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1958-02-06 第28回国会 参議院 農林水産委員会 第2号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和三十三年二月六日(木曜日)    午後一時四十三分開会   —————————————   委員の異動 一月二十日委員小笠原二三男君及び戸 叶武辞任につき、その補欠として江 田三郎君及び大河原一次君を議長にお いて指名した。   —————————————  出席者は左の通り。    委員長     重政 庸徳君    理事            柴田  栄君            藤野 繁雄君            清澤 俊英君            鈴木  一君    委員            秋山俊一郎君            雨森 常夫君            関根 久藏君            田中 啓一君            田中 茂穂君            仲原 善一君            堀  末治君            堀本 宜実君            東   隆君            江田 三郎君            大河原一次君            河合 義一君            北村  暢君            梶原 茂嘉君            北 勝太郎君            千田  正君            北條 雋八君   国務大臣    農 林 大 臣 赤城 宗徳君   政府委員    農林政務次官  本名  武君    農林大臣官房長 齋藤  誠君    農林大臣官房予    算課長     昌谷  孝君    農林省農林経済    局長      渡部 伍良君    農林省農地局長 安田善一郎君    農林省振興局長 永野 正二君    水産庁長官   奥原日出男君   事務局側    常任委員会専門    員       安楽城敏男君   —————————————   本日の会議に付した案件 ○理事辞任及び補欠互選農林水産政策に関する調査の件  (農林水産基本政策に関する件)  (昭和三十三年度農林水産関係予算  に関する件)  (今期国会農林水産関係提出予定法  律案に関する件)   —————————————
  2. 重政庸徳

    委員長重政庸徳君) ただいまから農林水産委員会を開きます。  最初に、委員の変更について御報告いたします。去る一月二十日小笠原二三男君及び戸叶武君が辞任され、江田三郎君及び大河原一次君が選任されました。   —————————————
  3. 重政庸徳

    委員長重政庸徳君) 次に、理事辞任についてお諮りいたします。  東隆君から、都合により理事を辞したい旨の申し出がありましたが、これを許可することに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  4. 重政庸徳

    委員長重政庸徳君) 御異議ないと認め、さように決定いたしました。  次に、その補欠互選及び欠員中の理事補欠互選を行いたいと存じます。この互選の方法は、成規の手続を省略して、便宜その指名を委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし上と呼ぶ者あり]
  5. 重政庸徳

    委員長重政庸徳君) 御異議ないと認め、私より鈴木一君及び上林忠次君を理事に指名いたします。   —————————————
  6. 重政庸徳

    委員長重政庸徳君) 農林水産基本政策の件を議題といたします。  この件について、赤城農林大臣から説明を伺うことにいたします。
  7. 赤城宗徳

    国務大臣赤城宗徳君) 農林水産行政全般につきまして私の考えておりますところは、すでに昨年当委員会において申し述べたところでありますが、今後は皆様の御協力を得て、その基本的な考え方を予算案に、法律案に、あるいは行政施策において、着実に具体化して参る考えであります。今国会に提出いたしますこれら予算案及び法律案につきまして、皆様方の御審議をいただくに当り、予算案編成及び法律案制定基本となりました農林水産行政重点について、その概要を申し述べたいと存じます。  農林水産業につきましては、その生産性向上し、他産業均衡のとれた所得を確保することに務めるとともに、拡大する国民経済に対し、十分な食糧と原材料とを確保するため、長期的観点に立って、その生産構造近代化食糧総合的自給力強化することが必要であります。これについて、最近農民諸君のたゆまざる努力が、政府施策と相待って、生産力向上し、外米の輸入は、過去の水準に比べ、ここ一両年その輸入量の減少を見て参りました。しかしながら、生産構造近代化食糧総合自給力強化や、また、これらを通じて達成されるべき農林水産業と他産業との均衡のとれた発展は、いずれも一朝一夕にその成果を期し得ないことは申すまでもありませんので、政府といたしましては、これまでの施策充実強化に加えて、新しい発展方向への施策の展開をはかる方針のもとに、三十二年度予算編成または所要法律案制定をいたすこととした次第でございます。この結果、予算案におきましては、農林関係総額約千八億、これを前年度約八百九十五億と対比いたしますと、約言十三億の増加となりますほか、所要財政投融資による資金三百一億を確保することといたした次第でございます。  その施策重点につき概要を申し上げます。  第一に、農林水産業生産基盤強化をはかることであります。  まず農業につきましては、土地改良事業開拓事業推進をはかり、農業のよって立つ生産基盤強化し、かつ、これを長期的観点から計画的に実施する必要がありますので、三十三年度は、食糧増産対策関係といたしまして国費で約三面九十三億円と、前年に比べ約二十四億円を増加し、さらに特定土地改良特別会計農林漁業金融公庫愛知用水公団及び機械開発公団政府資金を大幅に増額するほか、小団地等土地改良事業助成基金六十五億円の制度を新設し、これらをもって新長期経済計画初年度として、土地改良事業開拓事業計画的実施推進して参る所存であります。  土地改良事業につきましては、特定土地改良工事特別会計による国営事業につき、事業量拡大とその計画的推進をはかったのであります。特に八郎潟干拓事業につきましては、本格的に着工することとして、事業資金確保事業執行態勢整備等所要措置を講ずることといたしました。  一般会計による国営及び県営基幹的な土地改良事業につきましては、工事完了予定地区部分効果発生率の高い地区、他事業との関連上緊急を要する地区等重点を置き、一般的に前年度を上回る事業費増額をはかり、残事業量圧縮に努めることといたしております。なお、長期的観点から、計画的に農業の主産基盤強化するため、土地改良干拓開拓を通じ、全体設計及び調査計画拡充をはかり、これに備えることにいたしました。  団体営灌漑排水事業及び耕地整備事業につきましては、補助及び非補助のそれぞれの事業を通じ、重点基幹工事末端工事早期完成して、事業効果早期発現をはかること及び積寒湿田、急傾斜等特殊地帯農業振興計画実施促進並びに畑地改良事業の立ちおくれの是正に置いて、適切な運用を期すことといたしましたが、特に明年度からは、補助事業のほか、非補助融資事業伸長格段の意を用いることとし、事業資金増大と小団地等土地改良事業助成基金の新設による融資利率の低下とをはかることといたしました。  愛知用水事業につきましては、本格的な工事態勢整つた事情に即応いたしまして、必要な国費政府資金計上し、本年度九十一億円をもって所期事業量の遂行に努めることといたし、また篠津泥炭地開発事業につきましても、所要事業費確保して、所期事業実施を行う所存であります。  次に、開拓事業につきましては、開墾建設工事につき、継続地区早期完成促進するとともに、事業の進捗を期しているのであります、特に営農不振な既入植地に対しましては、建設工事促進を行うとともに、既入植者旧債整理営農資金貸付増加等措置を行い、計画的に不振開拓地振興をはかつて参りたいと存じます。  新規入植地につきましては、従来懸案となっていた機械開墾方式導入増加と、入植者営農類型改訂拡充実施に移し、これに応じて必要な補助金特に政府融資金大幅増額を行い、営農早期安定を期する等、開拓方式刷新を行うことといたしました。また、既存農家経営規模拡大して健全農家育成をはかるため、新たに地元増反に対し助成措置を講ずる道を開きました。また、農地開発機械公団事業につきましては、事業拡大をはかり、特に所有機械の効率的な運用を期することといたしました。防災事業につきましては、災害発生未然に防止することの重要性にかんがみ、防災溜池農地保全干拓堤防等、それぞれの計画に基いて事業の増強をはかることとし、特に地すべり対策事業については、新たに特別の法律制定してその対策を進めることといたしました。  なお、農地対策強化をはかるため、三十三年度自作農維持資金を前年度の五割増に大幅増額して、旺盛なその資金需要にこたえることとした次第であります。  次に、漁港につきましては、漁港整備計画に基く修築事業早期完成を期し、前年度に比べ約二割増の所要経費計上して、整備事業実施するとともに、局部改良事業及び区域内保全施設拡充をはかることとしたのであります。なお、三十三年度におきましては、三十七港の完了を予定いたしております。  また、国土保全上もともとに重要と考えております治山事業につきましては、荒廃林地復旧防災林造成水源林造成等に努めることといたし、特に三十三年度におきましては、予防的治山事業拡充し、効果増大を期することといたしますほか、さきに申し述べましたように、特別法制定し、地すべり地域に対する防止事業強化をはかることといたしました。また、増大する木材需要に対応いたしまして、奥地林開発中心とする林道網整備促進いたしますとともに、拡大造林重点とする造林及びせき悪林地改良推進して参る考えでございます。  第二には、農林水産業経営改善し、その安定と発展をはかることであります。  農業につきましては、食糧総合自給力強化という目標に照らしまして、生産基盤強化と相待って、試験研究改良普及事業を初め、各般の施策充実強化することに心がけました。この見地から、食糧生産基幹である水田の生産条件改善に留意したことは申すまでもございません。と同時に、従来とかくおくれがちでありました畑作振興につきましては、畑作関係試験研究について、国及び地方を通じ農業試験場の機構の整備拡充をはかるほか、総合的に試験研究推進をはかることとし、さらに特技普及員設置等畑作関係普及事業充実するとともに、各種耕種改善施策強化に努めた次第であります。園芸作物につきましても、園芸振興調査会を設ける等、その振興をはかる措置を講ずることといたしました。また、寒冷地帯についての家畜機械国有貸付事業継続するほか、北海道につきましては、新たに畑作営農改善資金導入することとして、畑作経営地域的特性に応ずる施策強化いたしました。  次に畑作経営確立にも密接な関係を持っております畜産振興につきましては、家畜改良増殖家畜導入飼料自給度向上畜産技術向上等、一貫して施策充実をはかったのでありますが、三十三年度におきましては、草地改良事業化種畜牧場整備のほか、特に流通段階改善重点を置いて、牛乳乳製品につき、需要増進価格安定の見地から、新たに酪農振興基金を設置し、また、飲用乳等学校給食助成を行うほか、牛乳乳質改善事業実施することとして、施策拡充を期したのであります。  農家経営の安定に欠くことのできない役割を果している蚕糸業につきましては、繭糸価格安定制度による繭価維持とあわせて、繭品質向上生産費の低減をはかることを目標として、施策充実に努めてきたのでありますが、三十三年度におきましては、蚕糸技術指導強化重点を置いて助成措置を講ずることといたしました。なお、蚕糸業振興が販路の拡大流通合理化価格の安定によって左右されるところきわめて大である点に着目いたしまして、米国における淵費宣伝事業及び市場調査強化するほか、繭糸価格安定制度充実をはかるため、生糸保管会社に対して政府出資を行うとともに、糸価安定特別会計における証券、借入金等限度額増額して買入資金ワクを五十億とし、その拡充を行うことといたしたのであります。  水産業につきましては、国際漁場確保と未開発漁場開発に努めますとともに、特に沿岸漁業振興重点を置きまして、水産増殖その他の沿岸漁業振興対策事業拡充実施し、また漁場集約的利用の助長、技術改良事業強化漁業共済試験実施拡充及び魚価安定対策推進等を行うことといたしました。なお、水産業現行制度に関する全般的検討を行うことを目的として漁業制度調査会を新設することといたしまして、今後の振興にも万全を期する考えでございます。  また、林業につきましては、森林経営集約化並びに合理化につきまして、従前の諸施策強化いたしますとともに、林業普及事業林木品種改良事業等について事業拡充を行うほか、新たに木炭生産指導強化することとした次第であります。  第三といたしまして、農林水産業経営の安定と発展には、農林水産物流通改善がきわめて重要であることは申すまでもないことであります。従いまして、すでに申上げましたように、牛乳等畜産物水産物等について、価格安定対策強化する措置を講じたのでありますが、農作物についても価格安定制度の適切な運用をはかるため、食管特別会計に新たに農産物等安定勘定を設け、イモ類菜種等につき四億五千万円、飼料を含め十億円の予算上の繰り入れを行うこととしたのであります。また、農林水産物輸出振興のため、ミカン、茶等につき、所要予算措置を講じた次第であります。  以上の施策に加え、この際、中央卸売市場の業務の改善のため、中央卸売市場法の一部を改正し、また、農林中央金庫及び農林漁業金融公庫より農林水産物流通合理化に資する資金を融通する道を開くため、所要法律改正をいたしたいと考えております。  第四に、農山漁村振興対策といたしましては、三十三年度におきましても、新農山漁村建設事業を引き続き既定計画に基き推進することとしたほか、海外移住促進農村青少年対策等にも一段の努力を払うことといたした次第であります。  また農林水産業団体活動促進につきましては、農業委員会制度について都道府県農業会議中心としてその活動充実を期しますとともに、農業協同組合については、事業運営刷新自治監査体制強化をはかるため、予算的法的措置を講じ、不振組合につきましては、整備強化措置の期限を延ばしてその推進を期することといたしました。  申すまでもなく、農林水産施策推進は、農林水産業団体育成強化に待つところ大でありますので、これら団体職員の身分安定のため法的措置を講ずることとし、農林漁業団体職員共済組合法について成案を得次第御審議をわずらわしたいと考えている次第であります。  食糧管理につきましては、その運営合理化することとし、このため、食糧管理特別会計に三十三年度から部門別勘定を設けるとともに、三十二年度補正予算において一般会計から資金として百五十億円を繰り入れ、これによって食管会計を健全化することといたしました。  最後に、農林関係財政投融資計画について申し上げますと、農林漁業金融公庫のほか、開拓者資金融通特別会計特定土地改良工事特別会計愛知用水公団農地開発機械公団森林開発公団等の各事業につき、三十三年度における拡充された事業計画に対応して、前年度を約百十億円上回る計画といたしたのであります。  以上、施策概要を申し述べたのでありますが、各位の一そうの御鞭撻、御協力を、今後ともお願いする次第であります。
  8. 重政庸徳

    委員長重政庸徳君) 本日は説明を伺うだけにとどめ、説明に対する質疑は、日をあらためて行うことにいたします。  速記をとめて。    〔速記中止
  9. 重政庸徳

    委員長重政庸徳君) 速記をつけて。  農林省関係昭和三十三年度予算案、及び昭和三十二年度補正予算案を一括して議題にいたします。  これらの件について、農林当局説明を求めます。
  10. 本名武

    政府委員本名武君) 昭和三十三年度農林関係予算案について、その概要を御説明申し上げます。  まず、一般会計における農林関係予算案の総体について申し上げます。  農林省所管合計といたしましては、八百三十億九千七百万円となっております。これに総理府所管北海道関係公共事業費八十一億九千万円、離島振興関係経費十二億二千九百万円及び原子力平和利用等に要する経費一億一千三百万円、労働省所管農林関係公共事業費一億五千万円、建設省所管農林関係営繕費六千万円、大蔵省所管農林漁業金融公庫小団地等土地改良事業助成基金出資金六十五億円並びに文部省所管麦製品学校給食費十四億八千万円を加えました農林関係予算合計は、一千八億二千万円となり、金額において前年度に対し百十三億一千五百万円の増となっております。  かように関係予算におきまして増額を見ましたおもなものは、農林漁業金融公庫小団地等土地改良事業助成基金出資金において六十五億円、災害復旧事業費を除く公共事業費において三十一億七千五百万円、酪農振興基金及び牛乳、乳製品学校給食費において十二億円、食糧管理特別会計農産物等安定勘定繰り入れにおいて十億円、新農山漁村建設特別助成において四億七千六百万円、農業保険費において三億二千七百万円、漁船再保険特別会計繰り入れにおいて二億五千八百万円、麦製品学校給食費において一億八千万円、人件費において七億七百万円等であります。  この反面、減額になつたおもなものは、災害復旧事業費において十八億九千七百万円、農業改良資金造成費補助金で二億三千三百万円、農林漁業災害営農資金利子補給補助金において一億四百万円、農林漁業協同組合連合会整備促進に要する経費において一億二千八百万円等であります。  次に、本予算案編成重点について申し上げます。  第一に、農業生産基盤強化に関する経費についてであります。  農業経営合理化農業生産力発展をはかりますため、土地改良事業開拓事業等農業生産基盤強化に要する経費といたしまして、三百三億五千三百万円を計上いたしました。  まず、三十三年度より発足いたしました特定土地改良工事特別会計につきましては、同会計において、国費五十四億五千六百万円、借入金十八億円を計上し、七カ年完成の目標のもとに、その事業拡大計画的実施をはかることといたしました。  このうち、灌漑排水事業につきましては、十六億八千四百万円、うち国費十一億四百万円を計上いたしまして、継続実施中の四地区については既定計画に基いて事業推進をはかり、従来一般会計継続実施中の三地区を新たに特別会計事業として事業計画的促進をはかり、さらに新規地区に着工いたすことといたしました。  干拓事業につきましては、五十三億九千九百万円、うち国費四十三億五千二百万円を計上いたしまして、八郎潟その他継続実施中の七十四地区について、既定計画のもとに事業実施するとともに、さらに新規地区に着工することといたしました。  なお、三十三年度において、三地区、二工区の完成を予定いたしております。  また、将来特別会計事業として実施すべき地区といたしまして、灌漑排水地区干拓地区を新たに採択し、これらの地区につき全体設計を実施することといたしました。  次に、一般会計において実施しております国営都道府県営灌漑排水事業等土地改良事業の基幹となる大規模事業につきましては、国営灌漑排水事業の一部を特定土地改良工事特別会計に移しかえるほか、継続事業について八十六億八千八百万円を計上して残事業量の圧縮に努めますとともに、団体営灌漑排水事業耕地整備事業等小規模事業につきましても三十九億六千三百万円を計上し、畑地潅漑事業拡充するほか、特に明年度から非補助融資に格段の意を用いることとし、このため新たに同事業指導体制整備してその伸長に遺憾のないようにするとともに、事業資金を六十億円とし、また農林漁業金融公庫に小団地等土地改良事業助成基金六十五億円を新設して、貸付利子の軽減をはかることといたしました。  なお、これらの事業実施に当りましては、補助、非補助を通じ、重点国営県営等基幹工事末端工事を早期に完成することにより、経済効果早期発生を期すること並びに積寒、湿田、急傾斜等特殊地帯農業振興計画実施促進及び畑地改良事業の急速な進展をはかることに置き、適切な運用を期する所存であります。  次に、外資関係土地改良事業といたしましては、愛知用水事業につきまして、国費十五億円、借入金等七十六億四千六百万円を計上、既定計画通り三十五年度完成を目標とし、また篠津泥炭地開発事業につきましては九億百万を計上、三十六年度完成を目標としてそれぞれ事業推進をはかることといたしました。  開拓事業につきましては、これが刷新強化をはかるため、国費六十七億古万円を計上し、次の施策を講ずることといたしました。  まず、新規開拓事業につきましては、建設工事促進し、機械開墾方式の導入を行うとともに、三十三度二千五百戸と予定しております新規入植者に対しましては、従来の営農類型を改訂いたしまして、修正営農類型については貸付額一戸当り平均四十五万円、新営農類型については貸付額一戸当り平均五十四万九千円を予定いたします等、貸付金大幅増額を行い、営農早期確立をはかることといたしました。  また、市町村単位に樹立される総合開発計画に基いて実施される地元増反事業に対しましては、新たに開墾作業費及び土壌改良費補助を行う道を開きました。  次に、営農不振の既入植地に対しましては、開拓営農振興臨時措置法に基き、建設工事促進をはかるほか、四十億五千九百万円の旧債の借りかえと、これに伴う一億二千六百万円の利子補給及び十六億二千五百万円の営農振興資金貸付等措置をとり、計画的にこれが振興推進することといたしました。なお、開拓地営農指導充実強化するため、三十三年度において営農指導員九十三人の増員をいたすこととしました。  また、農地開発機械公団の保有する機械による大規模機械開墾につきましては、上北、根釧地区事業推進をはかるほか、新たに床丹第一地区及び北岩手地区に着工することとし、さらに国営干拓事業において使用する機械につきましても、一部を同公団において供給することといたしました。  土地改良開発に関する調査計画につきましては、三億九千百万円を計上し、その拡充をはかることといたしました。すなわち、土地改良につきましては、継続調査三十一地区推進するほか、新規に内地二地区北海道地区調査することとし、また、畑地改良事業振興に備えまして、新たに深層地下水調査を行うことといたしました。干拓につきましては、継続地区のほか、新規地区を加え、開墾につきましては、開拓専業刷新の方針のもとに、特定地域規模開発市町村総合開発の二大別とし、前者は継続地区を進めるほか、新規地区を加え、後者は初年度として四十五カ町村において行うことといたしております。  防災事業につきましては、災害発生を未然に防止することの重要性にかんがみ、十二億六千三百万円を計上いたしまして、その計画的実施をはかることとし、特に、地すべり対策につきましては、その危険のある地域の指定を行い、地すべり対策事業重点的実施をはかることといたしました。  次に、農地対策強化につきましては、農業経営規模の過小が農業生産力発展農業経営合理化を阻害している現状にかんがみまして、自作農維持創設資金を七十五億円に増額いたすとともに、農地法の適確な運用をはかるための経費を計上いたしました。  以上のほか、農業生産基盤強化のための予算としましては、農業機械整備費等に九億九千九百万円を計上いたしております。  なお、以上申しのべましたもののほか、災害関係事業といたしましては、災害復旧事業費として五十九億二千二百万円を計上いたしまして、過年災について、極力残事業の解消に努め、二十九年災及び三十年災については三十三年度において完了いたすこととなりました。また、災害関連事業につきましては七億九千八百万円を、鉱害復旧事業につきましては三億一千一百万円をそれぞれ計上し、事業推進をはかることといたしております。  第二、畑作振興対策に要する経費についてであります。  まず畑作技術の後進性を打破するために、畑作関係普及事業充実することといたしましたが、特に明年度から園芸、畜産、機械関係特技普及員を設置することといたし、これがため十億四千二百万円を計上いたしました。  次に、畑作関係耕種改善事業につきましては、引き続き各種畑作物の原採種苗圃の設置、大型トラクターの導入による深耕、大豆特別指導地の増設等をはかるほか、新たに園芸等振興調査会の設置、園芸技術者養成施設の整備、紅茶製法合理化試験に対する助成を行う等、園芸振興対策強化いたすこととし、これらに必要な経費三億三千七百万円を計上しております。  畑作経営は、御承知の通り地域により著しく様相を異にし、複雑多岐にわたりますので、地域的特殊性を考慮した立地条件に応ずる施策が必要であります。これがため、寒冷地帯に対しましては、前年度に引き続き四億七千百万円を計上し、家畜及び大型機械の国有貸付による導入、テンサイ、亜麻の原採種圃の設置等実施するほか、北海道については、新たに地域別に営農の目標を定め、農林漁業金融公庫から営農改善資金七億円を融通することといたしました。  畑作物は、その性質上特に流通の合理化及び価格の安定をはかる必要がありますので、農産物価格定安制度の適切な実施をはかるため、食糧管理特別会計農産物等安定勘定への繰り入れに要する経費四億五千百万円を計上いたしましたほか、別途通産省計上の貿易振興費に、ミカン、茶等の海外における消費宣伝活動に要する経費を計上しております。  以上の経費のほか、畑作振興の関連施策について申し上げますと、畑作振興対策の基盤となる畑地における土地改良事業並びに畜産の振興に意を用いますほか、試験研究及び統計調査につきましては、北海道、九州の地域農業試験場に畑作部を、関東東山地域農業試験場に畑作総合試験地をそれぞれ新設するのに必要な経費と、統計調査部において臨時畑作調査実施するに必要な経費を確保いたしましたほか、農業改良資金におきまして新たに園芸用ビニール、凍霜害防除用重油を対象事業として取り上げることといたしました。  第三に、畜産振興対策に要する経費についてであります。  まず、家畜の改良増殖及び衛生対策につきましては、六億七千五百万円を計上し、都道府県の種畜設置補助、家畜伝染病予防法による家畜疾病予防等、従前の施策に加えて新たに国立の種畜牧場整備強化に着手するとともに、都道府県の家畜保健衛生所の整備強化助成することといたしております。  次に、家畜の導入についてでありますが、別途寒冷地帯を対象とする家畜の国有貸付事業に二億三千三百万円を計上いたしますほか、二億二千百万円を計上し、有畜農家創設事業及び畜産による中小農振興対策による家畜の導入並びに世界銀行資金によるジヤジー種乳牛の導入を実施して参る所存であります。  飼料対策につきましては、草地改良に必要な経費一億七千五百万円を計上し、従前の改良展示施設に大規模の放牧利用模範施設を加えるとともに、集約的な採草利用を目的とする高度集約牧野につき、新たに四千六百町歩の造成改良事業実施することといたしましたほか、飼料自給度の向上対策といたしまして、六千二百万円を計上し、飼料作物原採種圃事業の一段の強化をはかりますとともに、畑作地帯におけるカンショを中心とした飼料自給化普及研修事業を行うことといたしております。  以上のほか、農家の購入飼料については、その品質向上のための施策を、従前に引き続き実施いたしますとともに、飼料需給安定法の適切な実施をはかるため、食糧管理特別会計農産物等安定勘定に五億五千万円の繰り入れを行うことといたしました。  牛乳、乳製品需要増進価格安定につきましては、酪農振興基金を新設するために政府出資五億円及び飲用乳等学校給食助成のために七億円をそれぞれ計上いたしますほか、牛乳の流通改善に資するため、新たに九百万円を計上し、乳質改善事業実施して参ることといたしております。  農民の畜産に関する技術の向上対策につきましては、すでに申し述べました通り、特技普及員を新設して農業改良普及事業における畜産部門の強化をはかりますほか、三千六百万円を計上し、畜産技術及び経営診断事業を引き続き実施いたしますとともに、新たに畜産技術講習施設の拡充を行うことといたしました。なお、関連施策といたしまして、畜産に関する調査統計を充実するこことし、前年度に着手いたしました緊急畜産センサス及び牛乳生産量予察調査に加えて、新たに肉豚供給予察調査実施することといたしております。  第四に、蚕糸業振興対策に要する経費であります。  まず、生糸の流通及び需給対策につきましては、繭糸価格安定制度充実をはかるため、生糸保管株式会社に対し、三千万円の政府出資を新たに行いますとともに、別途糸価安定特別会計の買い入れ資金ワクを二十億円拡充することといたしておりますほか、前年度に引き続き製糸設備処理を実施して参るため五千百万円を計上いたしております。  次に、生糸の需要増進につきましては、九千万円を計上し、従前の米国における消費宣伝事業及び市場調査を一属強化拡充して参る所存であります。  以上の諸施策と相待って、国内における原料繭の合理的増産と養蚕経営合理化措置として、前年度に引き続き技術改良対策及び桑園能率増進対策を講ずることといたしておりますが、特に蚕業技術の改良普及を促進するため、二億八千七百万円を計上し、蚕業技術普及貝の設置に対する助成強化することといたしました。  第五に、森林資源の開発育成に要する経費についてであります。  まず、林野公共事業費につきましては、治山事業費に四十二億七千四百万円、造林事業費に二十九億五千四百万円、林道事業費に森林開発公団補助を含めて二十二億二千万円を計上いたしております。  これらのうち、治山事業につきましては、復旧治山事業にあわせて予防的治山事業拡充するとともに、地すべり防止事業強化することといたしており、造林事業につきましては、林種転換を主とした拡大造林重点を置き、林道事業につきましては、奥地林開発を中心に林道網整備をはかることといたしました。なお以上のほか、林業関係災害復旧事業費等に四億三千六百万円を計上いたしております。  次に、林業振興に要する経費につきましては、十億七千四百万円を計上し、森林経営集約化並びに合理化につき、従前の諸施策強化することといたしておりますが、このうち、特に林業普及事業につきましては、三億六千百万円を計上し、地区制の整備と機動力の強化により、本事業拡充をはかることとし、林木品種改良事業につきましては、都道府県の採穂園及び採種園の新規造成に対する助成、並びに国有林野事業との協力により、林木育種場二カ所の増設を予定いたしました。このほか、新たに木炭生産指導強化をはかりますため、三千百万円を計上いたしております。  第六に、水産業振興対策に要する経費についてであります。  まず、漁港施設の整備拡充につきましては、漁港整備計画に基く修築事業早期完成をはかるため、三十六億九千五百万円を計上いたし、継続三百七十七港——うち完了予定三十七港——の整備事業実施するとともに、局部改良及び区域内の保全施設の拡充をはかることといたしましたほか、新たに完了予定港数と同程度の新規着工を予定いたしております。なお、このほか災害復旧事業費等に十億七千五百万円を計上いたしております。  次に、沿岸漁業振興につきましては、水産増殖の他沿岸漁業振興対策事業拡充実施することとして二億九千八百万円を計上いたしますとともに、水産技術改良事業につきましては、技術普及員の増員と漁場の集約的利用調査拡大実施等、本事業強化をはかりますほか、漁業共済制度試験実施拡充のため、二千八百万円及び共済金支払財源の不足に備えるため、新たに国庫債務負担行為一億円を計上いたしております。  これらの諸施策にあわせて、漁業制度に関する全般的検討を行うことを目的として、漁業制度調査会を新設するとともに、別途統計調査部において沿岸漁業対策臨時調査実施する予定であります。  沖合及び遠洋漁業の振興につきましては、国際漁場の確保と未開発漁場開発についてその発展をはかりますとともに、新たに五百万円を計上して東南アジア等海外漁業に対するわが国の組織的協力体制の確立を期することといたしております。  水産物の流通改善及び販路の拡大につきましては、八百万円を計上しましたが、特に魚獲が季節的に一時に集中する多獲魚について漁業協同組合の系統利用事業促進と出荷の自主的調整について指導の強化をはかることといたしました。  第七に、農林水産関係試験研究改善普及及び統計調査に要する経費についてであります。  まず、試験研究につきましては、二十億六千二百万円を計上いたし、これが推進強化をはかることといたしました。すなわち、畑作振興の一環としまして、北海道、九州の地域農試に畑作部を、関東東山地域農試に畑作総合試験地をそれぞれ設置する等、畑作関係試験研究強化いたしますとともに、新たに、土地利用の高度化をはかるための調査研究及び九州地方における防災営農方式を確立するための調査研究を行うこととしました。また、国立の各試験研究機関における試験研究のテーマといたしまして、新たに十四項目を加え、各試験研究推進をはかりますとともに、試験研究の効率化のため、蚕糸試験場機構の改編整備及び地域農試等、試験研究施設の整備を行いますほか、原子力の平和利用による試験研究推進をはかることといたしました。  次に、農林水産関係技術普及事業につきましては、さきに御説明申し上げました通り、農業改良特技普及員五百三十人、生活改善普及員九十二人、開拓営農指導員九十三人及び水産業技術普及員二十五人の増員等により、技術指導の充実向上をはかることといたしましたほか、農業改良地区普及所の強化、植物防疫における実験予察方式の導入による発生予察事業整備等に必要な経費として十一億九千六百万円を計上いたしました。  また、農林水産関係統計調査につきましては、十億六千三百万円を計上し、これが整備をはかることといたしました。すなわち、新たに畑作地帯における土地条件、作付体系、市場条件等を総合的、体系的に把握するための臨時畑作調査沿岸漁業振興施策の確立に資するための沿岸漁業対策臨時調査、その他農山漁家就業動向調査、肉豚供給予察調査等を実施いたすこととし、また、一九六〇年世界農業センサスのため必要な準備調査実施するとともに、FAOの要請により、東南アジア諸国農業統計関係者の研修を行うことといたしました。さらに、以上の統計調査充実にあわせて、出張所の機動力を強化する等、農林統計調査における能率の増進と精度の向上をはかることといたしました。  第八に、農林水産業団体活動促進に要する経費についてであります。  まず、農業委員会関係におきましては、その組織及び活動を維持するに必要な経費十億三千四百万円を計上いたしましたが、特に都道府県農業会議に一億三千百万円を計上いたしまして、その活動の充実を期することといたしました。  次に、農林水産業協同組合関係につきましては、その検査指導に必要な経費一億二千八百万円を計上するとともに、連合会の整備促進対策既定計画に基き推進するに必要な経費を確保いたしました。このほか、不振単協の整備強化措置に関しましては、整備特別措置法の期限の延長をはかることとし、必要な経費一億四千五百万円を計上いたしましたほか、新たに、水産業協同組合及び森林組合につきましても特別指導及び長期駐在の施策を講ずることといたし、これに要する経費五百万円を計上いたしました。なお、農業協同組合中央会の事業活動促進のため、監査事業強化を中心として、前年同様六千万円を計上いたしましたが、さらに明年度から農林漁業団体職員共済組合法の制定を予定し、長期給付を内容とする共済制度を確立し、農林漁業団体役職員の福利厚生に資するため、これに必要な経費一千万円を計上いたしました。  最後に、農業共済団体につきましては、損害評価に関する団体の機能の充実と職員の給与の改善重点を置き、これに必要な経費二十三億四千九百万円を計上いたしております。  第九に、新農山漁村建設総合対策につきましては、新規計画樹立地域を九百地域、事業実施地域を継続九百六十六地域、新規一千地域、計一千九百六十六地域として事業推進をはかることとし、これに必要な経費三十四億三千六百万円を計上いたしておりますが、明年度に既往の実績にかんがみまして、本事業の成果の十分な達成を期しますため、新規実施地域の一部につきましては、事業実施期間を三カ年に延長する道を開くことといたしました。  なお、小団地事業、桑園能率増進事業等の一般助成事業につきましても、それぞれ前年度に引き続き実施することといたしておりますが、特に農地集団化事業につきましては、畑作地帯に重点を置き、事業規模を拡大いたすこととして四千一百万円を計上しております。  第十に、農村青年対策及び海外移住に関する経費についてであります。  まず、農山漁村青年の自立を促進し、あわせて農山漁村の振興に資しますため、農村青年対策強化することとし、農村青年建設隊の中央一隊増設、農村建設班四十四班の増加を行うこととし、これらに必要な経費八千八百万円を計上いたしました。また一方、海外移住促進をはかるため、農業移住事業につきましては一万人、農業労務者派米事業につきましては一千人を対象として募集、選考、訓練事業強化するほか、新たに移住促進事業整備することといたしまして、これらに必要な経費四千八百万円を計上しております。  次に、昭和三十三年度の農林関係特別会計予算案について申し上げます。  第一に、食糧管理特別会計につき申し上げます。この会計の健全化につきましては、種々検討を加えてきたところでありますが、そのためには特別会計制度自体についても改正を加える必要が認められましたので、昭和三十三年度より国内米管理、国内麦管理、輸入食糧管理、農産物等安定、業務及び調整の六勘定を設け、各部門の収支損益を明確にするとともに、その損益処理を適正化いたすこととしました。新設の勘定区分に従って歳入歳出の規模を申し上げますと、国内米管理勘定五千六百八十八億五千五百万円、国内麦管理勘定七百十六億一百万円、輸入食糧管理勘定一千七百七十九億八千八百万円、農産物等安定勘定五百二十一億七千万円、業務勘定百六十五億二千万円、調整勘定六千二百十億二千八百万円となっております。なお前年度の予算編成と同一方式で計算いたしますと、歳入歳出の規模は、総計で八千七百六十五億二千六百万円であります。  米及び麦類の管理につきましては、従来の方針を継続して参りますが、三十三年産米の荷集数量は二千九百万石、国内産麦の買い入れ数量は百十九万六千トンと予定いたしております。外国食糧の輸入につきましては、需給上必要な限度での買い付けを予定いたしております。  米麦以外の農産物等につきましても、前年に引き続き澱粉、テンサイ糖、カンショなま切りぼし、菜種、大豆、飼料等の買い入れ費を計上しております。  損益処理につきましては、調整勘短に調整資金を設けるとともに、国内米、国内麦、輸入食糧管理の三勘定の損益をこの調整勘定に移し整理することといたしましたが、三十三年度において調整勘定における整理の結果は、約四十三億円の損と見込まれます。  また、農産物等安定勘定の見込損失相当額十億円は、調整勘定の対象外でありまして、これを直接一般会計より同勘定に受け入れることとし、他の勘定損益処理と区分しました。  なお、別に御審議願います昭和三十二年度一般会計補正予算案に、本会計の運営の健全化に資するための資金百五十億円の繰り入れを計上いたしておりまして、三十二年度の本会計の損失が決算上確定いたしますれば、その金額だけこれを減額いたすこととしておりますが、この資金の残額は三十三年度において調整資金として調整勘定に引き継ぐものといたしました。  第二に、農業共済再保険特別会計について申し上げます。この会計の各勘定を通じまして歳入歳出は、ともに百七十四億二百万円となっております。  このうち基金勘定につきましては、三十二年度末において農業勘定の剰余金を本勘定に受け入れることが見込まれますので、その歳入歳出は、ともに三十億二百万円を計上しております。  次に農業勘定でありますが、歳入歳出ともに百十六億四千三百万円を予定しております。  前年度の予算に比べまして二億二千四百万円の増加となっておりますのは、法律改正に伴い共済金額の国庫負担割合を引き上げ、また、一筆石建制の採用に伴い、共済金額を行当りに改め、引受数量の基礎を適去三カ年の実績の平均に置いたことなどのためでありまして、これにより一般会計からの受入額は二億百万円増加し、八十億二千六百万円となっております。  次に家畜勘定につきましては、歳入歳出ともに二十六億七千三百万円でありまして、牛馬の死廃病傷共済の掛金国庫負担と家畜加入奨励金との合計額五億九千四百万円を一般会計より受け入れることになっております。  第三に、国有林野事業特別会計につき申し上げます。  この会計の歳入歳出は、ともに四百五十四億五千五百万円であります。  本会計においては、特に木材の供給について、当面の需給計画上国有林よりの必要供給量を確保することはもちろん、将来わが国の経済の発展に伴い増大する木材需要に対応し得るよう、森林生産力の増強に特段の配慮を払うこととしております。北海道における風倒木の処理も三十二年度で完了いたしますので、三十三年度は、右の処理期間における内地の節伐方針を変更するとともに、北海道についても正常な伐採に移行せしめることとし、伐採量としては六千百十八万三千石(前年度五千八百四万九千石)を予定した次第であります。  特に三十三年度における事業重点としては、北海道風害跡地の更新の拡充強化と、これに伴う林道開発促進並びに国有林の経営案編成事業充実に主眼を置くとともに、水源林造成事業のための官行造林並びに治山事業についても特にその増強をはかることといたしております。  以上の各特別会計のほか、特定土地改良工事特別会計開拓者資金融通特別会計糸価安定特別会計につきましては別途御説明申し上げておりますが、森林火災保険特別会計につきましては、保険料率三割の引き下げを行うこととし、漁船再保険、自作農創設特別措置、中小漁業融資保証の各特別会計につきましては、前年に引き続き、ほぼ同様の方針で計上いたしております。  次に、昭和三十三年度の農林関係財政投融資計画について御説明申し上げます。  昭和三十三年度における農林関係財政投融資計画は三百一億円でありまして、そのおもなものは次の通りであります。  まず農林漁業金融公庫につきましては、三十三年度の貸付計画として土地改良百二十二億円、自作農維持資金七十五億円、農山漁村総合開発二十八億円、共同利用施設二十六億円、林業三十五億円、漁業三十八億円、開拓十二億円、寒冷地営農振興対策七億円、その他を含め計三百七十五億円を予定いたしております。この原資計画といたしましては、産業投資特別会計からの出資八十億円、資金運用部等からの借り入れ百十五億円、回収金等百六十倍円、計三百五十五億円であります。小団地等土地改良事業助成基金につきましては、さきに申し述べた通りであります。なお、農林漁業金融公庫は従来直接貸付を行なっていなかったのでありますが、三十三年度から一部直接貸付を実施することといたし、東京に営業部を設けるほか、全国に支店三カ所を設置することといたしております。  次に、開拓者資金融通特別会計につきましては、三十三年度の貸付計画のうち、営農及び共同施設資金は、すでに御説明申し上げました営農類型の改訂を織り込んで、五億九十万円を予定し、不振地区振興対策資金は十六億二千五百万円を予定し、営農不振の既入植の農家に対し、年次計画に従い、一戸当り平均十一万円を融資することとし、また、農地開発機械公団地区営農資金は三億六千五百万円、ほかに前年度の貸付残二億円を加え、貸付総額二十七億八千二百万円となっておりますが、この原資計画資金運用部から十八億円を借り入れし、その他は回収金等でまかなうことといたしております。  特定土地改良工事特別会計資金構成は、資金運用部からの借り入れ十八億円、一般会計からの繰り入れ五十四億円、その他四億円でございます。  愛知用水公団事業の三十三年度の総事業費九十一億円に見合います資金計画は、国費十五億円、資金運用部からの借り入れ五十億円、世銀借り入れ八億円、その他十七億円であります。  森林開発公団事業の三十三年度総事業費は十七億円でありまして、これに見合う資金計画は、国費二億円、資金運用部からの借り入れ十五億円であります。  農地開発機械公団事業におきましては三十三年度国営干拓事業に対します土木機械の貸付事業のための資金五億円を資金運用部から借り入れすることといたしております。  以上御説明いたしました農林関係予算案中、補助金の総額について申し上げますと、公共事業費関係三百三十五億五千万円、公共事業費以外の一般経費で百六十七億九千三百万円計五百三億四千三百万円の補助金を計上しておりますが、前年度に比し公共事業費において三億三千一百万円の減、公共事業費以外の一般経費において六億四千五百万円の増となり、差引三億一千四百万円の増となっております。なお、地方財政再建促進特別措置法に基く補助金は七億四百万円となっております。  最後に、定員外職員の定員化の措置について申し上げます。  従来定員外職員でありました常勤職員等につきましては、三十三年度において、政府の統一方針に基き、その定員化を実施することといたしましたが、農林省所管におきましては、一般会計及び特別会計を通じ、その総数七千五百九十人となっております。  以上をもちまして農林関係一般会計予算案及び特別会計予算案並びに財政投融資計画の概要の御説明を終ります。  よろしく御審議のほどをお願い申し上げます。
  11. 重政庸徳

    委員長重政庸徳君) ただいまの説明に対して御質疑の向きは御質疑をお願いいたします。  ちょっと速記をとめて。    〔速記中止
  12. 重政庸徳

    委員長重政庸徳君) 速記をつけて。  この件については、質疑は他日に譲り、本日は、この程度にいたします。   —————————————
  13. 重政庸徳

    委員長重政庸徳君) 次に、本第二十八回通常国会に提出予定の農林省関係法律案について、懇談によって農林当局から説明を求めます。  速記をとめて下さい。    午後二時五十三分速記中止    —————・—————    午後三時十九分速記開始
  14. 重政庸徳

    委員長重政庸徳君) 速記を始めて下さい。  本日は、これにて散会いたします。    午後三時二十分散会