○東隆君 実は、私は
輸入したものでもって作ったコンビーフを食べたことがある。コンビーフをカン詰でこしらえたそれを食べたことがある。それから
輸入したそのものを加工業者がもてあまして、そうして販路を求めておることも実は知っている。そこで問題は、
外国から入ったものは、冷凍されて相当貯蔵がきくんです。これが実は非常に問題になる。
国内において調節をする場合に、もちろん
国内のものを冷凍し、あるいはその他の形でもってやる場合には、
価格の
調整になるけれども、
外国から入ったもので
国内の
価格の
調整をやられたんじゃ、これはもうとんでもないことになるわけです。そこで、私どもが
考えなきゃならないのは、
外国から入ってきたものは、急場の
需要を満たすために入れるんですから、従って貯蔵されちゃ困るわけですね。そういう
考え方に立つべきだろうと思うんです、少くとも
生産の
方面から見たときに。それで、
生産者とそれから
輸入物の間には相当距離があるというようなお話ですけれども、実は、これは非常に距離はないんであって、直接
生産者の
価格に響いてくる。これほど敏感に響いてくるものはないと思う。生鮮食料品であればあるほど敏感に響いてくるんで、ただ困ったことは、向うの方が貯蔵ができるような態勢に持ってこられるんで、その間で多少距離がどうとかこうとかという問題が出てくると思うんです。私は、そういうような
意味で、
国内でもって適正な
価格を、もし
農林省が
食肉の面でもって形成されると、こういう
考え方ならば、やはり割当制を、強行突破して、
一つそいつを獲得するのが一番いい
方法である。こいつをやらないで、商人の利益を上げるということを目的に入れたんでは、これは業者が混乱するのが当りまえであって、そっちの根を絶たないでもって、混乱を防ぐために協議会をこしらえても、これはお話にならぬ。それで、その協議会はどういうことかといえば、結局、
輸入価格でもって入ってきたものを、損をしないようにそいつを使って、そして、おそらくほとんど大部分は加工の
方面に用いるだろう。それで、販路を求めたと言う先は、病院やその他の他大きな所で、しかも
経済力がない、それで安い肉を必要とすると、そういうような
方面に持っていったようですけれども……。そういう面があるわけです。だから、私はそういうようなことを
考えてくると、もう少し
農林省は強腰になって、そして割当制をやると、こういう
考え方に立つことが必要だと、こう思うわけです。それから問題は、私は、肉の
輸入よりも、
飼料の
輸入ということをまず第一に
考えんきゃならぬと思う。安いえさを
輸入するということ。もし高いえさを
輸入するというのだったら、これはもう肉も入れてもらっちゃ困る。こういう問題が私は関連してくると思う。肉が安いから、
飼料は高いから、そこで肉を入れるんだと、これでは農村はつぶれてしまいますから、
生産の
方面はつぶれてしまう。
先ほどお話になったように、おそらく乳牛がふえていけばいくほど、半分は雄牛が生まれてくるわけです。そうすると、その雄牛は、たいてい
農家はもう小さなときにつぶしてしまいます。しかし、
肉資源というものを十分に
考えていき、そして肉が相当な
価格に維持されるということになれば、金切り牛として去勢してそれを養っていくでしょう。別に
肉資源の方に振り向けていく。これがまた成り立っていく。そういうような過程が行われてくるわけです。だから、
国内におけるところの少くとも
農家の手取りの、何といいますか、肉
価格ですね、そういうものは、ある
程度のものを維持するということを
考えないで
輸入なんかさせられたら、これはもう
国内においてはジリ貧の形になってくる。こういうことはもう当然の話です。そういうような
意味で、もし
国内でもって
消費をする肉の一〇%が二万五千トンだというなら、
国内における総体の肉の必要量というものは二十五万トンなんだから、その二十五万トンに必要な雄牛の肉の
資源は、年々あるいはそれ以上に
生産をする態勢をやはり作っていかなきゃならぬ。そういうものは、今の牛の
頭数やそれからその他のものを
考えていって、相当
考えなきゃならぬことじゃないか。今問題になっておるのは、生肉としてやるんじゃなくて、加工する
方面のものが非常に多いのですから、従って、加工の面を
考えてくると、どういうことになるかというと、割当制を敢行しなきゃならぬというのは、おそらくカン詰となったものが入ってくるよりも、冷凍のものが
肉資源として、加工の原料として入ってくる、入れる、こういうようなものについて
考えることは、これはある
程度必要かもしれません。
国内において
生産する。そういうような面があって、
輸入カン詰とそれから
肉資源のカン詰用のもの、こういうようなものは、やっぱりそういうような点を
考えなきゃならないので、単に加工業者ばかりの集まりを開いて、あるいはそれに関連した者の集まりを開いて協議会をこしらえて、そうしてそこでもって出てきた
意見に従って、業者はこれくらいの
需要があるというわけで
輸入をする、このようになったら、えらい目にあう、こう思いますが、そういう点をかね合せて、私は、やはり
農林省がこの際確固とした
立場に立って、そうして割当制をあくまで維持するという方向に突っぱる、こういう覚悟をきめていただきたいと思うのです。この点
一つ。