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1958-07-04 第29回国会 衆議院 商工委員会 第9号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和三十三年七月四日(金曜日)     午前十時五十六分開議  出席委員    委員長 長谷川四郎君    理事 小川 平二君 理事 小平 久雄君    理事 中垣 國男君 理事 中村 幸八君    理事 加藤 鐐造君 理事 田中 武夫君    理事 松平 忠久君       新井 京太君    奧村又十郎君       菅野和太郎君    坂田 英一君       關谷 勝利君    田中 榮一君       中井 一夫君    濱田 正信君       本間 俊一君    渡邊 本治君       内海  清君    大矢 省三君       勝澤 芳雄君    小林 正美君       堂森 芳夫君    中嶋 英夫君       永井勝次郎君    水谷長三郎君  出席国務大臣         通商産業大臣  高碕達之助君  出席政府委員         総理府事務官         (公正取引委員         会事務局長)  坂根 哲夫君         通商産業政務次         官       大島 秀一君         通商産業事務官         (大臣官房長) 齋藤 正年君         通商産業事務官         (企業局長)  松尾 金藏君         中小企業庁長官 川上 爲治君  委員外出席者         議     員 田中 武夫君         総理府事務官         (経済企画庁調         整局参事官)  富谷 彰介君         農林事務官         (水産庁次長) 西村健次郎君         通商産業事務官         (重工業局長) 岩武 照彦君         参  考  人         (東京建築局         長)      中井新一郎君         専  門  員 越田 清七君     ————————————— 十月四日  委員中村寅太辞任につき、その補欠として赤  澤正道君が議長指名委員に選任された。 同日  委員赤澤正道辞任につき、その補欠として中  村寅太君が議長指名委員に選任された。     ————————————— 七月三日  下請代金支払遅延等防止法の一部を改正する法  律案田中武夫君外十三名提出衆法第一六  号)  第四次日中貿易協定実施促進に関する請願(  杉山元治郎紹介)(第三九八号)  同(久保田鶴松紹介)(第三九九号)  同(古川丈吉紹介)(第四一六号)  商工組合中央金庫政府出資増額等に関する請  願(江崎真澄君外二名紹介)(第四一五号) の審査を本委員会に付託された。     ————————————— 本日の会議に付した案件  参考人出頭要求に関する件  小委員補欠選任の件  下請代金支払遅延等防止法の一部を改正する法  律案田中武夫君外十三名提出衆法第一六  号)  通商産業基本施策に関する件  私的独占禁止及び公正取引に関する件  小委員長より報告聴取   請願  一 製綿用外貨資金割当に関する請願春日一    幸君紹介)(第一〇号)  二 同(小平久雄君外一名紹介)(第二八号)  三 第四次日中貿易協定実施促進に関する請    願(菅野和太郎紹介)(第三四号)  四 発明者表彰に関する請願永田亮一君紹    介)(第七五号)  五 繊維産業不況打開に関する請願西村榮    一君紹介)(第一二六号)  六 東北地方開発具体策確立に関する請願    (飯塚定輔紹介)(第一三三号)  七 東北開発促進計画早期作成に関する請願    (飯塚定輔紹介)(第一三四号)  八 特定地域開発計画事業に対する国庫負担の    特例措置に関する請願飯塚定輔紹介)    (第一三五号)  九 特定地域開発事業促進に関する請願飯塚    定輔紹介)(第一三六号) 一〇 第四次日中貿易協定実施促進に関する請    願(春日一幸紹介)(第一五五号) 一一 同(菅野和太郎紹介)(第一五六号) 一二 同(加藤鐐五郎紹介)(第一七二号) 一三 同(小枝一雄紹介)(第一九七号) 一四 特定地域開発計画事業に対する国庫負担の    特例措置に関する請願石山權作君紹介)    (第二五九号) 一五 第四次日中貿易協定実施促進に関する請    願(天野公義紹介)(第二八九号) 一六 部落問題解決のため部落内商工業者の技術    改良等に関する請願田中織之進君紹介)    (第二九〇号) 一七 バナナ輸入行政措置適正化に関する請願    (武知勇記岩紹介)(第二九一号) 一八 同(長谷川四郎紹介)(第二九九号) 一九 百貨店及びその傍系別会社規制強化等に関    する請願神近市子紹介)(第三一三    号) 二〇 同(島上善五郎紹介)(第三一四号) 二一 同外三件(原彪紹介)(第三一五号) 二二 同(板川正吾紹介)(第三五二号) 二三 同外一件(鈴木茂三郎紹介)(第三五三    号) 二四 同(田中武夫紹介)(第三五四号) 二五 東北地方開発具体策確立に関する請願(    石山權作君紹介)(第三四九号) 二六 東北開発促進計画早期作成に関する請願    (石山權作君紹介)(第三五〇号) 二七 特定地域開発事業促進に関する請願石山    權作君紹介)(第三五一号) 二八 バナナ輸入行政措置適正化に関する請願    (高橋英吉紹介)(第三五五号) 二九 発明者表彰に関する請願原健三郎君紹    介)(第三五六号) 三〇 速度調節機生産援助に関する請願原健    三郎君紹介)(第三五七号) 三一 江川ダム建設反対に関する請願永山忠則    君紹介)(第三六四号) 三二 第四次日中貿易協定実施促進に関する請    願(杉山元治郎紹介)(第三九八号) 三三 同(久保田鶴松紹介)(第三九九号) 三四 同(古川丈吉紹介)(第四一六号) 三五 商工組合中央金庫政府出資増額等に関す    る請願江崎真澄君外二名紹介)(第四一    五号)      ————◇—————
  2. 長谷川四郎

    長谷川委員長 これより会議を開きます。  まず小委員補欠選任の件についてお諮りをいたします。去る一日繊維不況対策に関する小委員菅野和太郎君が委員辞任されたのに伴いまして、同小委員が一名欠員となっておりますので、その補欠選任を行いたいと存じますが、委員長より指名するに御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  3. 長谷川四郎

    長谷川委員長 御異議なしと認めます。再び委員に選任された菅野和太郎君を同小委員指名をいたします。     —————————————
  4. 長谷川四郎

    長谷川委員長 次に本州製紙の汚水問題について、東京建築局長中井新一郎君を参考人として御出席願い実情について説明を聴取したい旨の御要望があります。同君を本日参考人として御出席願うことに御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  5. 長谷川四郎

    長谷川委員長 御異議なしと認め、そのように決定をいたします。     —————————————
  6. 長谷川四郎

    長谷川委員長 繊維不況対策に関する小委員長中村幸八君より、小委員会経過について報告をいたしたいとの申し出があります。これを許可いたします。繊維不況対策に関する小委員長中村幸八君。
  7. 中村幸八

    中村(幸)委員 繊維不況対策に関する小委員会審議経過並びに昨日決定いたしました一応の結果につきまして御報告いたします。  本小委員会繊維産業不況実情調査と、その対策樹立を目的として去る六月二十四日に設置せられ、不肖私が小委員長に選任せられました。自来六月二十七日、七月二日及び三日の三回にわたたり会議を開き、政府当局より不況現状及び当局者の現在までにとった処置について説明を聴取するとともに、生産調整輸出振興過剰設備及び過剰在庫処置輸出割当制労働関係等の諸問題につき詳細な質疑を行い、なお緊急にとるべき施策について懇談を行うなど、熱心な検討を続けて参りました。かくして昨日、当面の危機を打開してすみやかに不況克服をはかるための方策につきまして、お手元に配付してあります通り繊維産業不況対策に関する件について各小委員の意見を取りまとめ、これを小委員会の一応の結論といたし、本委員会において決議すべきであると決定いたしましたので、ここに私より本委員会報告いたしまして、各位の御賛同を得たいと存ずるものであります。なお詳細は小委員会会議録を御参照願いたいと思います。  それではまずその案文を朗読いたします。    繊維産業不況対策に関する件   繊維産業は、昨年来、未曽有不況に見舞われ、自来、逐次生産調整を初めとして各種の不況対策を講じてきたが、市況は回復の兆を見せず、不況は一段と深刻となり、倒産、工場閉鎖も続出している状況である。   特に商工委員会においては、昨年十二月、絹人絹不況対策につき決議を行なったが、いまだその実効があがらず、はなはだ遺憾にたえないところであり、さらに最近においては、中小企業が大部分を占める綿スフ布業界の疲弊が特にはなはだしく、輸出の不振もあって、異常な不況を呈している。   このように、繊維業界全般不況は今や最悪の事態となり、しかも長期にわたる繊維不況は、関連産業界にも甚大な影響を及ぼし、社会問題化の様相を呈するとともに、延いては国際収支の悪化を招来するの由々しい事態を惹起するに至っている。   よって政府は、この危機を打開するため、緊急に左記の諸対策を強力に実施して不況克服を図るべきである。       記  一、中小織布業者が原糸を適正価格をもって円滑に入手し、且つ適正な加工賃が得られるよう、諸般の施策を行うとともに、手形長期化防止不渡手形補償不当返品についての対策その他取引条件を改善するに必要な措置を講ずること。    特に、綿スフ紡績織布兼営業者と織布専業者との間に公正な競争ができるよう、原  綿輸出リンク割当制について是正すること。  二、過剰滞貨処理を促進するため、その凍結等に必要な諸措置を講ずること。  三、繊維製品輸出振興施策を強力に行うとともに、輸出における過当競争を排除するため、綿スフ織物等競争の激化を予想される商品については、買取機関の設立を検討すること。    なお、輸出繊維製品検査費用国庫負担とするよう措置すること。  四、綿スフ及び人絹過剰繊維機処理を一層迅速且つ強力に実行に移すとともに、不況下における業界負担を軽減するため、買上単価の引上げ、国庫補助金増額を行い、併せて処理台数の増加を行うこと    なお、これと併行して、合成繊維織機の新増設をも規制するよう適宜な措置を至急  講ずること。  五、総合的な生産調整実効を確実に挙げ、且つ、長期に亘る生産調整及び操短実施を円滑ならしめるため、次のような配慮を払うこと。   (イ) 生産調整に対する指導監督を強化すること。   (ロ) 生産調整、特に操短実施にあたって必要な、長期且つ低利の資金を確保し、その貸付手続簡素化迅速化及び担保物件緩和を図るとともに、損失補償措置を講ずること。   (ハ) 生産調整実施中の中小企業者に対する税金、特に非稼動施設に対する固定資産税の減免を行うよう措置すること。   (ニ) 操短によって労務者に労働強化を来さないよう指導監督するとともに、その実質収入影響を与えることのないよう、適正賃金の確保、生活資金融資につき格段の措置を請じ、且つ、離職者に対しては生業資金の斡旋に努め、その生計に憂いなからしめること。  右決議する。  以上が小委員会において決定いたしました案文であります。何とぞ委員各位の御賛同を得まして、委員会決議とせられんことをお願い申し上げる次第であります。
  8. 長谷川四郎

    長谷川委員長 以上で小委員長報告は終りました。  お諮りいたします。繊維産業不況対策に関する件につきまして、小委員長報告にありました通り、本委員会決議とするに御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  9. 長谷川四郎

    長谷川委員長 御異議なしと認め、さよう決定いたします。  なお、これに対しまして、堂森君より発言を求められております。これを許します。堂森君。
  10. 堂森芳夫

    堂森委員 わが国繊維業界、特に絹人絹業界においては、昨年以来非常な不況がございました。そして昨年十二月、本委員会において決議をされまして、政府はこの決議に従いまして、たとえば操短融資などの対策を講じて参りましたが、その実はあがっていないのであります。さらに綿スフ業界にも著しい不況が現われて参りまして、今やわが日本における繊維業界には未曽有といってもよいような不況が参ったのであります。この決議の線に沿いまして、従来わが国外貨獲得に大きな役割を果して参りました繊維業界に、回復の曙光が一日も早く見えるよう、政府は全幅の努力を払うよう社会党を代表して要望するものであります。
  11. 長谷川四郎

    長谷川委員長 お諮りいたします。この決議議長報告いたしました後、関係方面参考送付等手続に関しましては、委員長に御一任願いたいと存じます。御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  12. 長谷川四郎

    長谷川委員長 御異議なしと認め、そのように決します。  この際、本決議について政府の御発言があればお述べ願いたいと思います。
  13. 高碕達之助

    ○高碕国務大臣 繊維産業不況は、御承知のごとく全く深刻でありまして、特に中小機業者が経営に困難を来しておることはまことに遺憾に存ずるところでございます。このときに際しまして、繊維不況対策のために当委員会におきまして小委員会が設立され、連日いろいろ御検討の結果、本日決議をされましたことはまことに感謝にたえない次第でございます。中には相当実行可能なる点もあるように見受けられますので、政府といたしましては、十分検討いたしましてこれが実行を期し、そしてこの不況対策に努力したいと存じておる所存でございます。     —————————————
  14. 長谷川四郎

    長谷川委員長 次に、本日の請願日程に掲載されております三十五件の請願を一括して議題とし、審査を進めます。これらの各請願につきましては、文書表等により委員諸君も一応内容は御了解になっておられることと存じますが、先刻の理事会におきまして理事諸君と種々検討をいたしました結果、日程第一ないし第三、第五ないし第二十八、及び第三十二ないし第三十五、以上三十一件の各請願は、いずれもその趣旨が妥当と認められますので、採択の上、内閣に送付すべきものと決すべきであるとの結論を得たのでありますが、そのように決するに御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  15. 長谷川四郎

    長谷川委員長 御異議なしと認め、そのように決します。  残余の請願につきましては、採決は延期することといたします。  なお、ただいま議決いたしました各請願に関する委員会報告書作成に関しましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  16. 長谷川四郎

    長谷川委員長 御異議なしと認め、そのように決します。     —————————————
  17. 長谷川四郎

    長谷川委員長 なお、当委員会に、お手元に配付してあります通り九件の陳情書が送付されておりますので、申し添えておきます。     —————————————
  18. 長谷川四郎

    長谷川委員長 次に、通商産業基本施策に関する件、日本経済総合的基本施策に関する件、私的独占禁止及び公正取引に関する件並びに鉱業の一般公益との調整等に関する件について調査を進めます。質疑の通告がありますので、順次これを許します。永井勝次郎君。
  19. 永井勝次郎

    永井委員 大臣にちょっとお尋ねいたしますが、けさ新聞佐藤大蔵大臣一つの裁断として、社会党から中小企業に対する金融緩和及び金融をもっと円滑にしてもらいたいという申し入れに対しての回答が出ております。それによると、資金はもうたっぷりである、それから今のところは中小企業関係金融は第一・四半期はこういうふうにふやしてある、第二・四半期需要はこういう関係だからそう要らない、これでもう十分だという回答がなされておるわけです。これは政府関係所見だと思うのでありますが、現在の不況条件の中で、中小企業金融実態が、大蔵省のいうようにそんなに潤沢で、たっぷりで、何らこれ以上措置する必要がないというような実態があるのかどうか、そういう判断のもとに資金ワクをふやす必要はない、こういうことなのかどうか。これに対して通産大臣所見を伺いたいと思います。
  20. 高碕達之助

    ○高碕国務大臣 ただいまの御質問にお答えいたします。大蔵大臣がどういう話をしたかということは、私よく詳細を聞いておりませんが、けさ新聞でそういうことが出ておったということは、私はよく拝見いたしました。通産省といたしましては、この問題につきましては十分検討いたしまして、現状に即して大蔵大臣と交渉すべきものは交渉いたしたいと存じております。
  21. 永井勝次郎

    永井委員 よく検討して善処したいと言っているのですが、大蔵省ではその必要はない、国民金融公庫についてはこうだ、中小企業金融公庫についてはこうだというふうにはっきりと示しておるわけです。ところが本年の予算審議の場合におきましては、商工中金にいたしましても国民金融公庫中小企業金融公庫にいたしましても、前年度に比べて資金ワクは全体で少くなっております。この資金ワクは年度当初の予算ではなしに、政府総合調整措置としてふやした資金の面から見ますと少くなっておるわけであります。そうしてその少くなった金額において運用していく場合においては、需要に対して各金融機関とも半分も需要にこたえることはできない、それ以下の状況だ。何としても資金ワクは不十分だ、こういう実情であったわけです。その後経済界があらたまったという実情でもなければ、不況実態が御承知のように一そう進行して、金融難状況というものは中小企業にしわ寄せされておるわけです。そういう条件の中で、その必要はないのだ、これでたっぷりだ、こういうような現状分析というものは、判断というものはどこから出てきたか。そしてまたそういう判断に立つから中小企業にはもう資金ワクは必要ないのだという結論が出ると思うのです。これは決して通産大臣と何ら関係なくこういうなにが出るわけはないと思うので、閣議においては、不況対策に対してどうしたらいいかということが出されたということでありますから、当然いろいろな問題が提起されており、通産大臣から中小企業その他の問題についても当然閣議にいろいろ所見が述べられていることと思うのですが、そういう条件の中で、こういうたっぷりだというようなことは大へんなことだと思う。でありますから、研究調査するということではなくて、この事態に対して大蔵省に対しては通産大臣はどういうふうに今後折衝され、どういうふうに判断され、そういう間違った考えを修正させるためにどういう措置をとろうとお考えになるのか。あるいは金融実態について大臣がどういうふうに現状を把握しておられるか。この把握の上に立って金融は今後もう少し緩和しなければいけないとかなんとかいうお考えがなければならないと思うわけであります。そういう中小企業に対する金融面から見た一つ所見というものを、この機会に伺っておきたいと思う。ことに商工中金等については、石炭局あたりでは中小炭鉱の貯炭を、大手が商社を作って買い取るということを計画しており、その買い取る金の裏づけは商工中金から出そうというのでありますから、これは新たな不況対策としてこのプロパー中小企業の中に食い込んでくるやり方だと思います。そういう形はいろいろな金融機関の中に入り込んでくるのではないが。そうすれば一そうプロパー一つ中小企業としての金融ワクはますます小さくなるのではないか、こういう心配もあるわけでありますから、特別国会審議最終段階だと思いますから、この機会にこれらの問題についてはっきり伺っておきたいと思います。
  22. 高碕達之助

    ○高碕国務大臣 不況の結果中小企業金融上行き詰まっておることは当然あることであると私は存じます。また金融緩和するということが、これを救済するゆえんだということはよく私ども存じております。同感でございます。ただ現状がどうであるかということにつきましては、私今ここにはっきりした数字を持ちませんので、政府委員からお答えいたさせます。
  23. 永井勝次郎

    永井委員 大蔵省との是正の問題については、間違っておるとすればその是正の問題についてはどうするか。
  24. 高碕達之助

    ○高碕国務大臣 検討の結果、大蔵省見解と私ども見解が違っておりますれば、これを是正することに努力いたしたいと思います。
  25. 川上爲治

    川上政府委員 最近の中小企業金融の問題につきましては、私どもの方といたしましては、最初政府関係金融機関であります中小企業金融公庫につきましては、年間二百七十五億の新しい財政投融資をやりまして、全体の貸付規模といたしましては五百七十億で進めております。それから国民金融公庫につきましても、新しい財政投融資につきましては二百三十五億、貸付規模につきましては年間八百四十五億という計画で現在進めておるわけであります。また商工中金につきましても、年間貸付の総額を二千五百八十二億という計画で進めておるわけでありまして、そのうち政府債券引き受けをことしは三十億というふうに見て、一応それで進めておるわけですが、最近における状況を見ますと、非常に窮屈であるというような状態にはなっていないようであります。先ほど先生がおっしゃいましたように、昨年のワクよりも小さいのではないかという問題につきましては、これは新しい財政投融資が昨年のワクよりも小さいではないかということだろうと思います。たとえば中小企業金融公庫につきましては、昨年は三百億だがことしは二百七十五億、国民金融公庫につきましては昨年二百七十億がことしは二百三十五億、あるいは商工中金債券引き受けについても、政府債券引き受けは昨年は約七十五億でありましたものがことしは三十億である、こういうわけで非常に小さいのではないか、だから非常に苦しいのではないかというようなお話でありますが、資金の全体のワクといたしましては、昨年よりもある程度大き目に見積りまして、たとえば回収金とがその他のものを入れまして進めておるわけでありまして、さっきも申しましたように、大体今のところではおっつかっつというような程度で進んでおるのではないかというふうに考えられるわけであります。しかしながら今後秋口となりまして、相当不況が深刻になり、あるいは資金需要が相当伸びるということになりますれば、私どもの方としましては別途余裕金を実は持っておるわけでありまして、それは、先ほど申し上げました中小企業金融公庫国民金融公庫の純然たる政府金融機関につきましては、この二百七十五億と二百三十五億のそれぞれ半額までは、大蔵大臣の職権によりまして、その急な場に間に合うように増額して政府財政投融資をなすることができるということになっておるわけであります。また商工中金につきましても、本年は昨年よりも政府引き受けは非常に少いわけでありますけれども、これはその必要によりまして随時これを大きくすることができるということになっておりますので、私どもとしましては今後の推移を見まして、ほんとうに中小企業資金需要が大きくふえるということでありますれば、こうした余裕金を持っておりますものから金を出して、何とかその措置をとりたいというふうに実は考えておるわけであります。
  26. 長谷川四郎

  27. 中井一夫

    中井(一)委員 私は去る二十五日、大臣に対しまして質疑をいたしておいたのでございます。その御答弁をこの機会に承わることができれば幸いだと思います。
  28. 高碕達之助

    ○高碕国務大臣 六月二十五日の中井委員からの御質問に対しましては政府委員から御回答いたします。
  29. 川上爲治

    川上政府委員 この前からの御質問に対しまして、相当細部にわたっておりますので、私から便宜答弁申し上げます。  私の方としましては、中小企業対策としましていろいろ問題があるわけでございますが、第一の問題としましては、この組織の強化の問題についきましては、昨年臨時国会におきまして中小企業団体組織法が制定されまして、この法律が四月の一日から実行されております。四月以降におきまして中小企業安定審議会を設置いたしまして、この安定審議会におきまして、いわゆる第九条の不況要件の判定基準を決定いたしまして、これを五月の二十日に告示をいたしておるわけであります。今日まで中小企業安定法に基きます調整組合制度による調整組合が、約三百くらい、すでにこの団体組織法に基く商工組合に切りかえられております。それからまたいろいろな調整命令とかそういうものも、この法律による命令に切りかえておるわけであります。新しい組合につきましては、今のところまだ出てきておりません。近いうちにいろいろなものが出てくる気配になっております。おそらく八月、九月ごろになりますと、各方面からいろいろな組合の申請が出てくるんじゃないかというふうに考えます。私どもの方としましては、この法の精神に照らしまして、またこの委員会、国会の決議を尊重いたしまして、この組合の組織に対しまして遺憾のないように努力したいというふうに考えております。  それから中小企業金融の問題につきましては、先ほどいわゆる政府財政投融資関係につきましては、数字をお示ししまして申し上げました通りでありまして、私どもの方としましては、この秋口になりまして相当問題が起きる可能性もないとも考えておりませんので、何とかその際を切り抜けるために、現在持っております余裕金の方から極力増額して出すように努力したいというふうに考えておるわけであります。  なお、中小企業信用保険公庫につきましては、この前の国会において法律が制定されまして、この七月一日から公庫が成立し、すでに発足を見ておるわけであります。これは産業基盤関係の法律がまだ通過しておりませんので、これに基く六十五億につきましてはそのままになっておりますけれども、従来から特別会計で持っておりました二十二億と、今回の予算によって一般会計から出されることになりました二十億、それを合せて四十二億の基金をもちまして、先ほど申し上げましたように、この七月一日からすでに発足をしまして業務を開始いたしておるわけであります。これが軌道に乗りますれば、相当一般の金融機関からの中小企業向けの金融が円滑に行われるものと期待いたしておるわけであります。  それから第三の問題としましては、税の問題でありますけれども、従来から、たとえば事業税につきましても、法人税につきましても、あるいは所得税につきましても、いろいろ中小企業のために特別なことをやって参りましたが、必ずしも私どもは十分ではないと考えますので、特に事業税の軽減等につきまして、さらに研究を進めまして、今後特に零細企業を重点とした事業税なりその他の税の軽減に努力をいたしたいというふうに考えておるわけであります。  それから第四の問題としましては、設備の近代化の問題でございますが、本年度におきましては昨年度よりもさらに二億増加いたしまして政府の出し前を六億としまして、また県の方から同額、すなわちそれを入れますと十二億、県及び政府の方で合せて十二億、それから従来の回収分を入れますと大体十五億くらいの金が、本年度設備近代化のために無利子の金が出されるわけでございます。こういたしますと、三十三年度におきましては、少くとも四十五億程度の設備の近代化が行われるのではないかというふうに考えておるわけであります。しかしながら最近の大企業と中少企業との格差の関係とかあるいは輸出貿易の関係とか、いろいろな点から見ますと、どうしても四十五億程度の設備の近代化をはかるということでは、とても私の方ではこれはようし得ないというふうに考えますので、三十四年度以降におきましては、さらにこれに対しまして政府の金も増額し、あるいは特別な金融措置一つ考えて、設備の近代化をもっと進めなければならぬというふうに考えて、現在検討いたしておるわけであります。  それから第五の問題としましては、いわゆる技術の指導とか経営指導につきましては、いわゆる中小企業診断制度というものがありますが、本年度におきましてはこれも予算におきましては増額されまして、強化されております。あるいはまた試験所の問題についても、本年度におきましては新たに助成金を六千万円程度地方の各公設試験所に出しまして、機械の入れかえ等を行いまして、ほんとに中小企業の世話ができるような試験所にしよう、指導機関にしようということで現在進めておりますが、こういう問題につきましても、今後さらに強化したいというふうに考えておるわけであります。  その次の問題としましては、小売商業対策の問題でありますが、私どもといたしましては前国会におきまして私の方から出しました小売商業特別措置法案が流産になりまして、そして近いうちにまたこの法案をもっとよりよいものを作って出せというこの委員会決議にもなっておりますので、私どもとしては現在この問題をいろいろ検討しておりまして、たとえば小売市場の問題でありますとか、あるいは生産協同組合との関係、あるいは購買会との関係、あるいはまた大企業が小売に進出する場合の問題とか、そういう問題をいろいろ検討いたしまして、前よりもよりよい案を作りまして、できれば臨時国会にこれを出したいということで、現在いろいろ進めておるわけであります。  その次には、輸出振興関係につきましては、特に中小企業輸出関係に占めております大きな地位を考えますと、この際どうしてもこの中小企業輸出振興対策について一段の努力をしなければならぬというふうに考えております。従来からもたとえば中小企業輸出振興施策奨励費助成金とか、あるいは中小企業輸出振興技術研究費助成金とか、あるいは輸出向け特産品の発掘、販路開拓事業費とか、そういういろいろなものに対してある程度の助成金なり、そういうことをやりまして、努力をいたしておるわけでありますが、私どもの方としては今後さらにこれを強化すると同時に、もう一つはやはり中小企業輸出に適格な産業につきましては、どっちかといいますと、非常にかゆいところまで手が届くような行政をやってきておりませんので、私どもの方としてはこれからは通産省の各原局なり、あるいはその他の省との十分緊密な連繋をとりまして、もっとこれを深く掘り下げて助長なり、あるいは指導なりをやっていきたいというふうに考えて、これに対して今後は最も大きな力を注いでやるべきことの一つではないかというふうに考えておるわけであります。  それからこの前からいろいろ問題になっております共済制度の問題につきましても、私どもとしてに最近の中小企業者の従業員の問題とか、あるいは零細企業者の問題とか、そういう点をいろいろ考えますと、やはりこういう共済制度というものが必要ではないかというふうに考えますので、この問題につきましては最近いろいろ検討をいたしておりまして、これは臨時国会になりますか、通常国会になりますか、ぜひともこういう制度の確立に持っていきたいというふうに考えております。ただこういう問題につきましては、一般的な共済制度との関係もありますので、その辺を十分考慮して措置したいというふうに考えておるわけであります。  それからこの前の国会において問題になりました最低賃金法の問題につきましても、これは中小企業問題としても非常に大きな問題でございますが、最近の中小企業現状からいいまして、あるいはまた中小企業の中でも何とかこういう制度があることが、雇用確保の上からいいましても、あるいはまた輸出貿易の関係からいいましても、どうしても必要じゃないかという意見もありますが、それかといってこれを急激に推し進めるということもなかなかむずかしい問題でございますので、私どもとしてはこの問題についてもさらに検討しまして、この問題は労働者の問題でありますが、十分連絡をとりまして、中小企業者にとりましても最も妥当な案を一つ出していただいて、そういう制度を確立する必要があるんじゃないかというふうに考えております。  それから最後に最近問題になっております週休制の問題でございますが、この週休制の問題につきましては実のところ私どもの方はまだ十分検討いたしておりません。昨年昔の商店法関係を研究いたしまして、何か時間制とか、週休制とか、こういう問題について確立する必要がありはしないだろうかということを検討しましたが、なかなかこれは時間にしましても、あるいは週休制の問題にしましてもむずかしい点がありまして、私どもの方としまして自信のある案が全然今のところはできておりません。ただこの問題につきましても、中小企業者の従業員や中小企業者それ自体から見ましても非常に大事なことではないかと考えますので、十分この問題は労働省その他の方と連絡をとりまして検討したいというふうに考えておるわけでございます。  大体中小企業問題につきましては今のところそういうような情勢になっております。
  30. 中井一夫

    中井(一)委員 ただいまの御答弁によりますと、通産省が中小企業の問題について非常な熱意を持っておられることを承わって心強く思います。事柄はむずかしい問題を多々含んでおるのでありますから、大臣におかれましても長官におかれましても一そうの御奮闘をいただきたいと思います。つきましてはただいまの御答弁に対しまして数点重ねてお尋ねを申し上げたいと思います。  まず中小企業の組織強化に関する問題であるのでありまするが、先ほどもお話しになりました通り不況要件の判定基準というのを御決定になったようであります。そうしてこの問題は帰するところ、中小企業者があまりにも競争を激烈にやる、これをどうかして防止することが、ただいまの中小企業不況をのがれしめる大きなもとだということを思いますると、どうしてもここに組合を作って、そうしてこの不当競争を防止するということが一番大切な基本的問題だと思うのであります。それゆえにその一つの重要なる方策であるところの商工組合、これを作るのに、あまり基準をむずかしく御解釈になって、むしろ作らさないようにというふうに指導せられるというならば、全く団体法のほんとうの目的を逃することができないことになるのであります。しかるに最近地方におきましては商業者については商工組合というようなものは作らさないでいくのが、政府の本旨だというような趣旨のことを府県の当局が示唆をする場合を聞くのであります。そういうことになりますると、余りこの法律の趣旨を無視したことになるのでありまして、むしろ進んでこの不況標準というものについては、これをできるだけ広く考えられて、そうして商工組合というものをできるだけ安易に作ることができるように、本省として地方を御指導になるということがきわめて必要だと思うのであります。この点に対しまする大臣の御所見を、伺いたいと思います。
  31. 高碕達之助

    ○高碕国務大臣 ただいまの御質問の地方において中小の商業者の組合を作るということについて、何かそこに反対の意見があるようなお話でございますが、通産省といたしましてはそんな考えは毛頭持っておりません。どこまでも中小企業者不況であるかどうかの判定基準に基いて、これは商工組合を作らすということの方針は変りはありません。ただその手続等につきましては、あるいは多少触れる点があったかもしれないと存じますが、そういうことのないように、今後努力いたしたいと思っております。
  32. 中井一夫

    中井(一)委員 次に中小企業金融の問題なのであります。この点につきましてはただいま永井委員からお尋ねがあり、また長官の御答弁もあって一応は了解ができるのでありますけれども、しかし肝心の問題に御答弁が触れていないかのごとく思います。すなわち御答弁によりますると、結局本年度の財政投融資計画におきまして、三つの機関の融資等合計五百四十億円、従って三十二年度の当初の計画四百二十億円に比べますと百二十億の増加ということになっております。しかしながらこの金額というのは資金運用部の資金、簡易保険の郵便年金の資金と運用計画の総額三千五百七十数億に対比いたしますると、わずか二五%にすぎないのでありまして、この大切な中小企業に対する融資関係としては実に少な過ぎる。ほんとうに政府がこの中小企業の問題を、わが国の大切なる政治問題いな社会問題としてお考えになるならば、もっとこのワクを多く与えられてしかるべきだと思うのであります。のみならず、この問題の計算の根拠につきましては、当初の融資額については百二十億の増額になっておりますけれども、昨年度の融資というものは相当補正されまして二百三十五億増加して合計六百五十億になっておるのであります。それゆえに、この補正された後の合計額をこのたび御決定になりました金額に比べますると、永井委員仰せの通り百十五億のむしろ減少になっておるのでありまして、政府中小企業に対する熱意のほどは、この金額の上から見ると、むしろ逆の事実を呈しておるのであります。これは必ずや長官も仰せの通り、この秋には問題が起って、こんなことでは足らぬということになるに相違ございませんから、去年と同じようにやはり本年度についても補正の方策を請じられる必要があるであろうと思うのであります。その際はぜひ大臣におかれても特に御尽力を願って、その需要を十分満たすことができるよう御決定をいただきたいのであります。御所見を伺います。
  33. 高碕達之助

    ○高碕国務大臣 先ほど永井さんの御質問にお答えいたしましたような工合で、表面的には昨年よりも百十五億不足しておるということでありますが、これは政府投資の半分、半額に対するものだけは予備金として国会の承認を得なくとも出し得るようになっておりますから、その金額が二百五十億にはなりますから、これを十分軍用していきたいと存じております。
  34. 中井一夫

    中井(一)委員 なおこの問題につきましては、先ほど来長官からワクを非常に多くとって十分需要を満たすことができるようにする用意があると言われましたが、しかしこれは何も政府から金を直接出すわけではない。貸したものを取り返してきて、それをまた再び貸すというようなことになるのでありますから、この点は通産省におかれては特に考慮をされて、できるだけ資金需要に応じられるよう希望いたしまして、次の質問に移ります。  中小企業の信用補完制度につきまして、中小企業信用公庫を御制定になりましたことは、きわめてけっこうなことであったと思うのであります。しかしながら一番大切なことは、ほんとうに中小企業者に対して資金が流れるかどうかという問題なのでありまして、信用の補完をどうするかということは第二、第三の問題だと思のであります。しかるにこの問題につきましては、今まであるいは相互銀行、または信用金庫、信用組合等中小企業専門の民間機関や、中小企業金融公庫などのいわゆる特殊金融機関融資を中心として参られました。しかし常に問題になっております通り、一般市民銀行というものは中小企業者から金を集めて、しかもその金を大企業の方に回すというのが通例でありまして、なかなかこの市中銀行というものはむずかしいことを言って中小企業者の方には金を回さない。これは非常に不便なのであります。願わくはこの不公平と申しますか、不便と申しますか、そのむずかしい点を打破することについて、通産省として格別の御尽力をいただくべきだと思うのでありますが、その点についての大臣の御所見を伺いたい。
  35. 高碕達之助

    ○高碕国務大臣 御指摘のごとく従前の金融の情勢から申しますと、市中銀行は常に中小工業者の預金を集めて、これが大工業者、大企業者の手に回るということは事実でございます。そういうことを防止するために、今回信用補完制度を強化したわけでありまして、補完制度が完備すれば市中銀行が中小工業に出すことになるだろう、そういうふうに持っていきたいと存じております。
  36. 中井一夫

    中井(一)委員 次に税制についてお伺いをいたしますが、ただいま御答弁を聞きましても、税金が重いからこれを軽くしよう、こういうことについて尽力を声明せられましたけれども、その内容がちっとも具体化していないのであります。もとより内閣ができて間もないことでございますから、これから検討をして具体化されることとは存じますけれども、この問題は現内閣がこのたびの選挙において重要なる公約の一つとして天下に声明したことであります。もしこれを御実行にならなければ岸内閣は信用はできない、こういう非難を受けるのは当然のことなのでございます。願わくはこの問題については思い切って一つ大蔵省を鞭撻といいますか、大蔵省を押えつけて大蔵大臣の御尽力をいただきたいのであります。これにつきましては六月十七日に国税、地方の全般について税制調査会を新たにお設けになることが閣議で決定せられたようでございます。そういたしますと、これらの問題もあわせてそこで御検討になることと思うのでありますが、それがためには今まで学者だとか、あるいは大企業者の代表は多くその調査委員に選出をされますけれども、ほんとうの言いたくても言う呈を持たないところの微力なる中小業者の代表というものは、そういう調査会の委員には入れられないのが今までの実情なんであります。この税制調査会には、ぜひともこれらの力の弱い人々しかも最も多くの国民を含んでおる人人の間から適当なる人を選んで、委員に選出をすべきだと思うのでありますが、これについての御用意はいかがでございますか。
  37. 高碕達之助

    ○高碕国務大臣 国税及び地方税を検討するというその委員会では、できるだけ中小工業者の代表を入れるように努力いたしたいと存じております。
  38. 中井一夫

    中井(一)委員 御答弁に満足いたします。  それから次には設備の近代化、また経営をする技術の指導等についての政府施策なのでございますが、ただいま長官の御説明によりましても、いかにもどうももの足らない感じがいたします。これはもとより予算を伴うことではありますけれども、こんなことじゃ中小企業というものも浮かばれないわけだと思うのであります。一つこの点についても一そうの御尽力を希望しておく次第であります。  なお前国会から問題になっております小売商業特別措置法案に関する問題なのでございますが、ただいまも長官からはこれが提出については準備をいたしておるということでございますが、この準備については具体的にどういうふうにお進めになっておるか、一番むずかしいところの営業の規制というような問題は、憲法違反だというようなことが通産省内部において強力に唱えられている。これがこの法案が思うたように、言葉をかえて言うならば、ただいまの中小企業のほんとうの苦痛を緩和する、救済するというような徹底した法案にならざるゆえんだと思うのであります。なぜそういうような議論ができるか、いかにも私は形式的な、官僚的な考えの結果だと信ずるのでありますが、大臣のような練達堪能の士が、今度その任におつきになったのでありますから、願わくは省内の異論を押えて、大所高所から日本の一番大きな大問題を解決する意気込みでお進みいただきたいのであります。この問題がいよいよ具体化して参りますると、必ず省内における議論の対立抗争は、今までの例によって明らかであります。内閣の法制局あたりからかれこれあるというなら、まだわかるのでありますけれども、中小商工業者のほんとうの味方であると中小商工業者が考えておる省内において、現実の事情に合わざる憲法違反論などのいまだに出ることは、きわめて残念に思うのであります。この点について大臣の御所見一つ伺いたいと思います。
  39. 高碕達之助

    ○高碕国務大臣 私は中井委員のお考えには全く同感でございますが、この問題は相当重要だと存じますから、今日までのいきさつにつきまして、長官からお答えいたします。
  40. 川上爲治

    川上政府委員 小売商業特別措置法につきましては、先ほども申し上げましたように、この前の国会で一応流産になったのですが、私どもの方でその案に盛っておりましたものは、第一の問題は小売市場の登録制、それから第二の問題は生産協同組合とか、購買会等との調整の問題、第三の問題としましては、他のたとえば大企業者が小売業を営む、そういうような場合に起る小売業者との摩擦の調整の問題、そういう問題が骨子になっておるわけでございまして、今先生からお話がありました問題は、主として小売市場の問題であるかと思うのですが、私どもの方としましてもいろいろその実情を見ますと、小売市場は許可制をとった方がはるかによいのではないかというふうに考えまして、その案を作りましていろいろ省内でも検討し、同時にまた内閣の法制局とも相談をいたしたわけでありまして、先ほど何か省内で意見の対立があるような御意見がありましたけれども、省内では別に意見の対立ということはないのでありまして、やはりどうしても必要であれば許可制に持っていくべきではないかということであったのでございますけれども、法制局は法律問題として検討をいたしますと、どうも小売市場の許可制というのは営業の許可制になってきて、そうしてこれは憲法上どうもそこまで踏み切ることはどうかと思うというようなことで、いろいろ議論をしましたが、結局登録制ということで実は出したわけであります。私の方としましては、この問題についてはこれからもう一ぺん一つ省内においても検討し、同時にまた内閣の法制局とも相談しまして、私自身の個人的な気持からいいますれば、これはやはり許可制に持っていった方がよくはないかという気持でおりますので、何とか法制局と相談をいたしまして、そうしてさように措置するように努力したいというふうに考えておるわけでありまして、これは省内でいろいろ意見が対立するというような問題では、全然ございません。
  41. 中井一夫

    中井(一)委員 ただいま長官は小売市場の問題につきまして、事の真相をお知りの上での御意見を明らかにせられまして、私どもまことにありがたく思うのであります。この問題はいろいろの点について社会党との間に意見を異にするものもありますが、小売市場の許可制ということにつきましては、社会党から御提出になっておる調整案その他の法案にも現われておるのでありまして、全くこれは自由民主党と同一の見解に立っておる。それならばむしろ他の問題と離れて、これだけを単一法で出してもよいのではないかというような意見まで出るのは当然だと思うのであります。ただいま私はこの問題を特に取り上げて申し上げるのではありませんけれども、少くとも小売市場の乱設防止につきましては、登録制などをおやりになるならば、かえって乱設を奨励すると同じことになるようであります。なぜかと申しますれば、いまだ登録制というものがございませんから、これを乱設いたすものも遠慮しながら乱設をいたすのであります。それが登録制になりますと、登録さえすれば認可といいますか、許可といいますか、それと同じような結果になりますから、これはいかんとも措置のしようがないのであります。もし登録制でいかれるならば、むしろない方がよろしい。おやりになる以上はぜひ許可制にしなければその意味をなさぬということを強く申し上げておきたい。しかもこの問題が内閣の法制局あたりで営業を規制するから、憲法違反だというような御論のあることは私も承知いたしますが、それならば日本の法律でいわゆる自由民権を規制していない法律はきわめて少いのでありまして、ことに通産関係、大蔵関係等におきましては、片っ端からこの営業の自由、そういうようなものを規制せられておる法律が至るところに見えるのであります。どの程度にこれを憲法違反まで持っていくことができるかということは、単に程度の問題なんでありますから、日本全体の国民生活の安定という大きな見地から見ますならば、憲法にいう公共福祉の大見地から、乱立の防止をするのだという建前からいけば、むしろこの問題は憲法に違反どころでない、憲法にかなうものだと申してもいいと私どもは信じておるのであります。特に大臣に申し上げたいと思いますことは、この問題は決して小売商業者の営業の規制のためではないのであります。形の上から見れば、市場の乱設を防止するということは、そういうふうにも見えるでありましょうけれども実情は正直に一生懸命に働いて、そうしてよいものを安く売ることができるように、市場がなりますと、お客も多く来る、それを見て大工あるいは大きな家主等が、その隣りに大きな市場を作りまして、今まで長年苦しんで来ました中小商業者のよい実りだけを自分に取り上げる、こういうようなことを行うのが乱設の現状なのであります。決して小売商人がお互いが寄って市場を建てようというのではないのでありまして、すなわち大工なり大家主らが市場ようのものを建てて、そうして権利金を取る、もう建設費は十分にふところに入れておいて、あるいは家賃だけを将来取り得る権利を残す、またはそのまま売り放す、そこへ何も知らない小さい商業者などをひっぱってきて、それで市場の形を作る、従ってほんとうに働くものは、将来大へんな近所の競争のためにすぐつぶれる。全く悪家主、悪大工にひどい目にあわされておるというのが、今日の現状なんでありますから、それを規制するということにつきましては、法制局あたりで考えておられるいわゆる商業者の営業の自由を妨げるのだというものとは、およそ実情は違うのだということをお考えをいただきたいのであります。願わくは次の国会におきましては最善の法案を御提出下さるように希望をいたします。  終りに、社会保障に関する一連の問題がございます。今長官御説明によりまして、この問題にも多くの熱意を持っておられることを拝承をいたして満足に存じますが、この問題は直ちに、医療関係につきましては厚生省、また労働に関係いたしましては労働者等の関係ができて参るのであります。幸いにいたしまして、倉石大臣も橋本大臣も特にこの問題には非常に理解がある人だということを、私は確信しておるのであります。次の国会には通産大臣におかれても、これらの両大臣と御協議に相なりまして、ぜひとも具体的な法案を持って国民におまみえ下さるよう願いたいのであります。ただ私どもの心配いたしますことは、現にこの間、倉石労働大臣は週休制のことを御発表になりました。私はまことに時期を得たものとは思うのでありますが、その問題は直ちに中小企業に大きな影響を持ちます。大企業、中企業はそうでもありませんが、小企業につきましては大へんな影響がある。あまりまたこれを窮屈におやりになりますと、みんな企業自体が成り立たぬのでつぶれます。この問題は同時に最低賃金の問題と同じ趣旨を持つものでございますから、一つこの問題を実行されるについてはよほど慎重に、かつ実際の実情に合うように施策を願いたいのであります。それに労働大臣は記者会見で、こともなげに発表せられ、それを少しも通産大臣または中小企業庁の長官には前もってお話しもなかったというのでは、まことに安心がならぬ次第であります。  また共済制度によるところのいわゆる退職金問題、これも、今日の中小企業のあの不安定な事業自体、ことにその従業員が大企業の従業員に比べると労働時間も多いし、また賃金も驚くべく安い。従ってその従業の年数も非常に短かいのであります。大体平均五年といわれておるようなわけであります。これは単に従業員だけでなく、その事業者自身もまことに困った状態であるのでありますから、何としてもこの中小企業を安定さす一環として、共済制度、退職金制度というものをこしらえることは私はきわめて必要だと思う。しかしこれも中小企業者だけにまかしておかれましては、なかなかなれるものではありません。大体それらのものをやっていく積立金の出るところがない。これはどうしても政府が思い切って金を出して、これをやっていかすことができるように処置せられるということが根本だと思うのであります。この問題につきましても、前の石田労働大臣は本年の六月五日の記者会見において、これを実行するのだ、こう声明せられておりますが、倉石新労働大臣は週休制には触れられたけれども、この問題には一言の触れられるところもない。これではどうもこの中小企業等の問題につき労働者がほんとうに理解を持っておられるのかどうか、これを私どもは心配するのであります。願わくは同じ政府部内のことでございまして、ことに大切なる問題でございますから、この機会に特に事の重要性を強く申し上げて、同時に大臣並びに長官の御尽力を願いたい。そして問題であります例の国民健康保険、中小企業者、ことに従業員五人以下のほんとうの零細な企業者並びにその従業員、医療問題において一番救済を必要とするところに対し、わが国の現行制度では、医療においてもこれに対する救済方法が顧みられていないということは、いかにも残念です。まず政府施策として中小企業に対する対策は、ここらからお始めになるのが一番大切だと思うのであります。これはもとより通産省の直接の御任務ではございませんけれども、やはりこれには通産大臣みずからが一つ熱意をお持ち下さって、両省にお働きかけ下さるということが、外部からかれこれ申しますことよりも、きわめてよき結果を得ることは明らかでありますから、一つわれらの信頼するところの新大臣に対して、格別の御尽力をお願いするのであります。この機会一つ御所信を明らかにして、ぜひ御実行を願いたいと思います。
  42. 高碕達之助

    ○高碕国務大臣 お説のごとく中小工業の従業員が、その待遇の点におきましても、またその週休制、また共済制度、退職金制度等におきましても、大企業と比較いたしまして非常に悪い待遇におるということは事実でございます。これをいかにして安定せしむるかということがやはり政治の要諦であり、これがほんとうに必要な点だ、中小工業を安定せしむるゆえんだと私は存ずるのでございますが、その実行に当りましては、この中小工業は企業の中心である経営者というものの経営のいかんにすぐに関係して参りますから、これに大企業と同様の待遇を強制するということになれば、もうすでに中小工業者は立っていかないという結果になるわけであります。そういう意味におきまして大企業よりもこの中小企業に対する政府施策政府の補助というものは一そう重要である、こう存ずるわけであります。これを実行に移しますにつきましては、一度に理想通りにこれをやるということは、そこに無理があると存じますから、逐次その方針をもって中小企業の安定の根本政策をとりたいと思っております。
  43. 中井一夫

    中井(一)委員 最後にもう一点だけ伺っておきます。それはこの輸出振興に関する問題なのでございますが、先ほど長官の御説明によって承知いたしまするところによれば、その輸出振興の直接費としておあげになったものだけを見れば、わずかに三千一百万円くらいしかございません。もとより間接の費用として多くのものが出ておることは申すまでもないのでありますが、輸出振興をするぞ、それについて中小企業については政府はかくのごとき施策をやるぞと言われるのが、何と合計で二千百万円にすぎないのであります。多くのことを申し上げません。もっと政府が真剣にやろうとせられるならば、もっと多くの金を出し、また多くの部面においてこれを補助し奨励することができるに相違ないと私は信ずるのであります。一言にして言うならば、御熱意はわかるが実行はきわめて手ぬるい。もっと直接的な中小企業への補助助成の方策を講じていただきたい。次の臨時国会または通常国会において特段な予算をとり、特段な施策も現われんことを期待いたします。そうでなければわが国の三十一億五千万ドルというような輸出は完成するわけはございません。中小企業は何としたって全輸出の五〇%または六〇%を占めるものなのでありますから、それも助成しないでどうして日本輸出政策というものが完成できるものでありましようか。切に私は大臣及び長官の御奮起を待望するものなのであります。つきましてここに伺いたい一点は、政府の金による補助助成というものは大切なものである。しかし今日の政府の各省の実情を見まする場合、ことにこれを輸出手続というような問題について見ます場合に、あまりにもどうも複雑過ぎる、実に理屈が多過ぎる、わずかなことでも一々東京まで来なければ片づかぬ。大阪などにも通産省の出張所がございますけれども、ほとんどこれは名前だけであって、いよいよ輸出ということになれば東京まで出て来て、本省の係官から課長、局長にまで一々頭も下げて回らなければなかなか事がきまらず進まぬというのが今日の現状なんである。その意味においては多少の補助金を政府からもらうよりはこの事務の複雑と煩雑さと、また官僚かたぎのいかにも形式主義で、国民の実生活を他人のもののごとく考えておられる今日の政府各省の行き方、これを特に輸出手続にしぼりますれば、一そうこれがむずかしい。これを一つ政府の手で大いに簡素化することを御断行になりまするならば、少々の補助金を民間にお流しになるよりは、国民はずっとずっと利益があって、ずっとずっと喜ぶのであります。少々の補助金をもらってたびたび東京に往復いたしまするならば、旅費でもって補助金は飛んでしまいます。これは何としても大臣のごとき、民間のほんとうの事業をお知りになる方でなければやれない、官庁に長くおられた方が大臣になられたのではなかなかやれない、大臣がこの機会にこそ、この問題を一つ快刀乱麻を断つの決心でおやりになるということは、ほんとうに国家のためだと思うのであります。中小企業者だけではございません、大企業のためにもきわめて必要なことだと思うのでありますが、これはだいぶん決心の要ることであります。いかがです、一つおやりになるという所信を明らかにしていただきたい。
  44. 高碕達之助

    ○高碕国務大臣 中小企業の総輸出に占める重要性から考えまして、いかにもここに書いてあります三千百万円というものは金額が少く私は感じます。もちろんこのほかに間接の補助助成はいたしておるわけなのでありますが、この三千百万円はいかにも少いように考えますから、これはできるだけ増額していきたいと存じております。なお輸出手続簡素化につきましては、私どももこれは痛感する次第でございまして、今回輸出振興策の一大要点としてこれを取り上げて検討いたしたいと思います。
  45. 長谷川四郎

    長谷川委員長 小林正美君。
  46. 小林正美

    ○小林(正)委員 通産大臣にお尋ねをいたしたいと思います。昨年の五月であったと思いますが、中部経済連合会の席上で、中部経済産業圏の中でいわゆる鋼材とが鋳物などの需要が非常に多い。しかるに中部経済圏には残念ながら製鉄所というものがないということから、どうしても産業構造を充実させるために一つ製鉄所を誘致しようじゃないかということがありまして、自来調査を進めて参りましたが、ようやく富士製鉄が来たる八月一日から新しく発足をするということをわれわれは聞いておりまして、非常に喜んでおります。ただ問題は、その東海製鉄所というものが一体どこに土地を選定するのか、私はこのことが将来中部経済圏の発展の上に相当大きな影響を与えるものであると考えますので、一応通産大臣のお考えを承わりたいと存じます。
  47. 高碕達之助

    ○高碕国務大臣 私は中部において単に需要供給の関係だけでなく、製鉄事業を分散するという意味におきまして、名古屋地区にどうしても一つの製鉄所を置くということは絶対必要だと存じます。その意味におきまして、今日あの東海製鉄が発足するということは、ぜひ政府としてもこれを促進していきたいと考えております。ただ四日市に置くとか熱田に置くとかあるいは桑名に置くとか、あるいはもっと雨に置くとかいうような点がありますが、これは地盤の関係だとか水質の関係、その値いろいろな関係がありますから、そういう点を目下慎重に検討中でございます。
  48. 小林正美

    ○小林(正)委員 今の通産大臣の御意見で、私も大体了承するわけででありますが、われわれが一番心配することは、やはりあくまでもほんとうに十分な科学的な御調査を願って、そういった数字の基礎に立って御決定をいただきたい。そうでなくていわゆる政治力などで、将来の日本の重大な産業の一つが間違って土地の選定をされるということになると非常に困ります。私どもはあるいは手前みそになるかわかりませんが、いろいろ気候風土の関係とか、あるいはまた工場の敷地の問題とか、地盤力の問題とか、用水、港湾、その他陸軍だとか、あるいは社宅の用地など、そのほか石灰石の入手等、いろいろな点から考えまして、われわれとしましては、あくまでも純粋の科学的な立場に立って考えてみても、やはり桑名—四日市間がいいのじゃないかという工合に考えられもしますし、また技術者などもそのように現在は考えておられるのではないかと思うのであります。これは非常にデリケートな関係もありますので、大臣も言いにくいと思いますが、ただいまとしてはたとえば愛知県の横須賀の方がいいのか、四日市—桑名間の方がいいのか、その点大臣のお考えをもう少し詳しく承わりたいと存じます。
  49. 高碕達之助

    ○高碕国務大臣 この問題は、私は今御説のごとく根本的に科学的調査を基礎としてやるべきものであって、政治的に解決すべきものでないと存じております。今御指摘の二カ所のことにつきましてはほとんど私にはまだ知識がありませんから、これは会社当事者を信用してやっておるのでありますが、会社当事者がその結論を持って参りますにつきましては、政府としては政府の意見は十分言うつものでございます。
  50. 小林正美

    ○小林(正)委員 どうか一つ十分その点御考慮の上で善処を願いたいと考えております。  それから公取の委員会の方へ簡単に一つお尋ねをしたいのであります。この前私はこの席上で申し上げたのですが、最近いろいろと利回りのよいところの、あるいは資産含みのあるところの会社などは、株式市場を通じてこれを乗っ取ろうというような動きが顕著に現われております。そういったいわゆる株式を公開しておるところの大会社でなくて、町の小さい片すみにあるところの商店などに対しても、それが非常に有望であり、あるいは資産含みがあるというような場合には、悪質な問屋などが、自分の持っておるところの債権をきわめて巧妙に利用いたしまして、それをてことしてそういった商店を乗っ取ろうというふうな動きが、特に最近では名古屋を中心にひんぴんと行われております。私はこの前、例をもって申し上げたのでありますが、四日市の一番館という商店が非常に場所もよい、品物もよく売れる、いいお客も持っている。ところがこれに対して、わずか二百万円ほどの品物の売掛代金を、手形をもって決済すればいいということになっているにかかわらず、その手形の決済期日の前に、いろいろと手を使って、とうとうそこの商品を全部、在庫品五百万円ほどをトラックを持っていって取り上げてしまって、そしてそこの店員までも問屋の方の力で引き抜いてきて、今度は一番館とよく似たナンバー・ワンという商店の名前をつけて、お客筋も全部取ってしまって、そして小売業者を非常に泣かしておるという事実があります。それで四日市の小売商の団体がこれに対して非常に憤慨をいたしまして、これは現にもう一、二の例にとどまらぬのでありますから、あくまでも戦うというので、すでに訴訟問題にまでなっております。こういった点に対して、もう少し積極的に、公取としては監督なり御指導を願いたいと考えるのですが、すでにこの内容につきましては関係新聞などをあなたの方に差し出してありますので、御研究を願っておると思いますが、どういう工合にお考えか承わりたいと思います。
  51. 坂根哲夫

    ○坂根政府委員 ただいまのお話は、過日確かに新聞資料をいただきまして、問題を検討いたしておりますが、大体一つは今お話のように訴訟の問題になっておって裁判ざたになっておりますが、これの進行状況とは別に、こういう取引の態様が独占禁止法の禁止しておりますところの不公正な取引方法に該当するかどうかというところに今焦点を合わして検討中であります。なお具体的な事情も調べる必要がございますので、私どもの方の名古屋事務所にその事情を調べるように、こういう指令を出しております。
  52. 小林正美

    ○小林(正)委員 ぜひ現場の方を督励願って十分御調査いただきまして、いつの場合でも弱いものが泣き寝入りをしなければならぬことのないように、一そうの御指導御監督をいただきたいことを要望いたしまして質問を打ち切ります。     —————————————
  53. 長谷川四郎

    長谷川委員長 次に本州製紙汚水問題について調査を進めます。  本問題調査のため、先刻決定いたしました通り東京建築局長の中井新一郎君が参考人として出席されております。参考人中井さんには暑いところを委員会の要求を受けられまして御出席下さいましたことをありがたく存じます。厚くお礼を申し上げます。それでは質疑の通告がありますので許可いたします。田中榮一君。
  54. 田中榮一

    田中(榮)委員 去る二十六日、本委員会といたしましては本州製紙の汚水問題につきまして調査を進めたのでありますが、その際は主として参考人に対する質問にしぼられまして、政府その他の方についての質問は省略いたしましたので、この機会政府その他都庁関係建築局長に若干御質問を申し上げたいと思います。  私は去る二十六日の商工委員会の席上におきまして、六月十日の午後六時ごろ漁民の人々が本州製紙の正門に押し寄せました際に、会社側としてドラムバーカー、すなわちSCPの運転がなされておったかどうかという質問をいたしたのであります。なぜこの質問をしたかと申しますと、今後の漁民の方々の法廷における責任問題、あるいはまた会社側としてのいろいろな責任問題を決定する上におきまして重大なるポイントであると考えたからであります。その後会社側につきまして厳密なる調査をいたしましたところ、当時会社側としましては午後十一時ごろに、本社からのドラムバーカー運転中止の命令を受け取りまして、直ちに作業所にその指令を流して、結局十日の午前一時ごろにすべての機械が運転休止をいたしたのであります。その運転休止の状況は、蒸気の流量、薬液の流量、それから浸透管圧力チャート、蒸気圧力チャート、あるいは調木関係運転日誌等を調査いたしますと、漁民が十日の午後六時に正門に押し寄せました際には、運転は明確に休止している事実がわったのであります。そこで漁民代表が運転をしておったと言っているような事実はないことが明確になりまして、なお念のために小松川警察署長についてこの点を確かめましたところが、やはり警察署長も運転を休止しておったということを明言いたしましたので、この点の両者の食い違ははっきりいたしたのであります。次に東京都の経済局水産課の水質検査について先般質問いたしたのでありますが、放流地点の上流下流約五百メートルの水質をとりまして、稚アユについての検査をいたしたのであります。その検査の結果明らかに魚族に弊害があるという認定を下したのであります。しかしながら実質的に申しますと、江戸川の漁民の主たる生活のかてはアユにあらずして、むしろハマグリとかアサリとかそうしたものでありまして、何ゆえにハマグリ、アサリ等の魚介類の検査をなされなかったのか、さような点から本検査は表面的に、しかも単に義務的になされた感が非常に深いのでありまして、この点につきまして、水産庁としてこの検査の結果について報告を受けられたかどうか、また受けないにいたしましても、積極的に水産庁が乗り出して調査をされたかどうかということについて、水産庁長官代理の西村次長にちょっとお伺いしてみたいと思うのであります。
  55. 西村健次郎

    ○西村説明員 お答えいたします。被害の調査につきまして私ども東京都なり、あるいは千葉県から随時連絡を受けております。今のお話の点は、たしか当初問題になった場合には、ちょうど稚アユをとる時期であったので、それが一番そのときにおける問題であるという認識のもとに、そういう検査をしたと私は聞いております。しかし、問題は、稚アユだけでなしに、貝類その他の魚族に非常に大きな影響を及ぼすということで、その後も被害の原因の究明と申しますか、この汚濁水がどういう影響を与えるかということを調査しております。たしか先々週ですか一度やりましたが、なお、先週にもう一応千葉県と東京都がやっているはずでございます。その結果につきましては、まだ私の方に報告が参っておりません。ただ、口頭で聞きましたところでは、たとえば江戸川の下流において、繊維質のものが相当多く堆積している。そのためにいわゆるヘドロができておる。そのために、水中の溶存酸素量が非常に少くなっている。従って、これは明らかに貝類や魚類の成熟に工合が悪いということでした。しかし、最終的にはまだ私の方に被害の結果なり、全体の検査についての正式の報告は受けてありません。いずれ近日中に受けるだろうと考えております。
  56. 田中榮一

    田中(榮)委員 もし正式に受けていないとしたならば、このような大きな社会問題を作った問題でもありますので、水産庁としても積極的に報告を取られて、早急に検査を進めていただきたい。  それから東京都の建築局長にお伺いいたします。東京都は、不祥事件発生の翌日であります六月十一日付をもって、SCPの使用中止命令の通達を文書で出しているのであります。これはもちろん水質検査の結果を待たなければというお考えで十一日にやったと思うのでありますが、都の条例である工場公害防止条例の第十八条第一項第三号の規定を発動して、かかる水質検査を待たずとも、運転中止命令がなされたのではないかと思う。もし運転中止命令がはっきり文書でなされておったならば、少くとも十日の不祥事件は避け得られたのではないかということも考えられます。もちろん建築局側としましても、しばしば警告を発し、あるいはドラムバーカーの運転中止を口頭でされている事実はわれわれも了承いたしております。事件の見通しについての認識が不足であったかどうか存じませんが、やはりこうした場合においては、はっきり条例の規定に基いて、中止命令を出されておいた方がいいのではないかと思うのです。その点についてお尋ねいたします。
  57. 中井新一郎

    中井参考人 お答えいたします。私どもが水産課の水質試験なり生物試験の結果を知り得ました程度では、会社の汚水による水産への影響がまだはっきりしておりませんので、ただいまの工場公害防止条例の十八条第一項第三号による著しく公共の福祉を害する云云という条文を適用するだけの資料がなかったもので、当時、これは六月六日でございますが、会社に口頭で作業中止の勧告をいたしましたところ、会社も快くそれを引き受け承知をいたしておって、翌日から作業がとまっておったのであります。不幸な事件の起きましたのは十日でございますから、その後におきましてただいまお話の文書による作業停止を会社に通告いたしたのでございます。
  58. 田中榮一

    田中(榮)委員 今回の事件につきまして、私は会社側に若干認識不足の点があることを痛感いたすのであります。すでに会社側におきましては、SCPの廃液については、何ら魚族に弊害がないという先入思想が非常に強いのでありまして、そういう先入思想から、四月二十三日に初めて漁民の人々が会社にこのSCPの運転中止方を要求したときから手を打つべきにかかわらず、何ら手を打たない。しかも五月二十四日に用水路に投石をされて大きな事件になろうとした際にも、現場の適切な措置により事を大きくせずして済んだのでありますが、私の見方としましては、会社側として本問題を積極的に解決しようという誠意を欠いておった、見通しが少し甘かったというような結論に達するのであります。従いまして、今後会社としては、本問題を取り上げる上において十分漁民側の要求を聞き、また誠意をもって汚水の防止について万全の措置を講ずることを希望するのであります。  次に、東京建築局と経済局との連絡についてであります。工場汚水の問題は、東京都においても過去においてしばしば発生したものと考えるのでありますが、こうした問題を処理する場合において、両局の間、あるいは関係局との間に、汚水防止対策連絡協議のための機関が法規的に設置されているかどうか、これについてお伺いしたいと思います。
  59. 中井新一郎

    中井参考人 お答えいたします。過去においてさようなものはなかったのでございますが、今般の事件にかんがみまして、御希望のような取扱いをいたして参りたいと存じております。
  60. 田中榮一

    田中(榮)委員 次に、政府関係官庁の連絡協調であります。現在汚水問題につきましては経済企画庁、農林省水産庁、通産省、建設省、厚生省、かように多数の機関が関係いたしておるのであります。今回のこうした汚水問題その他が、全回におきまして、昭和三十一年度に四百数十件発生いたしておりますが、一体どこが責任官庁になるのであるか、その点を明確にお知らせ願いたいと思います。
  61. 富谷彰介

    ○富谷説明員 この問題はただいま御指摘の通り非常に多くの省にまたがっておりまして、各省実施官庁はそれぞれその所管に応じまして研究をいたしております。たとえば、御承知通り、河川については建設省、水産につきましては農林省、こういった監督になっておりますので、この水質汚濁の立法につきましても、各省にまたがって非常に事務がおくれがちである。そのために、経済企画庁がその間の調整を行うということになりまして、水質汚濁の総合立法と申しますか、基本法を考えるということになりまして、昨年三月以来その責任をとっております。ただ、これら取締りの法規は、今申しました通り実施官庁が持っております河川法なり、港湾法なり、水産資源保護法なり、そういった所管官庁の法規に基きまして共通の基準をなしますものを、経済企画庁で立案する、こういう立て方をしております。
  62. 田中榮一

    田中(榮)委員 今町の本州製紙汚水問題が発生いたしましてから、現地の方をつかさどっておる東京都庁に連絡または指示を与えたような事実があるのでありましょうか。水産庁あるいは経済企画庁あるいは建設省いずれかの省で、直ちに調査団を派遣するとか何か措置を講じた事実があるのでありましょうか。その点お伺いしたいと思います。いずれの宜庁でもけっこうであります。
  63. 西村健次郎

    ○西村説明員 私の方は特に水産庁から正式な調査団というような格好で派遣したことはございませんが、この問題の発生時、例の六月十日の事件前におきまして、この問題については千葉県、東京都庁から連絡を受けております。ただ現実に中央官庁として私どもが行政権をもって発動する分野ではないものですから、地理的にも距離も近いものですから、東京都及び千葉県と随時連絡をとって、いろいろと情勢は聞いております。
  64. 田中榮一

    田中(榮)委員 去る六月三十日の参議院の決算委員会の席上におきまして、高野委員長の要求による水産庁資料の説明の中に、政府説明員の諏訪光一君が、水質汚濁防止対策連絡協議会は厚生省を幹事役といたしまして、二十八年十二月以来昨年の三月まで関係各省でいろいろと協議いたしまして、その結果、関係各省のみでは工合が悪いということで、昨年の四月に経済企画庁に調整をお願いし、現在に至っておりますということを、説明されたのでありますが、事実上経済企画庁が、こうした水質汚濁防止対策についての指導的な立場においてやっておられたのでありましょうか、どうでしょうか。
  65. 富谷彰介

    ○富谷説明員 その通りでございます。
  66. 田中榮一

    田中(榮)委員 そこでもう一つお伺いしたいのは、この連絡協議会というものの性質でありますが、これは将来立法されるべき水質汚濁の防止に関する法案の立案のための連絡協議会であるか、あるいはこうした具体的な問題が発生したときに、随時この問題を取り上げて、これに対する解決策を検討する協議機関であるか、いずれの性質のものでありましょうか。
  67. 富谷彰介

    ○富谷説明員 ただいまお話になりました前者の方に当ります。共通の問題をとらえまして、基本法を作っていこう、そういうための機関であります。
  68. 田中榮一

    田中(榮)委員 先日の商工委員会の席上で、会社側は千葉県庁にあっせん調停を求めて、すでに承認があった。東京都庁には何ら調停あっせんの労をとる承諾がないということでありますので、私は東京都知事について確認をいたしましたところ、東京都としてはいつでも承諾すると会社側に申し入れて、それを待っている状態である、こういうことをいわれておるのでありますが、中井建築局長にお尋ねいたしますが、事実その通りでございますか。
  69. 中井新一郎

    中井参考人 調停あっせんのことにつきましては、経済局が主としておやりになっておるのでございますが、すでに千葉県水産課でございますか、経済局長との間であっせん調停のための協議会が持たれておることは聞き及んでおる次第でございます。
  70. 田中榮一

    田中(榮)委員 私は本問題を解決するには、会社と漁民側が直接交渉いたしましても、お互いに感情問題があり、なかなか解決のめどを見つけることは困難であろうと考えております。それで監督官庁である通産省なりあるいはまた経済企画庁なり、あるいはまた建設省でありますか、いかなる官庁であろうとも、すみやかに両知事が仲介あっせんの労をとって、すみやかに本問題を円満に解決するよう御指示を願うとともに、また都庁側におきましてもすみやかに本問題を取り上げられまして、両県とよくお打ち合せになりまして、会社側に対しましては沈澱池の工事を急がせて完全なものを作らせて、汚水をできるだけそこにおいて処理して、将来汚水を放出することのないように措置をされること。さらに汚水の濃縮施設についてすみやかに検討させまして本施設の採用についても努力をさせること。これは相当な経費もかかることでありますので、会社側といたしましてはこの濃縮施設についてもあまり熱意がないようでありますが、特に将来の問題を未然に防止するためには、ぜひともこの濃縮施設を完全に作って、将来の問題発生を防止する必要があるのではないかと思います。なお漁民の受けた損失に対しましては適正なる補償をして漁民の生活を安定させる、かような点につきまして両知事におかれましてもできるだけすみやかにあっせん調停の労をとるようお願いをしたいと思ひます。これは監督官庁側におきましても何とぜ地方庁に指示を与えていただきたい。  それからもう一つお伺いいたしたいのは、監督官庁としてこういう問題が起ったときに監督をするところの権限が法的にあるかどうか、それについてお伺いしてみたいと思います。
  71. 松尾金藏

    ○松尾(金)政府委員 通産省の所管で申しますと、工場、事業場、鉱山製練所等があるのでございますが、鉱山製練所につきましては、現在すでに鉱山保安法によりまして取締り監督の規定ができております。工場、事業場につきましては、現在までのところ直接施設の除去を強制するとか、やらせるような法規が整備されておりません。従いまして先ほど経済企画庁からお話のありました基本法と申しますか、それによりまして水質許容基準その他がきまることになりますれば、それと相伴いまして、そのような水質許容基準を守らせるための監督のための実施の法律について、通産省で同時に従来とも準備をやっておりますが、今後早急にそのような立法を考えていかなければならないという立場でございます。
  72. 田中榮一

    田中(榮)委員 水産庁の調査に基く資料によりますと、昭和三十年度じゅうにおける水質汚濁による漁業被害事件は四百七十八件、そのうち紙パルプ関係が九十一件に上っておるそうであります。それで水質汚濁規制の基準に関する法案は、前国会におきまして不幸にして流産をいたしたのでありますが、ぜひ一つ次期国会においてはこの法案の提出を急がれまして、将来こうした問題を未然に防止するように御努力を願いたい。通産大臣にお願いしようと思ったが、通産大臣お帰りになりましたので、責任官庁から一つ明確な御答弁をいただきたいと思います。
  73. 松尾金藏

    ○松尾(金)政府委員 経済企画庁の方からもお話があると思いますが、ただいま私から御説明いたしましたように、基本法と相伴いまして実施法の整備を急ぐということで、現在私ども急がせて検討しておる段階でありまして、できるだけ早い機会にその法律の提案をお願いしたい、こういうように考えております。     —————————————
  74. 長谷川四郎

    長谷川委員長 昨日付託になりました田中武夫言外十三名提出下請代金支払遅延等防止法の一部を改正する法律案を議題とし、審査に入ります。まず提出者より趣旨の説明を聴取することといたします。提出田中武夫君。     —————————————
  75. 田中武夫

    田中(武)委員 ただいま議題となりました下請代金支払遅延等防止法の一部を改正する法律案の提案理由の御説明を申し上げます。  去る二十四国会で成立を見ました下請代金支払遅延等防止法の施行後の経緯を見まするに、最近における経済不況の深刻化とともに、下請代金の支払い遅延はますます増大し、また下請代金の額が不当に低く押えられており、不況のしわ寄せはもっぱら下請事業者に寄せられる結果となっているのであります。すなわち、公正取引委員会が従来行なった悪質会社への勧告は、三十一年度には十九件、三十二年度にはその二倍の四十一件と急激にふえているのでありまして、本年度はさらに激増することが必至の情勢であります。これは昨年の金融引き締めから大企業が中小企業にそのしわ寄せを行なった結果と見られるのであります。しかし、悪質会社に対しては単に勧告措置にとどまり、遅延に伴う直接の損害は親事業者には及ばず、その間もっぱら下請業者が泣き寝入りするままに放置せられておるのであります。このため、法律施行後その効果はほとんど見られず、親事業者は全く法を無視し去っているのであります。さきに述べました公正取引委員会の勧告の実績は、如実にそのことを示しているのでありまして、年々勧告無視の傾向が増大しつつあるのであります。従いまして、現に行われつつある、かかる法を無視した親事業者による下請業者への圧迫を排除し、下請取引の公正を確保せんとするものであります。  本法律案の内容は次の通りであります。その一つは親事業者が下請事業者に対し交付する書面には、単に下請代金の額だけではなく、返品の条件、検収期日、支払い期日、支払い手段を明記させることといたしたのであります。次に、下請代金の支払いが不当に遅延することを防止するため、検収期日を物件の引き渡し後十五日、支払い期日を検収後六十日と規定することといたしたのであります。さらに、これらの期日を経過してなお検収、支払いを行わない場合、親事業者に対し遅延に伴う損害の賠償と利息の支払いを行わしめ、もって単なる現行の勧告措置から一歩進めて、下請業者の不当な損害を救済し、あわせて親事業者の支払い義務を強化せんとするものであります。これによって、従来骨抜きとなっておりました法の内容を充足し、その本来の目的の達成をはからんとするものであります。  以上が本法律案の提案理由並びに内容の大要であります。何とぞ慎重御審議の上、これが早急実現のため御賛成あらんことをお願い申し上げまして、私の提案理由の説明を終ります。
  76. 長谷川四郎

    長谷川委員長 本案についての審査はこの程度にとどめまして、本日はこれにて散会をいたします。  なお、会期が延長された場合、次会は来る八日の午前十時より開会する予定であります。     午後零時五十四分散会      ————◇—————