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久保説明員 今の合理化について私が当局に要求したいのは、合理化の基本方針と、具体的
計画があれば、それを含めて要求したいのであります。
そこで、今の山田
委員からお話がありましたことについて、
久保常
務理事から御答弁をなさったのでありますが、今われわれが承知している
範囲のことは、たとえば
貨物の車
扱いをなくなす、こういうことになりますと、これは必然的に荷主によけいな負担をかけるということの
事例がある。それから駅員をなくして輸送回数を増すというようなことをおやりになっているようだが、私はその問題はしばらくおくとしても、合理化の問題は、今国鉄内部でおやりになっていることは二つあると思います。いずれも間違っていると思いますが、
一つは、消極的な方法として、地方各局に落して、地方各局には予算をやらないで、いわゆる積極的な合理化をやらせないで、消極的な合理化を進めているという格好になっている。もう
一つは、この合理化を口実に、いろいろなものを民間に委託していく。たとえば、先般の決算
委員会でも取り上げられました
電車の清掃
一つをとってみましても、
内容はよく存じませんが、決算報告を見ますと、
電車の清掃を民間委託して、その料金が非常に高い、こういう指摘を受けているわけです。最近新たに聞いた話では、これは九州地方でありますが、客車の清掃業務を民間に委託しようとした。ところが裏を掘ってみると、これは現職の人が株主になったという
事例をわれわれは知っている。もちろん、これは当局との間の話し合いで御破算にしたそうでありますが、こういうことは、やはり再び決算
委員会において指摘される
事項になりはしないか、こう思うのです。私は今日の合理化の基本方針は、もちろん五十年や七十年前の国鉄をそのまま維持しようというのじゃなくて、近代的な感覚と規模において合理化すべきだと思います。その場合見のがしてならないのは、これは言うまでもなく他運送機関との問題であります。たとえば丙線区においてこの合理化を進める場合、単に客貨車の輸送の面が他の運送機関に奪われつつある、だからよけいに赤字だ、だから駅員もなくしあるいは列車の回数も減らしていくということになりますと、先ほど山田
委員が御指摘になったように、鉄道の公共性というものはなくなっていくわけです。そういうことであっていいのだろうかどうか。これは本社あるいは各局なり各支社において、他運送機関との間における調整の問題も含めながら、全般的な輸送機関として私は考えていくべきじゃないかと思う。そうしなかったならば、早い話が、これから丙線区のごときは、どんどんレールをはずしていくのが得策だ、こういう結論になろうかと思います。そういうことであってはならぬと思うので、こういう合理化の方針はどういうふうになっているのか。ただ単につけられた予算の中で、これをいかに赤字を少くしていくかということだけに腐心しているのだろうか。赤字を積極的に解消するということは、結局そういうふうに規模を小さくしていくという方向と、もう
一つは、規模をさらに広げていくという二つの方法があると思う。今まで聞いている
範囲、見ている
範囲では小さくしていくといういわゆるタコ配的な形でやっていこうというのが多いのじゃないか。先般もこの
委員会でちょっと話が出ましたが、今まで運輸省系統いわゆる国鉄の役人と言っては語弊があるが、予算のとり方が新線建設でもあるいは電化の問題にしても八十二億という利用債を押しつけられて、押しつけられたときには文句を言うが、それでやっていくという積極性がない。そうかと思うと片方でもって、先ほど言ったように指摘されるような
事項を作っている。何か雨降りみたいな陰険なものが今日の国鉄の
一つの流れだ。これを打破しない限りは国鉄が国民の鉄道にはなり得ないと思う。そういう点を
一つあからさまに今度の機会に総裁からなり最高幹部から聞きたいと思う。また運輸省自体からもこの点は聞きたいと思う。今までやっていることは早く言えばタコ配的なやり方でもってだんだん
自動車路線をはずしていけば事足れりということになるのです。こういうことでは今まで何十年やってきた鉄道の使命は失われる。これは非常に問題だと思う。こういう点について
一つ久保常
務理事からさしあたりお答え願いたいと同時に、きょうの新聞に出ていました、松永さんが会長か
委員長をやっている産業
計画会議というものから答申が出たそうですが、あれはどこへ来たのですか。あなた方の方へ来たのかもしれませんが、これは電力会社みたいに分割して民営にしていこうという。その前提が今度の丙線区の簡易化じゃないか、あるいは客貨車清掃業務の下請じゃないかというふうに私は考えている。それから志免炭鉱の場合もそういう線から出ているのじゃなかろうかと私は考えているのですが、いかがでしょうか。この点をお伺いします。