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清澤俊英君 そうしますというと、安定
価格としては十九万円
——二十三万円の限度でこの安定
価格を支持していかれる、こういうことははっきりしました。そこで、実際
繭価協定をやって、買うときに、問題が出やせぬか。このときに実質上の問題として、これがいろいろ
政府等のあっせんによって、一応値段がきまりましても、
繭価が協定できて、きまりましても、実勢がこのままであったならば、果して全部買うか買わないか、これは問題になる。いやでも買えというところまでいってはいないのだから、非常に買い控えをしてきやせぬかという危険がある。あまり買い控えをされたら大へんだ、この心配はありませんか。
第二番目は、その際に、
政府としては、購繭
資金というものを
製糸家に、昔のように思い切り出していただけるかどうか。出さないで、今までの例で参りますれば、地銀から融資を受けるのであります。従って、地銀が、その値段では当分買えないから、内金だと称して、七割もしくは八割を支払って、なかなか
相場が上らないということになりまするというと、盆勘定になってもそれがもらえない、こういう不安はないでしょうか。今までそういう例がしばしばあったのです。これにはどういう御処置をとっていただけるか。これが出ないとは私は
考えられない。無理な
相場を一応作ってみても、実勢が、今言った
通り、内需も減っておる。
アメリカには現に一万俵の手持ちがある。
市場にも手持ちがある。
政府買い上げもたくさん持っている。保管も持っておる。また保管
資金もなくなっておる。こうした悪条件の中で、思い切ってどんどんと先足のないものを買うかどうかということなんです。もし二割か三割買い控えられたら、それは自然的に大問題が出ると思うのです。私はそれを聞きたいのです。
最後に、それに対する
政府のほんとうの腹がどこにあるのか。購繭
資金を出してやらせる。なるほど一部には、農協等を通じて乾繭の保管の
方法もあります。それにしても、徹底的にそれをやらせる。今、現在そういう品物がない、乾繭する道具、昔の道具、施設を持っている所はほとんどないと思うのです。手放している。これがなかなか間に合わない。そうすれば、自然に逆に、今まではやみで高売りをすることができたのが、今度は安売りしていかなければならぬ。農民はみな投げ売りしていかなければならぬ実情が出やせぬか。表はりっぱなものができても、現実はそこへ追い込まれるのではないかと
考えますときに、全く杞憂にたえないのであります。その点に対するはっきりした、閣議で、ただいまも
決定して、そのときは臨機の処置をとる、こう言われますが、
次官も知っておいででしょう、今度の二十億のワクをつける、これも
現金じゃ出せないのだ。ほんとうは
審議会では、二十億の
現金がほしかったのだ。ところが、それがどうでもだめなので、これを何とかつけなかったならば、どうも
アメリカに悪い
影響があって、そうして、だんだんと先を見越されて、値段が下っていく危険性があるから、
一つ何とか
買い入れるというワクをつけてくれ、これは
買い入れですから、利子がつくのか、その点は後ほどお伺いしたいと思っております。こうしてやっとつけてもらった。それが三月には、現在、
資金も絶えるから、それまでにいってああいう別ワクをつけてもらってやっておるのだが、大蔵省がうんと言って聞いてくれるかどうか。しかも、実勢が、特別購繭
資金を
製糸家に回すか、農協に回すか知らぬけれ
ども、そういうことをして繭の協定の
価格を
維持するものを、一日か二日でばたばたときめてくれる自信がございますか。私は、自信はどうもこの間の様子では、ないと思う。
次官、自信がありますか。もし、自信がおありならば、
一つ大蔵大臣に来てもらって、はっきりしてもらわなければ、これは問題にならぬ。事実、それはできますか。