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1958-03-20 第28回国会 参議院 予算委員会第一分科会 第1号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和三十三年三月二十日(木曜日)    午後二時四十八分開会   ————————————— 三月十八日予算委員長において、本分 科担当委員を左の通り指名した。            石坂 豊一君            泉山 三六君            大川 光三君            後藤 義隆君            高橋進太郎君            一松 定吉君           小笠原二三男君            亀田 得治君            坂本  昭君            岸  良一君   —————————————   委員の異動 三月十九日委員高橋進太郎辞任につ き、その補欠として下條康麿君を予算 委員長において指名した。 本日委員小笠原二三男辞任につき、 その補欠として中田吉雄君を予算委員 長において指名した。   —————————————  出席者は左の通り。    主査      石坂 豊一君    委員            泉山 三六君            大川 光三君            後藤 義隆君            下條 康麿君            一松 定吉君            坂本  昭君            中田 吉雄君   政府委員    皇室経済主管  高尾 亮一君   —————————————    最高裁判所長官    代理者    (経理局長)  岸上 康夫君    最高裁判所長官    代理者    (経理局主計課    長)      上野  宏君   事務局側    参     事    (事務次長)  宮坂 完孝君   衆議院事務局側    参     事    (庶務部長)  知野 虎雄君   裁判官弾劾裁判所事務局側    参     事    (事務局長)  隈井  亨君   国立国会図書館側    参     事    (管理部長)  山下 平一君    参     事    (調査及び立法    考査局次長)  戸引  達君   説明員    宮内庁長官官房    主計課長    瀬戸山孝一君   —————————————   本日の会議に付した案件 ○正副主査互選昭和三十三年度一般会計予算内閣  提出衆議院送付) ○昭和三十三年度特別会計予算内閣  提出衆議院送付) ○昭和三十三年度政府関係機関予算  (内閣提出衆議院送付)   —————————————    〔年長者石坂豊一君仮主査とな る〕
  2. 石坂豊一

    ○仮主査石坂豊一君) ただいまより、予算委員会第一分科会を開会いたします。  本院規則第七十五条により、年長のゆえをもちまして、正副主査の選挙の管理をさせていただきます。  これより正副主査互選を行います。互選方法につきましてお諮りいたします。
  3. 一松定吉

    一松定吉君 主査あるいは副主査は、互選方法によらずして、私、動機提出いたしますからして、御賛成願います。主査には石坂豊一君を、副主査には亀田得治君を推薦する動機提出いたします。
  4. 下條康麿

    下條康麿君 私、一松君の動議に賛成いたします。
  5. 石坂豊一

    ○仮主査石坂豊一君) ただいまの一松君からの動議提出されましたが、これは御異議ないようですから、これで決定してよろしゅうございますか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  6. 石坂豊一

    ○仮主査石坂豊一君) それでは主査石坂豊一、副主査亀田得治君を決定いたします。   —————————————    〔石坂豊一主査席に着く〕
  7. 石坂豊一

    主査石坂豊一君) それでは続いてただいま皆様の御推薦によりまして、私が主査をやることになりました。何とぞ御協力をいただきたい。  これより分科会運営を行なっていきたいと思いますが、審査に入るに先立ちまして、議事の進め方についてお諮りいたします。  当分科は、昭和三十三年度一般会計予算同時特別会計予算、同政府関係機関予算中の皇室費国会裁判所会計検査院内閣総理府、そのうち調達庁、防衛庁、経済企画庁、科学技術庁を除きました部分、及び法務省所管並びに他の分科に属せざるものを審査することになっております。日程といたしましては、本日は皇室費国会及び裁判所を審議いたします。三十四日月曜日、午前十時より、会計検査院内閣総理府、それから二十五日、火曜、午前十時より、法務省その他他分科所属外事項について審査を願うことにいたしたいと思いますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  8. 石坂豊一

    主査石坂豊一君) それではさように審査をすることにいたします。  ちょっと速記をやめて。    〔速記中止
  9. 石坂豊一

    主査石坂豊一君) 速記をつけて。  ただいまの懇談において御異議がないようですから、これより審査に入ります。  まず、昭和三十三年度一般会計予算、同特別会計予算政府関係機関予算中の皇室費議題といたします。政府より説明を願います。
  10. 高尾亮一

    政府委員高尾亮一君) 昭和三十三年度皇室費歳出予算について、その概要説明いたします。  木歳出予算に計上いたしました金額は、三億八千二百二十一万四千円でありまして、その内訳は、内廷費五千万円、宮廷費三億一千八百七十一万四千円、皇族費一千三百五十万円であります。  これを前年度予算に比較いたしますと、四千四百四十六万円の増加となっております。  そのおもなるものについて、事項別に申し述べますと、内廷費は、天皇皇后両陛下を初め、内廷にある皇族の日常の費用その他内廷諸費に充てるための経費でありまして皇室経済法施行法に規定する定額を計上いたすことになっておりますが、本年度は、前年度に比較いたしまして一千二百万円の増加となっております。これは、内廷費定額三千八百万円を本年度において五千万円に増額改定することを予定いたしているのによるものでありまして、これに伴う皇室経済法施行法の一部改正法律案は、今次国会提出いたしております。  宮廷費は、内廷費以外の宮廷において必要な経費を計上したものであります。  その内容といたしましては、従来と同じく皇室の公的御活動に必要な経費約三千八百万円、その他皇室用財産管理等に必要な経費約二億八千万円であります。  三十二年度予算二億九千百二十万四千円に比較いたしますと、二千七百五十一万円の増加となっております。  そのおもなる増加の理由は、二カ年度にわたる東宮御所新営費の初年度分約八千八百万円を計上いたしました反面、外国元首使節等接伴関連し、仮宮殿改装並びに儀典に必要な経費約六千百万円が前年度限りの経費でありますので減額となっております。その差引増によるものであります。  皇族費は、皇族としての品位保持の資に充てるための秩父、高松、三笠の三宮家に対する経費で、皇室経済法施行法に基く定額を計上することになっておりますが、前年度より四百九十五万円の増加となっております。  これは、内廷費と同様に定額の改定を予定いたしておりまして、年額算定基礎となる定額百九十万円を本年度から三百万円に増額改定することによるものであります。これに伴う法律改正案は、今次国会提出いたしております。  以上をもちまして、昭和三十三年度皇室費歳出予算概要説明を終ります。  よろしく御審議あらんことをお願いいたします。
  11. 石坂豊一

    主査石坂豊一君) どうぞ御質疑のある方は、順次、御発言願います。
  12. 下條康麿

    下條康麿君 二、三皇室費についてお尋ねいたしたいと思います。  まず最初に、仮宮殿改装になりまして、相当な御修理になったことは私存じておりますが、前々から問題になっております皇居の御造営というようなことについては、今どんなようにお考えになっておりますか。もし何か計画でもおありになればお示しいただきたいと思います。
  13. 高尾亮一

    政府委員高尾亮一君) お答え申し上げます。皇居の新営につきましては、実は今年度とそれから三十三年度、二カ年度にわたりまして調査をいたすことになっておりまして、三十二年度予算は、予算的に申しますと、主として外国宮殿等設計規模等調査するために職員を出張いたさせました出張旅費がおもなるものになっております。この三十三年度におきましては、三十二年度調査いたしましたものを本格的に取りまとめまして、基礎設計と申しますか、基本的な計画を一応事務的にまとめ上げるという年度になっておりまして、そのための経費として約五百五十万円を計上いたしております。  実務の方から申しますと、庁内にこれに関連いたします協議会を昨年の四月から設けておりまして、将来の儀式を行ないますその儀式規模それから招待される者の人数、それに必要な所要部屋数、それから付属の施設、そういうものを毎月定例に審議いたしまして参っておりますが、本年度からは、その審議に基きましたもの、それから三十二年中に集めました資料、そういうものを基礎にいたしまして、ごく荒いものでございますが、青写真までこしらえてみたい、そういうことで、三十三年度末には一応事務的な宮殿計画案というものを作成する予定になっております。
  14. 下條康麿

    下條康麿君 三十二年度中に集まるべき資料は大体集まったと認めてよろしゅうございましょうか。
  15. 高尾亮一

    政府委員高尾亮一君) さようでございます。ただし今年度も並行していたしておりますから、資料としては、この三十三年度に入りましてさらに集まっていくものがあると思いますが、基本的な資料としては大体集っております。
  16. 下條康麿

    下條康麿君 そういたしますと、先ほどおっしゃったように三十三年度末には必要な設計がおできになるというお話ですが、その通り実行できるわけでございましょうか。
  17. 高尾亮一

    政府委員高尾亮一君) これは設計をそのまま、将来宮殿を具体化いたしますときに、そのままできるとは実はわれわれも考えておりませんでございます。ただ将来いよいよ国家の大きな事業として宮殿を実現するということになりますれば、もとよりわれわれの事務的な案というようなものよりも、もっと大きな見地から、各方面から御審議いただかなくちゃならぬと思いますが、その際の一つの基本的な材料の一つ、そういう意味の設計ができ上るというふうになりますのでございます。
  18. 下條康麿

    下條康麿君 この設計はできるだけ三十三年度中に完成をみまして、早い時期に皇居を御造営になることを私は非常に期待いたしておる一人であります。大体金額はいずれまた設計に基いてきまる問題でございますが、時期は、いつごろまでに皇居を御造営になりたいというような大体のお考えは伺えましょうか。
  19. 高尾亮一

    政府委員高尾亮一君) 現在のところ、その時期については全く白紙と申し上げた方がよろしいかと思います。われわれといたしましても、なるべく早い機会に、ということは現在外国使臣接待等で非常に不便をいたしておりますし、思う通り国内儀式も行なえない状況でございますので、大へん切望はいたしておりますけれども、何分にも国の大きな方針とも関連いたします問題でもありますので、現在建設いたします時期は白紙と申し上げるよりほかないような気がいたします。
  20. 下條康麿

    下條康麿君 私は重ねて、すでに終戦後十年以上経過いたしまして、諸所に相当なりっぱな建築ができつつある今日、国家象徴としての皇居が今のままに過されることは国民の一人としてたえがたいように考える。できるだけこの調査を促進せられまして、なるべく早く独立国家としてふさわしい皇居が御造営になることを念願いたしまして、特にその点については御努力正願いたいと思います。  それからそれとは関連ない別の問題でありまするが、終戦後、今申し述べたように十数年経過いたしまして、国家象徴としてのいろいろ諸般の御儀式も、むろん宮殿設備の制約はあるところと思いますが、たとえば屋外で催されるような祝典とかあるいは宴会というものは割合自由にできるのじゃないかと思う。問題は、その宴会をお催しになる経費の問題と思いますが、たとえば具体的に申しますと、戦争前には、観桜、観菊の御宴があったのであります。現在は十一月三日の文化の日にお催しがありますだけでありまして、春の催し天皇誕生の日に宮殿で僅かな方が招待を受けますだけであります。やはり春、陽春の候をトして一回だけではなかなか功労者がお召しにあずかる機会が乏しいのでありますから、もう一度くらい春にそういう御儀式をお開きいただきまして、そうして国家象徴たる天皇とわれわれとの接触、またその光栄に浴する者の感激というものも社会的効果があると思いますので、そういうことについてはさらに回数をおふやしになるということについてどういう考えを持っておいでになりましょうか伺いたいと思います。この経費関係あるものですから。
  21. 高尾亮一

    政府委員高尾亮一君) ただいまのお話まことに私どももごもっともに存じておりまして、実は園遊会——現在は秋のころに一回だけ行なわれておるのでございますが、でき得べくんば春秋二回は少くとも園遊会を行うようにいたしたいという希望を持っておりまして、実は予算春秋二回の計画で組んでおりますのでございます。ただいよいよ実現の段になりますと、現在まだ少し早くないかという御意向などもございましたので、現在は春やるべき園遊会を秋にまとめてやっているような次第でございまして、予算としましては、実は春秋二回行うことで考えておりますので、将来におきましては春秋二回にいたしたいというふうに考えております。
  22. 下條康麿

    下條康麿君 ぜひ今お考え通り予算にもあることでもありますし、広く功労者をお招きになりまして、今申し述べたような感激にひたるような場面を出していただくようにぜひお願いしたいと思います。  それから宮廷費内訳でありまするが、公的な御活動必要要経費が三千八百万円、それでこれが前年との比較はどんなふうに増額になっておるのでしょうか。
  23. 高尾亮一

    政府委員高尾亮一君) お答え申し上げます。宮廷費の大体の公的な御活動とここで申しましたのは、儀典費、それから接待費、それから行幸経費、大体そういう要素を持っておりますのでございますが、その一つずつについて申しますと、儀典費は前年度一千二百五十万七千円になっておりますが、三十三年度は一千五十二万五千円となっております。約二百万円の減を来しておりますが、これは設備に必要な、たとえば食器類とがいろいろなものの購入が前年度済みましたものですから、当然経費として落ちております。  それから次は、接待費でございますが、接待費は、前年度は三百四十九万一千円、本年度は二百八十九万一千円、これも約六十万円の減額となっておりますが、これも所要見込みが減りましたものをそのまま落としました経費でありまして、経費の上では当然減のものだけを落としております。  それから行幸経費は前年度同額に八百四十一万円を計上いたしております。  大体そういうことでございます。
  24. 下條康麿

    下條康麿君 器物御購入等関係で、必要なくなったので落ちたことはわかりますが、この費用が私ども、常識から判断しまして相当な規模儀典が行われたりいたしますと、一千万円程度のことで、これでおまかないになり得るのかどうか心配になるのです。それから接待関係も始終見ておりますと、なかなか数多くありますのですが、わずかに三百万円というようなことで、民間の会社等の実例から見ますると、あまりにも少いのじゃないかというような感じを持ちますので、これで十分であるというお考えでありましょうか、その点あるいは予算関係があって、不十分だけれども、一応この程度にしておくと、こういう趣旨かと実は見ておるのですけれども、その点をはっきりと伺いたいと思います。
  25. 高尾亮一

    政府委員高尾亮一君) まことにごもっともでございますが、実はこの接待費と申しますのは、経常的な外交団とか、そういうものの接待を主として考えておりまして、近く来朝予定されておりますイラン国王とか、先般おいでになりましたエチオピアの皇帝とか、こういうような場合の接待に関する費用予備費をもってお願いいたしまして、支弁をいたしておりますので、大体ここに書きました接待費と申しますのは、経常的な接待費でございます。特別な大きな客につきましては、そのつど予備費を要求いたしまして処理をいたしておるわけであります。
  26. 下條康麿

    下條康麿君 儀典費は。
  27. 高尾亮一

    政府委員高尾亮一君) 儀典費は、これは大体普通の儀式費用でございまして、特別に新しい儀式を行うということも考えられますので、先ほど申しましたように、器具とかその他の必要が満たされれば大体標準的にいれていかれるあれでございまして、たとえば立太子礼とか、それから御結婚式とかそういうような特別な常にない儀式が行われますれば、先ほど申しました外国元首来朝と同じように別に予備費をもって処理するつもりでおりますです。
  28. 下條康麿

    下條康麿君 今皇太子の御結婚の問題が出たのでありますが、そういう関係で相当な金額がお要り用だと思いますが、そういう場合には何か補正予算でもお出しになるのでしょうか、やはり予備費の中からお繰り合せになっていくことになりますか。
  29. 高尾亮一

    政府委員高尾亮一君) これはその儀式の行われます時期によると思いますが、普通の経常予算に計上し得る時期に計画が確定いたしますれば、もちろん経常予算に計上いたしましてお願いするつもりでおります。しかし今までの例ではなかなかまぎわまで計画がいろいろ確定いたしませんので、予備費をもって処理しておる例の方が多うございます。
  30. 下條康麿

    下條康麿君 皇太子結婚についての準備の費用が何か予算上において現われておりましょか。
  31. 高尾亮一

    政府委員高尾亮一君) 現在の予算には全く御結婚についての予算的な面からの事柄は現われておりません。ただし先ほどにも御説明申し上げましたように、東宮御所新宮費、これが三十三、三十四両年度にわたって作られますのですが、これは東宮御結婚関連をいたしておると御了解願ってけっこうです。
  32. 下條康麿

    下條康麿君 私、内廷費それから宮廷費あるいは皇族費を通じまして法律定額をきめて差し上げるということになっておるのですが、定額がきまると定額の変更ということがいろいろしにくいような立場もあると思いますので、何か物価指数か何かに比例して自然に増額するようなことにされると、非常に何といいますか、楽に計上されるようになると思いますし、また一面この定額にきめられたことは、前からこうしたことはありましたが、こういうふうにいろいろ区分けしてきめられたことは、この戦後の一つ占領政策の一環ではなかったかと実は思っておるのです。それでもう少しゆとりのある方法によって自然に増額になる、また定額増額される場合におきましても、その増額の場合の率というものは必ずしも物価指数に合っておらないと思います。そういう点は何か新しい工夫を、終戦後十年たって占領政策が完全にもうない時代でありますから、何かもう少しお考えをこらす必要があるんじゃないかというようにも思いました。その点について御意見を伺いたいと思います。
  33. 高尾亮一

    政府委員高尾亮一君) 仰せの通り、現在内廷費皇族費増額いたします場合には、なかなか積算の根拠というようなものがむずかしゅうございまして、どうしても一般の情勢には追いついていけない。いつも、あとからあとからということになっていることは事実でございます。スライディングして自然に上るような方法があれば、なかなかわれわれとしても経理方法は、やりやすいのでございますが、現在のところわれわれも研究はいたしておりますが、うまい方法もございませんので、大体戦後ずっと踏襲して参りました物価指数の動向、それから公務員における——内廷及び宮家においても使用人を使っておりますので、公務員給与ベースの改訂、そういうものを各要素に分けましてその指数をかけていくという、大へん窮屈な方法をとっているわけでございますが、今これを改めてスライディング・システムをとることが……適当な方法がちょっとございませんので、現在までのところその方法——同じ方法でやってきているわけなのでございます。
  34. 下條康麿

    下條康麿君 わかりました。よろしゅうございます。
  35. 石坂豊一

    主査石坂豊一君) 他にございませんか。——それでは皇室についての質疑は終了したものとして御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  36. 石坂豊一

    主査石坂豊一君) 御異議がなければそれに決定いたします。   —————————————
  37. 石坂豊一

    主査石坂豊一君) 次に、昭和三十三年度予算中、国会所管議題にいたします。  まず、衆議院及び裁判官訴追委員会からの経費説明をお願いいたします。
  38. 知野虎雄

    衆議院参事知野虎雄君) 昭和三十三年度歳出衆議院関係予算の御説明を申し上げます。  昭和三十三年度国会所管衆議院関係予算要求額は、二十一億五千四百三十三万二千円でございまして、これを前年度予算額十九億七千三百三十三万九千円に比較いたしますと、一億八千九十九万三千円の増加となっております。  次に、主要な事項について一応御説明申しあげます。  先ず、国会運営に必要な経費として、二十億七千四百九十八万六千円を計上しております。そのうち主なものを申し上げますと  議員歳費通信手当議員旅費議会雑費議員秘書手当及び立法事務費等議員に関する経費十億七千九百四十四万七千円。事務局法制局及び常任委員会における職員人件費旅費その他の事務費国政調査に要する旅費審査雑費及び証人等旅費議案類印刷費光熱及水料通信費議員会館等維持管理に必要な経費九億六千七百五万六千円。列国議会同盟日本議員団分担金及び列国議会同盟会議等海外派遣に必要な経費として、二千八百四十八万三千円が積算されてあります。  第二は、営繕施設に必要な経費として七千二百三十四万六千円を計上いたしてあります。これは、衆議院庁舎の増築に千七百八十五万円、衆議院議場空気調和装置改修に三千七百九十九万六千円、衆議院各所新宮及び改修に千六百五十万円が積算されてあります。  第三は、予備金に必要な経費として前年度同額の七百万円を計上いたしてございます。  次に、裁判官訴追委員会関係予算について申し上げます。  昭和三十三年度国会所管裁判官訴追委員会関係予算要求額は、七百四十六万八千円でございまして、これを前年度予算額九百三十三万円に比較いたしますと、百八十六万二千円の減少となっております。これは、裁判官訴追委員会運営に必要な経費でありまして、委員旅費及び職務雑費並びに事務局職員に対する人件費事務費等に必要な経費が積算されてあります。また前年度予算に対する減少額は、従来委員に支給されておった職務雑費審査雑費と併給できないことに改められただめに減少する二百五十万円と、職員期末手当その他の事務費増加六十三万八千円との差額であります。  以上、簡単ながら概略の御説明を申し上げます。
  39. 石坂豊一

    主査石坂豊一君) 御質疑のある方は御発言を願います。  なお、大蔵省からは上林主計官が出席しておるようですから、御質疑ありますれば御発言を願います。  それではこの場合において主査より一つ伺いたい。これはまあ両院に通じたようなことですけれども、議長公舎が非常なへんぴなところにある。これは当時東京が戦災で全滅したときに、やむを得ずあんなところに持って行った。今日はあんなところはほとんど使用していない。無用の長物になっておる。それをいつまでも惰性でもって眺めているということは、国家経済の上においても非常な不経済であり、かつまた議員議長公舎になじんでこれを使用するということもできない。何かこれを——これはもうわれわれみずからも考えていいことであるが、この予算経理せられる方々から別な近いところに適当な家を求めるとか、あるいはまた国有財産を転用してそこに適当な建築でもするというお考えはないでしょうか。
  40. 知野虎雄

    衆議院参事知野虎雄君) ただいまの両院議長公邸の問題でございますが、これは衆議院及び参議院の議院運営委員会におきまして、現在ジェファソン・ハイツというのがございますが、ジェファソン・ハイツが将来撤収になりました場合に、あそこに両院議長公邸建築する予定になっておりまして、その点につきましては大蔵省の管財局でもすでに了承済みでございます。ただジェファソン・ハイツが、駐留軍の撤収の進み工合で、今年中には実際問題としまして撤収が不可能な事態が明らかになりましたものですから、来年度予算に計上いたしませんでしたわけでございまして、もし来年度におきまして撤収が終ります場合には、次の年度予算計上いたしまして、すみやかに実施をいたしたいというふうにわれわれは考えております。
  41. 一松定吉

    一松定吉君 これは何かね。この分科会には大臣は来ないのか。
  42. 石坂豊一

    主査石坂豊一君) 大臣は、この所管というものは……大臣は呼べば来る。
  43. 一松定吉

    一松定吉君 大臣にやって来てもらって質問しなきゃ、大臣域外の職員だけではわれわれ満足しないような点もあるのだが、これをきょうこうした国会裁判所の審議をしてしまつて二十四日、五日にはこれらのものは審議しないということになると、大臣の出席要求する日がなくなるが、それはどうなんですか。
  44. 石坂豊一

    主査石坂豊一君) 速記をとめて。    〔速記中止
  45. 石坂豊一

  46. 石坂豊一

    主査石坂豊一君) それでは、次に、参議院から説明をお願いいたします。
  47. 宮坂完孝

    ○参事(宮坂完孝君) 御説明申し上げます。  昭和三十三年度国会所管参議院関係歳出予算要求額は、十三億八千七百七十三万六千円でありまして、これを前年度予算額十三億四千三百七十九万四千円に比較いたしますと、四千三百九十四万二千円の増加と相なっております。  次に、この要求額をおもなる事項別について御説明申し上げます。  まず、国会運営に必要な経費といたしましては十二億九千八百九十一万六千円を計上しております。これは、議員の歳費、手当、旅費及び立法事務費等議員に関する経費五億八千八十七万四千円、それから事務費法制局及び常任委員会に要する職員人件費旅費、その他の事務費国政調査に関する旅費及び審査雑費議案類印刷費、光熱水料、通信費議員会館及び議員宿舎等の維持管理並びに庁舎等建物の修繕費に必要な経費六億九千九百五十九万八千円、国際会議出席等海外派遣に必要な旅費一千八百四十四万四千円であります。  第二に、営繕工事に必要な経費といたしまして、八千三百八十二万円を計上しております。これは、庁舎の増築費三千七百二十一万六千円、議場空気調和装置改修費三千五百六十万四千円、各所新営及び庁舎等の改修費一千百万円であります。  第三に、予備金に必要な経費といたしまして、前年度同額五百万円を計上してあります。  以上、簡単でありまするが概略の説明を終ります。
  48. 大川光三

    大川光三君 ちょっと、一点だけ伺いますが、結局、三十三年度参議院関係歳出予算の四千三百九十四万二千円の増額したこの金額の中で、特に重点的にどれとどれとが増額になったということはわかりますか。
  49. 宮坂完孝

    ○参事(宮坂完孝君) 種々な物価騰貴によりまして、種々な増額がございますが、おもなるものは議員歳費と、それから審査雑費が上昇しております。立法事務費、これが計一千百十一万、これの経費と、及び職員俸給費と、それから職員特別手当と、期末手当の上昇がございます。それから職員の諸手当、大体そういう……。
  50. 大川光三

    大川光三君 大体人件費のようでありますが、営繕関係で特にふえたのは、この説明書にありまする議場空気調和装置改修費三千五百六十万四千円、各所新営及び庁舎等の改善に千百万円……。そうしますと、今のおもなるもののうちで、議員歳費とか、職員手当の増額と営繕費の増額を入れると、この四千三百九十四万二千円になるんですか。そういうことになりますか。
  51. 宮坂完孝

    ○参事(宮坂完孝君) 大体さようでございます。
  52. 一松定吉

    一松定吉君 この国際会議出席等海外派遣に必要な旅費一千八百四十四万四千円とありますが、これはどういうような海外派遣のもののために議員を派遣し、その派遣する人員、その一人当りの旅費、日当等を、もっと具体的に話して下さい。
  53. 宮坂完孝

    ○参事(宮坂完孝君) 大体この予算は、前年度予算通りときまったわけでございます。前年度は、毎年と同じようなことでございますが、ヨーロッパ並びに今度はブラジルでございますが、各国の議会同盟の会議に五名が出席いたします。それから一般の議会制度調査といたしまして、五名派遣されております。それから東南アジアの視察といたしまして、五名派遣されております。これが毎年の例として実施されておるわけであります。去年これ以外に議長の派遣等がございまして増額をされておりましたが、その分も一緒に今度新たに認められるようになったわけであります。
  54. 一松定吉

    一松定吉君 こまかい点を一つ明かにしてもらいたいが、私は、海外の議会同盟もしくは議会調査というようなことに二回ほど出張したんだが、出張するたびごとに費用が少く、われわれ議員が外国に行って泊るのは、いつも二流以下のホテルに泊らなければ支払いができない。そうして非常に旅費が制限されているために、少くとも二カ月くらいおらなければならぬのが一カ月で帰らなければならぬというようなことで、いつも費用が少くて、議員が海外に出て、議員の体面を維持するというようなだけの旅費が支出されていないのを、おそらくどの議員もこれは不平不満に思っていると思う。そういう点について、旅費の千八百四十四万四千円のうちに考慮されてこれが計上されておるかどうか。その点を明らかにしてもらいたい。
  55. 宮坂完孝

    ○参事(宮坂完孝君) こまかい数字は、今、会計課長の方から申し上げますが、このおい立ちと申しますか、最初に決定なすっていただいた当時は、欧米視察は議員は百五十万単位で決定になっております。それで、当時は諸雑費その他飛行賃が割合に現在と比較いたしますと低廉でありましたもので、大体の日程を組みますと六十日でございまして、二カ月、ゆっくり二カ月ちょっと、四、五日増加できたのでございますが、大体六十日の日程を組んでゆっくり世界一周もできたのでございますが、その後累次にわたるこの飛行賃の増額がございますもので、それで勢いそれにとられますものでありますから、あとに残る鉄道運賃あるいはまた宿泊料、そういうものの金額が少くなってくる。従って勢い日程を縮めまして、四十日、三十五日、こういうように切り詰めて参ったわけでございます。それで、最近におきましても、この審査の御過程においては、むしろ人数を、予算額がきまっておりますから人数を減らして、一人当りの単価を増額しようというお考えもございましたが、いろいろな事情がございまして、人数はもとのままで、派遣する人数の方を減らすことができなかったものでありますから、従って一人当りの金額が減ってきて、勢い今おっしゃったような日数も減ってくるわけでございます。そうしてまた宿泊費も少くなってくるかと思いますが、これらの点につきましてはその後いろいろな予算操作をいたしまして、当時の百五十万円の額までには参りませんが、その額にだんだん近いようなところまでに復活してきております。
  56. 一松定吉

    一松定吉君 今あなたのお話を承わってみると、百五十万円、また日程も六十五日ということにこれをやるんだというようなことを言うんだが、私が昭和十二年に行ったときにはちょうど四カ月余りであって、そのときの予算は何でも八十何万円かであった。それを今日の金に比べて見ると、数百万円くらいになるのだが、昭年二十九年に行ったときには議員手当がわずかに百十万円、そうしてしかも四十日。でありまするから、飛行料を払い、そうして宿屋等にしても一流の宿屋には泊れない。もうみんな二流の宿屋に泊って、そういうごくケチな費用を使って、国会議員としての体面を維持することができないような状況にあった。私は自分が団長として非常にこれを痛感して、何とかこれを是正して増額しなければならぬと考えておったが、その後、行った人に聞いてみると、やつぱりそういうようなことで、今あなたの言うように日数六十日というのを四十日にするとかというように減らしていって、それでは目的をなお達成しない。やはりこういう点は増額の必要があると私は考えておるのだが、あなたは事務の方に関係があって、それをどうする、こうするということの責任者ではないのであるけれども、増額するということの必要であるというようなお考えは持っていないのですか。どうですか。
  57. 宮坂完孝

    ○参事(宮坂完孝君) 一松委員の御視察のあのときが一番最悪なときでございまして、水害等の事情によりまして予算が非常に減じられた。一番最悪な年で、八十何万円かの手当で御不便を願ったわけでありますが、自来一人当りの単価もそれよりも上昇して参りまして、なるべく御不便のかからぬように私ども努力をいたして参りたいと思っておるわけであります。
  58. 一松定吉

    一松定吉君 こういう点が、つまり大蔵大臣等を呼んで聞かなければならぬ点なんだから、これを一つお含みを願っておきたい。それから御承知の、今度は勤続二十五年以上の国会議員に対しての待遇ということについて、議長と同様に自動車を提供するということの話がきまっておるようでありますが、そういうことに対する予算は計上されておりますか。
  59. 宮坂完孝

    ○参事(宮坂完孝君) 自動車の件につきましては、三十三年度におきましては交換として三台認められまして、この金額が二百十七万円、単価は七十二万三千円、それから新規に購入いたす台数は四台でありまして、これは単価が百三万五千円でありまして、四台分四百十三万三千円、計六百三十一万三千円、こういう金額が認められたわけであります。自動車の点については大へん御不便をおかけして申しわけないのでありまするが、庶務小委員会におきまして、始終これについて御審議をいただきました結果、またそれのまたその小委員会と申しますか、自動車対策の委員会を各党から御一名御参加願いましてこれを御審議願っだわけで、その結論といたしましては、何分にも自動車の御不便をおかけしているのがひど過ぎるところから、今度はどうしても新規の予算を要求いたさなければならぬという御結論になったようでございまして、われわれはその予算の御要求になる前に、当方といたしましては何か差し繰りいたしまして、自動車台数を増さなければならぬということで、これは自動車の運転手のこともございますから、人件費等にも関係しておるのでございますが、それらを皆持ち寄りながら協議した結果、使っていない自動車を修繕いたしまして、そこの人件費を他の部課から五名持って参りまして五台分を増額していこう、こういう早急の案を立てたわけでございます。
  60. 一松定吉

    一松定吉君 三十三年度は三台……。
  61. 宮坂完孝

    ○参事(宮坂完孝君) 三十三年度予算に認みられましたのは交換が三台で、新規購入が四台……。
  62. 一松定吉

    一松定吉君 その四台では足りないから、四台のほかに五台という……。
  63. 宮坂完孝

    ○参事(宮坂完孝君) ただいま御説明申し上げた通りでございます。
  64. 一松定吉

    一松定吉君 それは、いつですか。
  65. 宮坂完孝

    ○参事(宮坂完孝君) 四月半ばに実施できるものと思っております。
  66. 一松定吉

    一松定吉君 それはどの費用で……。
  67. 宮坂完孝

    ○参事(宮坂完孝君) これは既存の経費でございまして、自動車のまだ運転手がない車で、まだ廃車しないのがございますから、それらを事務局で使いまして、事務局の一番いい車を議員の方にお回しして、その車が五台、それの人件費は各部課に属しておる人件費を五人分自動車の方に回しまして、五台分を見ているのであります。
  68. 一松定吉

    一松定吉君 どういうように分けるのですか。
  69. 宮坂完孝

    ○参事(宮坂完孝君) この点につきましては、先ほど申し上げましたその庶務小委員会の議員さんの御審議がまだ結論が出ておりません。それで今二回ばかり御審議願いましたが、まだ四月の半ばごろに実施できるのでございますから、予算等の審議にお忙しいことでございますので、結論に達しておりません。
  70. 一松定吉

    一松定吉君 私の聞くのは、その五台はどういう人に振り当てるのか、どういう地位の人に当てるのかということです。
  71. 宮坂完孝

    ○参事(宮坂完孝君) この点につきましては議院運営委員会の庶務小委員会というものがございまして、そこで御決定になるのでございます。
  72. 一松定吉

    一松定吉君 そうすると、結局その庶務小委員会できめる、新しい自動車が合計五台というものが参議院に提供される、その配分は庶務小委員会できめるのだ、こういうわけか。
  73. 宮坂完孝

    ○参事(宮坂完孝君) そうでございます。
  74. 一松定吉

    一松定吉君 そうすると五台というのは四月の半ばからですか。
  75. 宮坂完孝

    ○参事(宮坂完孝君) 五台は既存のものを利用いたしますから、これは四月の半ばに実施されるのであります。
  76. 一松定吉

    一松定吉君 それから運転手の費用等が、たとえば朝八時、九時から午後の五時までの間は当り前で、それから先は超過勤務手当というものがある。その超過勤務手当というものは一時間幾らというようにちゃんとそれだけ支払われるのか、あるいは超過勤務手当は一日に五時間なら五時間、三時間なら三時間あるが、あとは何時間働いても超過勤務は出さぬというふうになっておるのか。
  77. 宮坂完孝

    ○参事(宮坂完孝君) 超過勤務手当につきましては、一般職員は年三百十五時間分いただいております。そういう予算になっておりますが、自動車課は特段の超過の激しいところでございますから、これに対しては大体三割増し程度予算が配分されております。それで自動車課におきましてこれらの予算経理いたしまして、それの使用状況等を見まして、足りない分につきましては議員の方に、各党の方で御負担を願っておるような現状でございます。
  78. 一松定吉

    一松定吉君 よろしゅうございます。これ以上のことをこの方に聞いたって、結局わからぬことを尋ねるわけだから、こういう点については一つ大蔵大臣の出席を二十六日に求めるうちに一つ考慮してもらいたい。
  79. 大川光三

    大川光三君 ちょっと参考に伺いますが、予備金の五百万円ですね。これは毎年年度内に消化してしまうことになりますか。
  80. 宮坂完孝

    ○参事(宮坂完孝君) その年の突発事件にもよりましょうが、たとえば議員のおなくなりになったというような特別事件、そういうような面に出ております。
  81. 大川光三

    大川光三君 そうすると、今までの経験上、予備金というのはおもにどういう方面に出ておるのですか。
  82. 宮坂完孝

    ○参事(宮坂完孝君) 大部分は先ほど申しました通り議員の弔慰金、一年分の弔慰金でございます。
  83. 石坂豊一

    主査石坂豊一君) この場合、主査より一つ伺いたい。これは皆様御承知の通り、私ども皆会館を持っております。会館から本館へ通行するのですが、非常に交通が頻繁でありまして以前よりは何倍という交通量になっておる。ことに雨天とかまた風のときには非常に交通に困る。先日私はちょうど交通制限のところを気がつかずに歩いたというので巡査に胸を小突かれたというような、そういうようなことがあって、これは米国の国会などは皆トンネルでやっておるが、一つ地下道を設けてこの交通を、議員の登院に便利にするというお考えはないか、何か話でもないか。
  84. 宮坂完孝

    ○参事(宮坂完孝君) その点につきまして大へん御迷惑をかけておることも万々承知しておりますけれども、庶務小委員会においても予算等の折衝の場合にはその問題が常に持ち上っております。何分予算関係もありますし、また相当な金額がかかりますので、今までちゅうちょしておりますが、また帰りまして総長や庶務小委員長に申し上げて善処いたします。   —————————————
  85. 石坂豊一

    主査石坂豊一君) それじゃ次に裁判官弾劾裁判所説明をお願いいたします。
  86. 隈井亨

    ○裁判官弾劾裁判所参事(隈井亨君) 昭和三十三年度裁判官弾劾裁判所要求予算について御説明申し上げます。  昭和三十三年度国会所管、裁判官弾劾裁判所歳出予算要求額は、七百四十一万八千円でありまして、これを前年度予算額七百二十八万三千円に比較いたしますと、十三万五千円の増加となっております。  次に、この要求額事項事項別に御説明申し上げます。  まず裁判官弾劾裁判所運営に必要な経費といたしまして、六百八十五万六千円を計上しております。これは当所の運営に必要な裁判員の職務雑費調査旅費、並びに事務局人件費事務費等であります。  第二裁判に必要な経費といたしまして、五十六万二千円を計上いたしております。  これは裁判官弾劾法に基く裁判官の弾劾裁判に必要な旅費、庁費等であります。  以上簡単でありますが、概略の御説明を終ります。
  87. 一松定吉

    一松定吉君 私は弾劾裁判所の裁判長という地位に今おって、この予算運営しておるのだが、非常に予算が少くて運営に困るということを痛感しておるのだが、理事者の方はその点についてのお考えはどうですか。
  88. 隈井亨

    ○裁判官弾劾裁判所参事(隈井亨君) お言葉のように弾劾裁判所予算はきわめて窮屈でございます。特に裁判費の項でございますが、これが非常に大蔵省で概算要求を削られまして、三十三年度予算の第一次の査定は十五万円くらいしかいただけなかった。それで裁判長に御出馬願いまして、四十四万円ばかり大体復活させていただいたというようなことになっております。しかしこの裁判費の全部で五十六万二千円でございますが、これではまだ事件が参りました場合に、事件が起りました裁判官の勤務場所にもよりますけれども、大体大阪あたりの裁判官ならば、どうやら一件やれるという程度でございます。これが広島とか九州とかになりますと、この予算ではとうてい足りないというような実情でございます。
  89. 一松定吉

    一松定吉君 どのくらいあればいいのですか、それを一つ説明していただきたい。裁判に必要な経費ですね。
  90. 隈井亨

    ○裁判官弾劾裁判所参事(隈井亨君) 御説明いたします。従来ありました事件の証人旅費でありますとか、通信費、それから出張旅費と、そういうものを参考にいたしまして、大体、八十四万四千円ありますると、岡山、これは全国の大体平均のところでありますが、岡山辺までの一件の事件の処理には足りると思います。
  91. 一松定吉

    一松定吉君 岡山辺というのは弾劾裁判の裁判員が、裁判官がたとえば何人くらい出張して何日間くらい滞在して調査に当るという予算でございますか。ただ岡山に出張するのじゃわからぬが、岡山に弾劾裁判所の裁判官が何人くらい出張して、何日くらい滞在して調査をする、調べるということについて費用が要る、それが岡山でなくて場合によると鹿児島まで、あるいは長崎、北海道というような方面までも出張して調べなければならないような場合があったときには、そういう八十何万じゃ足りないのだから、そういうようなときにはどのくらいの予算を計上しなければ経費が不足するのか、そこを一つ説明してもらわないと……。
  92. 隈井亨

    ○裁判官弾劾裁判所参事(隈井亨君) ただいま御説明申し上げました岡山県の場合でございますと、裁判員は大体三人、一回の御出張という旅費に見積ってございます。それから九州あるいは北海道にあった場合はどのくらいかかるかという点につきましては、実はここに資料を持ち合せておりませんので、数字をただいまお答えできません。
  93. 一松定吉

    一松定吉君 今のような説明じゃ、予算説明にならぬよ。岡山に三人と言ったって、弾劾裁判所の事件が岡山に限るわけじゃないから、鹿児島、長崎に出る場合、北海道に出るという場合、そうして裁判官が何人行って何日ぐらい滞在してやることの予算だから、概算だね、それがあなたに聞きたいのだから、ただ岡山で三人の費用というので、三人が何日間滞在するのか、そういう点がわからない。そういう点を明らかにして、一つこの分科会の済むまでの間に出して下さい、それをお願いします。  それから今のは裁判員の裁判に対する出張旅費等についての費用の話であるが、たとえば自動車の問題にしても、もう弾劾裁判所の自動車は古くてほんとうは使えない。そういうようなものもこの予算のうちには入っておるのですか、おらぬのですか。
  94. 隈井亨

    ○裁判官弾劾裁判所参事(隈井亨君) 自動車の予算は、この三十三年度予算の中には計上いたしてありません。新規購入予算としては計上いたしておりません。維持費といたしましては計上がございます。
  95. 一松定吉

    一松定吉君 幾ら計上してある。
  96. 隈井亨

    ○裁判官弾劾裁判所参事(隈井亨君) 十五万七千円でございます。
  97. 一松定吉

    一松定吉君 今の自動車はまるで毎日のように故障があって乗れないようなことばかり多いのだが、それで十六万円あればその修繕等ができるかね。
  98. 隈井亨

    ○裁判官弾劾裁判所参事(隈井亨君) 実は庁費が六十九万幾らございますのですが、自動車の維持費が四十四万円かかっておるわけでございます。庁費の方に非常に多く食い込んでおるので、とうていこの十五万七千円では自動車の修繕はできないわけです。
  99. 一松定吉

    一松定吉君 そこで、今私は弾劾裁判所のことをよく知っているから、あなたをいじめるつもりはないが、もう少し予算を請求して明らかにしないと、この次の裁判長や裁判員の方が非常にお困りになると思うのです。そういうようなどのくらいあれば一年中支障がなく、裁判の運営ができるのだという予算の数字をこの分科会の済むまでの間に一つこまかに出して下さい。それだけ要求しておきます。
  100. 石坂豊一

    主査石坂豊一君) 終りました。   —————————————
  101. 石坂豊一

    主査石坂豊一君) それでは国立国会図書館の説明をお願いいたします。
  102. 山下平一

    ○国立国会図書館参事(山下平一君) 昭和三十三年度国立国会図書館の予定経費要求についての概要を御説明申し上げます。  昭和三十三年度国立国会図書館の予定経費要求額は、七億七千九十五万四千円でありまして、これを前年度予算額に比較いたしますと、三百三十四万一千円の減少となっております。  次に要求額の内容を事項に区分して御説明申し上げます。まず、国立国会図書館の管理運営に必要な経費でありまして、四億九十五万四千円を計上いたしております。この経費は国立国会図書館の管理運営のため必要な人件費事務費、図書購入費、科学技術関係資料費、カード作成費、国際図書交換通信運搬費等でありまして、前年度予算に比して二千六百六十五万九千円の増加となっております。増加のおもなものは職員の給与の改正による人件費、及び科学技術関係資料費等の増加であります。  次は、国立国会図書館営繕工事に必要な経費でありまして、三億七千万円が計上されております。これを前年度予算に比べますと、三千万円の減少となっております。この経費は現在工事中の国立国会図書館庁舎新営のため必要な工事費三億六千六百三十万円、事務費三百七十万円であります。これにより昭和三十三年度末における工事の出来高は第一期計画八千坪の鉄骨工事の全部を完了し、コンクリート打ち工事の一部二階の床程度までができ上る予定であります。  どうぞよろしく御審査のほどをお願いいたします。
  103. 一松定吉

    一松定吉君 この三百三十四万一千円減少になっておりますね。これはどういうわけですか。減少になったわけ。
  104. 山下平一

    ○国立国会図書館参事(山下平一君) お答えいたします。営繕工事費本年度は四億円でございましたが、三十三年度は三億七千万円、三千万円減っておりますために、他の経費では管理運営経費はふえておりますが、差し引き三百三十四万一千円減少になっております。
  105. 一松定吉

    一松定吉君 何で減少になっているか、それを言って下さい。何で減少になっているか、三百三十四万円……。
  106. 山下平一

    ○国立国会図書館参事(山下平一君) 営繕工事、本年度は四億円ときめられましたのですが、政府の要求によりまして、繰り延べ九千六百万円でございますために、来年度の工事は、本年度の工事よりもかなり増加することになりますため、営繕工事の方を昨年度ほど認められませんため減りましたわけでございます。
  107. 一松定吉

    一松定吉君 それで、その要求額が三百三十四万一千円減ったというのじゃなくて、前年度予算額に比較して三百三十四万一千円減ったというのだから、それをどういうわけか聞くのです。要求額を三百三十四万一千円減少されたのじゃなくて、前年度予算に比べてことしの予算要求額が七億七千九十五万四千円であって、ことしの要求額が……
  108. 山下平一

    ○国立国会図書館参事(山下平一君) ここに書いてあります予定経費要求額は、来年度予算のことをさすわけであります。
  109. 一松定吉

    一松定吉君 その七億七千九十五万四千円というのが本年度の国立国会図書館の予定経費要求額でしょう。
  110. 山下平一

    ○国立国会図書館参事(山下平一君) 来年度要求額でございます。
  111. 一松定吉

    一松定吉君 昭和三十三年度……
  112. 山下平一

    ○国立国会図書館参事(山下平一君) さようでございます。
  113. 一松定吉

    一松定吉君 ところが三十二年度よりも、このうちよりも三百三十四万一千円削ったのでしょう。
  114. 山下平一

    ○国立国会図書館参事(山下平一君) さようでございます。
  115. 一松定吉

    一松定吉君 削ったわけは工事を繰り延べしたというのか。
  116. 山下平一

    ○国立国会図書館参事(山下平一君) 新営工事、営繕工事の方で本年度は四億円認められ、工事を施行しておるのでございますが、来年度の工事費といたしまして三億七千万円認められましたので、そこで三千万円減少となったのでございます。それがために管理運営の方ではふえておりますが、差し引き三百三十四万一千円減少となっておるのでございます。
  117. 下條康麿

    下條康麿君 国立国会図書館の機能の中には、図書を購入し、カードを作製し、そして必要な資料を整えることでありますが、そのほかにいろいろ調査いたしますね。立法考査局、いろんな各部局があってやっていますね。ああいうことでいろんな印刷物をいただいて、私は始終見ているのですが、そういうことはむろん価値あることと思いますが、議員がこの図書館を利用する頻度といいますか、あまり利用する人はいない。私はときどき入っていますが、雑誌くらい読んでいる人はいますけれども、大して研究している人もいないので、これは分館だからと思いますけれども、分館の方へ行って議員が図書館を利用する頻度なんかお調べになったことありますか。
  118. 山下平一

    ○国立国会図書館参事(山下平一君) 本館の方を利用していただく頻度というのは実は非常に少うございます。これはまあ一つには先生方が非常にお忙しいことでありますし、また離れておりますというような関係もございますと思いますが、お忙しい先生方に図書をまあごらん願うというよりも、図書館といたしましては、いろいろの調査を御委託願いまして、立法の参考資料に提供するということが主になっておりますために、調査立法考査局の方で月におそらく三百件以上も調査委託を受けまして、御利用に供しているわけでございます。
  119. 下條康麿

    下條康麿君 託委によって調査される、三百件ですか。月に三百件というのはどのようなものですか、立法関係することですか、その他の調査ですか、ちょっと内容を知りたいのですが。
  120. 山下平一

    ○国立国会図書館参事(山下平一君) 次長が参っておりますから、かわって御説明いたします。
  121. 戸引達

    ○国立国会図書館参事(戸引達君) 次長の戸引でございます。この内容をごく大づかみに御説明申し上げますと、たとえば議員の職務権限の範囲をめぐる判例の変遷というような、たとえばそういう法律とか判例のような調査もございます。これは一つの例でございます。このほかに各国の議会制度の調査とかいうような、外国の立法とか外国の判例、こういうような調査もございます。それから外務関係といたしましては、ベトナムの賠償の問題が問題になりますと、その問題の所在を問うというようなこともございます。これは一例でございますが、経済関係におきましては、たとえば外国における企業の社会化というような問題、それから外国における銀行の制度でございますとか、そういう経済面におきましても、主として外国におけるいろんな調査の御依頼もございます。他面社会関係におきましても、やはり外国における社会保障制度はどうなっているかというような御質問もしばしばございます。それからこれは単なる調査でございますが、ある場合においては、外国の法令の分析評価をしてくれというのがございます。あるいは日本におけるいろんな法案が出て参りますと、その法案の分析評価をやる。場合によりましては、これはアメリカの議会制度を相当参考にしておりました関係もございまして、議員立法、先生が御立法なさるというような場合におきましては、大体の構想をお述べになりまして、それを私の方で大体のドラフトをまとめまして、それを立法化するまでの準備ないし立法方式と申しますか、そういう仕事もしばしば御依頼を受けております。  大体そのほかにいろんな問題を分析する前に、やはり基礎的な問題を取り上げまして、調査員が始終その調査に当っている次第でございます。簡単でございますが、閲見と申しましてもいろいろございますが、大体平常では二百六十件、忙しいところでは三百何十件というように、件数で申し上げますと、そういう数字になります。以上でございます。
  122. 下條康麿

    下條康麿君 議員以外の者からの調査の委託は受けられるのですか。
  123. 戸引達

    ○国立国会図書館参事(戸引達君) 国立国会図書館法によりまして、第一義には議員立法の準備調査をいたすと、これが主眼目でございます。そのほかに余力をもちまして各司法、行政府における官庁でございますとか、あるいは調査団体でございますとか、そういうところからしばしばやはり——私の方ではレファレンスと称しておりますが——調査依頼がございます。それはごくわずかでございます。
  124. 山下平一

    ○国立国会図書館参事(山下平一君) 今のにつけ加えまして……。戸引次長の申し上げましたのは、国会に対する奉仕でございます。一般からの調査依頼というのがたくさんございまして、これは本館の一般考査、あるいは上野図書館、静嘉堂文庫、大倉山科学図書館、あるいは東洋文庫というところでもって受け付けまして、この要求にこたえております。
  125. 下條康麿

    下條康麿君 実は、国会図書館ができるときに、当時私は参議院議員として事情を知っておるのですが、これはアメリカの制度をそのまま取り入れたように思うのです。それでアメリカの国会両院議員とも非常に図書館を利用するのです。日本では、先ほどお尋ねしたように、あまり御自身で利用するということは少いし、まあ委託して調査をお願いするという場合もそうよけいないんじゃないかというような気もするのであります。機能の面で何といいますか、実は膨大な費用がかかっているのです。皇室経費の約倍くらいかかっているのです。それでこれは非常に基本の問題になるのですけれども、このままでいいのか。あるいは国会専属の図書館というようなもので、もっと効率を高めたような組織にして、一般図書館というのは別に運営すべきものじゃないかというような考えを前から私は持っていたのです。今はお話にあったように、国会図書館が中心であって、おもな図書館は全部自分の配下になっているのです。で、そういう組織がいいのか、あるいは国会専属の図書館は、まあ主として政治、経済、社会というような面の事項に関しての議員調査の下調べ、あるいはそれの結果として立法手続する場合のいろいろの準備をしてもらうということに専念すべきでないかというようなことを考えています。これは基本の問題だから、今ここでお答えができないかもしれないのですが、そういうことはお考えになったことはないですか。今のままで進行しているからだれも疑わずに——私は実はこれは前から疑問にしていたのです。あまりに運営が何といいますが、非常に手広くなっているんじゃないか。もう少し国会に専属した意義を明白にするような措置が講ぜられる必要があるんじゃないか。これだけの経費はおそらくそういうことになっても同じく要るだろうと思うのですが、しかしそれは経費の問題でなくて、効率の問題から言って、今度近くできますけれども、近いところにもっと効率的にわれわれが利用することができるような組織にしたらどうかというようなことも考えてしておったのですが、そういうことはお考えになったことはございませんか。
  126. 山下平一

    ○国立国会図書館参事(山下平一君) 実は数年前にも文部委員会の方でそういうあれが出まして、国立図書館と国会図書館を分離したならばというようなあれが出ましてございます。やはりこの制度ができますときに、アメリカからも顧問が参りますし、両院の図書館運営委員会で慎重審議された結果、現在のようになっておりますし、今これを変える必要はない。と言いますのは、国会に対する奉仕のためにも図書というものは網羅的に集めておかなければならないのだ、従ってもし国立図書館を別に建てるとすれば、同じような経費のかかる図書館を二つ作ることになりはしないだろうかというようなことがあったかと思いますけれども、そういうことで現在の制度を変える必要はないのではないかということに一応落ち着いたように伺っております。
  127. 下條康麿

    下條康麿君 私職員の問題とか、それから経費の問題じゃなくて、初めできるとき、私も当時参議院議員をしておりまして、図書館運営委員会なんかもよく知っておりますが、全然違ったものを無理にくっつけたような感じが初めからしでいるのです。これはまあアメリカのサゼッションでやむを得なかった、当時はね。しかしまあひるがえって、もう十数年たって、制度を反省すべきじゃないかという気を実は持っているのです。で、決してこれは人件費とか、それからその他の運営費に関するものでなくて、どうも一方から見ると、非常に手がすいているようにも見えるし、一方から言えばかなり忙しいでしょうが、もう少し国会に身近に感ずるような組織ができないかというのは、これは私の願いなんです。そういうことで一つ、これは今すぐのことでなくてもいいのですけれども、図書館自体のそれ自身の問題について、一つ反省して研究するということの時期にきたのじゃないかと思うのです。その点一つ
  128. 山下平一

    ○国立国会図書館参事(山下平一君) なお先生の申されるところは研究いたさなきゃならないと思いますが、現在図書館では国会への奉仕のために調査及び立法考査局国会分館が主として当っておりまするし、一般公衆に対する奉仕といたしましては、一般考査部、それから支部上野図書館、あるいは支部大倉山科学図書館、それから支部東洋文庫、支部静嘉堂文庫などが当っておりますのでありますが、しかし資料の面におきましては、国会に対する奉仕にも同じ資料を使い、一般公衆に対する奉仕にも同じような資料を使い、また調査、考査をいたすときにも足らないところを補い合ってやっておりますような関係でございまして、さらに行政、司法の各部門でも奉仕いたしておりますが、そういう際にも資料は相互融通しておるような状態でございますが、まあ私たちといたしましては、現状の方がいいのではないかと思うのでございますが、なお研究を要する点が多いかと思いますので、十分に研究いたしたいと思っております。
  129. 中田吉雄

    中田吉雄君 図書館にいろいろお世話になっておるのであまり言いたくもないのですが、図書館長は出て来ないのですか。私はやはり国会関係予算を審議する際に、図書館長でございと言って一ぺんも出ずに、そうしてあちこち講演したり、随筆を書いたり、はなはだ私は不熱心だと思うのです。これはやはり私たちずっと見ていて、およそ図書館予算が審議される際、この忙しい国会議員の要求に十分応ずるようにするには、どうしたらいいかというようなことについては、やはり図書館長みずから、前国務大臣であるとか、あちこちの講演に出たり、文筆をもっばらやつて、それで国会議員に十気の接触なしに、どうしたら今御質問のあったような、国会議員の忙しい活動に、十分諸要求に応ずるようにするにはどうしたらいいかという点については、私は図書館長みずから出るべきだと思うのです。私はそういう点で調査立法考査局の運営その他についても非常に異論をもっているのですが、きょうどうしているのですか。図書館長、いつも出ないで皆さんだけがおいでになっているのは。これは国会はほかの予算は審議しますが、国会事務局や図書館は割合やらぬという慣例もあります。私はもう少し図書館長でも出て、何年たったら一体完成するか、こんなことをせずに、やはりもう少し衆参両院の議運でも十分の了解を得て、そしてできるだけ継続事業の期限を少くして、早く間に合うようにするというようなことは十分やられてしかるべきじゃないかと思うのですが、一体どうしているのですか、図書館長は。
  130. 石坂豊一

    主査石坂豊一君) 中田君の御意見はもっともです。われわれもそういう考えを持っております。この会において必要とあれば連絡いたしまして、出席も要求いたしますが、まあきょうのところは時間も迫っておるようでありますから、ただいま出席の説明の力で一つ満足してもらう。いずれ御意見の通り公式でもって連絡して出席要求してよければ、さようにいたします。
  131. 中田吉雄

    中田吉雄君 私は分科会の日程がきまっていますから、それに支障のあるようないろいろな無理な言いませんが、私は図書館長のあり方としては、やはり自分が衆参両院の議運の皆さんとか、特別関心をもっているというような人に十分よく接触し、理解と協力を求めて、こんなものを何年たってできるかわからぬようなことでなしに、私は図書館長の全体の運営についてああいうことなら一般の図書館だか国会図書館だか、どこだかわからないというような気もするので、きょうはいいですが図書館長はどこにいますか。
  132. 山下平一

    ○国立国会図書館参事(山下平一君) 館の方に待機しておりますので、もし御要求がございましたら……。
  133. 中田吉雄

    中田吉雄君 もうきょうは何ですから、一ぺんちょっとだけ時間をもらって、全体の運営等について伺いたい。
  134. 一松定吉

    一松定吉君 今のお話のように図書館長が出るとか、関係大臣がでるとかというようなことは、分科会においてはわれわれは慣習は知りませんよ。けれどもやはり、事務の方々ばかりが出て、事務的の説明ならあなた方だけでいいけれども、運営上将来どういうふうにこれをしなければならぬかというような構想等を承わるのには、やはり今お話のように図書館長が出るか、関係大臣が出るということが必要だと思いますけれども、これは今お話のあったように、一つ先刻お願いしたように二十六日があいているから、この日にみな関係者が出てもらって、二十六日朝からやるように一つ御考慮願いたい、こういうようにしておいていただきたいと思う。  ついでに尋ねますが、昨年度国会議員が図書館を利用して、何かあすこに行って閲覧をしたとか何とかしたような人数はわかっていますか。
  135. 山下平一

    ○国立国会図書館参事(山下平一君) 本館の方でのあれでございましょうか。
  136. 一松定吉

    一松定吉君 本館です。
  137. 山下平一

    ○国立国会図書館参事(山下平一君) 本館の方は今のところちょっと資料がございませんが、至急調べまして御返事いたします。
  138. 一松定吉

    一松定吉君 私は長く国会議員をしておるが、実は図書館を利用したということはないのです。はなはだ不明のいたすところで恥じておるわけですが、一体国会議員で図書館を利用して、わが家のごとくあれを愛して、そうして書物を広く渉猟するというようなことの機会が数多くなるようにするためには、そういう便宜を与えるようにしなければならぬと思うが、今の赤坂離宮跡のあれは先刻お話のあったように距離も国会に遠いからして、あれはそういう意味からも利用する国会議員が少いのではないかと思っておりますが、どうですか。ああいうような所は不適当です。今ここに建築をして、国会に近くそれを設けて、そして国会議員も非常に利用し得るという計画は必要である。そういうことについてはもっと工事を早くやって、国会議員をほんとうに図書館を利用して国政に参画するところの機会を与えるようにしないといかぬと思うのですが、そういうことについてあなた方の考えはどういうお考えでいらっしゃるのですか。
  139. 山下平一

    ○国立国会図書館参事(山下平一君) この新館ができますことは、国立国会図書館当初以来の念願でありまして一日も早く建てたいと思っております。大体今のところは今後三カ年、三十三年度、三十四年度、三十五年度と、三十五年に完成するよう努力いたしておりますし、大蔵省の方も大体了承しております。新館ができますと、議員方の研究室も、もっとも第一期工事は八千坪でございますので、この際はあまりたくさんではございませんが、小さいながら研究室が数十できるということになっておりまして、御利用願えるようにできると思っております。
  140. 一松定吉

    一松定吉君 国立図書館を今あなた方のお話のように利用する者の少いその動機、原因は何でしょうか。
  141. 戸引達

    ○国立国会図書館参事(戸引達君) 先ほどのに、今の御質問と関連いたしますのでお答え申し上げますが、実は私の方は調査立法考査局で、すぐ近くの三宅坂分室の方ですが、あすこには法律の専門図書館がございます。ここには実は直接先生方がおいでになりませんけれども、秘書その他の方を通じまして、いろいろな外国の本でございますとか、専門の本でございますとか、相当数を御要求になりまして、その都度それにおこたえをいたしております。数字はあまりはっきり覚えておりませんけれども、年間を通じまして、大体数百冊までは参らないだらうと思いますが、二、三百冊ぐらいの御本はお読みになっておるのじゃないかと思います。  それからなぜ本館並びにこちらの図書館においで願えないか、こういう御質問でございますが、これは距離的に非常に遠いということもございますでしょうし、それから私の方は業務の関係からちょっと想像いたしますのに、先生方が非常にお忙しい。従いまして、秘書の方をよく私の方におよこしになりまして、これこれの本を調達せい、こういうお話がございますので、直接には本館の方にはあまりお見えにならないかと思いますけれども、図書館全体を通じまして、図書を相当御利用になることも相当考えられる。私の方は実は御利用下さいます先生方のリストを全部作っておりますので、御必要ならば、いつでもごらんに入れたいと思っております。
  142. 一松定吉

    一松定吉君 国会議員が利用しないということは、国会議員の怠慢ということもあるでしょうが、国会議員をして利用せしめるような手段、方法をあなたの方でとっていただきませんと、それについて今こういうような新刊が出ておる、それについてはこういうような論説がある、こういうような統計がある、こういうような学説が掲載されておるというような、何か国会議員にとにかく示唆を与えるような先鞭をつけてやっていただければ、なるほどそうか、そういうものが国会図書館にあるかというようなことで、それに発奮されてわれわれが出かけて行って調査するという機会が多くなろうと思う。そういうようなことはやっておりませんね、あまり。
  143. 山下平一

    ○国立国会図書館参事(山下平一君) 図書館広報がございまして、それには入ってきました図書の主要なものについてだけは載せております。
  144. 一松定吉

    一松定吉君 目録だけは送ってきますが、目録だけではわかりません。私の言うのは今外国でこういう本が出たとか、日本ではこういう本が出たとかいう目録だけではなくて、この目録の中に、国会運営に関してこういうような論説が書いてあるとか、こういうような学説が載っておるとか、こういうような参考になることがあるとかいうようなパンフレットのようなものを一一国会議員に配付していただければ、なるほど調査をしなければならぬという動機を与え、それがために閲覧数が多くなりはせんかと思うのだが、今のようにほとんど国会議員の六、七百人のうちで国立国会図書館の書籍を利用して、頭脳を鍛練して国政に参画するという人は少いでしょう。それは国立国会図書館というものの価値が重く判断せられておらぬにかかわらず、たくさん図書館の費用国家から支出されておるというようなことと比較してはなはだ憂うべき現象だと私は思うから、そういったような機会を与えてなるべく国会議員を図書館に引っ張るような計画をお考えになって、そうしておやりになったらば、今よりも国会議員が図書館を利用する数が多くなり、従って図書館の価値というものを国会議員が大いに認めることによって、予算も年々歳々ふやしていくということもできはせんか。今では予算はふえておるが、人員はふえておるが、国会議員はわれ関せずえんというような態度があることを私ははなはだ遺憾に思うから申し上げておるので、そういうことを一つ十分御検討になって今私の申し上げたようなことをだんだん発展させるような措置をとっていただきたい。
  145. 山下平一

    ○国立国会図書館参事(山下平一君) 一松先生の御趣旨まことにありがとうございますので、今後ともそういう方向に努力いたしまして、御要望に沿いたいと思います。
  146. 石坂豊一

    主査石坂豊一君) ちょっと速記をとめて。    〔速記中止
  147. 石坂豊一

    主査石坂豊一君) 速記を始めて。
  148. 中田吉雄

    中田吉雄君 国会図書館関係資料予算審議の資料で一番ないのです。私予算委員会に出て、これほど審議の材料をいただかぬ……、専門調査員が幾らおってどうなっておるとか、そういう資料が出ていますか。
  149. 石坂豊一

    主査石坂豊一君) 出ております。
  150. 中田吉雄

    中田吉雄君 一つ図書館長を呼んでいろいろ質問をする、そのときに十分やっていきたいと思いますから……。
  151. 下條康麿

    下條康麿君 一松君の御意見に関連してお願いをしておきたいのですが、アメリカ大使館で新しい書目の内客を報告しているのです、私は毎月もらっている。それでそれにはベスト・セラ—からいろいろな書目があがって重要なものについては内容を紹介しているのです。このくらいの小さいパンフレットです。毎月私はもらっておりますが、ああいうようなものをひとりアメリカだけでなく、イギリスあるいはドイツあるいはフランス、あるいは各国の著明な新刊図書については、その内容紹介、それから先ほど一松君が言われたように、ひとり外国のものばかりでなく、日本において出版された著名なものについて——むろん議員の諸君に関連のあるものでけっこうですが、小説なんか要りませんけれども、そういうものについては、やっぱり議員に紹介して、忙しいわれわれだからみずから見て要領がわかるようにしてもらいたいと思います。私は今から何十年か前に、内閣文庫、その図書館の長をしていたのです。その当時入ってくる書目を見て、これを翻訳して、その要領を出版しておったことがあるのです。そういうようなものを一つ参考までにぜひ一つ図書館でこしらえて議員は忙しいのだから要領よく簡単にその内容がわかるように、外国の知識を吸収する方法一つ御尽力願いたいと思います。
  152. 山下平一

    ○国立国会図書館参事(山下平一君) ごもっともな御要望でございますので、経費の点の関係もございますし、よく研究いたしまして御要望に沿うよう努力いたしたいと思います。
  153. 石坂豊一

    主査石坂豊一君) それではこの国会図書館の分については、館長の出席を一応要求することを除いて、国会図書館関係質疑終了として差しつかえありませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  154. 石坂豊一

    主査石坂豊一君) それじゃ御異存ないと認めて、そういうことに決定いたします。   —————————————
  155. 石坂豊一

    主査石坂豊一君) 次に、昭和三十三年度裁判所所管を議題といたします。  まず、裁判所より説明を求めます。
  156. 岸上康夫

    最高裁判所長官代理者(岸上康夫君)  昭和三十三年度裁判所所管予定経費要求額についてご説明申し上げます。  昭和三十三年度裁判所所管予定経費要求額の総額は、百十一億二千九百三万三千円でありまして、これを前年度予算総額百六億七千三百八十二万八千円に比較いたしますと、差引き四億五千五百二十万五千円の増加になっております。この増加額の内訳を大別して申し上げますと、まず、人件費において四億六千九百四十八万千円の増、裁判所庁舎の新営補修等の経費において三千四百七十一万九千円の増、その他一般司法行政事務を行うために必要な旅費庁費等において八百四十八万二千円の増、裁判に直接必要な経費(裁判費)において五千七百四十七万七千円の減となっているのでありまして、結局差引きいたしますと、先ほど申し上げました増加額となるのであります。  次に昭和三十三年度予定経費要求額のうち、主な事項についてご説明申し上げます。  まず第一に、営繕費、裁判所庁舎の継続工事二十一庁、新規工事十四庁の新営工事費として七億二千九百四十二万五千円、裁判所庁舎等の施設整備費として二千五百万円、第一審の強化を図るための法廷増築費二千七百七十三万五千円、不動産購入費として四百五十七万千円、営繕事務費として千八百十九万六千円、裁判所庁舎補修および各所修繕費として一億三千二百十八万八千円、合計九億三千七百十一万五千円を計上いたしました。  次に、第一審の充実強化に必要な経費、第一審の裁判を強化し、裁判の事務能率の向上を図るための経費として、判事補二十人を増員するために必要な人件費千二百五十九万四千円、第一審強化方策協議会出席旅費として三百五十七万八千円、書記官等の超過勤務手当として八百三十二万九千円、自動車購入費として八百五十三万千円、事務能率増進のため検証用距離計、携帯録音機および写真機等の購入費として五百九十四万九千円、合計三千八百九十八万千円を計上いたしました。  なお、この関係経費としましては、右のほかに前に述べました営繕費のうちに法廷増築費二千七百七十三万五千円と後に述べます裁判費のうちに国選弁護人の報酬増額のための経費として二千百九十九万千円がそれぞれ計上されております。  第三は、裁判費。これは国選弁護人の報酬、証人、鑑定人、調停委員等の旅費、日当、その他裁判に直接必要な旅費、庁費等といたしまして合計十三億八千八十九万円を計上いたしております。  第四は、調停協会補助金。これは調停制度及びその運営に関する研究、調停委員の知識の向上、調停制度の普及、徹底等を目的とする日本調停協会連合会の事業を助成奨励するための補助金といたしまして五百万円を計上いたしております。  以上が三十三年度予定経費要求額のおもな事項についての内訳説明でございます。  その次に、数字を書きました資料を三枚ほど添付いたしておりますが、これは今申し上げましたことを数字の一覧表にいたしましたもので、やや詳しく内容をいたしておりますが、説明は一応概要でございますが、この程度で終りたいと思います。御質問等ございましたらまた申し上げたいと思います。
  157. 大川光三

    大川光三君 この人件費についてお尋ねしまするが、人件費は四億六千九百四十八万一千円の増加となっておりまして、それはそのうちで判事補増員二十人となっておりますが、その判事補のほかに現在裁判官というものは定数に満ちておるのですか。あるいは定数を欠いておるのではないですか。
  158. 岸上康夫

    最高裁判所長官代理者(岸上康夫君)  ただいまのところ裁判官の、これは裁判官と申しますと判事、判事補、簡易判事を含めまして、定数は二千三百名ばかりございますが、そのうちで充員は全部いたしておりませんで、大体二%ないし三%程度の欠員があるというのが現状でございます。
  159. 大川光三

    大川光三君 そうすると、その欠員の二%ないし三%というのを補充せずして、ここに判事補二十人を増員するというのはどういう関係になるのですか。
  160. 岸上康夫

    最高裁判所長官代理者(岸上康夫君)  これは判事補と申しますと、御承知のように司法修習生制度といたしまして二年修習した者が試験を受けまして、そのうちから採用しておるのでございます。これは大体司法修習生は毎年三百名前後、そのうちから従来は裁判官つまり判事補に七、八十名とっておったのでありますが、これをもう少し多くするということによって、その方の関係を十分まかなえるという見込みでございます。
  161. 大川光三

    大川光三君 今度法律になって出ます例の刑事事件についての証人等に対する費用弁償に関する予算はここに出ておるのですか。
  162. 岸上康夫

    最高裁判所長官代理者(岸上康夫君)  その関係予算法務省の方に入っておるそうでございます。
  163. 後藤義隆

    後藤義隆君 この一枚目の第二の営繕費といううちの裁判所の庁舎の建築というのは、おもなところはどういうところですか。
  164. 岸上康夫

    最高裁判所長官代理者(岸上康夫君)  ただいまの新営費の内訳は、大体お手元に差し出しております資料の一番最後に一覧表をつけております。それの右の方に継続分とありますのは継続工事で、新規分とありますのは新規工事で、下に庁名を掲げております。これだけの庁名のものについての工事費、もちろん一カ所全部ではございませんが、一個所について一部分ずつ、あるいは全部のものもございますが入っておりまして、その合計が先ほど申し上げました数字でございます。
  165. 一松定吉

    一松定吉君 伺いますが、営繕費というのは(イ)(ロ)(ハ)(ニ)(ホ)(ヘ)とこいうふうにわかれているが、これは一体どこの庁舎を、どこの裁判所設備を、どこの一審の強化を、どこの不動産購入か、どこかわからないのだが、これを具体的に……。
  166. 岸上康夫

    最高裁判所長官代理者(岸上康夫君)  ただいまの御質問でございますが、差し出しております資料の一番最後をごらんいただきますと、先ほど説明が不十分でございましたが、一番最後、これに営善費のうちのこれの右の方をごらんいただきますと、新営するところの継続工事分の個所と、新規分の新営個所があげてあります。
  167. 一松定吉

    一松定吉君 この一審の裁判を強化するために、判事補を二十人ふやせば、それで事務の能率の向上ができるのかね。判事補二十人くらいで……。
  168. 岸上康夫

    最高裁判所長官代理者(岸上康夫君)  判事補二十名だけではもちろん私どもといたしましては十分にと申しますか、理想的にと申しますか、一審を強化することは困難だと思いますが、要求いたしましたのは、判事及び判事補を含めながら、かなりの数を要求したのでございますが、そのうちの一部分として認められまして、まあ漸進的にやるということに相なるかと思います。で、これは今後の問題でございますが、おそらく東京と大阪等の特に忙しいところに増員を配置をすることに相なるかと思います。
  169. 一松定吉

    一松定吉君 今何ですか、実際裁判を適正迅速にやろうとするについては、判事補二十人を増員することは必要であろう。そのほか判事をどのくらい増員しなければならぬ状況にありますか、具体的に一つ説明してもらいたい。
  170. 岸上康夫

    最高裁判所長官代理者(岸上康夫君)  三十三年度で裁判費といたしまして要求いたしました一審強化関係の増員を要求いたしました数字は、判事が五十九名、判事補が五十七名、その他これに伴います書記官、事務官、雇員等三百二十六名で、合計四百四十二名の増員を要求いたしたのでございます。この考え方は、全国の地方裁判所の中で、特に事件の多いと認められます八大都市の裁判所につきまして、合議事件——民事、刑事の一審事件の合議体で扱うのをある程度ふやすと、民事で言いますと全事件の一五%まで、刑事で言いますと二五%まで合議体、つまり三名の裁判官で扱うようにするということを目標におきまして、それのためには今申しました裁判官その他職員の増員が必要であります。かつ大体開廷回数も四開廷——現在は場所によりますが、三開廷のところもございます、四開廷のところもございますが、原則として四開廷週にやれるというふうにしたい、そのためにただいま申しましたような増員が必要だということで要求をいたしたのでございますが、人員の増加ということは非常に全般的なわけでもございましょうか、非常に困難であるということでございました。二十名だけ認めるということで漸進的にやろうということが、今年度はその程度に相なったのでございます。
  171. 一松定吉

    一松定吉君 そういたしますと、裁判を促進して万遺憾なきを期しようとすることについては、三十三年度一審では判事が五十九、判事補が五十七、その他の職員は三百幾ら……、
  172. 岸上康夫

    最高裁判所長官代理者(岸上康夫君)  三百二十六名です。
  173. 一松定吉

    一松定吉君 合計四百四十二名、これだけのものがあれば今よりも裁判の促進ができるということで要求したけれども、それは認められずして、大体判事補二十人だけの増員を認められたわけだね。
  174. 岸上康夫

    最高裁判所長官代理者(岸上康夫君)  そうです。
  175. 一松定吉

    一松定吉君 それからお伺いしたいのは、国選弁護人というものが、御承知の通り自分で弁護士をつけることのできない被告人に対して国選弁護人がつくることになっておるが、この国選弁護人の選任方法が土地によって違って、ある者は何回も何回も国選弁護人になる。ある者は一回もならぬというような不公平な取扱いがあるんだが、こういうことは一体どういうことになっておりますか、全国的に。
  176. 岸上康夫

    最高裁判所長官代理者(岸上康夫君)  これは御承知のように各事件につきまして、現在制度的には、その裁判所が、裁判官が選任するということになっておりますので、各地方の各裁判官にまかされておるわけでございます。実際問題は、私の承知しておる範囲では、地元の弁護士会と連絡の上、ある一定の順序等によりまして、片寄らないように選任をしておるというのが、大体の実情ではないかと存じておりますが、個々の事例につきましては存じませんのもございますので、もしそういうものがございましたら、御注意によりまして調査研究いたしたいと思います。
  177. 一松定吉

    一松定吉君 地方の弁護士の数の少いところは多くそういうようなことになっておりますが、たとえば、東京とか大阪とかいうように非常に弁護士の多いところは、裁判長が公平に国選弁護人を選任するということでなくてある特定の人にそれを全部まかして、特定の人が自分の意中の人ばかりを次から次にやるというようなことばかりして、一度も国選弁護人にならない人がたくさんある。国選弁護人になる人はもう毎回国選弁護人になるといううよな弊害を私は認めておるので、そういうようなことはあなたの方で十分御調査して、そういう弊害を是正するという必要があると思うが、そのお考えを承わりたい。
  178. 岸上康夫

    最高裁判所長官代理者(岸上康夫君)  ごもっともな御意見だと存じます。偏重することはよくないことと思いますので、私ここで、実情をよく存じない点もございますから、よく調査いたしたいと思います。
  179. 一松定吉

    一松定吉君 それは国選弁護人になるものはいつも国選弁護人になる。ならぬ者はならぬということで。弁護士会の方で不平の声がたくさんあるのです。そういうことのないように、ある一部のボスが勝手に自分の意中の人ばかりを国選弁護人に何度も何度もやるというようなことになると、やらない者は一度もやらないということはよくないので、これは一つ是正すると同時に、そうして国選弁護人というものに対する報酬の増額というようなことは、これは必要である。ただある者だけに国選弁護人をやらして、そういう人に報酬の増額をやつて、やらぬ者は、一つも国選弁護人にならぬというようなことではよくないと思うから、これを一つ急速に是正するように、特に国会の要求という意味において、一つ促進してもらいたいことを希望を述べておきます。
  180. 後藤義隆

    後藤義隆君 ちょっとお聞きしますが、現在多少問題になっておると思われる裁判所の書記官が裁判書を書くか書かないかということは、非常に書記官の増員などに大きな、あるいはまた裁判官の増員にも大きな影響があると思いますが、どんな工合に取り扱う方針になっておりますか。
  181. 岸上康夫

    最高裁判所長官代理者(岸上康夫君)  これは実は私の直接の所管ではない、人事局の方でございますので、詳しいことは存じませんし、必要でございましたら、人事局長を差し向けたいと思いますが、私の承知している範囲では、新聞に出ておる程度でございますが、裁判所としては解釈の相違と——組合関係裁判所関係で解釈の相違となるかもしれませんが、裁判所としては、ああいうこともまあ職務の範囲と解し得るのじゃないかという態度で今のところ進んでおると私は承知しておりますし。詳しい業務上の根拠等は人事局長をよこしますからどうぞ……。
  182. 後藤義隆

    後藤義隆君 もし裁判所書記官が、裁判書を書かないということになると、非常な現在よりも職務の、今までよりも仕事の量が減ってくるから、増員などの必要というものは全く起らないようなふうになりはしませんが。
  183. 岸上康夫

    最高裁判所長官代理者(岸上康夫君)  一般に書記官についてはそういうことはあろうと思います。逆に裁判官については、裁判官の手がそちらへとられるということで、ふやさなければ現状を維持できないということに相なると思います。
  184. 一松定吉

    一松定吉君 今後藤委員の御質問になりましたこの点につきまして、これは私は裁判の判決に将来重大な影響を及ぼすものと思いますから、これもやはり二十四日に……、これを監督する地位にあるのはだれですか。
  185. 岸上康夫

    最高裁判所長官代理者(岸上康夫君)  直接の所管は人事局長でございます。
  186. 一松定吉

    一松定吉君 人事局長もやはりついでに呼んでいただきたい。その点を明らかにする必要がある。手続して下さい。
  187. 石坂豊一

    主査石坂豊一君) それでは本日の議事は一応これで終了いたします。  次回は、三月二十四日月曜日に、午前十時より裁判所所管の質疑を続行します。終って会計検査院審査に移ります。午後は内閣総理府の所管の質疑を続行いたします。なお、会計検査院からは小峰事務局長内閣総理府関係は官房副長官とその他政府委員が出席することにいたしております。  本日は、これにて散会いたします。    午後五時十二分散会