○
説明員(
渡部善信君)
婦人補導院の
整備状況につきまして申し上げます。ただいま
刑事課長から
お話し申し上げましたごとく、現在、
補導処分の
確定いたしました者は、
大阪で一名だけでございます。なお、未
確定でございますが、
確定を待っております
対象者が、
人名大阪にあるのでございます。その他の
地方では、現在この
処分を受けた者は、
判決を受けた者は一人もない模様でございます。現在、
補導院は、
大阪は、和歌山の
刑務所の一部に分隔いたしまして、
婦人補導院の
分院を
設置いたしております。それから
東京ほ、栃木の
刑務所の一部にこれまた分隔をいたしまして、
東京の
婦人補導院の
分院を
設置いたしております。それから九州は、麓の
刑務所の一部を分隔いたしまして、
福岡の
婦人補導院の
分院を
設置いたしておるのでございます。いずれも
予算を、大体四十万円から八十万円の
予算を計上いたしまして、この
分院の
整備をいたしたのでございますが、いずれも完成いたしまして、
収容者の入ってくるのを待機いたしておる
状況でございます。
人員の点は、
院長並びに分
院長、
教務課長、
教官等をいずれも任命いたしまして、この
職員の
整備につきましては、
婦人を主として
職員に充てるようにという御
要望もありますし、また、それが適当だと考えておりまするので、さような点を考慮いたしまして、先般とりあえずのところ、
矯正施設内の
婦人の
職員の
らち、
婦人補導院に適する者を選考いたしまして、二十四名につき
特別研修を実施いたしまして、いずれもこの
研修を終えておるのでございます。かような
職員を充てまして、今後この
補導院の
運営をいたしたいと存じておる次第でございます。ただ、これは仮の
分院でございまして、本院の
整備につきましては、いずれも目下その
整備に急いであるわけでございますが、
東京におきましては、
府中の
刑務所の近くでございますけれ
ども、そこに目下建築を急いでおります。この問題にからみまして、最近、
府中の
地元から
反対の陳情がありまして、目下この
地元との
折衝をいたしておるのでございますが、この
状況について御
説明申し上げたいと思うのでございます。この
東京の
婦人補導院の
設置につきましては、その
場所をいろいろと物色いたしたのでございますが、なかなか適当なところがない。ちょうど
府中の
刑務所の
耕転地が
刑務所の近くに約一万五千坪ばかりあるのでございます。その一部を分隔いたしまして、そこに
設置するととをきめたのでございますが、この問題につきまして、の五月の十五日に公布になりまして、さっそく、その五月の十五日に今度
補導院長に任命になりました
鈴木管区長、それから
矯正局の
総務課長、それから
経理部の
営繕課長と、それから
地元の
刑務所長とが、
府中の
市長をたずねまして、そして、との
婦人補導院の
設置について御
了解を受けに御
説明に参ったのでございます。その際、
市長の方からは、これは
刑務所のようなものではないので、この
必要性については十分われわれも認めるし、また、その
設置については協力しなければならない立場にある、あるいは
地元の方で多少
反対があるかもしらないけれ
どもよくこの
施設の
内容を認識してもらえれば、
了解のつくことであろうということで、大体、
市長の御
了解を得たのでございます。そとで、さっそく、その地所の測量にかかりまして、今、外べいの建設をいたしておるところでございますが、その間におきまして、五月二十三日でございますが、
地元の
代表者の方が
府中の
刑務所に見えまして、
一体、
婦人補導院というものができるそうだが、どういうものができるのかということでございました。
府中の
刑務所の方で、この
婦人補導院の
性格その他につきまして、いろいろ御
説明を申し上げまして、さようなものができるものならば、よく帰ってからも
地元の人に
説明しようということで、大体御
了解を得て、二十三日はお
帰りになったのであります。明けまして二十八日でございますが、これは五月の二十八日に、実は
設置場所の前に
小学校があるのでございます。その
小学校の
校長先生、そうして
PTAの会長さんが、
府中の
刑務所にお見えになりました。いずれも
婦人補導院の
設置について、いろいろ
地元の人は
心配しておる、どういうものができるのか、よく聞かしてくれということでありました。これまた、同じように
婦人補導院の
性格を
説明いたし、また、こういうものを作るのだということを申し上げまして、一応御
了解を得てお
帰りになったのでございます。で、それにつきまして、みな
心配しておるから、との問題について
地元の
代表者の有力な
人たちに、一応
説明会を開いてよく
説明をしてくれという御
要望がありました。市のご
あっせんを得まして、この六月の四日でございましたが、
府中の
刑務所に
地元の
代表者の方々十二名お
集まりを願うことにいたしまして、御案内を差し上げたのでございますが、お
集まりになりましたのは、たしか八名であったと思います。その席へ私も参りまして、それから
院長に充てられております
鈴木管区長、それから局の者と、それから
管区の者も帯同いたしまして、その席に参りまして、いろいろと御
説明を申し上げたのでございます。一応こちらの御
説明を申し上げましたところ、それでは、
PTAの総会を開くことになっておるので、一応その席にこの問題を諮ってするかもわからない、いずれ今後も
折衝することになるだろうから、その際には来て
説明をしてくれるかということでございました。何べんでもお伺いいたしますから、どうぞ御連絡を願いますということで、この会合は終ったのでございます。これが現在の
府中の
補導院の問題に関しましての経過でございます。
私、
皆様方の
お話を聞いておりまして、この
婦人補導院についての非常な危惧の念をお持ちになっていらっしゃる、と申しますのは、
婦人補導院ができると、
一体、そこらの辺を変な者がうろうろするのじゃなかろうか、それが
学校の方の近くにありますので、すぐ
学校の
生徒たちに悪い影響を及ぼすのじゃなかろうかということを非常に御
心配になっておるようでございます。なお、
学校の校舎の中から
婦人補導院の中がうかがえるようなことになりはしないかということも御
心配になっておるようでございます。そこで、
婦人補導院が今度新しい
売春防止法の精神に基いて、
刑務所のようなものじゃなくて、
ほんとうに明るい
婦人の
更生を期する新しい構想でできるものであるということを申し上げ、また、
内容におきましても明るい
補導院を作ることに努力をいたしておるということも申し上げたのでございます。
なお、この
場所が
小学校の前の
敷地になっておりますので、その点を考慮いたしまして、実は前の方は
官舎敷地に充てまして、
あとの方にずり下りまして、その
敷地を選定いたしておるのでございます。お
手元に配付しております図面を
ごらんになっていただきたいと思うのでございますが、前の方には
官舎を建てまして、直接さようなところに触れないように実は考慮いたしておるのでございます。今後もいろいろと
地元との間の
折衝があると存ずるのでございますが、十二分に
地元の方の御
了解を得まして、との
婦人補導院の設立をいたしたい、かように存じておる次第でございます。
なお、
大阪の方の新しい
婦人補導院は、現在
大阪の
刑務所の一部でございますが、もと
老人刑務所として指定したところを改造いたしてすることにいたしております。この点は、
地元の方から別に
反対もございません、今まで
老人刑務所としてやっておったのを改造いたしますので、この点は問題なかろうと思っております。ただ、
福岡の方で多少この
敷地について問題があるのでございます。これはもと
駐留軍の方で接収いたしておりました
松原地区の
接収地を解除いたしまして、そこに建てる
予定をいたしておるのでございますが、これにつきましても、
地元の方からこれについて、ほかの
場所を選定してほしいということを言うてきておるのでございますが、これにつきましても、今後、
補導院の
性格をよく御
説明申し上げ、
地元の御
了解を得て設立いたしたいというふうに考えて目下
折衝中でございます。
以上でございます。