作れないのだ、これを作るのにはもう非常なむずかしい要件が要るのだというようなことを商工業者に知らせますがゆえに、商工業者もあきらめて、できないものとして、やりたくてもこれを実行せぬというのが今日の現状なのであります。ここにおいて法律上不況要件がなかなかむずかしいということを直ちに改めることができないのならば、せめてはその実際の指導の地位におるところの人々に対し、あなたの部下その他の役人に対して、進んでこれを作らせるように命令をせられることが必要だと思いますが、それについての御用意はいかがでありますか。
  88. 馬場靖文

    ○馬場説明員 先ほど申し上げましたのは、ただいままでにできましたものを申し上げましたので、ただいま進行中のものがさらに幾つかございます。全体の傾向といたしましては、それぞれの業界におきましてお互いに他のもののでき工合を見て待っておる、こういうような状態でございまして、あれができるのならおれの方も出してやろうというような情勢になっておるようでございます。ただ府県によりましては、今先牛御指摘のように非常に厳格に解しておるようなところもあるやに聞いております。これは私ども趣旨の徹底を欠いておったということに原因することもあるようでございますので、私どもこれからあらゆる機会をつかまえまして、その趣旨の徹底をはかりたいというふうに考えております。幸い今月の下旬には、全国の商工経済部長会議も開くことでございますし、その前には私どもの方の通達局長会議も開かれますので、そういう際をつかまえまして、先生のおっしゃいましたような趣旨の徹底をはかりたいというふうに考えております。
  89. 中井一夫

    ○中井(一)委員 あれのできることを容易にお許しならぬからして、これもできないのだとあきらめておるのが、今日の実情なのでありますから、ただいまお答弁の通り大至急この問題について有力な行政指導をなさるように希望をいたしておきます。
  90. 長谷川四郎

    長谷川委員長 中井君、時間が経過しますので、あと三分ほどで結論を願います。
  91. 中井一夫

    ○中井(一)委員 本委員会においてたびたび問題になったことは、政府においていろいろの委員会を作られる、その委員会のうち中小企業に関係あるようなものは、ぜひとも中小企業者から委員を選ぶべきだういうことを言われて参ったのでありますが、これについて今答弁をせられる方おられますか。この委員会の構成について、その委員を中小企業者から選べという問題がいつもありました。これについての問題で答弁される方、おられますか。この中小企業の関係について政府に諸種の委員会が作られる。これは単に通産省関係だけではない。税制の問題もしかり。ことに高くて困るというので、今やかましく軽減を要望せられておるところの事業税の関係等のごときも、その一つでありますが、七月の十八日に閣議で決定されてできた臨時税制委員会というもののうちに、十数人の委員政府から任命されたけれども、そのうちに一人の中小企業代表と見るべき人がいない、こういうことではこの大切な、今現に一番政治的に社会的にやかましくなっておるところの事業税問題を解決することはできない。それでは全く通産省としてもわれわれ委員としても残念にたえないところだと思う。その点について、どういう事情でこういうことになったか、それを承わりたい。
  92. 長谷川四郎

    長谷川委員長 ちょっと速記をとめて。     〔速記中止〕
  93. 長谷川四郎

    長谷川委員長 速記を始めて。
  94. 中井一夫

    ○中井(一)委員 それでは私言葉を進めましょう。この委員会はもとより大蔵省主管です。しかし少くとも事業税に関する限りは、通達省は黙して諮らぬわけにはいくまい。本日大臣が出ておられるならば、この委員会を作ることについては閣議で決定されたのだから、大臣もその閣議に出席しておられるはずである。それゆえに自分の方は通産省で、税金は大蔵省だからといって、全然一言も差しはさむことができないなんという問題ではないと思う。すでにこの委員会で、たびたびこの種の問題がやかましく大臣に対して要望されておるのであるから、こういう税制の改革に関する委員会が閥族で決定する以上は、閣僚の一人として、大臣は当然通産関係の、特に中小企業の代表者よりその委員を選んでくれということを、主管省に要求されてしかるべきものだ。しかるにこれをなされなかったということについて、私は、大臣はなはだ当を得ぬではないかということを申している。本日大臣が御出席にならぬことは残念であるから、通産省の諸君から大臣に、帰ったら、委員会でやかましかったぞ、大臣もっとしっかりやってくれということがあったぞということをお伝えを願いたい。この程度にいたしましょう。
  95. 長谷川四郎

    長谷川委員長 小林正美君。
  96. 小林正美

    ○小林(正)委員 ただいま中井委員から御質問がありましたので、若干重複はいたしますが、角度とニュアンスを少し異にいたしますので、重ねて企業局長にお尋ねをいたしたいと思うのであります。  七月三日の商工委員会におきまして、社会党の田中武夫委員から質問があって、それに対して大臣は、この割賦販売の問題については、はなはだ申しわけないが、日本信用販売株式会社が現在どういうような活動をしておるか自分は詳しく知らない、これを十分調査いたしまして、もしその弊害が田中委員のおっしゃるようなものであるならば、百貨店法の第九条を発動いたしまして、これを処置をいたしたいと存じます。こういうような答弁をしておられるのでありますが、その後いろいろとこの日信販の運動が活発に行われて、各所に大きな問題を巻き起しておる。それにかかわらず、通産省においてはいわゆる百貨店法の第九条を発動しないで、単なる九月五日の通達でもってお茶を濁した。中井委員はその勇気に対して大いに敬意を表しておられたのでありますが、私はこういうような通産省の能度に対しては、はなはだどうもあきたらぬ感じを持っている。なぜ第九条の発動をしなかったか。この点についてもう一度部長の考え方を一聞きたいと思うのであります。第九条に基いた場合と、いわゆる九月五日の通達を出したそのことと、効果において一体どのような差があるとお考えになっておるのか、この点を一つ伺っておきたいと考えております。  そこで私はこの機会に一つの例をひいて、いかにこの問題が現在深刻な様相を呈しておるかということのお話を申し上げたいのでありますが、最近名古屋におきまして丸栄百貨店の日信販割賦販売加盟という問題について、地元の小売業者は非常に騒いでおります。これは自分らの死活問題だというので大へん大きな問題になっておりまして、たとえば丸栄と取引を行なっておるところの某銀行とは、名古屋の小売業者は今後一切取引をしない、預金はすべてこれを引き揚げてしまう、さらにまた丸栄に品物を納めておるところの問屋からは、今後名古屋の小売業者は品物を一切仕入れをしない、さらに小売業者とその従業員や家族は、丸栄では今後一切品物を買わない、こういうような決議をいたしまして、まだ実施の段階には至っておりまっせんが、こういうことを現在一つのてことして、丸栄に強く交渉をしておる、こういうことを私は聞いておるのであります。このような事態にまで突入しておる現在の段階において、なぜ通産省が九月五日の単なる通達にとどめておいたか、一体これがどのような効果があるものと考えてやられたのか、その点私は非常に疑問に考えるものであります。しかも先ほど中井委員がおっしゃったように、その通運の中を見ますと、通達の趣旨とするところば、すでに割賦販売を行なっておる業者については、その割賦販売活動を一切自粛していただきたく、その具体的方法等については、目下日本百貨店協会を中心として検討中であるから、その意見を参酌しって早急に決定し、決定後はこの方針に基いて自粛していただきたいということである。こういうように、われわれにわざわざその通達の中で断わっていらっしゃるのであります。しかもこれの取締りをしようとする立場にある監督官庁たる通産省が百貨店法第九条に触れるおそれがあるところのこうした問題につきまして、百貨店自体の意見を参酌して早急に決定し、決定後は、この方針に従って自粛してほしいというがごとき発言をしておられるということは、一体通産省は何を考えておられるのか、まことに私どもは理解に苦しむものでありまして、大へん暑い関係で、少し頭がどうかしておるのではないかと思っておりますが、こういうような疑問を持たざるを得ないと私は言いたいのであります。通産省が百貨店割賦販売の具体的基準を決定せんとする場合に参考とすべきものは、政府の言われるような日本百貨店協会を中心として検討をしておられるいわゆる自粛具体案というものではなくて、この場合どうしてもわれわれが必要と思うことは、現実に苦しめられておる中小商工業者の血を吐くようなそういう声をこそ、最も重要視されなければならぬのではないか、どうもあべこべの通産省の考え方であるというところを指摘しておきたいと思います。九月九日の朝日新聞にもこの点が大きく載っておりまして、これは百貨店側  からはっきりとそういうことは反対である、こういう意思表示を受けておる。  こういう場合日に一体あなた方はどういう考え方で、この問題を処理しようとされるのであるか、重ねてお答えを承わりたいと思います。  なお、私はこの際申し上げておきたいのであります。よく百貨店側はっこうした割賦販売の問題を処理医する場合に、決してその割賦販売の比率は伸びていない、むしろ年々少くなっておるのだ、こういうような説明の仕方をしております。しかしこれは非常なごまかしがありまして、実際百貨店協会から出しておる書類を見ましても、現実に割賦販売によって行われておるところの取引はふえておる。たとえば昭和三十年は百貨店の割賦販売売上高は五十億九千七百四十四万四千円、三十一年は五つ十七億六千二百三十九万円と伸びを示しておりまして、さらに三十二年は六十六億二千七百五十九万四千円、こういう工合に飛躍をいたしております。特に三十三年度におきましては、あるいは政府が何らかの措置を行うのではないかというような懸念もあったのでありましょう。ぐんぐんと日信販と百貨店との間に契約がふえまして、三十三年度の伸びは、私は昨年あるいは一昨年に比して、もっと飛躍的な伸びを示すのではないか、こういうような感じがするのであります。百貨店のちょうどあの法律が制定されようとするときには、百貨店法を今作る、もう作るということがだんだん言われておって、それが現実に延びた。このことが実際は百貨店のいわゆる新増設の競争に拍車をかけた結果になってしまって、ここ一、二年の間に百貨店の売場面積は大へん伸びておる。もう過去の十年間の数倍の伸びをここ一年間で示しておるということは、われわれは政府の非常な手落ちであると考えるのでありますが、こうした割賦販売の問題につきましても、通産省がどうもやり方がなまぬるい。そこで通達を出した。これはあたかも将来は何かもう少しきびしい措置がとられるのじゃないか、今のうちに大いに日信販と各百貨店は割賦販売の契約をすべきだ、こういうような、逆に通産省が奨励しておるような結果を招いておる、私はこういうような感じを現在抱かざるを得ないのであります。現に一例を申し上げますと、たとえば八月の下旬には名古屋の丸栄が、口信販と契約をしておる。また神戸の十合百貨店は八月の二十七日にやはり口信販と割賦販売の取りきめをした。また大丸百貨店は、九月五日、ちょうどあなた方があの通達を出されたその日に、割賦販売の日信販との契約を終っておる。さらにその通達がおそらく到着したと思われる九月七日に、京都の四百貨店、大丸、丸物、高島屋、藤井大丸がやはり日信版と契約をいたしております。こういうように現実にどんどんと大つきなデパートが日信販と契約をして、割賦正販売を将来急速に推し進めていくということは、中小企業の方に非常に大きな問題を投げかけておるのでありまして、この点について一体通産当局としては、どのようなお気持で今日までやってこられたか、その点お伺いをいたしたいと思います。
  97. 松尾金藏

    ○松尾説明員 お答え申し上げます。御質問の最初の百貨店法九条に基づく勧告とそうでないものとの問に、どういう差があるかという点でございます。これは先ほども触れたと思いますが、百貨忠法九条に基く勧告につきましても、その勧告がかりに守られない場合の強制措置あるいは罰則というものはございませんので、そういう意味からいえば、法律上の強制的な効果という意味からいえば、法律に基づく勧告であってもなくても、結果は同じような結果に終ると思います。しかし、もちろん法律に基く勧告の方が形としては少くも強い形に相なると思います。また私どもの現在考えておりますところでは、いずれにしましてもそのような強制の方法のないような状態で、この問題の解決をしようといたしますと、やはり百貨店側自身が自粛をしようという態勢になり、また自粛について十分自分たちでも考えて、それを納得のいくような形で、この問題を処理するのでなければ、ただ突きつけた形でこれをいきなり強制しようとしても、この問題の解決はかえってむずかしくなると思いますが、効果が上らないのではないかというようなことを配慮いたしまして、ただいま非常になまぬるいというおしかりを受けておりましたが、私もその意味では現在の法制状態では、今のような形で、結果においてなるべくいい効果をおさめるようにすることの万が大切だというようなことから、今のような形の措置をとったわけでございます。さらにその後通達の前後に、事実新たに契約をした百貨居があるではないかということでございますが、これは私どもの方もまだ事実を的確に調査いたしておりませんけれども、そのようなことがあれば、まことに遺憾なことでございます。これについてももちろん法律上の強制力はございませんけれども、今後十分にそのような百貨居には警告を発し、またそのようなことのないように、百貨店協会にもあるいはそれぞれの百貨店にも、よく私どもの及ぶ限りの行政指導と申しますか、そういうようなことでできる限りの効果を上げて参りたい、このように考えております。
  98. 小林正美

    ○小林(正)委員 九月五日にあなたの方が通達を出されて、すぐ打って返すごとく百貨店の方がまっこうから挑戦しておる、こういう事実があるのでありまして、ここでもう一度、通産省、として単なる通達でなくて、百貨店法第九条によるところのいわゆるあなたの方の正式な措置をなさる御意思があるかりないか。もしその方が少しでも効果的だ考えるならば、私は今からやってもおそくはないと考えるのでありますが、第九条の発動をされるお気持はないかどうか。
  99. 松尾金藏

    ○松尾説明員 百貨店側のあのような意見の公表につきましては、先ほどの御質問に対してて私からお答えした通りであります。私も決して百貨店側をいたずらに弁護するというような気持はごうもございませんで、事実を申し上げたつもりでございますが、現実に百貨店側で、今日粛安を検討いたしておりますので、その結果を待って、かりに百貨店側の態度をについて、非常にわれわれの意図に沿わないような態度というようなことが見られますならば、そのとき情勢に応じて、今御指摘の百貨店法九条に芸く勧告ということも、当然考えていいというふうに私は考えております。
  100. 小林正美

    ○小林(正)委員 要するに今全国に非常にたくさんのこういう月賦販売が行  われておる。こういうことを私はあなたによく考えてほしいのでありますが、このチケット販売は、中小規模の小売居が相互扶助の精神に基いて、現在非常に担い詰められておる苦境を打開するために、最後の足場というべき販売手段だ、私どもはこう考えている。ところが巨大な資本力のもとにおいて非常に豪華にして広大な売場高積を持っておるところの百貨店には、購買層を大きく吸引する大きな業者としての特色がある、販売能力が厳然として存在している。こういうような百貨店の実情を、われわれは小売業者とよく比べて考えた場合に、小売業の割賦販売というものは、経営を維持するために必要なやむを得ぬ販売手段だと思うのでありますけれども、百貨店のごときこういう大きさな資本の企業連合による、しかも日信販のいわゆる割賦販売こそは、独占利潤を追求せんとする大資本あくなき市場支配のたの販売手段である、私はかように断定したいと思うのであります。この点について私はもう少しつ通産省の立場から、あたたかい思いやりのある処置を関すべきであると考えるのであります踐が、その点いかがでしょうか。
  101. 松尾金藏

    ○松尾説明員 百貨店と小売商との間のトラブルが起っておるこの現実に対して、先ほど来お話のような措置をとっておりますが、またその実際の効果を上げるよつうに、極力努力をいたして参りますが、信用販売制度そのものの本質論については、実は私どもの方も現在にれについて、はっきりした政策的な考え方の結論をまだ得ていないわけであります。御承知のように信用販売制度は、日本では自然発生的にいろいろな形の信用販売制度が行われている、そのような実態について、現在でもある程度の調査はすでにいたしておりますけれども、これについてそのような自然発生的に行われておる信用販売制度について、そのどの部分をどのように育成し、どのような部分を抑制すべきかというような点については、今後の私どもの政策検討に待って措置をしたいという考えでございます。ただいまお話のございましたたとえば日本信版というような形の信用販売制度についての検討は、至急に今後の検討に待ちたいというのが、私どもの者こえでございます。
  102. 小林正美

    ○小林(正)委員 いわゆる月賦販売問題の本質に触れたてようなお話もございましたので、私も少し話をしてみたいと思うのであります。結局こういうような割賦販売の問題は、やはり中小企業を振興さすという面と、それから消費者の立場ということをよく考えてやらなければならぬ問題であろうと考えますので、十分そういう点は今後御研究を願いたいと思うのでありますが、しかし少くとも現在どんどん百貨店の売り上げが伸びておるというときに百貨店が割賦販売を行わなければならぬという理由はきわめて薄いのじゃないか。むしろこれは百貨店というものは月賦販売をやれないというような工合に、通産省としては中小企業の育成の立場から御推理を願えないだろうか。それと日信販の問題でありますが、これはいわば一種の中間搾取機関だと考える。その点はたとえば商用みずからが集まって、月賦販売を行なっておるところの機関とはおのずから性格を呉にいたしますので、そういう点についても、もう少し何らかそこに研究を要する問題があるのではないか、私はかように存ずるものであります。この機会に割賦販売の問題は、当局においても十分御研究をいただいて——私はこういう工合に考えるのです。たとえばこういう中間搾取機関というものは営利会社で行わすことはやめて、できれば政府が金を出して別の機関でも設けて、そこでもって小売業者と消費者の両方の立場を考えて、何か月賦販売を行わせるようなことをやったならば、これは中小企業者のために非常な信用いわゆる金融の便益を供与するものであり、また消費者にとっても豊かな生活をエンジョイできるような方法になるのではないか、こういうことも将来の問題としてお考えを願いたいと思うのであります。  それからもう一つ問題としましては、どうも小売業者みずからが行なっております月賦販売のものにも、現存非常にたくさんの問題点があります。極端なことをいいますと、うどん屋から汁粉屋まで月賦販売、また旅館から映画の入場料まで月賦販売をやっておる。こういうようなチケットの連盟が、各所と現存競争いたしております。こういう点が果して月賦販売として正しい行き方であるかどうか。これも私は非常に重要な問題であると考えております。  もう一つ考えなければならぬ問題は、たとえばどこどこで一つのチケット連盟がある。ところがそれに対してある商店が加盟をしようとする場合には、すでにチケット販売をやっておるところの連中が、新しく加盟をしようとする者を入れない。これは私は協同組合目の精神にも違反するものであると考えますが、地方に参りますと、どうもそういうような例がたくさんある。言いかえたならば、ごく少数の商店のボス連中が、自分たちの利益を擁護するために排他的な月賦販売の運用をやっておるという例も現実にはある。だからこういう問題にすべてあわせて御勘案をいただいて、今後いろいろと研究をしてもらいたいと思うのでありますが、今の点あなたが考えていらっしゃるこういった問題に対するお考えがあれば、承わっておきたいと存じます。
  103. 松尾金藏

    ○松尾説明員 現在までも、内部ではいろいろ議論いたしておりますけれども、この席で私の個人的な意見としていろいろ申し上げることは差し控えさていただきたいと思います。いずれまた検討した上で御説明なり申し上げたいと思います。
  104. 長谷川四郎

    長谷川委員長 岩武説明員。
  105. 岩武照彦

    ○岩武説明員 中小企業の組合で月賦販売を行なっておるものは、かなりあります。これはチケット組合とか専門店会とかいう形で、御承知のように組合の共同施設としてやっております。われわれとしましさも、これは戦後の特別な事情から発達した制度とは思いますけれども、小売業者の販売を起させるためには、また消費者にサービスをいたさせますために必要な措置と考えております。ただお尋ねのように特定のものを協同組合に加入せしめないとか、あるいはそういうふうな割賦売の制度を利用することを拒否するというにとは、これはどういう事情かわかりませんが、正当な資格があり、かつオープンになっている制度でありますれば、これはどうもおかしいように思っています。これは特殊な事情もありましょから、そういう事情は一応調べたいと思っております。建前としましては、組合員の資格があれば、だれでもその割賦制度を利用できるのが建前かと思っております。  なお、お尋ねのようにいろいろ飲食物等につきまして零細な金額にわたるものの月賦、これはわれわれが言いますような月賦というよりは、一種の掛売りのようなものだと思いますが、これは一つの信用正取引の——通常行われておりまする割賦までいかない前近代的な形だろうと思いますが、ここあたりはケース・バイ・ケースの問題であり、かつ業種によりっまして、あるいはそういうことが行われるのはやむをを得ないかと思っております。いずれにしましても、実は私の方も割賦販売の問題につきましては、まだあまり研究を進めておりません。もっぱら大企業側の割賦制度に対しまする中小企業者の態度という点に今まで主力を置いて参りましたが、御指摘のように中小企業者みずから行います割賦制度につきましてもいろいろの問題がありましょうから、これは十分に検討したいと思っております。
  106. 小林正美

    ○小林(正)委員 中小企業庁の長官はあとからこられましたので、実は今の問題は第二次的な問題で、きようの私の質問の要点は、割賦販売制度が、いわゆる日信販の進出によって現在非常にふえておりまして、それが中小企業者に大つきな影響を与えておる。現に名古屋では大へん問題が起っておりまして、丸栄百貨居を相手に小売業者が結束をして、銀行の正取引も自分らはやめるのだが丸栄の品物は自分らは買わないのだというような問題も起っております。あるいは公取法の違反になるかどうかわかりませんが、そういうような問題も起っております。そういうようなときに企業局長の名前で百貨店に大して先般通達が出されて、そうしてて百貨店側の意向に基いて自粛をしてほしいというようなことを手紙を出しておられたので、われわれは非常に見当違いではないかといって、先ほど来質問しておったのでありますが、もう少しこういう問題について中小企業庁の立場から強く打ち出してほしいと思う。どうもこの問題は百貨店側に引きずられておるというような感じがするのですが、こういった信販でやっておるところの割賦販売について、一体中小企業庁の長官は今日までどういうような態度で臨んでこられたか、この機会に伺っておきったいと思います。
  107. 岩武照彦

    ○岩武説明員 おくれて参りましたので、前のお話を伺っておりませんですが、今伺いますと、日信販の問題が中心でございます。日信版の問題につきましては、中小企業者の刻係としては一つの問題点があります。一つは百貨店と共通のクーポンを利用してやっておるということから出発する問題であります、しかもこれは消費者側の気持もあることでありますから、共通のクーポンでありますが、百貨店側の方をよけい利用しておる。統計によりますと、日信販全体のうちでは八割から九割近くが、百貨店側のあれになっておるようであります。小売商の中でも比較的大きなと申しますか、あるいは名の通ったと出しますか、そういうような店が選ばれて入っておるようであります。これらの方もかなり利用されておりますが、その比率は非常に少い。もう一つは、たとえばある地区の小売商の団体の中で、特定のものだけがこの日信販に加入しております結果、他の団体員との間の共同行為をいいますか、共同の動作、あるいは態度がとれなくなって、中にはいろいろ組合からも脱退問題とか何とかいうようないざこざを起しておるようものがあるようであります。しかし考えてみますと、消費者側の便益という点を考えますれば、割賦販売制度そのもつのを根本的に建て直す必要があるかとも存じますが、制度そのものを暫定することはちょっと筋違いだと思っております。むしろ今の段階としましては、百貨店側の割賦販売行為、ことに信販を利用しておりますそれを行き過ぎないようにということに、今重点を置いておりまして、企業局長とも相談いたしまして、過日百貨店側に対しまして自粛を要望しておりますが、もちろんこれはお尋ねのように信販自体を正面から問題にするということもあるかもしれませんが、われわれとしましてはむしろ当面の問題はその背後にあります百貨店の問題でありまして、百貨店がそれを利用する点につきまして、いろいろ行き過ぎがあるのではないだろうかという面で、その点をとりあえずは是正していきたいと思っております。そういう点で企業局と相談いたしまして、ああいうふうな大臣の通牒を出していただいわけであります。いかなる点をどういうふうに自粛するかという点は今後百貨店側の出方もあります。またわれわれとしても若干の考え方を持っております。これはわれわれの手のうちをあまりあからさまにするのもどうかと思いますので、もう少し向うの出方を見ましてから、われわれの能度をはっきりしたいと思います。大体その辺が今の状況であります。
  108. 小林正美

    ○小林(正)委員 今の長官の御説明の中で日信販の利用は大体百貨居が八割何分であって、一割何分は小売業者も扱っているのだ、こういうような話もありましたが、これはあなたも一つ十分御理解いただきたいのですけれども、これが実は日信販の当面の手なんです。だから彼らのほんとうのねらいはデパートと結んで割賦販売を大きく広げようというのが、日信販のねらいでありまして、その場合に必ず小売業者から大きな反応がくる。その反応を防ぐためのいわば隠れみのとして、ごく少数の小売店と契約しておる。こういう姿をあなたは十分御理解いただいて、小売業者もやっているのだから、こういう工合に日信販の姿を軽く見られては大きな間違いであると私は思います。これは一種の隠れみのとして小売業者を利用しておる。日信販の一つのねらいは全国の約三百に余るところのデパートとの割賦販売の契約である、こういうことを一つ十分御認識を願いたいと考えております。この問題についてはどうもまだ中小企業の立場が少し弱いように考えますので、やはり私ども中小業者としては、あなたをほんとうに親のように考えておりますから、もっと真剣な気持で企業局あたりとよく相談してデパートを押えてもらいたい、こういうことであります。私の質問はこれで終ります。
  109. 長谷川四郎

    長谷川委員長 堂森芳夫君。
  110. 堂森芳夫

    堂森委員 繊維局長にお勇ねいたします。時間が大へん制限されておりますが、綿スフあるいは絹人絹の不況はきわめて憂慮すべきものがあることは、局長よく御存じの通りであります。こういう問題につきまして、先般の特別国会で、本委員会では数個の重要な緊急施策について決議をいたしまして、政府に可及的すみやかに根本的な対策をとる、べきである、こういう決議をいたしております。時間がございませんから、そうした幾つかの点について新しく質問をすることは不可能でありますが、そこで先般政府においては経済閣僚の懇談と申しますか、そうした席において、すでに絹人絹については本年度に一万五千台、また来年度一万五千台を買い上げる、また綿スラにおいては二万台ずつ買い上げていく、そして政府の補助として、台につき二万円を計上して参る、こういうことがきめられたわけであります。また業者負担として一万円ずつを業者が負担する、こういうことで政府がすでに決定しておるようでありますが、繊維の不況対策としてのきわめて重要な施策である過剰織機に対する対策が、政府のそういうような考え方でうまくいくと思っておられるのか、あるいは政府がつかんでおられるこの過剰織機の買い上げが現在どのように進んでおるのか、そうした点をまず伺っておきたいと思います。
  111. 今井全衞

    ○今井説明員 ただいまお話がございましたように、政府といたしましてはこの二年間に人絹織機を三万台、綿スラ織機を四万台買い上げることにいたしております。御質問趣旨は、その際の買上価格が少いから、それでもって果してうまくいくのかどうかといつう御質問だと思いますが、この単価の問題につきましてはいろいろ見方があると思います。私どもの立場といたしましては、供出がスムーズにいきまして計画通り完遂できるような価格が、一応望ましいということはいえますが、ただこれに対しまして、たとえば設備の廃棄処理という問題は、まず第最一に個々の企業がやるべきだ、それができない場合におきましては、実界の共助制度によってやるべきだ、その際に何ゆえにこの繊維産業だけについて補助金を出すのかというふうな批判もございまして、この綿スフ産業なりあるいは絹人絹織機は非常に不況でございまして、自分で負担する余力がない、国家が補助すべきであるということでもってこの買上単価はきまったわけでございますが、その際に先ほど申しました他産業との関係というものが一番中心になりまして、二万円ということにきまったわけでございます。業界においてもっとふやしてほしいとか、いろいろの意見はあると思いますが、私どもといたしましては、かようにきまりました以上、所期の計画を達成できますようにあらゆる努力を払いまして、供出の完遂に努めたいというふうに考えております。その進捗状況でございますが、にれはいかなる供出方法をとるかということが一番問題でございまして、今のような時勢におきましては強制的に割り当てて供出するということは、もう不可能であろうと思います。従いまして業界の中で話し合って、できるだけ計画通りに出していただくということが望ましいわけでございまして、県のそれぞれの組合におきまして中でできるだけ話し合って、そして私どもも努力いたしますし、業界の方も努力してもらいたい、さような次第でございまして、現在業界側といかなる計画、いかなる方法でいくかについて協議中でございます。私どもといたしましてはできるだけの努力をいたしまして、できるだけ所期の目的に沿うように持っていきたい、さように考えております。
  112. 堂森芳夫

    堂森委員 ただいまの繊維局長の答弁はきわめて抽象的でありまして、全く具体性がないと思うのです。  そこで時間がございませんから、いろいろ問いただしたい点がありますが、昨日参議院の商工委員会で、過剰織機買上問題について、これは新聞記事でありますが、通産大臣の答弁では、「業界では一台当たり五万円を要望しているが、政府予算は三万円で三万台分である。」これは業者負担をまじえて三万円ですが、それで三万台分、これは絹人絹のことを言っておるのだと思うのです。「そこで状況によっては買上げ台数を減らしても買上げ価格を引上げることを考えている」という答弁をした、この新聞に書いておるのです。また担当の佐々木繊政課長は補足して「業者が廃業するような場合の織機買上げについては、買上げ予算を集中的に使うこととしたい」という新聞記事があるわけであります。そでうしますると、これは政府としては、たとえば絹人絹に関係しては、一万五千台の買い上げを予定しておるが、おそらく二万五千台は出ないんではないか。そこで一台二万円としますと一万五千台分は三億になりますか、そうした金は織機の買い上げ台目数を減らしても、織機の買上価格を上げていけば出るんではないか、こういう見通しを持っておるのではないか、こう思うわけであります。現在私が調べておるところでは、とうてい三万円の買上価格では、これは綿スラでも、絹人絹の業界でもこれに応ずる織機の台数はきわめて少いだろう、こう予想される証拠が十分あるわけです。そこで通産大臣は場合によってはもっと価格を上げて、そして台数を減らしていこう、こういうふうな考え方ではないかと思いますが、そういう答弁をしておるわけです。局長はおそらくきのうは出ておられたんではないかと思いますが、この新聞に書かれておる詳細がわかりませんから、この新聞に書かれておるきのうの参議院の商工委員会における大臣及び課長の答弁に対して、一つ御答弁をお願いしたい、こう思うわけです。
  113. 今井全衞

    ○今井説明員 ただいまの御質問でございますが、私実はほかの委員会に山ておりまして、きのうは出席しておりませんが、ただ大体の話は聞いております。別に矛盾するつもりではございませんが、ただいまのところ政府補助金二万円という問題をたとえば出そうもないからということで、一台当りの単価を引き上げてやるというようなことは全然考えておりません。私どもといたしましては、これは当初の三万円なり、綿スフで申しますと四万円、これでもってできるだけの努力をいたしたい。それから転廃業の問題でございますが、これは私どもとしまして、この際転廃される業者に対してできるだけ厚くしたいという気持は変りございません。ただ技術的にいろいろの問題があるわけでございまして、この転廃業につきましてはできるだけ優先的に扱いたい。あるいはその業者の負担分等のやりくりによりまして、できるだけこの転廃業者に厚くやりたい、さような趣旨でもって研究はいたしております。しかしまだ今のところ決定はいたしておりません。
  114. 堂森芳夫

    堂森委員 そうしますると局長は、大臣が答弁をしたという記事のごとく、台数が一万五千台は思うように出ない、たとえば絹人絹の場合ですよ。その場合にも絶対に単価を引き上げるというのはあり得ないという答弁なんですか。あるいはそういうことを研究中ということなんでございますか、もう一度御答弁願います。
  115. 今井全衞

    ○今井説明員 ただいまの御質問でございますが、私どもとしましてはただいま決定しているラインに従いましてできるだけの努力をいたしたい。その結果あるいは予定通り出るかもしれませんし、あるいは予定通り出ないという事態があるかもしれませんが、それはそのときに十分実情に合うように考えたい。今のところ別にそういうふうにだめを詰めたところまでは考えておりません。
  116. 堂森芳夫

    堂森委員 どうも局長は実態をつかんでおられぬと思います。そんな二万円くらいでは絹人絹で予想の一万五千台目は絶対に出ないと思うのです。これは大臣はそういうことを知っておるのじゃないかと思うのです。あるいは大臣の答弁を、あなたに問い詰めてみたってしょうがないですが、大臣はそういうふうに答弁をしておるのですから、価格の引き上げも考慮する——これは政治的な答弁であるかもしれませんが、しかしかりそめにも国会において、ちゃんと議事録に残る、権威ある委員会において答弁したことは、それは軽々しくそんなことは思いつきだというわけにはいかぬと思う。ですからそういう気持を大臣が持っておるのですから、あなたは担当局長として、そんな含みを持った答弁をしなくても、大臣がそう考えておるなら私もそういう努力をする、こういうふうな答弁はできないのですか。もう一ペン伺います。
  117. 今井全衞

    ○今井説明員 これは業界の方から申しますれば、一台当りの買い上げ単価を上げてもらいたいということは当然だろうと思います。しかしそうなりました場合におきましては計画通りの台数はもちろん出ませんし、供出自体が非常に難渋すると思います。私どもといたしましてはやはり実情を知らないというおしかりをこうむるかもしれませんが、当初の計画に従って、できるだけ相談して、できるだけ努力していきたいと思います。
  118. 堂森芳夫

    堂森委員 それでは大体わかりましたから、その点は一つまた次の機会に護りましょう。  そこで先般の八月の委員会において、大臣はこういう答弁をしておるのです。業者負黒万円というものをやろうとしても、業者は非常に困っておるからおそらく財政的には不可能だろう、そういう答弁もしております。それで業者の負担は何とかしてこれをめんどうを見ておあげするようにしなければ、おそらく業者負担は不可能だろう、言葉のあやは違うかもしれませんが、そういう意味の答弁は権かにしておるのです。そこで綿スフ業者といわず、絹人絹といわず、残存業者の負担、こういうことについては新しく局長になられたのですから、どういうふうにしていこうとお考えになっておるか。こつの点も一つお伺いしてみたい、こう思います。
  119. 今井全衞

    ○今井説明員 残存業者の負担の問題でございますが、これは綿スフと絹人絹と違うと思いますが、絹人絹は特に困っておるという状態で、残存業者負担を一万円ということにしておりますが、この一万円ですらなかなか苦しくて払えないというのが実情だろうと思います。私どもといたしましては、できるだけ中金等の金融機関の融資によりまして、これを長期低利にやりたいというふうに考えておるわけでございます。結局いつかは払ってもらわなければいかぬと思いますが、できるだけ長期間、従って毎年、毎年の負担が軽いように、そういう意味合いでもっていろいろ研究しておるのでございます。
  120. 堂森芳夫

    堂森委員 もう時間がありませんから終りたいと思いますが、事ねて繊維局長に厳重に申し入れをしておきたいと思います。絹人絹あるいは綿スフの業界における不況が、きわめて深刻なものがあることは御承知の過りであります。前句父の小室君、また大臣もたびたび答弁をいたしておりますことは、海外への輸出ということもきわめて困難な事情にあると思います。そしてもちろん輸出の振興ということが大事でありますが、一つのと重要な政策としてはやはり過剰織機の買い上げりであることは、もう政府の一貫した答弁でもあるし、まった実情は確かにそうあると思うのであります。そこでこの問題についてはただ一ぺん二万円にきめたのだから組人絹は一万五千台、あるいは組スラでは二万台買い上げに努力する、こう言っておられますが、そういう公式的な考え方ではなしに、柔軟性のある方法で何とかして目的を達しなければいけないと思います。ただ金は作ってみたが買い入れられないということでは何も目的を達しません。従ってきのう参議院の商工委員会で大臣が答弁しておるようなことになっていくであろうと私は考えるのです。またそうならなければ買い上げ織機の目的はなかなか達せられないのじゃないかと思うわけでありまして、一つ今後大臣とよく打ち今日せられまして、所期の目的が逃せるように努力をお願い申し上げます。私の質問を終ります。
  121. 長谷川四郎

    長谷川委員長 本件の質疑はこの程度にとどめまして、午後二時まで休憩をいたします。     午後一時四十一分休憩      ————◇—————     午後二時一一一十二分開議
  122. 長谷川四郎

    長谷川委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。  電気機器に関する件及び機械工業に関する件についての調査を進めます。これらの問題につきまして、電気機器の部門からは電子機械業工業務部長の石塚庸三君、機械工業の部門からは日本機械工業連合会専務理事の橘弘作君が参考人として御出席になっております。  参考人方々には御多忙中にもかかわらず、当委員会の要望をいれられて、御出席下さいましたきことを厚くお令を申し上げます。申すまでもなく、国際的な観点からいたしましても、工業国として伸張すべき日本におきまして、あらゆる産業部門に影響のあります機械工業の重要性は言をまたないとこにろでありまして、今日貿易もますます伸張し、一人転換期に立っておりますときに、専門的に業務に携わっておられる方々から御意見を承わろうということになった次第でございます。参考人におかれましては忌憚のない御意見をお述べ下さいますことをお願いを申し上げます。ただ、時間の都合もありますので、最初参考人方々から十五分程度ずつの御発言をお願い申し上げまして、委員から質疑があると存じます、その際も率直にお答えを願いたいと存じます。  それでは橘参考人にお願いをいたします。
  123. 橘弘作

    ○橘参考人 私は機械工業の現況を見通し及び対策につきまして、初め概略を申し上げたいと存じます。  冒頭におきまして、ただいま委員長からもお話がございましたように、機械産業はわが国におきまして近い将来、産業構造の最もウエートの重い期持を持たれておるのでございます。、あた同時に、輸出面におきましてもさらに大きな使命を預けられておるのであります。お話を簡潔にいたしつまして、概説におきましては五項目ほどをとりまとめまして、簡単に出し上げたいと存じはす。  まず前提といたしまして機械工業の現状と見通しを述べますに当りまして、機械工業の範囲と、同工業がわが国に占めます地位につきまして申し上げたいと存じます。  機械工業の範囲は、行政面から分類されまして、船舶、鉄道車両、産業機械、重電気機械、電気通信機械、自動車、繊維機械等の重機械及びミシン、光学機械、軽電気機械自転車、農機具、内燃機械、ベアリング、工具、時計というような軽機械に反んでおるのでございまして、わが国の現状におきまして、産業において占めるその地位を申し上げますと、従業員の数におきましては、全産業に対しまして二六・三%、それから生産額におきまして、わが国全産業の六兆九千六百億円に対しまして、機械工業の生産は一兆三千九百億を占めておりますが、これを百分比で申し上げますとおよそ二〇%に当るわけでございます。  以上が機械工業の前提でございますが、過日数年間の推移はどういうふうな足取りになるかということを申し上げますと、基準年度を昭和三十年にとりますと、昭和二十八年におきましては八七・七、二十九年には九八・八、三十一年は一四五・二、三十二年が二〇二・一、三十三年には二〇四・三、これは今年度は一月から六月までの調べを一年換算にした数字でございます。というような非常に順調な生産の伸びを示しておる次第でございます。また輸出におきましても昭和三十年に二億八千二百万ドル、三十一年には五億三千七百万ドル、三十二年には六億九千三二百万ドル、昨年までは非常な伸びを示しておるわけでございます。この間機械工業は相当の合理化が進められて参りまして、小産規模も拡大しており、また新技術の採用も活発に行われまして、ただいまでは世界最高水準の機械も多数生産の目的に使われておる次第でございます。  ついては、現状はどうであるかという点を申し上げてみますと、目下不況の段階が相当進んで参りましたけれども機械工業全体を概括的に見まして、設備投資が旺盛であったときの受注残が相当ございますので、いまだ生産は低下を来たしておりません。通産省の機械実生帝指数によりますと、昨年の平均が二〇二に対しまして、今年の四十六の第一期間におきましては平均が二〇八程度になっておりまして、決して下ってはおらぬのでございます。電気機械あるいは産業機械等は、今でもなお平均一カ年近い受注残を持っております。また自動車、電気関係耐久消費財等は、比較的好調を続けておるのでございます。ただ一部には繊維機械あるいはベアリング、工具等のように、生産の減少が顕著なものも、この中には見出すことができるのでございます。国内の新規注文はその動向を見ますと、昨年七、八月ごろから次第に減少を来たしておりまして、たとえば産業機械では昨年の三月の一カ月の受注が三百五十九億円を頂点として現われておりますが、一月から五月までは二百二十億ないし二百六十億の水準でありましたが、昨年の七、八月ごろから受注は次第に減少いたしまして、今年に入りまして三月は官公署の予算関係等もありまして、多少はいいのでありますが、その他の月の平均が百億というような数字にダウンしておるのっでございます。また特に激しいのは、工作機械でございまして、昨年の四月の一カ月の受注が十二億円を表わして、ピークとなっておりますが、それ以来激減の傾向にございまして、本年の四月現在では一カ月たった三億というようなふうに落ち込んでおるのでございます。このような国内需要の減少に伴いまして、業界の輸出に対する努力はますます盛んになっておりますが、何分世界経済がまた下降を示しておりますので、思うようにこの改善がつかめりないというのが現状でございます。  なお、世界主要国における機械輸出の現状を参考までに申し述べてみますと、わが国の総輸出額に対する機械の輸出額は二四・六%でございますが、西独は四三・十五%、イギリスは三九・六%、米国は三五・八%に及んでおります。フランスは一八・四でございます。また国連統計によりまして一九五六年、昭和三十一年の世界における機械の総輸出量はどのくらいであるかということを申し上げたいと存じます。この点が非常に大事な問題でございまして、昭和三十一年の世界の機械の総輸出量は、実に百七十三億ドルという膨大な需要があるのでございます。わが国はその年におきましてわずか三%というものを占めたにすぎないのでございます。これに対しまして、アメリカが三九%、イギリスが二〇・三%、西独が一八・五%、フランスが四・八%となっておりまして、世界の四位まで拾いますと、今のような数字になるのでございます。私どもは急速なる発展を望みますが、わが国の機械輸出を、少くとも近い将来においてフランス並みくらいの状態に、あるいはこれを上回る目標をとって努力すべきでないかということを念じておる次第でございます。  さて見通しでございますが、今後の見通しは最近ますます受注の減少が顕著となっておりまして、現在では前年同期に対しまして、平均して半分以下となっておるような状況でございます。過去の受注残を食いつぶしている状態でありますので、経済情勢がこのまま推移するとすれば、他産業よりはおくれて、しかも機械産業としては一段と深刻な情勢を来たすであろうということを極力心配する次第でございます。そされならばどんな対策があるかということでございますが、この際輸出振興強化がまず第一にあげらるべきものでありまして、特に船舶の輸出が不振の今日におきましては、プラント類の輸出を積極的にはからなければならぬのでございまして、また機械工業は、国内の各産業に対する合理化設備の供給ともあわせて考えなければならぬのでございます。これに対処しますためその基盤を強化いたしまするためには、常にある限度以上の需要が持ち越されておらなければならぬ産業の一つであります。そのため輸出振興とあわせて国内需要の対策という二面を、常に考慮しなければならぬと信じておる次第でございます。  輸出対策は今非常に大きな問題でございますが、その中から区要約いたしまして一言申し上げたいと存じますが、輸出対策につきましては、すでにあらゆる対策が出尽しておるのでありまして、要は私どもがこの対策が機動的に総合的に実行を誤らないことと思います。岡崎に輸出炭振興策の根幹は、政府が長期的な視野に立ちまして輸出振興策を確立することが、最も私どもの要望するところでございまして、このようにして輸出振興機械に関する限りは長川的のものでなければならぬのでございます。すなわち多少輸出が伸びたからといいまして、あるいは財政資金の節減ということからとか、IMFあるいはガットとの見合いというような関係から、そのときどきの情勢によって急変あるいは後退するような政策は、絶対に避けなければならぬものと思っております。  また貿易行政につきましては、関係各省間の歩調の統一がきわめて必要でありまして、貿易に関する諸制度の運用、特に輸出承認の面等におきまして、大蔵、通産の間で意見の相違を来たす場合がしばしばでありまして、これは輸出振興の上に大きな妨げとなっております。最近当局では、延べ払い輸出の承認制につきまして、従来に比べまして弾力のある運用をすることになったのでございますが、ブラジルとか、アルゼンチン、インド等主要輸出国に対しまして弾力のある運用方針が適用されていないような感じが強くされるのでございます。その後輸出承認に関する手続状況等を主要会社について調べてみますと、たとい承認される場合でも、自最終的には依然として相当の期間と、いろいろの説明を非常に多く要しますので、必ずしも緩和された方針通りに運用されてないという声も大きいのでございます。  次は、わが国としては戦後画期的なものでありますが、イントとの通商の盛んになってきたことでございますが、本年二月円クレジットというものを制定されたのでございます。この円クレジットは通常の延べ払い輸出にプラスの効果をねらったものでありますけれども、実際はそういうふうな運用になっておらない点が非常に心用なわけでございます。現実の運用面では全くこれの立案された当時と変った形になっておる、むしろ正常の輸出が円クレができたために縮小されておるというような奇異なことが起きておるのでございます。またプラント輸出の増大をはかりますには、他の大きな要因でありますが、コンサルティングの機能の強化とプラントの設計技術等に対する補償の問題が大きく要求されておるのでございます。数年前からこの面におきましては、業界がこぞって強い要望をやって参ったのでありますが、幸いこのたび政府では来年度の重要施策としてこれを取り上げられたのでございますが、非常に私どもは適切なることと思って歓迎しておる次第でございます。  また軽機械につきましては、わが国は強い国際競争力を有しておる国でございます。しかしながらそれらの製品は中小企業等が中心になりがちなものが多いのでございまして、とかく過当競争に陥りやすいのでございます。これに対する強力な対策が必要とされますと同時に、従来海外市場に対する知識もあまり深くはございません。でありますから、積極的なマーケッティング活動が不十分になりがちでございます。業界は政府と一体となりまして、この面の解決をはかることが必要と考える次第でございます。  最後に、アフターサービスの問題でございますが、これはもう申すまでもございません。輸出特に機械の輸出におきまして、これを広く海外に宣伝いたしますことは当然のことでございますが、これはジェトロが今年非常な力をつけられましたので、この運用を今後誤まりなく最も資金効率を上げるように運用されますことによりまして、おそらく従来より数段効果が現われると思っております。しかしながらアフターサービスということが機械にはつかなければ、決して安定市場を作る結果にはならないのでございます。金をかけてものを宣伝し、金をかけて輸出をしながら、しまいには信用失墜ということは、アフターサービスが完結されなければならぬのでありまして、私ども機械産業といたしましては、機械業界が共同出資で三年前に海外機械興発株式会社というものを設立いたしまして、政府のあっせんで自転車競技の方からの補助も仰ぎながらやっておりますが、なかなか一国において、完全な大きなプラントから小さな部品に至るまでのサービスというものはきわめてむずかしいという実例を今日持っている次第でございまして、これらにつきましては政府の資金ももっと投じて、そうしてアフターサービスというものをぜひ確立するというふうに、政府も動いていただきたいと思う次第でございます。  以上のほか早急に実施を必要とする輸出対策といたしましては延べ払いの緩和、為替損失補償制度の運用改善、対イン円クレジットの運用問題、特定国に対する輸出制限の緩和、双務主議の採用、それから特別外貨制度の改善、現有諸制度の拡充強化による原価の引き下げ措置、在外公館の商務機能の強化、インド以外の国に対する円クレジットの設定、技術センターの設置等がありますが、これは後刻時間がございましたならば、御質問に応じて具体的の御説明をつけ加えたいと思う次第でございます。  概論の最後に国内対策でございますが、国内対策といたしましては、合理化実現のための設備資金については、財政的措置を講じて必要な資金の供給をはかっていただきたい。また新規産業の育成をあるいは公共事業の積極的川遂行が必要であります。同時にまた合理化資金及び輸出由金融についての金利を国際水準並みに引き下げること、また税制措置といたしましては法人税の軽減、固定資産の耐用年数の短縮等々がある次第でございまして、以上概論を申し上げまして、後刻御質問等がございますればお答えを出し上土げたいと思います。
  124. 長谷川四郎

    長谷川委員長 次に石塚庸三さんにお願いいたします。
  125. 石塚庸三

    石塚参考人 電子機械工業会の石塚庸三でございます。電気機械特にラジオ、テレビを中心とした生産並びに今後の予想あるいは輸出の現状等について御説明申し上げたいと存じます。  朝鮮動乱を契機としまして、民間の設備投資が非常に活発となりました。特に一昨年のいわゆる神武景気といわれました未曽有の好況に恵まれまして、この傾向は一そう顕著になりました。また好況によりまして個人の収入が非常に増加しました結果、家庭の電化が進むなど、いわゆる電気機械に対する需要を連鎖的に喚起しまして、その生産は逐年増加の一途をたどって参りました。三十年を基準年度としまして、この三十年の生産を一〇〇としてみますと、三十一年の平均生産指数は一五二・三となりまして、三十二年はさらに二一八・四、前年の生産に比較しましても四三%の伸長を見せております。これを三十二年の機械総合指数、通産省の統計でございますが、二〇二・一に比較しましても八%を上回っております。三十二年におきまして電気機械工業がいかに高水準の生産を維持してきたかということを如実に示しております。三十三年の見通しとしましては、この六月までの統計に示されておりますが、すでに昨年の五四%の実績を上げておりますので、本年全体としましてもさらに昨年を上回る生産が予想されるのでございます。  これを細目について申し上げますと、電気機械を大きく分けまして水力、火力の発電器あるいは電動機、通信機、奄気計測器等の設備用電気機械とラジオ、テレビ、冷蔵庫、洗たく機等の家庭電気機械等に分類しておりますが、それぞれ三十一年、三十二年におきまする生産の動向を見ますと、三十一年の設備用電気機械は一千三百八十五億、三十二年は二十百九億で五二%の増加でございますが、家庭電気機械は三十一年の六百八十一億、三十二年の千百十億と六三%の生産増加となっております。これによりますと、発電機等の設備用、テレビ、冷蔵車等の家庭用電気機械とも大きく生産が伸びております。設備用につきましては設備投資の結果からくる当然の帰結でございますが、家庭用電気機械については、近年いわゆる家庭電化の表われでございまして、三十三年一月から六月までのラジオ、テレビを含めた家庭電気機器の生産はすでに七百二十五億に達しておりまして、昨年の千百千億に対しましても、上半期だけですでに六十五%の生産をあげておる次第でございます。  次にラジオ、テレビのこまかい点について申し上げますと、御承知のようにテレビジョンの放送は五年事ほど前から始まっておりますが、二十八年の生産はわずかに一万三千台、十六億円にすぎなかったのでございますが、逐年約二倍ずつに近く増大しまして、昨年度は六十一万台、金額にしまして三百十五億の生産をあげておりますが、本年に至りまして、台数におきまして四十五万一千二百三十六台、金額にしまして二百十九億七千万円、すでに昨年の生産台数の七四%を半年間であげておる次第でございます。おそらく本年度三十三年度におきましては、総生産額は百万台をこすということになると存じます。ラジオの方を見ますと、ラジオは三十年ほど前からやっておるわけでございますが、最近五カ年間だけ見ましても、二十八年に百九万台でございましたが、逐年これも増加いたしまして、昨年は三百五十七万六千五百九十一台、金額にしまして二百四十一億円、本年は一月から六月までの上半期におきまして昨年の半数以上の百九十万二千四百五十九台、金額にいたしまして百二十八億九千万円、やはりテレビと同様逐年生産の上昇傾向を示しております。特に三十一年からの生産増加が顕著となりましたのはポータブル・ラジオの生産を急増したことに起因するものでありまして、三十二年以降トランジスターの量産化に伴い、超小型のトランジスター・フジオが現われまして、その需要は国の内外を問わず非常に活発になりまして、生産は急上昇しつつあります。この六月を見ますと、ラジオ全体で三十八万台の生産があったのでございますが、そのうち六〇%以上がトランジスター・ポータブルでございます。この数字はあくまでも公式のものでございまして、輸出だけを目的としておりますような無名のメーカ1もあるのでございますが、それらの生産分を合算しますと、おそらく四十五万台にも達するものと思われます。  次にラジオ、テレビの普及率について申し上げます。テレビの普及はめざましいものがございますが、放送局の関係もありますので、主として大都会に集中しております。NHKの調査によりますと、本年の八月二十日現在におきまして全国の普及台数一は百二十万台となっておりまして、全世帯数に対して七%弱でございます。一家に一台とまでは参りませんが、まだまだ放送局も逐次開局中でございますので、今後この数字はさらに上昇していくものと存じます。ラジオはやはりNHKの調査によりますと、一千四百七十九万台でございまして、全世帯数に対しては八二%になっております。  次にトランジスターの生産について申し上げます。最近のポータブル・ラジオはほとんどトランジスター化されておりまして、家庭用のラジオまでトランジスターが採用されておるというようになって参りました。そのためにトランジスダーの生産は非常に急上昇しつつあります。  わが国におきまするトランジスターの生産は、二十九年つまり四年ほど前から生産に着手されまして、三十年には八万個、三十一年には五十六万個、三十二年には五百九十四万個で、三十一年に比べまして実に十倍以上の伸びを示しております。三十三年に入りましても需要と生産は依然各月急上昇し続けまして、六月には月産百八十万個に達し、世界においてアメリカに次ぐトランジスターの生産国となっております。  なお日本とアメリカの生産を見ますと、本年の一月から六月まで、一月は日本が八十七万に対してアメリカは約三百万、四倍くらいの差があったのでございますが、最近におきましては六月では百八十万に対して三百五十五万というふうに一対一と非常にアメリカの生産に近づいております。  次に輸出について申し上げます。 これら国産のトランジスターを使用して組み立てられました。ポータブル・ラジオは、アメリカを初め世界各国へ輸出されて非常な好評を博しておりますが、特に超小型のセットは日本品の独壇場でございます。ラジオの輸出実績を大蔵省の資料によって見ますと、三十一年は約五十万台、三十二年一カ年問に百十三万台で二倍以上の伸長を示しております。このほとんどがトランジスター・ポータブル・ラジオでございます。三十三年、本年の一月から六月までの半期間を見ますと、本年も非常に伸長を示しておりまして、三十二年、昨年一カ年の輸出台数に近い約百六万台をすでに輸出しております。この大半がアメリカに輸出されております。  ラジオの輸出を本年一月から六月まで月別に見ますと、一月から毎月上昇しておりまして、六月に至りましては二十七万台を突破しておるのでございます。合計しまして百五万台でございまして、昨年の実績に、もう半年で到達いたしまて、本年一年経過しますと、おそらく二百万台をこすであろうと想像しております。御参考までに最近の傾向として申し上げたいのは、このようなアメリカには大量の日本製トランジスター・ポータブルが入りますので、これを防遇しようという動きがアメリカの一部に起きているようであります。エレクトリカル・マーチャンタイジングという雑誌があるのでありますが、この八月号にはイエロー・ベリル、黄禍か白人のホープかという一文が掲載されております。その要旨は、三十二年に輸入しました——アメリカから見ますと輸入でございますが、輸入しました日本製のトランジスター・ラジオは六十四万八千台、約六十五万台でございまして、これに比べてアメリカ国産品は百六十万台、つまり日本品一に対して二倍ちょっとになりますが、日本の超小型ポータブル・ラジオは性能が非常によくて、しかも安値なので、非常な勢いでアメリカの市場を侵略し、アメリカ製品を駆逐しようとしておる。そのために労働組合が日本品流入阻止運動を進めている、こういったような記事でございます。このような運動が大事に至らないうちにわが国としましても、何らかの方策を立てる必要があるのでございます。現在ラジオの品質維持のために、輸出ラジオにつきましては、機械金属検査協会が最近設立されたのでございますが、品質検査が厳重に実施されております。価格につきましてはチェック・プライスが実施されております。その他乱売や出血輸出の防止措置が、いろいろと通産省を中心にしましてとられております。  トランジスターでそのものの輸出につきましても、われわれ最も意を用いておるところでございます。現在アメリカを初め世界名帳からトランジスターの引合いがきております。今までの生仇産では国内のセット・メーカーをまかない得る程度であったので、輸出はいまだ見るべきものがございません。しかしながら各社の新設工場が全部稼動し始めれば、相当の余裕をもって輸出ができ、特にトランジスターの製造ではおくれている欧州方面への輸出は、大いに期待できるものと考えられます。  トランジスターの輸出で一番問題になりますのは、共通の規格がないということであります。最も工業化の進んでおりますアメリカにおいても共通の規格がない。各社それぞれの規格によって生産し、販売している現状でございます。これは共通の規格を定めることが、いかに困難な仕事であるかを物語っておるものでありまして、わが国ではメーカー各社が自主的に品質保証制度を実施して品位の向上をはかり、輸出を促進することを考えております。  これらのほか、輸出のホープとしてテレビジョンがございます。現在までの仕向け地は主としてスエーデン、タイ、イラク等で、昨年は約六千台、金額にして九千六百万円程度であったのでございますが、日本のテレビが非常に優秀であるということが次第に認められて参りまして、引合いも活発になっております。本年の一月から六月までの輸出実績は、昨年の六千台目を上回りまして七千四百合をすでに輸出しており、今後も相当の増加を見る見込みでございますので、おそらく本年末には二万台くらいのテレビジョンの輸出が見込まれております。そのほか真空管は年間五、六億円、ラジオ、テレビ用の部品は同様二十億円くらいをを輸出しております。  また特に最近のできごとでございますが、世界に誇ってよい輸出品として電子顕微鏡がございます。今まで世界各国の大学、研究所等に納入されまして非常な好評を博しておるばかりでなく、つい最近ブラッセルの万国時覧会で、科学機械部門におきまして、小型電子計算機とともにグランプリを授与されております。これもまた今後の輸出に大いに期待でる商品であります。  このように、ポータブル・ラジオを中心として、各種の電子工業製品の輸出を促進する必要つがありますが、それには現地の実状調査と、日本品のPRが完全に行われなければなりません。幸いにしまして、私どもの方では、今般通産省から補助金をいただきまして、ニューヨークにサービス・センターを開設し、輸出振興に万全を期するために、目下派遣委員の渡米を準備中でございます。  以上、あらましを申し上げましたが、この機会をかりまして私ども協会として一言お願いしたいことがあるのでございますが、家庭電機が文化向上のために非常に大事な品物であり、いかに国民一般が熱望しているかということは、今まで申し上上げた通りでございますが、この需要を阻害している一つの大きな原因としまして、家庭電機に対する高率の物品税がございます。最近諸外国におきましても、家庭電機に対する物品税の撤廃運動が起っておるのでございます。たとえばアメリカの下院におきましても、共和党議員がラジオやテレビの物品税を撤廃する法案を提出されましたし、またイギリスにおきましても、冷蔵庫の物品税の撤廃の運動が行われております。最後の表にございますように、家庭電機に対する物品税ば、ラジオ、テレビジョン、蓄音機、電気冷蔵庫、扇風機その他かなり高率になっておりますので、この機会をかりまして、ぜひこれの減免運動につきまして御協力いただきたいと存じます。  簡単でございますが、以上で終ります。
  126. 長谷川四郎

    長谷川委員長 以上で参考人方々の御意見の開陳を一応終りました。  次に、質疑を順次許します。小平久雄君。
  127. 小平久雄

    ○小平(久)委員 私はよんどころない用事で若干おくれてきましたので、せっかくの参考人の御意見の全部を承わることができませんでしたが、一、二この機会にお尋ねをいたし、あるいはまた先ほどの御説明の補充的御説明を、さらに承わりたいと思います。  第一に、橘さんのお話のうち、対印輸出の関係ですが、クレジットが設定されたので、かえって通常の延べ払い方式による輸出が、はなはだしく制限されるに至ったので困っておるというお話です。これは橘さんにお伺いするよりか、むしろ重工業局長がせっかくおられるので、まず重工業局長に聞きますが、これはどういうわけですか。
  128. 小出榮一

    小出説明員 先ほど橘さんの御説明の中に、ただいま小平先生の御指摘のインド向けの延べ払い輸出に関連しまして、せっかく円クレジットというものが設定されたけれども、それがかえって通常の輸出との関連におきまして阻害しておるというような点の御説明があったと思うのであります。この間の事情におきましては、御承知のように、ことしの二月に総額五千万ドルという円クレジットを供与するということが、インドとの間におきまして設定されたわけでありますが、この借款のワクのうち以外の通常の延べ払い輸出におきまして、従来日本政府としても、できるだけ輸出の伸張をはかりますためには、一般的に世界各国とも延べ払い輸出ということに、相当重点をおいてきておりますので、当然輸出振興一つの大きな柱といたしまして延べ払い間正題につきましては、これを伸張するという方針をとっておるわけであります、ただ問題は、特定の相手国へ延べ払いいたしますにつきましての仕向け国の特殊事情ということも、当然考慮しなければならぬわけでございますが、結局円クレジットの問題を含めまして、特定の国に対して信用を供与するという問題でございます。従いまして、その信用の供与ということには、おのずからそれぞれの仕向け国の事情によりまして、ある程度の限界があるということでございます。御承知だと思いまするけれども、イントにつきましては、この八月末にワシントンにおきまして、インドに対する対印債権国会議というようなものが開かれまして、インドにおける外貨事情というようなことを勘案しながら、それらの長期債権を、今後どういうふうに増加していくかというふうな問題につきまして、債権国相互間におきましても相当の懸念が起ってきておるというような事情にあります。従いまして、日本の政府といたしましても、通常の延べ払輸出につきまして、円クレ以外にやや慎重な態度をとらざるを得ないというようなことが、先はどのお話の事情じゃないかと思います。しかしながらもちろん一面から申しまして、インドは日本にとりましては、将来とも最大のプラント輸出の市場であり、また当然その市場は維持拡大しなければならぬということは申すまでもないことよでありますので、できるだけ延べ払い輸出その他の方法によりまして、可及的に輸出増進が可能になるように、通産省としてはできるだけ努力して参りたい、かように考えております。
  129. 小平久雄

    ○小平(久)委員 何かその点、橘さん御説明したいことがありますか。
  130. 橘弘作

    ○橘参考人 今重工業局長から、政府といたしましても、今後インドにプラント輸出が伸びるように措置をとるというお話でありましたが、私が先ほど申しました点の他の一面は二月に百八十億円の三カ年間の円クレジットをインドに供与いたしますときにおきまして、業界が非常に政府の政策を喜びましたのは、当時政府におきまして百八十億円のクレジット供与は、通常の延べ払い輸出で出にくいもの、それは国際競争もございますが、そういうものを通常輸出にプラスして伸ばすために、円クレというものを制定するのだという説明をしばしば伺いまして、私ども双手をあげて政府のこのような今後の輸出対策の方法に喜んだのでございます。しかしながらこれが業界で仄聞している点でありますが、大蔵省がこの円クレを承諾いたしますときに、通常の延べ払いを、ある程度これによってしぼるというような点が顕著に条件として現われて、円クレが成立したということを業界で聞いております。その後の実際の状況も、大蔵省のこういうような考えが非常に強く反映しておりまして、一時新聞等においてもこの問題が論ぜられ、業界においてもせっかくの通産省の考えを、初めのような意味に方向を向けてもらいたいということでやりましたが、なかなかそう参りませんので、今日円クレがインド政府の手続上、まだきまらない点もございますと思いますが、円クレをしいたために、一般延べ払いが非常に積み重ねられてしまったという点と、それからえインド政府がそのやり方について、手続の点でございますか、なかなか最終までに参ります時間がかかり過ぎましたので、インドに対する輸出は、ほとんどそういうようなために停滞の状況にあるということで困っております。過般私は四月に長官の嘱託を受けまして、西ベンガルの技術訓練センターの交渉に、インド政府に参りましたときにおきましても、インドの商社及びメーカの出先で、この問題でわくような騒ぎをやっておりました。最近またインド商社及び日本の工業メーカから行っております商工会というものができておりまして、そこからも非常な痛切な要望書が政府に提出され、私どもの日機運にも提出され、私が国内の幹事役を勤めて、この問題をぜひ円滑に、しかも大きくプラスになるように道を開いてくれというようなことを、訴えてきております実情でございますから、どうも大蔵省でこれを決定しましたときの気持が、私どもはふに落ちないという感じを持っておりまして、大へん残余念に思っております。
  131. 小平久雄

    ○小平(久)委員 この問題は、ただいま御説明をいただきまして事情は大体わかりましたが、せっかく決定した円クレが、かえって通常の輸出の妨げになるというようなことでは、何か本末転倒のような感じもいたしますので、この点は通産当高は大蔵当局に対して、せっかく設けた趣旨を誤まらぬように、一そう今後においても御努力を願いたいと思います。  次に承わりたいのは、やはり輸出振興の問題で、特に軽機械関係のことを先ほど申されました。この部面は中小企業が担当するものが多いので、非常に各種の困難があるということだと思いますが、実は最近私がちょっと耳にした実例でも、これはきわめてつまらぬ機械と云えばつまらぬ機械のようですが、竹の皮をはぐ機械だとか、あるいは藤の皮をはぐ機械だとか、私はちょっとカタログを見ましたが、きわめて簡単なもののようでした。大体そういうものでありますから、南方の方に相当出せるのじゃないかと、作った者は言っているのです。ところがそれをどこの商社に頼んだらいいのか、果してどこの国に売れるのか、こういうことが実際小さなメーカーではわからないのです。どこに行って相談していいのかもわからない、こういうのが実情であります。このほんの最近耳にした実例を今思い出したのですが、そういったくらいで、国内にも輸出に向くような機械を、相当作っているのもあるのじゃないかと思う。しかし果してどうして売るのか、どこへ向けたらいいのか、どこに相談したらいいのか、それすら実際わからぬでいるのが、私は相当あるじゃないかと思うのです。そういう点を業界、政府一体となって解決したいというようなことでありますが、この点、業界なり政府なりで何か具体的な構想でもあるならば、この機会にお聞かせを願いたい。
  132. 橘弘作

    ○橘参考人 ただいま小平先生からの御質問で、竹の皮をむきます機械、これは工業の低開発区としては農機具に次いで大事なものでございます。そのようなものの出し方は、私ども府県単位にめんどうを見るような機関もございますし、またそれらを総合的によく導くような機関がさしあたってちょっと思い当りませんけれども、大事な仕事じゃないかと思っております。今度輸出入取引法が改正されるように承わって、私ども説明を伺い、ディスカッションもしておりますが、かりに今度連合書組織でもできまして出せるようなふうに、当面法が改正されましたら、そのようなものが用いられることを非常に私どもも期待しておるのでございます。過当競承を伴いがちなもの、たとえばミシンとか双眼鏡その他これに類するようなものは、幸いただいま通産省におきまして軽機械輸出振興法というものを立案中でございますから、この立案中の法律の要項を親しく伺ってみますと、これが成立いたしまして運用に入りますれば、私はこの軽機械を出します両において非常に役に立つものと思って、ただいまその法案の成立を、私どもは待っておるというような状況でございます。
  133. 長谷川四郎

    長谷川委員長 ちょっと東工業局長に聞きたいつのですが、トランジスター・ラジオというものがこれまで伸びてきたのだが、その大もとのゲルマニウムの生産というものは国内ではどれくらいあるのですか。これはあなたの方ではなく鉱山局の方かもしれないけれども
  134. 小出榮一

    小出説明員 ただいまの御質問のゲルマニウムの国内生産でありますが、国内生産といたしましてはほとんどゼ口にひとしい状況であります。
  135. 長谷川四郎

    長谷川委員長 正石炭化学と並行して、日本でもゲルマニウムの生産を専念をしてやっていたのだが、その方の生産というのはどうですか。
  136. 小出榮一

    小出説明員 ただいま御指摘の点につきましては、従来も研究を重ねて参りました結果は、資源的にもほとんど問題にならないし、またコスト的にも担当高くつくということで、実際は国内生産は、ほとんどゼロという状況になっておると思います。
  137. 長谷川四郎

    長谷川委員長 あれは今どこから人れていますか、輸入先は。
  138. 小出榮一

    小出説明員 アメリカ及びベルギー領コンゴからだと思います。
  139. 小平久雄

    ○小平(久)委員 輸出と関連して賠償と機械工業関係は、どんなふうになっていますか、この点一つ説明して下さい。
  140. 橘弘作

    ○橘参考人 賠償と機械の輸出でございますが、これは私ども時々賠償問題で聞いております範囲内におきましては、相当順調に機械は出ておるのでございますが、ただその賠償の対象国によりまして、たとえばビルマのごとき、あるいはフィリピンのごとき——今度はインドネシアも始まりますが、その国々の政策によりまして初め考えたよりは大物が、つまりプラント物かなかなか出にくというような感じが強くなって参りました。と申しますのは、プラントを賠償にとりましても、それを資本財として完全に働かせるのに、その国において相当金がかかりますので、その国の財政、金融その他の関係で、資本財を中心にして賠償をやろうというスタートから見ますと、初めの考えがある程度はずれております。最近におきまして、ビルマもそうでございますが、資本財でなしに耐久消費財の形において相当な要求がございまして、これに日本としても踏み切る、はなはだしきに至っては消費財までも踏み切りつつあるような状況でございます。大きな化学プラントのようなものの期待は、初めよりはずれております。しかしながら船とか、そういうようなものについては賠償はなかなか活発に動いておる、通信機械またしかり、そのような状況に現状は考えております。
  141. 小平久雄

    ○小平(久)委員 だいぶ活発に行われておるというお話ですが、これは一回当局からでも、賠償によってどの程度の金額のものが機械工業関係のりものとして出ておるか、これを調べて一つ資料として出していただきたいと思います。  それから最後あと一点だけ承わりますが、機械工業全体として——これは一口に機械工業といっても、ここにも述べてありますように機械工業の中の業種によっていろいろ現況が違っておると思いますが、ここにうたってあるうちで、たとえば自動車であるとか、電気関係のっ耐久消費材であるとか、こういうものは割合いいとうたってあります。しかし一方また昨年と比べれば逐次受注量が減っておる、こういうこともうたってあるわけですが、いずれにしても景気の状態がこういうふうですから、機械工業に対する需要というものも、逐次一般的に減っていると思わなければならぬと思うのです。たとえば自動車でも、比較的いい、こう表面は見えていますが、これは一方生産が増加した関係もありましょうが、実態は必ずしもそうではないと思って、実は私個人は見ておる。ずいぶん激しい販売戦をやって、しかもメーカーの方は、御承知のように、今自動車は代理店制度でやっていますから、どんどん代理店を送り出して、いかにもメーカーは売れたような格好になっていますが、代理店の段階では相当かかえておる。しかも新しいものもかかえておるし、特に古いもの、いわゆる中古車をかかえておる。こういうことで実際問題として、もうあっぷあっぷしています。そういう関係ですから、私は必ずしも業界としてよくはないと思っております。それはとにかくとして、全般的に需要が減っておるということとあわせて、一面機械工業というか、全体のいわゆる設備の更新というか、近代化というか、そういうことも盛んに言われているわけなのです。そこで私は、機械工業関係でも販売の関係について、どうしても需要喚起のために工夫をしなつければならない段階に、もうきているのじゃないか、工作機械等についても私はしかりじゃないかと思うのです。今までは同じ金融するにも、みな消費者の方への金融ということでやってきた。工作機械などは今まで景気がよかったせいもあるだろうが、契約と同時に半金よこせ、さらに納入と同時にあと半金だといったようなのが、大体従来の形であった。そういうことは今までは需要が旺盛であったからできたのでしょうが、今後はなかなかそういうことを言っておったのでは、せっかく設備の更新をやろうという方も、なかなか金融がつかない。一曲メーカーの側に立って考えてもなかなか、販路が聞けない。いわばこういうジレンマに陥ってくる段階に入るのじゃないかと思うのです。言うまでもなく、自動車はとっくから月賦販売等もやっているわけですが、もう工作機械についても、そろそろ月賦販売というか、そういう販売制度について研究を要する段階にきているのじゃないか、私はこう見ているのですが、そういう点について業界などでは、現在のところ一体どういう考えを持っているのか、この機会に承わっておきたいと思います。
  142. 橘弘作

    ○橘参考人 ただいまの御質問は、非常に機械産業全般としては広範な御質問に属する次第でございますが、例を工作機械一つおとりになっておりますが、まことに御心配の通りと思うのでございます。ただ私どもの考えとしては、工作機械におきましてはこのような少し仕事がタウンしておるときに、設備の更新をやらせるべきだ、そうでないと少し仕事が忙しくなりますと、なかなか金利を下げたりあるいは特別の金融方法をつけてやる国の機械工業振興臨時措置法等がありましても、それに業界が乗らないというような一つの形がございます。工作機械が現状におきまして生産がタウンしておりますから、そのときに多額の金をかけて精度を上げるためにやろうというような努力はやはり意欲的には減っております。輸出をやるためには精度の高いものを、各協力工場あるいは下請工場というものがやらなければならぬのでございます。また親元の工業もその通りでありますが、しかも設備の合理化が、私どもの目算でありますが、ベアリング、自動車等は非常に精度を要求されますので、これは八〇%くらい戦後設備の更新はできておるものと見ておりますが、その他におきましては、特定の大きな会社は別でありますけれども、まだまだ貧弱な状況で古い機械をそのまま手直ししながら使うというような状況でありますから、かような時期におきまして全般的な機械産業の設備の合理化に特別の資金を設定し、そうしてしかも安い金利でこれを行わせるというような国としての政策が初めて有効に使われる。このように設備、機械合理化、更新をやらせますことによって、日本の工作機械業者は非常なそこに息づきを私は持ち出すと思う。今これを月賦で売りましても、なかなかそう飛びつくようなことはございませんと、私ども全般的には考えております。そこで今工作機械業界でも非常に考えておりますことは、やはりに作機械の輸出をしなければいかぬ、この工作機械を輸出するということに懸命な話政策を今考え、また一部失行し、またジェトロに対して工作機械等の海外宣伝等もやってもらったりしている次第でございまして、これは私はこういう不景気なときに、政府はどうしても設備の更新という目的が国の輸出産業というものと合致するような面には、積極的に出る絶好の機会と思っております。それから他の機械、たとえばブランド類もそうでございますが、これらの国内の設備投資がここまできますと、これが急に膨張するようなことにもなりませんので、やはり輸出を目途としなければならぬ。そのためにはコンサルティングの機能を今よりもうんと拡充し、また同時に従来長い間私ども要望しておりましても成立を見なかったのでございますが、つまり輸出プラントの技術面に対する保証措置というものがなかったのでございまして、これがために数多くの引合いを受けながら、技術面におきましてペナルティ条項が加えられるというようなときには、非常に多くの引合いに対する。パーセンテージを辞退をしておるのでございまして、これに対して今度技術保証というような立法を考えられておるということでありますから、コンサルティングを強化し、技術に対する保証措置を講じ、同時に不景気な時代に設備の更新をさせるということを強く太く政策としてとれば、もうあしたから輸出をやろうといっても、なかなか山岸ないような機械がございます、その根本をまず体質的に丈夫にしておくということが現状において一番大事なことである。従って国内需要でありますけれども、その場合には需要も出てくる。でそういう観点に立っての諸政策が、非常に大事な時期じゃないかというように考えます。
  143. 小平久雄

    ○小平(久)委員 その点は私も同じ考えなのです。ただその需要を出させる方法あるいはその機械工業全体として体質を改善させる方法として、販売方法その他に工夫を要する段階に来ているのじゃないか、こう私は思うということを申し上げたわけなのです。それについては政府の方にどういう援助をしろとか、何かそういう構想でもあるかと思ってお尋ねしたわけですが、いずれこれは御研究を願うことにして、終ります。
  144. 田中武夫

    田中(武)委員 実は今日は四時に委員会を終えるという申し合せもありますので、もう時間も余すところあまりないので、概括的に御質問して、それに対して簡単にお答え願いたいと思うのです。  まず最初に橘さんにお伺いしたいのですが、さっきの参考意見を述べられた際に、従業員が全産業に対して二六・三%、生産高が全産業に対して二〇%ということでございます。これは産業の性格によって一律にはいえませんが、従業員が二六・三%で水揚げが二〇%ということになると、一人当りの生産高というか、水揚げが平均よりか悪い、しかも機械産業を見ました場合に、大体資本とか材料とかいう面も莫大じゃないかと思います。そうすると、言いかえるならば、この種産業は他の産業に比べて割合が悪いといいますか、あまり恵まれないというようなことも、こういう筋から出てくると思うのです。そこで一昨年制定せられました機械、工業振興臨時措置法、これがそういった面に対して何らかプラスになっているかどうか、そういう点を一つお伺いいたします。  それからもう一点は、先ほど参考御意見の中で、自転車競技すなわち競輪の方からの収入益を若干こちらの方に回してもらって、機械工業振興の方に使っておるというようにおっしゃいましたが、実はけさ午前中に競輪会計の問題を当委員会は取り上げたわけなのですが、大体年間幾らぐらいが機械工業振興費として競輪収入の方から入ってきておるか、この二点をお伺いします。  それから石塚さんには先ほど言ったような意味から、電子工業振興法が、業界にどのような効果を与えたか、その点を一つお伺いします。  なお、もう一点は電子工業界といいますか、電機工業界は他の産業に比べそ外国との技術の提携といいますか、外国技術の導入が他の産業よりか多い、その結果が現在ではバテントの支払いが生産費の大きな負担になる——そのために技術が振興せられたことはわかるが、現在ではパテント支払いが相当大きな負担になっておるのじゃないか、このように思います。だが将来カラー・テレビの技術なんかを考えまして、なおその面において外国技術との提携も考えられるのじゃないかと思いますが、カラー・テレビのような問題で、外国の技術を要せずしで、日本だけでひとり歩きできるようなところまで行っているのかどうか、あるいはある程度やはり技術の導入をやらなければならないか、そういうような点についてお伺いします。  それから普通の真空管の将来性、すなわち今トランジスターとか、シリコンとかいうのが出ておりますが、将来は現在使っておる普通真空管は、ラジオその他の補修用りらいにしかならないのじゃないか。それとも普通の真空管が他の方面に何か利用するといいますか、そういった伸びる見通しがあるかどうか。いろいろお伺いしたいのですが、時間の関係もありますから、この程度にして四時に終りたいと思っておりますので、もしすぐ簡潔にお答えがでさないとか、あるいは長引くようだったら、あとで資料でいただけたらけっこうだと思います。
  145. 橘弘作

    ○橘参考人 第一番目の御質問で、機械産業の労働生産性の問題でございますが、これは機械産業の種類によって非常に差がございます。ただ将来、日本といたしまして最も労働生産性のいい仕事もたくさんございますから、そのような方向に産業のあり方を持っていったらどうか、というようなことは、研究の余地が非常に多かろうと思っております。いずれ別な機会に、機種別機械産業の労働生産性につきましては、その調査を提出いたしたいと思っております。  第二の、競輪から上ります金の問題が、機械産業にはどのような足しになっておるかというお話でありますが、これは私ども非常に大きな効果を機械産業全体に上げておるということを、一言にして結論を申し上げてけっこうだろうと思います。額としましては私は今日用意がありません。あるいは行政当局の方から額はすぐお答えあるかどうか存じません。概して私ども競輪の上との半分を機械産業の方にちようだいしたい。それに近いものを今日機械産業にちょうだいしておると思います。大体におきまして年八億から九億くらいあります。そのうちの半分近いものといいますと、四億くらいを、あるいは半分以上になることもあるかもしれませんが、機械産業の方に諸般の役立つような金をつけていただいておるわけでございます。
  146. 石塚庸三

    石塚参考人 御質問が三つの点にあるようでございますが、第一番目の電子工業振興法が業界にどんな影響をもたらしたか、こういう御質問であります。電子工業振興法が昨年制定せられたわけでございますが、その法律の大きなねらいは、私ども使っております範囲では電子計算機、あるいはオートメーション装置、あるいはカラー・テレビションといったような、今後電子工業の分野で、特に伸ばさなくちゃいけない産業を政府が取り上げて振興してやろう、こういうふうなお考えのようでございます。この電子工業というものの定義がどういうことになるか、私も学問的なむずかしい定義は存じませんが、平たく言いますと、真空管とかブラウン管とかあるいはトランジスターというものを使った応用装置であると考えておりますが、その根本をなすものは何といってもラジオ・セットであり、テレビジョン・セットであると私は考えております。それでそのラジオ、ラレビジョンは今企業としても十分採算に乗っている商品でございまして、これは企業独自の力で今後も改良発送をはかっていく、この点については各企業とも努力しておるわけでございますが、一方電子計算機とか、あるいはオートメーション装置というものは、岡としても非常に車要な仕事なのでありますが、何しろいわゆるコマーシャル・ベースに乗らない、商品化していない品物でございます。こういう点につきまして政府が補助金あるいは奨励金といったような形で業界に大きな資金を投入して下すって、計算機センターを作り、あるいはオートメーション・センターを作るということは非常に業界としても歓迎している事実でございまして、さらにまた昨年以来この電子工業の真空管、トランジスターと並んで非常に重要な部分品であります抵抗器とか、あるいはコンデンサーとかにつきまして、その両業種を取り上げて、これらの代表メーカーに昨年から数社に対して開銀融資のあっせんが行われたわけでございます。これが業界に稗益するところ非常に大きくなっております。振興法は今日まで五カ年の時限立法だと聞いておりますが、十分二年間でその成果を上げておられるように私は承知しております。  それから第二番目の電子工業関係では非常に外国のパテントの重圧が多いといったような御質問のように存じますが、この電子工業関係の技術は、戦前から日本に相当進んでおりまして、たとえば戦時中用いられた電波兵器、レーダー等に使いました八木アンテナというものは、これは日本の八木さんの御発明であって、これがいつの間にか外国へいって、外国でこれはりっぱに兵器化した、こういったような実績があるわけでございまして、日本といえども決してそんなにおくれておらなかったのでありますが、敗戦の結果、これは条約であるか何であるか存じませんが、日本の一切のそういう既得の特許権その他の所有権がキャンセルされまして、全くセロの状態で戦後出発した。従いまして日本の電子工業はあらゆる技術がほとんどアメリカ、あるいはイギリス、あるいはオランダ等の技術の支配下にあるという事実なのでございます。これを具体的に申し上げますと、例をテレビジョンにとってみますと、テレビジョンでは非常に大きな問題として、一つの点がございます。それはRCAの技術と、それからイギリスのEMIとオランダのフィリップスと三社でございますが、三社合計しまして現式セット一台当りの生産費に対しまして三・七%の外国特許料を払っております。これは二、三年前は約七%であったわけなんですが、逐次各国と交渉しましてここまで引き下げに成功してきたわけでございます。今後もさらに通産省その他の御援助を得まして、もっと引き下げるへく努力しております。と同時に国内の科学技術の振興をはかりまして、今後は先ほど御指摘のようなカラー・テレビその他におきましても、日本独自の技術的な発明あるいは特許というようなことでやりたいのでありますが、冒頭に申し上げましたような戦後の立ちおくれのために、残念ながらまだ独自の技術というところには至っていないようでございます。  それから第三番目に真空管の将来性の問題についての御質問のように存じますが、これは御指摘のようにあるいはラジオの在来のセットの補修だけといったようなことになるのかもしれませんが、一方テレビジョンの方は、ラジオ・セットにつきましては、かなり真空管の分野は食われる、今後のセットは、最近の統計によりますと、約六〇%がトランジスター式になっておりますので、さらにこの趨勢が拍車をかけられまして、おそらく八〇%くらいまでトランジスターのラジオになってしまうだろうということを、予想しております。一方テレビジョンにおきましては、非常に周波数が高い関係上、ただいまのトランジスターの製造技術では、テレビジョンを稼動させるトランジスターはございません。試作的にはありますが、工業化して大量に販売するという段階に至っておりません。従って、テレビジョンの需要は今後とも相当見込んでいける。つまり、御指摘のように、ラジオについては保守用だけ、しかしながら、テレビションについては、当分の間まだ真空管式にトランジスターがとってかわるような態勢にはならないだろうというふうに想像しております。
  147. 長谷川四郎

    長谷川委員長 本件につきましての調査は、この程度にとどめておきたいと存じます。 参考人方々一言ごあいさつ申し上げます。長時間にわたり貴重な御意見ありがとうございました。本日皆さん方においで願った理由というものは、今日機械工業がかくのごとく伸長をいたして参りましたが、なお一そう拍車をかけて、より高いところへ持っていくために、われわれといたしましてもできる限り御協力を申し上げたいという考え方からであります。どうぞ今後におきましても、御意見等を十分聞かせていただきまして、できるだけの御協力を出し上げたいと存じております。  きょうはまことにありがとうございました。  これをもって散会いたします。     午後四時二分散会