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朝田説明員 私、この間ごあいさつをいたしましたが、
官房長の
朝田でございます。ただいま
船舶局長の
山下正雄が
海外出張中でございますので、その間私
事務代理を命ぜられておりますので、
船舶局の
所管事項の御
説明を私からさせていただきます。
お
手元に配付いたしておりまする資料に基きまして、まず、
日本の
造船が今日
世界第一位になりましたことの原因を考えてみますと、
造船工業界におきまする
合理化というものが進んで参ったところに
世界的な
船腹需要がちょうどタイミングが合った、こういうようなことになりますので、まず第一に、
造船用設備の
近代化という問題について御
説明をいたしたいと思うのであります。
造船用の
設備につきましては、御
承知のように、従来からリベットで
建造をいたしておりますあの
びょう打ちの
建造方式から
溶接という
建造方式に変って参りました。また、
船舶が非常に
大型化して参りまするので、地上で
ブロック式に
建造いたしまして、
ブロック組み立てをいたしましてあとでつなぎ合せる、こういうような
ブロック建造方式というものを採用いたしまして、そのためにいろいろ
設備の
近代化、
合理化を進めて参ったのであります。主としてその
合理化の対象になりましたのは、今申し上げました
溶接設備、
船台あるいは
船台周辺の
運搬施設、そういったものの
整備に
重点を置きまして、
昭和二十五
年度から二十九
年度くらいまでの間にこういった方面に
重点を置いた
近代化、
合理化というものを進めて参ったのであります。その間におきまして、
主要鋼造船所に
合理化資金といたしまして投資されました額は百六十億円に達しております。従いまして、そういうことでいわゆる
船殻関係、
船台関係の方は非常に
改善されて参ったのであります。ところが、今申し上げましたように、最近非常に急激に
船舶が
大型化して参りました。そこで
船台、クレーンその他の
設備も、やはり
大型化に適応するような
設備にしなければなりません。
溶接あるいは
ブロック建造方式によりまして、より効果的な
近代化も進めて参らなければなりませんので、
昭和三十
年度以降は主としてこういう
大型化に対処して
近代化を進めて参ったのであります。三十
年度以降三十二
年度までにこういうものに対して投下されました額は、三百三十億円に上っております。ただ、この
造船所の
経営の上におきまして注目しなければなりませんのは、こういった
資金が六〇%以上
造船所の
自己資金でまかなわれておるということであります。
社内留保及び増資でこの六〇%以上がまかなわれてきておるということに注目すべきではないかと思うのであります。 それから第二番目の点は、
中小鋼造船所の問題でありますが、大
造船所は、今申し上げましたように、最近数年間非常に
設備が
近代化、
合理化の道をたどりましたけれども、
中小造船所につきましては、その
企業基盤が非常に弱いということと、
設備の
近代化がおくれており、また
市場が狭いものでありますので、非常に困難な問題をここに包蔵しておるわけであります。そこで
市場の
開拓あるいは
金融の問題、あるいは技術の向上の問題、そういう問題に種々困難な問題があるのでございますが、こういったものの
解決のために、
中小造船所の振興、安定をはかりますために、
懇談会を設けまして、
目下具体策を
協議検討中でございます。
それから、今申し上げましたような
造船業の
現況と
輸出造船の
現状を、これに関連して、これから御
説明申し上げたいと思うのでございます。
わが国の
造船業の現在
規模は、
鋼造船所といたしまして、
主要工場といたしましては、大体大きなものが二十四
工場ございます。この二十四
工場でもって、昨
年度の
起工量の九二%を
建造いたしておるのでございます。そのほかに、今申し上げた主要二十四
工場のほかに、一万総
トン以上の船を作り得ます
造船所は、四十二
工場ございます。それ以下の
中小造船所というものにつきましては、二百六十
工場もあるのでございます。そこで、昨
年度、どれだけ
起工をいたしたかといいますと、六百九十一隻、二百二十万総
トン、こういう
起工実績になっておるのでありまして、
木造船所といたしましては、
機帆船とか
漁船、こういったものを作りまする
工場が千三百
工場ございまして、例年約八万総
トンくらいの
建造実績になっておるのでございます。
この
規模をもちまして、昨
年度日本の
造船業は、
イギリス、ドイツを凌駕いたしまして、御
承知のように、
世界第一位の
実績を上げて参ったのでありますが、これは三十
年度におきまして、ちょうど
世界景気がブームを告げまするまっ先に、三十年秋から
世界海運市況が上向きになって参りました。そこに
世界的な
船腹需要熱というものが非常に高まって参りました。その結果三十年、三十一年の
大量受注による
手持ち工事量というものが、ちょうど昨年それが消化されたということによりまして、
世界第一位の
実績を上げた、こういうことになるのでございます。ところが、御
承知のように、昨年来の
世界的な
不況が深刻化して参りまして、
船舶需要熱も
世界的に冷却をいたして参りました。
新規受注が大幅に減少して参った、こういうことでありまして、本年の三月末までに、ただいま申し上げました主要二十四
工場の中で持っておりまする
手持ち工事量は、昨
年度に比しまして七%下っております。そこで、この二十四
工場といえども、どういうところにこの
船舶の
工事手持ち量が偏在しておるかといいますと、
大型タンカーを
建造いたしまする
造船所に多く集中をいたしておる
傾向であります。従いまして、それ以外のところでは、非常に苦しいような
状況が現われて参りまして、本年十月以降に
建造すべき
注文船を持たない
工場が、今のままでいきますと、四
工場ばかり予定されるのであります。従いまして、
主要工場以外の
中小規模の
造船所におきましては、十月以降はほとんど工事すべき船を持たないというような
状況になるのが、今の
段階における
見通しでございます。
本
年度の
起工量を見ますと、
主要工場で確定いたしましたものにつきましては、百二十一万総
トン、前
年度の六割にすぎません。
中小造船所におきましても、昨
年度の二十万総
トンの
実績から相当下るものと思われます。これに対しまして、
操業量がそれだけ減少いたしますと、
雇用量ももちろん減って参りますし、場合によりましては
超過勤務、あるいは
請負工、
臨時工といったようなものの
雇用の問題にまで影響するおそれがあるというふうに
心配をいたしておるのでございます。
それでは一体
わが国の
造船業にとって望ましい
操業量、
適正規模はどれだけかという問題が重要な問題として考えられるのでありますが、
海運造船合理化審議会の
船価低減小委員会におきまして報告されたところによりますと、主要二十四
工場では百七十万総
トン、
中小規模造船所では十万総
トンが必要だということにされておりますので、今後の
新規受注の確保がどうしても今の調子を高めて参りました
日本の
造船業界にとって喫緊の問題になっておるのでございます。ところが、先ほども申しましたように、
海運市況が依然として低迷を続け、こういう
沈滞がある
程度長期にわたるものと考えられますので、このために
国内の
自己資金船、
計画造船あるいは
輸出船の今後の
見通しというものもとうてい昨年のような期待はできません。当面の問題といたしましては、十四次
計画造船が一刻もすみやかに実施されることを
造船業界として期待しておるのも無理からない
事情でございます。そこで、内外のこういった
造船需要の
開拓に努力を続けるほかに、
操業度を維持し、並びに
雇用問題の
悪化を防止するために、われわれは好
不況を問わず、
長期的にその
造船量というものをコンスタントに続けていくということを、
事務当局としては毎年要望しておるのでございますが、なかなか種々の
事情でそういうことに参らないのでございます。
そこで
船舶輸出の
現状を申し上げますと、全体の
造船業界の中で
輸出船と
国内船とを分けてみますと、
手持ち工事量からいいますと、
輸出船が七八%も占めておるのでございます。後いまして、
世界的な
船舶需要というものが変動いたしますと、非常に不安定な要素が七八%もあるということが
心配の種になるわけであります。
イギリスあたりではこの逆で、約七〇%が
国内船、三〇%が
輸出船、
西独あたりにおきましては五〇%が
国内船、五〇%が
輸出船、こういったような、割合に安定された
操業が確保されるという
状態に比べますと、非常に不安定な
日本の
造船業の実態なのでございます。まあそういうことでありますが、昨年は、先ほど申し上げましたように、全
輸出商品二十七億八千万
ドルの中で、
輸出船として上げましたものは三億九千万
ドル、
綿糸布、スフ、あるいは
鉄鋼素材なんかをはるかに上回りまして、一昨年に引き続いて
輸出の中で
大宗を占め、しかも第一位にあるわけであります。そういうことで
国際収支の
改善に貢献しているところがきわめて大きいということでございます。昨
年度におきましては、
輸出建造許可の
実績からいいますと三億五千万
ドルということになっております。この
トン数は前
年度の半分に減少しておりますので、今後の
見通しをはなはだ暗くさしておるのであります。
市場別にながめてみますと、
ドルの獲得に
重点が置かれますので、
ドル払いの契約によるものが非常に有利といいますか、そういうものに限定される
傾向があります。投機的な色彩の強い
ギリシャ系船主の注文が非常に多いのであります。こういう新興のお客さんでありますところの石油会社とかあるいは投機的の色彩の濃い
ギリシャ系船主にたよっておるというものが非常に多いのでありまして、七五%も占めておるような
状態であります。本来からいいますと、欧州の堅実な
海運会社の受注が
日本の
造船業界を安定させる非常に重要な要素であると思うのでございますが、今申し上げましたように、非常に不安定な
市場に依存をしておるということが、恒久的に見ますと一つの弱点であると思います。そして欧州
海運会社のそうした安定した
市場からどれだけの注文があるかといいますと、今言いましたようにポンドの支払いがある
程度きらわれるものでありますから、大体七%
程度にとどまっておるというような
状況であります。ところが中近東、中南米、東南アジア、あるいは共産圏等からは、これは少し増加いたしまして一八%、前
年度よりも増加いたしております。
こういう弱点を持っておりますので、将来の
輸出の伸張のためには、どうしても従来の
ドル圏
ドル払いを重視するということをやめまして、有力な安定
市場と目されますところの欧州
市場に受注を進めて参りたい。そのためにポンド建ポンド払いの承認をできるだけやってもらいたい。それから、また、為替損失補償法の適用範囲を広げてもらいたいというのが、われわれの主張しておる第一点であります。それからまた、競争相手国と対抗するための延べ払いの条件を緩和するということ、あるいは
長期借款を供与する、たとえばインドに対しまして与えました円借款のような問題なんかも今後東南アジアにおいて進めて参りたいということが第二点であります。それから第三点は、
輸出入銀行の
融資条件の
改善をする必要がある。どうも少し
船舶の
輸出が伸びますと、
船舶はほっといても
輸出が伸びるのだというような考え方でいきますと、また不振になりますとあわてて手を打つというようなことはいけないということを主張しておったのでありますが、プラント
輸出並みに今の
融資比率を八対二まで高めるべきだ。現在は七対三、
輸出入銀行の
融資額が七割、市中が三割、こういうような形になっておりますので、プラント
輸出並みの
輸出入銀行の
融資条件まで高めるべきだということを言っております。それからまた、
輸出所得特別控除制度の恒久化、
輸出保険制度の
拡充。最後に在外公館活動の
強化、あるいは経済外交の推進、こういうことを一連の
船舶に関します
輸出振興
対策として、各省と協議いたしまして、強力な
措置を実施することが緊要の要務と考えておる次第でございます。
国内船及び
船舶輸出の
現況について申し上げました。
そのほかに
船舶局の所管いたしております仕事といたしましてはモーター・ボートの競走の問題がありまして、このことにつきましては、現在
事業実績をながめてみますと、
昭和三十二
年度の売上高は二百二十五億九千万円ばかりになっております。延開催日数が三千六百六十五日、延入場人員は七百五十八万人ばかりでございます。
昭和三十一
年度におきます施行者の純益は十三億
程度でございます。こういうものが法律の目的に沿いまして、いわゆる
造船関連工業の振興のために
融資をいたしましたり、あるいは
海難防止の上に役立てましたりいたしまして、そういう効果は十分にあげておるような次第でございます。
その次に、
輸出検査法を
船舶に適用いたしますことについて一言御
説明をいたしたいのでありますが、従来、
輸出検査法が
船舶関係として適用になっておりましたものは、船用内燃機関と舶用のプロペラの二品目であったのでございます。ところが、
船舶そのものに対して指定品目になっておりませんので、いろいろ
船舶の
輸出についてあとでトラブルが起りましたり、製造中あるいは引き渡し後においてクレームが起って参りますので、そういうことを少くいたしましたり、あるいは未然に防止をいたしますために、あるいはまた
日本の
輸出造船の声価を高めるために必要かと思いますので、
船舶そのものを指定品目にいたしたいのでございます。これはおおむねこの九月一日以降に工事に着手する
船舶から適用したいと考えまして、目下その基準案を作成中でございます。
それから
船舶賠償について御
説明申し上げますと、ビルマの賠償につきましては全体のどのくらいのパーセンテージを
船舶が占めておるかといいますと、認証済みの賠償契約総額の七・一%
程度であります。いずれもこれは非常に小さいランチとかバージなどの小型
船舶、あるいはポンツーンとか、こういったものが多いのであります。フィリピンの賠償につきましては、御
承知のように
昭和三十一年七月二十三日に発効いたしまして、本年六月一日までに契約認証を受けました
船舶は九十四隻、七十四億一千九百万円に達しております。すでに認証済みの賠償契約の総額の大体三分の一を占めておるような
状態であります。デッド・ウエート五千
トン以上の
貨物船はその中で五隻であります。そのほかにエンジンそれ自体が単独で賠償として契約が認証されておりますものは、ディーゼル・エンジンが四台で三億二千百万円であります。そういうようなことでフィリピンの賠償においては
船舶が三分の一を占めておるということであります。それからインドネシアの賠償につきましては、御
承知のように本年四月十五日発効いたしまして、まだ実施
計画全体の本
年度実施
計画というものは参っておらないのでありますけれども、そのうち非常に急を要するという先方側の要望もございまして、中古船改造と新
造船と合せて九隻の賠償を先般認証をいたしたのでございます。そのうち四隻が新
造船でございまして、五隻は中古船を改造するということであります。そのほかに賠償の問題につきましては、フィリピンの沈船引き揚げという問題もございますし、最近の沈船引き揚げにつきましてはマニラ湾地区、あるいはセブ港地区、その他の十一港地区につきまして
調査をいたしまして、いずれ作業の
段階に入ることになっておるのであります。
それから、先ほど申し上げましたが、
造船関連工業の
現況につきましては、船体の
合理化が非常に進んで参りました。ただバルブとかポンプとかウインチといったような関連工業の面において、必ずしも
世界で第一の名声を高めておるという域にまでまだ達しておりません。しかも、こういった
造船関連工業といいますのは、
工場数がどのくらいあるかといいますと一千
工場ございます。その生産価額は八百六十八億円に上っておるのでございます。当面の問題といたしましては、今申し上げましたように舶用のバルブ、ポンプといったようなものの製造
事業の
合理化をはかるということにいたしまして、さきに改正をいたしました機械工業振興臨時
措置法という法律の中で言いますところの特定機械に指定をいたしまして、その
合理化の
計画を推進中でございます。こういう
合理化計画ができますというと、機械工業振興
審議会というものにかけまして、そこで
合理化計画を承認を得た上で、六分五厘の金利の
開発銀行の低利
融資をあっせんするという形にいたしておるのでございます。そのほかにモーター・ボート競走法によりますところの交付金による
設備資金の
融資といったものも、こうした下請工業あるいは関連工業の方に流して参りまして、こういったものの合理的生産体制を確立して参りたい、こういうふうに考えておるのでございます。
それから
船舶局の日常の業務といたしましては、
船舶の登録及び積量の測度という問題が、デーリー・ワークといたしましては非常に大きい分野を占めておるのであります。
船舶法及び
船舶積量測度法に基きまして、
船舶の登録、あるいは船が何
トンあるかという
トン数をはかる仕事でございます。これが
船舶行政の基礎でございます。
船舶の登録は、申すまでもなく船の国籍を定める行為であります。国際的にも
国内的にも、
日本船舶というものが公法上、私法上受けますところの法律の基礎をなすものでございますので、これが管海官庁としては最低限度の国家的な事務としてわれわれがとり行なっておるところのものであります。二十総
トン以上の
日本船舶の所有者が
船舶法の規定によりまして
日本に船籍港を定めまして、船が何
トンあるかということを管海官庁にはかってもらいまして、そして
船舶の登記を受けた後に登録をする、そこで
船舶国籍証書を出したりするのでありますが、今までに登録いたしました
船舶は二万二千八百三十隻、六百五十一万六千
トンということになっております。
それから
船舶検査の問題でございますが、そういった
日本船舶でありますと、
船舶安全法によりまして検査証書を受けなければ動けないわけでありますから、五
トン以上の汽船、二十
トン以上の帆船が二万三千九百隻、小型
船舶等安全規則の検査対象
船舶が三千五百隻で、合せて二万七千四百隻ございます。こういったものを、百八十名の検査官でもって全国で五十五ヵ所の
海運局並びに
海運局支局であります管海官庁に分散をいたしておりまして、
船舶運航に支障を来たさないように、できるだけ検査を能率的に正確にやっておるのでございますが、こういった面におきます定員、あるいは技術の勉強の問題、そういった問題につきましてなかなか窮屈なところがございます。また最近の進歩いたして参ります
造船技術に対応いたしまして、今の
船舶安全法の
関係法令が実情にそぐわないという面もございますので、こういうものの改正に、
造船技術
審議会の中に
船舶安全部会というものを設けまして、必要な
調査審議をいたしております。
そのほかに
造船技術
審議会という諮問機関もございまして、今までもいろいろな
造船技術の向上に関する重要な事項を諮問いたしておるのでございますが、その中で最近一番問題になっておりまするのは、超大型船
建造上の技術的問題点並びにその
対策いかん、こういう問題を諮問いたしまして、最近デッド・ウエート六万
トン以上の大型船についての技術上の問題を、官民の共同研究体制を確立いたしまして、この問題に取っ組もうということにいたしておるのであります。呉のNBCあたりで十万
トンといったような船ができますけれども、この超大型船六万
トン以上になりますというと、これらに関します
建造技術について非常に多くの問題が含まれておるので、構造あるいは材料
関係、そういった問題の安全性あるいは経済性といったものにつきまして、英国あるいは西独等においても同様に真剣にこれを研究いたしておりますので、
わが国におきましても、今申し上げましたような官民の共同研究体制を確立いたしまして、各項目ごとに分担をきめまして、研究を進めておるようなわけでございます。そこで
企業合理化促進法によりますところの試験研究補助金といたしまして、
運輸省全体といたしましては、四千五十五万五千円というものが今度の予算で成立したのでありますけれども、その中で
重点を置きまして、二千五百万円をこの超大型船の研究補助にさこうというふうにただいまは考えておるのでございます。 それから最後に原子力船の
開発について一言申し上げておきたいのでございますが、原子力船の
開発利用
長期計画というものが原子力
委員会できまりまして、その中に、
わが国における
造船及び
海運の主要性と
世界の趨勢とにかんがみ、なるべくすみやかに舶用原子炉を実用化するための研究を推進する、こういった方針が定められまして、先国会においても
運輸省設置法の一部を改正する法律案でお願いいたしました通りに、運輸技術研究所の支所を東海村に設置することをお認め願ったわけでございます。そこでようやく原子力船に対しまする研究、
調査が軌道に乗った、こういうところであります。東海村に舶用と陸上産業用、両方に利用できますところの動力実験炉を購入をいたしまして、原子力研究所と緊密な連携をとって、原子力商船の研究に本格的な活動を続けて参りたい、こういうように考えておるのでございます。
一番最後の十八に、「インドネシアの
造船留学生の教育について」というのがございますが、これは
昭和二十八年に、インドネシア
政府の派遣留学生に
造船技術専攻者が十二名おりました。その後三年間の研修を経まして大体
日本の大学に準ずる
程度の研修を終えて帰国いたしたのでございます。現在ではすでにインドネシアにおける指導的な地位を得て活躍いたしております。そういったことで、こういう研修の成果から見まして、
運輸省といたしましては、外務省を通じましてインドネシアに対して
造船技術研究生を派遣するように勧奨をいたしました。その結果、昨年の九月、十五名の留学生が再び来日いたしまして、
日本語の研修、あるいは
造船技術の研さんということで、インドネシア学生
船舶教室、こういうものを再開いたしまして、前と同じ
方式で研修を実施中でございます。これは外務省と相談をいたしました結果、コロンボ
計画によりまする留学生として、その一環として受け入れるというような形にいたしたのでございます。
大体全般的な
船舶局の
所管事項の
説明はこれで終ります。