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1958-02-06 第28回国会 参議院 予算委員会 第2号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和三十三年二月六日(木曜日)    午後一時十四分開会   —————————————   委員異動 十二月二十三日委員八木幸吉辞任に つき、その補欠として市川房枝君を議 長において指名した。 一月二十日委員加瀬完君、北村暢君、 栗山良夫君、千葉信君、中村正雄君、 松浦清一君、山田節男君、湯山勇君及 び羽生三七君辞任につき、その補欠と して戸叶武君、亀田得治君、鈴木強 君、坂本昭君、小笠原二三男君、高田 なほ子君、松澤兼人君、藤原道子君及 び矢嶋三義君を議長において指名し た。 一月三十日委員高良とみ君辞任につ き、その補欠として豊田雅孝君を議長 において指名した。 本日委員勝俣稔辞任につき、その補 欠として青柳秀夫君を議長において指 名した。   —————————————  出席者は左の通り。    委員長     泉山 三六君    理事            伊能 芳雄君            剱木 亨弘君            迫水 久常君            武藤 常介君            岡田 宗司君            森 八三一君    委員            青柳 秀夫君            石坂 豊一君            大川 光三君            木村篤太郎君            小山邦太郎君            佐藤清一郎君            塩見 俊二君            下條 康麿君            館  哲二君            土田國太郎君            苫米地義三君            苫米地英俊君            一松 定吉君            本多 市郎君            三浦 義男君           小笠原二三男君            佐多 忠隆君            曾祢  益君            高田なほ子君            戸叶  武君            矢嶋 三義君            吉田 法晴君            加賀山之雄君            岸  良一君            田村 文吉君            千田  正君            市川 房枝君   国務大臣    大 蔵 大 臣 一萬田尚登君   政府委員    経済企画庁調整    局長      大堀  弘君    大蔵省主計局長 石原 周夫君    大蔵省主税局長 原  純夫君    大蔵省理財局長 正示啓次郎君   事務局側    常任委員会専門    員       正木 千冬君   —————————————   本日の会議に付した案件 ○理事辞任及び補欠互選昭和三十三年度一般会計予算内閣  送付予備審査) ○昭和三十三年度特別会計予算内閣  送付予備審査) ○昭和三十三年度政府関係機関予算  (内閣送付予備審査) ○昭和三十二年度一般会計予算補正  (第2号)(内閣送付予備審査) ○昭和三十二年度特別会計予算補正  (特第4号)(内閣送付予備審  査)   —————————————
  2. 泉山三六

    委員長泉山三六君) ただいまから委員会を開きます。  まず、委員の変更について申し上げます。一月二十日及び一月三十日に予算委員異動がありました。十名の多数に及びますので、刷りものにしてお手元まで配付いたしましたから、それをごらん願いたいと存じます。  なお理事中村正雄君は委員辞任せられ、また吉田法晴君から理事辞任いたしたい旨の申し出がございましたが、これを許可することに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  3. 泉山三六

    委員長泉山三六君) 御異議ないと認めます。右の結果、理事が二名欠員と相なりましたので、この際委員長成規の手続を省略し、先例に従い、理事岡田宗司君及び松澤兼人君を指名いたします。   —————————————
  4. 泉山三六

    委員長泉山三六君) これより昭和三十三年度一般会計予算、同じく特別会計予算、同じく政府関係機関予算昭和三十二年度一般会計予算補正(第2号)、同じく特別会計予算補正(特第4号)を一括して議題といたします。  まず、提案理由趣旨説明を求めます。
  5. 一萬田尚登

    国務大臣(一萬田尚登君) 昭和三十三年度予算編成の方針及びその骨子につきましては、先日本会議において御説明いたしましたところでありますが、予算委員会において本日から御審議をお願いするに当りまして、あらためて、その概要を御説明申し上げたいと存じます。  まず、財政規模について申し上げます。三十三年度一般会計予算総額は、歳入歳出とも一兆三千百二十一億円でありまして、三十二年度当初予算に比べ千七百四十六億円の増加でありますが、前年度剰余金のうち法定使途に充てるものを除く四百三十六億円と、国債費増加額三百十億円を除き、一般会計歳出は三十二年度に比べ千億円の増加にとどめております。また、財政投融資民間資金との関連をも考慮いたしまして、三千九百九十五億円といたしております。  次に一般会計について申し上げます。まず、歳入のうち、租税及び印紙収入は一兆二百五十九億円でありまして、前年度に比べて七百九十億円の増加となっております。これは現行税法に基く租税収入の前年度に対する増加額が一千五十一億円見込まれますが、一方法人税を初めとする減税二百六十一億円を行うことといたしましたので、これを差引いた金額に当るのであります。  税制改正につきましては、別途政府委員をして説明いたさせますが、国民税負担の現況に顧みまして、相続税について体系の合理化及び負担軽減等根本的改正を行うほか、法人税及び下級酒類に対する酒税軽減をはかるとともに、当面要請される貯蓄の増強に資するための臨時措置として、所得税において貯蓄控除制度を創設し、また、科学技術振興をはかるため試験研究用機械設備特別償却制度を拡充する等、法人税において所要措置を講ずることといたしております。この税制改正による国税減税額は、初年度二百六十一億円、平年度三百七十三億円となる見込みであります。  次に、税外収入でありますが、まず専売納付金は一千百七十億円でありまして、前年度に比べて十二億円の減少となっております。これは、たばこの売上の増加が見込まれるのでありますが、一方地方税法改正により自転車荷車税を廃止することに伴う地方税の減収を補てんするため、市町村たばこ消費税税率を二%引き上げることといたしておりますので、右のように納付金減少となるのであります。  次に、前年度剰余金受入は一千一億円に上り、前年度に比べて八百十億円の大幅な増額となっておりますが、これは三十一年度経済の過大な成長に基く異常な増収に基くものであることは御承知の通りであります。  歳出は、最初に申し述べました通り経済基盤強化資金等に充てられる四百三十六億円と国債費増加額を除いて、前年度に比べ一千億円の増加にとどめ、その範囲において重要経費の計上を確保いたしております。以下、まず経済基盤強化資金等につき申し述べ、次に主要な経費につきまして、概略説明申し上げます。  前年度剰余金は、前に申し述べましたように異例の多額に上ったものであり、これを一般歳出財源等に充てることは適当でないので、そのうち国債償還等法定使途に充てるものを除く四百三十六億三千万円につきましては、経済基盤強化資金二百二十一億三千万円、並びに中小企業信用保険公庫保険準備基金六十五億円、農林漁業金融公庫補助小団地等土地改良事業助成基金六十五億円、日本輸出入銀行東南アジア開発協力基金五十億円、日本貿易振興会基金二十億円、及び日本労働協会基金十五億円として保留し、将来における経済基盤育成強化に資することといたしております。  次に歳出のうち、おもな経費につき、その概要を申し述べることといたします。まず、社会保障関係費は一千二百五十八億円でありまして、前年度に比べて百二億円の増加となっております。施策のおもなる内容といたしまして、社会保険制度につきましては、医療保障の拡充をはかるため、かねてからの懸案でありました診療報酬合理化を行うとともに、国民健康保険及び日雇健康保険に関する国庫負担制度充実し、その基礎条件を整えることといたしております。また国民保険の実現につきましては、右の措置と相待って着実にその推進をはかることとしており、三十三年度の被保険者増加国民健康保険中心として六百余万人を見込んでおります。  生活保護費におきましては、保護人員増加を見込むほか、生活扶助内容充実等をはかっており、結核対策といたしましては、健康診断に新方式を採用するとともに、医療費公費負担充実医療内容向上を期しております。さらに、社会福祉対策といたしまして、母子福祉貸付限度の引き上げを行うほか、母子健康センターを新設し、児童遊園設置費補助及び未熟児療育費補助を新たに計上する等の措置を講じております。  次に失業対策費につきましては、特に遺憾なきを期し、失業対策事業吸収人員を三十二年度に比べて二万五千人増の二十五万人とし、失業保険受給者数も前年度三十万五千人が三十七万三千人に増加することを見込み、予算額においては前年度に比し四十八億円を増加して三百九十六億円を計上いたした次第であります。  次に、文教関係費でありますが、三十三年度予算額は一千四百三十九億円を計上し、前年度に比べて九十一億円の増加となっております。義務教育費国庫負担金は九百五億円で、前年度より五十八億円を増額しておりますが、これにより義務教育教職員給与費を確保いたしますほか、圧縮学級の解消をはるため、中学校教員五千人の増員を見込み、また父兄負担軽減に資するため、教材費単価を一割強引き上げることといたしております。  国立学校運営費は四百億円で、前年度に比べ三十億円を増額し、教官研究費学生経費大幅増額理工系学生の増募、教育設備充実等により科学技術者の養成を強化することといたしております。以上のほか特に英才教育充実をはかるため、新たに進学保障制度を創設して、高等学校の生徒五千人にっき月額三千円を貸し付けることといたしております。  科学技術振興につきましては、特に重点的に配慮いたしております。即ち三十三年度予算額は二百十六億円で、前年度に対し三十五億円の増額となっております。このうち、原子力平和利用関係につきまして、原子力研究所出資四十五億円を中心として、各費目にわたり大幅な増額をはかり、前年度より十八億円の増額を行なっておりますが、特に明年度原子力以外の一般科学技術研究強化にも意を用いたのでありまして、各省試験研究機関において約十億円、科学研究費補助交付金において約五億円、その他を合わせて約十七億円を増額いたしており、特に科学研究所は、特殊法人技術研究所に改組し、総合研究機関として整備をはかるとともに、新技術開発を実施するため、国が三億三千万円を出資することといたします。  恩給関係費は一千百六億円で、前年度に比べて七十五億円の増額となっております。先般の臨時恩給制度等調査会の答申もありましたので、この際不均衡是正措置を講ずることといたし、その初年度分といたしまして、三十七億円余を新たに追加計上いたしております。  次に、地方交付税交付金は二千二百四十億円で、前年度に対し三百七十二億円の増額となっております。これは三十一年度精算追加分百十八億円と、三十三年度国税税収見込額の二七・五%との合計額であります。地方財政は、ここ数年来の健全化の努力によりまして、その再建もほぼ軌道に乗ってきており、三十三年度地方税収は相当な増加が見込まれます。今回さらに交付税率を一・五%引き上げることにより、歳入構成適正化が促進されるとともに、行政水準向上がはかられることと存じますが、地方団体におきましても経費使用合理化をはかり、財政の一そうの健全化に努めることが望まれる次第であります。  次に、防衛庁費は、昨年六月国防会議において決定をみました長期防衛力整備計画に基き自衛力充実をはかることとし、一千二百一億円を計上し、前年度に対し百九十一億円の増加となりますが、防衛分担金について従来の一般方式による減額のほかに三十億円の追加的削減を行うことの合意が成立いたしましたので、これにより防衛関係費全体としては、前年度に比し五十億円の増加にとどめたのであります。  賠償関係費といたしましては、新たにインドネシアとの賠償問題の解決に伴い所要予算措置を講ずること等によりまして、前年度より四十七億円を増額し、二百六十二億円を計上いたしております。  公共事業関係費は一千七百四十一億円でありまして、前年度に対し九十六億円の増額となっております。公共事業関係費の三十三年度予算特色といたしましては、産業基盤整備、特に道路、港湾についてその投資の立ちおくれを考慮して、大幅な増額をはかることとし、なかんずく道路については、新たに道路整備特別会計を設けて事業を促進すること、愛知用水公団事業八郎潟干拓事業等特定土地改良工事特別会計による事業の促進に伴い食糧増産対策費増額したこと、離島振興のための予算を大幅に増額するとともに、離島振興事業費を特掲したこと等をあげることができると存じます。  このうち道路について一言いたしますと、道路整備事業は三十三年度予算の最重点施策として取り上げられたのであります。すなわち道路画期的整備をはかるため道路事業五ヵ年計画を樹立いたしますとともに、道路整備特別会計を新設することといたしております。  しかして、一般会計から揮発油税見合い財源及びその他の一般財源計六百十六億円をこの会計に繰り入れるほか、この特別会計におきまして、直轄事業地方分担金相当額五十二億円を資金運用部から借り入れ、合計六百六十八億円をもって重要幹線道路改良及び舗装事業を一段と促進いたしますとともに、三十三年度から新たに一級国道のうち特に交通の激しい部分について、国が直轄維持修繕工事を行う途を開くことといたしております。  住宅対策につきましては、引続き既定計画を推進することとし、公営住宅は前年度より一千戸増の四万七千戸の建設予定して、百七億円を計上いたしますとともに、住宅公庫及び日本住宅公団に対し五百八十五億円の財政資金を確保し、民間自力建設等を加えて約五十二万戸の建設を見込んでおります。  貿易振興につきましては、新たに設立される予定日本貿易振興会への出資金二十億円を計上いたしまして、海外市場調査開拓の機構を整備いたしますほか、特別宣伝強化国際見本市への参加、中南米諸国に対する巡回見本船派遣等、最も効果的な経費を重点的に増額することといたしております。  次に経済協力につきましては、新たに日本輸出入銀行東南アジア開発協力基金を設け、このため五十億円を出資するほか、インド西ベンガル等中小企業技術センターを新設する等の措置を講じております。  次に、中小企業対策における三十三年度予算特色といたしまして、まず第一に中小企業信用保険公庫を新設することといたしております。これは従来の中小企業信用保険特別会計を改組して、中小企業に対する金融円滑化に資するため設けられるものでありまして、新たに国が二十億円を出資してこれを全国の信用保証協会に貸し付けることとするほか、保険準備基金として六十五億円を出資し、制度整備充実に資することといたしております。なお、このほか中小企業に対する設備近代化補助金を大幅に増額する等の措置を講じております。  以上の重要経費のほか、一々の事項についての説明は省略することといたしますが、農業対策強化等につきましても、財政投融資と相待って、所要予算を重点的に計上することといたしております。  以上、主として一般会計について申し述べましたが、特別会計及び政府関係機関予算につきましても、一般会計に準じ、経費の重点的、効率的使用をはかりますとともに、事業の円滑な遂行を期することといたしまして、所要予算を計上いたしております。  なお特別会計におきまして道路整備特別会計が、政府関係機関におきまして中小企業信用保険公庫が、それぞれ新設されましたが、これらにつきましては、すでに一般会計関係経費の個所において概略申し述べました通りでございます。  次に、財政投融資につきまして、一言申し上げます。財政投融資につきましては、民間資金との関連にも考慮を払い、国内の投資活動を適正な限度に維持しつつ、重点部門に対する資金の供給をはかり、国民経済全体として均衡ある発展を確保するよう配慮いたしております。原資は、産業投資特別会計二百七十七億円、資金運用部資金二千四百三十七億円、簡易生命保険及び郵便年金積立金八百五十八億円、計三千五百七十二億円を予定しておりますが、これに公募債借入金として民間資金を加えた財政投融資総額は三千九百九十五億円でありまして、そのワク内において電力、石炭等基幹産業道路中小企業農林漁業住宅等重要部門に重点的に資金の配分を行い、その効率的使用を期しております。なお、財政投融資運用経済情勢の推移に応じて弾力的に行わるべきものと考えております。  終りに、昭和三十二年度予算補正につき一言申し添えます。今回提出いたしました一般会計予算補正(第2号)は、歳入歳出とも三百九十四億二千六百万円でありまして、食糧管理費三百十億円を中心とするものであります。これは食糧管理特別会計損失を補てんするため一般会計から繰り入れる百六十億円と、この会計経理運営の改善をはかるため、同特別会計資金を設置することに伴い一般会計から繰り入れる百五十億円とであります。  このほか、地方交付税交付金追加七十八億円は、法人税増収に伴うものでありまして、特別会計予算補正(特第4号)はこれに関連して交付税及び譲与税配付金特別会計予算所要補正を行うものであります。  以上、ごく概略を御説明申し上げましたが、なお詳細にわたりましては、政府委員をして補足して説明させることといたします。何とぞすみやかに御審議賜わりますようにお願い申し上げます。
  6. 泉山三六

    委員長泉山三六君) 次に補足説明を求めます。
  7. 石原周夫

    政府委員石原周夫君) お手元に配付してございます「昭和三十三年度予算説明」というのがございますが、これを見ながら、補足的に今大臣の御説明のございましたところを付け加えて申し上げることにいたします。  二ページに全体の財源から見ました姿が出ておりまするので、それを先に申し上げます。二ページの左側に、現行税法租税及び印紙収入を見ますると、前年に比べまして一千五十一億円の増収に相なるわけであります。そのほかに税外収入といたしまして、前年度剰余金が八百十億ふえますのを含めまして、九百五十七億増加いたしますから、財源関係では二千八億円という増加に相なるわけであります。これに対しまして、後ほど主税局長から詳細申し上げますが、所得税法人税相続税酒税減税を二百六十一億いたしますので、差額千七百四十七億という額が増加をいたします。前年度歳出予算額一兆一千三百七十四億にこれを付け加えますと、一兆三千百二十一億というのが、今回の予算の姿に相なるわけであります。これを国民所得推計額と比較いたしてみますと、来年度が八兆四千七百五十億というふうに推計をせられますので、一兆三千百二十一億は一五%半になります。ただ申し上げますが、一兆三千百二十一億の中には、例の経済基盤強化資金等の四百三十六億、国債費三百十六億が入っておりますから、その関係を含めた数字で申し上げたわけであります。(佐多忠隆君「それを除いた比率は」と述ぶ)それは後ほど申し上げます。  それから一般会計歳入歳出予算の五ページのところにつきまして、重要事項別分類がございまするから、それに即しまして申し上げることにいたします。租税及び印紙収入につきましては、後ほど主税局長から申し上げますから、省略させていただきまするが、専売納付金が十二億四千九百万円の減少に相なっております。これは、詳細は五十一ページに専売公社説明がございまするから、そこでごらんを願っておくわけでありまするが、今回、自転車税荷車税減税に伴いまして、たばこ消費税を二%引き上げることにいたしました。それを差し引きまして、たばこ関係におきましては、十三億六千万円前年に比べまして納付金の増が見込まれるわけであります。しかしながら、塩の方で二十六億二千九百万円という損失が見込まれまするので、差し引きまして十二億四千九百万円というのが、前年に比べまして減に相なっているわけであります。官業益金及び官業収入におきましては、七億八千七百万円という増加が見込まれておりまするが、これは国有財産売払収入が八億八百万円、病院収入が八億七千八百万円ほど増加をいたす予定でありまするので、大体その増加額と見合いまして、この額がふえるわけであります。政府資金整理収入が十八億三千六百万円ふえておりまするが、それは今申し上げました国有財産売払収入が八億八百万円、地方債償還収入が十億三千二百万円というような増加があります。雑収入が百三十二億四千八百万円という増加に相なっておりまするが、これは日本銀行の納付金が最近のような状況でございまして、ふえる見通しでございまして、これが百三億二千八百万円、そのほかに懲罰事犯、これは交通関係の取締りが多いのでありまするが、懲罰及び没収金関係で十億六千二百万円、それが主として雑収入増加であります。前年度剰余金は先ほど申し上げました八百十億という額であります。以上を合計いたしまして、千七百四十六億六千六百万円という歳入の前年に比べての増加に相なるわけであります。  歳出予算内容につきましては、これから項を追うて御説明申し上げまするが、重要事項別に大要だけをにらんでおいていただきますると、五ページから六ページにかけまして、社会保障関係費が百二億四千五百万円の増加に相なっております。文教関係経費が九十一億二千三百万円の増加に相なっております。科学技術振興費が三十五億三千四百万円、国債費が三百十億三千九百万円、文官と旧軍人の遺族と、それから軍属関係遺族及び留守家族援護関係、この三本を合せました恩給と申しまするか、広義の恩給関係経費が七十四億九千五百万円、地方交付税は、先ほど大臣の御説明にありましたように、三百七十二億三千七百万円という増加であります。防衛関係費は、防衛庁経費増加防衛支出金の減をしぼりまして四十九億九千百万円、賠償が四十六億九千三百万円、公共事業に九十五億六千五百万円、このうちの大宗は、先ほど大臣のおっしゃいました道路整備事業費、二番目の六十九億二千七百万円、特別失対及び臨時就労を合せまして六十八億七千四百万円、これが主たる増加であります。  住宅及び環境衛生のところでは、七千三百万円の増加でありまするが、農業保険が三億二千八百万円、貿易振興中小企業というのは、これは従来になかった重要事項の柱を今度立てたわけでありますが、貿易振興及び経済協力におきまして六億九千七百万円の増加中小企業対策費十二億九千六百万円の増加、ただ、この両者につきましては、経済基盤強化資金の中におのおの中小企業信用保険公庫の繰り入れ、あるいは日本貿易振興会出資金ないしは東南アジア開発協力基金出資金というようなものがございまするので、これを合せたもので見る見方もございまするけれど、一応はこの分類におきましては、経済基盤強化資金等は別にくくっておりますので、そういうような資金基金支出を除きました増額分で申し上げました数字であります。経済基盤強化資金等は四百三十六億のうち、経済基盤強化資金として一般会計に一つの資金をくくりまする系統で、二百二十一億三千万円の増加中小企業信用保険公庫保険準備基金出資金以下五つの基金合計いたしますと、二百十五億ということに相なるわけであります。雑件が百七億ふえておりまして全体として千七百四十六億六千六百万円という増加に相なるわけであります。  特別会計は、合計四十一の特別会計がございまして、その歳入歳出が前年比較で出ておるわけでありまするが、今回一つ増加をいたしました。それは九ページの一番最後の道路整備という特別会計の名前が載っておりまするが、これは後ほど申し上げます道路整備特別会計のことであります。  それからもう一つ、これは後ほど、すぐ次に申し上げますが、政府関係機関の方で、中小企業信用保険公庫というものができまするので、それに吸収せられまする中小企業信用保険、八ページの下から五、六行目にございますが、この特別会計年度の途中で廃止になりまして、政府関係機関の方に仕事が吸収せられる、こういう関係に相なるわけであります。政府関係機関の収支予算におきましては、合計十二の機関がありますが、このうち、今申し上げました下から三つ目に中小企業信用保険公庫というのがございまして、これが新たに新設をせられまする政府関係機関であります。  財政投融資につきましては、いずれ理財局長の方からお話がございまするので、省略をいたしまして、十二ページ以下、一般会計重要事項歳出につきまして、この予算説明をごらんを願いながら御説明を申し上げます。  先ほどからお話し申し上げましたように、社会保障は百二億という増額になっております。一番目は生活保護費でございますが、生活保護費は十五億二千六百万円という増額に相なっております。これは保護人員増加等で五億四千二百万円、これは百五十万二千人ということに保護人員増加を見込んでおりまして、それの増加でありまするが生活扶助内容充実いたしまして九千五百万円、これは学令前の児童諸費が月額五十円であります。それを百円に引き上げまして、これで九千五百万円、診療報酬の改訂がございまして、これが生活保護費の方に影響いたしまする分、これが七億六千三百万円、保護施設の事務費につきまして一億二千七百万円の増加を見ておるわけであります。これは施設事務費の増加と給与改善と合せた金額になるわけであります。内訳について見ますると、生活扶助の方で五億一千二百万円、医療扶助の方で八億六千五百万円というのが、十五億の増額の大部分であります。  次が児童保護であります。児童保護が四億九千五百万円の増加に相なっております。これは児童保護費が増加をいたしておるわけでありますが、これは保護人員増加、それから事務費で給与改善を実施いたしましたり、保育所で給食費の増額をいたしましたり、収容保護児童の教育費の増額、未熟児療育費の新規計上というようなもので四億七千万円程度の増加をいたしておるわけであります。母子福祉貸付金につきましては、償還金が増加をいたしまするので、計上額は五千万円減少をいたしておりまするが、現実の貸付は、貸付原資といたしましては、減少いたしておるわけではございません。この際に、生業資金の貸付限度五万円を十万円に引き上げましたことと、先ほど大臣の御説明にございました母子健康センターを作りまして、その経費を八千万円、児童の遊園地の設置費補助三千五百万円というものを新規計上をいたしておるわけであります。  社会保険でありまするが、社会保険はやはり国民健康保険の普及によりまするいわゆる国民保険計画の推進と、これを前提といたしましての診療報酬の引き上げ、あるいはこれと関連をいたしまして国民健康保険、日雇い健康保険、組合健康保険に対しまする国からの援助の充実というようなことを見込んでおるわけであります。  第一の国民健康保険につきましては、三十三年度中に被保険者増加を四百万人と見込みまして、これに一般の療養の給付費が上っておるものでありますから、それに伴いまする増加がございまして、十八億七千五百万円というものを増額をいたしております。そのほかに国民健康保険を施行いたしておりまする団体のうちで相当経済がむずかしいものがございまするので、そういうような団体、経済のむずかしいところに対しまする財政調整交付金といたしまして、新たに十三億八千二百万円というものを計上いたしておるわけであります。事務費の補助につきましては、一人当り八十五円という単価でございましたが、これを九十円に引き上げます。そのために二億六千五百万円という金がふえておるわけであります。  日雇い労働者の健康保険につきましては、傷病手当金、出産手当金の新設をいたしまして、これと関連をいたしまして、国庫負担割合を一割五分から二割五分に引き上げ、傷病手当金、出産手当金は三分の一補助ということにしておるわけであります。  組合管掌の健康保険につきましては、今回診療報酬の引き上げをいたしたものでございますから、暫定措置といたしまして、給付費の臨時補助金二億円というものを計上いたしております。これによりまして、当面資金の不工合になるという点につきましての資金の手当をいたしたわけでございます。  政府管掌健康保険組合は、最近御承知のように収支が著しく好転をいたしておりますので、一般会計から十億円を繰り入れることにいたしたわけでございます。  失業対策でございますが、失業対策は先ほど大臣からもお話がございましたように、失業者の吸収人員を二万五千人前年度に比べふやしまして、二十五万人というのを見込んでおるわけであります。十四ページのまん中に表がございますが、一般の失業対策に対しまして二万五千人を増加いたしまして、特別失業対策、臨時就労対策、その系統は前年度通り三万八千人という収容力を見込んでおるわけであります。  失業保険につきましては、三十三年度の月平均を前年度に比べまして六万八千人ふやしまして、三十万五千人を三十七万三千人という見込み方をいたしておるわけであります。大体この両者に政府職員の退職手当の増分を合せまして、四十八億が失業対策の増加に相なっておるわけであります。  結核対策は十億ほどふえておりまするが、これは健康診断につきましての内容充実をいたしました関係、医療費の公費負担の幅を広げました関係、国立療養所で食糧費単価一日九十六円十銭を百二円に引き上げました関係、そういうようなもので十億二百万円の増加に相なっておるわけであります。  義務教育費の国庫負担金は五十八億一千四百万円の増でございまするが、これは給与費と教材費を合せましての増額でございまして、給与費の方は従来の計算方式によりまして計算せられましたものに対しまして、中学校は五千人の人員の増加を見込んでおるわけであります。これによりまして圧縮学級の緩和ということを考えているわけでありまして、それが給与費増額の点であります。教材費は前年度に比べまして、生徒一人当りの単価を一割強引き上げまして、前年度十三億一千三百万円でありましたのが十五億というふうにふえておるわけであります。  国立学校の運営費でありますが、科学技術教育の充実という点に中心をおきまして、教官研究費学生経費、設備充実費以下の経費をふやしますとともに、理工科系の学生の増募を千七百十六人、その分に対しまする増額をいたしましたので、合計三十億五千万円の増額に相なっておるわけであります。  国立文教施設費におきましては、今申し上げました理工科系の増募に対します手当をいたしました。公立文教施設費においては、学校統合の促進、小学校の不正常授業の解消、危険校舎の改築という点に重点をおきまして、金を配分いたしておるわけであります。  次の育英事業におきましては、一億四千二百万円の増加に相なっておりまするが、三十二年度に比べまして、育英会に戻って参りまする貸付金の償還がふえるものでありまするから、貸与ベースにおきましては二億一千九百万円のワクがふえておるのであります。このワクのうち一億八千万円をもちまして、進学保障制度というものを設けまして、高等学校の生徒につきまして、従来からのとは別ワクで五千人、月額三千円という新しい進学保障制度を考えておるわけであります。  科学技術振興費が三十五億三千四百万円増額になっておりまするが、これは各省の試験研究機関の経費におきまして八億八千五百万円、もっともそのうち国際地球観測年は前年度をもちまして、大体設備の準備を終っておりまするので、この方では一億八千万円の減が起きまするから、各省の試験研究機関といたしましては十億六千五百万という増額に相なったわけであります。原子力関係で十七億八千万円、科学研究費の補助交付金の関係で五億四千七百万円というようなものがおもでありまして、今申し上げたように三十五億という金がふえております。  なお付言をして申し上げておきますが、先ほど国立学校運営費三十億ということを申し上げましたが、このうち人件費が十三億であります。人件費、もちろんそういう点もございまするが、それ以外の十七億円の大部分は、いわゆる科学技術振興ということと同様の目的になるのでありまするから、両者を合せてお考えを願う必要があるというふうに考えております。  原子力関係につきましては、原子力研究所以下十七ページの下の方にその内訳がございまするので、それをごらん願いまするならば、原子力の研究所と原子燃料公社、放射能医学総合研究所と、その三つが主たる増額の重点であります。  なおこの経費のうちで科学研究所に対する出資金を一億八千万増額し、三億三千万円の出資をいたすのであります。これによりまして、従来やっておりました科研の仕事のほかに、基礎研究に力を注いでもらうのみならず、いわゆる新技術の開発と申しますか、企業化のための試験というものをこの科学研究所にやってもらうということで、今回特殊法人に改組することにいたしまして、所要の法律の提出をいたす予定であります。  国債費が三百十億円の増額になっておりますが、これは内国債三百五十二億七千万、外国債が八十三億五千万、合計四百三十六億円、これが三十一年度剰余金交付税等差引きまして、半額になることは御承知の通りであります。  文官等恩給費、旧軍人遺族恩給買、遺族及び留守家族等援護費、この三本合せまして、恩給費が合計七十五億弱の増加に相なっておりますが、こり内訳をごらん願いまするように、従来の受給権者の増加、新規裁定という問題と、今回のいわゆる不均衡是正という両者の金が含まれまして、この金額に相なるわけであります。  地方交付税の交付金は、三十二年度二六%の交付率を二七%半に引上げまして、そのために増額をいたしました分と、三十一年度剰余金のうち百十八億円ほどが三十三年度に交付せられます。その両者の関係におきまして三百七十二億円という金額が増加に相なっておるわけであります。  防衛支出金は、このページの一番下に三つの数字が並んでおりまするが、合衆国軍交付金が百十億円、これはいわゆる一般方式減少いたします分が八十億、そのほかに先般合意いたしまして減額をしてもらう金が三十億円、合計百十億円というものが減額に相なるわけであります。施設提供費が二十九億五千万円の減、軍事顧問団の経費が一億一千万の減ということになりまして、合計百四十億円が合衆国軍交付金の系統で落ちるわけであります。  防衛庁経費は百九十億円ほどの増加に相なりまするが、これは先般国防会議で御決定をいただきました陸上自衛隊、海上自衛隊、航空自衛隊の整備目標というものに対しまして、本年度所要分を見込んだわけであります。陸上自衛隊におきましては、いわゆる一万人の増加、海上自衛隊におきましては、艦艇約五千七百トンの増加、航空自衛隊におきましては、供与航空機六十二機、国産機百七十四機というものを中心といたしまして、後方支援補給を中心といたしました飛行安全対策、そういうものを含めまして、質的な充実をはかるというのを中心といたしました増加額であります。  賠償等特殊債務の処理費が四十六億九千三百万円程度の増加に相なっておるわけでありまするが、これはインドネシアの賠償が出て参りましたそういうような関係と、従来の繰り越し関係、そういう関係がございまして、四十六億という金に相なるわけであります。  公共事業関係が九十五億円の増加に相なっておりまするが、これは先ほど申し上げましたように、道路、港湾というような輸送関係整備に重点をおいておりまするのと、食糧増産対策におきまして、愛知用水、八郎潟その他の特別会計でありますところの事業、そういうものがふえまする関係がございまして、そういうようなところに重点がおかれましての増加に相なるわけであります。災害復旧事業は二十九年度以降災害の発生が少くなってきておるものでありますから、金額といたしましては、三十五億ほどの減少に相なっておるわけであります。公共事業の内訳につきましては、時間がございませんので、以下に内訳が出ておりまするところを御説明申し上げるのを省略させていただきまして、二十七ページに参りまして、住宅及び環境衛生対策費という金が前年に比べまして七千三百万円ふえております。このうち、住宅対策が七百万円の増でございまするが、これは住宅の三十三年度におきまする公営、公庫及び公団の住宅の総建設戸数十九万九千戸という数字は変りませんが、そのうちで最も何と申しまするか、低家賃と申しまするか、その公営住宅におきまして、一千戸増加をいたしております。またそのうちで第一種公営、二分の一補助の方は一千戸減じまして、二種の住宅につきまして、二千戸の増加をいたしておるわけであります。環境衛生対策におきましては、大体昨年来やっておりまする東京湾、大阪湾の問題、あるいは下水道、簡易水道、屎尿処理施設というような問題で、前年に比べまして増額に相なっておるわけであります。  農業保険は三億二千八百万円ほどの増に相なっておりまするが、次に貿易振興及び経済協力費、これは新しい柱を立てて、重要事項に入れたわけでありますが、六億九千七百万円、約七億円ほどの増加に相なっております。これは通産省関係におきましては、貿易振興の方で三億五千二百万円、これは主としてジェトロ——海外貿易振興会が行いまする見本市、特別宣伝事業、あるいは見本船というようなことに重点をおきました増加でありまして、外務省の方が七千万円という増額に相なっております。そのほかに今度は経済協力費ということで、中小企業の海外技術センター、あるいはコロンボプランというようなものがございまして、この系統で通産省で一億四千八百万円、外務省で一億三千万円、合計いたしまして、経済協力関係で二億七千八百万円の増加ということに相なっておるわけであります。  中小企業の対策が十二億九千六百万円、約十三億の増加でございまするが、これは主として先ほど申し上げました中小企業信用保険公庫というものを今度新設をいたしまするが、そこに二十億円出資をいたしまして、これによりまして、いゆわる信用保証協会に対しまするところの貸付原資を充実するわけであります。前年度は十億円の出資をいたしましたので、差額が十億増加いたします。それ以外におきましては、中小企業の設備の近代化を前年に比べまして大体二億円ふやしました。あとは中小企業の診断でありますとか、あるいは技術指導の強化というような、府県を中心といたしまして、指導力、設備を強化いたしたという点であります。  経済基盤強化資金等につきましては、先ほど大臣から大体御説明がございましたが、二百二十一億という金を一括いたしまして、財政法第四十四条の資金といたしまして一般会計に新設をいたしました。将来経済事情が許すということに相なりますれば、道路整備、港湾整備科学技術振興、異常災害の復旧、産投への繰り入れというような、将来において経済基盤強化に充てられます財源を確保いたしておきたいという趣旨のものであります。  次は中小企業信用保険公庫保険準備基金出資金六十五億円でありますが、これは先ほど申し上げましたように、中小企業信用保険特別会計という政府で従来やっておりましたその機能をこちらに引き継ぎまして、この新しい公庫が保険を引き受ける、その保険を引き受けることに伴いますところの保険の準備基金といたしまして、六十五億という金を持ち、これを資金運用部に預託いたしておくわけであります。  農林漁業金融公庫におきましては、非補助小団地等土地改良事業助成基金というものを作りまして、ここに六十五億円という金を同じく資金運用部に預託をいたしまして、その利子収入をもちまして、今申し上げました非補助の土地改良、それに対しまする農林漁業金融公庫の融資率を引き下げようということにいたしているわけであります。  東南アジア開発協力基金でございますが、これは輸出入銀行に別勘定を設けまして、この別勘定をもちまして、国際的な機構に対する出資等のため必要な投融資の財源に充てるということでございます。  日本貿易振興会出資金でございますが、これは二十億円、ジェトロの基金としてジェトロに出資します。  日本労働協会にも十五億円ほど同じような意味で出資します。  雑件といたしまして、新市町村建設促進費で一億一千万円ほどの増、衆議院議員の総選挙費で十六億七千六百万円、移住振興費で一億四千八百万円の増加ということになり、以下十ほどの特殊事項を掲記いたしまして、前年度との比較と内訳を出しておりますので、一々についての御説明は省略させていただきます。  歳入につきましては、今租税以外につきましては、概略説明いたしましたところで、それ以上の説明は省略させていただきますが、特別会計に入りまして、交付税特別会計でありまするが、これは先ほど交付税のところで申し上げました三百七十二億という金がふえます関係でございます。産業投資及び資金運用部会計につきましては、理財局長から申し上げます。財政投融資の方の問題になるのでございます。賠償も今大体申し上げました。それから厚生保険、四十二ページに食糧管理特別会計がございます。これは二十二年度補正予算におきまして、食糧管理特別会計の経理、運営の改善をはかりますため、約百五十億円の金を一般会計から受け入れまして、資金を設置いたしました。それが一点、それは三十二年度でありますが、それなら三十三年度といたしましては、昨年十月に米価を改訂いたしましたときに、従来のどんぶり勘定と申しますか、農産物の価格安定法に基くてん菜糖以下も、それから食糧管理法に基きまする米麦も一緒にやっているというのは、その勘定区分をもって整理すべきだという御趣旨もございまして、今度は国内米と国内麦と、輸入食糧と、農産物等価格安定、あとは総掛り費的な業務、それから資本勘定と申しますか、調整という六つの勘定に分けまして、これらの関係の整理をいたしますことに相なるわけであります。米麦の買入価格につきましては、大体従来の方式によりまして、最近のパリティ指数の見込みで計算をはじいてやっております。米の消費者価格は十月に改訂いたしました価格で勘定いたしているわけであります。あと農林省関係のこまかい会計がございますが、四十八ページに道路整備特別会計、これが先ほど申しました新設特別会計であります。これは大体先ほどの御説明で申し上げておきましたように長期計画としての道路整備計画に最重点をおいて、これの実施をはかって参るということを中心といたしまして、特別会計を作ったわけでありまするが、四十九ページにごらんになりますように財源といたしましては、揮発油税が五百六十一億、一般財源から五十五億、借入金が五十二億、合計六百六十八億という金が用意をされておるわけであります。これは三十二年度に比べまして、百二十二億円ほどの増加に相なっておりまするが、別途道路公団の補助金を、本年度は三十億のうち二十五億円、これを補助の方を落しまして、財政投融資の方に振りかえてふやしておる関係であります。従いまして道路整備の方に当れます金は、百四十七億円という増額に相なるわけであります。  政府関係機関につきましては、国無でございまするが、国鉄は五十二ページにございまするように、損益勘定、資本勘定を通じまして、工事勘定のところで千六十二億円という工事費に粗なるわけであります。前年度はいわゆる百億の繰り延べを実行いたします前の工事勘定が千七十一億という金に相なっておりますから、前年度よりは相当ふえる計算に相なるわけであります。  電電公社につきましては、これはもう少しはっきりふえるのでありまして、五十三ページにございますように、建設勘定のところの支出でごらん願いますと、六百三十四億円の前年席の額が七百五十億ということに相なっておるわけであります。あとは金融難関の関係につきましては、いずれも財政投融資の方でお話を申し上げることになりまするので、省略をさせていただきます。  最後に三十二年度補正予算関係が七十二ページに出ております。これは食糧管理特別会計の三十一年度損失を補てんいたします百六十億分と、それからこの会計の経理を改善いたしまするために資金を作ることといたしまして、それに対します一般会計からの繰り入れ百五十億、この両者を中心といたしまして、これに駐留軍労務者に対しますところの特別給付金及びおっとせいの保存に関する条約ができましたので、いるか漁業者の他の漁業に転換をいたしまする関係、それの助成、こういうものを合せまして、合計いたしまして三百九十四億ということに相なるわけであります。と申しまするのは、歳入の方で、法人税で三百億の収入を計上いたしました。これに対します二六%、七十八億というものが交付税に加わりまして、その合計が三百九十四億二千六百万円と、こういうふうに相なるわけであります。特別会計といたしましては、今申し上げました七十八億円の交付税を受けまする関係補正が特第4号という形で出ます交付税特別会計補正に相なるわけであります。  以上をもちまして簡単でございますが、御説明を終ります。  先ほど佐多委員のお尋ねのございました三十三年度一般会計予算総額より経済基盤強化資金及び国債費とを除いた額一兆二千三百七十四億円の国民所得に対する比率は、一四・六%ということになります。あわせてお答え申し上げておきます。   —————————————
  8. 泉山三六

    委員長泉山三六君) ただいま委員の変更がございましたので御報告いたします。勝俣稔君が辞任せられ、その補欠として青柳秀夫君が選任されました。   —————————————
  9. 泉山三六

    委員長泉山三六君) 補足説明を続行いたします。
  10. 原純夫

    政府委員(原純夫君) 税の関係補足説明を申し上げます。  お手元に「昭和三十三年度租税及び、印紙収入予算説明」というものが出ておりますので、それをごらんいただきます。最初に三ページをお開きいただきたいと思います。  三ページに三十三年度の税に関しまする計数的な関係が一覧できるようになっております。一番左の数字の欄は三十二年度予算額であります。一番下の総計といいまするのは、地方に対しまする譲与税を含んでおりますから、その上の、下から四、五行目の上の合計というところでごらんいただきますと、予算額総額で九千四百六十九億円というのが、三十二年度租税及び印紙収入予算額であります。それが三十三年度どうなるかというのは、右にそれをごらんになっていただきますと、まず現行法による収入見込額というのが一兆五百二十億と出ております。これは増加額が千五十億余りであります。これがいわゆる自然増収額であります。その次に、その右に二百六十一億ばかりの税制改正による減収額が出ております。これが減るわけでありますから、差引その右にいって、一兆二百五十九億というのが昭和三十三年度予算額であります。それはその右側に約七百九十億円だけ昭和三十二年度予算額よりも多いということになっております。つまり自然増収は千五十億であります。それから税制改正で減収が二百六十億ばかり立ちます。引きまして、税収はネット七百九十億三十二年度よりもふえるということになっておるわけでございます。そこでこの御説明のまず第一段として、なぜ千五十億という自然増収が見込まれるかということと、それからそれを見込みましたあと、どういう税制改正をやって、それによってどういう減収が生ずるかということを二段として申し上げるというふうに参りたいと思います。  第一段の自然増収の見込みでございますが、これが次の五ページ以下二十七ページまでに要領をしたためてございます。時間がございませんので、一々これを追って申し上げるのは略さしていただきまして、最初の所得税の源泉所得税というところについてサンプル的にお聞き取りを願い、自余のものにつきましては、詳しくはそのあとのページを見ていただくとして、ごく概要は一ページ、二ページのところに大事なファクターが出ておりますから、そこで簡単に申し上げるというふうにさしていただきます。五ページの源泉所得税でございますが、現行法による収入見込額千九百七十九億三千万円、その下に税法改正による減、差引予算額と出ておりますが、その下に現行法というのがブラッケットに入っていて、一ページ半にわたって説明してありますが、現行法ベースで三十三年度の収入を見積るとこうなります。つまりこれだけ源泉所得税で自然増収がありますということが、この一ページ半に出ておるわけであります。それを申し上げて参ります。Aとして給与所得に対する源泉所得税、源泉所得税は給与から徴収されます分と、利子、配当、退職所得その他から徴収される分と分れます。給与の方が多いわけでありまして、給与の分はどうするかと申しますと、ここに書いてございます。昭和三十一年度における納税者数が約八百七十万三千人、それから支払い給与金額が二兆五千四百四十七億円、これが比較的確実な実績ベースのものとして私どもの持っておる一番近いものであります。三十二年度はいわゆる十分わかるのでありますが、こういう数字はまだわからないわけであります。そこで三十一年度数字をもとにして、それでは三十三年度のこれに対応する数字はどうなるかということを指数で伸ばして参る、その指数が次に書いてございます。人員、つまり勤労人員においては二年間で五%ふえる、一人当りの給与額は一四・四%ふえるという見込みをいたしております。これは二年分でありますから、三十二年度分に対しましてはカッコの中にありますように一%、それから四・九%というそれぞれの伸びを示すわけであります。これらの伸びは最近までの実績並びに三十三年度につきまして、経済企画庁が見込んでおられまする経済見通しの指数、こういうものを基礎といたしまして計算いたしたものでございます。この伸びがきまり、そうしてそのもとになる実績がきまりますと、あとは計算で数字も出て参るわけであります。相当詳細な計算が要るわけでありますが、その結果は、課税人員として八百八十八万五千人、その支払い給与額が三兆五百八十九億円、一人当り三十四万四千円という数字が出て参ります。そうしてこれから給与所得控除その他各種控除をとりますと、課税税率をあてがわれる所得が出て参ります。それが六ページの一番上で一兆四百三十九億円という課税所得が出て参ります。これに税率をあてがうわけであります。平均ではそのカッコの中にありますように、支給額に対して五・三%、課税所得に対して一五・七%とありますが、その結果、千六百三十三億円という数字が出て参ります。日雇い労務者の分が別にございますので、これを加えて千六百三十七億円という一応の税額が出る。それから税額で控除するという制度がいろいろそこに書いてありますように、不具者と、老年者というような税額控除の項目がございます。これを過去の実績から推計いたして二十九億引きます。差引残り本年度分課税額というのが千六百八億円と出るわけであります。そしてその収入歩合全部が年度内には収入にならない、二%落ちるというのをみまして、千五百七十五億が入る。そのかわり前年度入りきらなかった分で本年度に繰り越して入る分が二十八億ございます。加えて千六百四億円というのが三十三年度の収入見込額であります。  次のBのところで給与以外の利子、配当、退職、その他につきましての源泉所得税を、最近までの課税実績を基礎として推計いたしましたものが四百三十五億円、これを加えて、それから還付というのがございます。確定申告で配当控除、その他、納め過ぎだというものについて還付を行います分が六十億円、差引千九百七十九億円というのが一番下に出ております。  およそこういうようにして、申告分につきましても、また法人分につきましても類似な方法で計算をいたしていくわけであります。  その右にあります改正法におきましては、今回は貯蓄控除の改正が一番大きなものでございますが、その控除で幾ら減るというのがこの改正法のところに入って改正法の見込みが出る。以下各税についていずれも最近までの実績を基礎とし、それを三十三年度経済見通し、あるいは外貨の割当の見込み、その他を参照して伸ばしてあるというのが、大体の見込み方法でございます。一々はなおごらん願うことにいたしまして、一ページにお返りいただいて、各税についてどういう見方をしているかという方法論を概略ごらんいただきたいと思います。一ページの下の方に、「直接税関係については」というのがございます。源泉所得税についてはただいま申し上げたところが書いてございます。bの申告所得税につきましては、個人営業における生産量販売量等は、若干年間を通ずれば増加する。しかし価格の変動等による収益状況の低下がある。つまり価格がやはり下りぎみだということ、横ばいとみておるわけでありますが、総体的には、三十二年度の割合によかったときから下るような感覚になりますが、それを見込んで、営業所得は減少します。減少の割合あたりもこの当該個所に書いてございます。二%、そういう意味で減るというふうにみております。それから農業所得は、平年作を基準として、給与配当等については実績等をみて見込む。それからCの法人税でありますが、法人税における生産量、販売量、物価の見方については申告所得税の場合と同様である。しかし経済の調整に伴う企業の収益率が相当程度低下するので、前年度に実施した租税特別措置の一部廃止による法人課税所得の増加を見込んでも、なお、昭和三十二年度に比してかなり低下するというふうにございます。つまり生産物価というものの相乗積が若干伸びるわけでありますけれども、物価が三十二年度においてはやはり相当物価の上った時期があるわけであります。その上った時期には非常に利益がよけい出る。それが物価が落ちついて参りますと、そのよけい出ておった利益がなくなるわけです。そういうような意味で過去との比較においては減が立つというようなことになって参ります。われわれはそれを所得率ということで考えまして、あとの方、法人税のところに所得率九〇%、つまり生産物価の伸びをみましたものに比べて一割低い所得しか得られないというふうに見込んでおります。これは過去のそういう場合の実績等から勘案いたしたものでございます。この辺が三十三年度税収見積りにおける一番むずかしいところであり、問題とすれば一番問題のところであると思います。相続税は実績べースで改正を織り込んで見込みました。  間接税につきましては、酒、砂糖、揮発油、物品税、入場税というようなのが書いてございますが、いずれも最近までの実績からそれぞれの課税品目に適応する指数をとって伸ばすということにいたしております。酒などにおいては国民消費資金増加に伴って酒類の消費が増加するというのが過去の実績として見られますので、それでみております。砂糖、揮発油等につきましては、輸入割当というようなものが大きく支配いたします。揮発油あたりについては、なお輸送等の伸びが問題になるということでございます。物品税、入場税、いずれも課税実績から伸ばしております。関税は、課税実績それから三十三年度の輸入計画というようなものを勘案して伸ばしておるというわけでございます。  おもな諸点だけを申したわけでありますが、かようにして三十三年度の自然増収額千五十億ということを見込みました。  ちなみに翻って三十二年度分につきましてだいぶ実績が出ておるから、もっとふえるのじゃないかというような見込みも一部にあるようでありますが、この関係を申し上げますと、十二月末におきまして対前年度増加額は八百五十四億円であります。これはまだ一、二、三と、あるいはそのあと出納整理期間がありますから、これを単純に期間的に延長いたしますと、やはり千百億、あるいはもっと多くなるということになるわけでありますが、経済引き締めの影響が相当顕著に出て参っておりまして、十二月末の八百五十四億円はその一ヵ月前の十一月末の八百八十四億円から三十億円ばかり下っております。一月末の数字はまだわかりませんが、どうも国庫金の入り方あたりからみて、やはり一月末もなおそれよりも下っておるというような観測が一応立てられております。二月には九月期の法人税の猶予される分が入りますので、相当ふえると思いますが、やはり三十二年度の見込みとして千億の増収がまずまずやっとのところではなかろうかというようなふうに見られるわけであります。ただいま申し上げました千五十億の数字は、それから間接税、源泉所得税が伸び、法人税はむしろその実績よりは百七、八十億下るという見込みで立てておる次第であります。  次に第二段の、それではそういう基礎の上に立ってどういう税制改正をやるかという点を二十八ページ以下でごらんいただきたいと思いますが、まず、三十ページの下のところで全般をごらんいただきたいと思います。その下のところに備考という形でございますが、税制改正による減収見込額を出しております。国税では五項目ありまして、第一が相続税制度改正、次が法人税軽減、次が酒税軽減、次が貯蓄控除制度の創設、これは所得税であります。次が科学技術振興措置の拡充、これはほとんど法人税であります。合計して初年度二百六十一億円、平年度三百七十三億円の減収を生ずる。これに地方税において、自転車荷車税の廃止をされますので、それの財源を補てんする意味で、市町村たばこ消費税を九%から二%引き上げて一一%にするということ、それに伴いまして、国の方の減収が、ごらんの通り四十六億円、平年度五十億円立つわけであります。つまり中央財政財源を加えますと、初年度三百七億円、平年度四百二十三億円の財源を投じて、今回の税制改正をやろうということに相なっておるわけであります。  そこで、その税制改正の中身はどうかというのを二十八ページ以下でごらん願います。  第一に相続税であります。相続税は、わが国では、昔から相続がありますと、遺産額が幾らかということで、その遺産額に控除税率を当てはめて計算したものでございます。二十五年のいわゆるシャウプ改正で、これを根本的に改めまして、遺産額でなくして取得額で、だれかさんが幾らもらったと、そのもらった人にもらった額に応じて課税するということに改正いたしたわけでございます。しかしこの制度が、理念的にはともかく、実際問題として、いろいろ問題が多いということ、その根本的な改正について検討を行いました。昨年春以来、税制特別調査会で十分に御審議願い、また政府側としてもいろいろ検討いたしました結果、こういう案になったわけでございます。その案の骨子は、やはり体系としては、遺産税の方針はとらない。遺産取得税体系は維持する、しかしながら現在の取得税制度におきましては、納税者が財産の分割をどうしたかということで税負担が非常に違って参る。これはなかなか適正に税額が出るということはむずかしいうらみがございます。これはもう皆様御承知の通りであります。それを何とか避けたいという意味で、取得課税体系はとまりすが、相続税総額は、遺産額が幾らということがわかり、そして法定相続人の数が何人ということがきまれば、何人でどういう法定相続人であるかということがきまりますれば、相続税総額はそれでもうぴちゃっときまってしまうという制度にしようというのが大きな改正であります。それが第一点。それからもう一つは、第二点として、そういう体系のもとにおいて、控除と税率をアジャストして、あまりに小さな遺産の場合に相続税が課税になるということを避ける、それから千万円程度ぐらいまでの遺産については、どうも今まで負担が重過ぎるから、相当軽減しようというふうに、負担軽減緩和するという思想を相当盛り込む、これが第二点であります。その盛り込みました結果は、三十一ページでごらん願うようにいたしております。ちょっとごらんを願います。この比較は非常にむずかしいのでありまして、今申しましたように、現行法のもとにおける負担は、何人がどういうふうに遺産を分割するかということで、まるっきり違って参ります。しかしそこでは通常の相続人の数、通常取得者の数を前提とし、分割の度合いも通常の度合いを前提として、現行法の負担をはじき、改正案については、通常の法定相続人の数及びその構成を前提としてはじいております。ごらんの通り、遺産が三百万円程度までは、現行法では一〇%以内でかかっておりますが、改正案では、大体その辺までははずれてくる。五百万円、千万円という遺産でありましても、負担率のところをごらんいただきますと、まあ、半分ないし三分の一ぐらい減るということになっております。半分以上減る場合も相当ございます。三千万、五千万というあたりも若干はまあこういう計算では減る。しかし上の方にゆきますと若干負担がふえるという形になっているわけでございます。  それでは二十八ページに戻っていただいて、それではそれをどういう仕組みでやるかということについて、簡単に申し上げます。相続税の(イ)の「課税最低限の引上げ」というところと、「税率の緩和」というところでございます。課税最低限として、遺産の金額が百五十万円と法定相続人の数に三十万円をかけた額の合計額以下の場合は課税しない。つまり法定相続人が五人ぐらいあるというのが大体普通の相続の場合のようでありますから百五十万円、それに百五十万円は別に控除するということになっておりますから、合計三百万円が控除になるというのが、通常の控除額となるわけであります。で、「税率の緩和」というのがございますが、遺産の金額が千万円程度までの階層の負担を大幅に、先ほどごらん願いましたように軽減するように、累進率の緩和をはかる、そうして「相続税額の計算」というところで、この課税最低限の金額をこえる部分の遺産、つまり今申しました控除額を引いて残るその残ったものに税率を当てがうわけですが、その当てがい方は、どんなふうに実際上分割するかは問いません。法定相続人が、奥さんがおられる。子供がまあ四人といたしますが、そうなると奥さんが三分の一法定相続権で持っていかれるということを一応仮定する。残りの三分の二を、四人のお子さんが均分で受け取るというふうにして、各部分を分ける。その分けた各部分に税率を適用する。そうして総税額を出すということでございます。従いましてもう総税額は、遺産額と法定相続人の数並びにその資格というものがきまりますと、きまって参るというようになっております。  第二の所得税に参ります。所得税では、貯蓄増強のための貯蓄控除制度というものを新設するというのが、大きな改正でございます。これは昨年来国際収支の変調を契機として、日本経済を伸ばすために、一時縮んでもがまんしなければならないというような、きつい引き締めの態勢に入って来たわけでございますが、これに対応して貯蓄の増強ということに、税の面でも一段と考えようという角度からいたすものでありまして、そういう意味から昭和三十三年度分三十四年度分の所得税について特例を設ける。そうして現在でもこの貯蓄には利子所得の免税あるいは減税というようなことをやっているわけでございますが、新たなこの利益を与えるわけでありますから、二年以上の預入期間の貯蓄をしていただく、しかもそれを年の末になってぼこっと二十万円預けて、これで控除してくれと言われては、今まで預金を持っている人が、それを振りかえて控除を受けるというような弊害が顕著になる。それではおもしろくない。着実に毎月積んでゆくような貯蓄をやっていただく。そういう人にだけこの利益を与えるというふうにいたしたいというのが、二十九ページの上から三分の一ぐらいのところに書いてございます。そうしてできる限り貯蓄組合というようなものを利用して、組織的な貯蓄の仕組みができるような習慣がつくように、で、そのために年間貯蓄額の三%を、その年分の所得税額から控除する。最高は六千円でございます。つまり二十万円の三%で六千円なわけでありますから、二十万円までの貯蓄についてこの利益を与えるという考えでございます。なお、どんな貯蓄がこの利益を受ける資格があるかというのが、一番上にございますが通常の預貯金だけでなしに、まあ預貯金にいたしましても毎月積んでゆく預貯金の形になるわけでございますが、それ以外でも公社債はもちろん株式、投資信託まで入れて、広くいろいろな形の貯蓄をこれで奨励しようという考えでございます。大体これでフルに働きます三十四年分については、年間これによってふえる貯蓄額は約二千四百億円というふうに計算いたしております。三十三年分はその約八割程度というふうに計算いたしております。  第三の法人税でございますが、法人税は一つには税率軽減する。それからもう一つには特別措置で当面必要なものを拡充するということに考えております。税率軽減は、法人税税率は御案内のように現在四十%というのが普通の税率で、ただし所得のうち下から百万円までの小さな所得の部分については三五%という軽減税率を適用いたしておりますが、この率をそれぞれ二%ずつ下げて三八%、三三%にいたします。同時に三三%の適用を受ける所得の範囲を、百万円を倍にしまして二百万円まで軽減税率が適用になるというふうにいたそう、これは中小企業対策をまじえたものでございます。特別法人の率は三割でありますが、これを二割八分に下げるということでございます。それから特別措置の方は科学技術振興、それから輸出の振興というようなために特別償却あるいは輸出所得控除の制度等について手を加えるということになっております。なお、特別措置については第五の「その他の事項」の中に、その他のいろんな問題が触れてございます。期限のくるもの、あるものは廃止し、あるものは存続するというようなことをいたそうというふうに考えております。  第四の酒税でありますが、大衆の税負担軽減という見地から、下級酒と目されますものを一割程度税率を下げるというつもりでございます。おもな酒類について、そこに四つ例をあげて税率の変り工合をしたためてございます。  以上きわめて簡単でございますが、税に関しまする補足説明を申し上げました。
  11. 佐多忠隆

    佐多忠隆君 ちょっと資料を。毎年毎年非常に詳しい課税の積算見積り方法を提示されるのですが、結果は非常に違っていて、これを自然増収という形によく扱っておられるのですが、その食い違いがあまり大きいので、ここらで一つ積算方法そのものを根本的に検討してみる必要があるんじゃないかと思います。たとえば三十二年度予算のときに出された見積り方法と、それから実績とは、この見積り方法の一つ一つに対比してどこにどういう狂いができてきたのか、三十二年度推定実績ももうおわかりでしょうから、その対比がわかる表を一ついただきたい。それから、三十二年度は推定実績になりますから正確でないと思いますから、三十年度、三十一年度についても同じような検討をすればどういうふうになるか、それが明瞭にわかる資料を提出していただきたい。
  12. 田村文吉

    ○田村文吉君 資料の点について。基準年度におきます法人税というものは当時はなかったんでありますが、法人所得と個人所得の別はわかっていると思うのであります。それと現行のものとを比較してみたいのでありまするが、その意味で員数、つまり課税員数並びに所得額を法人及び個人別にして表を、基準年度というのは、昭和九年、十年、十一年であります。お願いします。
  13. 正示啓次郎

    政府委員(正示啓次郎君) 私から財政投融資計画及び国庫収支の見込みにつきまして簡単に御説明申し上げます。  恐縮でございますが、もう一度「昭和三十三年度予算説明」、この資料をお開きいただきたいと思います。財政投融資につきましては、この資料の九ページをお開きいただきますと、ここにIVといたしまして、一番下の所でございます。財政投融資資金計画、I原資見込。それから次の十ページに資金計画がございます。これが全体の計表でございまして、なお、財政投融資計画については、特別会計政府関係機関、それぞれの所に説明がありますほか、この資料の五十六ページ以下に全体の説明がございますが、これらの説明は追ってごらんをいただくようにお願いを申し上げまして、ただいまのところはこの九ページから十、十一と三ページにわたります計表をごらんいただきながら、特に御注意をいただきたいものにつきまして概略を申し上げます。  まず、昭和三十三年度財政投融資計画でございますが、これは十一ページ備考の上のところに合計という欄がございまして、数字が二欄、上欄と下欄にわたって出ております。備考に書いておりますように、上欄が三十三年度でございまして、下欄が三十二年度計画を示しております。ここでごらんいただきますというと、産業投資会計から三十三年度は二百七十七億円、資金運用部から二千四百三十七億円、簡保資金が八百五十八億円、小計三千五百七十二億円。これが財政資金でございます。これに公募債借入金が四百二十三億円でございまして、合せまして三千九百九十五億円。これが財政投融資計画の総ワクでございます。  まず第一にその原資でございますが、これが九ページから十ページにわたって出ておるわけでございまして、今読み上げましたように、財政資金のうちに産業投資特別会計から二百七十七億円を予定いたしております。この二百七十七億円は前年度三十二年度に比較いたしますと、百億余り減っております。これは御承知のように三十二年度におきましては、一般会計から三百億円の資金産業投資特別会計に繰り入れられまして、そのうち百五十億円を資金から取りくずして使ったのでございますが、本年度は原則としてかような資金の取りくずしはいたさないという方針をいたしましたために、百億円余り減少になっておるわけであります。それから十ページ資金運用部資金をごらんいただきますと、これはカッコいたしておりますように、郵便貯金千百五十億円が最もそのうちの主要なものでございますが、最近の郵便貯金は昨年十二月一日から利子上げをお認めいただきましたようなこともございまして、相当ステデイな伸びをいたしております。つきましては、郵便貯金は三十二年度当初計画の千百五十億円と同じワクを見込みまして、その他預託金回収金の増加等を合せまして、二千四百三十七億円といたしておりますので、これは三十二年度に比較をいたしますと、三百八億円余り増加となるわけでございます。次に、簡保年金資金でございますが、八百五十八億円を予定いたしておりますから、前年度七百四十億円に比較いたしますと百十八億円の増加となっております。  以上申し上げましたように、財政資金を前年度と比較いたしますと、三百二十六億円増額をいたしまして、先ほど申し上げましたように十一ページの合計欄の公募債借入金は、逆に前年度八百四十五億円の当初計画を四百二十三億円にいたしておりますから、公募債借入金では四百二十二億円減額いたしております。すなわち民間から公募債借入金の形で調達いたします金額を減らし、財政資金の比重をふやしたのであります。この点は財政投融資計画の三十三年度の一つの特徴でございます。  これがどこに表われて参るかと申しますと、たとえば一番大きくごらんをいただきますために、十一ページの政府事業建設投資というところのそのすぐ下のところに国有鉄道というのがございますが、これをごらんいただきますと、上の欄がやはり三十三年度、下の欄が三十二年度を表わしておりますが、ここでごらんをいただきますと、三十二年度には二百九十五億円の外部資金のうち、わずか八十億円を財政資金でまかなうというふうな建前でございましたのが、三十三年度になりますと、二百八十五億円の外部資金のうち二百億円を財政資金でまかなうという建前に変っておるのでございます。  それからその下の電電公社でごらんをいただきますと、やはり同じように前年は九十五億の外部資金を全部公募債借入金によってまかなうということでございましたが、三十三年度におきましては、三十五億円をすべてこの資金運用部と簡保資金、すなわち財政資金でまかなうことにいたしておるのであります。  また同じようなことは十ページの下から六つ目に道路公団というのがございますが、ここでごらんをいただきまずと、やはり前年は百億円のうち六十億円を公募債借入金に依存いたしておりましたのが、三十三年度になりますと百二十七億円のうち、百四億円を財政資金によってまかなう、かような計画になっております。  さらにまた非常に委員各位の御関心の深い地方財政でございますが、十一ページの合計欄のすぐ上のところに地方債といたしまして、三十三年度一千億円のうち財政資金は八百五十億円ということに予定をいたしております。非常に高い比率になっておりますのみならず、地方財政におきましては一般会計債、すなわち公営企業に対立いたしまする一般会計債につきましては全額を財政資金でまかなうというふうな建前にいたしておるのでございます。  さらにこの計表の上には表われておりませんが開発銀行の中に、いわゆる海運、造船でございます、計画造船でございますが、海運に対する開銀資金の比率におきまして、三十二年度は総平均三五%を財政資金でまかなうという建前でございましたのを、三十三年度におきましては五三%財政資金によってまかなう、かような建前にいたしておるのでございます。  以上のように財政資金の比重を非常に増加しておりますほかに、三十三年度におきましては政府保証によりまして相当額の世界銀行借款、いわゆるワールド・バンクの借款をも見込んでおる次第でございます。  かように財政資金、外資及び一般民間資金の三者を総合的に考えまして計画を策定いたしたのでございますが、その際公募債借入金を減じまして、この面での民間金融負担は軽くしております反面、他方におきまして、重点部門、あとで申し上げますような電力、鉄鋼、石炭、そういうふうな重点部門でございますが、重点部門に対しまする資金の供給につきましては、全体として民間金融機関によりまするいわゆる自主的調整の態勢を一段と整備されるように期待いたしておるのでございまして、この三者の協調的運営によりまして重点施策の遂行に遺憾なきを期して参る所存でございます。  なお、右に申し述べました外資受け入れが時期的にずれること等に備えまするとともに、あとで申し述べまするような計画全体の弾力的運営のために備えまして、資金運用部等には若干の持ち越し資金が残っている次第でございます。  あらためて申し上げるまでもございませんが、これは大臣説明の中にございましたように、昭和三十三年度のわが国経済の見通しにつきましては、あとで経済企画庁からも詳しい御説明がございますが、実質成長率を三%に押えまして、そのため民間設備投資は三十三年度に比較いたしますと若干減少するように見込まれているのでございます。しかし財政投融資の対象になるような事業につきましては、あるいは政府みずから行う事業でございますとか、民間の重点部門に対する資金の供給等でございまして、それ自体重要度が高く、また将来におきまする経済の成長のための基盤を培うために、この際、ぜひとも行わなければならないようなものもいろいろあるわけでございます。さらにまた昨今の経済情勢の推移をみますると、民間の投資はむしろ沈滞の傾向にございまして、民間金融も逼迫をいたしておりまする状況でございますから、財政投融資による資金の供給をこの計画程度にいたしましても、それによりまして投資意欲を過度に刺激するというふうにも考えられないのでありまして、むしろ民間資金と相補い、国内経済投資活動を適正な限度に維持するものと申し上げて差しつかえないということは、大蔵大臣説明においてもはっきりと申し上げたところでございます。  以上資金、原資及び規模について申し上げたのでございますが、次に資金の配分について申し上げます。  資金の配分に当りまして、重点中の超重点が国際収支の改善をはかるための輸出の振興にあることは、あらためて申し上げるまでもございません。三十三年度予算その他万般の経済施策は、まさにこの一点に集中せられていると申し上げるべきでございまして、これは前提になっているわけでございます。財政投融資の面におきましては、十ページの上から三つ目、民間への資金供給欄の三つ目に輸出入銀行という欄がございます。輸出入銀行につきましては、昭和三十二年度で、あとから申し上げますように、各機関に所要の繰り延べを行いましたが、ひとり輸出入銀行はその繰り延べの対象から除外せられまして、必要な資金を確保いたしたわけでございます。三十三年度といたしましても、さきに申し上げましたように、輸出振興の重要性にかんがみまして、必要な資金措置を講じ、貸付規模の拡大をはかっている次第でございます。  次に、昭和三十三年度は御承知のように新しい長期経済計画初年度に当るわけでございます。財政投融資の面におきましても、特にその点に配意いたしております。おもな点を申し上げますと、第一点は産業基盤としてエネルギー資源の開発でございます。電力、石炭等エネルギー部門につきましては、それぞれ将来のわが国経済の成長発展に応じまして、新しい長期計画が立てられ、その開発が急がれているところでございますが、財政投融資におきましては特にこの点に力を注ぎ、長期計画の達成に努めることにいたしております。すなわち電力につきましては昭和三十二年度から三十七年度までの六カ年間に水力火力合せまして一千百二十万キロワットの開発を行うことになっておりまして、このための所要資金は一兆七千七百億円と見込まれております。これは三十三年度以降年平均にいたしますと約三千億になります。昭和三十三年度財政投融資におきましては、ちょうど十ページの開発銀行の次に電源開発会社というのがございますが、この電源開発会社に対しまして世銀借款をも含めて、ごらんのように四百九十八億円の資金を計上し、また先ほど指摘いたしました地方債の欄におきまして、公営電力につきましても百五十億円を見込んでおります。さらにまた開発銀行の中におきまして九電力会社等に対する開銀資金は二百五十億円を計上いたしております。そのほかにこの九電力のためには相当額の世銀借款をも期待しておりまして、これらを合せますと、来年度におきまして長期計画の達成に必要な工事は確保できるものと思われます。  電力のほか石炭につきましても開発銀行の資金を相当増額する考えでおりますし、また石油資源開発会社、ちょうど輸出入銀行のすぐ下に石油資源開発会社が出ておりますが、この会社につきましても、その資金増額いたしている次第でございます。  第二点は輸送力の増強でございます。中でも大臣その他からたびたび御説明がございましたように、道路の近代化を中軸とする輸送力の増強に重点をおいております。特に道路につきましては、新たに昭和三十三年度初年度とする道路整備五カ年計画を樹立することといたしまして、これが実施を強力に推進するため、道路整備特別会計を設け、資金運用部から五十四億円の借り入れを行うことにしております。十一ページの地方債の上に計がございまして、その上に道路整備という項目が出ております。これが道路整備特別会計でございます。でさらに先ほど申しました十ページの道路公団のところでございますが、日本道路公団の事業に関しましても、名古屋、神戸間の高速道路建設を本格化いたしまするほか、主要な有料道路事業の推進をはかることといたしまして、世銀借款をも期待し、大幅に資金増額をはかっております。このほか国鉄、地下鉄等につきましても、資金の確保をはかり、輸送力の増強につとめておる次第でございます。  第三点は、中小企業対策でございます。十ページの下から九つめあたりから商工横券、中小企業金融公庫、国民金融公庫の項目が出て参ります。この中小企業対策は、昭和三十二年度において大幅な資金量の増加をはかったことは御承知の通りでございます。あとで申し上げますように、金融引き締め政策のしわが寄らないようにということで相当の配意がなされたのでございます。三十三年度におきましては、さらに貸付金の増加予定しております。すなわち、国民金融公庫、中小企業金融公庫において、それぞれ相当額の貸付規模の拡大をはかったほか、商中債券につきましても、年度間の百億円の貸し出し純増をはかるに必要な措置を講じておる次第であります。さらに国民金融公庫と中小金融公庫につきましては、予算総則におきまして新たに弾力条項を設けております。これは詳細は五十五ページ五十四ページ等に、この参考書の中に出ております。  第四点といたしまして、農林漁業対策でございます。財政投融資の面におきましては、農林漁業金融公庫資金充実するほか、農林漁業金融公庫は十ページの上から八つめでございますか、にございます。こういう公庫の資金充実するほか、十一ページの特定土地改良、開拓者資金の両特別会計に対する融資を増額して、生産基盤の整備拡大に努めますとともに、愛知用水、森林開発、農地開発機械公団の資金、これはそれぞれ十ページのまん中ころ、農林漁業金融公庫の下に出て参ります。公団資金を増強いたしまして、事業の円滑な遂行をはかることといたしております。なお、農林漁業金融公庫につきましては、先ほど中小企業関係で申し上げましたように、新たに弾力条項を設けることといたしております。  第五点は、住宅対策でございます。財政投融資の面におきましては十ページの下から——道路公団の上のところでございます。住宅金融公庫及び日本住宅公団に対しまして、引き続き既定計画を推進することとし、公庫につきましては九万二千戸、公団につきましては三万戸の建設に必要な資金を確保いたしております。  以上配分のおもな点について申し上げたのでございますが、三十三年度におきましては、新たに財政投融資計画に計上いたしました項目として、先ほど申し上げました道路整備特別会計のほか、北海道地下資源会社というのがございます。十ページの東北開発会社の下のところに北海道地下資源会社、産投二億というのがございます。この北海道地下資源会社についての詳細は、この参考書の五十六ページに出ておりますが、御承知のように北海道における地下資源の開発は、内地に比較いたしますと相当立ちおくれておるというのが通常の観念になっております。そこで石油資源開発会社は内地、北海道を通じまして、特に石油資源の開発調査をいたしまするから、これを除外いたしました。石炭その他の非鉄金属等につきまして、新たに政府資金の二億、これに民間資金をも加えました会社を設立いたしまして、この会社が民間のそれぞれの企業等から委託を受けまして、単なる地表調査だけでなく、若干のボーリング的調査をやることによりまして、北海道地下資源の開発促進に寄与いたしたいという趣旨でございます。  次に、財政投融資の弾力的運用でございますが、この計表の合計欄のすぐ下に書いてございますようにこの財政投融資計画運用に当りましては、経済情勢及び民間金融の推移に応じまして弾力的にかつ慎重に行うつもりでございます。本来、財政投融資は弾力的に運用すべきものでございますが、三十三年度といたしましては、先ほど申し上げました外資等の関係、その他今後の経済の推移に応じまして、特にこの点に配意をいたそうと考えておる次第でございます。先ほど申し落しましたが、住宅金融公庫につきましても弾力条項を同じようにお願いをいたしております。こういう中小企業住宅金融あるいは農林漁業等の公庫等につきまして、予見せざる経済情勢の変動によりまして、予算に定められた借り入れ限度をこえて借り入れをする必要が生じた場合にも、その借り入れ限度の五割の範囲内で借り入れを増加できるような措置をいたしましたのも、このような同じ趣旨に基くものでございます。  なお、以上につけ加えまして、三十二年度財政投融資の実行状況を簡単に補足いたします。  御承知のように、三十二年度財政投融資は、当初かなり積極的な内容をもって出発したのでございますが、その後国際収支の急激なる悪化に対処いたして、その改善のため一連の措置が講ぜられたのであります。財政投融資におきましても、率先して繰り延べを行い、これに応じて民間の投資についてもできるだけの繰り延べを要請し、国内経済活動の行き過ぎを押えることといたしました。で、財政投融資の繰り延べ処置は、当初計画四千九十一億、先ほどごらんいただきました三十二年度の当初計画でございます。(「その数字はどこにある」と呼ぶ者あり)十一ページの合計欄でございます。四千九十一億という三十二年度の当初計画でございます。この四千九十一億のうち、七百九十九億五千万円を繰り延べるとともに、他方、引き締め政策が中小企業へしわ寄せになるのを防ぐため、国民金融公庫、中小金融公庫、商工中金に対しまして、あわせて百五十億円の資金追加を行うことといたしたのでございまして、それぞれの欄にカッコいたしまして追加額を表示いたしております。繰り延べ額七百九十九億五千万円からこの追加額百五十億円を差し引きました額、六百四十九億五千万円というのは、当初計画四千九十一億に対して一五%に当るわけでございます。その後、年末にかけまして、さらに中小企業対策として、八十二億円の資金追加をお願いいたしまして、当初計画四千九十一億に対する繰り延べ追加総額は五百六十七億五千万円。十一ページの四千九十一億(△五百六十七億五千万円)というのがその数字でございます、となっております。従いまして、三十二年度におきましては、これだけのものを四千九十一億から一応繰り延べたのでございますが、この三十二年度は当初計画四千九十一億円のほかに、三十一年度計画で、同年度中に実行せず、三十二年度に繰り越すこととして、三十二年度予算総則で公募債の発行借り入れの措置を講じましたものが道路公団等百四十九億ございました。これは表にはございません。予算総則で別途措置をしていただいたのでございます。これらのものが実行計画に加わったわけでございます。で、今申し上げましたように、七百九十九億五千万円の繰り延べをいたしておりますが、その後、たとえば開発銀行の回収が当初予定したよりも相当減少するとか、あるいは国有鉄道の損益勘定からの繰り入れが予算として減少し、繰り延べ後の工事を行うための資金が不足するというような事態が生じております。これらのものにつきましては、今後の情勢によりまして、年度末までに何らかの資金措置を講ずる必要があるものと考えられます。その額は現在のところ二百数十億円程度と見込まれておるのでございます。  以上をもちまして財政投融資説明を終りました。  最後に、国庫収支につきまして簡単に申し上げます。お手元に第二十八回通常国会昭和三十三年度予算に関する参考資料(理財局関係)というのがお配りいたしてございます。その一番最後、第3表というのをお開き願います。ここでごらんいただきますように、昭和三十二年度見込みというのは、これは実行見込みでございます。で、昭和三十三年度見込みというのは、今私がこれから御説明する分でございますが、その前に三十二年度見込が昨年の今ごろ丁度当予算委員会におきまして御説明した通りどういう姿であったかと、先ほど佐多委員からちょっと税収のことで御質問があったのに関連をするのでございますが、申し上げますと、当時はいわゆる外為資金がとんとんという、有名なとんとんという見通しでございまして、大体外為資金からあまり揚超要因がないという見込みでございましたので、実はこの二千四百十億円の揚超というのが三百五十億円の散超ということで、去年は御説明しておったのでございます。それは御記憶だと存じます。それが実に国際収支の急激なる、先ほど申し上げましたような変調が理由になりまして、今日のところここに書いてありますように、約二千四百十億円程度の揚超になるということを表示いたしておるわけであります。しからば三十三年度はどうとか申しますと、計の欄でごらんいただきますように、約千二百億程度の散布超過というふうに考えられておるのでございますが、これはそのうちの最も重要なファクターはすぐその計の上の外為資金七百三十八億円にあるわけでございます。これは先ほども申し上げましたように、三十三年度予算の実はキーポイントをなしておるわけでございますが、国際収支の実質黒字一億五千万ドルということが、予算その他の前提になっておるわけでございますが、その関係等がこの国庫収支の面に反映をいたしまして、七百三十八億円程度の散布超過がこの面から見込まれておるのでございます。一般会計特別会計の散超はすべてこの予算が先ほど御質問がありましたように歳入歳出がバランスがとれておるわけであります。そのままで行った場合も、歳出の支払い要因、たとえば一般会計で申し上げますと、三十一年度剰余金財源にする交付税あるいは揮発油税あるいは国債の償還というようなものが散超要因に入っておるわけでございます。それから特別会計で申し上げますと、先ほど申し上げました産業投資特別会計資金を取りくずした。去年も百五十億くらいのものが最初は散超として見込まれておったのでございます。私どもの方は今年といたしましては、それは資金運用部等の持越し原資を組みましたものと散超の資金を若干組みましたものを合わしてここに出しております。百十億余りのものが出ておるのでございますが、これらのものはすべてたとえば租税収入予算よりも入る自然増収があるということになりますれば散超要因は消えます。特別会計でも大きな要因といたしましては、食糧管理特別会計等は今のところはあまり散超でも揚超でもないようなバランスがとれた姿になっております。これが三十二年度におきましては、御承知のように非常に受配率が高くなりまして、食糧管理特別会計から配給を受ける率が高くなりまして、また消費者米価等の値上げ等がありまして大きな揚超のファクターになっておるのでございます。従って問題は外為資金が所期の通り国際収支が実質的に黒字になるかどうか、これがむしろ大きな決定的な要因ではなかろうか、こういうふうに一応見込まれるのでございますが、さような意味におきましてここに一応千二百億円という散超になるということを見込んでおります。大へん簡単でございますが、以上をもちまして説明を終ります。
  14. 佐多忠隆

    佐多忠隆君 今の財政資金対民間収支、これはもう少し詳しい資料にしていただかないとわかりませんので、もっと詳しい資料にしていただきたい特に散超要因、一般会計特別会計当りの散超要因の内容としてどういうものがあるか、資料ですから、もう少しその辺は丁寧な資料を出していただきたい。それから当初見込みも前予算委員会でやられた当初見込みが幾らだったか、それからこれはおそらく推計実績ですからこれでいいでしょうが、さらに年度の変化が、各四半期別にどういう変化をしたのか、そうして各四半期別に当局はどういうふうな予想を立てて対処されたのかという点がはっきりわかるような資料を出していただきたい。  それからちょっと御説明がありましたが、世銀借款あたりが、大体はこれで出ているのかと思いますが、世銀借款あるいは輸出入銀行あるいは国際通貨基金等から入れる外資、それらが一体どういうふうになるのか、これは民間のものも入れて三十二年度の実績がどうなっているのか、三十三年度の見込みがどうなるのか、それらの点もはっきりわかるような資料を御提示願いたい。
  15. 泉山三六

    委員長泉山三六君) 次に、大堀経済企画庁調整局長
  16. 大堀弘

    政府委員(大堀弘君) お手元に「昭和三十三年度経済計画の大綱」という印刷物をお配りいたしてございます。  ただいまから、本計画大綱のうちの二ページをお開きいただきまして、主要経済指標という表がございます。人口、雇用、生産、資本形成、消費物価、国際収支この各項目につきまして、三十一年度の実績、それから三十二年度の実績見込み、三十三年度の見通し、この比較表がございます。これを中心といたしまして御説明申し上げるわけでございますが、説明の便宜上、多少この表を離れまして、三十二年度経済の動向、三十三年度の見通しということで説明を申し上げさしていただきたいと思います。昨年の五月、金融引締め措置中心といたしました緊急総合対策が実施されまして、その結果、在庫面でまず調整が起り、それが反映いたしまして卸売物価が低落をいたしますとともに、逐次過大な設備投資の抑制と、生産の調整が促進されて参りました。また、国際収支は予想外に改善されまして、全般的には順調に所期の効果を納めて参っておると考えております。  最初に三十二年度経済の推移につきまして申し上げたいと思いますが、第一に経済需要の内容を構成いたします投資につきまして、設備投資が非常に過大だと言われておったわけでありますが、当初は、三十一年度の非常に高い水準の投資をさらに上回るのじゃないかという実勢でございましたが、引締めの結果といたしまして継続工事の繰り述べと、新規着工の停止が行われまして、ようやく正常な状態に落ちついて参っております。しかしながら年度全体としてみますると、既着工分の繰り述べが必ずしも十分でない結果、予想よりやや大きくなりまして一兆五千八百億程度の投資が行われることになると思われます。三十一年度に比べまして一五%程度の増加になると考えられております。これは書いてございませんが、説明として申し上げるのでございます。(佐多忠隆君「数字を言うときは、資料を何か配っておいてくれなければわかりゃせんぞ」と述ぶ。)  ただいまの第二ページの表の民間資本形成の内訳になります設備投資それから在庫投資住宅建設、この総合がここに出ておるわけでございます。そのうちの設備の状況についてただいま申し上げました一兆五千八百億は相当高いところへ本年度は参りますということでございます。  第二に在庫投資でございますが、在庫投資につきましても金融引締めによりまして、生産者製品在庫が蓄積増加をいたしまして、十一月も相当まだふえております。(佐多忠隆君「資料を配らなければ頭に入りゃせんぞ、べらべらしゃべるだけじゃ。参考資料でも出せ」と述ぶ)これは引き続きまた細部の表を作りまして差し上げたいと思いますが、在庫投資につきましても、相当高い水準に上っておりますが、現在、生産の本格的な調整が始まって参りまして、逐次、製品在庫の調整が行われる段階に入っております。原材料の在庫につきましても、上期、相当急速な増加が行われております。その後、伸び悩みとなりまして、調整が逐次、表面に現われて参りまして、数字の上でも、輸入原材料の在庫等につきましては、六月をピークとして次第に下って参っております。そこで、ここにございます民間資本形成、これが三十二年度のちょうど上からごらんいただきまして、人口以下に書いてございます。それから第二欄に国民総生産、資本形成という欄がございます。この資本形成の三十二年度の見込みといたしまして、二兆三千八百五十億という数字が出ておりますが、内容になります設備投資と在庫投資が相当ふくれました関係上、三十一年度が、これは実は相当高い水準にいっておりますが、それよりもさらに、この三十二年度が五・七%ほど上ったところへ参っておるというのが、ただいま申し上げた説明内容でございます。(佐多忠隆君「そこのところが大事なところだから、数字を一ぺん言って下さい」と述ぶ)数字を申し上げますが、三十二年度の、ただいま二兆三千八百五十億の内訳を申し上げますと、生産者耐久施設、設備投資になります分が一兆五千八百十億でございます。在庫品の増加でございますが、これが六千六十億でございます。個人住宅建設費、これが千九百八十億円、合計いたしまして二兆三千八百五十億に相なります。三十三年度の方はのちほど申し上げたいと思いますが、(「ついでに言え」と呼ぶ者あり)ついでに申し上げます。三十三年度につきましては、民間資本形成全体といたしましては、二兆一千百三十億と、ここにございますが、三十二年対比で八八・六%でございますから、一一・四%落ちるわけでございます。その内訳につきましては、生産者の耐久施設といたしましては、一兆三千五百九十億でございまして、本年度に比べまして約二千億余り減るわけでございます。設備投資、在庫投資が五千三百八十億、これも本年度に比べまして約七百億程度減少する。住宅建設、個人住宅の建築につきましては二千百六十億、これはまあ年々経済情勢の動きに関係なくふえて参っております。これは増加ということに相なります。  投資内容につきましては、ただいま申し上げた通りでございまして、次は有効需要の内訳になります消費でございますが、ここにございますように、三十二年度の個人消費支出という欄がございますが、三十一年度の実績は五兆四千百五十五億、三十二年度の見込みは五兆八千四百九十億と出ておりますが、前年に対しまして約八%の増加になっております。動きといたしましては、上期に消費の伸び方が割合に大きかったように思います。しかしながら、下期に多少経済の情勢が変りまして、消費が停滞するかと考えられますので、それを総合いたしてみましても、対前年比較で申し上げますと、八%程度の増加になる、かように見ておるわけであります。これに対しまして、三十三年度は、この横にございますが、六兆一千四百十億と見ておりますが、大体前年度対比で五%程度に相なるのではないかと思います。これは従来の傾向から見ますと、相当低い水準にとってございますが、これは経済調整の過程もございまして、多少伸びが鈍って参るという判断をいたしております。  このような関係からいたしまして、生産でございますが、生産の見込みにつきましては、鉱工業生産水準、農林水産生産水準、この欄をごらんいただきますが、鉱工業の生産水準につきましては、三十二年度は三十一年度に対比いたしまして、上期は相当高い水準にございまして、前年度対比一七%ほどアップのところへいっておりましたのですが、金融引き締めによりまして、生産調整が逐次行われておりまして、本来でございますと、下期に相当上るべき生産が下降いたしまして、年間平均いたしまして、ここにございますように、三十二年は三十一年に対して九・八%の高い水準になる、かように計算が出ております。農林水産につきましては、豊作の関係で二・二%の伸びに相なっております。これを総合いたしまして、上の欄の国民総生産でございますが、三十二年度は三十一年度に対しまして七・九%の成長に相なっております。これは実質で申し上げますと、物価の関係がございますので、実質では五・九%と相なるわけであります。これはノミナルの数字で、七・九%のノミナルと、こういうことであります。  次に、国際収支と物価について申し上げますと、国際収支の三十二年度実績の見込みのところをごらんいただきますが、受け取りが三十六億八千万ドル、そのうち輸出が二十八億三千万ドルでございます。支払いが三十八億一千万ドルで、そのうち、輸入が三十二億二千万ドル、バランスは一億三千万ドルの赤字ということになっております。これは御承知のように、多少、五、六月ごろの候におきまして、非常に輸入が殺到いたしまして、国際収支が非常な危険な状態に置かれたわけでございますが、その後、輸入が逐次減退をいたしまして、ちょっとここにございません数字でございますが、申し上げてよろしゅうございましょうか。——輸入につきまして、第一四半期、月平均で三億四千三百万ドル程度の輸入をいたしましたものが、第二四半期には二億八千百万ドル、第三四半期は二億一千七百万ドル、逐月非常な下降を示して参りまして、その結果といたしまして、輸入といたしましては、年間で三十二億二千万ドルの輸入でおさまるのではないか、かように考えられるわけでございます。輸出につきましては、ここに三十八億三千万ドルという数字が出ておりますが、これは年度当初から考えておりました目標が順調に伸びておりまして、第一四半期、月平均で二億一千九百万ドルの輸出がございまして、それが第二四半期が一億三千七百万ドル、第三四半期で二億五千百万ドル、順調な伸びを示して参りまして、この年度合計といたしましては、二十八億三千万ドルの達成が可能である、かように見ておるわけでございます。三十三年度につきましては、ここにございますが、輸出が三十一億五千万ドル、輸入が三十二億四千万ドル、その他貿易外特需等を加算いたしまして、差し引きいたしますと、バランスが一億五千万ドル黒字になっております。この三十一億五千万ドルの輸出目標につきまして、国際経済の情勢は必ずしも楽観できない事情もございますので、輸出目標として三十一億五千万ドルは容易な目標だとは考えておりませんけれども、現在国際比価が非常に好転して参っておりますこと、あるいは輸出圧力が増加いたしておりまして、海外市場の開拓も漸進いたしておりますので、輸出振興に対して格段の努力を重ねることによって輸出目標の達成が可能である、かように考えておるわけでございます。持に、金属関係、化学製品あるいは機械関係等につきまして、来年度相当大きな伸びを期待してよろしいのではないか、かように考えまして三十一億五千万ドルの輸出目標を掲げておるわけでございます。輸入につきましては、三十三年度は、輸入価格の低落もございますし、また製品関係の輸入が本年度に比べまして減少いたしますので、それらの関係を勘案いたしまして、国民経済に必要な食糧なり原材料の輸入については三十二億四千万ドルで十分確保ができるという見通しを立てておるわけでございます。貿易外の見込み及び特需等を勘案いたしまして、来年度この場合一億五千万ドルの黒字を残すことができる、実質黒字でございます。これが国際収支についての見通しでございます。  なお、上の欄に参りまして、物価でございますが、物価につきましては、御承知のように昨年の四月がピークになりまして、それ以来逐次下って参っておりますが、この一月第四週で、ちょうど食糧を除きまして、企画庁の物価指数によりますと、一割下ったことに相なっております。来年度の見通しといたしましては、卸売物価はこの線によりまして安定して参ると考えております。  ただ、消費者物価につきましては、本年度は上期若干上昇いたしまして、その後横ばいになり、最近多少上含みではございますが、前年度対比で約三%の上昇に相なっております。来年度——三十三年度はほぼ横ばいでいくのではないか、ここに書いてございますが、卸売物価は結局におきまして、三十三年度は三十二年度に対して九八・六、つまり一・四%年間平均で見ますると低いところに参る、こういうことでございます。CPI消費者物価指数は〇・二ということでございますが、ほぼ本年度の横ばいということに相なっているのでございます。  以上のような経済指標によりまして雇用の関係でございますが、本年度は雇用関係年度通じまして百十五万人の増加ということに相なっております。来年度は雇用関係で本年度に比べまして六十五万人の増加と見ているわけであります。就業関係は多少雇用関係よりも増加いたしまして百十万人の増加、かように考えておりますが、その総計数字がそこのところへ掲記されているわけでございます。  はなはだ簡単でございますが、経済指標の御説明中心といたしまして説明を終りたいと思います。
  17. 佐多忠隆

    佐多忠隆君 この雇用のもっと内容的に詳しい、就業者数なり雇用増、その詳しいものの資料を出していただきたい。  それから今説明をされた資本形成の中の数字、たとえば輸出入について今数字説明されたそれらを資料としてさらに提出を願いたいと思います。特に輸出輸入の計画は大きな商品グループ別でいいのですが、それから各地域別にどういうふうな予想を立てておられるか。あるいは三十二年度実績はどういうふうになってきたか。それらの点がわかるような資料を出していただきたいと思います。  それから三十一年度実績が出ておりますが、三十一年度当初計画予算のとき示された当初計画と実績との対比、それから三十二年度の当初計画、それから三十二年度はたびたび計画変更しておられますが、その計画変更のつどの数字の変化がいつどういうふうに変化、見込みの変更されたかが、一目瞭然するような資料を出していただきたいと思います。それから特にこの消費水準、生産水準、鉱工業、農林水産水準、それらの水準等は各四半期別にどういうふうな対前年度上げ下げになっているか、四半期別の変化の状況も明瞭にわかるように資料を出してたいだきたい。そういうことです。
  18. 大堀弘

    政府委員(大堀弘君) できますものを提出いたします。
  19. 泉山三六

    委員長泉山三六君) 以上をもって、大蔵大臣提案理由説明並びに関係政府委員補足説明は終りました。  本日は、これにて散会いたします。    午後三時三十七分散会