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1958-07-08 第29回国会 衆議院 国土総合開発特別委員会 第2号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和三十三年七月四日  篠田弘作君が委員長に当選した。 同日  今井耕君、志賀健次郎君、薄田美朝君、丹羽兵  助君、福家俊一君、足鹿覺君、竹谷源太郎君及  び館俊三君が理事に当選した。     ————————————— 昭和三十三年七月八日(火曜日)     午前十一時四分開議  出席委員    委員長 篠田 弘作君    理事 今井  耕君 理事 薄田 美朝君    理事 丹羽 兵助君 理事 足鹿  覺君    理事 竹谷源太郎君       進藤 一馬君    橋本 正之君       福田  一君    松澤 雄藏君       亘  四郎君    石山 權作君       西村 関一君  出席国務大臣         国 務 大 臣 三木 武夫君        国 務 大 臣 山口喜久一郎君  出席政府委員         北海道開発政務         次官      佐藤清一郎君         経済企画政務次         官       河本 敏夫君  委員外出席者         総理府事務官         (北海道開発事         務次官)    池田 一男君         総理府事務官         (北海道開発庁         総務監理官)  中平 栄利君         総理府事務官         (経済企画庁総         合開発局長)  伊東 正義君         総理府事務官         (経済企画庁総         合開発局東北開         発室長)    中村 清英君         通商産業事務官         (企業局産業施         設課長)    川原 英之君         北海道東北開発         公庫総裁    松田 令輔君         北海道東北開発         公庫理事    岡田 包義君     ————————————— 本日の会議に付した案件  閉会審査小委員会設置に関する件  国土総合開発に関する件      ————◇—————
  2. 篠田弘作

    篠田委員長 これより会議を開きます。  この際、一言ごあいさつを申し上げます。このたび諸君の御推挙によりまして、私が委員長の席を汚すことになりました。委員各位の御指導と御協力を得まして、本委員会の運営に万全を期したいと存じております。どうぞよろしくお願いいたします。     —————————————
  3. 篠田弘作

    篠田委員長 この際、閉会中の審査をなすため、閉会審査小委員会を設置いたしたいと存じますが、これに御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  4. 篠田弘作

    篠田委員長 御異議なしと認めます。さよう決定いたしました。  なお、小委員の員数、小委員及び小委員長選任につきましては、委員長に御一任を願いたいと存じますが、御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  5. 篠田弘作

    篠田委員長 御異議なしと認め、さよう決します。  それでは小委員は    今井  耕君  志賀健次郎君    薄田 美朝君  丹羽 兵助君    福家 俊一君  足鹿  覺君    竹谷源太郎君  館  俊三君及び私を加えまして九名とし、小委員長には不肖私がなることにいたします。  なお、委員異動等に伴う小委員補欠選任、並びに参考人より意見を聴取する必要が生じました場合等には、その期日、人選その他所要の手続等につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、これに御異議はありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  6. 篠田弘作

    篠田委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう取りはからうことにいたします。     —————————————
  7. 篠田弘作

    篠田委員長 次に、国土総合開発に関し調査を進めます。  この際申し上げますが、国務大臣及び政務次官よりそれぞれごあいさつをいたしたいとの申し出がありますので、これを許します。山口北海道開発庁長官。なお、三木経済企画庁長官は、ただいま他の委員会において発言中でございますので、後刻に譲ることにいたします。
  8. 山口喜久一郎

    山口国務大臣 今回、はからずも北海道開発庁長官を拝命いたしました山口喜久一郎でございます。御承知通り北海道開発につきましては、さきにその第一次五カ年計画を終了いたしまして、本年からは第二次五カ年計画に入る段階になっておるのでございます。この重要なときに、たまたま長官を拝命いたしましたその責任は、きわめて重大であると痛感いたしておるような次第でございます。  北海道開発庁も、創設以来すでに八年を経過しておりまして、その間に歴代の長官及び国会関係各位の御努力によりまして、着々と開発の成果をおさめておるのでありますが、私は、これら諸先輩のあとを継ぎまして、第二次五カ年計画完全実施に極力今後努力をいたす所存でございます。何とぞ各位の強力なる御支援と御協力をお願いする次第であります。  今後の開発を推進する方策といたしましては、就任以来いまだ日も浅いことでありまするので、十分な検討をいたす時間的な余裕もございませんが、実は昨日まで北海道大博覧会に出席したついでをもちまして、北海道の有力なる方々と二日間にわたって懇談の機会を持ちました。近くあらためて今月の二十日ごろから約十日間、それから来月の五日ごろから約十日間、前後二回にわたりまして現地を詳細に視察する予定でございますので、これによって、でき得る限り現地の実情を把握いたしまして、これに沿った計画を樹立し、第二次五カ年計画実現をはかる決意でございます。従いまして、今後の開発の具体的な方策等につきましては、十分皆さんと御協議申し上げるのでありますが、ただ目下私の腹案として考えておりますることは、すでに第一次五カ年計画以来努力が続けられておりまする開発の基盤の強化という点に、今後とも十分努力をいたしたい所在であります。なかんずくこの重要な施策といたしましては、道路港湾整備寒地農業の振興について、私は力を入れたいと思っております。また、これらの開発事業の推進と並行的に、北海道東北開発公庫によります資金の供給による産業開発も、もちろん強力に推し進めていきたいと思っております。  いろいろお話ししたいことがございますが、具体的な問題については次会に譲ることといたします。本委員会委員各位の御努力によりまして、今回また北海道地下資源開発株式会社というのが設立されることになりまして、同会社も目下着々設立準備を進めております。近く正式に発足を見ることとなっておりますが、今後とも同会社を活用いたしまして、北海道におきます地下資源開発にも、極力力を注ぎたいと考えております。  以上、まことに簡単ではございますが、今後何かと本委員会皆様の御指導、御協力を仰ぎたいと存じまして、きょうはとりあえずごあいさつだけ申し述べさせていただきます。よろしくお願いいたします。(拍手
  9. 篠田弘作

  10. 佐藤清一郎

    佐藤(清)政府委員 今回、はからずも北海道開発政務次官に任命されました佐藤でございます。  もとより微力短才でございまして、皆様の御期待に沿い得ない点も多々あるであろうと考えますが、山口国務大臣のもとにおきまして、極力皆様の御期待に沿うべく最善の努力をいたしたいと考えております。  何かにつけまして、皆様の御後援、御援助を切にお願をいたしまして、私のあいさつにかえる次第でございます。(拍手
  11. 篠田弘作

  12. 河本敏夫

    河本政府委員 経済企画庁河本敏夫でございますが。浅学非才でございますが、懸命に努力する所存でございます。どうか皆様の御指導のほどを切にお願い申し上げます。(拍手
  13. 篠田弘作

    篠田委員長 次に、委員長より出席説明員を御紹介いたします。北海道開発事務次官池田一男君。
  14. 池田一男

    池田説明員 私、ただいま御紹介にあずかりました北海道開発事務次官池田一男でございます。どうぞよろしくお願いいたします。
  15. 篠田弘作

  16. 中平栄利

    中平説明員 中平でございます。どうぞよろしくお願いいたします。
  17. 篠田弘作

  18. 伊東正義

    伊東説明員 伊東でございます。どうぞよろしくお願い申し上げます。
  19. 篠田弘作

  20. 中村清英

    中村説明員 中村でございます。どうぞよろしくお願い申し上げます。
  21. 篠田弘作

    篠田委員長 ただいまの山口国務大臣説明等につきまして、御発言があれば、この際お願いいたします。
  22. 足鹿覺

    足鹿委員 私は現在行われております産業立地条件調査中心にして、全国で五十六地域指定されておることについて、二、三お尋ねをしてみたいと思うのです。現在の四つ重工業地帯が、工業用水の問題であるとかあるいは地盤の沈下の問題であるとか、いろいろ障害が現われておりまして、将来において、地方産業都市圏構想に基いて、工業地帯計画的地方分散が必要な段階になっておることは、政府においてもすでに気づかれ、いろいろな対策が講じられているのでありますが、その一つとして、新規工業地区立地条件調査対象地区というものが、先ほど申しましたように五十六地区に分れて置かれておるのであります。各府県から一地区ないし二地区指定が行われておりますが、この指定が行われますように、各地区においてはその期待は非常に大きいものがあるのであります。ところが、その内容の詳細についてはわれわれも十分存じておりませんし、またこの計画が将来どういうふうに具体化されていくのか、それらの点についても十分わかりません。この際、一つその構想なり将来の見通しについて、政府の方針を明らかにされまして、地方の者が抱いておるその期待に失望を与えないように進めてもらいたいと思うのです。まず、最初にその御構想を承わりまして、二、三それに基いてお尋ねをしたいと思いますので、お願いをいたします。
  23. 川原英之

    川原説明員 ただいまの足鹿先生の御質問に対してお答えを申し上げます。  実は、ただいま先生の御発言にございましたように、現在四大工業地帯初め既存工業地帯が、工業用水あるいはその他のいろいろな隘路によりまして、だんだんと狭隘化いたして参っておることは事実でございます。今後いろいろの産業伸び考えます場合に、特に経済企画庁で昨年実施決定せられました長期経済計画というようなものに基礎を置きまして、今後の産業伸びというものを考えます場合に、比較的いろいろの条件に恵まれておりませんわが国といたしまして、少しでもその鉱工業の配置をよりよい適地に導くようにするということが、今後の産業立地政策の一の問題点に相なろうかと思っておるわけでございます。通産省といたしましては、従来いろいろ各会社が新しく工場を設置いたします場合に、それらの立地条件のデーターというものが非常に不足をいたしておりまして、われわれがいろいろ説明を聴取いたしました限りでも、非常な重複調査というようなことを各会社がやっておりますし、また必ずしも会社自体でやりました調査がそっくりそのまま会社の最も適正な地点を選び得るかということになりますと、これまた非常にいろいろ問題があったわけでございまして、相なるべくは今後日本じゅう工業地帯として、一応の条件を備え、それで伸びそうな個所につきまして、この際種々のこまかい立地条件につきましての調査をいたしまして、これを今後いろいろ工場立地に際しましてのインフォーメーション・センターと申しますか、いろいろの資料を提供いたしまして、今後工場立地いたします場合の参考に供しますと同時に、できるだけ会社としても、それから工場としても、今後の技術に合った適当な条件地域工場が行き得るようにサービスをしていくということが、われわれの第一の念願であったわけでございます。従いまして、この資料整備につきましては、従来もいろいろとやって参ったのでございますが、今年初めての試みといたしまして、とりあえず全国の五十六カ所につきまして、そういう意味立地条件調査、つまり工業用水でございますとか、あるいは工場用地の問題でございますとか、あるいは輸送の関係であるとか、そういうふうな工業立地をいたします場合にまず参考にいたさねばなりません項目につきまして、各府県及び各通産局と共同で調査をいたすことにいたしたわけでございます。もちろんこの計画は本年限りのものとは私ども考えておりませんので、今後引き続き行いたいと思いますが、この資料がかり整備いたしますれば、この資料を私の方の工業立地資料室といいますか、そういうふうな資料資料室に収集いたしまして、そこで各企業に対しいろいろな立地条件の具体的なデータを教えて差し上げることもできますし、またいろいろわれわれの御意見も申し上げるというふうに存じておるわけでございます。一応現在のところはそういうふうな方向で、企業に対するインフォーメ—ションサービスというようなことを今後やって参りたいというふうに考えておるわけでございます。
  24. 足鹿覺

    足鹿委員 三木経企長官おいでになりませんか。
  25. 篠田弘作

    篠田委員長 今別の委員会発言しておるのです。今呼びにいっております。
  26. 足鹿覺

    足鹿委員 それでは政務次官河本さん、今お聞きのように新規工業地区立地条件調査対象地区についての通産省の御構想が明らかにされておるわけですが、建設省建設省で、地方産業都市圏構想というものが従来からも唱えられておったことは御存じの通りであります。事実上こういう仕事は、関係省四つ五つもまたがっておりまして、それを統括して連絡調整をされるために協議機関が設けられておるそうでありますが、その協議機関権限といいますか、またはその構成なり運用ということについては、どういうふうになっておりますか。それから現在はサービス程度だというのですが、地方の受けておる印象というものは、そう軽いものではないようです。私は山陰ですが、非常におくれておりますので、その指定を受けたこと自体に非常な強い期待を抱いておる。今通産省の方が御説明になったような意味では、地方の人はなかなかとっておらぬ。また、地方報道機関等も、非常にセンセーショナルな取扱いをしておりまして、従って来年度予算等公共費の重点的な使用問題が、今の調査を具体的に生かしていくことになろうかと思うのです。そういうようなことについて、経済企画庁としては、どういうふうに公共事業重点計上等調整をされ、そうしてこの調査地区に対してこれを実際に実施していくお考えは、どういうふうにお考えになっておるでしょうか、その協議会の問題と来年度の公共事業との関係において、一つ次官から御説明願いたいと思います。
  27. 伊東正義

    伊東説明員 それでは私から、政務次官におかわりしてお答えいたします。  今御質問の第一点の、企画庁に何か協議会があって鉱工業地帯のことを考えているのじゃないか、どういうふうにやっているかという御質問でございますが、実は、三十一年度から企画庁鉱工業地帯整備協議会という任意の協議会を作っております。これは通産でありますとか、建設、運輸とかいうように、関係省の役人で構成いたしております。そして大体鉱工業地帯のうちで、現在非常に問題になっている地点をまず取り上げていこうじゃないかということで、三十一年度におきましては、京浜地帯、それから名古屋阪神北九州四つ地帯を取り上げまして、そこで現在隘路になっております、先ほど御質問のありました水の問題とか、あるいは船舶の大型化に伴います港湾の問題、あるいは用地の問題、あるいは道路の問題というような問題を各省から持ち出しまして、最も総合的にものを考えて、予算使用等につきまして総合的な効果を上げていこうという考え方からいたしまして、財政当局にもいろいろ、企画庁中心になりまして、ここの地帯はこういう問題がある、同じ金額でもこういうふうにしていくのが効果が上るのじゃないかというような予算説明等もいたしまして、これが予算要求をいたしたような次第でございます。今のは、三十一年度に協議会ができまして、三十二年度の予算についてそういうことをいたしました。それから三十三年度につきましては、もう一地帯を取り上げまして、西播磨地区というところを追加し、さらに名古屋には四日市をつけるということをいたしまして、大体三十二年度と同じような考えで、既存鉱工業地帯隘路打開をはかっていくという考え方で、鉱工業地帯整備協議会では、地帯の取り上げ方をした次第でございます。しかし、これはいろいろやっておりますと、今五つを取り上げておりますが、そういう既存鉱工業地帯隘路打開ということだけでなくて、もう少し先行投資的といいますか、比較的新しい鉱工業地帯ということも問題として考える必要があるのじゃなかろうかということで、それでは三十四年度についてはどういう地帯を取り上げて、そこにしぼって問題を考えていこうかということを、今実は協議会協議をいたしているような段階でございます。でありますので、現在までは既存鉱工業地帯中心考えているという考え方でやっておりますが、三十四年度につきましては、それを先行投資的な新しい方まで延ばして持っていって、それで新しい鉱工業地帯整備、あるいは立地条件整備というような形に持っていくかどうかということを中で議論をいたしておるという段階でございます。でありますので、整備協議会としましては今どういう権限があるかというお話でございましたが、権限等の問題でなくて、中で各省集まりまして、総合的に問題を持ち寄って、その上で地帯計画を立てて、財政当局予算要求をするという形でいたしております。  それからもう一つの御質問の、最近通産省で非常に鉱工業地滞の指定を広げられて調査されている問題でございますが、これにつきましては、企画庁といたしまして、五十数カ所でございますか、通産指定されましたところをどうするかという問題は、実はそこまでは広げて考えておりませんので、先ほど申し上げましたような考え方をどうするかということを相談しているうちに、おそらくそういう広げました状態の取扱いということも、同じ議題としてやはり議論対象にはなろうと思うのでありますが、今のところは、それにつきましては企画庁としてどうしているというようなことはいたしておりません。
  28. 足鹿覺

    足鹿委員 通産省の、今の私の質問に対する御答弁を願いたいと思います。
  29. 川原英之

    川原説明員 お答え申し上げます。ただいま開発局長から御答弁がございましたように、われわれといたしましては、既存の四大工業地帯ないし五大工業地帯につきましては、ただいまお話のございましたような企画庁におきます地帯整備協議会というものを通じまして、現在の産業としての隘路というようなものをいろいろ申し上げたわけです。御承知のように京浜阪神名古屋北九州あるいは四日市、播磨というような地区につきましては、産業側の立場から見ましても、従来いろいろと隘路が急に発生いたして参りました。たとえば工場から幹線に至る道路というようなものにつきましては、相当の隘路が出て参っておったのでありますが、こういう点につきまして、実はこの地帯整備協議会に対して、通産省の御意見を申し上げ、各省持ち場持ち場におきましてその意見をいろいろ検討いたしました結果、ただいま総合開発局長からお話のございましたようなやり方で、財政当局要求をするというような方法で、従来この四大工業地帯についてはやって参ったわけです。現在新しく調査をいたしております地点は、今直ちにそういう四大工業地帯と同様な具体的な隘路が出ておるというところばかりではないわけでございますが、われわれといたしましては、今後新しい産業が、新しい技術にのっとりまして、逐次伸びていきます場合に、おそらく見落されたいろいろな地点日本じゅうにあるのじゃないか、そういう地点につきまして、一番問題は、もっと客観的な資料をまずそろえるということが、そういう地帯工場を導いていきます一つの前提になりますので、そういう意味におきまして、現在調査を進めておりますことは、先ほど申し上げた通りであります。今後この資料をもとにいたしまして、さしあたり現在の段階といたしましては、この資料をもっと客観的に十分使い得るものに整備いたしましてこれによって工場にインフォメーションを与えるというようなことからまず始めて参りたい。将来これをどういうふうにさらにやっていくかということは、なお必要がございますれば現在企画庁で持っております地帯整備協議会というようなものに御相談申し上げ、そうしていろいろな隘路打開というようなことも今後はかっていく。あるいは必要がございますれば、先行投資というようなものもいろいろ御意見を申し上げたい、かように存じておりますので、その点につきましては、開発局長答弁通りに進めていきたい、かように考えておる次第であります。
  30. 足鹿覺

    足鹿委員 またの機会に、大臣おいでになった際にもよくお伺いしたいと思いますが、そうしますと、現在北海道開発という一つ計画があるし、また東北も持っておる。近く九州もやる。この計画のほかに、全国二十数地域特定地域指定計画があって、指定地域指定をされ、一部事業を開始しておられる面もある。そのものと、今度のあなた方がおやりになっておるものは、相当各地域においてダブっておるわけですね。三つダブっておる地帯もあるし、また特定地域計画とダブっておる場合もありまするが、そうした場合に、この間の調整というか、それから事業実施の場合に、あなた方の計画が、特定地域総合計画とは、どういう関係において生かされていくのか。二つも三つも計画がダブっておる地域においては、特に関心が深いと思うのです。私どもまだ勉強か足らなくて、こまかい点についてよくわかりませんが、私の言わんとするのは、現在行われておる特定地域開発計画にしろ、ここに資料をいただいておりますように、その計画は遅々として進んでおらない。これに対する地方期待も、期待を裏切られた感じを持っておるやさきに、今度はあなた方か今述べられたような計画を立てられて、これは非常に重点的であり、その指定地域を見ましても、きわめて集中的に行われております関係上、地方民としては実現が可能のように思っておりまして、非常に地方では大きい期待を持っておるにもかかわらず、今お話を聞いてみると、全く海のものとも山のものとも見当もつかぬということでは、私どもとしては、非常に失望すると同時に、納得がいかぬわけです。  そこで、結局私がさっきから申し上げておりますのは、計画としては一応でき、また調査もできた。そうすると、その総合開発計画ですでに事業が進んでおるものと重複をしておる面等においては、あなた方の計画がさらにより有効に予算を伴って、公共事業費が重点的にそこにさらにつぎ込まれて、総合開発計画の一環としての効果が直ちに発揮できるような形に運営されていくことが、好ましいのではないかと思うのです。そういうものに対して、経済企画庁はどの程度責任を持つのか。これは事業庁ではないから何とも言えないと言えばそれまでですが、しかし、経済審議庁経済企画庁に変って、だんだん性格も異なってきておるわけですから、将来はこの経済企画庁中心となって行われていくだろうとわれわれは思うのですが、現在の状況としては、通産省なら通産省は、その総合開発特定地域関係等において、どうこれを処理していこうとされるのか。また来年度の予算の面において、公共事業費がどういうふうに重点的に配分をされていくのか。これは企画庁としても御構想があろうと思う。もう少しその点について、具体的なお考えがあれば承わりたい。現在なければいたし方ありませんが、大臣の御構想等を聞いてさらにお尋ねしたいと思いますけれども、これに関する従来の経緯なり将来の見通し等について、何かわれわれが拝見をして参考になるような資料があれば、御提示を願いたいと思うのです。その点を特にお尋ねしたい。
  31. 伊東正義

    伊東説明員 私から先にお答え申し上げます。今足鹿委員の御質問になりました特定地域と、今通産省考えておられる鉱工業地帯の問題の関連でございますが、特定地域が今御指摘のように計画が遅々として進まぬというお話がありましたが、これはお配りしました資料にもございますように、全国平均でいきますと四一%——大体半年たっておりますから五〇%はこえていなければいかぬのですが、四一%というような進歩率になっておりますが、大体特定地域をやりましたときの考え方は、おもに国土保全でありますとか、あるいは農産資源、鉱産資源の開発とかいうような問題——国土保全といいましても、治水の問題、治山の問題、そういう目標が大体主になっておりまして、いわゆる鉱工業地帯立地条件整備ということを目標にしました特定地域というものは、非常に少うございます。たとえば北九州でありますとか、あるいは木曽川下流の名古屋、四日市というようなものは、特定地域の中で鉱工業地帯立地条件整備ということも指導目標としてあがっておりますが、ほかの特定地域は、ほとんどいわゆる鉱工業立地条件整備ということは、目標からは抜けているものが多うございます。それで、今特定地域の中に入っている鉱工業地帯はどうなるのだというお話でございますが、私は特定地域の中の鉱工業地帯通産省で取り上げて考えられます場合には、特定地域計画の中のさらに細分した計画ができるのだろう、特定地域計画がその問題についてあまり触れておりません場合には、それをさらに具体化して模様を濃くかいていくというようなことになるのだろうと、私は思っております。それで、もしもそういうことになりますれば、当然、特定地域計画がある程度色濃くかかれたということで、将来は、やはりその特定地域の中で、その鉱工業立地条件整備ということも、今までと違って、強く財政当局なり何なりに主張されていくということになるのだろう、こういうふうに考えております。
  32. 足鹿覺

    足鹿委員 通産省の、今の私の質問に対する御答弁を願いたいと思います。
  33. 川原英之

    川原説明員 お答え申し上げます。ただいま開発局長から御答弁がございましたので、私からさらにつけ加えることはいかがかと存じますが、ただいま足鹿先生の御質問が、総合開発との関係はどうかと、こういう点でございまして、私が先ほど申し上げました説明が、若干言葉が足りなかったことは大へん恐縮でございますが、われわれの調査は、むしろ非常に狭い地区についての調査でございます。また同時に、その調査の内容といたしますものも、いわゆる工場が具体的に立地をいたします場合に、現実にすぐ使う、そういうこまかいデータでございまして、そういう意味におきまして、むしろ整備計画のこまかいディテールにわたるわけでございます。従いまして、総合開発計画というものとわれわれの方の調査内容というものは、当然今開発局長から御説明がございましたように、細部にわたりましての肉づけと申しますか、具体的に工業に適する地点だけの詳細な肉づけというふうに考えておりまして、当然この結果によりまして、これがさらに今後の総合開発へも反映いたしていく面も相当あろうがと存じております。われわれといたしましては、そういう意味の、具体的に工場立地する場合のデータというふうなこまかい資料を、実は作っておるわけでございます。
  34. 足鹿覺

    足鹿委員 これは、三木大臣おいでになってから大臣の根本的な御構想を聞かないと、これ以上お尋ねをしてもむずかしいと思うのですが、地方では、もうみなりっぱな調査を、あなた方の出先機関と連絡をとり、その指導を受けてやっておるわけです。今まで聞いておりますと、あなた方の構想は、既存工業地帯整備に追われておって、まだ新しい調査地区については、予算を独自で持つとか、あるいは具体的に手を下すという段階ではないという御方針のようでありますが、地方におきましては、たとえば農林省は農林省で、私の地区でいいますと、中海の淡水化という計画を立てて、それが一つ工業用水なりあるいは公有水面の埋め立てによる工場敷地、あるいは関連施設の確保という問題に通じて、すでにこれは調査から実施の段階に現に入ろうとしておる。また建設省建設省として、道路計画をもってその面にも施設を行わんとしておるというふうに、事実上各省々々では具体的な計画が行われておる。たとえば運輸省は、石油基地の問題について、すでに構想を明らかにして地元に呼びかけておる。地元は、そういう声を聞きますと、非常に狂喜して、地方民も自治体当局も一緒になっていろいろとお願いに出たり、またあなた方の方針に協力をしておる。ですから、あなた方自体としては、既存工業地帯が地盤が沈下するとか、工業用水が不足するとかいうことについて対策を講じられていくことは、今までおそきに失したと思う。たとえば東京の江東地区の場合なんかも、一ぺん堤防が切れたら、あの地帯は死の海になってしまうような危険な状態を、ただ堤防を次々と継ぎ足して、高潮対策、洪水対策をやっておられるというような、私どもどうも合点のいかぬ状態だと思う。それも工業用水の過度な使用が今日の原因を来たしておるのじゃないかと、われわれ現地を見た者としてはそういう感じを持っておる。水道用水、上水道については非常に心配しておられるが、いわゆる総合的な工業用水の供給方法ということについて、何ら今まで計画性がなかった。従って、現地においては非常に地下を深く掘って工業用水を取り上げることから、地盤の変動が起きておるのじゃないかという一応の判断しか現在のところ下っておらぬ。これも調査段階であって一つ工業用水に対するところの施策というものが行われておらぬ。わずかに愛知用水の場合は、農業用水から上水道、工業用水、発電、いろいろなものが非常に総合されて、計画としてはなかなかりっぱに行われておるが、これもまだまだその実現は遠い将来のことにすぎぬというような状態であって、非常に計画がまちまちで、各個に分裂をしておって、総合性がないということが、一応指摘できると思うのです。ですから、各省がそれぞれ手を下しあるいは下さんとしておるものを、どう調整をとって、計画なり調査の線に沿って、これをより効果的に、限られた予算を効率的に使用する、あるいはさらに一そう公共事業費を重点的に組んで、その効果をさらに発揮するというような施策を必要とする段階に来ておるのじゃないかと、私は思うのです。そのことは、地方民の切実な要望にもこたえる道でもありますし、国家の立場からいっても、私は非常にいいことではないかと思うのです。そういう点で、経済企画庁長官なり通産大臣、あなた方の上司の方々から——基本的な、これは大きな国策の問題でもありますし、ぜひ私は当委員会においてこれらの問題を取り上げて、そうして総合的な見地から検討していかなければならぬと思うのです。北海道東北、九州と各地区総合開発計画が出る。そうすると、各地区でもやりたくなってくることは、これは当然だと思うのです。そしてそれとは別に既存計画があり、また新しく——これはいい計画だと思うのですが、あなた方がこういう調査を実施されておるというふうに、非常に複雑に計画が相重複して、だれを中心にわれわれはたよりにしていくのか、地方の人たちとしては非常に混乱をしておると思うのです。こういう点を当委員会としてもっと掘り下げてよく検討して、この限られた国費の範囲内において最大限度の能率を上げていくことが、私は必要だと思いますし、すでに現在指定されたものは、地方民期待を裏切らないように、一つ一つ、その緊急度の立場もありましょうが、これを実現していく方向に持っていかないというと、非常に政治の不信を買うことは明らかだろうと思うのです。そういう点を委員長にもお願い申し上げたいのでありますが、私ども国土の総合開発中心とする当委員会としては、非常に大きな問題だと思うのです。そういう点についても、特に機会をお与え願って、よくわれわれの意見も聞いていただき、また当局のお考えもお聞きするという機会を、特に別な機会に作っていただきたいと思います。幸い三木大臣おいでになりましたし、この際大臣の御構想も聞いて、もし時間がありますならば、私の今まで述べたような点についてさらにお尋ねをしたいと思いますが、そういうふうにお取り計らいを願いたいと思います。
  35. 篠田弘作

    篠田委員長 ただいま三木経済企画庁長官が出席され、一言ごあいさつを申されるとのことであります。この際、これを許します。三木国務大臣
  36. 三木武夫

    三木国務大臣 長期にわたるわが国経済の安定的発展をはかり、あわせて国民生活の安定と向上を期するためには、長期経済計画の推進とあわせ、経済、社会、文化等の諸施策の基盤となる国土の総合的な開発をはかることがきわめて重要であることは、今さら申すまでもありません。  かかる見地から、昭和二十五年には国土総合開発法及び北海道開発法が、昭和三十二年には東北開発促進法等が制定され、国土の総合的な利用、開発、保全、並びに産業立地の適正化を目途とする総合開発の推進がはかられてきている次第であります。すなわち、昭和二十六年には、国土総合開発法に基き、十九の特定地域指定して未開発資源の開発、災害の防除、産業立地の適正化等を主たる目標として開発計画を作成し、事業の推進に努め、また北海道につきましては、本年度より第二次五カ年計画の実施段階に入り、東北地方につきましては、東北開発促進計画の策定に鋭意努力するとともに、東北開発株式会社の拡充強化、北海道東北開発公庫の資金ワクの拡大等により、地域開発産業の振興に努めている次第であります。  なお、国土を総合的に開発するためには、一地方、一地域計画といえども国民経済全般の見地から検討せられるべきものでありますので、長期経済計画と見合いつつ、各地域計画構想、施設の規模等の基準となるべき全国総合開発計画を、目下鋭意策定している次第であります。計画の内容としてましては、全国を八地域に分け、目標年度を昭和四十二年度といたしまして、地域別人口と産業伸び見通しに基き、これを達成するに必要な土地、水、エネルギー、交通、国土保全、厚生等の公共公益的な施設の規模と配置の方向を明らかにし、均衡ある地域開発の伸展に資する考えであります。  これとともに、国土総合開発は、計画段階から実施の段階を通じて、常にわが国経済との関連に留意しつつ、総合的、効率的に推進することが必要でありますので、事業の実施に当りましては、各省庁間の調整に努める次第であります。  さらに、最近とみに注目を集めつつある既存鉱工業地帯整備、並びに経済発展のおくれている地域に対する道路港湾等交通施設を中心とする産業立地整備、あるいは離島振興、台風常襲地帯の災害防除等につきましても、国土総合開発の一環として充分配慮して参りたい所存であります。  つきましては、委員各位におかれましても、国土総合開発の重要性にかんがみまして、今後とも一そうの御協力を切望する次第であります。  一言ごあいさつをいたします。
  37. 篠田弘作

    篠田委員長 ただいまの三木国務大臣発言に関し、御発言があれば、この際許すことにいたします。なお、時間の関係もありますので、なるべく簡単にお願いいたします。
  38. 足鹿覺

    足鹿委員 大臣おいでになるまでに、いろいろあなたの方の関係者から御説明を聞いておったわけですが、次の機会にいろいろと詳細に申し上げます。私のお尋ねしたいのは、今度通産省がおやりになっております工業地区立地条件調査対象地区全国五十六地域指定の問題を中心に、従来の特定地域の総合開発の問題、それからまた今度北海道とか東北とか九州とか、いろいろな地区開発計画が総合的に行われるというふうに、各種の計画が次々と新しく樹立されております。聞いておりますと、予算を伴わない、全くの調査段階を出ない計画もあるようでありますが、地方の住民からしますと、その調査地区指定されたことだけでも、非常な期待を持っておることは御承知通りだろうと思うのです。ところが、たとえばこの工業地区調査対象地区になった地区は、従来の総合開発地区の中に含まれておる地区も相当あるわけなんです。そういうような場合に、既存計画と新しい計画重複したところに対する公共事業費の重点的な計上と、それに基く事業の実施、こういうことにつないでいかないと、予算の効率的な使用もできませんし、また事業もはかどらない、こういうことになるのではないかと思うのです。ところが、最近の傾向を見ておりますと、建設省建設省で、道路計画がその地域内においてどんどん進行していく。農林省は農林省で——私は山陰の鳥取ですが、中海の淡水化という計画が進められ、これは三十五、六年度からは事業の実施の段階計画が進んでおる。一面一万町歩をこえる大きな農地及び工業用地等の干拓も進んでおる。それで淡水化による工業用水の問題も解決しようという計画が、一方において進められる。運輸省は運輸省で境港を中心に石油基地の指定地方に持ってきて、そしてこれを地方民に呼びかける。そうすると、地方民は狂喜してそれにすがりつこうとするけれども、それが少しも具体的に、総合的に進まない。私は限られた部分を見て全部を類推するわけではありませんが、現在大体似たりよったりの実情にあるのではないかと思うのです。そういう状態にあって、これを総合調整をし、そして公共事業を重点的に実施をして、限られた国費を効率的に使い、そして地方民期待にもこたえていくということにならなければ、何か事前になってそういう計画が乱発をされて、そして一定の期間を過ぎると次の計画に切りかえられるというようなことでは、ひいては政治に対する不信にも通じていくのではないかというおそれもないではありません。そういうことについて、どういう官庁が心配をし、そして推進力となっていくかといえば経済企画庁ではないかと実はわれわれは期待をしておる。ところが、今まで質問をしておりまして、通産省通産省経済企画庁経済企画庁、農林省は農林省というので、わずかにあなた方の担当課長級が寄って協議をしておる連絡協議会のようなものがあるにすぎない、こういうようなことなのです。これではどうもおもしろくないのではないかというわけでありまして、そういう点について、大臣の御構想なり方針がありましたならば、お聞かせを願うと同時に、今申しましたような重複は、すでに——通産省計画をしておるものはまだ調査にすぎないが、すでに総合特定地域総合開発計画その他で事業が実施になっておるような重複した地帯に対しては、少くとも公共事業費の重点的計上によって事業を促進していくようなことが必要ではないか。三十四年度に、これらの点について、どう予算上あるいはその他の面において対処していこうとされておりますか、そういうことについて御構想を承わりたいというわけであります。
  39. 三木武夫

    三木国務大臣 御指摘のようなことは、単に鳥取県のみならず、全国にそういうことが多いと思う。一応やはり日本の政治の弊害面があると私は思う。そういう点で、これをできる限り総合的に開発するにしても、総合計画を立てて、それに従ってあまり各省がめいめい勝手なものでなく、有機的なやはり総合計画というものが立てられることが好ましいと思います。どういうふうにこういう問題について今までやっておりますか、十分この問題は私も検討いたしておりませんが、御指摘のような点に確かに弊害はある。これを一歩進めて、各省間でもう少し調整のとれた総合的なものとしてできるような工夫をいたしていきたい。また公共事業費の使い方にしても、これはできる限り重点的に使うべきもの、そうでなければ、やはり非常に国費を浪費する面もある。それは今後の予算編成方針とも結びつくわけでありますが、公共事業費の重点的な使用、国土の開発に対してもう少し総合性を持たすべきであるという点には、全く同感であります。どの程度まで御指摘のような弊害を除去できるかは別といたしまして、そういう点に私も同様に弊害を認めておるのでありますから、その弊害を何とかして少しでも少くするような工夫はいたしていきたいと申し上げておきたいと思います。
  40. 篠田弘作

    篠田委員長 ただいま本問題に関し、発言要求があります。これを許します。竹谷源太郎君。
  41. 竹谷源太郎

    ○竹谷委員 ただいま、三木大臣から国土総合開発の方針についてごあいさつがありましたが、その中で今回「全国総合開発計画を、目下鋭意策定している次第であります。」こういうごあいさつがありました。国土開発法が昭和二十六年にできましてから、一体全国総合開発計画をまず最初に立てて、それをブロックに、あるいは府県に、あるいは市町村にブレーク・タウンをしてやっていけば、一番理想的な開発計画ができるのでありますが、基となるべき全国開発計画がないために、てんでんばらばらで、ただいま足鹿委員から、国土総合開発特定地域の問題、その他工業立地条任の整備の問題等について、ばらばらな総合性のない点について質問がありましたが、これは全国計画がないからそういうへまばかりやらざるを得ない。そうしてもうすでに七、八年もたっておるのでございますが、今回おそまきながら全国総合開発計画を策定する、非常にけっこうなことでありす。一体この計画はいつまでに策定ができるのか、まずそれをお尋ねしたい。
  42. 三木武夫

    三木国務大臣 昭和二十五年に法律ができて、一ぺんにそんなものはできなかったそうであります。御指摘のように総合的な開発計画ができて——そういうことでないと、これは足鹿委員の言うように各省ばらばらに、あるいは一面において地域的にばらばらという事態も起ってくる。そういうわけで、こういうものが完全とは行かないまでも、できる方がいいということで、今、原案がもう数日中にできて、幹部会にもかけるようなところに作業は進んでおるようであります。
  43. 竹谷源太郎

    ○竹谷委員 だいぶ作業は進んで、近く発表になるという、われわれはこれを期して待っております。つきましては、その策定されるべき計画は、八つの地域に分ける、そうして地域別人口と産業伸び見通しに基いて、これを達成するに必要な計画を立てる、こういうわけであります。地域別人口という意味は、自然増であるか、社会的人口増加であるか、これはどっちをもととし、どれを目標とするのか、また産業伸びというのは、現状の産業昭和四十二年度までにはこう伸びるであろうという自然の伸びの状況を見通すのか、それともこのように伸ばさなければならないという新たな計画目標を作って、それに向ってこの計画を立てるのか、これは開発局長から御答弁を願いたい。
  44. 伊東正義

    伊東説明員 事務的な問題でありますので、私から御答弁いたします。  全国開発計画につきましては、御承知のように国土総合開発審議会の中に全国部会というものを昨年末から作りまして、そこでいろいろ作業の手順の御相談を願いまして、それに基きまして今作業をいたしておるわけでございます。考え方といたしましては、今御質問のありました人口の問題、産業伸び等の問題でございますが、産業伸びにつきましては、一応第一次の素案としましては、現在の姿から十年先にどういうふうに伸びていくであろうかというような姿をまず描いてみまして、そうした場合にどういう結果になる、どの地域はどういう結果になる、人口は、その場合に自然増だけではなくて、社会増も含めてございますが、どういう結果になるだろうというものをまず作ってみまして、その上で、それではこの地域については開発にならぬじゃないかというような、いろいろな問題が出てくるだろうと思われます。それで全国部会におきましては、最初からあまり意欲を入れたものでなくて、自然の姿をまずかいてみて、その上でみなで検討して、ゆり戻しをやっていく、再修正をやる。その場合には人口の過度集中の率でありますとか、あるいは産業立地の問題でありますとか、既存計画との問題でありますとか、いろいろな見地から再修正をしまして、その上で計画を作ったらどうかというような手順ができておりますので、先ほど大臣から御答弁のありました原案が中で相談になるということは、自然の姿を、今の状態をかいてみましたものをまず作ってみて、その上でまた再修正をするという第一次案を、中で今作成いたしておるような次第でございます。
  45. 竹谷源太郎

    ○竹谷委員 そうしますと、一応現在策定しております原案は、現在の状態において昭和四十二年度までの伸びを見て、そうして昭和四十二年度を展望して計画を作っていく、こういうのでございますが、それではどうもわれわれは非常に不満足なのです。ただいま通商産業省の企業局という役所があって、そこで今書類を拝見すると、足鹿委員から御質問がありました昭和三十三年度における産業立地条件調査についてという中に、日本における四大工業都市の隘路打開のために、これこれの仕事をする、新たに数十カ所の新規工業地帯立地条件整備について調査検討する、こういうことがある。そこで四大工業地帯なんというものは、隘路を是正するだけではとうてい満足できないような状態になっているのじゃないが。これは脳充血状態で、今や脳溢血症状を呈している、こういうところの工業を規制する、そうして北海道や、九州や、東北や、そういう未開発地帯産業の再配分をするとか、人口の配置がえをするということまで考えてみないと、ほんとうの国土総合開発はできないし、またそういう計画がなければ、全国総合開発計画というようなものもできてこないと思う。そこで、この全国計画につきまして、一応現在の状況が昭和四十二年まで伸びていくことを展望して、それに対する計画を立てる、それに対して、これではいけないからこのように修正する、こういう今開発局長答弁でしたが、その修正というような言葉ではこれは物足りない。新たな計画をここに、立てなければならぬのじゃないかと思う。そういう時期に今日本の産業の状態は到達をしておるし、ことに国土開発計画を樹立するに当っては、これは未来永劫の長い将来を展望しなければならないし、そういう展望に基いて計画を立てられなければならない、こう考える。これについては、一つ新進の企画庁長官は、新たな構想を持って、ぜひ経済企画庁としての本来の役所の目的を達成するように御努力を願いたい。現在四十二年度を目標とした全国開発計画というものは、現状を一応昭和四十二年度まで伸びるものとして考えてみることは、現状の分析、現状が伸びていく状況を見るために、非常に必要なことであろうと思う。そうすれば、当然修正というか、新たに考え直さなければならぬ問題に、私は逢着をすると思うんです。この地域別人口なんというものも、社会増を見ますと、開発をしなければならぬ土地は、社会的には人口が激減をしておる。それから非常に開発している地帯は、自然増が非常に多い。こういう状態も放任は許されないと思うのでありまして、この点一つ十分御検討を願いたい。  次に、先ほども通商産業企業局で四大工業都市の隘路打開に、いろいろな工業立地条件整備をやる、新たな数十カ所の新規工業地帯に対して調査研究するということでございますが、四大工業都市の産業立地条件隘路打開することはむろん必要でございますが、一歩進んで、これらの地帯工業の抑制、規制をして、そうして強くやれば、工場の新設、増設等は禁止する、そうして新工場地帯産業立地条件整備をして、そこで受け入れをやるような情勢を作る、ここまで進まなければならぬと思いますが、今経済企画庁あるいは通商産業省で考えております産業立地条件整備の問題については、そういう将来の構想まで考えてこの問題を調査、研究しておるのか、それとも現状のネックを打開するという程度で満足するのであるかどうか、これを尋ねておきたい。
  46. 川原英之

    川原説明員 お答えを申し上げます。先ほど御答弁申し上げましたように、現在の調査は、さしあたり今後いろいろの工場立地いたします場合に、立地し得るような地域の見当をつけまして、その具体的な条件調査いたしております段階でございます。今後この調査がまとまり、またいろいろ今後の産業伸び、あるいは最近のいろいろな新しい技術の発展というようなものを考慮いたしまして、今後の問題につきましては、その資料を収集いたしました上で検討をいたさなければならぬと思いますが、さしあたりは、これが第一段の発足といたしまして、まず調査をいたしておるという段階でございます。
  47. 竹谷源太郎

    ○竹谷委員 大臣お尋ねしたいのですが、今私が述べた大工業地帯の抑制ですね、新規工業地帯にできるだけ適正な産業の配置をするというようなことについてのお考えはいかがですか。
  48. 三木武夫

    三木国務大臣 現に今までの工業地帯というものが老朽化されて、いろいろな点でこれはやはり新しい工業地帯というものを設定しなければならぬ段階に来ていると思います。そういう点で、これは新しい工業地帯を設定する、その新しい工業地帯を設定するいろいろな条件整備することは、もちろんやらなければならぬ大きな仕事の一つである、こう考えておる次第でございます。
  49. 竹谷源太郎

    ○竹谷委員 今の問題は話せば切りがないので、この程度にして、後日大臣にまたお尋ねいたしたいと思うのであります。  けさの新聞によると、国鉄の幹線調査会ですか、調査の機関において、東海道に広軌の複線を早急に作るべきである、こういう答申をいたしておるわけでございます。これは貨物、旅客の輸送上どうしても必要で、早急にやらなければならないことであると私も考えるのでありますが、昨年国会を通過した国土開発縦貫自道車道については中央道に中央高速自動車道を作るべきである、こういう法律が通っておる。これに対しましては、建設省としてもちろん反対ではないわけだが、もう一つ東海道に高速自動車道が必要である、こういうのだが、そうすると、東京から阪神間に三本の約二千億近くもかかるであろう大交通路が、今取り上げられておるわけである。この三つの全部をやればこれにこしたことはないが、大へんな金が必要であるから、その緊急度に応じてこれをやっていかなければならぬ、こう思うのでありますが、その場合に、国家としてはどれとどれをまずやるか。日本の一番交通量の多い、また日本の産業経済上重大な阪神、関東間の交通路について、国策としてはっきりと目標をここに定めて、その計画に基いてこれを実施していく必要がある。前の内閣時代に交通関係の閣僚会議か何か協議会みたようなものができたそうでございますが、それはまた現内閣においても復活するものであるかどうか。また今のその三つの大交通路線の問題について、どのように解決するお考えを持っておるか、これをお尋ねしておきたいと思います。
  50. 三木武夫

    三木国務大臣 日本の経済的な発展には、国内における輸送という問題が大きな問題になっておる。そういう点で、東海道の複線による輸送力の増強ということは必要な問題だと思う。これはいろいろ財源の制約はあるけれども、やはりやるべき問題の一つであると思う。ただ縦貫道路については、中央線あるいは東海道線、いろいろの議論があって、国土縦貫道路審議会でもまだ結論が出てないと思います。これは財源の点において全部の鉄道を複々線にするわけにいかない。これは選ばざるを得ないと思うのであります。そういう審議会もあり、また政府部内においても交通関係の審議会を置こうという意見がありますが、まだ開いてもおりませんので、これはいろいろ双方の利害得失を検討いたしまして、審議会の意見等も尊重し、できるだけ早くきめることが好ましいのですが、現在のところは——竹谷さんも委員の一人だと思うのでありますが、御承知のような事情で、まだ決定には至っていない。三本いずれもやるというようなことは、私はなかなかできぬ、道路の方は、いずれかを選ばざるを得ないんじゃないかというふうに考えております。
  51. 竹谷源太郎

    ○竹谷委員 大臣には少し誤解があるようです。中央道を国土開発縦貫自動車道路が通ることは、法律できまっておるのです。そのほかに、建設省としては、東海道も高速自動車道路が必要だと言っておるのですから、誤解のないように。従って、その三本をどのような順序、どのようなスピードでやるべきか、国策として早く決定しませんと、他のあらゆる産業経済、あるいは人口問題等の解決の基本になると思いますので、一つ閣内において大いに発言をして、早くきめていただきたい。
  52. 篠田弘作

    篠田委員長 ただいまの問題に関連をいたしまして、西村君から発言を求められております。これを許します。西村関一君。
  53. 西村関一

    ○西村(関)委員 私は、今回初めて本委員会委員になった者であります。ただいままでの御説明なり、いただきました資料の範囲内だけでは、十分に掘り下げた質問を申し上げる段階ではないのでございますが、ただ一点大臣にお伺いをいたしたいのでございます。  先ほど同僚の足鹿委員からも指摘され、大臣もこれを認められたのでございますが、国土総合開発につきましては、地域的にもまた各省別にもきわめて密接な、大局的、総合的な企画性を持った調査、並びに実施が必要であることは申すまでもないと思うのであります。この点につきましては、先ほどお話にありましたところによりますと、各省間にはただ事務官の連絡会議程度のものが持たれておるということでありまして、これではどうも十分なまとまりがつきかねるとも考えられますので、もう少し強力な、総合計画をいたします経済企画庁国土総合開発の頭脳と申しますか、中心的な、大臣あいさつにもありますような、各省庁間の調整をいたしますような、何らかの特別の機関を設けられるようなお考えをお持ちであるかどうか。そういうものがないと、ややもすれば先ほどの御心配にありましたような国費の浪費を来たすようなことも、なきにしもあらずだと思うのであります。またせっかくの国土総合開発が、十分な効果をあげるのにも事欠くようなことができるのじゃないかと考えるのでありまして、その点につきまして、大臣の御構想を承わりたいと存じます。
  54. 三木武夫

    三木国務大臣 新しい機関を作るという考えも持っておりませんが、しかし、各省間の連絡調整は一段と現在よりも強めていきたい、こういう考えを持っております。
  55. 西村関一

    ○西村(関)委員 それはどういう方法かで、各次官とか各事務官などの連絡会議を密にするというような、具体的なことでございますか。
  56. 三木武夫

    三木国務大臣 それはいろいろな方法があろうと思いますが、とにかく各省間の連絡、これは新しい機関というようなものでなくて、現在やっておるようなことをもう少し上の方の人たちで緊密にやるという方法もあろうし、そういった弊害点を私も確かに認めておるのですから、どういう形でそれを推進すればもっと各省間のいろいろな事業調整できるかということは私も研究してみたい、今頭にこうしようという案を持っておるわけではございませんが、弊害を認めておる私としては、何か工夫をしてみたいということをお答えをしたわけであります。
  57. 西村関一

    ○西村(関)委員 ただいまの点につきましては了承いたしましたが、私は本日初めての委員会に参りまして、いただきました資料がこの程度のものでは、まだ委員として研究するだけの十分なものであるように考えられませんので、北海道開発は第二次計画に入っておるのでありますが、その第一次五カ年計画についてのもう少しコンクリートな御報告、たとえばそういったものもいただきたいと思いますし、もう少し細部にわたった今までの調査、及び今までの実施の報告書をいただきたい。委員といたしまして十分な勉強をさせていただきたいという考えを持っておりますので、この点に対しまして、事務当局からでもけっこうでありますから、御答弁をいただきたいと思います。
  58. 伊東正義

    伊東説明員 お答えいたします。北海道の実施計画その他につきましては、北海道開発庁の方でお出しになると思いますが、企画庁といたしましても、できるだけ御要望のような資料を作りまして、御配付いたしたいと思います。
  59. 西村関一

    ○西村(関)委員 現在までのいろいろな資料を、一両日のうちにお届けいただきたいと思うのであります。本日でこの国会が終了いたしますが、できるだけ早く……。この休会中にいろいろ勉強いたしたいですから、できるだけ多くの資料をお届けいただきたい。
  60. 伊東正義

    伊東説明員 御要望のように、なるべく早くお手元に御配付するようにいたします。
  61. 篠田弘作

    篠田委員長 他に御発言がなければ、本日はこの程度とし、三木、山口両国務大臣に対する詳細にわたる質疑は、近日中の機会に十分なされるよう委員長といたしましても配意いたしますから、さよう御了承願います。     —————————————
  62. 篠田弘作

    篠田委員長 この際、委員派遣について御報告いたしておきます。先刻の理事会におきまして協議の結果、閉会中の委員派遣は、東北地方を二班に分けて調査することとし、福島県、宮城県、岩手県、青森県の一班と、秋田県、山形県、新潟県の一班に分けて、委員は各班それぞれ三名、約五日間程度として、それぞれ実情の調査をいたすことに決定いたしました。つきましては、その人選その他所要の手続につきましては、委員長に御一任願うことといたし、御希望の委員委員部までお申し出をお願いいたします。これら詳細な日程ができましたら、各位に御通知申し上げることといたします。     —————————————
  63. 篠田弘作

    篠田委員長 この際申し上げますが、北海道東北開発公庫総裁松田令輔君、同理事岡田包義君がごあいさつに見えておりますので、この際御紹介いたします。
  64. 松田令輔

    ○松田説明員 ただいま御紹介を受けました北海道東北開発公庫総裁の松田でございます。当公庫は、北海道及び東北の資源の総合開発のために必要なる長期資金の供給をいたすことをもって任務といたしておるのでありまして、業務の実施に当りましては、国の計画の線に沿って参らなければならぬのであります。従いまして、今後特別の御援助をお願いいたしたいと思います。この機会によろしくお願い申し上げます。
  65. 岡田包義

    ○岡田説明員 私理事の岡田でございます。どうぞよろしく。
  66. 篠田弘作

    篠田委員長 次会は公報をもって御通知申し上げることとし、本日はこれにて散会いたします。     午後零時三十一分散会