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足鹿委員 これは、
三木大臣が
おいでになってから
大臣の根本的な御
構想を聞かないと、これ以上
お尋ねをしてもむずかしいと思うのですが、
地方では、もうみなりっぱな
調査を、あなた方の出先機関と連絡をとり、その
指導を受けてやっておるわけです。今まで聞いておりますと、あなた方の
構想は、
既存の
工業地帯の
整備に追われておって、まだ新しい
調査地区については、
予算を独自で持つとか、あるいは具体的に手を下すという
段階ではないという御方針のようでありますが、
地方におきましては、たとえば農林省は農林省で、私の
地区でいいますと、中海の淡水化という
計画を立てて、それが
一つの
工業用水なりあるいは公有水面の埋め立てによる
工場敷地、あるいは関連施設の確保という問題に通じて、すでにこれは
調査から実施の
段階に現に入ろうとしておる。また
建設省は
建設省として、
道路計画をもってその面にも施設を行わんとしておるというふうに、事実上
各省々々では具体的な
計画が行われておる。たとえば運輸省は、石油基地の問題について、すでに
構想を明らかにして地元に呼びかけておる。地元は、そういう声を聞きますと、非常に狂喜して、
地方民も自治体当局も一緒になっていろいろとお願いに出たり、またあなた方の方針に
協力をしておる。ですから、あなた方
自体としては、
既存の
工業地帯が地盤が沈下するとか、
工業用水が不足するとかいうことについて対策を講じられていくことは、今までおそきに失したと思う。たとえば東京の江東
地区の場合なんかも、一ぺん堤防が切れたら、あの
地帯は死の海になってしまうような危険な状態を、ただ堤防を次々と継ぎ足して、高潮対策、洪水対策をやっておられるというような、私どもどうも合点のいかぬ状態だと思う。それも
工業用水の過度な使用が今日の原因を来たしておるのじゃないかと、われわれ
現地を見た者としてはそういう感じを持っておる。水道用水、上水道については非常に心配しておられるが、いわゆる総合的な
工業用水の供給方法ということについて、何ら今まで
計画性がなかった。従って、
現地においては非常に地下を深く掘って
工業用水を取り上げることから、地盤の変動が起きておるのじゃないかという一応の判断しか現在のところ下っておらぬ。これも
調査の
段階であって
一つも
工業用水に対するところの施策というものが行われておらぬ。わずかに愛知用水の場合は、農業用水から上水道、
工業用水、発電、いろいろなものが非常に総合されて、
計画としてはなかなかりっぱに行われておるが、これもまだまだその
実現は遠い将来のことにすぎぬというような状態であって、非常に
計画がまちまちで、各個に分裂をしておって、総合性がないということが、一応指摘できると思うのです。ですから、
各省がそれぞれ手を下しあるいは下さんとしておるものを、どう
調整をとって、
計画なり
調査の線に沿って、これをより
効果的に、限られた
予算を効率的に使用する、あるいはさらに一そう
公共事業費を重点的に組んで、その
効果をさらに発揮するというような施策を必要とする
段階に来ておるのじゃないかと、私は思うのです。そのことは、
地方民の切実な要望にもこたえる道でもありますし、国家の立場からいっても、私は非常にいいことではないかと思うのです。そういう点で、
経済企画庁の
長官なり
通産大臣、あなた方の上司の方々から——基本的な、これは大きな国策の問題でもありますし、ぜひ私は当
委員会においてこれらの問題を取り上げて、そうして総合的な見地から検討していかなければならぬと思うのです。
北海道、
東北、九州と各
地区で
総合開発計画が出る。そうすると、各
地区でもやりたくなってくることは、これは当然だと思うのです。そしてそれとは別に
既存の
計画があり、また新しく——これはいい
計画だと思うのですが、あなた方がこういう
調査を実施されておるというふうに、非常に複雑に
計画が相
重複して、だれを
中心にわれわれはたよりにしていくのか、
地方の人たちとしては非常に混乱をしておると思うのです。こういう点を当
委員会としてもっと掘り下げてよく検討して、この限られた国費の範囲内において最大限度の能率を上げていくことが、私は必要だと思いますし、すでに現在
指定されたものは、
地方民の
期待を裏切らないように、
一つ一つ、その緊急度の立場もありましょうが、これを
実現していく方向に持っていかないというと、非常に政治の不信を買うことは明らかだろうと思うのです。そういう点を
委員長にもお願い申し上げたいのでありますが、私ども国土の総合
開発を
中心とする当
委員会としては、非常に大きな問題だと思うのです。そういう点についても、特に
機会をお与え願って、よくわれわれの
意見も聞いていただき、また当局のお
考えもお聞きするという
機会を、特に別な
機会に作っていただきたいと思います。幸い
三木大臣が
おいでになりましたし、この際
大臣の御
構想も聞いて、もし時間がありますならば、私の今まで述べたような点についてさらに
お尋ねをしたいと思いますが、そういうふうにお取り計らいを願いたいと思います。