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市川房枝君 政党の婦人部長というような方が婦人会の会長をするということについて、それは別個なんだ、だからかまわないというような今御意見を伺ったのですが、これは
文部省の前の方針は、私が
承知している限りではあまり望ましくない、こういうふうな意見を持っておいでになった、やはり政治的に中立だという立場から。ところが、今伺いますと、それはだいぶお変りになったみたいですが、理屈からいえばお話しの
通りなんです。けれども現段階では、やはりある政党責任のある地位にある方がなることによって、政治的な影響力を及ぼそうということを目的としている。そこで会長の取り合いなんというものが出てくるわけであります。私は、今の
教育局長の御答弁ではだんだん政治の方へ引きずり込まれるという心配があるのです。
それから推薦、応援等の
選挙運動をやることはこれは望ましくないという御意見、これは二十七年の通牒以前から
文部省の
社会教育局はそういう意見をおとりになっている。
地方の
社会教育課なんかも反対をなさっておる、この問題は
社会教育団体だからやってはいけないのではなくて、やる場合には正式に政治
資金規制法による届け出をすれば一向かまわない、性格を変えればかまわないわけであります。しかし、私はそういうことはあまり賛成しないので、
選挙活動をする場合には、別にいわゆる推薦
団体のようなものを作つてやったらいいのではないか、
社会教育関係の婦人
団体としてやるのは望ましくないという意見を、ずっと今も、そういう意見を持っておるわけでありますが、この婦人
団体と政治の問題、婦人が一票持っているものですし、それから票数が男の方よりも多いので非常にむずかしい問題になってきているのですが、これは私は政党の立場からいえば、どちらの政党もそういう婦人たちの票数を自分の党の方にほしいということでいろいろなさることは、これは当然でありますし、御無理ないと思うのです。しかし、私はやっぱり
社会教育団体というものにおいては、その中立性を守ってほしい。それはやはり
文部省といいますか、
社会教育局が当然やる責任で、そこがよろめいたのでは一体どうなるのかという心配を持っている。今お話を伺っても、この点は安心できないのでありまして、これはもっといろいろ具体的な実例を方方で集めまして、適当な
機会に伺うことにしたいと思います。
ところで次には、
文部省の、今まで婦人に対しましては婦人
教育研究協議会というようなものを、全国を幾つかのブロックに分け、それから全国的に
東京で年一回催しておられるわけです。これには
社会教育の県の担当者、あるいは婦人
団体の幹部をお集めになってやっておいでになるようです。私はできるだけそういう会合にも傍聴に出かけております。昨年秋、高尾山で関東ブロックの
研究協議会が開かれましたときにもちょっと私のぞきに参った。それからついこの間、二月の末に
東京でございました全国協議会にも傍聴にあがったのであります。ちょうど
文部省の婦人
教育研究協議会の前二日間は、先ほどから申し上げておりました全国の地域婦人
団体連絡協議会が二日間ございまして、この二つは
出席者がかなりダブっている。両方へ出ている人が相当ございました。私は両方拝見をしたわけでありますが、この二つとも内容も同じよう、人もある程度似ているのです。それで同じことを繰り返してやっているわけなんです。結論といいますか、討議の内容を見ますると、前の二日間と、
文部省主催のあとの二日間ではだいぶ違う。どういう点が違うかといいますと、
文部省主催の方の方が低調だといいますか、つまり意見をみんなが率直にあまり言わないのであります。前の方が活発だった。これは
出席した人たちがみんな認めているところで、無理もないと思う。
地方の
社会教育課におきまして婦人
教育を担当しております人たちは、やっぱり
文部省主催のところでは言いたいことだって言えない。遠慮をするということになりがちでありますし、現に私なんか知っている人たちで両方で発言しているところを見ると、あとの方であまり発言していない。これは地域の方からいえば旅費が倹約になるから結局くっつけてやったのでしょうけれども、外部から見ますと、ずいぶん時間のむだといいますか、どうして
こういうふうなことを行うのか、何とか多少内容でも変ればいいのですけれども、結局同じようなことをやっている。一体
文部省の
社会教育局はそういうことをどうお
考えになっておるかということを
一つ伺いたい。それから
文部省がそういう会をやっておいでになりますのに、三十三
年度には
社会教育局でまた別の婦人大会といいますか、婦人
教育大会でありますか何か婦人の集まりをなさる。これは
予算が今いただいたのには入っておりませんけれども、
社会教育特別
助成金の中には七十万円ぐらい入っているらしいのですが、全国から五百人くらい婦人を集めて大会をする。どんな大会をなさるのですか。何か
文部省主催の会で、
局長からですか、ごあいさつのあったときに何か少しおもしろい会にする。歌を歌ったり踊ったり、何かそういうふうに聞いているのですが、一体そういう会が必要でありましょうか、どうでしょうか。婦人を対象としての全国の官庁主催の会は、これは私総括
質問のときにちょっと総理に申し上げたのでありますが、婦人少年局が全国の婦人会議をやっております。これはNHKと共催でやっておりまして、NHKがだいぶ金を
負担をしておるようであります。いま
一つは、農林省がその生活
改善の婦人の発表会、これはつい二、三日前にございました。それにも全国から二百人近い人々が来ておりました。そうすると、
文部省がまた別にそういう会をお作りになる。来る人は多少は違うかもしれませんけれども、同じような人も入っております。一体戦争前で婦人がまだそこまで目ざめていないときならばいざしらず、今の段階では、私は
政府が主催をするということはもういいかげんにやめたらいいので、婦人の自主的な各
団体がそれぞれ
東京でずいぶん大きないろいろな会をやっております。それだのに
政府側がわざわざ税金でもってそういう会を開く。まあその開き方にも問題がありますけれどもどうも私は納得できない。
文部省はどんな
計画をお持ちになっているか。それに対する御意見を伺いたい。