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1958-06-19 第29回国会 衆議院 運輸委員会 第1号 公式Web版

  1. 会議録情報

    委員昭和三十三年六月十一日(水曜日)議長指名で次の通り選任された。       天野 公義君    宇田 國榮君       小淵 光平君    簡牛 凡夫君       木村 俊夫君    小枝 一雄君       篠田 弘作君    瀬戸山三男君       高碕達之助君    高橋 英吉君       高橋清一郎君    塚原 俊郎君       中村 寅太君    羽田武嗣郎君       長谷川 峻君    堀内 一雄君       前田  郁君    三池  信君       村瀬 宣親君    井岡 大治君       池田 禎治君    久保 三郎君       島口重次郎君    杉山元治郎君       館  俊三君    土井 直作君       中崎  敏君    正木  清君       松岡 駒吉君    山田 長司君 同月十二日  塚原俊郎君が議院において選挙の結果委員長に 当選した。     ————————————— 会議 昭和三十三年六月十九日(木曜日)     午前十時三十三分開議  出席委員    委員長 塚原 俊郎君       天野 公義君    生田 宏一君       宇田 國榮君    小淵 光平君       菅家 喜六君    簡牛 凡夫君       小枝 一雄君    關谷 勝利君       高橋清一郎君    羽田武嗣郎君       長谷川 峻君    堀内 一雄君       前田  郁君    三池  信君       井岡 大治君    池田 禎治君       久保 三郎君    島口重次郎君       杉山元治郎君    館  俊三君       土井 直作君    中崎  敏君       正木  清君    山田 長司君  出席国務大臣         運 輸 大 臣 永野  護君  出席政府委員         運輸政務次官  中馬 辰猪君  委員外出席者         運輸事務次官  荒木茂久二君         運輸事務官         (大臣官房長) 朝田 静夫君         運輸事務官         (海運局長)  粟沢 一男君         運輸事務官         (船舶局監理課         長)      蒲   章君         運輸事務官         (船員局長)  森  嚴夫君         運 輸 技 官         (港湾局長)  天埜 良吉君         運輸事務官         (鉄道監督局         長)      權田 良彦君         運輸事務官         (自動車局長) 山内 公猷君         運輸事務官         (航空局長)  林   坦君         運輸事務官         (観光局長)  細田 吉藏君         海上保安庁長官 島居辰次郎君         高等海難審判庁         長官      長屋 千棟君         気象庁長官   和達 清夫君         気象庁次長   太田九州男君         日本国有鉄道総         裁       十河 信二君         日本国有鉄道副         総裁      小倉 俊夫君         日本国有鉄道常         務理事     大石 重成君         日本国有鉄道常         務理事     久保 亀夫君         日本国有鉄道常         務理事     潮江 尚正君         日本国有鉄道常         務理事     吾孫子 豊君         日本国有鉄道参         与         (資材局長)  平出  彬君         専  門  員 志鎌 一之君     ————————————— 六月十二日  委員篠田弘作君及び高碕達之助辞任につき、  その補欠として關谷勝利君及び原健三郎君が議  長の指名委員に選任された。 同月十七日  委員瀬戸山三男君、高橋英吉君及び村瀬宣親君  辞任につき、その補欠として池田清志君、菅家  喜六君及び小泉純也君議長指名委員に選  任された。 同月十九日  委員池田清志辞任につき、その補欠として生  田宏一君が議長指名委員に選任された。     ————————————— 本日の会議に付した案件  理事互選  国政調査承認要求に関する件  日本国有鉄道経営等に関する件      ————◇—————
  2. 塚原俊郎

    塚原委員長 これより会議を開きます。本日の日程に入ります前に、一言私からごあいさつを申し上げたいと存じます。  私、このたび当委員会委員長に選任されました。微力弱輩でありまして、当委員会運営については足らざるものがあろうと思いまするが、各委員の御協力をちょうだいいたしまして委員会運営に万全を期したいと考えております。どうぞよろしくお願い申し上げます。(拍手)     —————————————
  3. 塚原俊郎

    塚原委員長 これより理事互選を行います。  理事互選は、選挙の手続を省略して、委員長より指名いたしたいと思いますが、御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  4. 塚原俊郎

    塚原委員長 御異議ないようでありますから、理事はその数を八名とし、左の諸君を指名いたします。       天野 公義君    簡牛 凡夫君       木村 俊夫君    長谷川 峻君       堀内 一雄君    井岡 大治君       土井 直作君    正木  清君 以上であります。     —————————————
  5. 塚原俊郎

    塚原委員長 続いてお諮りいたします。衆議院規則第九十四条により、委員会は、会期中に限り議長承認を得てその所管に関する調査ができることになっておりますので、一、陸運海運及び空運に関する事項、二、観光に関する事項、三、気象に関する事項、以上の事項に関して国政調査承認要求書議長に提出いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  6. 塚原俊郎

    塚原委員長 御異議なしと認め、さよう決定いたしました。     —————————————
  7. 塚原俊郎

    塚原委員長 次に、新任の大臣政務次官よりごあいさつを申し上げたい旨の申し出がありますので、これを許します。永野運輸大臣
  8. 永野護

    永野国務大臣 私は運輸大臣に就任いたしました永野護でございます。  私が運輸行政を担当いたしますのは今回が初めてでありまして、委員皆様の格別なる御協力と御指導によりまして遺憾なきを期したいと考えておりますので、よろしくお願い申し上げます。  運輸交通産業経済発展の基盤であります。交通の健全なる発展なくしては産業経済発展は望み得ないのであります。運輸省といたしましては、この重要使命にかんがみ、種々の重要施策を策定いたしまして、にれを強力に推し進めていく方針であります。  わが国の経済拡大成長を確保するために不可欠の要件であります国際収支均衡維持のためには、外航海運整備拡充国際航空整備強化並びに観光事業振興等による貿易外収入の増大をはかるとともに、船舶及び鉄道車両輸出振興に大いに努力いたす考えであります。  次に、国内輸送力整備強化につきましては、その根幹であります国有鉄道につきまして、主要幹線輸送力増強のため、引き続き国鉄五カ年計画の推進を初め、東海道新幹線の建設促進、重点的な新線の建設及び鉄道近代化を促進して輸送力増強をはかる所存であります。 このほか、高速自動車道建設促進、バス、トラック路線整備国内航空路網整備拡充及び飛行場の整備海上輸送力増強等に努めますとともに、通勤通学を対象とする大都市交通態勢整備強化にも一そうの努力を傾けまして、合理的な輸送態勢を確立していく方針であります。  また、現在産業活動一つの隘路となっております港湾につきましては、貿易伸長に対応でき得るように、港湾整備促進に特に意を用いたいと考えております。そのほか、当省所管であります海上保安態勢強化海難救助等海上保安業務及び農業、漁業等に重大な関係がありまする気象業務整備強化も大いに推進する考えであります。  私ども運輸行政を担当する者といたしましては、運輸交通が健全な発達をするよう常に努力いたしますが、皆様方の深い御理解と御協力なくしては、とうていよき成果を上げ得ることはできないのであります。何とぞ皆様方のより一そうの御指導、御援助を重ねてお願いする次第でございます。
  9. 塚原俊郎

    塚原委員長 ちょっと速記をとめて下さい。
  10. 塚原俊郎

  11. 中馬辰猪

    中馬政府委員 運輸政務次官に任命せられました中馬辰猪であります。文字通り浅学非才、特に運輸行政については全く経験がございませんので、委員会皆様方の格段の御協力と御指導をお願い申し上げます。今後よろしくお願いいたします。
  12. 塚原俊郎

    塚原委員長 続いて運輸省当局からごあいさつがございます。
  13. 荒木茂久二

    荒木説明員 事務次官荒木であります。よろしく。
  14. 朝田静夫

    朝田説明員 官房長朝田でございます。何とぞよろしくお願い申し上げます。
  15. 粟沢一男

    粟沢説明員 海運局長粟沢と申します。どうぞよろしくお願い申し上げます。
  16. 山内公猷

    山内説明員 自動車局長山内でございます。よろしくお願いいたします。
  17. 天埜良吉

    天埜説明員 港湾局長天埜良吉でございます。よろしく。
  18. 權田良彦

    權田説明員 鉄道監督局長權田良彦でございます。どうぞよろしく。
  19. 和達清夫

    和達説明員 気象庁和達でございます。
  20. 長屋千棟

    長屋説明員 海難審判庁長屋でございます。
  21. 太田九州男

    太田説明員 気象庁次長太田でございます。どうぞよろしく。
  22. 森嚴夫

    森説明員 船員局長の森でございます。どうぞよろしく。
  23. 林坦

    林説明員 航空局長林坦でございます。
  24. 島居辰次郎

    島居説明員 海上保安庁長官島居でございます。
  25. 細田吉藏

    細田説明員 観光局長細田吉藏でございます。どうぞよろしく。
  26. 塚原俊郎

    塚原委員長 次に十河国鉄総裁より発言申し出がありますので、これを許可いたします。十河総裁
  27. 十河信二

    十河説明員 私は国鉄総裁十河信二であります。  国鉄の問題につきましては、当委員会から格別の御支援をいただいておりますので、私ども常々感謝いたしておるところであります。このたび当委員会が新たに組織されまして、従来に倍して皆さんからいろいろと御指導、御鞭撻をいただきまして、国鉄の当面しておりまするいろいろな問題を順次解決いたして、国民経済発展に寄与いたしたいと念願いたしておるものであります。どうぞ今後ともよろしく御指導、御支援をお願い申し上げます。
  28. 小倉俊夫

    小倉説明員 国鉄総裁小倉俊夫でございます。どうぞよろしくお願い申し上げます。     —————————————
  29. 井岡大治

    井岡委員 緊急質問をお許しいただきたい。志免炭鉱の問題について若干の緊急質問をいたしたいと思いますので、これをお許しいただきたいと思います。
  30. 塚原俊郎

    塚原委員長 まだこの委員会理事会を一回も開いておりませんので、そういう問題も含めまして、一度理事会を開いてから、その上でおきめ願いたいと思いますが、いかがでしょうか。——暫時休憩いたします。直ちに理事会を開催いたします。     午前十時四十九分休憩      ————◇—————     午前十一時三十分開議
  31. 塚原俊郎

    塚原委員長 これより再開いたします。  陸運に関する件、特に国鉄経営に関して発言を求められておりますので、これを許します。簡牛凡夫君
  32. 簡牛凡夫

    簡牛委員 志免鉱業所払い下げの問題につきまして、国鉄関係責任者の御所信を伺いたいのでございます。これは私の地元関係の問題でございまして、昨年以来、これに関係を持っております町村が四カ町村ございますが、それと従業員一体になりまして、しばしば払い下げをやめてほしいという陳情を繰り返して参っております。その後調査会ができまして、その調査会はもともとこれを払い下げるための調査会ではなくて、払い下げるべきか、あるいは現状のままで経営を続けていくか、というような白紙の状態調査を進めるということで発足されたものと伺っております。その後今日まで調査を進められた結果は、やはり大体払い下ぐべきものだという意向にきまっておるようなことを伺っておりますが、果してそうであるかどうか。これを払い下げるということは、どういう理由によってこれを払い下げるということに大体意向が固まっておるのか。まずそういうことを一つ率直に聞かしていただきたいと思います。
  33. 小倉俊夫

    小倉説明員 お答え申し上げます。志免鉱業所の問題は、前々から問題になっておりまして、私どもも何とかこれを措置いたさなければならぬということに相なっておりますが、しかし事きわめて重大な問題でございますので、運輸大臣にお伺いをして志免鉱業所調査委員会を設置したい、こういうお伺いをしましたところ、委員会の設置は差しつかえない、慎重に善処するようにという御認可をいただきましたので、さっそく各方面学識経験者にお願いいたしまして、志免鉱業所調査委員会を設置いたしたのでございます。これは総裁諮問機関でございます。それでただいま仰せ通りに、この鉱業所調査委員会には第一回の諮問事項といたしまして、志免鉱業所をいかに措置すべきかという最初の出発から御答申をお願いした次第でございます。それで志免鉱業所調査委員会はその諮問につきましてたびたび慎重な会議を開かれまして、その全体の結論はまだ出ておりませんですが、その中間答申といたしまして、志免鉱業所国鉄から分離するのが適当である、こう考えるという中間的な御答申をいただいたのでございます。それでその理由は、ただいまお尋ねがございましたが、国鉄志免鉱業所国鉄経営として継続していく必要があるかどうかという点について研究したが、現段階においては必ずしもその必要は認められない、ところが一方、石炭資源国家的に有効に総合的に開発するということが必要であるし、また従来の投資設備を有効に使用するという建前から見て、これはやはり国鉄から分離するということの方がよりよい理由が存在する、そういう意味合いでこの志免鉱業所鉄道経営から分離した方がいい、こういう御理由のようであります。
  34. 簡牛凡夫

    簡牛委員 ただいまのお答えを伺いますと、あの炭鉱をより一そう効率的に経営していくためには鉄道から切り離して別な企業体にこれをゆだねるがよろしいということでございますね。——実は志免鉱業所というのは、以前の海軍炭鉱として経営しておりました時代から大体七十年くらいの歴史を持っていると思います。その間すべて国家経営のもとに炭鉱経営されまして、地元もそれで繁栄し、従業員もそれによって生活を続けて参っておりまして、全く国家一体になってこれまで生計を託してきております。そこにいろいろ恵まれたものもありますが、そのために非常に困ったことになっている問題も残されております、鉱害などの処理問題等につきまして。また、多年特殊の関係経営されて参りましたこの企業をここで切り離すということは、大きな国鉄企業体の全体から見ますとごく小さな問題で、取るに足らない厄介なものは切り捨てて、もっと有効な方法で別にやらしたらよかろうというような結論が出ているのだと思いますけれども地元の、特にこれに従事しております従業員、一万人おりますが、それらの人々のこれまで全く運命を託してきているその企業を、そう簡単に扱われては困るということを申しているわけです。それで、これがこのままでいったのでは、どうしても鉄道の大きな企業に災いをもたらす、また経営上とてもこんなことではやっていけない、そういうようなことで何ともならないという理由によってこれが処理されるということでございますれば、地元従業員考えなければならぬと思いますけれども、ほんとうにこのままではいけぬというぎりぎりのところを十分考察されて結論が出されたものか、これよりも別な方法を講じた方がよろしいということで、ごく簡単に結論が出ているものか、そういうところをもう少し詳しくお話伺いたいと思います。
  35. 小倉俊夫

    小倉説明員 国鉄経営につきましては、数年来より合理化を各方面から要請せられていまして、私ども国鉄経営合理化について日夜努力して参ったつもりでございますが、この志免鉱業所の問題も、やはり国鉄合理化の一端につながるものと解しております。これにつきましては、前にも行政管理庁から勧告をいただいておりますし、本年の四月に至りまして、重ねて分離すべきが至当であるというような趣旨の御勧告もいただいております。また、この委員会はあらゆる資料を提供いたしまして、各方面からいろいろな角度から御研究、調査をなされまして、結論としてただいま申し上げましたようなことを御答申になったものと考えます。この委員会の分離すべしという根拠は、先ほど申し上げた通りでありますが、なお、ただいまの御質問について私どもからお答え申し上げますと、実はこの志免鉱業所については、現在の状態を持続いたしますには今後国鉄投資が必要でございますが、国鉄としては輸送に専念しなければならぬという強い要請を受けておりますので、志免鉱業所出炭の保持ということも今後いろいろむずかしくなっていくと考える次第でございます。やはり石炭の山は、炭鉱経験者日本重要産業一つである炭鉱業というものはりっぱな組織であるのでありますから、そちらの経営におまかせした方が山としてもよりよい成績を上げるのではないか、こういうふうに私は考えるのでございます。
  36. 簡牛凡夫

    簡牛委員 きょうはあまり長い質問は御遠慮したいと思いますが、もう一点最後に伺いたい。志免鉱業所合理化ということについては、数年前、行政管理庁勧告を受けて以来、相当進められており、今日では、以前とは変って成果が上っておると思います。私どもとしまして、今お話のように、炭鉱炭鉱屋に頼むということもございますが、それは新しい仕事を始める場合にはそういうことが言われると思います。しかし、これまでの歴史、あるいは因縁というものも考えていただきたいということが一つ。それから合理化をしなければならぬということは——志免の問題は小さな問題です。国有鉄道合理化ということは、もっと大きな根本の問題でございます。そういうものが全般に進められて、そしてなおいかないということであればですけれども、そういう方面合理化というものが、——志免あたりの小さなものと違って、全体の国鉄合理化というものがまだ緒についておらぬと思うのでございます。そういうようなものを本格的に取り上げないといっては語弊がございましょうが、十分取り組まずにおいて、こういうものをじゃまもののように振り捨てられる態度は、私ども地元の者としましては非常に切実な問題でございますので、御再考を願いたいと思います。先ほども申しましたように、まだ鉱害の問題など、幾多未処理の問題が残されております。もちろんそういうものを優先的に考えていただかなければならぬのですけれども志免鉱業所に、たとえば資金を入れるにしましても、考えようによっては必ずしも不可能ではないと思います。そういうような点、あれもこれも手を尽してやってみたがどうしてもいかぬというように、十分心を尽し努力をして下すっているかどうか。この調査会を設けられます当初、十河総裁は、調査会態度について非常に温情ある御所見を御披瀝になったということでございますが、その気持でもって、もっと愛情を持って今の志免鉱業所処理していただくことをお願い申し上げまして、さらに後日問題が進みました場合にお伺いいたしたいと思います。どうぞそういうことをお含み下さいまして、今の御態度よりももう一歩掘り下げた気持で御検討をしていただきたいと思います。
  37. 塚原俊郎

  38. 井岡大治

    井岡委員 私は、今の副総裁の答弁で若干わかりにくいところがあるので、二、三聞きたいと思います。  まず第一に、分離する方がよいというような勧告が今年四月にどこからあったか、それを伺いたい。
  39. 小倉俊夫

    小倉説明員 行政管理庁長官から出ております。
  40. 井岡大治

    井岡委員 その次に、現在の炭鉱を維持するためにはもっと高能率的にしなければいけない、こういうことでありますが、聞くところによりますと、昨年度の経営実態は二億幾ら黒字を出しておる、こういうことですが、この点はどうなんですか。
  41. 小倉俊夫

    小倉説明員 三十二年度は黒字でございました。
  42. 井岡大治

    井岡委員 ほかのこの程度の山でどのくらい黒字を出しているか、その点をお調べになっているかどうかをお伺いしたい。
  43. 平出彬

    平出説明員 昨年度は炭価の情勢も非常によろしゅうございましたので、こういう大手筋外炭鉱においても相当利益が上っておるものと私どもは聞いております。
  44. 井岡大治

    井岡委員 聞いておりますのでなくて、この規模の山と比較されたかどうか、この点を聞いておるのです。
  45. 平出彬

    平出説明員 志免成績につきましては、先ほど申しました通り、一応計算黒字ということになっておりますが、民間の経営と比較いたします場合には、今もお話がございましたように、未処理鉱害の問題、あるいはまた資産再評価の問題も残っております。それから退職積立金、そういったものを一々計算いたしませんと正確なものが出ないのでありまして、その点この数字が直ちにいわゆる益金というような性格のものにはならないのでございまして、この点も問題として残っておると存じております。
  46. 井岡大治

    井岡委員 そういう問題を十分に処理しないで、直ちに能率が悪いのだと断定されることは大きな間違いだと思う。その点はやはり明らかにすべきだと思う。同時に、志免の炭の値段は、国鉄が購入しておるのは安い値段で購入しておる。にもかかわらず二億幾ら黒字を出している。これがほかで買う値段で買った場合においては、かなり大きな利益になっておるわけだ。この点はどうなんでしょう。
  47. 小倉俊夫

    小倉説明員 国鉄会計のやり方におきましては、志免経営費出炭総数で割りまして、そのほかにいろいろな本社の割掛だとかあるいは金利だとかいろいろございまするが、そういうものを一々鉱業所経費に立てませんで、別に中間勘定一括整理をしておりますので、志免炭鉱からほかの業務部面に流します炭の値段は、直接の志免鉱業所経費出炭総数で割ったもので配給しておりまして、これは何も志免鉱業所のはっきりした収支計算という建前には立っておりませんで、この国鉄会計一つ簡易化方法としましてそういう方法をとっておるのでございます。しかしながら今回のこの志免鉱業所調査におきましては、収入はただいま仰せ通りの、大手から購入いたします炭の値段に差しかえて収支計算をとって、委員会の方へ御報告いたしておるのでございます。
  48. 井岡大治

    井岡委員 またわからなくなったのですが、その経理状態調査するのに、志免独算制による経理の仕方でなくて、国鉄中間勘定として計算をしている、こういうことなんですね。
  49. 平出彬

    平出説明員 ただいま副総裁から申し上げたのは、国家予算中間勘定としての経理状況でございまして、先ほど来黒字とかいうことを申し上げておりますのは、これは志免独算制という立場から経営上の一応計算をしたという問題でございますが、なお未確定債務については、こういうものはまだ計算されていないものがある、こういうことでございます。
  50. 井岡大治

    井岡委員 その未確定債務というものはどのくらいあるのですか。
  51. 平出彬

    平出説明員 鉱害等の未確定の問題は非常に複雑な問題でございますので、今直ちにその数字幾らであるかということの計算は困難でございますが、相当多額に上ることは事実であります。
  52. 井岡大治

    井岡委員 それではこの鉱業所を売ることがよいか悪いかということについて判断がつかないじゃないですか。つかなくて、ただ感じとして、もちはもち屋にまかせというようなことで問題を処理することは、私は大きな間違いだと思うのです。この点はどうなんです。
  53. 小倉俊夫

    小倉説明員 ただいま私申し上げましたのですが、この収支計算につきましては、その中間勘定とかなんとかいう、そういう鉄道独自の計算でいたしませんで、大手の買炭の価格をもって計算をいたしました。決して買炭よりも低い値段——大手の購入炭の値段以下に算定したのではございませんで、大手から私どもが買う炭の値段鉱業所に入るという仮定のもとに計算をいたしたのでございます。  それから実はこの志免につきましては、企業合理化も相当進んでおるということは各方面に御認識を得ております。行政管理庁の御意見といたしましても、あるいは調査会の御意見といたしましても、この志免合理化は進んでおって、成績も以前よりも好転しておる、しかしながら鉄道が必ずしも今後この志免鉱業所を自分で経営する必要は現在の状態においては認められない、反面におきましては国鉄は自分の事業に専念すべきであるから、そういう意味合いから経営を分離した方がよかろう、こういうふうな御勧告でありまするし、また、先ほど申し上げましたように、調査委員会の方では、この山の合理的開発というような国家的見地から見ましてその方が志免の有効利用になる、こういう意味合いで分離を御慫慂なさっておる次第でございます。
  54. 井岡大治

    井岡委員 副総裁お話を聞きますと、あなた方はあまり離したくないのだ、しかしながら、ほかから離せと言われておるから離すのだ、こういうようにもとれるわけです。私はこの志免鉱業所が今日まで成績を上げるようになったのは、三十年の行管の勧告によってあなた方が合理化するためのあらゆる施設をせられ、同時にそこに働いておる労働者の諸君が、国鉄の問題についてわれわれが重荷になっちゃいけないというので、あなた方の合理化促進に対して協力をしたからだということを知っておるわけなんだ。この気持をくむならば、しかも本年度において中間勘定等のことを考えないで、いわゆる一般市価と比較して二億幾ら黒字を出しておるこの努力は、あなた方は認めなければいけないと思う。これを認めないで、単に慫慂されたからこれをやるんだということは、私は大きな間違いだと思う。同時に国鉄は炭が要るわけなんだ。これが全然要らないというのであれば話は別であります。しかしながら、今日まで輸送の一大ウエートを占めておるのは炭なんだ。動力費は炭で占めておる。従って、これが必要である場合、単に国鉄は汽車を動かしておったらいいんだというだけで判断をなさることは大きな間違いだと思う。この点をもう少し明確に答弁をしてもらいたい。
  55. 小倉俊夫

    小倉説明員 私は、先ほど来の御答弁は、この行政管理庁勧告であるとか、あるいは調査会の経過だとかいうことを申し上げたのでございまして、ただいまのお話のように、いやいやではあるがほかの方の勧告によってそうするというふうな気持で申し上げたわけでは全然ありません。それで、ただいまのお話でございますが、いかにも国鉄は炭は買っております。ただいまのところは五百万トン以上の使用量を持っておりますが、しかしそれは先ほどもお話し申し上げましたように、現下の情勢におきましては購入炭に切りかえましても鉄道の用炭の不足は来たさないと考えております。それからまた、この志免鉱業所は海軍から移管を受けたのでございますが、いろいろ職員の方々の陳情も再々私は受けております。しかしながら、現下の情勢におきましては公共企業体がりっぱなんだ、民営にまさるものだというふうな考えは私は持つべきでない。民営もまたりっぱなものでございまして、公共企業体がその上にいるような気持は持つべきでもなく、また私自身も持っておらないのでございまして、これが民営に移りましても、実は国鉄のような輸送を本来にやっている企業のうちの一部門の異なった部門でありまするよりも、やはり大手炭鉱でございますれば炭鉱業としまして規模も大きいのでございまして、そういう面から申しますれば、この職員の引き継ぎを受けましても、現在よりも待遇が悪くなるとかなんとかいうようなことは私は杞憂のように考えておる次第でございます。
  56. 井岡大治

    井岡委員 私は待遇の問題を今お尋ねしているのじゃないですよ。なぜ離す理由があるかということを聞いておる。待遇の問題は待遇の問題で私は別に聞きます。これは払い下げた後における問題なんです。今聞いているのは、私は志免鉱業所というものは、お話を聞いておってもどうも離すというだけの理由が私には納得できない、こういうのです。だからこれを聞いておる。この点を一つ、もう少しはっきりしてもらいたい。
  57. 小倉俊夫

    小倉説明員 先ほど来申し上げましたが、この委員会の御答申では、おおむね良好な成績を上げているだろうが、しかし国鉄経営下においては、現在の鉱区内における合理化はほとんど限界に達しておる、こう見られる。しかも現在の状態を今後にわたって長く維持していくのは国鉄経営下においては困難であろう、そういうことでございまして、それで先ほど申し上げましたように、石炭の資源の総合開発ということはぜひいたさなければならぬのだ、こういう御結論でございまして、これにつきましては私どもも全く同感だ、こういう考えでおる次第でございます。
  58. 井岡大治

    井岡委員 国鉄では合理化の限界が来て、民間ではまだ合理化ができるのだ。そうするとあなた方は、国鉄の職員というものは比較的働かないでもいいとお考えになっているように思う。そういうあなた方自体の考え方からくる問題がここに発生をしておると思うのです。だから私はもっとお尋ねしたいのですが、あなたのお話を聞いておったのではさっぱりわからない。同時に、先ほどもお話があったように、いわゆる全く資産評価その他の問題についてもわからないので、私は直ちに資料を出してもらいたい。同時に、これは答申があったようでありますから、委員長さんに先ほどお願いいたしましたように、調査委員会委員の方々を参考人として呼んでいただいて、そうしてこの点をもう少し十分に聞きたい、こういうように思うわけです。従って、今の副総裁お話を聞いて私はどうしても納得がいかない。もうかっておるのに離さなければいけない、しかも国鉄ではもう合理化の限界がきておるというが、合理化をやらなくたって現にもうかっている。一生懸命みんながやっているこの努力というものを何ら認めないというようなことで、経営責任者としてすわっておいでになることについては、私は少しゆったりしている、こう思う。こういう点を考えてみるなら、私はどうしても了解ができません。委員長調査資料を一つ頼みます。
  59. 塚原俊郎

    塚原委員長 はい。
  60. 山田長司

    山田(長)委員 井岡君の発言を伺っておりますと、どうも副総裁の答弁は了解できない点があるので、関連して伺うわけですが、黒字になっている場所の鉱業所を手放すに当って、大体環境的にその周辺の炭鉱地帯というのは、国鉄以外の場所としては一体どこが主として管理されておる場所なんですか。
  61. 平出彬

    平出説明員 志免炭鉱と重複ないし隣接しております鉱区は三菱鉱業、永田鉱業とそれから日本炭業、これでございます。
  62. 山田長司

    山田(長)委員 炭鉱地帯の様子というものを私まだ知りませんけれども、将来の見通しから勘案して、現在国鉄の持っている鉱区というものの将来性というものは、今お答えになられましたような三菱を中心とした周辺の炭鉱地帯というものとどんな鉱脈関係があるのですか。おそらくこういうことは手放すに当って当然勘案されてくるだろうし、またそういう地帯の鉱業所からも、それによって、黒字になっている国鉄経営状態のところへどういうふうな連係がなされてきて手放そうとしている状態に置かれているのか、この二点を一つ伺います。
  63. 吾孫子豊

    吾孫子説明員 隣接鉱区との関係では、非常に複雑な状況に境目がなっておりまして、それに断層関係その他もありまして、現在のままの状態では、たとえば志免の方にございますいろいろな縦坑その他の設備も有効に働かすことができない。もしこれの経営が単一の、広いユニットのものになれば、現有施設も十分活用して、今の状態では掘り得ないものも掘り出せるようになる。こういうような状況にあるわけでございます。こまかい点がどういうふうになっているかということは、ただいま口頭で申し上げることは少し困難でございます。
  64. 山田長司

    山田(長)委員 関連で伺ったのですが、なおこの周辺の地形とかあるいは将来性というような問題もあることでございますから、私はこれはしばらく保留しておきます。いずれもう少し資料を出してもらってお伺いすることにいたします。
  65. 塚原俊郎

    塚原委員長 次会は公報をもってお知らせすることとし、本日はこれにて散会いたします。     午後零時九分散会