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1958-03-26 第28回国会 参議院 予算委員会第一分科会 第4号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和三十三年三月二十六日(水曜日)    午前十時十三分開会   ―――――――――――――   委員の異動 本日委員清澤俊英君辞任につき、その 補欠として亀田得治君を予算委員長に おいて指名した。   ―――――――――――――  出席者は左の通り。    主査      石坂 豊一君    委員            大川 光三君            後藤 義隆君            下條 康麿君            一松 定吉君            亀田 得治君            中田 吉雄君   担当委員外委員            矢嶋 三義君   国立国会図書館側    館     長 金森徳次郎君   説明員    大蔵省主計局主    計官      上林 英男君   ―――――――――――――   本日の会議に付した案件 ○昭和三十三年度一般会計予算内閣  提出衆議院送付) ○昭和三十三年度特別会計予算内閣  提出衆議院送付) ○昭和三十三年度政府関係機関予算  (内閣提出衆議院送付)   ―――――――――――――
  2. 石坂豊一

    主査石坂豊一君) これより予算委員会第一分科会を開会いたします。  まず、国会所管のうち、前回保留国立国会館の部を議題といたします。  本日は、金森国会図書館長出席を求めましたので、質疑のあります方は、順次、御発言を願います。
  3. 矢嶋三義

    担当委員外委員矢嶋三義君) 国立国会図書館について、若干質疑をさせていただきたいと存じます。  現在、国立国会図書館は、本院の付近に建築中でございますが、その予算として、予算要求が三億六千六百三十万円なされております。館長としては、この国立国会図書館の完成を何年ごろを目途として努力され、また見通しを持っておられるか、それらの点について、お話を願いたいと思います。
  4. 金森徳次郎

    国立国会図書館長金森徳次郎君) 国立国会図書館建築は、ずいぶん今まで紆余曲折をして参りましたが、今日の現実予算では、来年度予算だけが数字に確定しておりまして、その先のことは、非常に厳密に申しますれば、未定ということになるのでございまするけれども、しかし、さように見当つけずし計画を立てるわけにいきませんので、従来、各方面と御相談をし、御協議をいたしました結果、建築は、今から三年間たちますれば、建築それ自身は完了するという予定をもちまして、つまり三十三年、三十四年、三十五年、この三年間で必要なる建築予算を獲得し、また、これは完了する、こういう考えを持っておるのであります。従って、その年が経過いたしますれば、そこへ引き移ってこの事業を遂行する、こういう計画を持っております。ただし、ここに至りまする間にはなかなか、継続費制度がございませんので、一つの問題について協議をすることになりまするが、従来、幾ら予算計上の中のガンとなりまするか、多少、財政当局との間に問題を生じておりましたる点がございましたが、しかし、その大きな問題はほぼ解決しておりまするので、非常な変化がない限りは、これから三年たちますれば、工事は完了するという計画を持っております。
  5. 矢嶋三義

    担当委員外委員矢嶋三義君) 国立国会図書館建築予算額並びに三十三年度予算の成立によって、そのうち何パーセントが予算化されたのか、その点について、お答え願いたいと思います。
  6. 金森徳次郎

    国立国会図書館長金森徳次郎君) 大体の物の計画の方ははっきりしておりまして、第一期の工事、今現にやっておりまする工事といたしましては、八千坪の設備を完了して、これが動けるようにする、こういう計画でございますが、しかし、その八千坪の建築幾ら予算ででき上るかということは、幾らか動く要素がございまして、つまり材料経費、その他の物価の変動ということを予想しておかなければならぬと思いまするが、今のところでは、敷地買収等を含めまして、大体、今後二十九億程度予算を必要とするという考えを持っております。従って、現在予算で進行して行きますると、まだ相当残っておるわけでございまして、今度の三億、来たるべき年度の三億七千万円というものを充当いたしましても、なお、その後に、ほんとうによくわかりませんですが、私、十七億見当予算を獲得しなければ完成することが困難である、こういうふうに思っております。
  7. 矢嶋三義

    担当委員外委員矢嶋三義君) 三億六千六百三十万円が成立いたしますとしまして、今まで成立した予算総額幾らになりますか。
  8. 金森徳次郎

    国立国会図書館長金森徳次郎君) 今まで現実に今年の、過去の年度までの予算経費というものは、工事費のためには七億三千六百万円余でございまして、今回が三億七千万円ぐらいと、こういうことに、概算でございますが、なるわけでございます。
  9. 矢嶋三義

    担当委員外委員矢嶋三義君) ただいま建築中の国立国会図書館が完成した後においても、現在あなたのところで所管されておる分館等は、現状のまま維持運営されて行くというお考えでいらっしゃいますか。
  10. 金森徳次郎

    国立国会図書館長金森徳次郎君) 分館と申しましても、私どもの方の今の分館というものは、種類の違うものが入っておりまして、一つは、上野図書館分館でございます。それからその次の種類のものは、東洋文庫とか、静嘉堂文庫とかいう特殊の図書館分館になっております。それから第三の種類といたしましては、各行政あるいは司法の官庁にある、大体三つの系統に分れるのでございますが、特別な意味を持っておりまする分館は、その材料が特殊なものであり、その運営方法もまた特殊でございまするから、これはそのまま継続するほか急に道はないと思っております。ただ、上野図書館は、これは一般的な意味におきましては、将来の国立国会図書館活動性質を同じゅうするものでございまするからして、この二つのものを併存ぜしめる理由は絶無ではありませんけれども、なかなかその理由は是認しがたきもののように思っております。従って、本館ができますれば、上野図書館はこれを従来の活動の外にはずす、こういう考えを持っております。あと始末がどうなるか、三年以上の先のことでございまするけれども、しょっちゅう研究をしておりまするが、これが国立国会図書館法という法律が、今から十年前にできましたときに、その先の運命がその法律の中に書いてございまして、つまり上野図書館は、これを活動面から見ると、これをやめてしまう、それからあと始末はかくかくにすべきものであるということが法律に書いてございまして、私どもはその法律の趣旨を守って今進行しようという計画を持っております。ただ、そこに多少無理な点もございまして、無理な点と申しまするのは、結局ある時期には、建物その他のいわば不用になった部分東京都に移管する、こういうのでございまして、これはどうも受ける方の態勢が整いませんと、そう簡単にはいかないのでございまするから、もう少し考えを残して、今研究をしておるわけでございます。
  11. 矢嶋三義

    担当委員外委員矢嶋三義君) 上野分館は、現在の活動の外にはずすという表現をされたのですが、そのことは何ですか、今一般閲覧に供しておるのですね、そういうことをやめられるということになっているのですか。
  12. 金森徳次郎

    国立国会図書館長金森徳次郎君) 法律の表から申しますると、そういうふうに持って行くよりほかにしょうがないんじゃないか。簡単に申しますると、あそこにある書物その他は、明治以来、あるいはもっと古くから、日本中心の図書としてあすこに蓄積されておりまして、これは国家そのものが使うべきものであり、これは新しく図書館に全部引き継ぐはずのものでございます。しかしいろいろ不用に近いもの、集まったは集まったけれども、それはそんなに特殊な価値はないというようなものもございまして、そういうものは、あとの処置といたしまして、まず今のところ自分の方では持たない、東京都にもし必要があれば移管する、こう考えておる次第であります。あと、どうもあそこの図書館を維持するということになりますると、性質国会図書館の本体と重複してきまして、場所的の変化はございます。片一方上野であり、片一方中心であるということで変りまするけれども、それをどうも二つ持って行くべきものかどうかということが一つの疑問でございまして、私ども実は疑問を持っておりまするけれども、とにかく現在の法律にはっきり方針がきまっておりまするから、私どもその法律ができたゆえんは詳しくは存じませんけれども、その法律の表に従って計画を進めて行くよりほかに道はございませんので、今のところは、あすこ公開図書館たる性質をなくしようと思っているわけでございます。
  13. 矢嶋三義

    担当委員外委員矢嶋三義君) その名は国立図書館でございますけれども、法の中には、一般国民にもサービスするという精神相当うたわれておりますしね。私はこのたび建築中の国立国会図書館というものは、相当国費を、国民の税金を使うわけですけれども計画にもありますように、今以上に、やはり一般国民に可能な限り開放してサービスするというような形にすべきであり、したいものだという念願を持っているわけです。そういう立場から伺っているわけですが、参考に伺っておきたい点は、今の赤坂図書館ですね、離宮の。並びに上野図書館一般国民利用状況ですが、これは具体的にそう詳しく御報告いただかぬでもけっこうですが、どの程度一般国民利用しておるか、入館して勉強したいと念願しながらも入れない国民、ことに学生生徒がかなりあるのじゃないかと思うのですが、希望者の概数と収容状況ですね、そういう点大ざっぱでよろしゅうございますから、お答えいただきたいと思います。
  14. 金森徳次郎

    国立国会図書館長金森徳次郎君) その問題が、実は私ども図書館法律によって作られました当初から、多少の問題を含んでおるのでございまして、多少の惑いを持っておる点がございまするが、ただいまの利用方法は、赤坂本館は、設備の許す限り、全部外からくる人を受け入れまして、一般的に利用してもらっておるわけでございまして、その数は、上野図書館は一日平均千三百六十六人、これは数字平均でございますから、具体的には……。一日平均千三百六十六人の閲覧者赤坂の方は現在のところ五百七人入っておりまして、これは利用方法も違いますけれども、人数から言うと、そういう形になっておるわけでございまして、この上野の方を閉鎖するとすると、この千三百六十六人の読書人希望を達するわけにいかぬ、こういうことになりまして、そこで今度新しい図書館では、ある程度読書人員をふやすということになっておりまするが、とてもこの全部を入れるだけの体積はございませんので、そこに一つの問題が起ってくるわけでございます。私どもの当初の念願から申し上げますと、上野の方は、東京都の施設として相当の数の人に利用してもらう、こういうふうに行けば、つり合いがとれるのではなかろうか、これが現在の国立国会図書館法のできました当時の考え方らしいと思っております。ところが相手仕事でございまして、東京都がほんとうにうまく、われわれの力と協力し得るようにやって下されば、それはいいのでございまするが、そこのところはちょっと何とも言い切れませんので、この辺のところの問題がまだはっきりいたしませんので、まあ、三年か三年半くらい先に、結局順当にいっても、なるのでございますから、考えは進めておりまするが、まだはっきりした結論を持っていないのであって、実は法律の規定に拘束されて一応の考えをきめておる次第であります。
  15. 矢嶋三義

    担当委員外委員矢嶋三義君) 法律の規制があるわけですけれども館長さんとしては、将来の希望図、御構想というものを描いて御努力願いたいと思うのです。ということは、事前に綿密な計画をもって進めて行かないと、物事はうまく参りませんので、このたび日比谷にりっぱな図書館ができました。東京都の方であれを受け継いで、上野の方にりっぱな経営をやれば、その形は望ましい形であるし、国会図書館としては、この永田町に本拠を持っておいて、りっぱな図書館を運営して行くという形が望ましいのではないか、私もそう思いますので、まあ今後御研究と御努力をお願い申し上げたいと思うわけです。  なお、これは館長さんの直接の所管には属さないわけで、お伺いするのはどうかと思うのですけれども、まあ参考に承わりたいのですが、もし国立国会図書館が完成した後における今の赤坂本館ですね、あれはいかようにあと利用されるおつもりですか。また、あなたはどういうお話を承わり、また、どういう予想をなさっていらっしゃいますか、御参考に承わりたいと思います。
  16. 金森徳次郎

    国立国会図書館長金森徳次郎君) それは当初、国会図書館ができ上り、業務を開始いたしまするときには、どこで仕事をしたらいいか、いろいろ場所を探しましたけれども、なかなかそれだけの施設場所を貸してくれるところがございませんので、ずいぶん東京の中の、あちらこちらの既成の役所を借用しようと思ったのでございますが、思うようにいかなかったわけでございます。そのうちに話がまとまりまして、赤坂離宮を独占的ではなくて、当時、法務庁と協力して、両方赤坂離宮を使うということに話が成立いたしまして、今のように、ここで仕事を始めたわけでありますが、当初の考え方というものは、実は比較的早いうちに、適当な設備を別にこしらえて、ここを離れる、赤坂離宮を離れる、こういう気持が主でございましたけれども、だんだんやっておりますると、なかなか建物ができない。根がはえるという傾向がございまして、それで今日に至っておるわけでございますが、私どもといたしましては、早く設備が外にできますれば、そこに完全に引越してしまって、あとの連係をあそこに持たないようにしたいという気持考えております。私どもは用がなくなったらどうするか、これは本来のところに、どこに返すつもりか、政府に返すということになりましょう。今は国会そのもの内閣とで管理しておるのでございますが、それらの方の手続によりまして、私ども仕事範囲は、あそこから手を引いて、政府にあの建物を返すということになりましょう。そしてあと政府がこれはどういう方向にお使いになるかということは、これは私どもよくわかりませんので、今までいろいろ意見を聞いておりまするけれども、どうもまとまった意見はないようでございます。あれは非常に建物が特殊でございまして、私ども意見から申しましたならば、なかなか使い道がむずかしいものでございます。それに、表に見えませんけれども、かなり建物が歳月を経過しておりますので、よほどの修繕を加えないというと、安全に合法的に使えないような気がいたしまして、相当経費がかかるだろうと思いますが、その辺のところは何といっても……。あの建物について個人的な意見は持っておりますけれども、どうもまとまった意見は私ども持っておりません。
  17. 矢嶋三義

    担当委員外委員矢嶋三義君) 次に、私は職員の問題について承わりたいと思います。  一昨年、ちょうど私、議院運営委員並びに庶務小委員をやっているときに、国立国会図書館職員の量的、質的充実という立場から、同僚諸君といろいろ協議したことがあるのでありますが、その当時、私どもの一番重点を置いた点は、どうも国立国会図書館職員というものは、頭でっかちになっている傾向がある。他の官庁に比べると上級の人が比較的に多くて、手足となって第一線で働かれる優秀な館員は量的に少な過ぎる。従って、その国立国会図書館の使命を果すためには適当でないかもしれませんが、比較的下級の職員を量的、質的に充実させなければならない。こういう立場から、国会法の改正ともからんで、国会職員を若干充実したのは、館長御承知の通りだと思うのですが、その後、この国会側の要望は、事務総長等を通じて館長さんの方には通じていることと思うのですが、その後、どういう努力をされましたか、また実情を、館長としてどういうふうに把握しているか、お答えを願いたいと思います。
  18. 金森徳次郎

    国立国会図書館長金森徳次郎君) あのときの大体の空気は、私の直接関係しないものでも、まあいろいろの方法で耳にいたしているわけでございます。かなり歴史を含んでおりまして、実ははっきり言いにくい点もございますが、常に研究をしております。ただいまお話になりましたときのは、まず上層部職員、まあ私の方では専門調査員と言っておりますが、その中に、十四名だけ衆参両院におきまして相当業績を上げた方を移していただく、これは十四人受け継ぎまして、つまり二十三人に今のところなっているわけでございまして、このところは移り変りの時期でございますから、いろいろ人事的な条件もあって、とにかく歴史的過程のもとに移っているわけでございまして、そのあとで、また国会にお願いをいたして、頭だけもらっても横腹がなくて困るというので、中堅職員つまり事務官あるいは調査官の中堅的な、現実に働く面の方を何人ですか、三十人かそこらいただきまして、こちらはきちんとした試験方法によりまして、新しく大学を出て、これから世の中に出て行く人、つまりそのときにまあ専門調査員として受け取ったのと同じ数だけの正職員の十四人、それから常勤職員として十四人、合計二十八人だけの、つまりまあ中級以下の増員をいたしたわけでございまして、これらの職員は、私は新しく希望者の中から、ほんとうに腕ききの人を集め得ているものと大体観察をしているわけでございます。この一番頭の方の職員が、これはどうも普通の器と違いまして、みんな特殊の専門を持ち、特殊な経歴を持っておられますから、これは尊敬をして、その活動部門を十分発揮していただくように努めるよりほか、ただいまのところは道はございませんので、その線に沿ってやっているわけでございまして、大体今は、精密に比較研究もできませんけれども、この十四人の方々は、だんだん国会図書館のまあいわば精神とでも申しまするか、この精神をよく理解せられまして、同化作用がここに行われまして、今日非常にりっぱな活動をしておられるような気がいたしますというふうに思っております。人をむやみに採れば、重宝ではございますけれども、それはとても国費が許されてはございませんので、将来もっと変った要素を、国会図書館の持っていなかった面の能力を、この図書館の中に入れたいという気持を持っておりますけれども、これは予算等関係があって、今すぐに目鼻がつきませんので、今後努力したいと存じております。
  19. 矢嶋三義

    担当委員外委員矢嶋三義君) 若干、具体的にお伺いいたしますが、あなたの方では、昭和三十二年度常勤職の方を何名お使いになられましたか。
  20. 金森徳次郎

    国立国会図書館長金森徳次郎君) 百三十人でございます。
  21. 矢嶋三義

    担当委員外委員矢嶋三義君) 百三十人というのは、どういう職務につかれておられますか。
  22. 金森徳次郎

    国立国会図書館長金森徳次郎君) これはまあ今日の人事制度が多少不自然な発達をしておりますが、実際その人が働いておりますのは、普通の正規職員と標準的な職員と、ほぼ同じような仕事をしておるわけでございます。つまり図書館仕事つまり業務、普通の事務をやりまするし、それから司書等仕事もしておるというのでございまして、大体、人を採りますときに、多くりっぱな学歴をと言いまするか、とにかくふさわしき学歴を持っておる人を採りますので、女子職員なんかは、幾らかそれは平均学歴は少いかもしれませんが、大体普通の正規職員と同じような形式的の資格に着目して採用しておりまして、ただ、採りますときにやかましい試験をしない、大体は選考をおもにして行くという程度でございますから、今までそうやっておりますと、かなり古い人たちは、中に入ってから古くなりますると、もう五年の閲歴を持ったというような人がございまして、それらを見ていくと、多少の差は、それは人間のことだからございましょうけれども、普通の職員と、仕事の通常の範囲ではそう違いませんというわけでございます。ただ、これが今日の人事制度の結果といたしまして、人事取扱い幾らかそうした人たち不利益になっておるという状況でございまして、それぞれが今日やかましい問題となって、かような同じような立場でありながら、しかも人事の扱いにおいて厚い薄いがあることはおかしいと、こういう議論が起っておるわけでございます。私どもも、それは全く腹の中では同感であると、こういうふうに言うのほかはございませんけれども、ただしかし、そうばかりもいかない点もございます、というのは、やはり人間には品質の差がございまして、いろいろな盤根錯節の中を通ってきた偉い人に、非常に安易な道を歩いてきた人は劣ると、そういう点を考えまして、人々の進んで行く道を、できるだけ障害ないようにしようという問題も起ってきまして、ちょっと御質問の範囲を越えるかもしれませんが、こういうような人事は今まで考えておったわけでございまして、最近に至りまして、そういう正規試験を通らなかった人も――試験ということをやめるというのは、それは全体の品質を高めるためには私は賛成できませんが、しかし経験を積んで、そしていけば幾ら試験的な能力は軽くてもいいのじゃなかろうか、今までの図書館で二年なり、あるいは五年なりの実務をやったというところを尊重して、その上に一応図書館人として必要な試験能力試験をする、知識能力試験をする、この両方つまり資格経歴と、それから試験的な能力、この両方を組み合せまして、漸次、正規職員の方になって行ける、正規試験を受けて通った人と同じような方向に進んで行けるように、こういうふうな一つ考えをもって研究してきまして、これは実行しております。長々しいことを申しましたが、古い考え方で申しますと、特別任用制というもののまねをしたわけでございまして、乱に流れると幣が起りますので、今それを考え、これは実行をしておるわけであります。それから今一つ考えは、何しろ身分上の取扱い不利益でございまするからして、これは予算幾らかふやしまして、そういう人たち正規職員範囲にだんだん制度的に移して行く、今まで百三十人のそういう職員があるとすれば、そのうち何十人かを順次正規職員に移して行く方がいいんではないか、この二つ特別任用制度とそれから職員制度、甲のクラスから乙のクラスに移すという二つ方法考えておりまして、初めの特別任用制は、ある程度までこれをやって見ますると、いろいろ苦情はございます。ございますけれども、これはやはりよき人を保存するという秩序を守らなければなりませんから、その線は守っておりますが、しかし、だんだんそれでよき人がよきランクになって行くことになっております。それから予算的措置によりまして、今の常勤職員正規職員に移して行く方は、これは私どもの手ばかりでは自由にできません。それが今年の予算において百三十人の中の十人だけ、そちらの普通職員範囲に移しかえるということに成功いたしまして、もちろんまだ数たくさんございまするから、十人ぐらいでは不十分でございまして、ややねばり強く主張しておったんでございまするけれども、今年は十人ということで、あとは今後のまた努力によりまして、普通の正規職員と同じようなクラスに移して行こう、これは今後の考えとして持っております。
  23. 矢嶋三義

    担当委員外委員矢嶋三義君) 伺いたいことは、この百三十人の職員国立国会図書館を運営して行くに当って必要な人でありますか、それとも、なければなくても済むという部数に入る百三十人でございますか、館長はどういうふうにお考えになっておりますか。
  24. 金森徳次郎

    国立国会図書館長金森徳次郎君) それはちょっと一がいには答えられない部分があるんです。全体としては、その百三十人の人のやっておる仕事図書館として必要な仕事でありまして、そういう種類の人がなければ、図書館活動はそれだけ減ってしまうわけでございます。で、全体として必要であると、こういうことが申し上げられるんです。しかし具体的な人になりますると、なるべくいい人を入れて行きたい、従来、日本図書館がよく発達していなかったという点が見られるのは、やはり人事を粗末にした、つまり力ない者が図書館の中のある中心をなす仕事をしたというところに原因があろうと思いまして、その点を考えますると、やはり厳選をしたいという気持を持っております。これは厳選の方法として、先ほど申した二つ方法考えて行く、私の方は、こうは申しますけれども、今までそんな粗雑な方法で、試験をしない範囲の人も粗雑な方法で選択しておりませんで、実際、試験をして見るというと、既成の人と同格になり得るか、なり得ないかという境界線は、かなり偶然――偶然というと語弊がありますけれども、差が少いわけで、将来、順次これを努力して導いて行けば、りっぱな人になれると思っておりますけれども、ちょっと言葉は多岐にわたりましたが、制度としてはこの人数は必要である。それから人としては、大体このまま必要であるけれども、中には多少の途中の導きが寛大であったという面もございまするので、これはよく気をつけて、乱に流れないようにして行かなければならない、こういう三段がまえで考えておるわけでございます。
  25. 矢嶋三義

    担当委員外委員矢嶋三義君) 手続上のことを伺いますが、こういう職員の定員化をはかるに当っては、もちろん立法府でございますから、行政府の行政管理庁とは関係なく進められるわけですが、同じ国会関係としてこの仕事を進めて行くに当って、参議院なり、衆議院方面と話し合いをして、そうしてその常勤給与予算の査定権と予算編成作業権を持っておる大蔵省と当られますか、それとも衆参とは全く無関係に、国立国会図書館として、直接、大蔵当局と折衝なさるような手続を踏まれておりますか、その点をお答えを願いたいと思います。
  26. 金森徳次郎

    国立国会図書館長金森徳次郎君) それはもう私の方は、衆参両院事務局と無関係でやったり、また、これと抵触することがあったら、とても仕事ができませんので、ですからして、常に連絡をして話しの上に、なるべく無理のないように努めておるわけでございますが、ただ、そこに一つ問題がございますのは、実際として、こういう予算をとったり何かする点で、衆参両院は強いのでございまして、国会図書館は、いわばお公家さんがかやを着て人と応接しておるような工合に、どうも底力というものが乏しいのであって、大蔵省と交渉いたします場合にも、幾分、まあ私の主観が多いのでございますが、有利でないのでございまして、これをいろいろな方法努力しておりますし、私どもに多少、みずから省みて不満足な点が起ってくるわけでございます。
  27. 矢嶋三義

    担当委員外委員矢嶋三義君) 直ちに大蔵担当主計官の出席を要求して下さい。  次に伺いますが、この百三十人の常勤職員のうち十人定員化したというのですが、この十人をピック・アップするに当っての基準は、どういうところに置かれましたか。
  28. 金森徳次郎

    国立国会図書館長金森徳次郎君) 今回の十人というのは、やはり形式的に、よそと比べて公平な範囲でやらなければならないというふうに考えまして、そこでいろいろな俸給の制度がございますが、そのうちの七等級というのを、この位置をかえる人に充てよう、つまり全体の中で七等級の人が十人ある、そこで十人だけは移しかえてもらう、こういう線をとったわけでございます。ところが実際に、私どもの給与の全額が少なかったわけでもございましょうが、七等級に当る人が十人しがなかった、説明を加えても七等級に当る人が十人ぐらいしかなかったわけでございまして、ところがよそでは、これに当る人が相当たくさんあった。これは役所が古いということもございましょうけれども、そこで具体的な数になりますると、私の方は数の上ではまあ不利であったという結果を生じております。しかし、これは今後の問題でいろいろと調整できますが、形式的には今申しましたような七等級の現実の扱いを受けておる人を移しかえよう、こういう形式的な公平からやられておるわけです。
  29. 矢嶋三義

    担当委員外委員矢嶋三義君) その七等級というのは、どこでだれがきめられたのでございますか。
  30. 金森徳次郎

    国立国会図書館長金森徳次郎君) それは各部局で現実予算を執行する、俸給をきめるというときに、そこできめておるわけでございまして、この辺になりますると、比較的簡単な方法できめられているわけです。国会図書館の場合で申しますれば、そういう事務を担任するところで、ほかのつり合いを考えて漸次進級させて行く、その結果、七等級になったという経過でございます。
  31. 矢嶋三義

    担当委員外委員矢嶋三義君) 私はその点ちょっと、館長みずから認められたように、他の官庁との均衡という立場から了承しかねるものがあるのですがね。ということは、行政管理庁管理下の各省庁のこの問題に関する予算委員会における質疑においては、行政管理庁はそういう基準を示しておりません。文書で要求しましたところ、文書で回答が出ましたですけれどもね、そういう基準を示してないのです。ところが他の省庁と均衡を保ってやるという図書館の場合、そういう七等級云云の基準が出たということは、私は理解しかねる点があるのですが、もう少し先を伺って、さらに伺いたいと思います。  この常勤職員は、予算額はきまって、それから逆算して人数が出てくるわけですが、お宅は常勤職員の給与は非常に低いのですね。私が計算して見ましたところが、衆議院の方は約一万五千円、それから参議院の方は約一万四千六百円、図書館関係は一万七百円になる、給与ががたっと落ちておるのですね。ということは、それだけ能力のない人物でも図書館は勤まるということを館長はお認めになっていらっしゃるのか、私はそんなものじゃないと思うのですがね。だから、給与が低いから行政職俸給表の一と二の適用の関係もあって七等級になれない、七等給になっていなければ定員化しない、こういう悪循環をやっておるわけです。ちょっと私はあなたの答弁を求める前に参考に申し上げますが、行政管理庁の管轄下における各省庁は、常勤労務者六万六百二十五人のうち、今度、国会に審議を願っておるところの定員化法案の定員化数は七万九千九百五十六、約三分の一、三三%は定員化されておる。ところがお宅のこの比率を計算しますと、百三十人中十人しか定員化されてなくて、七・七%なんですね。同じ国会関係でも、衆議院は八一%、参議院の方は一九%しか定員化されていない。それで昨日、衆参関係をただしたのですが、参議院当局もやや怠慢であったようです。大蔵当局に対する説明は不十分であったようです。よほどうまくそれは説明しないと、大蔵の主計官というものは、金を出すまい、出すまいということを信条としておるのですから、よほど納得できるような説明をしなければ、のむはずないのです。どうもそういう点不十分であったと思うのです。国立国会図書館に至っては、これは金森先生あまりにもひどいですよ。これでは館長のもとに大いに図書館運営のために働こうという、公務員の意欲というものは私は盛り上ってこないのじゃないかと思うのです。やはり仕事をやるのは人ですからね。いかに人を使うか、その人の持ってる能力を百パーセント発揮させるかというところに、これは上司として最も努力すべき点が必要ではないか、こう思うときに、この図書館のわずか七・七%、その基準を伺いますと、七等級以上云々ということであるから、それを探したところ十人しかいなかった。それをさらに探求して参りますと、この予算書から見ますように、給与単価が一万七百円という最下ですよ、最低ですよ。おそらくあなた方採用する場合に、最も安い臨時雇いのような形で採用して、低賃金で押えておるのですね。そして採用しておるわけです。しかし、その人が優秀か優秀でないかということは別にしましても、ともかくそういうポストというものは、職制としてなければ、国立国会図書館は運営できないというわけなんですからね。だから素質のある有資格者を採用し、それを国民にサーバントとして奉仕しておるわけですからね。しかも同じ定員内の職員と同じ内容の仕事をしておる、甲乙はつけがたいということを、あなたみずから認められておるわけですから、当然この定員化には努力すべきだ、やるべきだと思う。国権の最高機関である国会みずから、こういうような公務員の使い方をしておるということは、これは私は広義に解釈して、わが国の労働立法の立法精神に反するものだ、いかに予算的な関係があろうとは言え、定員をやる必要があるならば、徹底的に機構、運営等を研究して、人員を削減したらいいでしょう。それができないのでしょう。できないで運営上必要とあれば、国権の最高機関では、労働法の立法精神を体して、まず率先して定員化することに私は努力すべきである、やるべきである、こう私は考える。そういう角度から見るときに、図書館当局は、一体、大蔵事務当局にどういう説明をし、また、館長みずから大蔵大臣にどういう交渉を持たれて、こういう結末が出たのか、私は非常に理解しかねる点があるわけです。従って館長さんに伺いたい点は、これらの他の省庁、特に国会内における、国会関係の衆議院、参議院との関連から、数的関連からいって、どういう事態をどういうふうにお考えになっていらっしゃるのか、また、大蔵事務当局、さらには大蔵大臣との折衝の経過というものはいかようになっておられるのか、その点私はお答え願いたいと思います。
  32. 金森徳次郎

    国立国会図書館長金森徳次郎君) お話は一々骨身にこたえて実は感ずるのでございますが、私の方は新しい官庁でございますためか、あるいは予算の折衝がまずかったためか存じませんけれども、存じませんじゃ……。両方理由があると思いますが、単価の計算につきまして、大蔵省は高い単価を認めてくれないわけでございます。よその古い部局等におきましては、いろいろな事情で高い単価を認めておるわけでございます。それに、私の方は、人の欠員を作るということを絶対にきらっておりまして、ほとんど表向きの定員と現実の人という間には差のないように経営をしておりまして、非常にやりにくいのでございます。そんな結果からして、一人々々の人にとって幾分の不利な考えが見えてくるということになりますが、私どもほんとうはこういう特殊な職員というものはあまり好ましくございませんので、やはり何とかして正規職員にこれを漸次切りかえて、あらゆる面から見て公平に扱われていく、能力ある者はその能力に応じて適当な扱いを受ける、この精神を貫きたいと思っておりまして、漸次努力いたしておりますけれども、結果は、御承知のような不十分な結果になっておりますことを、顧みて微力を嘆ずるよりしようがございません。どうぞ皆さまの御支持によりまして、もっと早く、また来年のときが近づいてきましたから、早くその方向に遂行したいと思っております。
  33. 矢嶋三義

    担当委員外委員矢嶋三義君) お宅は、他の官庁と違って、土曜、日曜と業務につかれるわけですね。従って、特殊超勤というものを相当認めなければ運用上困ると思いますが、どの程度認めておるのか。この認め方いかんによっては、職員の基本給に影響を及ぼしていくと思うのです。従って、これは図書館特殊の事項と思いますので、御説明いただきたいと思います。
  34. 金森徳次郎

    国立国会図書館長金森徳次郎君) 私ども仕事は一種の現業に近いものでございまするために、日曜日も土曜日も実はございません。けれども、一人々々の人のその勤務時間は、ちゃんと法規に従って一応の標準は守らなければなりませんからして、日曜日などは結局、振りかえ出勤と申しますか、ほかの日に休日を作って、日曜出勤をするという原則をとっておりますので、小さい時間の超過という方は、これは全く超勤の方法でやっておりまして、超勤の予算単価につきましては、一般の場合とほぼ同じ計算で予算を得ておるわけでございまして、その点には不公平はないものと思っております。何分にも、実際に予算が得られないものでございますから、つい渋い計算になりまして、残念でございます。
  35. 矢嶋三義

    担当委員外委員矢嶋三義君) これは大蔵事務当局に伺いますが、あなた方は、生産部門に対しての予算配分については非常に理解があるのですが、ややもすると、図書館なんかは非生産部門くらいの考え方で、軽く見る傾向が私は大蔵主計当局になきにしもあらずというような感を持っておるわけですが、かりにちょっとでもそういう気持があるとすれば、私は望ましいことじゃないと思うのです。あなた方は予算の査定権を持って、予算編成作業をされるわけですが、図書館職員に対して一般省庁の公務員と同じ率の、同じ計算で超勤額を算出するというのは無理ではないでしょうか。やはり特殊超勤というような形で、かなり色をつけなければ私は適当じゃないと思うのですが、事務当局としてはどういう見解を持っておるわけですか。
  36. 上林英男

    説明員(上林英男君) お言葉でございますが、国会図書館を特にほかの官庁よりも悪く考えて、あるいは軽く考えて、予算を編成しておるような考えは毛頭ございません。むしろ、国会図書館の使命にかんがみまして、いろいろとその特殊事情も考えながら編成をいたしておるつもりでございます。  また、超過勤務手当につきましては、一人当り約十五時間近い超過勤務手当を計上いたしております。これは、大体各省の本省の一人当りの基準額でございまして、特に図書館が他官庁よりも劣っておるというようなことはないはずでございます。
  37. 矢嶋三義

    担当委員外委員矢嶋三義君) 劣っては大へんですよ。劣るべきでなくて、土曜、日曜もやるという特殊な現業的な性格を持っておるのですからね。従って、私は、相当特殊超勤というものをそういう職場に認むべきではないか、若干色をつけるべきではないか、こういう立場で伺っておる。かりに、具体的に申しまして、日曜日に休むのと、日曜日に出勤して月曜日に休むのとでは、同じ休むにしても違いますよ。これは詳しく申し述べなくてもわかると思う。そういう職種というものは違うと思う。家庭のこと一つ考えても、違いますよ。その分は、一週間に一日休めばいいというものではないと思う。土曜日、日曜日は図書館職員は働いておるのですから、そういう超勤を他の省庁と同じ取扱い方をするというのは妥当でない。劣ってはそれは大へんですよ。若干その点は考慮すべきじゃないかと思うのですがね。そういう要求はあったことはございませんか。図書館側からお答え願います。
  38. 上林英男

    説明員(上林英男君) この図書館の方は、今どの程度ありましたか記憶はございませんが、一般的に超過勤務手当はいろいろと問題があることを承知しております。それから、超過勤務手当につきましては、前からいろいろ議論もありましたことでございまするし、なお、今図書館がほかの官庁と劣っては大へんだと申されましたが、ほかの所では、もちろん十五時間以下の所もございますし、図書館の今の現状といたしまして、また各省庁間のバランスから申しまして、十五時間という超過勤務の時間は少いものではないと私は考えております。  なお、国会図書館の中でも、たとえば調査立法考査局というようなものは、国会の運営の面とうらはらの関係にあります関係上、通常国会の次に臨時国会その他がございました場合には、国会職員と同じように、超過勤務子当あるいは議会手当というような制度に準じた取扱いもいたしておる実情でありまして、そういう面におきましては、他官庁よりも色がついておると言えば言えるわけでございます。
  39. 矢嶋三義

    担当委員外委員矢嶋三義君) 同じ国会関係でも、衆参の方はやっぱり図書館と若干違います。時間がかかりますから申し上げませんが、若干これは遅います。殊に図書館の立法考査局なんか、二、三日うちにこういう質問をやりたいと思うが、一つ調べてほしいなんて議員から要請されたら、これは、変な調査資料を出せばかなえの軽重を問われます。入学試験を受けるようなものです。これは不眠不休でやらなくちゃいけない。そういう点では、衆参の方と若干違います。  これは館長に伺いますが、私が主張しておるような、超勤に若干色をつける特殊超勤というものが必要であるということを、館側としてはお認めになっておられないですか。主計官は、要求されたことがあるかといっても、あまりぴんと来ないのですが、私がひがんで伺えば、国立国会図書館は割に管理職が多い。管理職手当を受けておる者が六十六人あるんですね。御承知の通り、管理職になって管理職手当を受ける人は、俸給の二五%を受けているはずです、東京にいらっしゃる方は。あなた方は二五%受けているはずです。こういう人は、超勤をもらわないかわりに管理職手当を受けておるわけです。だから、私は、ひがんで考えますと、国会職員の管理職の人は超勤にあまり関心がないじゃないか、自分のサラリーに関係がないから。そういう私はひがみを起さざるを得ない。もう少しこの点については、上司としては関心を持ってしかるべきではないか。そうして図書館職員の下級職員の勤労意欲の向上をはかることが、上司の方方のとるべき態度ではないかと思うのですが、こういう点についてどうお考えでございますか。
  40. 金森徳次郎

    国立国会図書館長金森徳次郎君) 超勤の問題は非常に困難なところもございまして、たとえば上野図書館なんかの場合でございますと、夜おそくまで、露骨にいえば、百姓働きをしているわけでございまして、なかなか家へ帰えるのも相当おそくなる。超勤は超勤でも、かなりこたえる超勤でありまして、そういうふうな人に対しましては、特別超勤というような考えによって色をつけていただきたいということは、かねがね大蔵省にも機会あるごとに述べておるのでございますけれども、まだどうも実行の段階に行っていないという点もございまして、ほんとうを言うと、この超勤という制度は、これはちょっと日本の全体のこういう俸給、給与の制度関係してくるからして、一がいに言うのは大胆でございますけれども、非常に不合理な点を含んでおりまして、予算の豊かな所は、同じ時間を働いても、超勤何時間というふうに出てくる。そうでない所になると、何としても何も出ないというようなことで、ちょっと変な苦情を言いまして相済みませんが、私どものようにきちょうめんにやっておる者は非常につらいのです。何とかして給与が、どういう形でもよろしゅうございますけれども、夜おそくまで働くとか、かなり日曜日なんかが全部つぶれてまうというような人々に対しましては、しかるべきよき制度考えられるようにと思いまして、実は努力しておりますけれども、まだ効を奏しておりませんです。
  41. 矢嶋三義

    担当委員外委員矢嶋三義君) その点は認識を深めて、一つ努力願いたいと思います。私は、先生が日本国憲法制定当時に非常に中心的に活躍された点については、私は非常に常々敬意を表しております。その金森先生のもとに、常勤職員がこういう実情下にあるということは、非常に遺憾に思います。しかも、百三十人いてわずか十人、七%そこそこ、他の省庁よりは格段と低い比率でしか定員化できなかったという点について、私は非常に遺憾に思っておる次第です。皆さま方がほんとう努力し、やられる気になれば、できないことではないと思う。で、私が行政管理庁に求めた資料によりますと、定員化をはかるに当ってはこういうことを基準にしたと書いてある。原則として書いてあることは、「職務内容の重要性、責任の度合いを考慮し、重要な職務に従事する責任の重い者を選ぶ」、こう書いてある。行政管理庁、あなた方はこれに準じてやられておる。ところが、お宅のこの予算書を見ますと、事務補佐員が百二人おるのですが、これは一、二あげますと、自動車運転手二人、看護婦一、電話交換手三、監視二というのがある。こういう人は責任の度合いは低いのですか、あまり重要ではないのでしょうか。運転手は、一台の自動車を運転していく場合、これは責任の軽い重いはないと思うのです、僕は。責任が軽いからといって運転されて、事故を起したら大へんですよ。交換手は交換業務に従事する場合、その責任の重いのと軽いのというのはないと思うのです。これは先生、さっきみずから認められたように、若干、百三十人の中にはちょっと劣るなという人が、再教育しなければならぬ人があるけれども仕事の内容は正規職員とほとんど変らないということを、あなたみずから認められているわけですね。従って、これが国立国会図書館の運営に必要な職員であれば、もちろん適格者を採用し、足らざる者は再教育をして、そしてお働きを願うことにして、その身分と待遇はその法に基いて正規取扱い方をすべきだ。新憲法の生みの親とでも申すべき金森先生の配下に、あなたの所管にこういうことが行われることは、私は非常におかしい、遺憾だと思うのですね。この点については今まで努力されたこととは存じますけれども、しかし、数字から見れば、大蔵事務当局並びに大蔵大臣との折衝も必ずしも十分でなかったのではないかという、私は数字関係からそういう結論を出さざるを得ないのです。で、今後この点については格段の努力をされることをお約束いただけることと思いますが、いかがでございましょうか。
  42. 金森徳次郎

    国立国会図書館長金森徳次郎君) 十分努力をいたします。
  43. 中田吉雄

    ○中田吉雄君 金森図書館長に、矢嶋委員の質問に関連して、二、三お伺いしたいと思うのですが、国会図書館にいろいろ世話になって注文をつけることも恐縮ですが、私は、国会図書館というものが批判の外に立っておるということは、非常に問題だと思うわけです。各省は国会でぎゅうぎゅう予算その他やりますし、一般国民との接触も深い。ところが、実際国会議員は、この分科会を見ても、社会党の五名だけが出るほどそれほど、国会図書館というものは批判の外に立っておるということは、これはやはり図書館長の運営のいかんによっては、図書館経営が沈滞しないとも限りませんし、私はこれまで見て、やはり国会からのいろんな要請を受けて、受け身の立場国会議員にサービスするというのでなしに、図書館長自身が、国会議員の多忙な院内外の活動に十分役に立つようにするにはどうすべきかというようなことについては、もっと緊密な連絡をとって、ただ議運の庶務小委員会等を通じてだけでなしに、衆参両院の各党各派に対して、どういうふうにしたらこの国会図書館が設立された目的に沿うようにできるかというような御配慮が、積極的に私はあっていいじゃないか。ただ立法考査等の手続でいろいろ質問があったものを答えるというような、受動的でなしに、そういうことが必要でないかと思うのです。  ずっと国会に出ましてから七年間見ていまして、非常に無風地帯です。予算審議も最も批判の圏外に立っておる。そういうところでは、私はともすれば沈滞しないとも限らぬし、ぬるま湯に入ったようにならぬとも限らぬし、たとえば、私は、今三宅坂にできつつある図書館の建設にしても、これはやはりその重要性から、もっと衆参両院、議運の庶務小委員等と連絡をされていれば、こう六年も七年も長期でなくては完成しないということは、大体大蔵省としても、やりかけた工事なんかはできるだけ短期間に仕上げて、早く使えるようにするというのが、私は根本じゃないかと思うのですが、そういう一事をもって見ても、私は少し、それは各省の予算は強力な背景の支持の下に各省がやって初めてできるのですが、それぞれの予算が獲得できるが、私は、そういう強力なバツク・アップといいますか、理解なしには、そういうことのないことが、もうのんべんだらりと、まだ六年も七年もたたぬと完成しない、使えないということになるんじゃないかと思うのですが、その点はいかがでしょうか。そしてあの図書館はいつになったら完成するでしょう、何年計画なんでしょうか、その点をまずお伺いしたい。
  44. 金森徳次郎

    国立国会図書館長金森徳次郎君) 図書館がのんべんだらりであるということは、まことにざんきの至りにたえません。しかし、このできました当初の考え方というものは、やはりどうしても仕事が中立性を持つという、それだけは守らなければ、図書館はつぶれてしまう、こういうことでは有害であって、無益であるということになろうかと思います。そういう無色透明の中立性を守るという考えだけを堅持しつつ、あとは勉強をいたしまして、あらゆる方面からの御批判あるいは御非難を受けるということは当然でございまして、それが十分いっていない。人間のやることはなかなか思うようにはいきませんけれども、それは大いに責任を感ずる次第でございます。  そこで、今までの経過を申し上げますると、今日はだいぶ図書館を御支持下さることで、まことに自分ながら安心をしたいい気持と申しまするか、よきときになってきたとこう思っておりまするが、従来は――従来といっても二、三年前までは、何だか支持せられるところの面が非常に弱かったわけでございます。従って、それが顕著に現われましたのけ、この図書館建築の問題でございます。図書館建築が、何か政治の関係、今、一番大きなのは、私に政治力がないというところに落ちつくのでございますけれども、そのほかに、何か組織の上において、どこが中心になってこの建築について全責任を負うかということになりまして、何しろ膨大なる国会一般的な監督を受けておりまするので、あまり底が大き過ぎて、実際に図書館のために親身になってお骨を折って下さるという方が少かったのでございまして、それに問題は、今こそ骨が建ちまして、何やら格好がついておりますけれども、初めはどこに作るか、どういう着想で作るかというようなことにつきましては、とても一万坪の土地を国会に近い所で得るという道もございませんので、まああすこを、ドイツ大使館に席を譲ってもらったというような形になるのでございますが、そこまで行くのにもずいぶん手間がかかりましたし、何か賠償ではございませんけれども、かわりの土地を見つけなければならぬというようなことやら、そんなことやら……、それに、いま一つは、私ども建築ということについての知能をあまり持っておりませんので、何しろ小さい役所で、人員から申しますと、そういう点は非常に規模が小さいわけでありまして、あれやこれや知恵を出す上にも、非常に不便を感じて、いろいろ回り道をしたわけでございまして、やっと今日に至りまして、形だけは、骨が建ちまして、先ほども申し上げましたように、これは、これから三年たちますると、建築それ自身は完備するというように持っていきたいものであるという着想で、大体、衆参両院のこういうことに関係をお持ちになる方々の御了解を得ておりまして、それで御支持がまず得られそうである、その方向に御支持が得られるであろうと近ごろは確信を持ってきておるわけでございますが、全体がおそくなりましたということは、何とも申しわけございませんで、これは主として私自身の無能の責任であると思っておりますが……。  そこでその次に、仕事のやりぶりにおきまして、あまりにも無風地帯にあるのじゃないか、その御非難はあるいは御批評は当然であって、常にそういう非難を受けないように実は努力しておるのでございまするが、今日いろいろ結果がそううまく行っていないということは、これは実情でございます。  そこで先ほどの、受け身であって、外から質問があると、それに応じて答える、そういうことだけではないか、これではだんだん沈滞していくのではなかろうかと、これは一面において正しい御批判だと思っておりますけれども、大体この図書館の本来の性質というものが、一種の、国会その他の知恵袋みたいな役をしておりますので、自分が活動をして、こういうふうに政治を動かしていったらいいかどうかということになりますと、これは政治自体に非常に触れてくる問題でありまして、それがいいか悪いかということは非常に問題でございまして、今の国会図書館法はそういう方向には向かない、人が聞いたら答えよう、自分は中立をあくまで守るべきものである、こういうふうにきめられているように存じます。これは過去の規定がそういうふうにできておりまして、少くとも政治的に中立性であり、また、政策につきましては、いわば行政府の権能をかわりに行うようなことがないようにやっていく、こういうふうにできておりまするから、自然立法調査の仕事というものは、受け身であり、問われたならば、迅速に、正確に、公平に答える、こういう建前になっております。そうすると、先ほど御指摘になりましたように、受け身でやっておったら、一つも積極的ないい働きはできないではないか、これはまことにごもっともでございまして、私どもは、その点をいかにせば補正し得るかということに苦労をしておるのでございまするが、その一つの形は、国会と接触――国会委員会等の議事と接触を緊密にする、これが一点でございます。なお、議論というものは、その議論だけ聞いておっても、その全体の様子がわからないと、ほんとうの接触になりません。それで私どもの方の専門調査員は、各委員会に手分けをしていって、そこでいろいろな議論の行き道を心の中に刻み込んで帰ってくる、そうしてその記録を作っておる、こういう道をとっております。なるほど記録は作りますけれども、その記録はすぐどこに持ち出そうというわけじゃございません。やはり消極的な注意深い中立性を守る立場でございます。  それから次に、大よそ国会の動きを察しておりまして、今はまだお尋ねはないけれども、しかし、こういう方向に将来問題が起るかもしれないというと、そのときに手をこまぬいて答えられぬというのでは困ります。その面におきまして、人間としての力を養っておかなければならぬということで、おのおのの人が、主たる仕事は質問に応ずるのでございまするが、余力があれば、常に基本的な調査をする、こういう立場でやりておりまして、それの一つの例は、世界の憲法の成文を翻訳するというようなことは、これは私の方ばかりでやっておるわけではございませんけれども、やはりこういうことはきっと問題になる、だから、平素からこれはやっておくべきものであるということでございまするし、それから外国のいろんな新しい情報の資料、つまり新聞、雑誌でございまするが、そういうものもなるべく手っとり早く日本に持ってきておくようにする、あるいは東南アジアのいろいろな事情につきましても、いろいろな資料を整備をする、こういうことをやっております。これは受け身といえば受け身でございますけれども、いつでも必要に応じて活動し得るようにするようにするという積極的要素を備えた消極的態度をとっております。それを一歩出るようになると、どうも国会図書館はたたきつぶされる、要するに、政治のある部門の手足じゃないかということでつぶされるのではないかというような気がするのでございますが、ここのところは、初めから実は苦労して、最も注意深くやっておるところでございます。その結果においてなまけるということは、どうもこれはほんとうに痛い……、ものの両面をうまくやるということは困難でございますが、しかし、そんなになまけてはおりませんので、リファレンスにときどき出ておって、ごらんになったかもしれませんけれども、内輪からひいき分に批評したのでございますが、かなりかたいむずかしいことが書いてございますが、あれを見ておりますると、相当成長しつつあるという気がいたしまして、まあ幾らか安心をしておりまするが、そこでそのなまけるということは、これはどうもよほどよく気をつけて反省しないと防ぎ得ませんので、私はみずからその非難を受けるということはよく理解しております。だからして、一生懸命勉励いたしまして、そういうことの起らぬようにしたいと思っております。それから、そのなまけるのを防ぐというのを、よそに力を求めるというのは、まことに卑怯なようでございまするが、元来がお尋ねを受けて答えるということでございまするから、お尋ねがうんとあれば、それはもうなまける余地も何もございません。精も根も尽きて、ただ命からがらに調査をやる、こういうところにいきましたらそれは理想的であろうと思います。で、実際に調査の御依頼、露骨にはお客がつくと世間の言葉で言うのですが、これは、ふえればふえるほど中の機能はよく充実して動いてくるわけでございまして、いつもそれを念願しており、いろいろな手を尽して、なるべく、いわゆるめんどうでもかまいません、そういう調査の御依頼を受けて、正確なお答えを出すという方にも努力しておりまするが、まだどうも少し余力が残っておるようでありまして、その点は、かつ反省し、かつまた、よろしくお願いをしたいと思っております。
  45. 中田吉雄

    ○中田吉雄君 最初にも申しましたように、大へんお世話になっておるので、いろいろあまり言いたくもないのですが、また、なまけているというようなことは申しませんから、その点は、一段と機能を発揮する工夫いかんという質問ですから、三宅坂のドイツ大使館跡が国会図書館の用地になるということがきまった当時ですから、国会に勉強しない議員が多いのに、図書館が必要だろうかという意見も強くあったことは知っています。まあそういう中に今日まで進捗してきましたことは、非常にうれしく思うのですが、私は、先に言われました、国会事務局、図書館等が、各党各派を含む国会の機構として、政治的な中立性を厳に守るということは、これはもう不可欠な要件です。しかし、十分国会の各党各派に、超党派で十分な理解と協力を得て、また、国会をかさに着ての大蔵省との折衝でなしに、やはりもう少しスピードアップして、早く完成して、国会、余力があれば国民に、図書館を早く利用させるような工夫は、私はされてもいいのじゃないかと……。まあ公共事業にしましても、建物にしましてもです、大蔵省も、あまり長期にわたるようなことをせずに、手をつけたことは、できるだけ短期にケリをつけるというようなことも方針ですし、私は、その工夫をしていただきますならば、ここまで軌道に乗ったものを、もう少しスピード・アップできるのじゃないかと、こういうことを思うのですが、いかがなものでしょう。
  46. 金森徳次郎

    国立国会図書館長金森徳次郎君) 実は、それはもう私の方は毎日々々祈っておることでございまして、ほんとうは、二、三年前の計画でいきますると、今ごろはある程度目鼻のつくまでできておる予定で、ついこの間までも、二年の間には作ると、こういうような、だれがきめるというのでもございませんが、国会方面の多くの方の助言もございまするし、われわれも、二年間にでき上るという願望を持っているのです。それで、毎年予算を計上いたしまするときも、その方針でやっておったのでございまするが、ことしになりまして、まあことしは、私の方の予算を大蔵省に求めまするときは、二年間に建築ができ上るという予想のもとに金額を計上したわけでございまするが、なかなかそうもいきませんで、先ほどここで問題になりました四億未満の建築費でどうも一人でもがいていても、独走いたしましても、結局ものになりませんので、涙をふるって、三年間にどうぞ作っていただきたいと、こういってお願いしておるわけでございます。私の方にも過失がないとは言えませんが、なかなかこの金が少いというとき、いろいろ勝手な計画をも立てますものですから、それはございますが、何とかして、ぜひとも三年の間にこれができ上って、本格的な活動ができて、まあ世界の中に、役に立つ図書館であると、こう看板上げる必要ございませんが、そういううわさの出るようなことを実は期待しております。まことに恐縮でございますけれども、いろいろと一つ御尽力を願いまして、そんな方向にいきたいものだと思っておりまするが、ただいまのところでは、いろいろほかの既成条件に制限されておりまして、三年間に作ってしまいたい、こういう願を持っております。いずれにいたしましても、どうぞよろしく、おしかりは甘んじて受けますけれども
  47. 中田吉雄

    ○中田吉雄君 まあ、国会図書館にしましても、調査立法考査局、国会事務局にしましても、各省等とは違って、そこに入った職員はみんな図書館長になるわけにもいかぬし、事務総長になるわけにもいかぬし、なかなか栄達と昇進といいますか、世俗的な表現をいたしますと、そういうまあ機会の乏しい、しかも仕事の重要性は非常に高い。こういうのが、まあ特に私は調査立法考査局の職員等の持つ性格だと思うのです。そこで、そういう人を十分長期に安定的におってもらって、そうしてやってもらうということは、なかなか待遇その他特別な配慮も必要だと思いますし、問い合せがあったときに、直ちに答える際には、蓄積をする不断の勉強も必要でしょうし、その辺のかね合いなかなかめんどうだと思うのですが、これはもう少し、私は問い合せに、要望によって答えるということも第一義的には重要ですが、やはりそのときどきの重要な諸問題等を局で検討されたりして迅速に、まあリファレンス等にもっとたくさんの何をして、掲載していただくというようなことも必要でしょうし、これはどうなるんでしょうか。たくさんの質問のあるところと、ないところということになるのですが、その分量によって報酬に影響があるかどうか。この辺のかね合い、なかなかめんどうだと思うのです。全然ない人があって、雑誌に文筆や著作ばかりやっておる。こういうことになると、立法考査局内部でいろいろ問題があるし、その辺の、私もまあさっき申しましたように、栄達と昇進の機会が少いのですから、大いに力量のある人は著作もよかろうし、論策を発表されるのもいいと思いますが、仕事の繁閑によって、一方は国会の要請によって答えなければならぬし、一方は比較的ひまで原稿料の入る、主として、出版、寄稿等がやれるというようなことになったりすると、なかなかここでいろいろな不満といいますか、そういうことも起きたりしないとも限らぬし、その辺のかね合いの問題ですね、忙しさによって、超勤のように、やるような制度にすべきかどうか。それからアメリカの国会では、専門員を党にやはり配属して、二年なら二年、一年なら一年、これは自由民主党、これは社会党、これは縁風会というようにして、一定の期間を限りかえていくというようなことは、それが政党色がつくということで好ましくないでしょうか。そういう点はいかがでしょう。
  48. 金森徳次郎

    国立国会図書館長金森徳次郎君) その専門調査員をどういうふうに動かしていくか、これはほんとうに厄介な問題でございまして、何しろそう知恵と経験の範囲においては、そうほかに類例があるわけではないという、数の少い値打ちを持った方々でございまするからして、これを扱いますときには、相当複雑な標準で扱っていかなければならないような気がいたしますけれども、幸いにして、実情は、そう基礎研究をするひまがなくなるほど忙しいということもなく、また、ひどくひまであって、興味が抜けてしまうというようなこともなく、大体、多少の差はあるにしても、仕事を楽しんで研究しておられるような気がいたしますのでございまするから、今の程度人たちであれば、それは、内部的に基本調査をする、たとえばイギリスの地方制度はどうなっておるかとか、アメリカの国会ほんとうの動き方というものは、どういう仕組みでいっているものであるかというようなことを、こつこつと研究しておられますと、役にも立ち、そしてそれが、その人の生きがいにもなってくるような気がしておりますから、その点は、あまり心配はしておりませんのでございますが、ただ、何かむずかしい点が残っておりまして、ほんとう研究をしてもらう。ある事柄についてまだ日本では解決されていない多くの問題がありまするので、それをいきなり世の中に出せば、政治にも、何か影響を及ぼしますけれども、基礎的に何かやるということは、非常にいいことであるという論点がたくさんあるわけでございます。私どもに二十三人の専門調査員がおられますけれども、大体おのおの一人一芸と申しまするか、特別な能力を持っておられまするから、これを生かして、経験を豊かにしていけば、まず、よそには類のない、一つの調査組織になるものかと思っております。  それで、先ほどお話にございました、専門調査員を各政党に派遣をして、二年なり三年なり、そこで仕事をするというふうにしたらどうかということでございました。これは、ほんとうにうまくいけば、それも一つの工夫かと思います。実際の場面の経験がないと、専門調査というものが空に浮いてしまいますから、何しろきわどい仕事ですから、ほんとうに生きたものに触れなければなりませんから、そういう道があることは、一通り考えられますが、しかし、アメリカの制度がどうなっておりますか、私は、詳しいことはそう存じませんが、まさか政党には派遣していないのじゃないかと、ただいま国会の中の立法に関する委員会に、若干の人を派遣いたしまして、そこの職員として仕事をするというぐらいの程度であって、色彩が強くなるようなところまでは、いっていないのじゃないかと私は思います。ほんとうはよく知りませんけれども、そう思っております。日本でもやはりそういうような御希望が多少ございまして、ある政党で今研究しておられる問題について、参考意見を比較的ひんぴんとするために人間を派遣してくれないかと、こういうようなお考えは時折耳にいたします。それが悪いとも何とも言えませんのでございます。しかし、それが誤解を受け、場合によっては行き過ぎがあって、全体の審議をこわすのじゃいかというような心配もございますので、よくよく見きわめをつけまして、これはそういう特殊な、政治に影響を持つことがないと確信をした場合に、ある非常に特殊なことに、そこに力こぶを入れて関係をするというようなことは、事実上認めておりますが、こんなところからだんだん考えていきましたら、そのうちによき習慣ができまして、宝の持ちぐされじゃつまりませんので、よくよくこれは活用のできるようになっていけるだろうとひそかに信じて、その気持で動いております。そのほかに、平素学理論文を作るということがいいとは限りませんけれども、ものは興味の置きどころがないと、ほんとうに生きた仕事をするわけにはいきませんので、人間、学問的なものは、よほど時間をこちらにさいて研究するように、こういう助言はいたしておりますが、まあこのくらいのところでございます。
  49. 中田吉雄

    ○中田吉雄君 私、正確ではないと思うのですが、聞いているのでは、アメリカの専門調査員の一部は、これは共和党、これは何というようなのがあるということを聞いていますものですから。
  50. 金森徳次郎

    国立国会図書館長金森徳次郎君) 調べてみます。
  51. 中田吉雄

    ○中田吉雄君 これは微妙な問題ですから、研究していただきたいと思うのですが、これはずっと将来の問題ですが、三宅坂ができ、今国会の四階ですか、図書館の出先があって、はなはだ三宅坂や赤坂と連絡していただいたりするのに便利で、非常に世話になっているのですが、そういうあそこに行っちゃえば、もうこっちは取り払って――ずっと先のことですが、私はあそこにできると思う。非常にそこに行けば三宅坂、赤坂、すぐ連絡していただいて、非常に便利になるのです。そういうことも一つ考えていただき、希望として、三年という、これまでにいきさつもあるでしょうが、もう少しスピード・アップして、早く間に合うようにしていただくことを希望いたしまして、私の質問を終ります。
  52. 一松定吉

    ○一松定吉君 矢嶋君や中田君の御質問によって、大体のことは理解もいたしまするし、館長のお考えよくわかりましたですが、ただ私は国立国会図書館が、あまり国会議員によって利用されていることが少ないのじゃないかということを憂慮している。中田君、矢嶋君等はずいぶん利用していらっしゃるようでありますから、それはそうであると思う。議場において質問することが材料豊富、そのお説の根拠確実であるというような点から見ると、国立図書館の機能をもって十分に御研究を重ねられていると思うのですが、そうでない国会議員は、ほとんど図書館のあることまで――知っちゃいるでしょうけれども利用するということが少いように思うのですが、これを十分に国会議員をして利用起しめるような方法について、何かお考えがありますか、一つまず伺っておきたい。
  53. 金森徳次郎

    国立国会図書館長金森徳次郎君) 実際今おっしゃったようなところから、そういう施設が、やはり議会関係の何人の質問に応じても、とにかく努力してお答えするという、こういう機能がほんとうによく知られていないということは、事実でございまして、私、人の名前を言うことはいやですけれども、衆議院の、今じゃございません、過去の衆議院の議長でもあり、政府中心人物であった人が、あるとき私に、一体国会図書館てどこにあるのだと、こう言って聞かれましたので、それはどうやらえらい不注意だと言って、笑ったことがございますが、事実そういう面がたくさんございまして、それはつまり私の方が、マス・コミュニケーションと申しまするか、一般に向って周知をはからなかったということの一つの弱点でございまして、これは国会図書館ができた当時は、少しそれをやったのですけれども、そのうちになれてきますると、知ってる人は知ってるだろうと、こういうようなことで安心して、まことにその辺は行き届いておりません。まあ、新しい選挙のあととか何かでは、薄い印刷物をこしらえまして、新しい議員の方にお配りして、こういう任務を持っているということはお知らせし、また、機会があれば、今ならばそこの分室の方に、若干の方においでを願って、何かとやり工合をお耳に達する、こういうこともやっておりますけれども、何しろそれはそういう宣伝が足りないということは事実でございまして、今後とも何とかしてその方面を拡張して、周知させたいものと思っております。
  54. 一松定吉

    ○一松定吉君 実はかく申す私などが、もう図書館利用したということはほとんど近来はないような有様で、はなはだ自分から恥じておりますが、国会議員をして図書館を十分に利用せしむるという方法については、館長の言われましたように、私は内外の著書、これらの点について世人が注目をするような記事、論説等を、これをよく国会議員が一目理解できるように、図解とか、表だとか、解説書だとかいうようなものを簡単にこしらえて、これをそのつど国会議員あたりにずっと冊子でもごく簡単なものをこしらえて、配付するというようなことにでもすれば、ああなるほどこういうような問題があるのか、これはこう解釈するのか、これについては図書館に行って調査すれば十分わかるなというように、直ちに国会図書館利用しなければならぬという知識を与えるような方法をおとりになるということが非常にいいと思うが、今館長お話ではときどきあなたの方から印刷物がわれわれの手に回りますが、あれではまだ少い、もう少し外国並びにわが国における著書のうちで、国会議員の立法その他に参考となるような事柄であり、外国の立法例、外国の先例等をあまねく容易に理解のできるような方法で知らせるという方法をおとりになるということが、私はまず国会議員が図書館利用しなきゃならぬ、図書館利用すればこれだけの効果があるということを周知せしむるようにすることが必要だと思うのですが、その点について、いま一度一つ意見を。
  55. 金森徳次郎

    国立国会図書館長金森徳次郎君) 今お話になりましたことは、実は私どもも平素考えておるのでございまして、現在のところ、いろいろな定期の印刷物をこしらえておりますが、その中にリファレンスという印刷物がございまして、これはわれわれの方で考えるやや重要な問題をやや長ったらしく――長ったらしくというと語弊がございますが、短かいながらもまとまりのついた形において印刷に付して、これは配っております。ただこれは、一月に一冊百ページ弱のものでございますが、だいぶ程度の高いというか、比較的目新しいこと、実際に役に立つ目新しいことを書いております。まあその程度でございまして、そのほか今お話になりました外国の書物の中の日本に役に立つ重要なものを簡単にとりまとめて、そうして印刷して配ったらいいかというお話は、私の方も何かこれを実行したいと思って考えておりまして、いつも印刷費ですっかり行き詰まってしまいまして、図書館の公報とか、あるいは場合には国会の方の公報の末尾にでもある程度載せていただくかということも考えておりますが、ないものは何とかするたとえのように、印刷費がないのであります。印刷費さえあればかなりこの解決ができるように思っておりますが、いろいろの方法で、一つこれから考えたいと思っております。どうも御注意よくわかりました。
  56. 一松定吉

    ○一松定吉君 今館長お話のようなことを一つぜひ実行していただきたいのでありますが、それについては予算が必要だ、ごもっともであります。私はそういうことの予算ばかりでなくて、国会議員が図書館に一走りすれば直ちに調査ができるような資料を手に入れることができるというようにし、また、図書館に行けば専門調査員によって自分の知識の足りないところは補充することができるということを国会議員が認識すれば、図書館というものの非常に必要を痛感すると同時に、図書館に対しては相当制度をしなければならぬ、図書館に対して人員をふやさなければならぬ、それについては予算をどこまでふやさなければならぬというようなことに国会議員自身が進んでこれに協力するという態勢ができようと思う。どうか一つ、そういうように御尽力ありたいことを特にお願いをいたします。  そこで、国会議員が図書館をそういうように利用するということになりますると、私は図書館の調査員というのは、今お話になった二十三人ぐらいでは足りない、私は三十人も百人も置いて、外交問題はこれだ、憲法問題はこれだ、行政はこれだ、経済はこれだ、税制はこれだ、商業はこれだ、農業はこれだというので、直ちに図書館に走れば自分の研究するような資料が簡単に調査研究ができ、知識を護得することができるというようにするのには、それに応ずるだけの専門家を採用して、そうして常に、常時研究せしめておくということが必要だ、そういうことについては十分に予算を取らなきゃならぬ、その予算を取るのについては、国会議員が今申しましたような図書館利用することによって非常に得るところが多い、図書館というものは、われわれ政治生活には一日も欠くことのできない場所だということを深く認識すれば、そういうようなことについては予算の出し惜しみということは当然私はなくなることであろうと思いまするが、そういう点についての館長の御構想を一つ御発表願いたい。
  57. 金森徳次郎

    国立国会図書館長金森徳次郎君) 初め図書館を作りまするときに、これはまあ法律できまったのでございまするが、私どもが自分で解釈をして理解しておったのは、一体国会というものは、人のおぜん立てを食って法律を作るものでなくて、自分で考えて、自分の判断をもって法律を作るべきものである、それでこそ立法府といえるものである、これが一番着想の根本でございまして、しかし、自分で法律の案文まで持っていくということは、それはいい手足がなければなりませんので、そのときに一番公平な知恵袋、つまりそこからはどこをたたいても一方的な意見は出てこない、ただ確実な事実と、事実に基いた意見と先例というものが出てくるような調査部局をこしらえなければならないということが一番初めの骨子であったわけでございます。この行政官庁にも調査の職員はたくさんあるのでありまして、これを調べたらその調査職員の数というものは非常な、万をもって数えるほどたくさんあるに相違ございませんので、在来の政府というものは、在来というのは新しい憲法以前の政府というものは、そういう多くの調査職員によって作られたものを基礎にして、そうして国会はこれを高い立場で批判をする。まあ露骨にいえば、のむかのまぬかということをきめると、こういう行き道であったために、これは民主主義にほんとうに切りかえた日本ではおもしろくない。だから自分でまず荒い材料のときに国会の方々が是非善悪を判断しなければならぬということで、とにかく国会図書館にはそういう基礎資料を作るべしという欲求があって、それがこの制度に盛り込まれたと思っておるわけでございますが、しかし、まあ当初のころはできたばかり……、一片の法律ができたけれども、中身がほとんど充実いたしませんで、まあ三年ばかりたちますうちに、ちょうど日本の議員団の方々がアメリカの方へ初めて合計十人ばかりでおいでになりまして、向うをよく回って見て、なるほどそういうふうに国会の権威を高むるために、国会みずからがよき知識の資料を得やすいようになっておるということをまあごらんになりまして、それから図書館にもそういう人をふやせといって大いに支持を与えて下さったわけであります。私どもも待っておったというようなわけで、そのときに若干人をふやすことができまして、これはまあ相当の人数がふえたわけでございます。しかし、そのときにやりましたのは、いわば中堅層と申まするか、あまり上の方じゃない、まあ人間にたとえますると胴体に当るようなところをふやしたわけでございます。その頭になる方はどうかというと、初めは用心深く、あまり乱に流れては悪いというわけで、五人ばかりしか、つまり私の方でいえば専門調査員でありますが、五人ばかりしか考えておりませんでしたが、そのころからでございましょう、これを九人にふやすことができて、荒っぽいやり方ではございまするが、一わたり各種の専門家ができるということになりました。これが国会図書館が調査の方面で一つの光を発見したという第一の段階でございます。  かくしておりまするうちに、私の経験では、その調査機関というものはどうしても堕落、腐敗の、言葉は少し悪くございましたが、つまり何かこう睡眠状態になりマンネリズムになっていくという傾向がございましたので、あまり人をふやすというとそれになってしまうからというので用心をしておりました。一両年前に、国会の方から四人の高級なる職員を譲り受けまして、つまり専門調査員的の方を譲り受けまして、これでまあ各部門々々の知識はある程度充実できました。それからまた、それを助けるふうの職員もまた特にふえまして、まあ数だけでいうと、相当な数になるわけでございます。このくらいできたら当分安心で、そう調査に不自由もしないだろうと思っておりましたら、今度また時代というものは進歩するものでございまして、この調立の百数十人の、ちょっと今はっきり数字を覚えておりませんが、百数十人ばかりの人々の手ではとてもこなし切れなくなってしまった。ひまなときはひまですけれども、必要なときになりますと、こなし切れなくなって、夜も日も寝ないで働くということになり、これは全体の空気としてはまことに喜ばしいことであると実は思っております。これに対する業績が上る。外国のことも何も知らないで、外国の制度を批評するということは、ちょっと心細いことでございますが、やっていると不思議なもので、やはり日にちの経過に従ってなかなかいい調査ができるようになりました。こんな調子でございますから、漸次いい人を採用して、これは一ぺんにはできませんので、やはり一人か二人と限定した数でなければとてもいい人は来てくれません。まあそうかといって、一生懸命はやっておりますが、御尽力によりまして、予算を少し――少しといってはおかしいのですけれどもほんとうは心あり余って力足らずという姿でございまして、私ども努力をいたしまして、早くいい結果をもたらしたいということです。  この専門調査員だけは、従って独立して意見が言える程度に知識と経験を持った人ができて参りました。何しろ若い人という者は経験がない。書物からは知恵が出てきますけれども、実物を見たことがないという、その政治の実情を見たことがないという人が多いものですから、これをどうやったらいいか、今考えておりますのですが、だんだんその方に向っていくものと思っております。
  58. 一松定吉

    ○一松定吉君 だんだん館長の御意見はわかりまして、私も非常に喜んでおりますが、要するに国会議員の、衆議院四百六十七人、参議院の二百五十人の者が、常に立法、予算等関係して諸外国の先例を知るとか、あるいは世の中の風潮を察するとかというようなことについて十分の知識を得れば、むろんむだがなくなって、そうして非常に審議も促進し、いい法律ができ、いい予算の設定ができるということになることは、これは言うまでもないことでございます。でございまするから、私は図書館に行けば直ちに材料が得られ、図書館に行けば直ちに自分の不知な点が明らかになり、図書館はわれわれの最もいい先生である。あそこに行って知識を得ようということになってくれば、非常に私は国会議員の知識も発達し、立法についても外国の先例を十分取り入れて、適正を得た法律等もできようと思うのでございまするから、それにつきましては、今、館長が仰せになったような方針でもって徐々にお進みあらんことを特にお願いしておきます。  それから、専門調査員を、今申し上げまするような趣旨に沿うようになるのには、やはり外国語を、しかも英語とかフランス語とか、ドイツ語とか、イタリア語とかという外国語に通じている人が相当にいないと、なかなかそう思うようにいきませんから、この調査員の採用についても、そういう点について一つ御考慮をされて、ほんとうにわれわれ国会議員の理想としておるような図書館をおこしらえになって、そうして一つ十分に国会議員の知能を啓発していただき、また一面には、国民の知識の啓発に御協力あらんことを特にお願いしておきます。  それ以外の点は、もう中田君やその他の委員から尋ねましたから、私は言いませんが、特に私が今申し上げましたような趣旨に従って、図書館予算をだいぶ大蔵省は削るというようなことがここにあるのですね。図書館の予定の経費要求額は七億七千九十五万四千円といううちから、三百三十四万一千円を減少したというようなこと、こういうようなことが、やはり、今私が申し上げたようなことが、予算審議に関係がある人々の頭に十分に詰められていないがために、図書館というものの予算をどうも軽視したような疑いがなきにしもあらずですから、こういう点については、一つ予算関係ある方面においても十分に考慮せられて、今、館長の言われたような目的を達成するのに必要な予算はどしどし支出するように一つ御考慮あらんことを特にお願いしておきます。  そこで最後に、この三百三十四万一千円というものを削ったのはどういうわけか、そこだけを説明してくれたまえ。
  59. 上林英男

    説明員(上林英男君) 国立国会図書館予算が前年度に比較しまして約三百万円程度減額になっております。理由は、図書館建築費が昨年度は四億でございましたのが、今年度三億七千万で、三千万程度減額になっておるためでございまして、その他の費目では憎加いたしておりますので、差引三百万円程度の減少になったわけでございます。  しからば、なぜ国立国会図書館の運営費が、今問題となっておりますような状況であるのに減額になったかということでございますが、三十二年度は四億円計上いたしましたわけでございますが、御存じのように、今年度、三十二年度におきます国際収支の改善の対策の一環といたしまして、官庁営繕等の繰り延べをいたしましたわけでございます。そのために三十二年度予算四億のうち九千六百万円を三十三年度へ繰り越しをして使う、こういうことにいたしましたわけでございます。従いまして、三十二年度の四億の予算のうち三億六百万円の工事をいたすということになるわけでございます。それを勘案いたしまして、三十三年度は三億七千万円の予算を計上いたしましたが、実質上は今申しました九千六百万円の繰り越しがございますので、合計いたしますと四億六千六百万円でございますから、約四億七千万に近い工事を三十三年度はいたすということに相なっておるわけでございます。
  60. 一松定吉

    ○一松定吉君 今さら減少しておることを復活して云々なんか言う余地、時間もありませんから言いませんが、今われわれが館長と質問応答したような精神を十分おくみ取りになって、来年度からは一つ図書館に関する予算については十分に考慮して、今、図書館長の言われたような目的を、予算のために制限を受けることのないように御考慮あらんことを、特に予算関係にある大蔵大臣はもちろん、その他の方にもよくお話しになって、その目的が一日も早く達成するよう御協力あらんことをお願いいたしまして、私の質問を終ります。
  61. 石坂豊一

    主査石坂豊一君) お諮りいたします。  これにて本分科会の審査を終了することに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  62. 石坂豊一

    主査石坂豊一君) 御異議ないと認めます。  なお審査報告書の作成及び委員会における主査の口頭報告の内容等については、これを主査に御一任お願いいたしたいと思いますが、御異存ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  63. 石坂豊一

    主査石坂豊一君) 御異存ないと思います。さように決定いたしました。  それでは、これにて散会いたします。    午後零時八分散会